JP5413931B2 - 光ファイバ位置特定のための光学マーキング部を備えた光ファイバセンサおよび光ファイバセンサの計測方法と光ファイバセンサ装置 - Google Patents

光ファイバ位置特定のための光学マーキング部を備えた光ファイバセンサおよび光ファイバセンサの計測方法と光ファイバセンサ装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5413931B2
JP5413931B2 JP2013031339A JP2013031339A JP5413931B2 JP 5413931 B2 JP5413931 B2 JP 5413931B2 JP 2013031339 A JP2013031339 A JP 2013031339A JP 2013031339 A JP2013031339 A JP 2013031339A JP 5413931 B2 JP5413931 B2 JP 5413931B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical fiber
optical
sensor
fiber sensor
strain
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013031339A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013127479A (ja
Inventor
浩児 大道
俊一郎 平船
寛隆 井川
功 山口
時雄 葛西
英晶 村山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujikura Ltd
Japan Aerospace Exploration Agency JAXA
University of Tokyo NUC
Original Assignee
Fujikura Ltd
Japan Aerospace Exploration Agency JAXA
University of Tokyo NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujikura Ltd, Japan Aerospace Exploration Agency JAXA, University of Tokyo NUC filed Critical Fujikura Ltd
Priority to JP2013031339A priority Critical patent/JP5413931B2/ja
Publication of JP2013127479A publication Critical patent/JP2013127479A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5413931B2 publication Critical patent/JP5413931B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、ファイバブラッググレーティング(Fiber Bragg Grating ; 以下、FBGと略記する。)をセンサとして、ひずみや温度変化を計測する光ファイバセンサと該光ファイバセンサの計測方法と光ファイバセンサ装置に関し、特にひずみや温度変化が生じた光ファイバ位置を高い空間分解能で特定できる技術に関する。
光ファイバを用いた温度やひずみなどの物理量を計測するセンサは、長寿命であること、軽量であること、細径かつ柔軟性があるため、狭い空間で使用可能であること、光ファイバが絶縁性であるため、電磁ノイズに強いことなどから、橋梁やビルなどの巨大構造物および旅客機や人工衛星などの航空、宇宙機器の健全性の評価に用いることが期待されている。
これら構造物の健全性評価を行うための光ファイバセンサに求められる性能として、ひずみ分解能が高いこと、多点のセンサを有すること(センシング範囲が広いこと)、リアルタイムで計測できること、などが挙げられる。
これまで種々の光ファイバセンサが提案されているが、前記要求性能を十分に満たす最も有望なものとしてFBGからなる光ファイバセンサが挙げられる。
FBGとは、光ファイバのコアに周期的な屈折率変化を持たせた光ファイバ型デバイスであり、コアの屈折率変化の周期と実効屈折率によって定まる特定の波長の光を反射する特性を有し、この反射光(ブラッグ反射光と呼ばれる)の波長(ブラッグ波長)は、以下の(1)式で表される。
λ=2neff Λ … (1)式
ただし、(1)式において、λはブラッグ波長、neff は光ファイバの実効屈折率、Λは屈折率変化の周期を示す。
このFBGにひずみや温度変化などが生じると、これに応じてコアの屈折率変化の周期(主にひずみによる)や実効屈折率(主に温度変化による)が変化し、ブラッグ波長がシフトする。このブラッグ波長のシフト量とひずみ量や温度変化量との関係を予め測定しておくことで、ブラッグ波長のシフト量からひずみや温度変化を計測することができる。このFBGをセンサとする光ファイバセンサには、ブラッグ波長のシフト量を計測する手段の測定精度にもよるが、極めて高い分解能でひずみや温度変化を計測することができる特徴がある。
また、このFBGからなる光ファイバセンサを用いてひずみや温度変化を計測する手段として、以下の複数の方式が知られている。第1の方式として、1本の光ファイバに対してブラッグ波長の異なる複数のFBGを配置して、全てのFBGのブラッグ反射波長域にわたる測定光を連続的に入射して各FBGからのブラッグ波長シフト量を計測する波長多重(Wavelength Division Multiplexing ; 以下、WDMと略記する。)方式を例示することができ、第2の方式として、1本の光ファイバに対してブラッグ波長がほぼ同一の複数のFBGをある一定距離以上の間隔で配置し、全てのFBGのブラッグ波長域にわたる測定光をパルス状に入射して各FBGからのブラッグ波長光の伝搬遅延時間の差に基づいて各FBGの位置を特定するとともに、ブラッグ波長のシフト量を計測する時間分割多重(Time Division Multiplexing ; 以下、TDMと略記する。)方式を例示することができ、第3の方式として、1本の光ファイバに対してブラッグ波長がほぼ同一の複数のFBGを任意の間隔で配置して、各FBGからのブラッグ反射光と参照光の周期的変化を利用して各FBGの位置を特定するとともに、ブラッグ波長のシフト量を計測する光周波数領域反射測定(Optical Frequency Domain Reflectometry ; 以下OFDRと略記する。)方式を例示することができる。
