JP2016020863A - 光ファイバを用いた曲げ測定方法および曲げ測定装置 - Google Patents

光ファイバを用いた曲げ測定方法および曲げ測定装置 Download PDF

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齋藤 恒聡
Tsuneaki Saito
恒聡 齋藤
忠隈 昌輝
Masateru Tadakuma
昌輝 忠隈
上田 哲也
Tetsuya Ueda
哲也 上田
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Abstract

【課題】 光ファイバの曲げ変形に対しても計測が可能な光ファイバのブリルアン散乱を用いた曲げ測定方法等を提供する。【解決手段】 光ファイバが曲げ変形しても、入射光とブリルアン散乱光とでは、周波数シフトはほとんどない。しかし、基準波形に対して、測定波形は、ピークが低くなりやや周波数が広がる傾向にある。したがって、本発明では、基準波形と測定波形の形状自体を比較する。例えば、基準波形のピーク強度I0に対する測定波形のピーク強度I1を測定する。または、基準波形の半値幅W0に対する測定波形の半値幅W1を測定する。同一のモードの光であれば、波形の変化量と光ファイバの曲げ変形量には相関がある。したがって、この相関をあらかじめ測定または算出しておくことで、波形の変化量から、光ファイバの曲げ量を検出することができる。【選択図】図3

Description

本発明は、光ファイバのブリルアン散乱を用いて、対象物の曲げを測定することが可能な光ファイバを用いた曲げ測定方法等に関するものである。
光ファイバの歪とその位置を測定する技術として、光ファイバの非線形効果の一つであるブリルアン散乱を用いた測定方法が開発されている。これは、光ファイバに光を入射することで、ブリルアン散乱という現象によって、反射光の周波数が、歪や温度に比例したシフト量で変化することを用いたものである。
例えば、BOTDR(Brillouin Optical Time Domain Reflectometer)方式は、光パルスを光ファイバに入射して、ブリルアン散乱による反射光が戻ってくるまでの時間と、反射光の周波数のシフト量から、光ファイバの歪量とその位置等を特定することができる。
また、BOTDA(Brillouin Optical Time Domain Analysis)方式は、ポンプ光となるパルス光に対して、周波数変調したプローブ光を光ファイバの逆方向から入射させることで、誘導ブリルアン散乱(ブリルアン散乱の増幅)を発生させる方法である。
また、BOCDA(Brillouin Optical Correlation Domain Analysis)方式は、光ファイバに連続光であるポンプ光とプローブ光を対向伝搬させ、入射光の発振周波数を変調することで、光ファイバの所定の場所でのみ、誘導ブリルアン散乱を局在的に発生させる方法である。
BOCDAでは、局在位置は周波数変調で掃引することが可能であり、分布センシングが可能となる。このように、周波数変調した誘導ブリルアン散乱光をコヒーレント検波する事により、短距離での高精度な歪み量とその位置を検出することができる(例えば特許文献1)。
特開2000−180265号公報
図7は、ブリルアン散乱を用いた歪測定方法を示す概念図である。図7に示すように、光ファイバ100のコア101に光を入射すると(図中U)、ブリルアン散乱光Wを得ることができる。この際、光ファイバ100に張力Tが付与されていると、光ファイバ100には、+σ(+を引張応力とする)の応力による歪が生じる。
図8は、この際の入射光と反射光の周波数シフトを示す概念図である。前述した様に、光ファイバ100に歪が生じると、歪が生じていない場合の反射光のピーク周波数Xに対して、歪が生じている場合の反射光のピーク周波数Yは、Δfだけシフトする。この周波数シフト量Δfは、歪量に対して線形であるため、Δfから歪量を知ることができる。
