JP6706192B2 - 空間チャネル間伝搬遅延時間差測定方法及び空間チャネル間伝搬遅延時間差測定装置 - Google Patents

空間チャネル間伝搬遅延時間差測定方法及び空間チャネル間伝搬遅延時間差測定装置 Download PDF

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Description

本開示は、マルチモード光ファイバ、マルチコア光ファイバ等の空間多重伝送用光ファイバにおける空間チャネル間の伝搬遅延時間差を測定する技術に関する。
光通信における光ファイバ1本あたりの伝送容量を拡大する技術として、マルチモード光ファイバやマルチコア光ファイバを用いた空間多重伝送技術がある。空間多重伝送では、モードやコアといった空間的に異なる伝送チャネルで信号を多重化することにより伝送容量を拡大する。しかしながら、空間チャネル間で信号伝搬に係る遅延時間差が大きくなると受信部での信号処理が複雑化することが知られている。したがって、空間多重伝送路の性能を評価する上で空間チャネル間遅延時間差は重要な指標の一つとなっている。
空間チャネル間遅延時間差を測定する方法としては、例えば非特許文献1で用いられるインパルス応答法がある。インパルス応答法では、複数の空間チャネルに短パルス光を同時に入射し、被測定ファイバ伝搬後のパルス光を受光する。各空間チャネルを伝搬したパルス光は、伝搬に係る遅延時間差だけ異なる時間に受光されるため、パルス光の受光時間を比較することにより、空間チャネル間遅延時間差が測定される。
T. Sakamoto et al., "Differential mode delay managed transmission line for WDM−MIMO system using multi−step index fiber", J. Lightw. Technol. 30(17), 2783−2787 (2012). T.−J. Ahn et al., "New optical frequency domain differential mode delay measurement method for a multimode optical fiber", Opt. Express 13(11), 4005−4011 (2005). D. K. Gifford et al., "Swept−wavelength interferometric interrogation of fiber Rayleigh scatter for distributed sensing applications", Proc. SPIE 6770, Fiber Optic Sensors and Applications V, 67700F (2007).
空間チャネル間遅延時間差は、光ファイバの構造上の不均一性や、ファイバ接続点でのモード結合などにより、伝送路中で局所的に変化することが想定される。しかしながら、インパルス応答法のように被測定ファイバの透過光を用いる方法では、伝送路全体での遅延時間差は測定できるが、局所的な遅延時間差の変化を非破壊で測定することはできない。その他の遅延時間差測定法として、ファイバ接続点等で生じるフレネル反射から遅延時間差を評価する方法もあるが(例えば、非特許文献2を参照。)、そのような反射イベントは必ずしも伝送路中の所望の地点に生じるとは限らない。
本発明はこのような事情を鑑みてなされたものであり、その目的は伝送路中の任意の距離地点で空間チャネル間伝搬遅延時間差を非破壊で測定する空間チャネル間伝搬遅延時間差測定方法及び空間チャネル間伝搬遅延時間差測定装置を提供することにある。
