JP2012062986A - 駆動力伝達装置 - Google Patents

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勇治 都築
Hiroshi Takuno
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Abstract

【課題】第1の回転部材と第2の回転部材とを連結する場合において衝撃音の発生を抑制することができる駆動力伝達装置を提供する。
【解決手段】第2駆動力断続部4は、電磁クラッチ9による第1のサブクラッチ動作及び第2のサブクラッチ動作によって受けるハウジング12からの回転力を多板クラッチ8のメインクラッチ動作となる押圧力に変換するカム機構10と、アーマチャ復帰用スプリング28のばね力よりも小さいクラッチ力による第1のクラッチ動作に基づいて、またアーマチャ9bをアーマチャ復帰用スプリング28のばね力に抗して移動させるクラッチ力による第2のクラッチ動作に基づいてそれぞれカム機構10にハウジング12を連結する連結機構11とを備えた。
【選択図】図2

Description

本発明は、電磁クラッチのアーマチャを初期位置に復帰させるための復帰用スプリングを備えた駆動力伝達装置に関する。
従来の駆動力伝達装置として、1対の回転部材をクラッチによってトルク伝達可能に連結するようにしたものがある(特許文献1参照)。
この駆動力伝達装置は、入力軸と共に回転する第1の回転部材と、この第1の回転部材の回転軸線上で回転可能な第2の回転部材と、この第2の回転部材と第1の回転部材とをトルク伝達可能に連結する摩擦式の第1のクラッチと、この第1のクラッチに第1の回転部材及び第2の回転部材の回転軸線に沿って並列する電磁式の第2のクラッチと、この第2のクラッチのクラッチ動作によって第1の回転部材からの回転力を第1のクラッチ側への押圧力に変換するカム機構とから構成されている。
第1の回転部材は、一方に開口する有底円筒状のフロントハウジング、及びこのフロントハウジングの開口部に装着された円環状のリヤハウジングからなり、入力軸に連結されている。そして、第1の回転部材は、車両用のエンジンなど駆動源の駆動力を入力軸から受けて回転するように構成されている。
第2の回転部材は、第1の回転部材にその回転軸線に沿って相対回転可能に配置され、かつ出力軸に連結されている。
第1のクラッチは、インナクラッチプレート及びアウタクラッチプレートを有し、第1の回転部材と第2の回転部材との間に配置されている。そして、第1のクラッチは、メインクラッチとして機能し、インナクラッチプレートとアウタクラッチプレートとが摩擦係合して第1の回転部材と第2の回転部材とをトルク伝達可能に連結するように構成されている。
第2のクラッチは、電磁コイル及びアーマチャを有し、第1の回転部材及び第2の回転部材の回転軸線上に配置されている。そして、第2のクラッチは、電磁コイルに電磁力を発生させてアーマチャを電磁コイル側に移動させ、カム機構に第1の回転部材を連結するように構成されている。
カム機構は、第2のクラッチの駆動によって第1の回転部材から回転力を受けるパイロットカム(第2のクラッチのアーマチャ)、このアーマチャの回転力によるカム力を受けて第1のクラッチに押圧力を付与するメインカム、及びこのメインカムとアーマチャとの間に介在する複数のカムボールを有し、第1の回転部材と第2の回転部材との間に配置されている。
以上の構成により、エンジン側からの駆動力が入力軸を介して第1の回転部材に入力されると、第1の回転部材がその軸線回りに回転する。ここで、第2のクラッチの電磁コイルに通電すると、電磁コイルの電磁力によるアーマチャの移動によってカム機構に第1の回転部材が連結され、カム機構が作動する。
次に、カム機構が作動すると、第1の回転部材からの回転力がカム機構によって押圧力に変換され、この押圧力が第1のクラッチに付与される。
そして、第1のクラッチのインナクラッチプレートとアウタクラッチプレートとが相対的に接近して摩擦係合し、この摩擦係合によって第1の回転部材と第2の回転部材とがトルク伝達可能に連結される。これにより、エンジン側の駆動力が入力軸から駆動力伝達装置を介して出力軸に伝達される。
ところで、この種の駆動力伝達装置においては、電磁コイルの非通電時に残留磁気等によりカム機構が作動することを防止するために、アーマチャを電磁コイルから離間させる方向に付勢する復帰用スプリングを備えている。復帰用スプリングとしては、アーマチャに残留する磁気に基づく磁力よりも大きいばね力をもつ例えば皿ばねが用いられる。
特開2007−51672号公報
しかしながら、上記皿ばねを備えた従来の駆動力伝達装置によると、電磁コイルへの通電によって比較的大きい電磁力(アーマチャを吸引する吸引力が例えば100Nm以上程度となる電磁力)に応じた第2のクラッチにおける単一のクラッチ動作(サブクラッチ動作)に基づいて第1の回転部材が第2の回転部材に連結される。この結果、第1のクラッチにおける単一のクラッチ動作(メインクラッチ動作)によって所定の駆動トルクが第1の回転部材から第2の回転部材に伝達され、第1のクラッチと第1の回転部材及び第2の回転部材とにおけるスプライン歯同士の衝突や伝達トルクの急激な変化によって周囲に不快感を与える衝撃が発生するという問題があった。
従って、本発明の目的は、第1の回転部材と第2の回転部材とを連結する場合において衝撃の発生を抑制することができる駆動力伝達装置を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために、(1)〜(4)の駆動力伝達装置を提供する。