これらの計測手段のうち、OFDR方式では、FBGの配置されている光ファイバ位置を特定するとともに、FBG内に生じる分布的なひずみや温度変化を高い空間分解能で計測できる、つまり、FBG長手方向を微小区問に区切り、その区間ごとのひずみや温度変化を計測できるという特徴を有することが非特許文献1に記載されている。この非特許文献1によると、OFDR方式では、FBG長手方向を0.6〜1.6mmの微小区間に区切ってその区間ごとのひずみや温度変化を計測できることを開示している。つまり、OFDR方式ではひずみや温度変化が生じた光ファイバ位置を1mm程度の空間分解能で特定することができる。
また、OFDR方式で広範囲のセンシングを行うには、ほぼ同一のブラッグ波長のFBGを近接して複数配置することで実現できる。非特許文献2によると、OFDR方式では1本の光ファイバに800個のFBGを配置して計測することが可能である。
一方、上記で説明したWDM方式やTDM方式では、計測原理上、OFDR方式のようなFBG内に生じる分布的なひずみや温度変化を計測することができない。そこで、1mm程度のグレーティング長からなる複数のFBGを近接して配置し、個々のFBGのブラッグ波長シフト量から分布的なひずみや温度変化を計測する方法を考え得るが、WDM方式では、配置するFBGの個数に制限されるために比較的広範囲のセンシングを行うには、個々のFBG間の距離を数十cm〜数m以上離す必要がある。例えば、光強度の減衰が小さいCバンド帯(1520〜1570nm)を個々のFBGのブラッグ波長に割り当てると、計測するひずみ範囲にもよるが、20個のFBGを配置するのが限界である。また、TDM方式は、測定光のパルス幅に制限されて個々のFBGを2.5m以上離す必要がある。つまり、WDM方式やTDM方式では、1mm程度の空間分解能でひずみや温度変化が生じた光ファイバ位置を特定することができない。なお、上記で説明したWDM方式やTDM方式の計測性能については、非特許文献3に解説されている。
以上説明したとおり、FBGからなる光ファイバセンサをOFDR方式で計測することにより、ひずみや温度変化が生じた光ファイバ位置を1mm程度の高い空間分解能で特定することができるという、従来の光ファイバセンシング技術にはない特徴を提供することができる。
特許第3740500号公報 H. Murayama, H. Igawa, K. Kageyama. K. Ohta, I. Ohsawa, K. Uzawa, M. Kanai, T. Kasai and I. Yamaguchi, "Distributed Strain Measurement with High Spatial Resolution Using Fiber Bragg Gratings and Optical Frequency Domain Reflectometry," Proceedings OFS-18, ThC5 (2006) B. Childers, M. E. Froggatt, S. G. Allison, T, C. Moore, D.A. Hare, C. F. Batten and D. C. Jegley, "Use of 3000 Bragg grating strain sensors distributed on four eight-meter optical fibers during static load tests of a composite structure," Proceed1ings SPIE’s 8 th International Symposium on SmartStructure and Materia1s, Vo1. 4332, pp. 133-142 (2001) 熊谷幸樹,本山寛,田村琢之、小林薫、山本郁夫、森山守, "TDM方式光ファイバセンシングによるトンネル履工のひずみ計測, "第41回光波センシング技術研究会講演予稿集, LST41−22,pp. 145−151(2008)
しかしながら、FBGからなる光ファイバセンサを用いてOFDR方式でひずみや温度変化を実際に計測する場面において、いくつかの問題点がある。係る問題点について、図8を用いて以下に説明する。
図8は、FBGからなる光ファイバセンサをOFDR方式で計測し、構造物に生じるひずみを計測する場合の一例を示す概略図である。図8の構造では、構造物100から40m離れた建築物101の屋内に1mmの空間分解能を有するOFDR方式の計測器102を配置し(本計測器の詳細については後記する)、この計測器102に全長40000mm(40m)の光ファイバ103とその先に連設された全長500mmのFBGからなる光ファイバセンサ105を接続している。
このFBGからなる光ファイバセンサ105は、センシングの対象となる構造物100に埋め込んで設けられているが、FBGに生じる温度変化を計測する目的でその一部のみ構造物100に埋め込んでいない部分(以下、温度変化計測部と略す)106を設けている。このようにFBGに生じる温度変化を計測するのは、FBGはひずみと温度変化のいずれに対しても感度を有するので、この温度変化計測部106であらかじめFBGに生じる温度変化を計測しておき、構造物100に埋め込んだFBGに生じるひずみと温度変化のうち、温度変化による影響を差し引いてFBG(構造物)に生じるひずみを計測するためである。この全長500mmのFBGは、計測器側250mmを構造物100に埋め込み、次の1mmを温度変化計測部とし、残りの249mmを再び構造物に埋め込む構成とされている。
ここで、OFDR方式の空問分解能が1mmというのは、光ファイバ0〜1mmの区間、40000mm〜40001mmの区間というように、光ファイバ長手方向に対して1mm刻みにFBGの配置されている光ファイバ位置を特定していくとともに、FBGが配置されている箇所では、この1mm区間内の平均的なひずみや温度変化を計測することと定義する(以下、x〜x+1mmの区間のことを、xmmの地点と略して記載する)。
図8に示す構造において、40mの光ファイバ103および光ファイバセンサ105が、ある基準温度(例えば20℃)、基準ひずみ(例えば0με)にある状態でOFDR方式により計測を行う。OFDR方式では、光ファイバの光路長を実測することができるので、以下の(2)式に示す関係式から光ファイバ長を算出してFBGの光ファイバ位置の特定とするとともに、該FBG内の分布的なひずみと温度変化の計測を行う。
L=l/neff …(2)式
(2)式においてLは光ファイバ長、lは光ファイバの光路長、neff は光ファイバの実効屈折率を示す。
この計測により、計測器上におけるFBGの光ファイバ位置を特定し、更に該FBGにおける温度変化計測部の光ファイバ位置を特定する。温度変化計測部106の計測器上における光ファイバ位置特定は、例えば、光ファイバ上における温度変化計測部をスポットヒータなどにより加熱してOFDR方式で計測することで行うことができる。つまり、加熱によりブラッグ波長がシフトした位置を計測器上における温度変化計測部106の光ファイバ位量と特定することができる。なお、OFDR方式では、neff は常に基準温度(20℃)における実効屈折率を用いて計測する。つまり、光ファイバに温度変化が生じて実効屈折率が変化すると、実効的に光ファイバ長が変化したものとみなして計測することとなる。これは、例えば、温度変化計測部106で求めた温度に対する光ファイバの実行屈折率を用いて再演算して補正することが考えられるが、これは光ファイバ長手方向の温度が均一である場合にのみ適用できるので、実用的ではない。例えば、40mの光ファイバ103と構造物100の環境温度が少しでも異なると、このような補正を行うことはできなくなる。
