JP2012062384A - タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】高度な耐熱老化性及び耐候性が得られるタイヤ用ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】ゴム成分と、ユビキノール及び/又はユビキノンとを含むタイヤ用ゴム組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、タイヤ用ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤに関する。
タイヤは走行中に発生する熱や空気中のオゾン、酸素、紫外線などによって劣化することが知られており、近年、工業化などの影響によりオゾン量や紫外線量は増加傾向にある。そのため、耐熱老化性や耐候性を一層改善してゴムの劣化を抑制し、タイヤを長寿命化することが要求され、抜本的に改善する技術開発が望まれている。
従来からタイヤなどに用いられるゴム材料に老化防止剤やワックスなどを配合して耐熱老化特性や耐候性を高めている。しかし、通常はゴム材料として一種類のポリマーのみ使用されることは少なく、要求性能に応じて適宜二種類以上のポリマーがブレンドされることが一般的であるが、その場合、老化防止剤は相溶性の高いポリマー側に偏在しやすく、相溶性が相対的に低いポリマーが劣化し易くなるという問題がある。
耐候性などの性能向上に関し、特許文献1では、アミン系老化防止剤とチオウレア系老化防止剤を併用し、耐オゾン性、外観性(耐変色性)を向上したゴム組成物が開示されている。しかし、高度な耐熱老化性や耐候性を満足させるものではなく、未だ改善の余地がある。
特開平7−62156号公報
本発明は、上記課題を解決し、高度な耐熱老化性及び耐候性が得られるタイヤ用ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、ゴム成分と、下記式(I)で表される化合物1及び/又は下記式(II)で表される化合物2とを含むタイヤ用ゴム組成物に関する。
Figure 2012062384
(式(I)、(II)中、nは1〜13の整数である。)
上記化合物1及び化合物2の合計含有量は、上記ゴム成分100質量部に対して0.1〜30質量部であることが好ましい。
上記ゴム成分がイソプレン系ゴムを含む2種以上のゴムからなることが好ましい。この場合、上記ゴム組成物は、上記化合物1及び/又は化合物2と上記イソプレン系ゴムとを含むマスターバッチを調製した後、該マスターバッチと他のゴム成分とを混合することにより得られるものが好ましい。
上記タイヤ用ゴム組成物は、ビタミンEを含むことが好ましい。
上記ビタミンEの含有量が上記ゴム成分100質量部に対して0.1〜30質量部であることが好ましい。
上記タイヤ用ゴム組成物は、ビタミンCを含むことが好ましい。
上記ビタミンCの含有量が上記ゴム成分100質量部に対して0.1〜30質量部であることが好ましい。
本発明はまた、上記ゴム組成物を用いて作製したタイヤ部材を有する空気入りタイヤに関する。
本発明によれば、ゴム成分に上記式(I)で表される化合物1及び/又は上記式(II)で表される化合物2を配合したタイヤ用ゴム組成物であるので、耐熱老化性、耐候性を高めることができる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、ゴム成分と、下記式(I)で表される化合物1及び/又は下記式(II)で表される化合物2とを含む。
Figure 2012062384
(式(I)、(II)中、nは1〜13の整数である。)
つまり、ユビキノールやユビキノンが配合され、これにより、耐熱老化性や耐候性を向上できる。なかでも、イソプレン系ゴムの耐熱老化性、耐候性を向上できるという点から、式(I)で表されるユビキノールを配合することが好ましい。また、同様の理由から、上記nは1〜13が好ましく、6〜13がより好ましく、12が更に好ましい。
式(II)で表されるユビキノンとしては、従来公知の方法、例えば、発酵法、合成法、動植物からの抽出法によって得られるものを利用できる。式(I)で表されるユビキノールの調製方法としては、クロマトグラフィーにより流出液を濃縮する方法などを採用でき、必要に応じて水素化ほう素ナトリウムなどの還元剤を添加し、常法により還元型とした後にクロマトグラフィーによる濃縮を行って調製してもよい。
上記化合物1の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは1質量部以上、更に好ましくは3質量部以上である。0.1質量部未満であると、耐熱老化性、耐候性が悪化する傾向がある。該含有量は、好ましくは30質量部以下、より好ましくは10質量部以下、更に好ましくは6質量部以下である。30質量部を超えると、引っ張り物性の低下や加硫阻害が起こる傾向がある。
また、上記化合物1及び化合物2の合計含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上であり、より好ましくは1質量部以上、更に好ましくは3質量部以上である。該合計含有量は、好ましくは30質量部以下であり、より好ましくは10質量部以下、更に好ましくは6質量部以下である。下限未満の場合、上限を超える場合には前述と同様の傾向がある。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、ビタミンEを含むことが好ましい。化合物1、2とビタミンEの併用により、耐熱老化性、耐候性の相乗的な改善効果が得られる。ビタミンEは高い抗酸化作用を有し、タイヤ用ゴム材料に配合しても同様の効果が得られるが、アミン系老化防止剤などに比べて効果が劣る傾向がある。これは、ビタミンEは一度酸化されると還元されて、抗酸化機能が持続しないためと推測される。本発明では、併用される化合物により酸化されたビタミンEが還元されて元のビタミンEに戻るというような酸化還元の反応サイクルが形成され、抗酸化機能が持続するため、前述の改善効果を奏すると推測される。