本発明は、光反射測定で観測される後方レイリー散乱光の光周波数スペクトルシフト分布を用いることで上記課題を解決する。本発明に係る空間チャネル間伝搬遅延時間差測定方法及び空間チャネル間伝搬遅延時間差測定装置は、モード毎に温度・歪変化前後のスペクトルシフトを測定し、温度・歪変化前のモード1のスペクトルシフトと温度・歪変化後のモード2のスペクトルシフトとの相互相関を求め、この相互相関を最大とする遅延時間をモード1とモード2とのモード間遅延時間差とする。
具体的には、本発明に係る空間チャネル間伝搬遅延時間差測定方法は、空間多重伝送用光ファイバの任意地点における空間チャネル間の伝搬遅延時間差を測定する空間チャネル間伝搬遅延時間差測定方法であって、
前記空間多重伝送用光ファイバの後方レイリー散乱光の光周波数スペクトルを複数の空間チャネルについて任意の時間を空けて2回ずつ測定する測定手順と、
前記測定手順で測定した光周波数スペクトルの、2回の測定間の時間で生じた空間チャネル毎のスペクトルシフトを伝搬遅延時間に対する分布として取得し、
所望の異なる2つの空間チャネルの前記スペクトルシフト分布から任意区間成分を抽出し、
前記異なる2つの空間チャネルの前記スペクトルシフト分布から抽出した2つの任意区間成分間で相互相関を計算し、前記相互相関を最大とする伝搬遅延時間の差を空間チャネル間遅延時間差とする演算手順と、
を行う。
また、本発明に係る空間チャネル間伝搬遅延時間差測定装置は、空間多重伝送用光ファイバの任意地点における空間チャネル間の伝搬遅延時間差を測定する空間チャネル間伝搬遅延時間差測定装置であって、
前記空間多重伝送用光ファイバの後方レイリー散乱光の光周波数スペクトルを複数の空間チャネルについて任意の時間を空けて2回ずつ測定する測定回路と、
前記測定回路が測定した光周波数スペクトルの、2回の測定間の時間で生じた空間チャネル毎のスペクトルシフトを伝搬遅延時間に対する分布として取得し、
所望の異なる2つの空間チャネルの前記スペクトルシフト分布から任意区間成分を抽出し、
前記異なる2つの空間チャネルの前記スペクトルシフト分布から抽出した2つの任意区間成分間で相互相関を計算し、前記相互相関を最大とする伝搬遅延時間の差を空間チャネル間遅延時間差とする演算を行う演算回路と、
を備える。
図1は本発明の測定原理を示す概念図である。後方レイリー散乱光の光周波数スペクトル(以下、散乱スペクトル)は、被測定ファイバの温度・歪変化に応じてシフトすることが知られている(例えば、非特許文献3を参照。)。すなわち、遅延時間τに対応する地点における温度・歪変化前の散乱スペクトルσ(ν、τ)と変化後の散乱スペクトルσ(ν、τ)は次式の関係にある。なお、遅延時間τとは、被測定ファイバに試験光を入射した時間と後方レイリー散乱光を受光した時間との差であり、後方レイリー散乱光が発生した被測定ファイバ上の位置に関連する値である。
Figure 0006706192
Figure 0006706192
ここでνは試験光の周波数、Δν(τ)はτ地点におけるスペクトルシフト、νは試験光の中心周波数、KおよびKεはそれぞれ温度・歪変化に対するスペクトルシフト定数、ΔT(τ)およびε(τ)はτ地点における温度・歪変化である。
Δν(τ)を複数のτ地点について解析することで、伝搬遅延時間に対するスペクトルシフト分布が得られる。ここでの温度・歪変化は時間経過で生じる外部環境変化の影響を利用してもよく、その場合局所的な外部環境変化の違いにより遅延時間に対してランダムなスペクトルシフト分布波形が得られる。
スペクトルシフト分布Δν(τ)を異なる空間チャネルで測定すると、温度・歪等の環境変化が生じた地点に対応する遅延時間は空間チャネルによって異なるため、遅延時間軸上で異なる位置でスペクトルシフトが生じる(図1)。すなわち、空間チャネル1と空間チャネル2のスペクトルシフト分布をそれぞれΔν(τ)、Δν(τ)とすると、Δν(τ)とΔν(τ)は次式の関係にある。
Figure 0006706192
