JP2012063697A - 数モードファイバおよび数モードファイバの設計方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の数モードファイバは、コアと、該コアの周囲に設けられたクラッドとを備え、比屈折率差をΔ(%)、前記コアの半径をa(μm)とした場合、Δ×a2の値が所定の範囲内となるように、前記比屈折率差と前記コアの半径が設定されたことを特徴とする。
【選択図】なし
Description
規格化周波数(v)を調整する方法としては、光ファイバの比屈折率差を調整する方法が挙げられる。
数モードファイバは、基底モードの色分散を制御するために、その屈折率分布が、ステップインデックス型やセグメント型をなしている(例えば、特許文献1参照)。
また、従来、イーサネット(登録商標)などの短距離伝送用に、マルチモードファイバが使用されている。ここでは、群遅延差を低減するために、屈折率分布がグレーテッドインデックス型のマルチモードファイバが用いられている。グレーテッドインデックス型マルチモードファイバは、標準的にコア半径が25μmまたは31.25μmである。また、グレーテッドインデックス型マルチモードファイバは、そのコア半径の場合に、最低次と最高次のモード間の分散を低減する設計となっている。
また、規格化周波数(v)を調整する方法としては、光ファイバの比屈折率差を調整する方法もある。
しかしながら、規格化周波数(v)が2.4〜8.5の数モードファイバに関しては、群遅延差を低減するために、比屈折率差やコア半径の最適化がなされていなかった。
なお、この実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
本発明の数モードファイバは、石英系ガラスからなるコアと、コアの周囲に設けられ、コアよりも屈折率が低く、石英系ガラスからなるクラッドとから構成されており、比屈折率差をΔ(%)、コアの半径をa(μm)とした場合、Δ×a2の値が所定の範囲内となるように、比屈折率差とコアの半径が設定されたものである。
Δ=(n1 2−n2 2)/(2n1 2) ・・・(2)
石英系光ファイバは、比屈折率差が数%以下と小さく、弱導波近似が成立するため、伝搬モードをLPモードで表すことができる(左貝潤一、「導波光学」第6章・第7章、共立出版、2004年参照)。
LPモードは、低次のモード、すなわち、カットオフ周波数の小さなモードから順に、LP01、LP11、LP21、LP02、LP31、・・・と呼ばれている。
LP01モードは2重に縮退し、LP11モードは4重に縮退し、LP21モードは4重に縮退し、LP02モードは2重に縮退し、LP31モードは4重に縮退している。
m=2μ+v+1 ・・・(3)
同じmに属するモードは伝搬定数が近く、モード間の結合が起きやすいため、同じmに属するモードを合わせて用いることが好ましい。例えば、LP21モードでは、v=2、μ=0(μ+1=1)であり、LP02モードでは、v=0、μ=1(μ+1=2)であるため、LP21モードとLP02モードはm=3であるので、これらのモードを組み合わせて用いることが好ましい。
ゆえに、LP01モード、LP11モード、LP21モードおよびLP02モードを使用した場合、モードの縮退を考えると、全部で12個のモードが使用可能となり、通信容量を一桁増加させることができる。
また、アクセスネットワークに使用可能な10kmの距離を伝送させることを考えると、5ns/kmの群遅延時間差を補償可能なデジタル信号処理を適用した場合、各モード間の群遅延時間差は0.5ns/km以下である必要がある。
また、メトロネットワークに必要な40kmの距離を伝送させることを考えると、10ns/kmの群遅延時間差を補償可能なデジタル信号処理を適用した場合、各モード間の群遅延時間差は0.25ns/km以下である必要がある。
なお、各モードの群速度は、光ファイバのモードを数値解析することにより算出される。各モードの群速度から光ファイバを1km伝搬するのに要する群遅延時間を求めると、その群遅延時間の差が、光ファイバ1km当たりの各モード間の群遅延時間差となる。
図1のグラフから、Δ×a2の値が所定の範囲内となるように、比屈折率差Δ(%)とコアの半径a(μm)を設定することにより、各モード間の最大群遅延時間差を変化させられることが分かる。
