JP2012061703A - 電気機械変換素子及びその製造方法、並びに液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置 - Google Patents

電気機械変換素子及びその製造方法、並びに液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置 Download PDF

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【課題】安定したインク吐出特性を得ることが可能な電気機械変換素子及びその製造方法、並びに、液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置を提供すること。
【解決手段】本電気機械変換素子の製造方法は、導電性酸化物からなる第1の電極を形成する第1工程と、前記第1の電極上に金属からなる第2の電極を形成し、前記第2の電極をパターニングする第2工程と、前記第2の電極のみを表面改質させて撥水化する第3工程と、前記第2の電極が形成されていない前記第1の電極上にインクジェット法により電気機械変換膜を形成する第4工程と、前記電気機械変換膜上に導電性酸化物からなる第3の電極を形成する第5工程と、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電気機械変換素子及びその製造方法、並びに前記電気機械変換素子を備えた液滴吐出ヘッド、及び前記液滴吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置に関する。
プリンタ、ファクシミリ、複写装置等の画像記録装置或いは画像形成装置として使用されるインクジェット記録装置及び液体吐出ヘッドに関して、インク滴を吐出するノズルと、このノズルが連通する加圧室(インク流路、加圧液室、圧力室、吐出室、液室等とも称される)と、加圧室内のインクを加圧する圧電素子等の電気機械変換素子、或いはヒータ等の電気熱変換素子、若しくはインク流路の壁面を形成する振動板と、これに対向する電極からなるエネルギー発生手段と、を備え、エネルギー発生手段で発生したエネルギーで加圧室内のインクを加圧することによってノズルからインク滴を吐出させる構成が知られている。
又、インクジェット式記録ヘッドには、圧電素子の軸方向に伸長、収縮する縦振動モードの圧電アクチュエータを使用したものと、たわみ振動モードの圧電アクチュエータを使用したものの2種類が実用化されている。たわみ振動モードのアクチュエータを使用したものとしては、例えば、振動板の表面全体に亙って成膜技術により均一な圧電材料層を形成し、この圧電材料層をリソグラフィ法により圧力発生室に対応する形状に切り分けて各圧力発生室に独立するように圧電素子を形成したものが知られている。
しかしながら、リソグラフィ法では、材料の使用効率が悪く、また工程が煩雑となるため高コストとなりタクトタイムも大きくなるという問題が発生する。特に圧電体薄膜については数μmの膜厚を要するために、低コスト化に向けて印刷法での微細パターン形成が検討されている。例えば、下地を撥水、親水処理したパターン基板上にインクジェット等の印刷技術を用いて微細パターン形成する技術が紹介されている(例えば、特許文献1、2参照)。
但し、この場合、下部の電極としては主にPtをベースにした金属電極を用いた実施例がほとんどであり、圧電材料層として代表的な材料であるPZTの疲労特性に対する保証が懸念される。具体的には、PZTに含まれるPb拡散による疲労特性の劣化が懸念される。この問題に関しては、酸化物電極を用いることで、PZTの疲労特性が改善されることが開示されている(例えば、特許文献3参照)。
しかしながら、酸化物電極を用いる場合には、金属電極を用いる場合に比べて、比抵抗値が約10〜1000倍も高くなる。このため、酸化物電極が複数の圧電素子に共通して設けられていると、多数の圧電素子を同時に駆動して多数のインク滴を一度に吐出させる場合に、電圧降下が発生して圧電素子の変位量が不安定となり、安定したインク吐出特性が得られないという問題があった。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、安定したインク吐出特性を得ることが可能な電気機械変換素子及びその製造方法、並びに、液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置を提供することを課題とする。