次に、40mの光ファイバ103および光ファイバセンサ105が、ある基準温度、基準ひずみにある状態において本願発明者がOFDR方式による計測を行った結果、計測器上においてFBGが40000mm(40m)の光ファイバ位置にあり、該FBGに備えた温度変化計測部106は40250mmの光ファイバ位置であることを確認した。このOFDR方式の計測器により構造物100に生じるひずみを計測するには、最初に温度変化計測部(計測器上において40250mmの光ファイバ位置)106のブラッグ波長の変化から温度変化を計測し、しかる後に構造物100に埋め込んだFBGのブラッグ波長の変化から温度変化による影響を差し引いて構造物100に生じるひずみを計測すれば良い。この計測を繰り返すことにより、構造物100に生じるひずみを常時計測することができる。
次に、この構造物100のひずみ計測において、構造物100が光ファイバセンサ長手方向に対して一様に0.4%のひずみが生じたと仮定する。このとき、構造物100に埋め込んだFBGは構造物100とともに0.4%伸びるので、温度変化計測部前段の光ファイバセンサの光ファイバ長は251mmとなる。従って、実際の光ファイバ上では温度変化計測部が40251mmの光ファイバ位置に存在することになる。しかしながら、温度変化計測は計測器上で40250mmの光ファイバ位置を計測するので、この場合、温度変化を正確に計測することができなくなってしまう。
また、この構造物100のひずみ計測において、環境温度が4℃上昇し、光ファイバの実効屈折率が変化したと仮定する(構造物100には、ファイバ長変化をもたらさない程度の微小なひずみが発生していると仮定する)。前記の通り、OFDR方式ではこの光ファイバの実効屈折率変化を光ファイバ長の変化とみなして計測する。
図9に、40mの光ファイバに温度変化が生じた際の実効的な光ファイバ長変化を示す。温度が4℃変化すると、実効的な光ファイバ変化長は約1mmとなる。つまり、実際の光ファイバ上では温度変化計測部が40251mmの実効的な光ファイバ位置に存在することになる。従って、上記の例と同様に温度変化を正確に計測することができなくなってしまう。
以上説明した通り、OFDR方式では、空間分解能が極めて高いために、構造物に発生するひずみや環境温度変化による微小な光路長変化を検知してしまい、結果としてこれが計測の空問分解能やひずみや温度変化の計測精度を低下させてしまう問題がある。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、高い空間分解能でひずみや温度変化が生じた光ファイバの位置を特定することができる光ファイバセンサおよびその計測方法と光ファイバセンサ装置の提供を目的とする。
本発明は、光ファイバのコアに形成したファイバブラッググレーティングをセンサとし、該センサからのブラッグ反射光と参照用の反射端からの反射光の干渉強度の周期的変化から、前記センサの位置を特定するとともに、前記センサからのブラッグ反射光の波長の変化量から検知部のひずみや温度変化を計測する光周波数領域反射測定(OFDR)方式の光ファイバセンサ装置に用いられる光ファイバセンサであって、ファイバブラッググレーティングからなるひずみや温度変化を計測するための複数のセンシング部と、これら複数のセンシング部の間に設けられ、ひずみや温度変化をセンシングした光ファイバ位置特定のための光学マーキング部を備え、前記光学マーキング部は、ファイバブラッググレーティングが配置されておらず、その長さは0.6mm以上、2mm以下であり、前記光ファイバセンサ装置は、前記光ファイバセンサを計測して前記光学マーキング部の光ファイバ位置を特定するとともに、前記光学マーキング部を基準の光ファイバ位置とし、該基準の光ファイバ位置からの光路長差からひずみや温度変化をセンシングした光ファイバ位置を特定する制御装置を備えている光ファイバセンサを提供する。
本発明は、光ファイバのコアに形成したファイバブラッググレーティングをセンサとし、該センサからのブラッグ反射光と参照用の反射端からの反射光の干渉強度の周期的変化から、前記センサの位置を特定するとともに、前記センサからのブラッグ反射光の波長の変化量から検知部のひずみや温度変化を計測する光周波数領域反射測定(OFDR)方式の光ファイバセンサ装置に用いられる光ファイバセンサであって、ファイバブラッググレーティングからなるひずみや温度変化を計測するための複数のセンシング部と、これら複数のセンシング部の間に設けられ、ひずみや温度変化をセンシングした光ファイバ位置特定のための光学マーキング部を備え、前記光学マーキング部は、前記センシング部のファイバブラッググレーティングとは異なる反射率のファイバブラッググレーティングからなり、その長さは0.6mm以上、2mm以下であり、前記光ファイバセンサ装置は、前記光ファイバセンサを計測して前記光学マーキング部の光ファイバ位置を特定するとともに、前記光学マーキング部を基準の光ファイバ位置とし、該基準の光ファイバ位置からの光路長差からひずみや温度変化をセンシングした光ファイバ位置を特定する制御装置を備えている光ファイバセンサを提供する。
本発明は、光ファイバのコアに形成したファイバブラッググレーティングをセンサとし、該センサからのブラッグ反射光と参照用の反射端からの反射光の干渉強度の周期的変化から、前記センサの位置を特定するとともに、前記センサからのブラッグ反射光の波長の変化量から検知部のひずみや温度変化を計測する光周波数領域反射測定(OFDR)方式の光ファイバセンサ装置に用いられる光ファイバセンサであって、ファイバブラッググレーティングからなるひずみや温度変化を計測するための複数のセンシング部と、これら複数のセンシング部の間に設けられ、ひずみや温度変化をセンシングした光ファイバ位置特定のための光学マーキング部を備え、前記光学マーキング部は、前記センシング部のファイバブラッググレーティングとはブラッグ波長の異なるファイバブラッググレーティングからなり、その長さは0.6mm以上、2mm以下であり、前記光ファイバセンサ装置は、前記光ファイバセンサを計測して前記光学マーキング部の光ファイバ位置を特定するとともに、前記光学マーキング部を基準の光ファイバ位置とし、該基準の光ファイバ位置からの光路長差からひずみや温度変化をセンシングした光ファイバ位置を特定する制御装置を備えている光ファイバセンサを提供する。
本発明の光ファイバセンサの計測方法は、光ファイバのコアに形成したファイバブラッググレーティングをセンサとし、該センサからのブラッグ反射光と参照用の反射端からの反射光の干渉強度の周期的変化から、前記センサの位置を特定するとともに、前記センサからのブラッグ反射光の波長の変化量から検知部のひずみや温度変化を計測する光周波数領域反射測定(OFDR)方式により請求項1〜3のいずれかに記載の光ファイバセンサを計測して前記光学マーキング部の光ファイバ位置を特定する。