一方、図9に示すように、光ファイバ100に曲げ力Vが付与されると、光ファイバ100は曲げ変形する。この際の光ファイバ100の応力状態は、光ファイバ100の中心軸に対して曲げの外周側は引張応力が付与され、曲げの内周側には圧縮応力が付与される。すなわち、光ファイバ100の中心軸は、中立軸となり、応力が0となる。したがって、光ファイバ100の中心軸は、理論上、歪が生じない。
通常、光ファイバ100のコア101は、光ファイバ100の中心軸に配置されているため、入射光および反射光の光路は、光ファイバ100の中心軸近傍となる。このため、光ファイバ100が曲げ変形した場合には、入射光と反射光の周波数シフトは実質的に0となる。すなわち、従来の周波数シフト量を測定する方法では、光ファイバ100の曲げを正確に測定することができなかった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、光ファイバの曲げ変形に対しても計測が可能な光ファイバのブリルアン散乱を用いた応力およびその位置の測定方法等を提供することを目的とする。
前述した目的を達成するため、第1の発明は、光ファイバのブリルアン散乱を用いた曲げ測定方法であって、光ファイバに入射光を導入し、前記光ファイバからブリルアン散乱光を検出し、検出された前記ブリルアン散乱光の周波数と強度との関係である測定波形を同定し、前記光ファイバに曲げがない基準状態における基準ブリルアン散乱光の周波数と強度との関係である基準波形と、前記測定波形とを比較し、前記測定波形と、前記基準波形との波形の違いから、前記光ファイバの曲げを検出することを特徴とする光ファイバを用いた曲げ測定方法である。
なお、ここでいう「曲げ」とは、曲げの発生、曲げ量、曲げ位置のいずれか、またはそれらの組合せを指す。
前記測定波形と、前記基準波形との波形の違いは、各波形の半値幅および/または各波形のピーク強度によって判断してもよい。
前記光ファイバは、マルチモードファイバであることが望ましい。この場合、前記光ファイバは、グレーテッドインデックスファイバであることが望ましい。
前記入射光は、全モード励振した光であってもよい。
前記入射光は、基底モード以外を選択的に励振した光であってもよい。
前記入射光には、少なくともLP11モードが含まれることが望ましい。この場合、前記光ファイバは、少なくともLP11モードを選択的に伝送可能なヒューモードファイバであってもよく、または、前記光ファイバは、LP11モードのみを選択的に伝送可能な光ファイバであってもよい。
前記入射光は、少なくともLP01モードとLP11モードとを含み、LP01モードとLP11モードを分離して、それぞれの前記ブリルアン散乱光を検出してもよい。この場合、LP01モードによって周波数シフトを検出することで、前記光ファイバの伸びを測定し、LP11モードによって波形の変化を検出することで、前記光ファイバの曲りを測定してもよい。
前記ブリルアン散乱光は、ポンプ光およびプローブ光を用いた誘導ブリルアン散乱であり、前記入射光は、ポンプ光またはプローブ光の少なくとも一方であってもよい。
第1の発明によれば、従来のブリルアン散乱を用いた歪測定のように、周波数シフトを測定するのではなく、入射光とブリルアン散乱光の波形自体を比較するため、光ファイバの曲げ変形についても、測定することができる。
波形の代表として半値幅やピーク強度を用いることで、波形を数値化することができる。このようにして数値化された波形の特性値をもとに、曲げ半径などを定量化することも可能である。
また、光ファイバの曲げ時の歪量は、光ファイバの中心から外周側に行くにつれて大きくなる。このため、光ファイバの中心からずれた位置を通過する光の方が、波形変化を正確に検出することができる。このため、光ファイバがマルチモードファイバであれば、光ファイバの中心以外を通過するモードの光が増えるため、より精度の高い測定を行うことができる。
特に、光ファイバがグレーテッドインデックスファイバであれば、例えばステップインデックスファイバと比較しても、光のモード分散が小さいため望ましい。
また、入射光が全モード励振であれば、より高次のモードの光を含むため、光ファイバの中心を通過する基底モード以外の光が増えるため、より精度の高い測定を行うことができる。