本電気機械変換素子の製造方法は、導電性酸化物からなる第1の電極を形成する第1工程と、前記第1の電極上に金属からなる第2の電極を形成し、前記第2の電極をパターニングする第2工程と、前記第2の電極のみを表面改質させて撥水化する第3工程と、前記第2の電極が形成されていない前記第1の電極上にインクジェット法により電気機械変換膜を形成する第4工程と、前記電気機械変換膜上に導電性酸化物からなる第3の電極を形成する第5工程と、を有することを要件とする。
本電気機械変換素子は、導電性酸化物からなる第1の電極と、前記第1の電極上にパターニングされた金属からなる第2の電極と、前記第2の電極上に形成された電気機械変換膜と、前記電気機械変換膜上に形成された導電性酸化物からなる第3の電極と、を有することを要件とする。
本発明によれば、安定したインク吐出特性を得ることが可能な電気機械変換素子及びその製造方法、並びに、液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置を提供できる。
本実施の形態に係る電気機械変換素子を例示する断面図である。 本実施の形態に係る電気機械変換素子の製造方法を例示する平面図(その1)である。 本実施の形態に係る電気機械変換素子の製造方法を例示する平面図(その2)である。 本実施の形態に係る電気機械変換素子の他の例を示す断面図である。 本実施の形態に係る電気機械変換素子の他の例を示す平面図である。 本実施の形態に係る電気機械変換素子を用いた液滴吐出ヘッドを例示する断面図である。 図4の液滴吐出ヘッドを複数個配置した例を示す断面図である。 本実施の形態に係るインクジェット法による詳細プロセスについて例示する断面図(その1)である。 本実施の形態に係るインクジェット法による詳細プロセスについて例示する断面図(その2)である。 インクジェット塗布装置を例示する斜視図である。 代表的な電界強度と分極のヒステリシス曲線を示す特性図である。 インクジェット記録装置を例示する斜視図である。 インクジェット記録装置を例示する側面図である。
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
図1は、本実施の形態に係る電気機械変換素子を例示する断面図である。図1を参照するに、電気機械変換素子10は、第1の電極13と、第2の電極14と、電気機械変換膜15と、第3の電極16とを有する。電気機械変換素子10は、基板11上に振動板12を介して形成されている。電気機械変換素子10において、第1の電極13及び第3の電極16は酸化物電極であり、第2の電極14は金属電極である。なお、17は、第2の電極14の表面に付着するアルカンチオール材料等からなるSAM(Self Assembled Monolayer)膜を示している(以降、SAM膜17とする)。
図2A及び図2Bは、本実施の形態に係る電気機械変換素子の製造方法を例示する平面図である。図2A及び図2Bを参照して、電気機械変換素子10の製造方法について簡単に説明する。
始めに、基板11上に振動板12、第1の電極13、及び第2の電極14をこの順番で積層し、第2の電極14を予め所望のパターンに加工する。次いで、図2Aに示すように、アルカンチオール材料等のSAM材料を用いて浸漬処理させる。これにより、金属からなる第2の電極14の表面にはチオール材料等のSAM材料が反応しSAM膜17が付着するため、表面状態を撥水化することができる。又、酸化物からなる第1の電極13の表面にはチオール材料等のSAM材料が反応しないためSAM膜17が付着せず、表面状態は親水化されている。このように、電気機械変換膜15の作製前に第2の電極14を予め所望のパターンに加工することにより、アルカンチオール材料等のSAM材料の浸漬処理のみで親水部、疎水部の部分改質をセルフアラインで行うことができる。そのため、電気機械変換膜15の作製のタクトタイムを大幅に短縮することができる。
次いで、図2Bに示すように、第1の電極13上に第2の電極14から突出するように電気機械変換膜15及び第3の電極16をこの順番で積層する。ここで、電気機械変換膜15は数μm程度の厚みにするため、例えばインクジェット法で何層も重ねて作製する必要がある。電気機械変換膜15の材料としてPZTを用いた場合、熱処理温度としては400℃以上が必要であるため、熱処理後においてはアルカンチオール材料等からなるSAM膜17が消失してしまう。そのため、第1の電極13上に1層目のPZTを形成し、熱処理後、2層目以降のPZTを形成する前に、図2Aと同様に浸漬処理を施す必要がある。