ビタミンEとしては、4種(α、β、γ、δ)のトコフェロール、4種(α、β、γ、δ)のトコトリエノール、これらの酢酸エステル、ニコチン酸エステル、リン酸エステルなどの誘導体などが挙げられ、前述の改善効果が良好に得られるという点から、該トコフェロールが好ましく、α−トコフェロールがより好ましい。
ビタミンEの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは1質量部以上である。該含有量は、好ましくは30質量部以下、より好ましくは10質量部以下である。上記範囲内とすることにより、前述の効果が良好に得られる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、ビタミンEとともに、更にビタミンCを含むことが好ましい。これにより、耐熱老化性、耐候性を飛躍的に改善できる。これは、ビタミンCを用いた場合にもビタミンEが還元され、抗酸化機能が持続するためと推測される。
ビタミンCとしては、アスコルビン酸;アスコルビン酸のナトリウム、カリウム、カルシウムの塩、脂肪酸のエステルなどのアスコルビン酸の誘導体などが挙げられる。なかでも、アスコルビン酸が好ましく、L−アスコルビン酸がより好ましい。
ビタミンCの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは1質量部以上である。該含有量は、好ましくは30質量部以下、より好ましくは10質量部以下である。上記範囲内とすることにより、前述の効果が良好に得られる。
本発明で使用できるゴム成分としては特に限定されず、天然ゴム(NR)、エポキシ化天然ゴム(ENR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム、ポリクロロプレン(CR)等のジエン系ゴム、エチレン−プロピレン共重合体ゴム(EPM、EPDM)、炭素数が4〜7のイソモノオレフィンとパラアルキルスチレンとの共重合体をハロゲン化したもの等の非ジエン系ゴムを使用することができる。
なかでも、NR、ENR、IRなどのイソプレン骨格を有するイソプレン系ゴム、BRを好適に使用できる。また、イソプレン系ゴムを配合する場合は耐熱老化性、耐候性の顕著な改善効果を得ることができる。これは、イソプレン系ゴム、化合物1及び2はポリイソプレン構造に起因して相溶性が高く、化合物1、2を該ゴム中に良好に分散できるためと推測される。特に、イソプレン系ゴムとBRなどの他のゴム成分をブレンドした配合に化合物1、2を配合した場合に顕著な改善効果が得られるが、これはイソプレン系ゴムと6PPDは相溶性が相対的に低く劣化され易いのに対し、化合物1、2により高い相溶性が得られるためであると推察される。
本発明のゴム組成物がイソプレン系ゴムを含有する場合、ゴム成分100質量%中のイソプレン系ゴムの含有量は、100質量%であってもよいが、好ましくは10質量%以上、より好ましくは30質量%以上である。10質量%未満であると、本発明の効果が充分に得られない場合がある。
本発明のタイヤ用ゴム組成物がBRを含有する場合、ゴム成分100質量%中のBRの含有量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上である。10質量%未満であると、耐屈曲亀裂性が低下する傾向がある。該含有量は、好ましくは70質量%以下、より好ましくは50質量%以下である。70質量%を超えると、強度が低下する傾向がある。
なお、上記ゴム成分には、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン(SEPS)などをブレンドすることもできる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物はカーボンブラックを含有することが好ましい。これにより、良好な耐候性、補強効果が得られる。
カーボンブラックのチッ素吸着比表面積(NSA)は50m/g以上が好ましく、100m/g以上がより好ましい。NSAが50m/g未満では、充分な補強性が得られない傾向がある。また、カーボンブラックのNSAは200m/g以下が好ましく、130m/g以下がより好ましい。NSAが200m/gを超えると、加工性が低下する傾向がある。
なお、カーボンブラックのチッ素吸着比表面積は、JIS K6217のA法によって求められる。
カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは20質量部以上である。5質量部未満では、耐候性が悪化する傾向がある。該カーボンブラックの含有量は、好ましくは80質量部以下、より好ましくは50質量部以下である。80質量部を超えると、加工性及び破壊物性が低下する傾向がある。
カーボンブラックの他に、シリカ、炭酸カルシウム、タルクなどの無機充填剤を配合することもできる。なかでも、低燃費性、ウェットグリップ性を向上できるという理由から、シリカが好ましい。
シリカのBET法によるチッ素吸着比表面積(NSA)は、80m/g以上が好ましく、130m/g以上がより好ましい。80m/g未満では、ゴム強度、耐候性が低下する傾向がある。また、シリカのBETは220m/g以下が好ましく、200m/g以下がより好ましい。220m/gを超えると、加工性が悪化する傾向にある。