ここでΔτ(z)は距離z地点までの累積の遅延時間差である。xは片道の遅延時間差が測定される場合は1、往復の遅延時間差が測定される場合は2であり、実施形態によって異なる。
Δτ(z)は、Δν(τ)とΔν(τ)についてτ=2nz/c(nは空間チャネル1の群屈折率、cは真空中の光速)を中心とする区間成分を抽出し、それらの相互相関Rτ(τ’、z)から求める。Rτ(τ’、z)は次式により計算する。
Figure 0006706192
ここでΤは相互相関に用いるスペクトルシフト分布の区間の長さである。なお、ここではΤに相当する距離区間の範囲で遅延時間差は一定であるとする。
Δν(τ)とΔν(τ)が式(3)の関係にある場合、Rτ(τ’、z)はτ’=xΔτ(z)で最大値をとる。これにより、任意のz地点における空間チャネル1と空間チャネル2の遅延時間差を非破壊で求めることができる。
従って、本発明は、伝送路中の任意の距離地点で空間チャネル間伝搬遅延時間差を非破壊で測定する空間チャネル間伝搬遅延時間差測定方法及び空間チャネル間伝搬遅延時間差測定装置を提供することができる。
本発明に係る空間チャネル間伝搬遅延時間差測定方法は、前記測定手順で、
試験光を前記空間多重伝送用光ファイバの特定の空間チャネルに入射し、
前記特定の空間チャネルと異なる空間チャネルに結合して複数の空間チャネルを伝搬した後方レイリー散乱光を空間チャネルごとに分離し、
分離した空間チャネルごとの後方レイリー散乱光の光周波数スペクトルを個別に検出する、ことを特徴とする。
前記測定手順を行う場合、空間チャネル間伝搬遅延時間差測定装置は次のような構成である。
本発明に係る空間チャネル間伝搬遅延時間差測定装置の前記測定回路は、
周波数掃引した連続光を出射する周波数掃引光源と、
前記周波数掃引光源が出射した連続光を2分岐する光分岐手段と、
前記光分岐手段が分岐した連続光の一方を空間多重伝送用光ファイバの特定の空間チャネルに選択的に入射する選択的励起手段と、
前記空間多重伝送用光ファイバ内で生じた後方レイリー散乱光を空間チャネル成分毎に分離する選択的分離手段と、
前記光分岐手段が分岐した連続光の他方と前記選択的分離手段が分離した後方レイリー散乱光と合波してビート信号を検出する光検出手段と、
を有し、
前記演算回路は、前記光検出手段が検出した前記ビート信号を用いて前記演算を行う。
本発明は、伝送路中の任意の距離地点で空間チャネル間伝搬遅延時間差を非破壊で測定する空間チャネル間伝搬遅延時間差測定方法及び空間チャネル間伝搬遅延時間差測定装置を提供することができる。
本発明に係る空間チャネル間伝搬遅延時間差測定方法の測定原理を説明する図である。 本発明に係る空間チャネル間伝搬遅延時間差測定方法を説明するフローチャートである。 本発明に係る空間チャネル間伝搬遅延時間差測定装置を説明するブロック図である。
添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下に説明する実施形態は本発明の実施例であり、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではない。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。
本実施形態では一例として、散乱スペクトルの測定に光周波数領域反射測定法(OFDR)を用い、被測定ファイバに2モードシングルコアを用いて2モード間の遅延時間差を測定する場合について述べる。つまり、本実施形態では、空間チャネル間伝搬遅延時間差が2つのモードの伝搬遅延時間差である。
図3は、本実施形態の空間チャネル間伝搬遅延時間差測定装置の構成を説明するブロック図である。本空間チャネル間伝搬遅延時間差測定装置は、空間多重伝送用光ファイバの任意地点における空間チャネル間の伝搬遅延時間差を測定する空間チャネル間伝搬遅延時間差測定装置であって、
