JP6824784B2 - 温度・歪センシング装置及び温度・歪センシング方法 - Google Patents
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複数の空間チャネルを有する空間多重光ファイバをセンサ媒体として、試験光を用いて後方レイリー散乱光の光周波数スペクトル(以下、「後方レイリー散乱光の光周波数スペクトル」「散乱スペクトル」と称する。)を前記複数の空間チャネルについて測定する光反射測定手段と、
測定した前記散乱スペクトルから散乱スペクトルシフトを複数の空間チャネルについて算出し、前記試験光の中心光周波数に対する前記複数の空間チャネルのうち任意の2つの空間チャネルの散乱スペクトルシフトのそれぞれの比率が、前記空間多重光ファイバの温度変化及び前記空間多重光ファイバの歪で表されることを利用して、前記空間多重光ファイバの温度変化及び前記空間多重光ファイバの歪を求める演算手段と、
を備える。
前記演算手段は、
前記試験光の中心光周波数をν0とし、
前記複数の空間チャネルのうち任意の2つの空間チャネルの散乱スペクトルシフトをそれぞれΔν1、Δν2とし、
前記2つの空間チャネルの温度変化に対する散乱スペクトルシフト比例定数をそれぞれKT,1、KT,2とし、
前記2つの空間チャネルの歪に対する散乱スペクトルシフト比例定数をそれぞれKε,1、Kε,2とし、
次式を用いて温度変化ΔTもしくは歪εを求めてもよい。
前記光反射測定手段は、
時間に対して線形に周波数掃引された連続光を出射する周波数掃引光源と、
前記周波数掃引光源から出射された連続光を前記空間多重光ファイバの所望の空間チャネルに入射し、被測定光ファイバの入射した同じ空間チャネルから後方レイリー散乱光を分離する選択的励起分離回路と、
前記選択的励起分離回路からの後方レイリー散乱光及び前記周波数掃引光源からの連続光を合波する光合波器と、
前記光合波器で合波して得られるビート成分を電気信号のビート信号に変換する受光器と、
前記電気信号に変換されたビート信号をデジタル信号にA/D変換した後、A/D変換された前記ビート信号をフーリエ変換して前記空間多重光ファイバの長手方向の距離に対する散乱光振幅分布を算出し、所望の距離地点を中心とする矩形窓を乗算して任意区間成分を抽出した後、前記任意区間成分の散乱光振幅分布を逆フーリエ変換して、散乱スペクトルを測定する散乱スペクトル測定回路と、
を備えてもよい。
前記光反射測定手段は、
中心光周波数を変えてパルス状の試験光を出射するパルス光出力部と、
前記パルス光出力部から出射された試験光を前記空間多重光ファイバの所望の空間チャネルに入射し、前記空間多重光ファイバの入射した同じ空間チャネルから後方レイリー散乱光を分離する選択的励起分離回路と、
前記選択的励起分離回路からの後方レイリー散乱光を電気信号に変換する受光器と、
前記電気信号をデジタル信号にA/D変換した後、A/D変換された後方レイリー散乱光信号を用い、前記パルス状の試験光の中心光周波数を変えて測定される前記A/D変換された後方レイリー散乱光信号の強度変化を散乱スペクトルとして測定する散乱スペクトル測定回路と、
を備えてもよい。
複数の空間チャネルを有する空間多重光ファイバをセンサ媒体として、試験光を用いて後方レイリー散乱光の光周波数スペクトル(以下、「後方レイリー散乱光の光周波数スペクトル」「散乱スペクトル」と称する。)を前記複数の空間チャネルについて予め測定する第1の光周波数スペクトル測定手順と、
温度・歪センシング実施時に、前記複数の空間チャネルを有する空間多重光ファイバに対して、試験光を用いて散乱スペクトルを前記複数の空間チャネルについて再度測定する第2の光周波数スペクトル測定手順と、
前記第1の光周波数スペクトル測定手順で測定した散乱スペクトルに対する前記第2の光周波数スペクトル測定手順で測定した散乱スペクトルの散乱スペクトルシフトを複数の空間チャネルについて算出する散乱スペクトルシフト算出手順と、
前記試験光の中心光周波数に対する前記複数の空間チャネルのうち任意の2つの空間チャネルの前記散乱スペクトルシフトのそれぞれの比率が、前記空間多重光ファイバの温度変化及び前記空間多重光ファイバの歪で表されることを利用して、前記空間多重光ファイバの温度変化及び前記空間多重光ファイバの歪を求める温度・歪算出手順と、
を備える。
前記温度・歪算出手順は、
前記試験光の中心光周波数をν0とし、
前記複数の空間チャネルのうち任意の2つの空間チャネルの散乱スペクトルシフトをそれぞれΔν1、Δν2とし、
前記2つの空間チャネルの温度変化に対する散乱スペクトルシフト比例定数をそれぞれKT,1、KT,2とし、