なお、シリカのBET法によるチッ素吸着比表面積は、ASTM D3037−81に準拠した方法により測定することができる。
シリカの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは20質量部以上である。5質量部未満では、低燃費性、ウェットグリップ性を向上できない傾向がある。該シリカの含有量は、好ましくは100質量部以下、より好ましくは50質量部以下である。100質量部を超えると、加工性が悪化する傾向がある。
本発明では、シリカとともに、シランカップリング剤を使用することが好ましい。シランカップリング剤としては、例えば、スルフィド系、メルカプト系、ビニル系、アミノ系、グリシドキシ系、ニトロ系、クロロ系シランカップリング剤などが挙げられる。なかでも、カップリング剤添加効果とコストの両立という点から、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィドなどのスルフィド系、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシランなどのメルカプト系が好ましく、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドが特に好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
シランカップリング剤を含有する場合、シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して2質量部以上が好ましく、5質量部以上がより好ましい。該含有量は、20質量部以下が好ましく、10質量部以下がより好ましい。上記範囲内にすることにより、加工性、低燃費性、及びウェットグリップ性をバランスよく改善できる。
本発明のゴム組成物には、前記成分以外にも、ゴム組成物の製造に一般に使用される配合剤、例えば、酸化亜鉛、ステアリン酸、各種老化防止剤、オイル、加硫剤、加硫促進剤などを適宜配合することができる。
本発明のゴム組成物は、上記化合物1及び/又は2とともにアミン系老化防止剤を使用することが好ましい。これにより、耐熱老化性、耐候性を一層改善でき、特にアミン系老化防止剤との相溶性が高いゴムをブレンドする場合に顕著な性能向上が得られる。アミン系老化防止剤としては、例えば、ジフェニルアミン系(p−(p−トルエンスルホニルアミド)−ジフェニルアミン、オクチル化ジフェニルアミンなど)、p−フェニレンジアミン系(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン(6PPD)、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン(IPPD)、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミンなど)などのアミン誘導体が挙げられる。なかでも、6PPDが好ましい。
アミン系老化防止剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1.5質量部以上である。0.5質量部未満であると、耐熱老化性、耐候性を向上できないおそれがある。また、該含有量は、好ましくは6質量部以下、より好ましくは4質量部以下である。6質量部を超えると、ブルームが発生するおそれがある。
本発明のゴム組成物は、上記化合物1及び/又は2とともにワックスを含有することが好ましい。これにより、耐候性を改善できる。
ワックスとしては、パラフィン系ワックスなどの石油系ワックス、カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、ジャパンワックス、ウルシロウ、サトウキビロウ、パームロウなどの植物性ワックスなどがあげられる。
ワックスの含有量は、耐老化性の点から、ゴム成分100質量部に対して0.5〜10質量部が好ましい。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、一般的な方法で製造できる。すなわち、バンバリーミキサーやニーダー、オープンロールなどの混練機で前記各成分を混練りし、その後加硫する方法等により製造できる。特に、予め上記化合物1及び/又は化合物2、イソプレン系ゴムを混合してマスターバッチを調製した後、該マスターバッチと他の配合材料(好ましくはイソプレン系ゴム以外の他のゴム成分)とを混合することによりゴム組成物を製造することが好ましい。
具体的には、上記化合物1及び/又は化合物2と、イソプレン系ゴムとを混練りしてマスターバッチを調製する工程A、工程Aで得られたマスターバッチと、硫黄及び加硫促進剤以外で他に使用される配合材料(他のゴム成分、ビタミンE、ビタミンC、カーボンブラック、シリカ、シランカップリング剤、老化防止剤、ワックス、オイル、ステアリン酸、酸化亜鉛など)とを混練りする工程B、並びに工程Bで得られた混練物、硫黄及び加硫促進剤を混練りし、加硫する工程Cを行うことで本発明のゴム組成物を調製できる。これにより、耐熱老化性、耐候性を顕著に改善できる。これは、化合物1、2がイソプレン系ゴム中に良好に分散されるためであると推察される。
本発明のゴム組成物は、外部に配置される部材(特に、サイドウォール、トレッド)に好適に用いられる。
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法によって製造される。すなわち、必要に応じて各種添加剤を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でタイヤのサイドウォールなどの形状に合わせて押し出し加工し、タイヤ成型機上にて通常の方法にて成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧してタイヤを製造できる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下、実施例及び比較例で用いた各種薬品について説明する。