また、このような、高次のモードの光を入射光とする場合には、全モード励振でなくても、基底モード(中心を通過するモード)以外の光を選択的に励振した場合でも同様の効果を得ることができる。
特に、LP11モードが含まれれば、光のプロファイルが中心を除くドーナツ型であるため、中心からずれた位置の光を増やすことができる。この場合には、例えば、LP11モードを含むモードを選択的に伝送可能な光ファイバを用いれば、確実に光ファイバにLP11モードの光を入射させることができる。
また、LP01モードとLP11モードを少なくとも含む入射光を用い、LP01モードとLP11モードを分離して検出することで、例えば、LP01モードによって周波数シフトを検出して、光ファイバの伸びを測定するとともに、LP11モードによって波形の変化を検出し、光ファイバの曲りを測定することができる。すなわち、曲げと引張(圧縮)を同時に測定することができる。
また、ブリルアン散乱光は、ポンプ光およびプローブ光を用いた誘導ブリルアン散乱であれば、より精度よく反射光を検出することができる。この際、前述した様な入射光は、ポンプ光またはプローブ光の少なくとも一方であればよい。ポンプ光とプローブ光の共通するモードの光によって、反射光を効率よく検出することができる。
第2の発明は、光ファイバのブリルアン散乱を用いた曲げ測定装置であって、光ファイバと、前記光ファイバへ入射光を導入する光源と、前記光ファイバからのブリルアン散乱光を検出する検出器と、前記ブリルアン散乱光から光ファイバの曲りを算出する曲り算出部と、を具備し、前記曲り算出部は、検出された前記ブリルアン散乱光の周波数と強度との関係である測定波形を同定する測定波形同定部と、前記光ファイバに曲げがない基準状態における基準ブリルアン散乱光の周波数と強度との関係である基準波形を記憶する記憶部と、前記基準波形と前記測定波形とを比較し、前記光ファイバの曲りを算出する算出部と、を具備することを特徴とする光ファイバを用いた曲げ測定装置である。
第2の発明によれば、光ファイバの曲げ変形を精度よく測定することができる。
本発明によれば、光ファイバの曲げ変形に対しても計測が可能な光ファイバのブリルアン散乱を用いた曲げ測定方法等を提供することができる。
曲げ測定装置1を示すブロック図。 反射光の波形を示す概念図。 反射光の波形変化を示す概念図。 光の各モードを示す概念図。 (a)は、LP01モード光の反射光の波形変化を示す概念図、(b)は、LP11モード光の反射光の波形変化を示す概念図。 (a)は光ファイバ13aを示す図、(b)は光ファイバ13bを示す図。 光ファイバ100に張力を付与した際の応力を示す概念図。 周波数シフトを示す概念図。 光ファイバ100を曲げ変形させた際の応力を示す概念図。
以下、本発明の実施の形態にかかる光ファイバの曲げ測定方法について説明する。図1は、曲げ測定装置1の一例を示すブロック図である。曲げ測定装置1は、主に、光源10、分岐部11、周波数変換器12、14、光ファイバ13、モード変換器15、検出器16、制御部17等が、光ファイバまたはケーブル等で接続される。なお、本発明における曲げ測定装置1は、図示した例には限られない。
光源10は、入射光の光源である。光源10は、例えばLEDやレーザ発振器などを用いることができる。光源10の光は、光ファイバ等によって分岐部11に送られる。分岐部11は、ポンプ光とプローブ光とに光を分岐する。したがって、BOTDRにおいては、分岐部11は不要である。
分岐部で分岐した光は、周波数変換器12、14に送られる。周波数変換器12、14は、入射光(ポンプ光とプローブ光)の周波数を変換する。すなわち、入射光は、所定範囲の周波数の光に変換される。また、BOCDAにおいては、ポンプ光とプローブ光との周波数変調によって、ブリルアン散乱光をコヒーレント検波することができる。
