JP5789626B2 - 光ファイバおよび光伝送路 - Google Patents

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Description

本発明は、光ファイバおよび光伝送路に関する。
光情報通信においては、通信量の増加に伴い、伝送媒体となる光ファイバに求められる伝送容量も増加してきている。特に、WDM(波長多重分割)方式による長距離伝送用の光ファイバにおいて、このような要求は顕著である。通信量は今後も増加の一途を辿ることが予想されており、伝送容量の増加は光ファイバにおける喫緊の課題となっている。
そこで、近年、伝送容量の増加に対応すべく、複数のモードを伝搬させることが可能なFMF(Few-Mode Fiber)を伝送路に用い、各モードに対して対応する信号を重畳することにより複数の信号を多重化送信する、MDM(モード分割多重)伝送が注目を集めている。
しかしながら、FMFにおいては、モード分散の発生が避けられない。モード分散は、伝送距離に比例した伝送容量の低下を生じさせる。したがって、長距離伝送に耐える大容量のマルチモードファイバを実現するためには、モード分散を抑えることが重要になる。
例えば、MDM伝送において採用され得るMIMO(Multiple-Input-Multiple-Output)の処理演算量は、FMFのモード分散が大きいほど増加することが知られている。このため、FMFのモード分散が大きいと、MIMOの処理に遅延が生じる虞がある。このため、MDM伝送では、モード分散が小さいFMFが必要となってくる。さらに、MDM伝送は、WDM伝送との併用が想定されるため、広い波長帯域に亘ってモード分散を小さくする必要がある。
そこで、モード分散特性が異なる複数の光ファイバを組み合わせることにより、光伝送路におけるモード分散を補償する技術が考案されている。例えば、下記特許文献1には、2つのMMF(Multimode Fiber)を好適に組み合わせることにより、最適化された波長(例えば、0.85μm)以外の他の波長(例えば、1.3μm)においても、モード分散を補償することにより、伝送帯域幅を拡大する技術が開示されている。
また、下記非特許文献1,2には、モード分散の符号と、モード分散の波長に対する傾きの符号との各々が互いに異なる、2以上の2モードファイバを接続することにより、より広い波長帯域に亘ってモード分散を小さくする技術が開示されている。
特に、下記非特許文献1では、グレーデッドインデックスコアにトレンチ構造を付与した構造の2モードファイバと、グレーデッドインデックスコアのみを有する構造の2モードファイバとを接続した光伝送路が提案されており、当該光伝送路を用いて、光通信用の波長帯域であるC+L−bandにおいて数ps/km以下のモード分散を達成できることが示されている。
また、下記非特許文献2では、階段状の屈折率分布を有する2モード光ファイバが提案されており、各パラメータが調整された4本の光ファイバが接続された光伝送路を用いて、C+L−bandにおいて数ps/km以下のモード分散を達成できるとされている。
特開2006−221052号公報(2006年8月24日公開)
しかしながら、上記非特許文献1,2の技術を用いたとしても、広い波長帯域に亘ってモード分散を十分に補償することは容易ではない。これは、従来の2モード光ファイバは、そのモード分散Δτが波長λに対して傾きを有している、すなわち、モード分散Δτが波長λに依存するという特性を有しているためである。この点に関し、図18を参照してより具体的に説明する。図18は、従来の光ファイバのモード分散特性を示すグラフである(x軸は波長、y軸はモード分散を示す)。この図18に示すように、正のモード分散Δτpは、1次関数y=apx+bp(ap>0)によって近似可能な特性を有しており、負のモード分散Δτnは、1次関数y=anx+bn(an<0)によって近似可能な特性を有している。
このため、従来の光伝送路(例えば、非特許文献1,2に開示されている光伝送路)においては、ある波長λを基準として、モード分散を補償するように2つの2モード光ファイバ(正のモード分散Δτpをもつ2モード光ファイバ、および、負のモード分散Δτnをもつ2モード光ファイバ)を組み合わせたとしても、他の波長λの信号光に対してモード分散を十分に補償することは容易ではない。よって、従来の光伝送路においては、広い波長帯域に亘ってモード分散を十分に補償することができなかった。
上記の課題に関する発明者の知見によれば、従来の光伝送路であっても、下記数式(1)を満たすことにより、広い波長帯域に亘ってモード分散Δτを補償することが可能である。しかしながら、上記モード分散Δτは、その波長λに対する傾きがコア半径の変動に対して鈍感であるのに対し、その値がコア半径の変動に対して敏感であるため、コア半径が変動してしまうと、下記数式(1)の関係が大きく崩れてしまう。このため、広い波長帯域に亘ってモード分散を十分に補償することのできる光伝送路を実現するという課題は、依然として未解決のままであった。
Figure 0005789626
