JP2012063698A - 数モードファイバ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の数モードファイバは、コアと、コアの周囲に設けられたクラッドとを備え、規格化周波数(v)が2.4〜8.5であり、コアが扁平した形状をなしていることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
規格化周波数(v)を調整する方法としては、光ファイバの比屈折率差を調整する方法が挙げられる。
通常の数モードファイバは、図13に示すように、各LPモードが縮退した複数のモードを有している。この図13は、比屈折率差Δが0.3%または2%、コア半径aが7.5μmまたは15μmの場合の有効屈折率(等価屈折率)とモード番号の関係を示すグラフである。
なお、同じ有効屈折率をもつ複数のモード番号が存在していることを、縮退しているという。
LP01モードは2重に縮退し、LP11モードは4重に縮退し、LP21モードは4重に縮退し、LP02モードは2重に縮退し、LP31モードは4重に縮退している。
2つのモードが縮退している(縮退度2)場合、偏光ビームスプリッタを用いて、縮退したモードを2つに分離することができる。
しかしながら、3つ以上のモードが縮退している(縮退度3以上)場合、偏光ビームスプリッタを用いたとしても、2つに分離できるだけである。したがって、数モードファイバをモード多重通信に使用する場合、分離できないモードによるモードの多重度が無駄となり、効率的な通信を行うことができなかった。また、他の方法を用いても、縮退した3つ以上のモードを分離することは困難であった。
なお、この実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
この数モードファイバ10は、石英系ガラスからなるコア11と、コア11の周囲に設けられ、コアよりも屈折率が低く、石英系ガラスからなるクラッド12とから概略構成されている。
また、本発明における数モードファイバとは、規格化周波数(v)が2.4〜8.5であり、特に、規格化周波数(v)が2.4〜5.1のものをいう。
Δ=(n1 2−n2 2)/(2n1 2) ・・・(2)
上述のように、石英系光ファイバは、伝搬モードをLPモードで表すことができる。
コアの断面形状が円形の場合を考える。
例えば、Δ=0.3%、a=4μmのとき、LP01モードのみが存在する単一モードファイバとなる。
Δ=0.3%、a=7.5μmのとき、LP01モードとLP11モードが存在する数モードファイバとなる。
Δ=0.3%、a=15μmのとき、および、Δ=0.7%、a=10μmのとき、LP01モード、LP11モード、LP21モードおよびLP02モードが存在する数モードファイバとなる。
Δ=2%、a=7.2μmのとき、および、Δ=2%、a=15μmのとき、LP31モードが存在する数モードファイバとなる。
複数のモードの一部の縮退を解いて、偏波モードの縮退のみとするには、コア11の扁平率が120%以上、かつ、コア11の短直径の平均と長直径の平均が15μm〜30μmであることが好ましい。
また、コア11の短直径は、コア11の半径(コア半径)をaとすると、2aで表される。一方、コア11の長直径は、コア11の半径(コア半径)をaとすると、2a×(コア11の扁平率)で表される。
なお、有効屈折率とは、各モードに固有の値であり、光ファイバの形状を決定するパラメータ(コアの屈折率、クラッドの屈折率、使用する波長)から算出される。
図13のグラフでは、各LPモードにおいて、複数のモードが縮退していたが、図2のグラフでは、各LPモードにおいて、モードの縮退が部分的に解けて、2つずつの縮退、すなわち、偏波モードの縮退のみが残っていることが分かる。
偏波モード以外のモードは、縮退が解けているので、例えば、「F.Saitoh,Optics Express 18,p4709(2009)」に記載されている方法などにより分離することができる。
図3のグラフと、図2のグラフとを比較すると、図3のグラフでは、図2のグラフよりも各モードの分離がはっきりしている。
図2のグラフおよび図3のグラフから、モードの縮退を解くためには、コアの扁平率を120%以上とすることが好ましいと言える。
図4は、本発明の数モードファイバの第一の実施形態を示す断面模式図であり、コア近傍の断面を示す図である。
この実施形態の数モードファイバ20は、コア21と、コア21の周囲に設けられたクラッド22と、クラッド22におけるコア21の近傍に周期的に形成された多数の空孔23とから概略構成されている。
また、多数の空孔23は、三角格子状に配置されている。
これにより、コア21は扁平形状をなしている。
図5のグラフから、偏波の縮退であるモード、例えば、第1モードと第2モードの間にも、約10−4の有効屈折率の差が現れていることが分かる。この有効屈折率の差は、一般的に使用される偏波保持ファイバにおける偏波モードの有効屈折率の差と同等以上である。
まず、コアとなる石英系ガラスロッドを中心として、その周囲に石英系ガラスチューブを配置し、さらに、その周囲に石英系ガラスロッドを配置して、これら石英系ガラスロッドと石英系ガラスチューブからなる集合体を形成する。
次いで、この集合体を真空加熱炉内に入れ、集合体全体をヒータなどで加熱するなどして、石英系ガラスを軟化させて、集合体内部の隙間を埋めて、光ファイバ母材を作製する。
次いで、得られた光ファイバ母材を、光ファイバ紡糸装置(線引き装置)にセットし、通常の光ファイバ製造の場合と同様にして線引きし、図4に示す数モードファイバ20を得る。