ここで、各モード間の最大群遅延時間差を0.5ns/km以下とするには、比屈折率差Δを0.3〜0.9%、コアの半径aを10μm〜16μmとすることが好ましい。
80<Δ×a2<140 ・・・(4)
特に、図1のグラフにおいて、Δ×a2の値が100付近となる領域(図1のグラフにおいて、破線で示す領域α)では、各モード間の群遅延差(モード分散)が小さくなっている。この領域αにおいて、比屈折率差Δが0.5%かつコアの半径aが14μmの点Aと、比屈折率差Δが0.4%かつコアの半径aが16μmの点Bとが、コア半径aを大きく、かつ、最大群遅延時間差を0.125ns/km以下とできる数値の組み合わせの一例である。したがって、これら点Aと点Bを結ぶ直線上にある点も、コア半径aを大きく、かつ、最大群遅延時間差を0.125ns/km以下とできる数値の組み合わせとなる。
ここで、図2は、数モードファイバの屈折率分布をステップインデックス型にした場合、各モード間の群遅延時間差を示すグラフである。図3は、数モードファイバの屈折率分布を2乗分布型にした場合、各モード間の群遅延時間差を示すグラフである。
図2のグラフと、図3のグラフとを比較すると、屈折率分布を2乗分布型とすることにより、各モード間の群遅延時間差を低減することができることが分かる。
なお、図1の第1モードから第4モードまでの最大群遅延時間差を示すグラフは、数モードファイバの屈折率分布を2乗分布型にした場合を示している。
本発明の数モードファイバの設計方法は、コアと、このコアの周囲に設けられたクラッドとを備えた数モードファイバの設計方法であって、比屈折率差をΔ(%)、コアの半径をa(μm)とした場合、Δ×a2の値が所定の範囲内となるように、比屈折率差とコアの半径を設定する方法である。
ここで、各モード間の最大群遅延時間差を0.5ns/km以下とするには、比屈折率差Δを0.3〜0.9%、コアの半径aを10μm〜16μmとすることが好ましい。
80<Δ×a2<140 ・・・(4)
Claims (9)
- コアと、該コアの周囲に設けられたクラッドとを備えた数モードファイバであって、
比屈折率差をΔ(%)、前記コアの半径をa(μm)とした場合、Δ×a2の値が所定の範囲内となるように、前記比屈折率差と前記コアの半径が設定されたことを特徴とする数モードファイバ。 - 屈折率分布がn乗分布型(n>1)であることを特徴とする請求項1に記載の数モードファイバ。
- 前記比屈折率差が0.3〜0.9%、前記コアの半径が10μm〜16μmであることを特徴とする請求項1または2に記載の数モードファイバ。
- 各モード間の群遅延時間差が0.5ns/km以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の数モードファイバ。
- コアと、該コアの周囲に設けられたクラッドとを備えた数モードファイバの設計方法であって、
比屈折率差をΔ(%)、前記コアの半径をa(μm)とした場合、Δ×a2の値が所定の範囲内となるように、前記比屈折率差と前記コアの半径を設定することを特徴とする数モードファイバの設計方法。 - 前記数モードファイバの屈折率分布をn乗分布型(n>1)とすることを特徴とする請求項5に記載の数モードファイバの設計方法。
- 前記比屈折率差を0.3〜0.9%、前記コアの半径を10μm〜16μmとすることを特徴とする請求項5または6に記載の数モードファイバの設計方法。
- 前記比屈折率差と前記コアの半径の関係を示すグラフにおいて、前記比屈折率差が0.5%かつ前記コアの半径が14μmの点と、前記比屈折率差が0.4%かつ前記コアの半径が16μmの点とを結ぶ直線を表す式を満たすように、前記比屈折率差と前記コアの半径を設定することを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の数モードファイバの設計方法。
- 前記数モードファイバを伝搬する各モード間の群遅延時間差を0.5ns/km以下とすることを特徴とする請求項5〜8のいずれか1項に記載の数モードファイバの設計方法。
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