具体的には、後述の図6A及び図6Bで詳説するように、熱処理後に2層目以降を積層する場合であっても、アルカンチオール材料等のSAM材料の浸漬処理のみで親水部、疎水部の部分改質をセルフアラインで行うことができる。
又、アルカンチオール材料を用いて浸漬処理させ、金属からなる第2の電極14の表面のみを浸漬処理させた後、有機シラン材料を用いて同様に浸漬処理させ、酸化物からなる第1の電極13の表面のみを表面処理させることもできる。有機シラン材料は金属表面には反応しないため、酸化物である第1の電極13の表面のみを処理することが可能になる。親水性の高い基を有する有機シラン材料を用いることで、更に表面の親水部と疎水部のコントラスト比をつけることができるようになり、電気機械変換膜15をインクジェット法で作製するにあたってより効果的になる。
このように、電気機械変換膜15の材料としてPZTを用いた場合でも、第1の電極13と第3の電極16に酸化物電極を用いることでPb拡散を防止できる。又、第2の電極14として比抵抗の十分低い金属電極を設けることで、電圧駆動を行ったときに共通電極に対して十分な電流を供給することができ、多数の圧電素子を同時に駆動した場合においても、素子間でばらつきなく十分な変位量を得ることが出来る。その結果、安定したインク吐出特性を得ることが可能な電気機械変換素子10を実現できる。
図3Aは、本実施の形態に係る電気機械変換素子の他の例を示す断面図である。図3Bは、本実施の形態に係る電気機械変換素子の他の例を示す平面図である。図3A及び図3Bを参照するに、電気機械変換素子20は、第1の電極13と、第2の電極14と、電気機械変換膜15と、第3の電極16と、絶縁保護膜21と、第4の電極22と、第5の電極23とを有する。電気機械変換素子20は、基板11上に振動板12を介して形成されている。
絶縁保護膜21は、第2の電極14、電気機械変換膜15、第3の電極16を被覆するように形成されている。第4の電極22は、絶縁保護膜21上に設けられ、絶縁保護膜21を貫通するコンタクトホール22xを介して第2の電極14と電気的に接続されている。第5の電極23は、絶縁保護膜21上に設けられ、絶縁保護膜21を貫通するコンタクトホール23xを介して第3の電極16と電気的に接続されている。第3の電極16及び第5の電極23は、各電気機械変換膜15に対して個別に設けられた個別電極であり、第1の電極13、第2の電極14、及び第4の電極22は、各電気機械変換膜15に対して共通に設けられた共通電極である。
図3A及び図3Bに示すような絶縁保護膜21を形成することにより、電気ショート等による不具合や水分やガス等による電気機械変換膜15の破壊を防止できる。
次に、本実施の形態に係る電気機械変換素子を用いた液滴吐出ヘッドについて説明する。図4は、本実施の形態に係る電気機械変換素子を用いた液滴吐出ヘッドを例示する断面図である。図4を参照するに、液滴吐出ヘッド30は、電気機械変換素子10と、振動板12と、密着層35と、Si基板である圧力室基板37と、ノズル38が設けられたノズル板39とを有する。密着層35は第1の電極13と振動板12との密着力を強めるために設けられた層である。振動板12と圧力室基板37とノズル板39とで圧力室40が形成されている。なお、図4では、液体供給手段、流路、流体抵抗は省略している。
図5は、図4の液滴吐出ヘッドを複数個配置した例を示す断面図である。複数の電気機械変換素子10は、簡便な製造工程でバルクセラミックスと同等の性能を持つように、Si基板上に振動板12及び密着層35を介して形成できる。その後、圧力室40を形成するためにSi基板の一部を裏面からエッチング除去し、ノズル38を有するノズル板39を接合することで液滴吐出ヘッド50が作製できる。なお、図5では液体供給手段、流路、流体抵抗は省略している。
次に図1、図2A、図2B、図3A、図3B等に示した各構成部分について詳説する。
[基板11]
基板11としては、シリコン単結晶基板を用いることが好ましく、通常100〜600μmの厚みを持つことが好ましい。面方位としては、(100)、(110)、(111)と3種あるが、半導体産業では一般的に(100)、(111)が広く使用されており、本実施の形態においては、主に(100)の面方位を持つシリコン単結晶基板を使用した。又、図4に示すような圧力室40を作製する場合、エッチングを利用してシリコン単結晶基板を加工していくが、この場合のエッチング方法としては、異方性エッチングを用いることができる。