(1)駆動源の駆動トルクによって回転する第1の回転部材と、前記第1の回転部材にその回転軸線に沿って相対回転可能に配置された第2の回転部材と、前記第2の回転部材と前記第1の回転部材とをメインクラッチ動作によってトルク伝達可能に連結するメインクラッチと、前記メインクラッチに前記回転軸線に沿って並列し、電磁力を発生させる電磁コイル、及び前記電磁コイルから離間する方向のばね力が復帰用スプリングによって付与されたアーマチャを有するサブクラッチと、前記サブクラッチによる第1のサブクラッチ動作及び第2のサブクラッチ動作によってそれぞれ受ける前記第1の回転部材からの回転力を前記メインクラッチ動作となる押圧力に変換するカム機構と、前記復帰用スプリングのばね力よりも小さいクラッチ力による前記第1のクラッチ動作に基づいて、また前記アーマチャを前記復帰用スプリングのばね力に抗して移動させるクラッチ力による前記第2のクラッチ動作に基づいてそれぞれ前記カム機構に前記第1の回転部材を連結する連結機構とを備えた駆動力伝達装置。
(2)上記(1)に記載の駆動力伝達装置において、前記連結機構は、前記第1の回転部材にスプライン嵌合するアウタクラッチプレート、及び前記第2の回転部材にスプライン嵌合するインナクラッチプレートを有し、前記アウタクラッチプレートと前記インナクラッチプレートとが前記第1のサブクラッチ動作及び前記第2のサブクラッチ動作の各動作によって互いに摩擦係合するコントロールクラッチからなる。
(3)上記(2)に記載の駆動力伝達装置において、前記連結機構は、前記第1の回転部材のスプライン嵌合部における複数のスプライン歯のうち互いに隣り合う2つのスプライン歯間に形成された欠歯による空間部に前記復帰用スプリングが挿通して配置されている。
(4)上記(2)に記載の駆動力伝達装置において、前記連結機構は、前記アーマチャの前記電磁コイル側に配置され、前記アウタクラッチプレート及び前記インナクラッチプレートのうち前記アーマチャに最も近いクラッチプレートが前記復帰用スプリングによって形成されている。
本発明によると、第1の回転部材と第2の回転部材とを連結する場合において衝撃の発生を抑制することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る駆動力伝達装置が搭載された車両の概略を説明するために示す平面図。 本発明の第1の実施の形態に係る駆動力伝達装置を説明するために示す断面図。 図2のA部分を拡大して示す断面図。 本発明の第1の実施の形態に係る駆動力伝達装置における復帰用スプリングの配置状態を示す正面図。 (a)及び(b)は、本発明の第1の実施の形態に係る駆動力伝達装置における復帰用スプリングの動作状態を示す。(a)は第1のサブクラッチ動作状態を、また(b)は第2のサブクラッチ動作状態をそれぞれ示す。 (a)及び(b)は、本発明の第2の実施の形態に係る駆動力伝達装置における復帰用スプリングの動作状態を示す。(a)は第1のサブクラッチ動作状態を、また(b)は第2のサブクラッチ動作状態をそれぞれ示す。
[第1の実施の形態]
以下、本発明の第1の実施の形態に係る駆動力伝達装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は四輪駆動車の概略を示す。図1に示すように、四輪駆動車101は、駆動力伝達系1,エンジン102,トランスミッション103,主駆動輪としての1対の前輪104及び補助駆動輪としての1対の後輪105a,105bを備えている。
駆動力伝達系1は、四輪駆動車101におけるトラスミッション103側から後輪側に至る駆動力伝達経路にフロントディファレンシャル106及びリヤディファレンシャル107と共に配置され、かつ四輪駆動車101の車体(図示せず)に搭載されている。
そして、駆動力伝達系1は、プロペラシャフト2,第1駆動力断続部3及び第2駆動力断続部4を有し、四輪駆動車101の四輪駆動状態を二輪駆動状態に、また二輪駆動状態を四輪駆動状態にそれぞれ切り替え可能に構成されている。駆動力伝達系1の詳細については後述する。
フロントディファレンシャル106は、前輪側アクスルシャフト108に連結された1対のサイドギヤ109、1対のサイドギヤ109にギヤ軸を直交させて噛合する1対のピニオンギヤ110、及び1対のピニオンギヤ110,1対のサイドギヤ109を収容するフロントデフケース111を有し、トランスミッション103と第1駆動力断続部3との間に配置されている。
リヤディファレンシャル107は、後輪側アクスルシャフト112a,112bに連結された1対のサイドギヤ113(一方のサイドギヤ113は第2駆動力断続部4を介して)、1対のサイドギヤ113にギヤ軸を直交させて噛合する1対のピニオンギヤ114、1対のピニオンギヤ114を支持するギヤ支持部材115、及びピニオンギヤ支持部材115,1対のピニオンギヤ114,1対のサイドギヤ113を収容するリヤデフケース116を有し、プロペラシャフト2と第2駆動力断続部4との間に配置されている。
エンジン102は、トランスミッション103及びフロントディファレンシャル106を介して駆動力を1対の前輪側アクスルシャフト108に出力することにより1対の前輪104を駆動する。
エンジン102は、トランスミッション103,第1駆動力断続部3,プロペラシャフト2,リヤディファレンシャル107及び第2駆動力断続部4を介して駆動力を一方の後輪側アクスルシャフト112aに出力することにより一方の後輪105aを、またトランスミッション103,第1駆動力断続部3,プロペラシャフト2及びリヤディファレンシャル107を介して駆動力を他方の後輪側アクスルシャフト112bに出力することにより他方の後輪105bをそれぞれ駆動する。
〔駆動力伝達系1の全体構成〕