本発明の光ファイバセンサの計測方法において、前記光学マーキング部を基準の光ファイバ位置とし、該基準の光ファイバ位置からの光路長差からひずみや温度変化をセンシングした光ファイバ位置を特定してもよい。
本発明は、前記光ファイバセンサと、参照用反射端を備えた参照用光ファイバと、波長可変光源と、受光器とが、光カプラを介し光接続されてなる光ファイバセンサ装置を提供する。
本発明の光ファイバセンサ装置は、前記波長可変光源から前記光ファイバセンサに測定光を入射させて得られる反射光と、前記参照用光ファイバから得られる反射光が受光器に入力され、これら反射光の干渉信号の周期的変化を利用して前記光ファイバセンサ及び該光ファイバセンサに設けた光学マーキング部の光ファイバ位置を特定する制御装置が付設されてなることが好ましい。
本発明の光ファイバセンサ装置は、前記制御装置に、前記光学マーキング部を基準の光ファイバ位置とし、該光ファイバ位置からの光路長差からひずみや温度変化をセンシングした光ファイバ位置を特定する機能が具備されてなることが好ましい。
本発明の光ファイバセンサ装置は、前記制御装置に、前記受光器から得られた干渉光をフーリエ変換解析することで、前記光ファイバセンサ長手方向の微小区間毎の反射波長と反射強度を示すスペクトログラムを得る機能を有することが好ましい。
本発明の光ファイバセンサにおいて、ひずみや温度変化をセンンングした光ファイバ位置を特定するための光学マーキング部をFBGからなる複数のセンシング部の間に設けることで、高い空間分解能でひずみや温度変化が生じた光ファイバ位置を特定することができる。
本発明の光ファイバセンサにおいて、光学マーキング部にFBGを配置しないことにより、光学マーキング部の光ファイバ位置が明瞭に認識可能で製造が容易な光ファイバセンサを提供することができる。
本発明の光ファイバセンサにおいて、光学マーキング部をセンシング部とは特性が異なるFBGで構成することにより、光学マーキング部の光ファイバ位置が明瞭に認識可能で、該部もセンシング部として活用可能な光ファイバセンサを提供することができる。
本発明の光ファイバセンサにおいて、光周波数領域反射測定(OFDR)方式により計測することで、上記効果を確実に得ることができる。
本発明の光ファイバセンサ装置において、ひずみや温度変化をセンンングした光ファイバ位置を特定するための光学マーキング部をFBGからなる複数のセンシング部の間に設けた光ファイバセンサを設け、波長可変光源から前記光ファイバセンサと参照用光ファイバに入射させて両方からの反射光を受光器で受けて干渉信号を得ることができ、この干渉信号の周期的変化を利用して高い空間分解能でひずみや温度変化が生じた光ファイバ位置を特定することができる。
また、前記干渉信号から光ファイバセンサ長手方向の微小区間毎の反射波長と反射強度を示すスペクトログラムを得る制御装置を備えることで、このスペクトログラムを基に、光学マーキング部を基準として高い空間分解能でひずみや温度変化が生じた光ファイバ位置を自動的に特定することができる。
図1は本発明に係る光ファイバセンサを備えた光ファイバセンサ装置の一例を示す構成図。 図2は実施例1の光ファイバセンサを示す構成図。 図3は実施例1の光ファイバセンサを備えた光ファイバセンサ装置の一例を示す構成図。 図4は実施例1の光ファイバセンサを用いて光ファイバセンサの計測方法を実施して得られたスペクトログラムの一例を示す図。 図5は実施例1の光ファイバセンサを用いて構造物に生じるひずみを計測する場合の一例を示す構成図。 図6は実施例2の光ファイバセンサを用いて光ファイバセンサの計測方法を実施して得られたスペクトログラムの一例を示す図。 図7は実施例3の光ファイバセンサを用いて光ファイバセンサの計測方法を実施して得られたスペクトログラムの一例を示す図。 図8はFBGをセンサとする光ファイバセンサを用いてOFDR方式で構造物に生じるひずみを計測する場合の説明図。 図9は40mの光ファイバに温度変化が生じた場合の実効的な光ファイバ長変化を示す図。
以下、本発明に係る光ファイバセンサの第1の実施形態について図面を参照して説明するが、本発明が以下に説明する実施形態に制限されるものではないことは勿論である。
図1は、本発明に係る光ファイバセンサの基本構造と、その基本構造の光ファイバセンサを計測器系に組み込んでなる光ファイバセンサ装置を示す構成図である。
図1において本実施形態の光ファイバセンサSは、ファイバブラッググレーティング(FBG)1をコアに備えた光ファイバからなるセンシング部2を複数、図1の実施形態においては2つ、光学マーキング部3を介し連続してなる構造とされている。
図1におけるセンシング部2として、例えば、グレーティング長が1〜100mm程度のFBGからなる構造を適用することができ、複数のセンシング部2の間に設けられた光学マーキング部3は、例えば、0.6mm〜2mm程度の長さに形成される。
FBG1は、光ファイバコアの長手方向の屈折率変化分布が一定間隔で変化するように構成したものであり、例えば高屈折率部と低屈折率部とを一定間隔で繰り返すコア構造としたものである。このFBG1は高い分解能でひずみ計測ができる(高い分解能でブラッグ波長のシフト量を計測できる)光学特性を有するものが望ましい。
前記光学マーキング部3とは、第1の例としてFBGを配置していない光ファイバからなるもの、第2の例としてセンシング部2を構成するFBG1とは反射率の異なるFBGからなるもの、第3の例としてセンシング部2を構成するFBG1とはブラッグ波長が異なるFBGからなるもの、第4の例として複数のブラッグ波長を有するFBGからなるものを例示することができる。要は、光学マーキング部3とは、センシング部2を構成するFBG1に対し、後述する光周波数領域反射測定(OFDR)方式により計測する場合に、センシング部2とは異なるスペクトログラムとして認識できる構造とする必要がある。
図1に示す基本構造の光ファイバセンサSを備えた光ファイバセンサ装置Kは、光ファイバ4と光ファイバセンサSに光接続された延長ファイバ5と、この延長ファイバ5を光ファイバ4を介して接続したファイバカプラ(光カプラ)6と、このファイバカプラ6に接続された参照用光ファイバ7と、チューナブルレーザ(波長可変光源)8と、フォトダイオード(光検出器)9と、これらをファイバカプラ6に接続するための光ファイバ10、11を具備してなる。また、前記参照用ファイバ7の終端部には反射端7aが形成されている。
本発明の光ファイバセンサSの計測方法に用いるOFDR方式の計測器においてチューナブルレーザ8は、チューナブルレーザ8から出射した測定光を光ファイバセンサで反射してフォトダイオード9に入射するまでの光路長よりも長いコヒーレンス長を有するものが望ましい。フォトダイオード9は、チューナブルレーザ8から出射する測定光の波長を変化させた際に2つの反射点から得られる光干渉の強度変調を検知できるカットオフ周波数を有するものが望ましい。