異方性エッチングとは、結晶構造の面方位に対してエッチング速度が異なる性質を利用したものである。例えばKOH等のアルカリ溶液に浸漬させた異方性エッチングでは、(100)面に比べて(111)面は約1/400程度のエッチング速度となる。従って、面方位(100)では約54°の傾斜を持つ構造体が作製できるのに対して、面方位(110)では深い溝を掘ることができるため、より剛性を保ちつつ、配列密度を高くすることができる。本実施の形態において、(110)の面方位を持ったシリコン単結晶基板を使用することも可能である。但し、この場合、マスク材であるSiOもエッチングされることに留意する必要がある。
[振動板12]
図4に示す液滴吐出ヘッド30では、電気機械変換膜15によって発生した力を受けて下地である振動板12が変形変位し、圧力室40のインク滴を吐出させる。そのため、振動板12は、所定の強度を有することが好ましい。振動板12としては、Si、SiO、Si等の材料をCVD法により作製したものを用いることができる。更に、振動板12の材料としては、第1の電極13や電気機械変換膜15の線膨張係数に近い材料を選択することが好ましい。
特に、電気機械変換膜15の材料としてPZTが使用されることが多いため、振動板12の材料としては、PZTの線膨張係数8×10−6(1/K)に近い線膨張係数である5×10−6〜10×10−6(1/K)の線膨張係数を有した材料が好ましく、更には、7×10−6〜9×10−6(1/K)の線膨張係数を有した材料がより好ましい。
振動板12の具体的な材料としては、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化イリジウム、酸化ルテニウム、酸化タンタル、酸化ハフニウム、酸化オスミウム、酸化レニウム、酸化ロジウム、酸化パラジウム及びそれらの化合物等を用いることができ、これらをスパッタ法又はゾルゲル法(SOl−gel)法を用いてスピンコーターにて作製することができる。
振動板12の膜厚としては0.1〜10μmが好ましく、0.5〜3μmがより好ましい。この範囲より小さいと図4に示すような圧力室40の加工が難しくなり、この範囲より大きいと振動板12が変形変位しにくくなり、インク滴の吐出が不安定になる。
[第1の電極13]
電気機械変換膜15として、鉛を含む複合酸化物を使用する場合、電気機械変換膜15に含まれる鉛の第1の電極13との反応、もしくは拡散が生じ圧電特性を劣化させる場合がある。従って、第1の電極13の材料としては、鉛との反応/拡散に対しバリア性のある電極材料が要求される。
第1の電極13の材料としては、導電性酸化物を用いることが有効である。第2の電極14の具体的な材料としては、化学式ABOで記述され、A=Sr、Ba、Ca、La、 B=Ru、CO、Ni、を主成分とする複合酸化物であるSrRuOやCaRuO、これらの固溶体である(Sr1−x Cax)Oの他、LaNiOやSrCOO、これらの固溶体である(La,Sr)(Ni1−y COy)O(y=1でも良い)が挙げられる。それ以外の酸化物材料として、IrO、RuOも挙げられる。言い換えれば、第1の電極13の材料は、化学式ABOで記述され、AはSr、Ba、Ca、Laの何れか1つ以上、BはRu、Co、Niの何れか1つ以上を主成分とする複合酸化物、又は、IrO、RuOの何れかからなる酸化物とすることができる。
第1の電極13の作製方法としては、スパッタ法もしくは、ゾルゲル法を用いてスピンコーターにて作製することができる。その場合は、パターニングが必要となるので、フォトリソエッチング等により所望のパターンを得る。これ以外の方法として、下地である振動板12の第1の電極13の形成領域以外を表面改質させて撥水化し、撥水化してない親水性の領域である第1の電極13の形成領域にインクジェット法を用いて第1の電極13を形成しても良い。なお、第1の電極13の形成領域とは、パターニングされた第1の電極13が形成される領域である。
ここで、図6A及び図6Bを参照しながら、本実施の形態に係るインクジェット法による詳細プロセスについて説明する。まず、図6A(a)に示すように、下地となる振動板12を準備する。そして、図6A(b)に示すように、振動板12上にSAM膜17(自己組織化単分子膜)を全面塗布する。SAM膜17は下地の材料によっても異なるが、金属を下地とする場合は主にチオールを選定する。分子鎖長により反応性や疎水(撥水)性が異なるものの、C6からC18の分子を一般的な有機溶媒(アルコール、アセトン、トルエンなど)に溶解させる(濃度:数モル/リットル)。この溶液を用いて、浸漬、蒸気、スピンコーター等の何れかにより全面塗布処理を行い、余剰な分子を溶媒で置換洗浄し乾燥することで振動板12の表面に形成できる。