本発明は、上記の課題に鑑みて、発明者の更なる知見に基づきなされたものであり、その目的は、広い波長帯域に亘ってモード分散を十分に補償することが可能な光ファイバおよび光伝送路を実現することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る光ファイバは、信号光に含まれるLP01モード成分およびLP11モード成分を伝搬する2モード光ファイバであって、予め定められた波長帯域において、下記数式(2)により定義されるモード分散Δτが一定であることを特徴とする。下記数式(2)において、vg11は、前記LP11モード成分の群速度を示し、vg01は、前記LP01モード成分の群速度を示す。
Figure 0005789626
特に、上記光ファイバにおいて、前記波長帯域において、波長λに対する前記モード分散Δτの傾きdΔτ/dλが、|0.5|ps/km/nm以下であることが好ましい。特に、1530〜1625nm帯である前記波長帯域において、波長λに対する前記モード分散Δτの傾きdΔτ/dλが、|0.5|ps/km/nm以下であることが好ましい。
上記各光ファイバによれば、波長λによるモード分散特性の変動が殆ど生じないため、符号が正であるモード分散特性を持つ第1の光ファイバと、符号が負であるモード分散特性を持つ第2の光ファイバとの各々を、当該光ファイバのように構成し、さらに、上記第1の光ファイバと上記第2の光ファイバとを適切な長さで組み合わせることにより、広い波長帯域に亘ってモード分散補償がなされた光伝送路を実現することができる。特に、上記光ファイバにより、本書に記載した実験結果からも明らかなように、通信波長帯である1530〜1625nm帯(但し、これに限定するものではない。)の全域に亘ってモード分散補償がなされた、光伝送路を実現することができ、よって、上記光ファイバがより有用なものであることがわかる。
上記光ファイバにおいて、屈折率分布がα乗型であり、最大屈折率がn1である内側コアと、上記内側コアを取り囲み、且つ、屈折率がn1’である外側コアと、上記外側コアを取り囲み、且つ、屈折率がn2(n1’<n2<n1)であるクラッドとを備えることが好ましい。特に、上記光ファイバにおいて、前記内側コアの半径をr1とし、前記外側コアの外周部の半径をaとし、前記外側コアと前記クラッドとの比屈折率差をΔ−とし、前記内側コアと前記クラッドとの比屈折率差をΔ+とし、Ra=r1/aとし、Rd=|Δ−|/|Δ+|とした場合において、以下の条件1〜3を満たすことが好ましい。
(条件1):Ra≦0.7
(条件2):0.1<Rd<0.5
(条件3):1.0≦α≦10.0
この光ファイバによれば、上記各パラメータを適切に調整することにより、モード分散Δτの波長λおよびコア半径aに対する傾きdΔτ/dλおよびdΔτ/daが極めて小さい、つまり、波長λおよびコア径の影響が極めて小さいモード分散特性を、より確実に得ることができる。
また、本発明に係る光伝送路は、上記光ファイバを用いており、且つ、前記モード分散Δτの符号が正である第1の光ファイバと、上記光ファイバを用いており、且つ、前記モード分散Δτの符号が負である第2の光ファイバとを備えていることを特徴とする。
この光伝送路によれば、所望の波長帯域の全域に亘って、モード分散を十分に補償することができる光伝送路を実現することができる。
本発明によれば、広い波長帯域に亘ってモード分散を十分に補償することが可能な光ファイバおよび光伝送路を実現することができる。
本発明の一実施形態に係る光伝送路の構成を示す。 本実施形態に係る光ファイバのモード分散特性を示すグラフである。 本実施形態に係る光ファイバの構成を示す断面図および側面図である。 本実施形態に係る光ファイバの屈折率分布を示すグラフである。 本実施形態に係る光ファイバに関して、パラメータRdとモード分散特性との関係を示すグラフである。 本実施形態に係る光ファイバに関して、パラメータRaとモード分散特性との関係を示すグラフである。 本実施形態に係る光ファイバに関して、パラメータαとモード分散特性との関係を示すグラフである。 本実施形態に係る光ファイバに関して、パラメータΔ+とモード分散特性との関係を示すグラフである。 (a)は、実施例1の光ファイバにおける、屈折率分布を規定する各パラメータの設定値を示す。(b)は、実施例1に係る光ファイバの、モード分散特性を示すグラフである。(c)は、実施例1に係る光ファイバに関して、コア半径の変動量とモード分散特性との関係を示すグラフである。 (a)は、実施例2の光ファイバにおける、屈折率分布を規定する各パラメータの設定値を示す。(b)は、実施例2に係る光ファイバの、モード分散特性を示すグラフである。(c)は、実施例2に係る光ファイバに関して、コア半径の変動量とモード分散特性との関係を示すグラフである。 (a)は、実施例3の光ファイバにおける、屈折率分布を規定する各パラメータの設定値を示す。(b)は、実施例3に係る光ファイバの、モード分散特性を示すグラフである。(c)は、実施例3に係る光ファイバに関して、コア半径の変動量とモード分散特性との関係を示すグラフである。 (a)は、実施例4の光ファイバにおける、屈折率分布を規定する各パラメータの設定値を示す。(b)は、実施例4に係る光ファイバの、モード分散特性を示すグラフである。