前記構造の光ファイバセンサSは、OFDR方式で計測することにより、計測器上においてセンシング部2と光学マーキング部3を認識し、光学マーキング部3の光ファイバ位置を特定することができる。
以下、図1を参照して本発明に係る光ファイバセンサの計測方法について説明する。
本発明に係る光ファイバセンサSの計測方法において、光ファイバセンサを構成するFBGからのブラッグ反射光と参照用ファイバ7の反射端7aからの参照光の干渉信号の周期的変化を利用して光ファイバセンサSおよび該センサに設けた光学マーキング部3の光ファイバ位置を特定することができる。
本発明に係る光ファイバセンサSの計測方法において、特定した光学マーキング部3を基準の光ファイバ位置とし、当該光ファイバ位置からの光路長差から、ひずみや温度変化をセンシングした光ファイバ位置を特定することが望ましい。
次に、前記実施形態に基づいて、本発明の光ファイバセンサの一例を以下の実施例1に詳述するが、以下の実施例1は単なる例示であり、本発明を限定するものではない。
「実施例1」
図2は、実施例1の光ファイバセンサを示す概略図である。実施例1の光ファイバセンサS1は、1本のシングルモードファイバ(以下、SMファイバと略称する。)20に備えたFBGからなる複数のセンシング部21と、これらセンシング部21の間に設けられてFBGを配置してない光ファイバからなる光学マーキング部22とからなる。この例の光ファイバセンサS1では、98mmのグレーティング長を有するFBGを1mmの光学マーキング部を隔てて5連配置し、その全長を494mmとしている。
図3は、実施例1の光ファイバセンサS1を用いて光ファイバセンサの計測方法を実施するためのOFDR方式の光ファイバセンサ装置の一例を示すもので、この例のセンサ装置30は、3つのファイバカプラ(光カプラ)31、32、33と、チューナブルレーザ(波長可変光源;Agilent製8164A)34と、2つのフォトダイオード(光検出器; New Focus 製2117FC)35、36と、3つの参照用反射端R1、R2、R3と、先の構成の光ファイバセンサS1とから概略構成され、これらは光ファイバ41、42、43、44、45、46、47、48、49、50によって連設されている。これらの光ファイバ41〜50は、測定光の波長に対してシングルモード伝搬が可能なものであれば、いかなるものでも構わなく、一般的なSMファイバもしくはPANDA(Polarization-maintaining AND Absorption-reducing)ファイバなどの偏波保持ファイバを用いることができる。本実施例では、光ファイバセンサと同種のSMファイバを使用した。
また、チューナブルレーザ34は、汎用インターフェイスバス(GPIB)を介して、システムコントローラ(制御装置:National Instruments製PXI-8106)53に接続され、これにより制御されている。更に、2つのフォトダイオード35、36からの信号は、A/Dコンバータ(National Instruments製PXI-6115)54に入力されてサンプリングされ、そのサンプリングデータはシステムコントローラ53にて解析されるようになっている。
本実施例のOFDR方式の計測器において、チューナブルレーザ34は、ある一定速度、ある一定波長範囲で掃引(単調増加もしくは単調減少)された測定光を出射する。本実施例では、10nm/sの速度で1545〜1555nmの波長範囲を掃引した測定光を出射した。
チューナブルレーザ34から出射された測定光はファイバカプラ31に入射し、該ファイバカプラ31にて光パワー分岐されて2つの光干渉計に入射する。
一方の光干渉計は、ファイバカプラ32、光ファイバ47とその反射端R1、光ファイバ48とその反射端R2および光ファイバ43、44とフォトダイオード35からなり、反射端R1と反射端R2のファィバ長差(光路長差)に応じたトリガを生成している。本実施例では、反射端R1と反射端R2のファイバ長差を100mとした。なお、このトリガは以下の方法で生成している。
チューナブルレーザ34からある一定速度、ある一定波長範囲で掃引された測定光を前記の光干渉計に入射すると、この測定光は反射端R1と反射端R2によって反射され、その干渉光がフォトダイオード35で計測される。フォトダイオード35で取得した電圧信号は、A/Dコンバータ54によりサンプリングされてデジタル信号に変換され、該デジタル信号がシステムコントローラ53に取り込まれて解析される。
チューナブルレーザ34から出射された測定光は一定速度で波長が変化しているので、フォトダイオード35で計測される電圧信号は、一定の光波数間隔で変動する正弦関数となる。従って、ある一定の電圧値をしきい値とし、システムコントローラ53上で該しきい値を超えるタイミング(しきい値以下の値からしきい値を上回るタイミング、もしくは、しきい値以上の値からしきい値を下回るタイミング)でトリガを生成することで、生成されたトリガは、ある一定の光波数間隔となる。
なお、このトリガ発生方法は、チューナブルレーザ34の掃引速度が一定でない場合でも、トリガが発生する光波数間隔は常に一定となる点で非常に効果的である。また、このトリガ発生方法でもチューナブルレーザ34の波長掃引の不安定性を取り除けない場合は、先の特許文献1に記載されているような波長補正用のFBGを用いても良い。(ただし、このFBGから温度補正は行わない。)
他方の光干渉計は、ファイバカプラ33、光ファイバ49とその反射端R3、光ファイバセンサS1および光ファイバ45、46とフォトダイオード36からなる。この光干渉計では、光ファイバセンサS1からのブラッグ反射光と反射端R3からの参照光との千渉光がフォトダイオード36に入射する。
以上の如く得られた干渉光は、システムコントローラ53にて約40ms間隔(チューナブルレーザ34を10nm/sの速度で掃引しているので、波長に換算すると約400pm問隔)に相当するウインドウ幅で短時間フーリエ変換(Short-time Fourier transform;以下、STFTと略記する。)解析することにより、スペクトログラムとして表すことができる。このスペクトログラムは、光ファイバセンサS1の長手方向の微小区問(この区間が空間分解能に相当する)毎の反射波長と反射強度を示す。
図3に示す構造の光ファイバセンサ装置を用いて光ファイバセンサを計測して得られたスペクトログラムの一例を図4に示す。
本スペクトログラムにおいて、横軸が波長(nm)、縦軸がファイバ位置(反射端R3を有する光ファィバS1の長さに相当する位置からの光ファィバ長差)、色調が反射強度を示す。なお、本スペクトログラムは、光ファイバセンサを後述する40mの光ファイバヘ連設して計測している。図4に示す如く、98mmのグレーティング長を有するFBGからなる5連のセンシング部21とこれらの間に設けたFBGを配置していない1mmの光学マーキング部22が明瞭に計測できている。この計測結果より、光ファイバセンサS1に備えた光学マーキング部22の計測器上における光ファイバ位置は、40098mm、40197mm、40296mm、40395mmであることが確認できた。