駆動力伝達系1は、プロペラシャフト2,第1駆動力断続部3及び第2駆動力断続部4に制御部としての車両用のECU(Electronic Control Unit)5を加えて大略構成されている。第2駆動力断続部4は駆動力伝達装置の一例である。
(プロペラシャフト2の構成)
プロペラシャフト2は、第1駆動力断続部3と第2駆動力断続部4との間に配置されている。そして、プロペラシャフト2は、エンジン102の駆動力をフロントデフケース111から受けて前輪104側から後輪105a,105b側に伝達するように構成されている。
プロペラシャフト2の前輪側端部には、互いに噛合するドライブピニオン6a及びリングギヤ6bからなる前輪側の歯車機構6が配置されている。プロペラシャフト2の後輪側端部には、互いに噛合するドライブピニオン7a及びリングギヤ7bからなる歯車機構7が配置されている。
(第1駆動力断続部3の構成)
第1駆動力断続部3は、例えばドグクラッチからなり、四輪駆動車101の前輪104側に配置され、かつアクチュエータ(図示せず)を介してECU5に接続されている。そして、第1駆動力断続部3は、プロペラシャフト2とフロントデフケース106とを断続可能に連結するように構成されている。
(第2駆動力断続部4の構成)
第2駆動力断続部4は、例えばメインクラッチとしての多板クラッチ8,サブクラッチとしての電磁クラッチ9(図2に示す),カム機構10(図2に示す)及び連結機構11(図2に示す)を有し、四輪駆動車101の後輪105a側に配置され、かつディファレンシャルキャリア(図示せず)内に収容されている。
そして、第2駆動力断続部4は、プロペラシャフト2と後輪側アクスルシャフト112a,112bのうち少なくとも一方の後輪側アクスルシャフト112aとを断続可能に連結するように構成されている。
すなわち、第2駆動力断続部4による連結時には、一方の後輪側アクスルシャフト112aとプロペラシャフト2とが歯車機構7,リヤディファレンシャル107及びサイドギヤシャフト14を介して、また他方の後輪側アクスルシャフト112bとプロペラシャフト2とが歯車機構7及びリヤディファレンシャル107を介してトルク伝達可能に連結される。一方、第2駆動力断続部4による連結の解除時には、一方の後輪側アクスルシャフト112aとプロペラシャフト2との連結が遮断されるが、他方の後輪側アクスルシャフト112bとプロペラシャフト2とが歯車機構7及びリヤディファレンシャル107を介してトルク伝達可能に連結されたままである。
(多板クラッチ8の構成)
図2は駆動力伝達装置の要部を示す。図2に示すように、多板クラッチ8は、複数のインナクラッチプレート8a及び複数のアウタクラッチプレート8bを有する摩擦式のメインクラッチからなり、第1の回転部材としてのハウジング12と第2の回転部材としてのインナシャフト13との間に配置されている。
そして、多板クラッチ8は、第1のメインクラッチ動作及び第2のメインクラッチ動作の各動作によってインナクラッチプレート8a及びアウタクラッチプレート8bのうち互いに隣り合う内外のクラッチプレート同士を摩擦係合させ、またその摩擦係合を解除してハウジング12とインナシャフト13とを断続(トルク伝達)可能に連結するように構成されている。
インナクラッチプレート8a及びアウタクラッチプレート8bは、回転軸線Oに沿って交互に配置され、全体が環状の摩擦板によって形成されている。
インナクラッチプレート8aは、その内周部にストレートスプライン嵌合部80aを有し、ストレートスプライン嵌合部80aを円筒部13a(インナシャフト3)のストレートスプライン嵌合部130aに嵌合させてインナシャフト13に相対回転不能かつ相対移動可能に連結されている。
インナクラッチプレート8aには、その円周方向に沿って並列し、かつ回転軸線O方向に開口する複数の油孔81aが設けられている。複数のインナクラッチプレート8aのうち電磁クラッチ側最端部のインナクラッチプレートは、多板クラッチ8の入力部として機能し、カム機構10のメインカム10a(後述)からアウタクラッチプレート8b側に押圧力P,P(P<P)を受けると、この押圧方向への移動によって他のインナクラッチプレート8aとアウタクラッチプレート8bとを摩擦係合させるように構成されている。
アウタクラッチプレート8bは、その外周部にストレートスプライン嵌合部80bを有し、ストレートスプライン嵌合部80bをフロントハウジング18(ハウジング12)のストレートスプライン嵌合部18b(後述)に嵌合させてハウジング12に相対回転不能かつ相対移動可能に連結されている。
ハウジング12は、フロントハウジング18及びリヤハウジング19からなり、サイドギヤシャフト14に連結され、かつディファレンシャルキャリアに一方の後輪側アクスルシャフト112a(図1に示す)の軸線(回転軸線O)回りに回転可能に支持されている。
フロントハウジング18は、リヤハウジング側に開口する収容空間18a、及びこの収容空間18aに露出するストレートスプライン嵌合部18bを有し、エンジン102(図1に示す)にトランスミッション103(図1に示す)及びプロペラシャフト2(図1に示す)等を介して連結され、かつディファレンシャルキャリア内に軸受(図示せず)を介して支持され、全体が有底円筒部材によって形成されている。
そして、フロントハウジング18は、エンジン102の駆動力をプロペラシャフト2から受けてリヤハウジング19と共に回転軸線Oの回りに回転するように構成されている。
リヤハウジング19は、第1〜第3のハウジングエレメント20〜22からなり、フロントハウジング18の開口内周面に螺着され、かつディファレンシャルキャリア内のコイルホルダ23に軸受24を介して回転可能に支持されている。
リヤハウジング19には、フロントハウジング18の収容空間18aの開口方向と同一の方向に開口する円環状の収容空間19aが設けられている。