(c)は、実施例4に係る光ファイバに関して、コア半径の変動量とモード分散特性との関係を示すグラフである。 (a)は、実施例5の光ファイバにおける、屈折率分布を規定する各パラメータの設定値を示す。(b)は、実施例5に係る光ファイバの、モード分散特性を示すグラフである。(c)は、実施例5に係る光ファイバに関して、コア半径の変動量とモード分散特性との関係を示すグラフである。 (a)は、実施例6の光伝送路における、各光ファイバのモード分散Δτを示す。(b)は、実施例6における光伝送路の、モード分散特性を示すグラフである。 本比較例の光ファイバにおける、屈折率分布を規定する各パラメータの設定値を示す。 本比較例に係る光ファイバの、モード分散特性を示すグラフである。 本比較例に係る光ファイバに関して、コア半径の変動量とモード分散特性との関係を示すグラフである。 従来の光ファイバのモード分散特性を示すグラフである。
以下、図1〜図8を参照して、本発明の一実施形態に係る光伝送路および光ファイバについて説明する。なお、本書および添付の図面においては、モード分散Δτを、DMD(Differential Modal Group Delay)と示す場合もある。
〔光伝送路の構成〕
図1は、本実施形態に係る光伝送路F,F’の構成を示す。光伝送路F,F’は、いずれも、図1に示すように、少なくとも2本の光ファイバFp,Fnを含んで構成されている。光ファイバFpは、正のモード分散Δτpを有する2モード光ファイバであり、光ファイバFnは、負のモード分散Δτnを有する2モード光ファイバである。モード分散Δτp,Δτnは、いずれも、上記数式(2)によって定義されるものである。
図1(a)は、正のモード分散Δτpを有する光ファイバFpを入力側に配置し、負のモード分散Δτnを有する光ファイバFnを出力側に配置した、光伝送路Fの構成例を示している。この光伝送路Fにおいて、LP11モード成分が光ファイバFpを伝搬するために要する時間は、LP01モード成分が光ファイバFpを伝搬するために要する時間よりもΔτp×Lp(Lp=光ファイバFpの長さ)だけ長い。したがって、LP11モード成分は、光ファイバFpを伝搬する過程で、Δτp×Lpだけ遅れることとなる。
一方、この光伝送路Fにおいて、LP11モード成分が光ファイバFnを伝搬ために要する時間は、LP01モード成分が光ファイバFnを伝搬するために要する時間よりもΔτn×Ln(Ln=光ファイバFnの長さ)だけ短い。したがって、LP11モード成分は、光ファイバFnを伝搬する過程で、Δτn×Lnだけ遅れを取り戻すこととなる。
したがって、光伝送路Fにおいて、Δτp×Lp+Δτn×Lnが十分小さくなるように、より好ましくは、Δτp×Lp+Δτn×Ln=0となるように、光ファイバFpの長さLp及び光ファイバFnの長さLnを設定することにより、当該光伝送路Fにおけるモード分散を十分に補償し、モード分散が殆ど生じない光伝送路Fを実現することができる。
特に、本実施形態の光伝送路Fにおいては、光ファイバFp,Fnとして、モード分散特性が波長λに依存しないもの(図2参照)を用いているため、波長λを考慮することなく、モード分散を補償するように光ファイバFp,Fnの各々の長さを設定することにより、結果的に、所望の波長帯域の全域に亘って、モード分散を十分に補償することができる。
図1(b)は、負のモード分散Δτnを有する光ファイバFnを入力側に配置し、正のモード分散Δτpを有する光ファイバFpを出力側に配置した、光伝送路F’の構成例を示している。この光伝送路F’において、LP01モード成分が光ファイバFnを伝搬するのに要する時間は、LP11モード成分が光ファイバFnを伝搬するのに要する時間よりもΔτp×Lpだけ長い。したがって、LP01モード成分は、光ファイバFnを伝搬する過程で、Δτn×Lnだけ遅れることとなる。
一方、この光伝送路F’において、LP01モード成分が光ファイバFpを伝搬するのに要する時間は、LP11モード成分が光ファイバFpを伝搬するのに要する時間よりもΔτp×Lpだけ短い。したがって、LP01モード成分は、光ファイバFpを伝搬する過程で、Δτp×Lpだけ遅れを取り戻すこととなる。
したがって、光伝送路F’において、Δτp×Lp+Δτn×Lnが十分小さくなるように、より好ましくは、Δτp×Lp+Δτn×Ln=0となるように、光ファイバFpの長さLp及び光ファイバFnの長さLnを設定することにより、当該光伝送路F’におけるモード分散を十分に補償し、モード分散が殆ど生じない光伝送路F’を実現することができる。
特に、本実施形態の光伝送路F’においては、光ファイバFp,Fnとして、モード分散特性が波長λに依存しないもの(図2参照)を用いているため、波長λを考慮することなく、モード分散を補償するように光ファイバFp,Fnの各々の長さを設定することにより、結果的に、所望の波長帯域の全域に亘って、モード分散を十分に補償することができる。
〔光ファイバのモード分散特性〕
図2は、本実施形態に係る光ファイバFp,Fnのモード分散特性を示すグラフである。特に、図2は、予め定められた通信用の波長帯域である、1530〜1625nm帯における、光ファイバFp,Fnのモード分散の特性を示している。図2において、x軸は波長、y軸はモード分散を示す。