本発明に係る光ファイバセンサの計測方法では、光学マーキング部22を基準の光ファイバ位置とし、該光ファイバ位置からの光路長差から、ひずみや温度変化をセンシングした位置を特定することが望ましい。係る計測方法について、図5を用いて以下に説明する。
図5では、構造物58から40m離れた建築物55の屋内に本実施例のOFDR方式の計測器56(図3に示すチューナブルレーザ34とステムコントローラ53とA/Dコンバータ54および光ファイバセンサS1を除いた光学回路)を配置し、この計測器56に全長40000mm(40m)の光ファイバ57とその先に連設された本実施例の全長494mmの光ファイバセンサS1を接続している。この光ファイバセンサS1は、計測器側250mmを構造物58に埋め込み、次の1mmを温度変化計測部59として構造物58には埋め込まず、残りの243mmを再び構造物58に埋め込む構成とした。
次に、図5に示す通り、温度変化計測部59に最も近い光学マーキング部22の光ファイバ位置を0mmとし、各部を該光学マーキング部22からの相対光ファイバ位置として表示する補正を行った。表示補正の結果、温度変化計測部は、計測器上で−46mmの相対光ファィバ位置となった。
つまり、本実施例では、計測器上で−46mmの相対光ファイバ位置で予め温度変化を計測しておき、構造物58に埋め込んだ光ファイバセンサに生じるひずみと温度変化のうち、温度変化による影響を差し引いて構造物58に生じるひずみを計測する。
次に、この構造物58のひずみ計測において、構造物58が光ファイバ長手方向に対して一様に0.4%のひずみが生じたと仮定する。この時、構造物58に埋め込んだFBGは構造物58とともに0.4%伸びるが、基準となる光学マーキング部22から温度変化計測部までの実際の光ファイバ長は46mmでほぼ変わらない(正確には46.184mm)。つまり、構造物58にひずみが生じても計測器上の−46mmの相対光ファイバ位置で温度変化計測することで正確な温度変化計測を行うことができる。
また、この構造物58のひずみ計測において、環境温度が4℃上昇し、光ファイバの実効屈折率が変化したと仮定する(構造物58には、ファイバ長変化をもたらさない程度の微小なひずみが発生していると仮定する)。この時、光ファイバの実効屈折率が変化して実効的な光ファイバ長変化が生じるが、基準となる光学マーキング部22から温度変化計測部59までの実効的な光ファイバ長は46mmでほぼ変わらない。つまり、環境温度が変化しても計測器上の−46mmの相対光ファイバ位置で温度変化計測することで正確な温度変化計測を行うことができる。
以上説明した通り、本発明によれば光ファイバセンサS1に光学マーキング部22を設け、OFDR方式により該部を特定するとともに、該部を基準位置として該位置からの光路長差からひずみや温度変化をセンシングした光ファイバ位置を特定することで、高い空間分解能で光ファイバ位置を特定することができる。
なお、本実施例では、所望の計測位置(温度変化計測部42)から46mm離れたところに光学マーキング部を設けたが、光ファイバセンサS1の設計(光学マーキング部22の配置位置)や施工方法(光ファイバセンサの貼り付け位置)によりこれらを近付けることは容易である。これらを近付ければ近付けるほど、実際の光ファイバ位置と計測器上の光ファイバ位置は近くなる。また、複数のセンサ部は、すべて同じ光学マーキング部22を基準のファイバ位置として計測する必要はなく、各センサ部に最も近接する光学マーキング部を基準のファイバ位置として計測することで、より高い空間分解能でひずみや温度変化をセンシングした光ファイバ位置を特定することができる。
「他の実施例」
ところで、本発明に係る光学マーキング部22は、前記した通り、OFDR方式の計測方法でセンシング部21とは異なるスペクトログラムを得られる構造となっていればいかなる構造でも良く、例えば、センシング部21と反射率が異なるFBGからなる構造、センシング部21とはブラッグ波長が異なるFBGからなる構造、複数のブラッグ波長を有するFBGからなる構造のいずれかとすることができる。
反射率が異なるFBGを配置した例を実施例2として、複数のブラッグ波長を有するFBGを配置した例を実施例3として以下に説明する。なお、これらの実施例2、3は、それぞれの光学マーキング部の構成が光学マーキング部として活用できることを明瞭に示すためのものであり、本発明のセンシング部と光学マーキング部からなる光ファイバセンサそのものを示すものではない。
「実施例2」
低反射率部、中反射率部、高反射率部の3領域からなるFBGを作製した。このFBGから得られたスペクトログラムを図6に示す。
図6に示す如く、それぞれの反射率に応じてスペクトログラムの色調は明瞭に変化しており、光学マーキング部をセンシング部よりも高反射率、あるいは低反射率とすることで、光学マーキング部の認識が可能であることが示された。
「実施例3」
1つのブラッグ波長を有する部、2つのブラッグ波長を有する部、3つのブラッグ波長を有する部の3領域からなるFBGを作製した。このFBGから得られたスペクトログラムを図7に示す。
図7に示す如くそれぞれのブラッグ反射光が明瞭に観察できることより、光学マーキング部をセンシング部とはブラッグ波長の異なるFBGで構成する、あるいは、光学マーキング部を複数のブラッグ波長を有するFBGで構成することで、認識が可能であることが示された。
なお、先の実施例1で示したFBGを配置しない光ファイバからなる光学マーキング部には、製造が容易であるという利点があり、実施例2および実施例3で示したFBGを配置する光学マーキング部には、該マーキング部であってもひずみや温度変化のセンシングが可能であるという利点がある。
また、これらのマーキング部はOFDR測定器の空間分解能以上の長さよりも長ければ、いかなる長さでも構わないが、長くしすぎると、実施例1で示したFBGを配置しない光学マーキング部では、センシングできない領域が長くなってしまうという欠点があり、実施例2および実施例3で示したFBGを配置する光学マーキング部では、製造が困難となる欠点がある。現状のOFDR計測器の分解能が0.6〜1.6mmであることを考えると、光学マーキング部の長さは0.6〜2mm程度とするのが好ましい。
S、S1…光ファイバセンサ、1…ファイバブラッググレーティング(FBG)、2、21…センシング部、3、22…光学マーキング部、5、57…延長ファイバ、6、31、32、33…ファイバカプラ(光カプラ)、7…参照用ファイバ、7a…反射端、8、34…チューナブルレーザ(波長可変光源)、9、35、36…フォトダイオード(受光器)、10、11…光ファイバ、20…光ファイバ、K、30…光ファイバセンサ装置、35、36…フォトダイオード(受光器)、4、7、10、11、41〜50…光ファイバ、53…システムコントローラ(制御装置)、54…A/Dコンバータ、7a、R1、R2、R3…反射端。