第1のハウジングエレメント20は、リヤハウジング19の内周側に配置され、全体が軟鉄等の磁性材料からなる円筒部材によって形成されている。
第2のハウジングエレメント21は、リヤハウジング19の外周側に配置され、全体が第1のハウジングエレメント20と同様に軟鉄等の磁性材料からなる円筒部材によって形成されている。第2のハウジングエレメント21には、電磁クラッチ9のアーマチャ9b(後述)に対向する段差面21aが設けられている。
第3のハウジングエレメント22は、第1のハウジングエレメント20と第2のハウジングエレメンと21との間に介在して配置され、全体がステンレス鋼等の非磁性材料からなるハウジングエレメント連結用の円環部材によって形成されている。
インナシャフト13は、各外径が互いに異なる大小2つの円筒部13a,13b、及びこれら両円筒部13a,13b間に介在する段差面13cを有し、ハウジング12の回転軸線O上に配置され、かつハウジング12内に軸受25等を介して相対回転可能に支持され、全体が円筒部材によって形成されている。
そして、インナシャフト13は、そのリヤハウジング側開口部内に後輪側アクスルシャフト112a(図1に示す)の先端部を挿入させて収容するように構成されている。後輪側アクスルシャフト112aは、インナシャフト13にリヤハウジング側開口部内にスプライン嵌合によってで相対回転不能かつ相対移動可能に連結されている。
大径の円筒部13aの外周面には、フロントハウジング18の収容空間18aに露出するストレートスプライン嵌合部130aが設けられている。
小径の円筒部13bの内周面には、後輪側アクスルシャフト112aにスプライン嵌合するストレートスプライン嵌合部130bが設けられている。
段差面13cは、インナシャフト13の外部において両円筒部13a,13b間に介在して配置され、全体がメインカム16a(後述)におけるスプリング収容孔102aの底面を指向する略扁平な面で形成されている。
(電磁クラッチ9の構成)
電磁クラッチ9は、電磁コイル9a及びアーマチャ9bを有し、多板クラッチ8に回転軸線O上で並列して配置されている。
そして、電磁クラッチ9は、ハウジング12の回転時に電磁力Fの発生による第1のサブクラッチ動作によって連結機構11を、また電磁力F(F<F)の発生による第2のクラッチ動作によってアーマチャ9b及び連結機構11をそれぞれ吸引するように構成されている。
電磁コイル9aは、リヤハウジング19の収容空間19aに収容した状態でECU5に接続され、かつディファレンシャルキャリア内にコイルホルダ23を介して取り付けられている。
そして、電磁コイル9aは、通電によってリヤハウジング19及び連結機構11(インナクラッチプレート11a及びアウタクラッチプレート11b)等に跨って磁気回路を形成し、連結機構11にリヤハウジング19側への移動力を付与するための電磁力Fを発生させるように構成されている。この通電時には、例えば比較的弱い電流A(図示せず)が電磁コイル9aに供給される。
また、電磁コイル9aは、通電によってリヤハウジング19,連結機構11及びアーマチャ9b等に跨って磁気回路を形成し、アーマチャ9bにリヤハウジング19側への移動力を付与するための電磁力Fを発生するように構成されている。この通電時には、電流Aよりも強い電流B(図示せず:A<B)が電磁コイル9aに供給される。
アーマチャ9bは、パイロットカム10b(後述)と連結機構11との間に介在して配置され、かつフロントハウジング18の収容空間18aに収容され、全体が鉄等の磁性材料からなる環状板によって形成されている。また、アーマチャ9bは、多板クラッチ8への移動が止め輪29によって規制されている。
そして、アーマチャ9bは、電磁コイル9aの電磁力Fを受け、リヤハウジング19側にハウジング12の回転軸線Oに沿って移動するように構成されている。
(カム機構10の構成)
カム機構10は、ハウジング12からの回転力を受けて回転するメインカム10a、このメインカム10aにハウジング12の回転軸線Oに沿って並列するパイロットカム10b、及びこのパイロットカム10bとメインカム10aとの間に介在する複数のカムボール10cを有し、多板クラッチ8とリヤハウジング19との間に配置され、かつフロントハウジング18の収容空間18aに収容されている。
そして、カム機構10は、電磁クラッチ9による第1のサブクラッチ動作によって受けるハウジング2からの回転力を多板クラッチ8の第1のメインクラッチ動作となる押圧力Pに変換し、多板クラッチ8のインナクラッチプレート8aとアウタクラッチプレート8bとを互いに摩擦係合させるように構成されている。
また、カム機構10は、電磁クラッチ9による第2のサブクラッチ動作によって受けるハウジング2からの回転力を多板クラッチ8の第2のメインクラッチ動作となる押圧力P(P<P)に変換し、多板クラッチ8のインナクラッチプレート8aとアウタクラッチプレート8bとを互いに摩擦係合させるように構成されている。
メインカム10aは、パイロットカム10bの回転によって発生するカム力をカムボール10cから受けて多板クラッチ8の入力側のインナクラッチプレート8aを押圧するクラッチプレート押圧部100aを有し、インナシャフト13(大径の円筒部13a)に相対回転不能かつ相対移動可能に連結され、全体がインナシャフト13を挿通させる円筒部材によって形成されている。
そして、メインカム10aは、電磁コイル9aの通電状態においてカム機構10によるカム作用によって多板クラッチ8側に移動するように構成されている。また、メインカム10aは、電磁クラッチ9側への移動が止め輪26によって規制されている。