図2において注目すべき点は、光ファイバFpは、y=bpによって表される正のモード分散特性を有しており、光ファイバFnは、y=bnによって表される負のモード分散特性を有していることである。すなわち、光ファイバFpのモード分散Δτpの波長λに対する傾きdΔτp/dλはゼロであり、光ファイバFnのモード分散Δτnの波長λに対する傾きdΔτn/dλもゼロである。要するに、少なくとも1530〜1625nm帯において、光ファイバFpのモード分散Δτpおよび光ファイバFnのモード分散Δτnは、いずれも波長λに依存することなく、一定となっている。
これにより、光ファイバFp,Fnを用いた光伝送路F,F’(図1参照)は、特に波長λを考慮することなく、モード分散を補償するように光ファイバFp,Fnの各々の長さLp,Lnを設定することにより、結果的に、1530〜1625nm帯全域に亘って、モード分散を十分に補償することができる。
なお、本書における「モード分散が一定」とは、モード分散の波長λに対する傾き=0に限らず、モード分散の波長λに対する傾き≒0であってもよい。要するに、1530〜1625nm帯全域に亘ってモード分散を十分に補償することができる程度に、モード分散の波長λに対する傾きが十分に小さければ、そのモード分散特性は、「モード分散が一定」の範疇に含まれる。例えば、波長λに対するモード分散Δτの傾きdΔτ/dλが、|0.5ps|/km/nm以下であれば、「モード分散が一定」の範疇に含まれる。
なお、本実施形態に係る光ファイバは、屈折率分布を適宜変更することによって、正のモード分散Δτpを有する光ファイバFpとすることも、負のモード分散Δτnを有する光ファイバFnとすることも可能である。
〔光ファイバの構成〕
図3は、本実施形態に係る光ファイバ1の構成を示す断面図および側面図である。本実施形態(図1,2)の光ファイバFp,Fnは、この光ファイバ1と同様の構成を有している。
光ファイバ1は、シリカガラスを主成分とする円柱状の構造体である。光ファイバ1は、コア11と、クラッド12とを備えて構成されている。コア11は、円形状の断面を有する。クラッド12は、コア11を取り囲む円環状の断面を有する。
コア11は、内側コア111と、外側コア112とを備えて構成されている。内側コア111は、円形状の断面を有する。外側コア112は、内側コア111を取り囲む円環状の断面を有する。内側コア111の断面がなす円は、半径r1を有している。外側コア112の断面がなす円環は、その内周部が半径r1を有しており、その外周部が半径r1+r2(半径a)を有している。光ファイバ1において、図3に示す断面構造は、中心軸Lに直交する各断面において共通である。
(光ファイバの屈折率分布)
図4は、本実施形態に係る光ファイバ1の屈折率分布を示すグラフである。なお、図4に示す屈折率分布は、例えば、Ge(ゲルマニウム)の添加によって屈折率を局所的に上げたり、F(フッ素)の添加によって屈折率を局所的に下げたりする公知の手法により実現することができる。
内側コア111の屈折率分布は、図4に示すように、α乗型の屈折率分布であり、中心軸L上で最大値n1をとる。ここで、α乗型の屈折率分布とは、内側コア111の中心部と外側コア112との比屈折率差をδとして、中心軸Lからの距離がrである点の屈折率n(r)がn(r)=n1[1−2δ(r/a)α1/2と表される屈折率分布のことを指す。なお、αを大きくしていくと、α乗型の屈折率分布は、ステップ型の屈折率分布に漸近する。
外側コア112の屈折率n1’、および、クラッド12の屈折率n2は、図4に示すように一定である。内側コア111の最大屈折率n1、外側コア112の屈折率n1’、およびクラッド12の屈折率n2は、n1’<n2<n1という関係を有している。図4に示す光ファイバ1の屈折率分布には、外側コア112の屈折率n2と、外側コア112の屈折率n1’との差(n1’<n2)により、「トレンチ」と呼ばれる凹部が生じている。
なお、図4において、Δ+は、内側コア111の中心部とクラッド12との比屈折率差[(n1-n2)/2n1] ×100[%]を表し、Δ−は、外側コア112とクラッド12との比屈折率差[(n1’-n2)/2n1’]×100[%]を表す。比屈折率差Δ+は、「コアΔ」と呼ばれることもある。
以下の説明においては、光ファイバ1の屈折率分布を規定するパラメータとして、上述したαおよびΔ+の他に、RaおよびRdを用いる。Raは、外側コア112の外周部の半径aに対する内側コア111の半径r1の比r1/aを表す。また、Rdは、比屈折率差Δ+の絶対値に対する比屈折率差Δ−の絶対値の比|Δ−|/|Δ+|を表す。すなわち、Rdが小さくなるほど、トレンチの深さ(n2−n1’)は浅くなり、Rd=0のとき、トレンチの深さは0になる。
また、以下の説明においては、光ファイバ1の伝搬特性を表す指標として、等価V値Tを用いる。等価V値Tは、T=∫[n(r)−n(∞)k]1/2dr(積分範囲は0から∞)により定義され、規格化周波数Vとの間に下記数式(3)の関係を有する。等価V値Tの定義式において、n(r)は、中心軸Lからの距離がrである点における屈折率を表し、kは、光ファイバ1に入射させる光(以下「入射光」と記載)の波数を表す。下記数式(3)におけるAは、屈折率分布によって決定される定数である。