NR:テックビーハング社製のRSS#3
BR:宇部興産(株)製のBR130B
ISAF:キャボットジャパン(株)製のショウブラックN220(NSA:111m/g)
シリカ:デグッサ社製のULTRASIL VN3(NSA:175m/g)
シランカップリング剤:デグッサ社製のSi69(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニルーp−フェニレンジアミン)
化合物1:(株)カネカ製の還元型コエンザイムQ10
ビタミンE:和光純薬工業(株)製のα−トコフェロール
ビタミンC:和光純薬工業(株)製のアスコルビン酸
ワックス:大内新興化学工業(株)製のサンノック
アロマオイル:(株)ジャパンエナジー製のプロセスX−140
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸
亜鉛華:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
硫黄:鶴見化学(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
<実施例1〜3、5〜7及び比較例1〜4>
表1に示す配合内容に従い、バンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の材料を150℃の条件下で3分間混練りし、混練り物を得た(ベース練り)。次に、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加し、2軸オープンロールを用いて、80℃の条件下で5分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た(仕上げ練り)。得られた未加硫ゴム組成物を170℃で20分間プレス加硫し、加硫ゴム組成物を得た。
また、得られた未加硫ゴム組成物をサイドウォール形状に成形し、他のタイヤ部材と貼り合わせ、170℃で20分間プレス加硫することで試験用タイヤを製造した。
<実施例4>
(マスターバッチの調製)
表1に示す配合内容に従い、バンバリーミキサーを用いて、天然ゴム及び化合物1を150℃の条件下で3分間混練りし、混練り物(マスターバッチ)を得た。得られたマスターバッチと他の材料を、実施例1と同様にベース練り、仕上げ練り、加硫を実施して加硫ゴム組成物を得た。また、同様に試験用タイヤも製造した。
得られた加硫ゴム組成物及び試験用タイヤを用いて、以下の評価を行った。その結果を表1に示す。
(耐熱老化性)
ゴム試験片(加硫ゴム組成物)を80℃のオーブンに200時間入れ熱老化を行った。熱老化後の試験片について、JIS K6251「加硫ゴムおよび熱可塑性ゴム−引張特性の求め方」に準じて、3号ダンベルを用いて引張試験を実施し、最大伸び(EB)及び破断点応力(TB)を測定し、破壊エネルギー(TB×EB/2)を算出した。比較例1を100とし、指数表示した。指数が大きいほど耐熱老化性に優れていることを示す。
(耐熱老化性指数)=[各配合の(TB×EB)/2]/[比較例1の(TB×EB/2)]×100
(耐候性)
試験用タイヤを、アルミ製リムに組み合わせて内圧を20kscに設定した。このタイヤを雨水がかからないように屋外暴露した。所定期間暴露後、サイドウォールクラックを目視で観察し、クラックの度合いを5段階で評価した。数値が小さいほどクラック度合いが大きいことを示す。(但し、5点はクラックなし)
Figure 2012062384
表1に示すように、実施例のゴム組成物は耐熱老化性および耐候性に優れ、特に化合物1と老化防止剤を併用した実施例2〜3及びマスターバッチを予め調製した実施例4では、耐熱老化性が顕著に改善された。化合物1とビタミンEを併用した実施例6、7でも、耐熱老化性が顕著に改善された。また、実施例3〜4、7では1年経過後の耐候性の改善もみられた。

Claims (9)

  1. ゴム成分と、下記式(I)で表される化合物1及び/又は下記式(II)で表される化合物2とを含むタイヤ用ゴム組成物。
    Figure 2012062384
    (式(I)、(II)中、nは1〜13の整数である。)
  2. 前記化合物1及び化合物2の合計含有量が前記ゴム成分100質量部に対して0.1〜30質量部である請求項1記載のタイヤ用ゴム組成物。
  3. ゴム成分がイソプレン系ゴムを含む2種以上のゴムからなる請求項1又は2記載のタイヤ用ゴム組成物。
  4. 前記化合物1及び/又は化合物2と前記イソプレン系ゴムとを含むマスターバッチを調製した後、該マスターバッチと他のゴム成分とを混合することにより得られる請求項3記載のタイヤ用ゴム組成物。
  5. ビタミンEを含む請求項1〜3のいずれか記載のタイヤ用ゴム組成物。
  6. 前記ビタミンEの含有量が前記ゴム成分100質量部に対して0.1〜30質量部である請求項5記載のタイヤ用ゴム組成物。
  7. ビタミンCを含む請求項5又は6記載のタイヤ用ゴム組成物。
  8. 前記ビタミンCの含有量が前記ゴム成分100質量部に対して0.1〜30質量部である請求項7記載のタイヤ用ゴム組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載のゴム組成物を用いて作製したタイヤ部材を有する空気入りタイヤ。
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