図6は、本発明の数モードファイバの第二の実施形態を示す断面模式図であり、コア近傍の断面を示す図である。
この実施形態の数モードファイバ30は、コア31と、コア31の周囲に設けられたクラッド32と、クラッド32におけるコア31の近傍に周期的に形成された多数の空孔33とから概略構成されている。
また、多数の空孔33は、三角格子状に配置されている。
図7は、本発明の数モードファイバの第三の実施形態を示す断面模式図であり、コア近傍の断面を示す図である。
この実施形態の数モードファイバ40は、コア41と、コア41の周囲に設けられたクラッド42と、クラッド42におけるコア41の近傍に周期的に形成された多数の空孔43とから概略構成されている。
また、多数の空孔43は、三角格子状に配置されている。
図8は、本発明の数モードファイバの第四の実施形態を示す断面模式図であり、コア近傍の断面を示す図である。
この実施形態の数モードファイバ50は、コア51と、コア51の周囲に設けられたクラッド52と、クラッド52におけるコア51の近傍に周期的に形成された多数の空孔53とから概略構成されている。
また、多数の空孔53は、三角格子状に配置されている。
そして、この一対の空孔53Aに挟まれた領域(図8に破線で示す領域)が、コア51をなしている。これにより、コア51は扁平形状をなしている。
図9は、本発明の数モードファイバの第五の実施形態を示す断面模式図であり、コア近傍の断面を示す図である。
この実施形態の数モードファイバ60は、コア61と、コア61の周囲に設けられたクラッド62と、コア61をなす領域およびクラッド62に周期的に形成された多数の空孔63とから概略構成されている。
また、多数の空孔63は、三角格子状に配置されている。
なお、中実の空孔63Aとなる部分には、初めから空孔を形成しなくてもよい。
図10は、本発明の数モードファイバの第六の実施形態を示す断面模式図であり、コア近傍の断面を示す図である。
この実施形態の数モードファイバ70は、コア71と、コア71の周囲に設けられたクラッド72と、コア71をなす領域およびクラッド72に周期的に形成された多数の空孔73とから概略構成されている。
また、多数の空孔73は、三角格子状に配置されている。
なお、中実の空孔73Aとなる部分には、初めから空孔を形成しなくてもよい。
図11は、本発明の数モードファイバの第七の実施形態を示す断面模式図であり、コア近傍の断面を示す図である。
この実施形態の数モードファイバ80は、コア1と、コア81の周囲に設けられたクラッド82と、コア81をなす領域およびクラッド82に周期的に形成された多数の空孔83とから概略構成されている。
また、多数の空孔83は、正方格子状に配置されている。
なお、中実の空孔83Aとなる部分には、初めから空孔を形成しなくてもよい。
図12は、本発明の数モードファイバの第八の実施形態を示す断面模式図であり、コア近傍の断面を示す図である。
この実施形態の数モードファイバ90は、コア91と、コア91の周囲に設けられたクラッド92と、コア91をなす領域およびクラッド92に周期的に形成された多数の空孔93とから概略構成されている。
また、多数の空孔93は、三角格子状に配置されている。
また、クラッド92におけるコア91の近傍に形成された多数の空孔93のうち、コア91を挟んで対向して配置された一対の空孔93Bは、他の空孔93Cよりも内径が大きくなっている。さらに、一対の空孔93Bが、コア91に近接配置されている。
そして、この中実の空孔93Aおよびその周囲の領域(図12に破線で示す領域)が、コア91をなしている。これにより、コア91は扁平形状をなしている。
なお、中実の空孔93Aとなる部分には、初めから空孔を形成しなくてもよい。
Claims (8)
- コアと、該コアの周囲に設けられたクラッドとを備え、規格化周波数(v)が2.4〜8.5である数モードファイバであって、
前記コアが扁平した形状をなしていることを特徴とする数モードファイバ。 - 前記コアの扁平率が120%以上であり、前記コアの短直径の平均と長直径の平均が15μm〜30μmであることを特徴とする請求項1に記載の数モードファイバ。
- 前記クラッドにおける前記コアの近傍に、多数の空孔が周期的に形成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の数モードファイバ。
- 前記多数の空孔のうち、前記コアを挟んで対向する少なくとも一対の空孔は、他の空孔よりも内径が大きいことを特徴とする請求項3に記載の数モードファイバ。
- 前記少なくとも一対の空孔が、前記コアに近接配置されたことを特徴とする請求項4に記載の数モードファイバ。
- 前記コアをなす領域および前記クラッドに多数の空孔が周期的に形成され、該多数の空孔のうち中央部に配置された空孔の一部に前記クラッドと材質が等しい素材が充填され、該中実の空孔が前記コアをなしていることを特徴とする請求項1または2に記載の数モードファイバ。
- 前記コアをなす領域および前記クラッドに多数の空孔が周期的に形成され、該多数の空孔のうち中央部に配置された空孔の一部に前記クラッドと材質が等しい素材が充填され、該中実の空孔が前記コアをなし、かつ、前記多数の空孔のうち、前記コアを挟んで対向する少なくとも一対の空孔は、他の空孔よりも内径が大きいことを特徴とする請求項1または2に記載の数モードファイバ。
- 前記空孔の内径は、前記空孔同士の間隔の0.5倍以上であることを特徴とする請求項3〜7のいずれか1項に記載の数モードファイバ。
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