Figure 0005789626
図4に示す屈折率分布を有する光ファイバ1においては、等価V値Tが2.5未満の場合、2次モード(LP11)が遮断され、等価V値Tが4.5以下の場合、3次モード(LP21)が遮断される。すなわち、この等価V値Tが2.5以上4.5以下であるときに、光ファイバ1は2モード光ファイバとして機能する。以下、2.5≦T≦4.5であるT軸上の区間のことを、「2モード領域」と記載する。
(屈折率分布とモード分散特性との関係)
次に、光ファイバ1の屈折率分布とモード分散特性との関係について、図5〜図8を参照して説明する。なお、以下の説明においては、モード分散Δτを波長λの関数として扱う代わりに等価V値Tの関数として扱う。上記数式(3)から明らかなように、等価V値Tの変動は、コア半径の変動および波長λの変動と等価である。したがって、等価V値Tに対するモード分散Δτの傾き(dΔτ/dT)が≒0であれば、コア半径に対するモード分散Δτの傾き、および波長λに対するモード分散Δτの傾きは、いずれも≒0となる。
まず、パラメータRdがモード分散特性に及ぼす影響について、図5を参照して説明する。図5は、本実施形態に係る光ファイバ1に関して、パラメータRdとモード分散特性との関係を示すグラフである。特に、図5は、Rdを0,0.2,0.4,0.5,0.6,0.8,1.0としたときに得られるΔτ(T)のグラフである。ここでは、αを2.0とし、Δ+を0.35%とし、Raを0.8としている。また、入射光の波長λは、1.55μmとしている。
図5に示すグラフから、パラメータRdを変化させることで、等価V値Tに対するモード分散Δτの傾き(dΔτ/dT)が変化することがわかる。特に、Rdを徐々に増加させていくと、Rd=0.4付近において、dΔτ/dT≒0となることがわかる。したがって、Rd=0.4付近に設定することでdΔτ/dTを≒0に制御できることがわかる。
次に、パラメータRaがモード分散特性に及ぼす影響について、図6を参照して説明する。図6は、本実施形態に係る光ファイバ1に関して、パラメータRaとモード分散特性との関係を示すグラフである。特に、図6は、Raを0.4,0.6,0.7,0.75,0.8としたときに得られるΔτ(T)のグラフである。ここでは、αを2.0とし、Δ+を0.35%とし、Rdを0.4としている。また、入射光の波長λは、1.55μmとしている。
図6に示すグラフから、Raを変化させることにより、モード分散特性が横軸方向にシフト(すなわち、等価V値Tが変化)することがわかる。特に、等価V値Tが大きくなるにつれ、dΔτ/dTは0に近づいていくことがわかる。そして、2モード領域にdΔτ/dT≒0の解が得られるRaの条件はRa≦0.7のときであることがわかる。したがって、Ra≦0.7に設定することでdΔτ/dTを≒0に制御できることがわかる。
次に、パラメータαがモード分散特性に及ぼす影響について、図7を参照して説明する。図7は、本実施形態に係る光ファイバ1に関して、パラメータαとモード分散特性との関係を示すグラフである。特に、図7は、αを1,2,5,10,10000としたときに得られるΔτ(T)のグラフである。ここでは、Δ+を0.35%とし、Raを0.6とし、Rdを0.4としている。また、入射光の波長λは、1.55μmとしている。
図7に示すグラフから、αを変化させることにより、モード分散特性が縦軸方向にシフト(すなわち、モード分散Δτが変化)することがわかる。一方、図7に示すグラフから、αを1.0〜10.0の範囲内で変化させた場合であっても、dΔτ/dT≒0のまま、dΔτ/dTが殆ど変化しないことがわかる。したがって、αに任意の値(より確実には、1.0≦α≦10.0)を設定することでdΔτ/dTを≒0に制御できることがわかる。
次に、パラメータΔ+がモード分散特性に及ぼす影響について、図8を参照して説明する。図8は、本実施形態に係る光ファイバ1に関して、パラメータΔ+とモード分散特性との関係を示すグラフである。特に、図8は、Δ+を0.3%,0.35%,0.4%,0.5%,0.6%としたときに得られるΔτ(T)のグラフである。ここでは、αを2.0とし、Raを0.6とし、Rdを0.4としている。また、入射光の波長λは、1.55μmとしている。
図8に示すグラフから、Δ+を変化させることにより、モード分散特性が縦軸方向にシフト(すなわち、モード分散Δτが変化)することがわかる。一方、図8に示すグラフから、Δ+を0.3〜0.6の範囲内で変化させた場合であっても、dΔτ/dTが殆ど変化しないことがわかる。したがって、Δ+に任意の値(より確実には、0.3≦Δ+≦0.6)を設定することでdΔτ/dTを≒0に制御できることがわかる。
以上のように、Ra≦0.7という条件の下、Rd=0.4付近に設定し、αに任意の値(より確実には、1.0≦α≦10.0)を設定し、Δ+に任意の値(より確実には、0.3≦Δ+≦0.6)を設定することで、dΔτ/dT≒0という条件を満たす2モード光ファイバを実現することができる。そして、このような光ファイバを光ファイバFp,Fnとして用いることにより、所望の波長帯域の全域に亘って、モード分散を十分に補償することができる光伝送路F,F’を実現することができる。