モード変換器15は、入射光のモードを変換する。例えば、モード変換器15として、所定長のステップインデックスファイバを用いることができる。この場合、光を全モード励振させることができる。また、モード変換器15として、所定長のグレーテッドインデックスファイバを通過させることで、グレーテッドインデックスファイバを通過可能なモードに励振させることができる。また、モード変換器15として、所定のモードの光のみを通過する光電素子や光ファイバを適用することで、所定のモードの光をポンプ光またはプローブ光として利用することができる。
なお、モード変換器15は、必要に応じて用いられればよく、プローブ光側またはポンプ光側の少なくとも一方に配置すればよい。すなわち、プローブ光またはポンプ光の少なくとも一方に対して、全モード励振を行うか、または、特定のモード(例えば基底モード以外のモード)のみを選択すればよい。なお、光のモードについては詳細を後述する。
光ファイバ13は、曲げを測定する光ファイバである。周波数変換器12を通過したプローブ光が光ファイバ13の一方から入射し(図中A)、周波数変換器14を通過したポンプ光が光ファイバ13の他方から入射する(図中B)。
光ファイバ13は、一般的な光ファイバを使用することができるが、マルチモードファイバであることが望ましい。従来のBOTDR等では、より長い距離にわたって、歪(引張または圧縮)を精度よく測定するため、シングルモード光ファイバが用いられる。しかし、本発明では、少しでも光ファイバの中心からずれた位置を通過する光を利用するため、基底モード以外の光を利用することが望ましい。このため、光ファイバ13としては、より高次のモードの光を伝送可能なマルチモードファイバを用いることが望ましい。
また、光ファイバ13は、グレーテッドインデックスファイバであることが望ましい。グレーテッドインデックスファイバは、例えばステップインデックスファイバと比較しても、光のモード分散が小さい。このため、より測定精度を高めることができる。
光ファイバ13の反射光(ブリルアン散乱光)は、検出器16に入射して(図中G)、検出器16で検出される。制御部17は、例えばコンピュータである。制御部17は、周波数変換器12、14の周波数の変調を制御したり、入射光と反射光の波形を取得したり、それらの波形を比較して、曲げの算出を行うことができる。
すなわち、制御部17は、光ファイバの曲り算出部としても機能し、曲り算出部には、検出器16で検出されたブリルアン散乱光の周波数と強度との関係である測定波形を同定する測定波形同定部と、光ファイバ13に曲げがない基準状態における基準ブリルアン散乱光の周波数と強度との関係である基準波形を記憶する記憶部と、基準波形と測定波形とを比較し、光ファイバ13の曲りを算出する算出部とを含む。制御部17の動作については詳細を後述する。
次に、曲げの測定方法の詳細について説明する。図2は、ブリルアン散乱光の測定波形を示す概念図である。波形は、周波数と光強度との関係で検出される。この検出される波形を時間軸上に取ることで、光ファイバの曲げ発生位置と歪(曲がり量)とを知ることができる。
なお、歪の無い状態(曲げの無い状態であって基準状態とする)の光ファイバ13のブリルアン散乱光(基準ブリルアン散乱光)をあらかじめ測定しておくことで、基準ブリルアン散乱光の周波数と強度との関係である基準波形を得ることができる。図2の例においては、C位置の測定波形が、基準波形とほぼ一致するとし、D位置において、測定波形に変化が見られた状態を示す。
図3は、C位置の波形(図中C)と、D位置の波形(図中D)の波形を重ねた図である。前述した様に、光ファイバが曲げ変形しても、入射光とブリルアン散乱光とでは、ピーク周波数シフトはほとんどない。しかし、基準波形に対して、測定波形は、ピークが低くなりやや周波数が広がる傾向にある。したがって、本発明では、基準波形と測定波形の形状自体を比較する。例えば、基準波形のピーク強度I0に対する測定波形のピーク強度I1を測定する。または、基準波形の半値幅W0に対する測定波形の半値幅W1を測定する。
同一のモードの光であれば、波形の変化量と光ファイバの曲げ変形量には相関がある。したがって、この相関をあらかじめ測定または算出しておくことで、波形の変化量から、光ファイバの曲げ量を検出することができる。