Claims (9)

  1. 光ファイバのコアに形成したファイバブラッググレーティングをセンサとし、該センサからのブラッグ反射光と参照用の反射端からの反射光の干渉強度の周期的変化から、前記センサの位置を特定するとともに、前記センサからのブラッグ反射光の波長の変化量から検知部のひずみや温度変化を計測する光周波数領域反射測定(OFDR)方式の光ファイバセンサ装置に用いられる光ファイバセンサであって、
    ファイバブラッググレーティングからなるひずみや温度変化を計測するための複数のセンシング部と、これら複数のセンシング部の間に設けられ、ひずみや温度変化をセンシングした光ファイバ位置特定のための光学マーキング部を備え、
    前記光学マーキング部は、ファイバブラッググレーティングが配置されておらず、その長さは0.6mm以上、2mm以下であり、
    前記光ファイバセンサ装置は、前記光ファイバセンサを計測して前記光学マーキング部の光ファイバ位置を特定するとともに、前記光学マーキング部を基準の光ファイバ位置とし、該基準の光ファイバ位置からの光路長差からひずみや温度変化をセンシングした光ファイバ位置を特定する制御装置を備えていることを特徴とする光ファイバセンサ。
  2. 光ファイバのコアに形成したファイバブラッググレーティングをセンサとし、該センサからのブラッグ反射光と参照用の反射端からの反射光の干渉強度の周期的変化から、前記センサの位置を特定するとともに、前記センサからのブラッグ反射光の波長の変化量から検知部のひずみや温度変化を計測する光周波数領域反射測定(OFDR)方式の光ファイバセンサ装置に用いられる光ファイバセンサであって、
    ファイバブラッググレーティングからなるひずみや温度変化を計測するための複数のセンシング部と、これら複数のセンシング部の間に設けられ、ひずみや温度変化をセンシングした光ファイバ位置特定のための光学マーキング部を備え、
    前記光学マーキング部は、前記センシング部のファイバブラッググレーティングとは異なる反射率のファイバブラッググレーティングからなり、その長さは0.6mm以上、2mm以下であり、
    前記光ファイバセンサ装置は、前記光ファイバセンサを計測して前記光学マーキング部の光ファイバ位置を特定するとともに、前記光学マーキング部を基準の光ファイバ位置とし、該基準の光ファイバ位置からの光路長差からひずみや温度変化をセンシングした光ファイバ位置を特定する制御装置を備えていることを特徴とする光ファイバセンサ。
  3. 光ファイバのコアに形成したファイバブラッググレーティングをセンサとし、該センサからのブラッグ反射光と参照用の反射端からの反射光の干渉強度の周期的変化から、前記センサの位置を特定するとともに、前記センサからのブラッグ反射光の波長の変化量から検知部のひずみや温度変化を計測する光周波数領域反射測定(OFDR)方式の光ファイバセンサ装置に用いられる光ファイバセンサであって、
    ファイバブラッググレーティングからなるひずみや温度変化を計測するための複数のセンシング部と、これら複数のセンシング部の間に設けられ、ひずみや温度変化をセンシングした光ファイバ位置特定のための光学マーキング部を備え、
    前記光学マーキング部は、前記センシング部のファイバブラッググレーティングとはブラッグ波長の異なるファイバブラッググレーティングからなり、その長さは0.6mm以上、2mm以下であり、
    前記光ファイバセンサ装置は、前記光ファイバセンサを計測して前記光学マーキング部の光ファイバ位置を特定するとともに、前記光学マーキング部を基準の光ファイバ位置とし、該基準の光ファイバ位置からの光路長差からひずみや温度変化をセンシングした光ファイバ位置を特定する制御装置を備えていることを特徴とする光ファイバセンサ。
  4. 光ファイバのコアに形成したファイバブラッググレーティングをセンサとし、該センサからのブラッグ反射光と参照用の反射端からの反射光の干渉強度の周期的変化から、前記センサの位置を特定するとともに、前記センサからのブラッグ反射光の波長の変化量から検知部のひずみや温度変化を計測する光周波数領域反射測定(OFDR)方式により請求項1〜3のいずれかに記載の光ファイバセンサを計測して前記光学マーキング部の光ファイバ位置を特定することを特徴とする光ファイバセンサの計測方法。
  5. 前記光学マーキング部を基準の光ファイバ位置とし、該基準の光ファイバ位置からの光路長差からひずみや温度変化をセンシングした光ファイバ位置を特定することを特徴とする請求項4に記載の光ファイバセンサの計測方法。
  6. 請求項1〜3のいずれかに記載の光ファイバセンサと、参照用反射端を備えた参照用光ファイバと、波長可変光源と、受光器とが、光カプラを介し光接続されてなることを特徴とする光ファイバセンサ装置。
  7. 前記波長可変光源から前記光ファイバセンサに測定光を入射させて得られる反射光と、前記参照用光ファイバから得られる反射光が受光器に入力され、これら反射光の干渉信号の周期的変化を利用して前記光ファイバセンサ及び該光ファイバセンサに設けた光学マーキング部の光ファイバ位置を特定する制御装置が付設されてなることを特徴とする請求項6記載の光ファイバセンサ装置。
  8. 前記制御装置に、前記光学マーキング部を基準の光ファイバ位置とし、該光ファイバ位置からの光路長差からひずみや温度変化をセンシングした光ファイバ位置を特定する機能が具備されてなることを特徴とする請求項7に記載の光ファイバセンサ装置。
  9. 前記制御装置は、前記受光器から得られた干渉光をフーリエ変換解析することで、前記光ファイバセンサ長手方向の微小区間毎の反射波長と反射強度を示すスペクトログラムを得る機能を有することを特徴とする請求項8に記載の光ファイバセンサ装置。
JP2013031339A 2013-02-20 2013-02-20 光ファイバ位置特定のための光学マーキング部を備えた光ファイバセンサおよび光ファイバセンサの計測方法と光ファイバセンサ装置 Active JP5413931B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013031339A JP5413931B2 (ja) 2013-02-20 2013-02-20 光ファイバ位置特定のための光学マーキング部を備えた光ファイバセンサおよび光ファイバセンサの計測方法と光ファイバセンサ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013031339A JP5413931B2 (ja) 2013-02-20 2013-02-20 光ファイバ位置特定のための光学マーキング部を備えた光ファイバセンサおよび光ファイバセンサの計測方法と光ファイバセンサ装置