〔実施例1〕
本実施形態に係る光ファイバ1の実施例1について、図9(a)〜図9(c)を参照して説明する。図9(a)は、実施例1の光ファイバ1における、屈折率分布を規定する各パラメータの設定値を示す。図9(b)は、実施例1に係る光ファイバ1の、モード分散特性を示すグラフである。
図9(a)に示すように、本実施例1では、Ra=0.7、Rd=0.4、α=2.0、Δ+=0.35を設定した。この結果、図9(b)に示すように、実施例1の光ファイバ1は、1530〜1625nm帯において、モード分散Δτは、290〜296ps/kmとなり、モード分散Δτの波長λに対する傾きdΔτ/dλは、|0.15|ps/km/nm以下となり、上記傾きが極めて小さいものとなった。したがって、実施例1の光ファイバ1は、1530〜1625nm帯全域に亘って、モード分散を十分に補償することができるものであることが確認された。
ここで、実施例1の光ファイバ1において、コア半径の変動がモード分散特性に及ぼす影響について、図9(c)を参照して説明する。図9(c)は、実施例1に係る光ファイバ1に関して、コア半径の変動量とモード分散特性との関係を示すグラフである。図9(c)に示すように、実施例1の光ファイバ1は、コア半径に対するモード分散Δτの傾きが、|25|ps/km/μm以下であり、コア径の変動によるモード分散の影響が非常に小さいものであることが確認された。
以上のように、本実施例1によれば、本実施形態の光ファイバ1は、図9(a)に示すように各パラメータを適切に設定することにより、波長λおよびコア径の変動によるモード分散の影響が小さいものとなることが確認された。したがって、このように各パラメータが設定された光ファイバを光ファイバFpとして用いることにより、所望の波長帯域の全域に亘って、モード分散を十分に補償することができる光伝送路F,F’を実現することができる。
〔実施例2〕
本実施形態に係る光ファイバ1の実施例2について、図10(a)〜図10(c)を参照して説明する。図10(a)は、実施例2の光ファイバ1における、屈折率分布を規定する各パラメータの設定値を示す。図10(b)は、実施例2に係る光ファイバ1の、モード分散特性を示すグラフである。
図10(a)に示すように、本実施例2では、Ra=0.6、Rd=0.4、α=1.4、Δ+=0.35を設定した。この結果、図10(b)に示すように、実施例2の光ファイバ1は、1530〜1625nm帯において、モード分散Δτは、−540〜−530ps/kmとなり、モード分散Δτの波長λに対する傾きdΔτ/dλは、|0.10|ps/km/nm以下となり、上記傾きが極めて小さいものとなった。したがって、実施例2の光ファイバ1は、1530〜1625nm帯全域に亘って、モード分散を十分に補償することができるものであることが確認された。
ここで、実施例2の光ファイバ1において、コア半径の変動がモード分散特性に及ぼす影響について、図10(c)を参照して説明する。図10(c)は、実施例2に係る光ファイバ1に関して、コア半径の変動量とモード分散特性との関係を示すグラフである。図10(c)に示すように、実施例2の光ファイバ1は、コア半径に対するモード分散Δτの傾きが、|6|ps/km/μm以下であり、コア径の変動によるモード分散の影響が非常に小さいものであることが確認された。
以上のように、本実施例2によれば、本実施形態の光ファイバ1は、図10(a)に示すように各パラメータを適切に設定することにより、波長λおよびコア径の変動によるモード分散の影響が小さいものとなることが確認された。したがって、このように各パラメータが設定された光ファイバを光ファイバFnとして用いることにより、所望の波長帯域の全域に亘って、モード分散を十分に補償することができる光伝送路F,F’を実現することができる。
〔実施例3〕
本実施形態に係る光ファイバ1の実施例3について、図11(a)〜図11(c)を参照して説明する。図11(a)は、実施例3の光ファイバ1における、屈折率分布を規定する各パラメータの設定値を示す。図11(b)は、実施例3に係る光ファイバ1の、モード分散特性を示すグラフである。
図11(a)に示すように、本実施例3では、Ra=0.3、Rd=0.4、α=2.0、Δ+=0.35を設定した。この結果、図11(b)に示すように、実施例3の光ファイバ1は、1530〜1625nm帯において、モード分散Δτは、315〜325ps/kmとなり、モード分散Δτの波長λに対する傾きdΔτ/dλは、|0.20|ps/km/nm以下となり、上記傾きが極めて小さいものとなった。したがって、実施例3の光ファイバ1は、1530〜1625nm帯全域に亘って、モード分散を十分に補償することができるものであることが確認された。
ここで、実施例3の光ファイバ1において、コア半径の変動がモード分散特性に及ぼす影響について、図11(c)を参照して説明する。図11(c)は、実施例3に係る光ファイバ1に関して、コア半径の変動量とモード分散特性との関係を示すグラフである。図11(c)に示すように、実施例3の光ファイバ1は、コア半径に対するモード分散Δτの傾きが、|5|ps/km/μm以下であり、コア径の変動によるモード分散の影響が非常に小さいものであることが確認された。