次に、図6A(c)に示すように、フォトリソグラフィによりフォトレジスト81をパターン形成する。次に、図6A(d)に示すように、ドライエッチングにより、フォトレジスト81に覆われていない部分のSAM膜17を除去し、更に、フォトレジスト81を除去してSAM膜17のパターニングが終了する。
次に、図6A(e)に示すように、液滴吐出ヘッド82により液滴を塗布すると、疎水部であるSAM膜17上には塗膜が形成されず、SAM膜17が除去された親水部のみにパターン化前駆体塗膜13aが形成される。その後、通常のゾルゲルプロセスに従って熱処理を行う。パターン化前駆体塗膜13aの熱処理温度は有機物の燃焼温度:300〜500℃、結晶化温度:500〜700℃等とする。このような高温処理により、図6A(f)に示すように、SAM膜17は消失し、パターン化前駆体塗膜13aが熱処理されたパターン化前駆体塗膜13bが作製される。
インクジェット法を用いた場合、1層あたり約30〜100nmの膜厚になるため、何層か重ね打ちする必要がある。そのため、図6B(a)に示すように、再びSAM膜17をパターニングし、パターン化前駆体塗膜13bの周囲にSAM膜17を形成する。そして、図6B(b)に示すように、液滴吐出ヘッド82により液滴を塗布し、SAM膜17が除去された親水部であるパターン化前駆体塗膜13b上にパターン化前駆体塗膜13cを形成する。その後、図6A(e)と同様に熱処理を行う。図6B(a)及び図6B(b)の工程を繰り返すことにより、図6B(c)に示すように、パターン化前駆体塗膜は所望の膜厚となり、第1の電極13が得られる。第1の電極13の膜厚としては、0.05〜1μmが好ましく、0.1〜0.5μmがより好ましい。このようにして、インクジェット法によりパターン化された第1の電極13が得られる。
なお、図6A及び図6Bでは、下地となる振動板12上にインクジェット法により第1の電極13を形成する例を示したが、例えば、下地となる第1の電極13上にインクジェット法により電気機械変換膜15を形成する場合や、下地となる電気機械変換膜15上にインクジェット法により第3の電極16を形成する場合等も同様の工程とすることができる。
[第2の電極14]
第2の電極14に用いる金属材料としては、例えば、高い耐熱性と低い反応性を有する白金を用いることができる。しかし、白金は鉛に対しては十分なバリア性を持つとはいえない場合もあり、イリジウムや白金−ロジウムなどの白金族元素や、これら合金膜を用いることが好ましい。又、白金は、下層である第1の電極13(導電性酸化物)のとの密着性が悪い。そこで、第2の電極14の材料として白金を使用する場合には、図4に示すように、第2の電極14の下層として先に密着層35を積層することが好ましい。密着層35の材料としては、例えば、Ti、TiO、Ta、Ta、Ta等を用いることができる。第2の電極14の作製方法としては、スパッタ法や真空蒸着等を用いることができる。第2の電極14の膜厚としては、0.05〜1μmが好ましく、0.1〜0.5μmがより好ましい。
第2の電極14の成膜後、フォトリソエッチング等により所望のパターンを得る。これ以外の方法として、下地である第1の電極13の第2の電極14の形成領域以外を表面改質させて撥水化し、撥水化してない親水性の領域である第2の電極14の形成領域にインクジェット法を用いて第2の電極14を形成しても良い。なお、第2の電極14の形成領域とは、パターニングされた第2の電極14が形成される領域である。
具体的には、まず、図6A(a)と同様にして、下地となる第1電極13を準備する。そして、図6A(b)と同様にして、第1電極13上にSAM膜17(自己組織化単分子膜)を全面塗布する。SAM膜17は下地の材料によっても異なるが、酸化物を下地とする場合は主に有機シラン化合物、ホスホン酸、リン酸エステル、カルボン酸を選定する。
分子鎖長により反応性や疎水(撥水)性が異なるものの、C6からC18の分子を一般的な有機溶媒(アルコール、アセトン、トルエンなど)に溶解させる(濃度:数モル/リットル)。この溶液を用いて、浸漬、蒸気、スピンコーター等の何れかにより全面塗布処理を行い、余剰な分子を溶媒で置換洗浄し乾燥することで第1電極13の表面に形成できる。