メインカム10aには、フロントハウジング18の収容空間18aに露出するストレートスプライン嵌合部101a、及びメインカム復帰用スプリング27を収容するスプリング収容孔102aが設けられている。メインカム復帰用スプリング27は、スプリング収容孔102aの底面とインナシャフト13の段差面13cとの間に介在して配置されている。
また、メインカム10aには、円周方向に並列し、かつカムボール10c側に開口する複数のカム溝103aが設けられている。複数のカム溝103aは、メインカム10aの円周方向に等間隔をもって配置されている。
パイロットカム10bは、メインカム10aにカムボール10cを介して対向する回転力伝達部100bを有し、インナシャフト13(小径の円筒部13b)の外周囲に回転可能に配置され、全体がインナシャフト13を挿通させる円筒部材によって形成されている。
そして、パイロットカム10bは、ハウジング12の回転力を連結機構11から受けて回転するように構成されている。
パイロットカム10bには、フロントハウジング18の収容空間18aに露出するストレートスプライン嵌合部101bが設けられている。
また、パイロットカム10bには、円周方向に並列し、かつカムボール10c側に開口する複数のカム溝102bが設けられている。複数のカム溝102bは、パイロットカム10bの円周方向に等間隔をもって配置されている。
複数のカムボール10cは、それぞれがメインカム10aのカム溝101a(溝底)とパイロットカム10bのカム溝102b(溝底)との間に介在して配置され、全体が球状部材によって形成されている。
(連結機構11の構成)
図3は連結機構を示す。図3に示すように、連結機構11は、複数(実施の形態では2枚)のインナクラッチプレート11a及び複数(実施の形態では3枚)のアウタクラッチプレート11bを有する摩擦式のコントロールクラッチからなり、リヤハウジング19とアーマチャ9bとの間に介在して配置され、かつフロントハウジング18の収容空間18aに収容されている。
そして、連結機構11は、電磁クラッチ9の駆動による第1のサブクラッチ動作によってハウジング12とパイロットカム10bとを連結するように構成されている。第1のサブクラッチ動作は、アーマチャ復帰用スプリング28のばね力よりも小さいクラッチ力によって行われる。
また、連結機構11は、電磁クラッチ9の駆動による第2のサブクラッチ動作によってアーマチャ復帰用スプリング28のばね力に抗して移動するアーマチャ9bと共にハウジング12とパイロットカム10bとを連結するように構成されている。第2のサブクラッチ動作は、アーマチャ復帰用スプリング28のばね力よりも大きいクラッチ力によって行われる。アーマチャ復帰用スプリング28の詳細については後述する。
インナクラッチプレート11a及びアウタクラッチプレート11bは、回転軸線Oに沿って交互に配置され、全体が鉄等の磁性材料からなる環状の摩擦板によって形成されている。
インナクラッチプレート11aは、その内周部にストレートスプライン嵌合部110aを有し、ストレートスプライン嵌合部110aをパイロットカム10bのストレートスプライン嵌合部101bに嵌合させてパイロットカム10bに相対回転不能かつ相対移動可能に連結されている。
アウタクラッチプレート11bは、その外周部にストレートスプライン嵌合部110bを有し、ストレートスプライン嵌合部110bをフロントハウジング18のストレートスプライン嵌合部18bに嵌合させてハウジング12に相対回転不能かつ相対移動可能に連結されている。
アウタクラッチプレート11bには、その円周方向に沿って並列し、かつ回転軸線O方向に開口する複数の油孔111bが設けられている。
(ECU5の構成)
ECU5は、四輪駆動車101(図1に示す)の車体に搭載され、かつ第1駆動力断続部3(図1に示す)のアクチュエータ及び第2駆動力断続部4(図1に示す)の電磁クラッチ9に接続されている。ECU5には、フロントデフケース111(図1に示す)の回転数を検出する回転センサ15(図1に示す)、及びプロペラシャフト2(図1に示す)の回転数を検出する回転センサ16(図1に示す)が接続されている。
そして、ECU5は、四輪駆動車101の二輪駆動状態から四輪駆動状態への切替時に回転センサ15からの出力信号S3及び回転センサ16からの出力信号S4を入力し、第2駆動力断続部4による連結を第1駆動力断続部3による連結よりも先行させて実行する制御信号S1,S2をそれぞれ第1駆動力断続部3のアクチュエータと第2駆動力断続部4の電磁クラッチ9とに出力するように構成されている。制御信号S2には、電磁力Fを発生させる制御信号S20、及び電磁力Fを発生させる制御信号S21が含まれる。ハウジング12とインナシャフト13との連結時には、ECU5から電磁クラッチ9に対して信号S20が、引き続き信号S21がそれぞれ出力される。
この場合、第2駆動力断続部4による連結が実行されると、後輪側アクスルシャフト112a,112bの回転トルクがプロペラシャフト2に伝達され、プロペラシャフト2が回転する。次に、回転センサ15によってフロントデフケース111の回転数が、また回転センサ16によってプロペラシャフト2の回転数がそれぞれ検出され、これら回転数の差が「閾値以下である」とECU5で確認されると、第1駆動力断続部3による連結が実行される。
これにより、プロペラシャフト2をその回転によってフロントデフケース111に回転数差が小さい状態で連結することとなり、四輪駆動車101の走行中において二輪駆動状態から四輪駆動状態への切り替えが円滑に行われる。
また、ECU5は、四輪駆動車101の四輪駆動状態から二輪駆動状態への切替時に回転センサ15からの出力信号S3及び回転センサ16からの出力信号S4を入力し、第2駆動力断続部4による連結の解除を第1駆動力断続部3による連結の解除よりも先行させて実行する制御信号S5,S6をそれぞれ第1駆動力断続部3のアクチュエータと第2駆動力断続部4の電磁クラッチ9とに出力するように構成されている。