このような測定を装置によって行うためには、例えば以下のようにして行うことができる。ます、制御部17(コンピュータ)によって、入射光の周波数を制御する。例えば、周波数変換器12、14を制御して、入射光の周波数帯を特定の周波数帯と変換し、さらにBOCDA方式の場合には、入射光の周波数を連続的に変化させる。
また、制御部17は、検出器で検出されたブリルアン散乱光を取得し、得られたブリルアン散乱光の周波数と強度との関係である測定波形を同定する。すなわち、制御部17が測定波形同定部として機能する。
また、制御部17には、記憶部が含まれる。記憶部には、光ファイバに曲げのない基準状態における基準ブリルアン散乱光の周波数と強度との関係である基準波形が格納される。制御部17は、記憶部から基準波形を読み出し、測定波形と比較する。例えば、それぞれの波形のピーク強度や半値幅を取得する。
また、記憶部には、ピーク強度の変化量または半値幅の変化量と、曲げ半径との相関があらかじめ格納されている。制御部17は、記憶部から、ピーク強度の変化量または半値幅の変化量と、曲げ半径との相関を読み出し、得られたピーク強度や半値幅の変化量から曲げ半径を算出する。すなわち、制御部17が曲げの算出部として機能する。以上により、光ファイバの各部における曲げを測定することができる。
次に、入射光のモードについて説明する。図4(a)は、基底モードであるLP01モードの光の分布(光プロファイル25a)を示す概念図である(なお、図中点線が光プロファイル25aの形状を示し、点線で囲まれた白い部分が光部分を表す。以下同様。)。LP01モードは光ファイバの中心軸に光が集中する。
これに対し、図4(b)は、LP11モードの光の分布(光プロファイル25b)を示す概念図であり、図4(c)は、LP21モードの光の分布(光プロファイル25c)を示す概念図である。LP11モードやLP21モードの光は、中心が欠如したドーナツ型となる。このように、高次のモードによれば、LP01モードよりも、中心から離れた位置の光が強くなる。すなわち、同一の径のコアに入射光を導入した場合でも、LP01モードは、コアの中心を主に進み、LP11モードやLP21モードの光は、中心よりもコアの外周部近傍を主に進む。
図5(a)は、LP01モードの光を用いた、光ファイバの曲げによる波形変化を示す概念図であり、図5(b)は、LP11モードの光を用いた、光ファイバの曲げによる波形変化を示す概念図である。同一の曲げ変形であっても、コアの中心を主に通過するLP01モードは、光ファイバの曲げによる歪の影響をほとんど受けないため、基準波形(I0またはW0)に対する測定波形(I2またはW2)の変化量が小さい。
これに対し、コアの中心の除く、コア外周部近傍を主に通過するLP11モードは、光ファイバの曲げによる歪の影響が、中心部と比較して大きいため、基準波形(I0またはW0)に対する測定波形(I3またはW3)の変化量が、相対的に大きくなる。したがって、このような高次のモードを積極的に用いることで、光ファイバの曲げをより精度よく測定することができる。
例えば、LP11のみを入射してもよい。また、LP01とLP11のみを入射してもよい。また、LP11とLP21のみを入射してもよい。このように、本発明では、LP11モードの光を少なくとも入射光として利用することが望ましい。
なお、光のモードとしては、光軸を回転軸とした螺旋状の波面を持つ伝搬光であるラゲールガウスモード光を用いてもよい。ラゲールガウスモード光は、中心部では光がキャンセルされるため、LP11等と同様に、中心からずれた位置を主に通過する。
なお、このようなモードの光を選択的に使用するためには、前述したモード変換器15(図1)によって、光を選択的に変換することができる。したがって、例えば、モード変換器15として、例えばLP01モードをLP11モードに変換する素子を用いることで、入射光としてLP11を用いることができる。このように、少なくともLP11モードを含む光を入射させることで、効率よく光ファイバの曲げを測定することができる。