次に、図6A(c)と同様にして、フォトリソグラフィによりフォトレジスト81をパターン形成する。次に、図6A(d)と同様にして、ドライエッチングにより、フォトレジスト81に覆われていない部分のSAM膜17を除去し、更に、フォトレジスト81を除去してSAM膜17のパターニングが終了する。
次に、図6A(e)と同様にして、液滴吐出ヘッド82により液滴(インク)を塗布すると、疎水部であるSAM膜17上には塗膜が形成されず、SAM膜17が除去された親水部のみにパターン化塗膜が形成される。その後、熱処理を行う。このようにして、インクジェット法によりパターン化された第2の電極14が得られる。インクについては、例えば市販のナノAgインク等を用いることができるが、これに限ったものではない。又、後プロセスにおいて500℃以上の熱履歴がかかるため、500℃以上の耐熱性を有するインク材料を用いることが好ましい。
[電気機械変換膜15]
本実施の形態では、電気機械変換膜15の材料として、PZTを主に使用した。PZTとはジルコン酸鉛(PbTiO)とチタン酸(PbTiO)の固溶体で、その比率により特性が異なる。優れた圧電特性を示す組成はPbZrOとPbTiOの比率が53:47の割合で、化学式で示すとPb(Zr0.53、Ti0.47)O、一般にはPZT(53/47)と示される。PZT以外の複合酸化物としてはチタン酸バリウムなどが挙げられ、この場合はバリウムアルコキシド、チタンアルコキシド化合物を出発材料にし、共通溶媒に溶解させることでチタン酸バリウム前駆体溶液を作製することもできる。
これら材料は一般式ABOで記述され、A=Pb、Ba、Sr B=Ti、Zr、Sn、Ni、Znmg、Nbを主成分とする複合酸化物が該当する。その具体的な記述として(Pb1−x,Ba)(Zr,Ti)O、(Pb1−x,Sr)(Zr,Ti)O、これはAサイトのPbを一部BaやSrで置換した場合である。このような置換は2価の元素であれば可能であり、その効果は熱処理中の鉛の蒸発による特性劣化を低減させる作用を示す。
電気機械変換膜15の作製方法としては、スパッタ法もしくは、ゾルゲル法を用いてスピンコーターにて作製することができる。その場合は、パターニングが必要となるので、フォトリソエッチング等により所望のパターンを得る。PZTをゾルゲル法により作製した場合、酢酸鉛、ジルコニウムアルコキシド、チタンアルコキシド化合物を出発材料にし、共通溶媒としてメトキシエタノールに溶解させ均一溶液を得ことで、PZT前駆体溶液が作製できる。金属アルコキシド化合物は大気中の水分により容易に加水分解してしまうので、前駆体溶液に安定剤としてアセチルアセトン、酢酸、ジエタノールアミンなどの安定化剤を適量、添加しても良い。
下地基板全面にPZT膜を得る場合、スピンコートなどの溶液塗布法により塗膜を形成し、溶媒乾燥、熱分解、結晶化の各々の熱処理を施すことで得られる。塗膜から結晶化膜への変態には体積収縮が伴うので、クラックフリーな膜を得るには一度の工程で100nm以下の膜厚が得られるように前駆体濃度の調整が必要になる。
また、インクジェット法により作製する場合は、第1の電極13と同様の作製フロー(図6A及び図6B参照)にてパターニングされた膜を得ることができる。表面改質材については、下地の材料によっても異なるが、酸化物を下地とする場合は主にシラン化合物、金属を下地とする場合は主にアルカンチオールを選定する。
電気機械変換膜15の膜厚としては0.5〜5μmが好ましく、より好ましくは1μm〜2μmとなる。この範囲より小さいと十分な変位を発生することができなくなり、この範囲より大きいと何層も積層させていくため、工程数が多くなりプロセス時間が長くなる。
[第3の電極16]
第3の電極16の材料としては、第1の電極13と同様、導電性酸化物を電極として用いることが有効である。第3の電極16の具体的な材料としては、化学式ABOで記述され、A=Sr、Ba、Ca、La、 B=Ru、CO、Ni、を主成分とする複合酸化物であるSrRuOやCaRuO、これらの固溶体である(Sr1−x Cax)Oの他、LaNiOやSrCOO、これらの固溶体である(La,Sr)(Ni1−y COy)O(y=1でも良い)が挙げられる。それ以外の酸化物材料として、IrO、RuOも挙げられる。又、配線抵抗を補うために導電性酸化物上に白金やイリジウムや白金−ロジウムなどの白金族元素や、これらの合金膜、またはAg合金、Cu、Al、Auを用いることも有効である。