この場合、第2駆動力断続部4による連結の解除が実行されると、プロペラシャフト2に対する後輪側アクスルシャフト112a,112bの回転トルクの伝達が遮断された後、第1駆動力断続部3による連結の解除が実行される。
これにより、四輪駆動車101の四輪駆動状態から二輪駆動状態への切り替え時にプロペラシャフト2とフロントデフケース111との連結を捩れによる負荷が作用しない状態で遮断することとなり、四輪駆動車101の走行中において四輪駆動状態から二輪駆動状態への切り替えが円滑に行われる。
次に、アーマチャ復帰用スプリングにつき、図4及び図5(a),(b)を用いて説明する。図4はアーマチャ復帰用スプリングの配置状態を示す。図5(a)及び(b)はアーマチャ復帰用スプリングの動作状態を示す、図4に示すように、アーマチャ復帰用スプリング28は、アーマチャ9b(図3に示す)の電磁クラッチ側端面とハウジングエレメント21(図3に示す)の段差面21a(図3に示す)との間に介在し、かつフロントハウジング18のストレートスプライン嵌合部18bにおける複数のスプライン歯180bのうち互いに隣り合う2つのスプライン歯間に形成された欠歯による複数(実施の形態では4個)の空間部Gにそれぞれ挿通し、連結機構11におけるアウタクラッチプレート11bの外周囲に円周方向に等間隔をもって配置されている。アーマチャ復帰用スプリング28としては、アーマチャ9bを電磁コイル9a(図3に示す)から離間させる方向のばね力をもつ圧縮コイルばねが用いられる。
そして、アーマチャ復帰用スプリング28は、電磁コイル9aから所定の間隔をもって離間して止め輪29(図3に示す)に当接する初期位置にアーマチャ10bを復帰させるように構成されている。アーマチャ復帰用スプリング28のばね力は、第1のサブクラッチ動作による連結機構11の電磁コイル9a側への吸引力よりも大きく、かつ第2のサブクラッチ動作によるアーマチャ9bの電磁コイル9a側への吸引力よりも小さいばね力に設定されている。これにより、第1のサブクラッチ動作時(電磁コイル9aへの電流Aの供給時には、図5(a)に示すように、アーマチャ復帰用スプリング28を伸張させてアーマチャ9bが止め輪29に、また連結機構11がリヤハウジング19にそれぞれ当接する。また、第2のサブクラッチ動作時(電磁コイル9aへの電流Bの供給時)には、図5(b)に示すように、アーマチャ9bの電磁コイル9a側の移動によってアーマチャ復帰用スプリング28を圧縮させ、アーマチャ9bが連結機構11を介してリヤハウジング19に当接する。
(駆動力伝達装置1の動作)
次に、本実施の形態に示す駆動力伝達装置の動作につき、図1及び図2を用いて説明する。
図1において、四輪駆動車101の二輪駆動時にエンジン102を始動すると、エンジン102の回転駆動力がトランスミッション103を介してフロントディファレンシャル106に伝達され、さらにフロントディファレンシャル106から1対の前輪側アクスルシャフト108を介して1対の前輪104に伝達され、1対の前輪104が回転駆動される。
この場合、図2において、電磁クラッチ9の電磁コイル9aが非通電状態にあるため、電磁コイル9aを基点とした磁気回路が形成されず、アーマチャ9bが電磁コイル9a側に移動してハウジング12に連結されることがない。
このため、カム機構10において多板クラッチ8のクラッチ力となる押圧力が発生せず、多板クラッチ8のインナクラッチプレート8aとアウタクラッチプレート8bとが互いに摩擦係合せず、エンジン102の回転駆動力はハウジング12からインナシャフト13に伝達されない。
このような二輪駆動状態にある四輪駆動車101を四輪駆動状態に切り替えるには、第2駆動力断続部4によってプロペラシャフト2と1対の後輪側アクスルシャフト112a,112bとをトルク伝達可能に連結し、引き続き第1駆動力断続部3によってフロントデフケース111とプロペラシャフト2とをトルク伝達可能に連結する。
この場合、ECU5では、二輪駆動状態から四輪駆動状態への切り替えによって第2駆動力断続部4の電磁クラッチ9に制御信号S2を出力する。
ここで、図2に示すように、ECU5から制御信号S2(信号S20)を受けて電磁コイル9aが通電されると、電磁コイル9aを基点とした磁気回路が連結機構11及びリヤハウジング19に跨って形成され、連結機構11(インナクラッチプレート11a及びアウタクラッチプレート11b)が電磁コイル9aへの通電(電磁コイル9aに供給される電流A)に基づいて発生する電磁力F(吸引力)によってリヤハウジング19に接近する方向に移動する。
このため、インナクラッチプレート11a及びアウタクラッチプレート11bのうち互いに隣り合う2つのクラッチプレート同士が互いに摩擦係合し、この摩擦係合(第1のサブクラッチ動作)によってハウジング12とインナシャフト13とがカム機構10及び連結機構11を介して連結される。
一方、二輪駆動状態では、後輪105aの回転駆動力が後輪側アクスルシャフト112aを介してインナシャフト13(図2に示す)に、さらにはインナシャフト13からカム機構10のメインカム10aにそれぞれ伝達される。
このため、メインカム10aが回転駆動され、この回転駆動力がカム機構10において発生するカム作用によって多板クラッチ8の第1のメインクラッチ動作となる押圧力Pに変換され、この押圧力Pによって多板クラッチ8における内外のクラッチプレート同士を摩擦係合させる方向にメインカム10aが移動する。
これにより、多板クラッチ8における内外のクラッチプレート同士が摩擦係合し、この摩擦係合(第1のメインクラッチ動作)によって後輪112aの回転駆動力がインナシャフト13からハウジング12に伝達される。