前記空間多重伝送用光ファイバの後方レイリー散乱光の光周波数スペクトルを複数の空間チャネルについて任意の時間を空けて2回ずつ測定する測定回路100と、
前記測定回路が測定した光周波数スペクトルの、2回の測定間の時間で生じた空間チャネル毎のスペクトルシフトを伝搬遅延時間に対する分布として取得し、
所望の異なる2つの空間チャネルの前記スペクトルシフト分布から任意区間成分を抽出し、
前記異なる2つの空間チャネルの前記スペクトルシフト分布から抽出した2つの任意区間成分間で相互相関を計算し、前記相互相関を最大とする伝搬遅延時間の差を空間チャネル間遅延時間差とする演算を行う演算回路200と、
を備える。
測定回路100は、
周波数掃引した連続光を出射する周波数掃引光源11と、
前記周波数掃引光源が出射した連続光を2分岐する光分岐手段12と、
光分岐手段12が分岐した連続光の一方を空間多重伝送用光ファイバ(被測定ファイバ)50の特定の空間チャネルに選択的に入射する選択的励起手段13と、
空間多重伝送用光ファイバ50内で生じた後方レイリー散乱光を空間チャネル成分毎に分離する選択的分離手段13と、
光分岐手段12が分岐した連続光の他方と選択的分離手段13が分離した後方レイリー散乱光と合波してビート信号を検出する光検出手段14と、
を有し、
演算回路200は、光検出手段14が検出した前記ビート信号を用いて前記演算を行う。
図2は、本空間チャネル間伝搬遅延時間差測定装置が行う空間チャネル間伝搬遅延時間差測定方法を説明するフローチャートである。本空間チャネル間伝搬遅延時間差測定方法は、空間多重伝送用光ファイバの任意地点における空間チャネル間の伝搬遅延時間差を測定する空間チャネル間伝搬遅延時間差測定方法であって、
前記空間多重伝送用光ファイバの後方レイリー散乱光の光周波数スペクトルを複数の空間チャネルについて任意の時間を空けて2回ずつ測定する測定手順(ステップ1、2)と、
前記測定手順で測定した光周波数スペクトルの、2回の測定間の時間で生じた空間チャネル毎のスペクトルシフトを伝搬遅延時間に対する分布として取得し、
所望の異なる2つの空間チャネルの前記スペクトルシフト分布から任意区間成分を抽出し、
前記異なる2つの空間チャネルの前記スペクトルシフト分布から抽出した2つの任意区間成分間で相互相関を計算し、前記相互相関を最大とする伝搬遅延時間の差を空間チャネル間遅延時間差とする演算手順(ステップ3、4)と、
を行う。
本実施形態では、前記測定手順で、
試験光を前記空間多重伝送用光ファイバの特定の空間チャネルに入射し、
前記特定の空間チャネルと異なる空間チャネルに結合して複数の空間チャネルを伝搬した後方レイリー散乱光を空間チャネルごとに分離し、
分離した空間チャネルごとの後方レイリー散乱光の光周波数スペクトルを個別に検出する、
ことを特徴とする。
初めにステップ1として、図3に示される装置を用いてモード1とモード2の後方散乱光をコヒーレント検波してビート信号を得る。なお、図3において被測定ファイバ以外はシングルモードシングルコアファイバで構成されることとする。光源には光周波数を掃引できる周波数掃引光源11を用い、時間に対して線形に周波数掃引された連続光が出射される。出射された連続光を光分岐手段12で2分岐し、一方は被測定ファイバ50に入射する試験光、もう一方は後方散乱光をコヒーレント検波する際のローカル光に用いる。
試験光はモード選択励起手段13により被測定ファイバ50に単一モードで入射する。試験光のモードはモード1とモード2のどちらでもよい。試験光の一部は被測定ファイバ50内でレイリー散乱され、入射方向の後方にはモード1とモード2の2モードでレイリー散乱光が伝搬する。モード1とモード2の後方散乱光をモード選択分離手段13によって分離し、光合波手段15でそれぞれ個別にローカル光と合波する。なお、図3ではモード選択励起手段とモード選択分離手段を一つのモード選択励起・分離手段13として説明している。