前記2つの空間チャネルの歪に対する散乱スペクトルシフト比例定数をそれぞれKε,1、Kε,2とし、
次式を用いて温度変化ΔT又は歪εを求めてもよい。
前記第1の光周波数スペクトル測定手順又は前記第2の光周波数スペクトル測定手順では、
時間に対して線形に周波数掃引された連続光を出射し、
前記連続光を前記空間多重光ファイバの所望の空間チャネルに入射し、前記空間多重光ファイバの入射した同じ空間チャネルから後方レイリー散乱光を分離し、
前記後方レイリー散乱光及び前記連続光を合波し、
合波して得られるビート成分を電気信号のビート信号に変換し、
前記ビート信号をデジタル信号にA/D変換した後、A/D変換された前記ビート信号をフーリエ変換して前記空間多重光ファイバの長手方向の距離に対する散乱光振幅分布を算出し、所望の距離地点を中心とする矩形窓を乗算して任意区間成分を抽出した後、前記任意区間成分の散乱光振幅分布を逆フーリエ変換することで算出し、
前記散乱スペクトルシフト算出手順では、前記第1の光周波数スペクトル測定手順で測定した散乱スペクトルと前記第2の光周波数スペクトル測定手順で測定した散乱スペクトルの相互相関から、前記散乱スペクトルシフトを複数の空間チャネルについて算出してもよい。
前記第1の光周波数スペクトル測定手順又は前記第2の光周波数スペクトル測定手順では、
中心光周波数を変えてパルス状の試験光を出射し、
前記試験光をセンサ媒体としての前記空間多重光ファイバの所望の空間チャネルに入射し、前記空間多重光ファイバの入射した同じ空間チャネルから後方レイリー散乱光を分離し、
前記後方レイリー散乱光を電気信号に変換し、
前記電気信号をデジタル信号にA/D変換した後、A/D変換された後方レイリー散乱光信号を用い、前記試験光の中心光周波数を変えて測定される前記A/D変換された後方レイリー散乱光信号の強度変化を散乱スペクトルとして測定し、
前記スペクトルシフト算出手順では、前記第1の光周波数スペクトル測定手順で測定した光周波数スペクトルと前記第2の光周波数スペクトル測定手順で測定した散乱スペクトルの相互相関から、前記散乱スペクトルシフトを複数の空間チャネルについて算出してもよい。
302:第2の光周波数スペクトル測定手順
303:散乱スペクトルシフト算出手順
304:温度・歪算出手順
401:周波数掃引光源
402:光分波器
403:サーキュレータ
404:選択的励起分離回路
405:センサ媒体としての被測定光ファイバ
406:光合波器
407:受光器
410:散乱スペクトル測定回路
411:A/D変換器
412:演算処理装置
413:データ保管部
501:パルス光源
502:光周波数変更部
503:サーキュレータ
504:選択的励起分離回路
505:センサ媒体としての被測定光ファイバ
507:受光器
510:散乱スペクトル測定回路
511:A/D変換器
512:演算処理装置
513:データ保管部
Claims (8)
- 複数の伝搬モードを有するマルチモード光ファイバをセンサ媒体として、試験光を用いて後方レイリー散乱光の光周波数スペクトル(以下、「後方レイリー散乱光の光周波数スペクトル」を「散乱スペクトル」と称する。)を前記複数の伝搬モードについて測定する光反射測定手段と、
測定した前記散乱スペクトルから散乱スペクトルシフトを複数の伝搬モードについて算出し、前記試験光の中心光周波数に対する前記複数の伝搬モードのうち実効屈折率の異なる任意の2つの伝搬モードの散乱スペクトルシフトのそれぞれの比率が、前記マルチモード光ファイバの温度変化及び前記マルチモード光ファイバの歪で表されることを利用して、前記マルチモード光ファイバの温度変化及び前記マルチモード光ファイバの歪を求める演算手段と、
を備えることを特徴とする温度・歪センシング装置。 - 前記光反射測定手段は、
時間に対して線形に周波数掃引された連続光を出射する周波数掃引光源と、
前記周波数掃引光源から出射された連続光を前記マルチモード光ファイバの所望の伝搬モードで入射し、前記マルチモード光ファイバの入射した同じ伝搬モードの後方レイリー散乱光を分離する選択的励起分離回路と、
前記選択的励起分離回路からの後方レイリー散乱光及び前記周波数掃引光源からの連続光を合波する光合波器と、
前記光合波器で合波して得られるビート成分を電気信号のビート信号に変換する受光器と、
前記電気信号に変換されたビート信号をデジタル信号にA/D変換した後、A/D変換された前記ビート信号をフーリエ変換して前記マルチモード光ファイバの長手方向の距離に対する散乱光振幅分布を算出し、所望の距離地点を中心とする矩形窓を乗算して任意区間成分を抽出した後、前記任意区間成分の散乱光振幅分布を逆フーリエ変換して、散乱スペクトルを測定する散乱スペクトル測定回路と、