次に、ECU5から制御信号S2(信号S21)を受けて電磁コイル9aが通電されると、電磁コイル9aを基点とした磁気回路がアーマチャ9b,連結機構11及びリヤハウジング19に跨って形成され、アーマチャ9bが電磁コイル9aへの通電(電磁コイル9aに供給される電流B)に基づいて発生する電磁力F(吸引力)によってリヤハウジング19に接近する方向にアーマチャ復帰用スプリング28に抗して移動する。
このため、アーマチャ9bによる連結機構11のリヤハウジング19への圧接によってアーマチャ9bとリヤハウジング19とが連結機構11を介して互いに摩擦係合し、この摩擦係合(第2のサブクラッチ動作)によってハウジング12とパイロットカム10bとがアーマチャ9b及び連結機構11を介して連結される。
一方、メインカム10aが回転駆動されているため、この回転力がカム機構10において発生するカム作用によって多板クラッチ8の第2のメインクラッチ動作となる押圧力Pに変換され、この押圧力Pによって多板クラッチ8における内外のクラッチプレート同士を摩擦係合させる方向にメインカム10aが移動する。
これにより、多板クラッチ8における内外のクラッチプレート同士が摩擦係合し、この摩擦係合(第2のメインクラッチ動作)によって後輪112aの回転駆動力がインナシャフト13からハウジング12に伝達される。すなわち、第2駆動断続部4による連結が実行される。
第2駆動力断続部4による連結が実行されると、後輪側アクスルシャフト112a,112bの回転トルクがプロペラシャフト2に伝達され、プロペラシャフト2が回転する。次に、回転センサ15によってフロントデフケース111の回転数が、また回転センサ16によってプロペラシャフト2の回転数がそれぞれ検出され、これら回転数の差が「閾値以下である」とECU5で確認されると、第1駆動力断続部3による連結が実行される。
これにより、プロペラシャフト2をその回転によってフロントデフケース111に回転数差が小さい状態で連結することとなり、四輪駆動車101の走行中において二輪駆動状態から四輪駆動状態への切り替えが円滑に行われる。
従って、本実施の形態においては、インナシャフト13からハウジング12への駆動力の伝達が第1のメインクラッチ動作及び第2のメインクラッチ動作を経て行われるため、所定の駆動トルクが段階的にインナシャフト13からハウジング12に伝達される。
一方、四輪駆動状態にある四輪駆動車101を二輪駆動状態に切り替えるには、第2駆動力断続部4によって一方の後輪側アクスルシャフト112aとプロペラシャフト2との連結を解除し、引き続きプロペラシャフト2とフロントデフケース111との連結を解除する。この際、ECU5から第2駆動力断続部4の電磁クラッチ9に制御信号S6が、また第1駆動力断続部3のアクチュエータに制御信号S5がそれぞれ出力される。
このため、エンジン102の回転駆動力がトランスミッション103,フロントデフケース111,第1駆動力断続部3及び歯車機構7を介してプロペラシャフト2に伝達されることがない。
[第1の実施の形態の効果]
以上説明した第1の実施の形態によれば、次に示す効果が得られる。
所定の駆動トルクが段階的にハウジング12からインナシャフト13に伝達されるため、ハウジング12とインナシャフト13とを連結する場合において周囲に不快感を与える衝撃の発生を抑制することができる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2実施の形態に係る駆動力伝達装置につき、図6(a)及び(b)を用いて説明する。図6(a)及び(b)は駆動力伝達装置の連結機構を示す。図6(a)及び(b)において、図5と同一又は同等の部材については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図6(a)及び(b)に示すように、本発明の第2の実施の形態に係る駆動力伝達装置としての第2駆動力断続部201の連結機構202は、第1の実施の形態に示すアーマチャ復帰用スプリング28に代わって、電磁コイル9aから離間する方向のばね力をアーマチャ9bに付与するアウタクラッチプレート11b´を備えた点に特徴がある。
このため、アウタクラッチプレート11b´は、弾性変形可能な断面弓形状のクラッチプレートからなり、インナクラッチプレート11a及びアウタクラッチプレート11bと比べてアーマチャ9bに最も近い位置に配置されている。そして、アウタクラッチプレート11b´は、図6(a)に示すように電磁コイル9aの通電時(第1のサブクラッチ動作時)に断面弓形状の復帰用スプリングとして、また図6(b)に示すように電磁コイル9aの通電時(第2のサブクラッチ動作時)に弾性変形して円板状の摩擦プレートとしてそれぞれ機能するように構成されている。
これにより、第1のサブクラッチ動作時には連結機構202(アウタクラッチプレート11b´を除く)が、また第2のクラッチ動作時にはアーマチャ9bが連結機構202を介してそれぞれリヤハウジング19に当接する。
なお、本実施の形態においては、アウタクラッチプレート11b´をアーマチャ復帰用スプリングとして機能させる場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、インナクラッチプレートをアーマチャ復帰用スプリングとして機能させてもよい。この場合、アーマチャ復帰用スプリングとして用いるインナクラッチプレートは、弾性変形可能な断面弓形状のクラッチプレートからなり、アーマチャ復帰用スプリングとして用いないインナクラッチプレート及びアウタクラッチプレートと比べてアーマチャに最も近い位置に配置されている。
[第2の実施の形態の効果]
以上説明した第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態の効果に加えて次に示す効果が得られる。