また、光ファイバ13として、特定のモードの光のみを通過させるものを利用してもよい。例えば、いわゆるFMF(Few Mode Fiber)を用いてもよい。FMFとは、特定の例えば2〜3モードの光のみを伝搬する光ファイバである。FMFを用いれば、少なくともLP11を含む、数モードの光のみが伝搬するため、精度よく光ファイバの曲げを測定することができる。あまり高次のモードの光が混ざると、波形がなまってしまうため、却って波形変化が見えにくくなる恐れがあるためである。
また、LP01モードとLP11モードの光を少なくとも入射させ、ブリルアン散乱光を、LP01モードとLP11モードとに分波器等で分波させてもよい。この場合、曲げ変形については、LP11モードの光のみを用いればよい。
一方、LP01モードの光は、曲げの測定には向かないものの、従来のような一軸上の引張変形(圧縮変形)の測定には有効である。すなわち、分波したLP01モードについては、周波数シフト量による全体伸び(圧縮)のみを測定し、LP11モードについては、前述した波形変化による曲げ変形のみを測定することもできる。
また、例えば、S.Ramachandran
etらによる 「August 15, 2009/Vol.34, No.16/OPTICS LETTERS pp.2525-2527 “Generation and propagation of radially polarized beams in optical fibers”」に示されるように、LP11モードの光のみを選択的に通過させる特殊な光ファイバを用いてもよい。
また、光ファイバとしては、図6(a)に示すように、中心部に孔23を有する光ファイバ13aを用いてもよい。クラッド21の屈折率は、コア19の屈折率よりも低い。このため、光は、コア19に閉じ込められる。このようにすることで、光ファイバ13aの中心を通過する光を物理的に低減して、中心からずれた位置に光を集めることができる。
同様に、図6(b)に示すように、コア19の中心部に、コア19よりも屈折率の低い低屈折率部22を持つ光ファイバ13bを用いてもよい。クラッド21の屈折率は、コア19の屈折率よりも低い。このため、光は、コア19に閉じ込められる。このようにしても、光ファイバ13aの中心を通過する光を低減して、中心からずれた位置に光を集めることができる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、ブリルアン散乱光の測定波形と基準波形とを比較して、基準波の形状と測定波の形状の変化によって曲げを測定するため、従来測定が困難であった光ファイバの曲げ測定を行うことができる。この際、測定波形と、基準波形との形状の違いを、各波形の半値幅や各波形のピーク強度によって判断することで、波形を数値化して、曲げの定量的な評価を行うことができる。
また、光ファイバ13としてマルチモードファイバを用いることで、コア中の光が、光ファイバ13の中心からずれた位置を通過しやすく、より精度よく曲げを測定することができる。この際、グレーテッドインデックスファイバを用いることで、ステップインデックスファイバと比較して精度よく測定を行うことができる。
また、入射光のモードを、LP01モードのみではなく、より高次のLP11モード等を用いることで、光が、光ファイバ13の中心からずれた位置を通過しやすく、より精度よく曲げを測定することができる。
例えば、全モード励振や、特定のモード(例えばLP11モード)を選択的に励振することで、このような高次のモードの光を入射光として用いることができる。
また、光ファイバ13として、特定のモード(例えばLP11モード)の光を選択的に伝送可能なFMFや、特殊な光ファイバを用いることで、特定のモードの光を有効に利用することができる。
なお、本発明は、入射光として、マルチモード光や高次のモードの光を用いるため、伝送距離が比較的短い。このため、本発明は、短距離の計測にも適用可能なBOCDA方式に特に有効である。また、光ファイバを構造体(橋梁、航空機等)に貼り付けあるいは一体化させる事により、本測定方法を用いた構造物の伸びを測定することができる。
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1………曲げ測定装置