光合波手段15が合波した各モードのビート信号をそれぞれ異なる受光器14で電気信号に変換し、A/D変換器16でデジタル信号に変換した後、データ保管手段17において保管する。
次にステップ2では、ステップ1実施から任意の時間経過後に、ステップ1記載の方法によりモード1とモード2のビート信号を再度取得し、データ保管手段17において保管する。
次にステップ3では、演算回路200で、時間経過によって生じたスペクトルシフト分布を各モードについて得る。スペクトルシフト分布を求める流れを以下に示す。
ステップ3−1として、まずステップ1で測定したビート信号を用いて、任意の遅延時間τに対応する地点の散乱スペクトルを各モードについて算出する。散乱スペクトルは非特許文献3記載の方法により算出する。具体的には、まずビート信号をフーリエ変換して遅延時間に対する後方散乱光振幅分布を算出し、遅延時間τを中心とする矩形窓を乗算して任意区間成分を抽出した後、逆フーリエ変換する。上記の方法により、ステップ3−1では時間経過前の散乱スペクトルを各モードについて算出する。
次にステップ3−2として、ステップ3−1記載の方法をステップ2で測定したビート信号についても実施し、時間経過後の散乱スペクトルを各モードについて算出する。
次にステップ3−3として、ステップ3−1とステップ3−2で算出した散乱スペクトルについてモード1同士、モード2同士の相互相関をそれぞれ計算し、τ地点におけるスペクトルシフトを各モードについて求める。相互相関Rν(ν’、τ)は次式により計算する。
Figure 0006706192
ここでσ(ν、τ)およびσ(ν、τ)はτ地点における測定1回目と2回目の散乱スペクトルである。*は複素共役を表す。
σ(ν、τ)とσ(ν、τ)が式(1)の関係にある場合、Rν(ν’、τ)はν’=Δν(τ)で最大値をとる。これにより、τ地点におけるスペクトルシフトが求められる。
上記ステップ3−1〜3−3を複数のτについて繰り返し実施し、それぞれのτ地点におけるスペクトルシフトを各モードについて得る。ここで繰り返し実施するτの範囲は、遅延時間差を測定する距離地点をzとしてτ=2nz/cを含み、スペクトルシフトの変動周期に対して十分長い範囲とする。
最後にステップ4として、ステップ3で求めたモード1とモード2のスペクトルシフト分布Δν(τ)、Δν(τ)を用いて、式(4)に示される相互相関Rτ(τ’、z)を計算し、Rτ(τ’、z)が最大値をとるτ’の値から、z地点における遅延時間差Δτ(z)を求める。
本実施例では、各モードの散乱スペクトルで入射光のモードが同一であるため、片道の遅延時間差がスペクトルシフト分布に現れる(式(3)においてx=1)。したがって、Rτ(τ’、z)はτ’=Δτ(z)で最大値をとる。
なお、本実施例では散乱スペクトルの測定にOFDRを用いたが、本発明はそれに限定されず、測定法として光時間領域反射測定法(OTDR)等の他の手段を用いても良い。ただし、一般にOTDRの遅延時間分解能が数10ns程度であるのに対し、OFDRでは数ps程度の遅延時間分解能を実現できる。一般的なステップインデックス型の2モードファイバにおける単位距離当たりのモード間遅延時間差が数ps/m程度であることを考慮すると、本発明を実施する上ではOFDRが有効である。
また、測定する空間チャネル数が2より多い場合でも、対応する空間チャネル選択励起/分離手段を用いて個々のチャネルのスペクトルシフト分布を観測し、それらの相互相関を計算することにより、各チャネル間の遅延時間差を測定できる。
(発明の効果)