アウタクラッチプレート11b´がアーマチャ復帰用スプリングを兼用することとなり、部品点数を削減してコストの低廉化を図ることができる。
以上、本発明の駆動力伝達装置を上記の実施の形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能であり、例えば次に示すような変形も可能である。
(1)上記実施の形態では、ハウジング2が入力軸側に、またインナシャフト3が出力軸側にそれぞれ連結されている場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、ハウジングを出力軸側に、またインナシャフトを入力軸側にそれぞれ連結しても本実施の形態と同様の効果を奏する。
(2)上記実施の形態では、連結機構11のインナクラッチプレート11aが2枚であり、アウタクラッチプレート11bが3枚である場合について、またアーマチャ復帰用スプリング28が4個である場合(第1の実施の形態)についてそれぞれ説明したが、本発明における連続機構の各クラッチプレートの枚数及びアーマチャ復帰用スプリングの個数は特に限定されるものでないことは勿論である。
1…駆動力伝達系、2…プロペラシャフト、3…第1駆動力断続部、4…第2駆動力断続部、5…ECU、6…歯車機構、6a…ドライブピニオン、6b…リングギヤ、7…歯車機構、7a…ドライブピニオン、7b…リングギヤ、8…多板クラッチ、8a…インナクラッチプレート、80a…ストレートスプライン嵌合部、81a…油孔、8b…アウタクラッチプレート、80b…ストレートスプライン嵌合部、9…電磁クラッチ、9a…電磁コイル、9b…アーマチャ、10…カム機構、10a…メインカム、100a…クラッチプレート押圧部、101a…ストレートスプライン嵌合部、102a…スプリング収容孔、103a…カム溝、10b…パイロットカム、100b…回転力伝達部、101b…ストレートスプライン嵌合部、10c…カムボール、11…連結機構、11a…インナクラッチプレート、110a…ストレートスプライン嵌合部、111a…油孔、11b,11b´…アウタクラッチプレート、110b…ストレートスプライン嵌合部、111b…油孔、12…ハウジング、13…インナシャフト、13a…大径の円筒部、13b…小径の円筒部、130b…ストレートスプライン嵌合部、13c…段差面、14…サイドギヤシャフト、15,16…回転センサ、18…フロントハウジング、19…リヤハウジング、20…第1のハウジングエレメント、21…第2のハウジングエレメント、21a…段差面、22…第3のハウジングエレメント、23…コイルホルダ、24,25…軸受、26…止め輪、27…メインカム復帰用スプリング、28…アーマチャ復帰用スプリング、29…止め輪、101…四輪駆動車、102…エンジン、103…トランスミッション、104…前輪、105a,105b…後輪、106…フロントディファレンシャル、107…リヤディファレンシャル、108…前輪側アクスルシャフト、109…サイドギヤ、110…ピニオンギヤ、111…フロントデフケース、112a,112b…後輪側アクスルシャフト、113…サイドギヤ、114…ピニオンギヤ、115…ピニオンギヤ支持部材、116…リヤデフケース、201…第2駆動力断続部、202…連結機構、F,F…電磁力、O…回転軸線、S1〜S6,S20,S21…制御信号

Claims (4)

  1. 駆動源の駆動トルクによって回転する第1の回転部材と、
    前記第1の回転部材にその回転軸線に沿って相対回転可能に配置された第2の回転部材と、
    前記第2の回転部材と前記第1の回転部材とをメインクラッチ動作によってトルク伝達可能に連結するメインクラッチと、
    前記メインクラッチに前記回転軸線に沿って並列し、電磁力を発生させる電磁コイル、及び前記電磁コイルから離間する方向のばね力が復帰用スプリングによって付与されたアーマチャを有するサブクラッチと、
    前記サブクラッチによる第1のサブクラッチ動作及び第2のサブクラッチ動作によってそれぞれ受ける前記第1の回転部材からの回転力を前記メインクラッチ動作となる押圧力に変換するカム機構と、
    前記復帰用スプリングのばね力よりも小さいクラッチ力による前記第1のクラッチ動作に基づいて、また前記アーマチャを前記復帰用スプリングのばね力に抗して移動させるクラッチ力による前記第2のクラッチ動作に基づいてそれぞれ前記カム機構に前記第1の回転部材を連結する連結機構と
    を備えた駆動力伝達装置。
  2. 前記連結機構は、前記第1の回転部材にスプライン嵌合するアウタクラッチプレート、及び前記第2の回転部材にスプライン嵌合するインナクラッチプレートを有し、前記アウタクラッチプレートと前記インナクラッチプレートとが前記第1のサブクラッチ動作及び前記第2のサブクラッチ動作の各動作によって互いに摩擦係合するコントロールクラッチからなる請求項1に記載の駆動力伝達装置。
  3. 前記連結機構は、前記第1の回転部材のスプライン嵌合部における複数のスプライン歯のうち互いに隣り合う2つのスプライン歯間に形成された欠歯による空間部に前記復帰用スプリングが挿通して配置されている請求項2に記載の駆動力伝達装置。
  4. 前記連結機構は、前記アーマチャの前記電磁コイル側に配置され、前記アウタクラッチプレート及び前記インナクラッチプレートのうち前記アーマチャに最も近いクラッチプレートが前記復帰用スプリングによって形成されている請求項2に記載の駆動力伝達装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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