以上のように、本実施例3によれば、本実施形態の光ファイバ1は、図11(a)に示すように各パラメータを適切に設定することにより、波長λおよびコア径の変動によるモード分散の影響が小さいものとなることが確認された。したがって、このように各パラメータが設定された光ファイバを光ファイバFpとして用いることにより、所望の波長帯域の全域に亘って、モード分散を十分に補償することができる光伝送路F,F’を実現することができる。
〔実施例4〕
本実施形態に係る光ファイバ1の実施例4について、図12(a)〜図12(c)を参照して説明する。図12(a)は、実施例4の光ファイバ1における、屈折率分布を規定する各パラメータの設定値を示す。図12(b)は、実施例4に係る光ファイバ1の、モード分散特性を示すグラフである。
図12(a)に示すように、本実施例4では、Ra=0.6、Rd=0.1、α=10.0、Δ+=0.425を設定した。この結果、図12(b)に示すように、実施例4の光ファイバ1は、1530〜1625nm帯において、モード分散Δτは、2820〜2835ps/kmとなり、モード分散Δτの波長λに対する傾きdΔτ/dλは、|0.50|ps/km/nm以下となり、上記傾きが極めて小さいものとなった。したがって、実施例4の光ファイバ1は、1530〜1625nm帯全域に亘って、モード分散を十分に補償することができるものであることが確認された。
ここで、実施例4の光ファイバ1において、コア半径の変動がモード分散特性に及ぼす影響について、図12(c)を参照して説明する。図12(c)は、実施例4に係る光ファイバ1に関して、コア半径の変動量とモード分散特性との関係を示すグラフである。図12(c)に示すように、実施例4の光ファイバ1は、コア半径に対するモード分散Δτの傾きが、|60|ps/km/μm以下であり、コア径の変動によるモード分散の影響が非常に小さいものであることが確認された。
以上のように、本実施例4によれば、本実施形態の光ファイバ1は、図12(a)に示すように各パラメータを適切に設定することにより、波長λおよびコア径の変動によるモード分散の影響が小さいものとなることが確認された。したがって、このように各パラメータが設定された光ファイバを光ファイバFpとして用いることにより、所望の波長帯域の全域に亘って、モード分散を十分に補償することができる光伝送路F,F’を実現することができる。
〔実施例5〕
本実施形態に係る光ファイバ1の実施例5について、図13(a)〜図13(c)を参照して説明する。図13(a)は、実施例5の光ファイバ1における、屈折率分布を規定する各パラメータの設定値を示す。図13(b)は、実施例5に係る光ファイバ1の、モード分散特性を示すグラフである。
図13(a)に示すように、本実施例5では、Ra=0.6、Rd=0.3、α=2.0、Δ+=0.6を設定した。この結果、図13(b)に示すように、実施例5の光ファイバ1は、1530〜1625nm帯において、モード分散Δτは、370〜387ps/kmとなり、モード分散Δτの波長λに対する傾きdΔτ/dλは、|0.20|ps/km/nm以下となり、上記傾きが極めて小さいものとなった。したがって、実施例5の光ファイバ1は、1530〜1625nm帯全域に亘って、モード分散を十分に補償することができるものであることが確認された。
ここで、実施例5の光ファイバ1において、コア半径の変動がモード分散特性に及ぼす影響について、図13(c)を参照して説明する。図13(c)は、実施例5に係る光ファイバ1に関して、コア半径の変動量とモード分散特性との関係を示すグラフである。図13(c)に示すように、実施例5の光ファイバ1は、コア半径に対するモード分散Δτの傾きが、|20|ps/km/μm以下であり、コア径の変動によるモード分散の影響が非常に小さいものであることが確認された。
以上のように、本実施例5によれば、本実施形態の光ファイバ1は、図13(a)に示すように各パラメータを適切に設定することにより、波長λおよびコア径の変動によるモード分散の影響が小さいものとなることが確認された。したがって、このように各パラメータが設定された光ファイバを光ファイバFpとして用いることにより、所望の波長帯域の全域に亘って、モード分散を十分に補償することができる光伝送路F,F’を実現することができる。
〔実施例6〕
本実施形態に係る光伝送路Fの実施例(実施例6)について、図14(a)および図14(b)を参照して説明する。図14(a)は、実施例6の光伝送路Fにおける、光ファイバFp,Fnのモード分散Δτを示す。図14(b)は、実施例6における光伝送路Fの、モード分散特性を示すグラフである。
本実施例6では、実施例1の光ファイバ1を光ファイバFpとして用い、実施例2の光ファイバ1を光ファイバFnとして用い、光伝送路Fを構成した。すなわち、本実施例6では、1530〜1625nm帯においてモード分散Δτが略一定である光ファイバFp,Fpを用い、光伝送路Fを構成した。各光ファイバのモード分散Δτは、図14(a)に示すとおりである。