本発明は非破壊で測定可能であるため、ケーブル収容および敷設後のファイバであっても容易に任意地点の遅延時間差を評価できる。さらに本発明はファイバ片端で測定が完結するため、敷設後のファイバを評価する場合、現場作業者を派遣することなく遠隔で遅延時間差をモニタリングできる。また、非特許文献1のような異種ファイバが接続された伝送路では、遅延時間差の距離依存性から個々のファイバを識別することで、伝送路のファイバ構成状態を正確に把握することが可能になる。以上のように、本発明は空間多重伝送路の保守・運用・管理に向けた観点で従来の測定法に対して大きな優位性がある。
11:周波数掃引光源
12:光分岐手段
13:モード選択励起・分離手段
14:受光器、光検出手段
15:光合波手段
16:A/D変換器
17:データ補完手段
50:被測定ファイバ、空間多重伝送用光ファイバ
100:測定回路
200:演算回路

Claims (4)

  1. 空間多重伝送用光ファイバの任意地点における空間チャネル間の伝搬遅延時間差を測定する空間チャネル間伝搬遅延時間差測定方法であって、
    前記空間多重伝送用光ファイバの後方レイリー散乱光の光周波数スペクトルを複数の空間チャネルについて任意の時間を空けて2回ずつ測定する測定手順と、
    前記測定手順で測定した光周波数スペクトルの、2回の測定間の時間で生じた空間チャネル毎のスペクトルシフトを伝搬遅延時間に対する分布として取得し、
    所望の異なる2つの空間チャネルの前記スペクトルシフト分布から任意区間成分を抽出し、
    前記異なる2つの空間チャネルの前記スペクトルシフト分布から抽出した2つの任意区間成分間で相互相関を計算し、前記相互相関を最大とする伝搬遅延時間の差を空間チャネル間遅延時間差とする演算手順と、
    を行う空間チャネル間伝搬遅延時間差測定方法。
  2. 前記測定手順で、
    試験光を前記空間多重伝送用光ファイバの特定の空間チャネルに入射し、
    前記特定の空間チャネルと異なる空間チャネルに結合して複数の空間チャネルを伝搬した後方レイリー散乱光を空間チャネルごとに分離し、
    分離した空間チャネルごとの後方レイリー散乱光の光周波数スペクトルを個別に検出する、
    ことを特徴とする請求項1記載の空間チャネル間伝搬遅延時間差測定方法。
  3. 空間多重伝送用光ファイバの任意地点における空間チャネル間の伝搬遅延時間差を測定する空間チャネル間伝搬遅延時間差測定装置であって、
    前記空間多重伝送用光ファイバの後方レイリー散乱光の光周波数スペクトルを複数の空間チャネルについて任意の時間を空けて2回ずつ測定する測定回路と、
    前記測定回路が測定した光周波数スペクトルの、2回の測定間の時間で生じた空間チャネル毎のスペクトルシフトを伝搬遅延時間に対する分布として取得し、
    所望の異なる2つの空間チャネルの前記スペクトルシフト分布から任意区間成分を抽出し、
    前記異なる2つの空間チャネルの前記スペクトルシフト分布から抽出した2つの任意区間成分間で相互相関を計算し、前記相互相関を最大とする伝搬遅延時間の差を空間チャネル間遅延時間差とする演算を行う演算回路と、
    を備える空間チャネル間伝搬遅延時間差測定装置。
  4. 前記測定回路は、
    周波数掃引した連続光を出射する周波数掃引光源と、
    前記周波数掃引光源が出射した連続光を2分岐する光分岐手段と、
    前記光分岐手段が分岐した連続光の一方を空間多重伝送用光ファイバの特定の空間チャネルに選択的に入射する選択的励起手段と、
    前記空間多重伝送用光ファイバ内で生じた後方レイリー散乱光を空間チャネル成分毎に分離する選択的分離手段と、
    前記光分岐手段が分岐した連続光の他方と前記選択的分離手段が分離した後方レイリー散乱光と合波してビート信号を検出する光検出手段と、
    を有し、
    前記演算回路は、前記光検出手段が検出した前記ビート信号を用いて前記演算を行う請求項3記載の空間チャネル間伝搬遅延時間差測定装置。
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