を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の温度・歪センシング装置。 - 前記光反射測定手段は、
中心光周波数を変えてパルス状の試験光を出射するパルス光出力部と、
前記パルス光出力部から出射された試験光を前記マルチモード光ファイバの所望の伝搬モードで入射し、前記マルチモード光ファイバの入射した同じ伝搬モードの後方レイリー散乱光を分離する選択的励起分離回路と、
前記選択的励起分離回路からの後方レイリー散乱光を電気信号に変換する受光器と、
前記電気信号をデジタル信号にA/D変換した後、A/D変換された後方レイリー散乱光信号を用い、前記パルス状の試験光の中心光周波数を変えて測定される前記A/D変換された後方レイリー散乱光信号の強度変化を散乱スペクトルとして測定する散乱スペクトル測定回路と、
を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の温度・歪センシング装置。 - 複数の伝搬モードを有するマルチモード光ファイバをセンサ媒体として、試験光を用いて後方レイリー散乱光の光周波数スペクトル(以下、「後方レイリー散乱光の光周波数スペクトル」を「散乱スペクトル」と称する。)を前記複数の伝搬モードについて予め測定する第1の光周波数スペクトル測定手順と、
温度・歪センシング実施時に、前記複数の伝搬モードを有するマルチモード光ファイバに対して、試験光を用いて散乱スペクトルを前記複数の伝搬モードについて再度測定する第2の光周波数スペクトル測定手順と、
前記第1の光周波数スペクトル測定手順で測定した散乱スペクトルに対する前記第2の光周波数スペクトル測定手順で測定した散乱スペクトルの散乱スペクトルシフトを複数の伝搬モードについて算出する散乱スペクトルシフト算出手順と、
前記試験光の中心光周波数に対する前記複数の伝搬モードのうち実効屈折率の異なる任意の2つの伝搬モードの前記散乱スペクトルシフトのそれぞれの比率が、前記マルチモード光ファイバの温度変化及び前記マルチモード光ファイバの歪で表されることを利用して、前記マルチモード光ファイバの温度変化及び前記マルチモード光ファイバの歪を求める温度・歪算出手順と、
を備えることを特徴とする温度・歪センシング方法。 - 前記第1の光周波数スペクトル測定手順又は前記第2の光周波数スペクトル測定手順では、
時間に対して線形に周波数掃引された連続光を出射し、
前記連続光を前記マルチモード光ファイバの所望の伝搬モードで入射し、前記マルチモード光ファイバの入射した同じ伝搬モードの後方レイリー散乱光を分離し、
前記後方レイリー散乱光及び前記連続光を合波し、
合波して得られるビート成分を電気信号のビート信号に変換し、
前記ビート信号をデジタル信号にA/D変換した後、A/D変換された前記ビート信号をフーリエ変換して前記マルチモード光ファイバの長手方向の距離に対する散乱光振幅分布を算出し、所望の距離地点を中心とする矩形窓を乗算して任意区間成分を抽出した後、前記任意区間成分の散乱光振幅分布を逆フーリエ変換することで算出し、
前記散乱スペクトルシフト算出手順では、前記第1の光周波数スペクトル測定手順で測定した散乱スペクトルと前記第2の光周波数スペクトル測定手順で測定した散乱スペクトルの相互相関から、前記散乱スペクトルシフトを複数の伝搬モードについて算出する、
ことを特徴とする請求項5又は6に記載の温度・歪センシング方法。 - 前記第1の光周波数スペクトル測定手順又は前記第2の光周波数スペクトル測定手順では、
中心光周波数を変えてパルス状の試験光を出射し、
前記試験光をセンサ媒体としての前記マルチモード光ファイバの所望の伝搬モードで入射し、前記マルチモード光ファイバの入射した同じ伝搬モードの後方レイリー散乱光を分離し、
前記後方レイリー散乱光を電気信号に変換し、
前記電気信号をデジタル信号にA/D変換した後、A/D変換された後方レイリー散乱光信号を用い、前記試験光の中心光周波数を変えて測定される前記A/D変換された後方レイリー散乱光信号の強度変化を散乱スペクトルとして測定し、
前記スペクトルシフト算出手順では、前記第1の光周波数スペクトル測定手順で測定した光周波数スペクトルと前記第2の光周波数スペクトル測定手順で測定した散乱スペクトルの相互相関から、前記散乱スペクトルシフトを複数の伝搬モードについて算出する、
ことを特徴とする請求項5又は6に記載の温度・歪センシング方法。
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