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008220170A Division JP5232982B2 (ja) 2008-08-28 2008-08-28 光ファイバ位置特定のための光学マーキング部を備えた光ファイバセンサおよび光ファイバセンサの計測方法と光ファイバセンサ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013127479A JP2013127479A (ja) 2013-06-27
JP5413931B2 true JP5413931B2 (ja) 2014-02-12

Family

ID=48778062

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013031339A Active JP5413931B2 (ja) 2013-02-20 2013-02-20 光ファイバ位置特定のための光学マーキング部を備えた光ファイバセンサおよび光ファイバセンサの計測方法と光ファイバセンサ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5413931B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105758328A (zh) * 2016-05-17 2016-07-13 安徽师范大学 一种纳应变量级的动态光纤应变传感装置及其传感方法
US10883860B2 (en) 2017-02-15 2021-01-05 Fujikura Ltd. Optical fiber sensor
US11391603B2 (en) 2018-07-17 2022-07-19 Fujikura Ltd. Multi-core optical fiber and method for manufacturing multi-core optical fiber

Families Citing this family (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104729418A (zh) * 2013-12-20 2015-06-24 中国计量学院 一种光纤光栅高温应变传感器的标定装置与方法
CN104776808A (zh) * 2014-01-10 2015-07-15 中国计量学院 一种高温压力管道外壁应变在线监测的光纤光栅传感器
CN104655590A (zh) * 2015-02-10 2015-05-27 天津大学 全光纤折射率和温度传感器及测量方法
JP5936738B1 (ja) * 2015-04-07 2016-06-22 株式会社カイジョー 計測システム及び計測方法
CN105115438B (zh) * 2015-08-16 2017-10-17 北京航空航天大学 一种光纤传感系统温度补偿方法
CN105203137A (zh) * 2015-09-07 2015-12-30 华中科技大学 光纤多域传感系统及解调方法
CN105333833B (zh) * 2015-10-27 2018-11-02 北京航空航天大学 温度无关的光纤光栅应变传感器
CN105352446B (zh) * 2015-11-30 2018-01-30 上海交通大学 亚纳应变级多点复用光纤光栅准静态应变传感系统
US10184425B2 (en) * 2016-01-28 2019-01-22 The Boeing Company Fiber optic sensing for variable area fan nozzles
CN105698871B (zh) * 2016-03-29 2018-08-21 天津大学 基于光频域反射的分布式应变温度同时测量装置及方法
CN105928468A (zh) * 2016-06-24 2016-09-07 深圳市畅格光电有限公司 一种光纤光栅应变传感器及其制作方法
KR102036991B1 (ko) * 2018-03-23 2019-11-26 한국광기술원 광섬유 분포 온도용 마킹 장치 및 이를 이용한 광섬유 분포 온도 시스템
CN116888436A (zh) * 2021-03-25 2023-10-13 日本电信电话株式会社 分析装置、测量系统、测量方法以及程序

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4102291B2 (ja) * 2003-11-17 2008-06-18 独立行政法人 宇宙航空研究開発機構 Ofdr方式の歪連続分布計測装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105758328A (zh) * 2016-05-17 2016-07-13 安徽师范大学 一种纳应变量级的动态光纤应变传感装置及其传感方法
CN105758328B (zh) * 2016-05-17 2018-04-06 安徽师范大学 一种纳应变量级的动态光纤应变传感装置
US10883860B2 (en) 2017-02-15 2021-01-05 Fujikura Ltd. Optical fiber sensor
US11391603B2 (en) 2018-07-17 2022-07-19 Fujikura Ltd. Multi-core optical fiber and method for manufacturing multi-core optical fiber

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013127479A (ja) 2013-06-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5413931B2 (ja) 光ファイバ位置特定のための光学マーキング部を備えた光ファイバセンサおよび光ファイバセンサの計測方法と光ファイバセンサ装置
JP5232982B2 (ja) 光ファイバ位置特定のための光学マーキング部を備えた光ファイバセンサおよび光ファイバセンサの計測方法と光ファイバセンサ装置
JP4474494B2 (ja) 光周波数領域反射測定方式の物理量計測装置及びこれを用いた温度と歪みの計測方法
JP6824784B2 (ja) 温度・歪センシング装置及び温度・歪センシング方法
JP4420982B2 (ja) 光周波数領域反射測定方式の物理量計測装置、および、これを用いた温度と歪みの同時計測方法
Zhang et al. A large capacity sensing network with identical weak fiber Bragg gratings multiplexing
US10151626B2 (en) Fibre optic distributed sensing
CN102052930B (zh) 光纤光栅分布式应变传感器及其应变监测方法
JP5150445B2 (ja) 光ファイバセンサ装置および温度とひずみの計測方法と光ファイバセンサ
US20160168980A1 (en) Dual-ended distributed temperature sensor with temperature sensor array
WO2007030427A2 (en) System and method for monitoring a well by means of an optical fiber
US11391645B2 (en) Birefringent multi-peak optical reference element and birefringent sensor system
CN103674079A (zh) 基于光纤布拉格光栅传感器测量系统的实时测量方法
JP4102291B2 (ja) Ofdr方式の歪連続分布計測装置
CN114111909A (zh) 一种基于衍射光栅的光纤布拉格光栅温度、应力双参数一体式传感及解调系统
BR112014000491B1 (pt) método e aparelho para obter sinal de sensor em cabo de fibra ótica em fundo de poço e rede ótica
KR101113778B1 (ko) 브래그 격자 및 패브리 패로 간섭을 이용한 광섬유 센서 탐촉자, 광섬유 센서 시스템 및 그 시스템의 센싱방법
CN202631153U (zh) 带有自动补偿功能的单端口分布式光纤温度传感器
KR20160005847A (ko) 변형률과 온도를 동시 측정하기 위한 광섬유 브래그 격자가 통합된 라만 광섬유 시간영역반사계 센서 및 그 센싱 방법
Murayama Structural health monitoring based on strain distributions measured by fiber-optic distributed sensors
Gong et al. Alternate dual pulses technique for fiber Bragg grating Ultra-multi-point strain measurement
Urakseev et al. Differential Fiber Optic Sensor Based on Bragg Gratings
Wang et al. A distributed sensing system based on low-reflective-index Bragg gratings
Rahmatinia Intrinsic Fibre Strain Sensor Interrogation Using Broadband Interferometry
Cheng et al. Spatially continuous fully distributed microwave-photonic and coaxial cable sensors for structural health monitoring

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130326

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131008

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131106

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5413931

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250