10………光源
11………分岐部
12………周波数変換器
13、13a、13b………光ファイバ
14………周波数変換器
15………モード変換器
16………検出器
17………制御部
19………コア
21………クラッド
22………低屈折率部
23………孔
25a、25b、25c………光プロファイル
100………光ファイバ
101………コア

Claims (13)

  1. 光ファイバのブリルアン散乱を用いた曲げ測定方法であって、
    光ファイバに入射光を導入し、
    前記光ファイバからブリルアン散乱光を検出し、
    検出された前記ブリルアン散乱光の周波数と強度との関係である測定波形を同定し、
    前記光ファイバに曲げがない基準状態における基準ブリルアン散乱光の周波数と強度との関係である基準波形と、前記測定波形とを比較し、
    前記測定波形と、前記基準波形との波形の違いから、前記光ファイバの曲げを検出することを特徴とする光ファイバを用いた曲げ測定方法。
  2. 前記測定波形と、前記基準波形との波形の違いは、各波形の半値幅および/または各波形のピーク強度によって判断することを特徴とする請求項1記載の光ファイバを用いた曲げ測定方法。
  3. 前記光ファイバは、マルチモードファイバであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光ファイバを用いた曲げ測定方法。
  4. 前記光ファイバは、グレーテッドインデックスファイバであることを特徴とする請求項3記載の光ファイバを用いた曲げ測定方法。
  5. 前記入射光は、全モード励振した光であることを特徴とする請求項4記載の光ファイバを用いた曲げ測定方法。
  6. 前記入射光は、基底モード以外を選択的に励振した光であることを特徴とする請求項4記載の光ファイバを用いた曲げ測定方法。
  7. 前記入射光には、少なくともLP11モードが含まれることを特徴とする請求項3記載の光ファイバを用いた曲げ測定方法。
  8. 前記光ファイバは、少なくともLP11モードを選択的に伝送可能なヒューモードファイバであることを特徴とする請求項7記載の光ファイバを用いた曲げ測定方法。
  9. 前記光ファイバは、LP11モードのみを選択的に伝送可能な光ファイバであることを特徴とする請求項7記載の光ファイバを用いた曲げ測定方法。
  10. 前記入射光は、少なくともLP01モードとLP11モードとを含み、LP01モードとLP11モードを分離して、それぞれの前記ブリルアン散乱光を検出することを特徴とする請求項7記載の光ファイバを用いた曲げ測定方法。
  11. LP01モードによって周波数シフトを検出することで、前記光ファイバの伸びを測定し、LP11モードによって波形の変化を検出することで、前記光ファイバの曲りを測定することを特徴とする請求項10記載の光ファイバを用いた曲げ測定方法。
  12. 前記ブリルアン散乱光は、ポンプ光およびプローブ光を用いた誘導ブリルアン散乱であり、
    前記入射光は、ポンプ光またはプローブ光の少なくとも一方であることを特徴とする請求項1から請求項11のいずれかに記載の光ファイバを用いた曲げ測定方法。
  13. 光ファイバのブリルアン散乱を用いた曲げ測定装置であって、
    光ファイバと、
    前記光ファイバへ入射光を導入する光源と、
    前記光ファイバからのブリルアン散乱光を検出する検出器と、
    前記ブリルアン散乱光から前記光ファイバの曲りを算出する曲り算出部と、
    を具備し、
    前記曲り算出部は、
    検出された前記ブリルアン散乱光の周波数と強度との関係である測定波形を同定する測定波形同定部と、
    前記光ファイバに曲げがない基準状態における基準ブリルアン散乱光の周波数と強度との関係である基準波形を記憶する記憶部と、
    前記基準波形と前記測定波形とを比較し、前記光ファイバの曲りを算出する算出部と、
    を具備することを特徴とする光ファイバを用いた曲げ測定装置。
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