そして、本実施例6では、λ=1580nm(光ファイバFpのモード分散Δτ=295.0ps/km、光ファイバFnのモード分散Δτ=−532.2ps/km)において、光伝送路Fのモード分散Δτが0となるように、Lp(光ファイバFpのファイバ長)と、Ln(光ファイバFnのファイバ長)との比をLp:Ln=0.645:0.355に設定し、光伝送路Fのモード分散特性を求めた。
図14(b)に示すように、実施例6の光伝送路Fは、1530〜1625nm帯において、モード分散Δτは、−2〜2ps/kmとなり、モード分散Δτが極めて小さく、且つ、モード分散Δτの波長λによる影響が極めて小さいものであることが確認された。したがって、実施例5の光ファイバ1は、1530〜1625nm帯全域に亘って、モード分散を十分に補償することができるものであることが確認された。
〔比較例1〕
本実施形態に係る光ファイバ1の比較例について、図15〜図17を参照して説明する。図15は、本比較例の光ファイバにおける、屈折率分布を規定する各パラメータの設定値を示す。図16は、本比較例に係る光ファイバの、モード分散特性を示すグラフである。
本比較例では、トレンチ無の光ファイバと、トレンチ有の光ファイバとを用いた。そして、図15に示すように、トレンチ無の光ファイバには、α=1.8、Δ+=0.35を設定した。また、トレンチ有の光ファイバには、Ra=0.8、Rd=1.0、α=1.8、Δ+=0.35を設定した。
この結果、図16(a)に示すように、上記トレンチ無の光ファイバは、1530〜1625nm帯において、モード分散Δτは、−600〜−460ps/kmとなり、モード分散Δτの波長λに対する傾きdΔτ/dλは、|1.7|ps/km/nm以下となり、各実施例の光ファイバ1と比べて、上記傾きが大きいものとなった。
また、図16(b)に示すように、上記トレンチ有の光ファイバは、1530〜1625nm帯において、モード分散Δτは、305〜385ps/kmとなり、モード分散Δτの波長λに対する傾きdΔτ/dλは、|0.8|ps/km/nm以下となり、各実施例の光ファイバ1と比べて、上記傾きが大きいものとなった。
ここで、本比較例の光ファイバにおいて、コア半径の変動がモード分散特性に及ぼす影響について、図17を参照して説明する。図17は、本比較例に係る光ファイバに関して、コア半径の変動量とモード分散特性との関係を示すグラフである。
図17(a)に示すように、上記トレンチ無の光ファイバは、コア半径に対するモード分散Δτの傾きが、|190|ps/km/μm以下であり、コア径の変動によるモード分散の影響が、各実施例の光ファイバ1と比べて大きいものであることが確認された。
また、図17(b)に示すように、上記トレンチ有の光ファイバは、コア半径に対するモード分散Δτの傾きが、|80|ps/km/μm以下であり、コア径の変動によるモード分散の影響が、各実施例の光ファイバ1と比べて大きいものであることが確認された。
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
なお、上記各実施形態では、モード分散の補償対象とする波長帯域を、1530〜1625nm帯としたが、これに限らない。本発明が他の波長帯域をモード分散の補償対象とすることが可能なことは、当業者からしてみれば本書の内容から明らかである。
本発明は、通信用の光伝送路に利用可能であり、特に、波長多重分割又はモード多重分割による通信用の光伝送路に好適に利用することができる。
F 光伝送路
Fp 光ファイバ(第1の光ファイバ)
Fn 光ファイバ(第2の光ファイバ)
1 光ファイバ
11 コア
111 内側コア
112 外側コア
12 クラッド

Claims (2)

  1. 信号光に含まれるLP01モード成分およびLP11モード成分を伝搬する2モード光ファイバであり、
    1530〜1625nm帯である波長帯域において、下記数式(A)により定義されるモード分散Δτの波長λに対する傾きdΔτ/dλが|0.5|ps/km/nm以下であり
    屈折率分布がα乗型であり、
    最大屈折率がn1である内側コアと、上記内側コアを取り囲み、且つ、屈折率がn1’である外側コアと、上記外側コアを取り囲み、且つ、屈折率がn2(n1’<n2<n1)であるクラッドとを備え、
    前記内側コアの半径をr1とし、前記外側コアの外周部の半径をaとし、前記外側コアと前記クラッドとの比屈折率差をΔ−とし、前記内側コアと前記クラッドとの比屈折率差をΔ+とし、Ra=r1/aとし、Rd=|Δ−|/|Δ+|とした場合において、
    (条件1):Ra≦0.7
    (条件2):0.1<Rd<0.5
    (条件3):1.0≦α≦10.0
    を満たす、ことを特徴とする光ファイバ。
    Figure 0005789626
    但し、上記数式(A)において、vg11は、前記LP11モード成分の群速度を示し、vg01は、前記LP01モード成分の群速度を示す。
  2. 請求項に記載の光ファイバを用いており、且つ、前記モード分散Δτの符号が正である第1の光ファイバと、
    請求項に記載の光ファイバを用いており、且つ、前記モード分散Δτの符号が負である第2の光ファイバと
    を備えていることを特徴とする光伝送路。
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