第3の電極16の作製方法としては、スパッタ法もしくはゾルゲル法を用いてスピンコーターにて作製することができる。その場合は、パターニングが必要となるので、フォトリソエッチング等により所望のパターンを得る。それ以外に、第2の電極14と下地表面を部分的に表面改質させる工程を用いて、インクジェット法によりパターニングされた膜を作製できる。又、インクジェット法により作製していく場合については、第1の電極13と同様の作製フロー(図6A及び図6B参照)にてパターニングされた膜を得られる。
第3の電極16の膜厚としては、0.05〜1μmが好ましく、0.1〜0.5μmがより好ましい。
[絶縁保護膜21]
絶縁保護膜21は、電気ショート等による不具合や水分やガス等による電気機械変換膜15の破壊防止を目的に設ける。絶縁保護膜21の材料としては、シリコン酸化膜や窒化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜等の無機膜、又は、ポリイミドやパリレン膜等の有機膜が好ましい。絶縁保護膜21の膜厚としては、0.5〜20μmが好ましく、1〜10μmがより好ましい。絶縁保護膜21の膜厚がこの範囲より小さいと絶縁保護膜としての機能が十分果たせなくなり、この範囲より大きいとプロセス時間が長くなる。
絶縁保護膜21の作製方法としては、CVD、スパッタ法、スピンコート法等を用いることができる。又、第4の電極22及び第5の電極23を、それぞれ第2の電極14及び第3の電極16と導通させるためのコンタクトホール22x及び23xの作製が必要となり、それについては、フォトリソエッチング等により所望のパターンを得る。
又、スクリーン印刷法を用いて、一度のプロセスでコンタクトホール22x及び23xを有する絶縁保護膜21の作製を行うことができる。スクリーン印刷に用いられるペースト状材料としては、樹脂と無機又は有機粒子とを有機溶媒に溶解させたものを用いることができる。樹脂については、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、アクリル系樹脂、エチルセルロース樹脂などを含む材料が挙げられる。無機粒子については、シリカ(SiO)、アルミナ(Al)、酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)、チタン酸バリウム(BaTiO)等が挙げられる。中でもシリカ、アルミナ、酸化亜鉛などの比較的比誘電率の低い材料が好ましい。
本発明にて想定するような精細度のパターンを形成する場合においては、線径が15〜50μm、開口率が40〜60%のメッシュ中に充填されたペースト状材料を転写することで絶縁保護膜21を形成することになるため、絶縁保護膜21をコンタクトホール22x及び23xとともに形成することができる。
[第4の電極22、第5の電極23]
第4の電極22及び第5の電極23の材料は、Ag合金、Cu、Al、Au、PTirの何れかからなる金属電極材料であることが好ましい。第4の電極22及び第5の電極23は、例えば、スパッタ法やスピンコート法等を用いて作製し、その後フォトリソエッチング等により所望のパターンとすることができる。又、下地である絶縁保護膜21の表面を部分的に表面改質させる工程を用いて、インクジェット法によりパターニングされた膜を作製することが出来る。インクジェット法により作製していく場合については、第2の電極14と同様の作製フロー(図6A及び図6B参照)にて、パターニングされた膜を得ることができる。
表面改質材については、下地である絶縁保護膜21が酸化物である場合は主にシラン化合物を選定する。またポリイミド(PI)のような有機物の場合は、紫外線を照射して、照射された領域の表面エネルギーを増大させることができる。その結果、インクジェット法を用いて、表面エネルギーを増大させた領域に、高精細な第4の電極22及び第5の電極23のパターンを直接描画することができる。紫外線で表面エネルギーを増大させることが可能な高分子材料としては、例えば、特開2006−060079号公報に記載されている材料等を用いることができる。
又、以下のような市販されているペースト状材料を用いてスクリーン印刷で第4の電極22及び第5の電極23となる電極膜を得ることが出来る。パーフェクトゴールド(登録商標)(金ペースト、真空冶金社製商品名)、パーフェクトカッパー(銅ペースト、真空冶金社製商品名)、OrgacOnPastevariant 1/4、Paste variant 1/3(以上、印刷用透明PEDOT/PSSインク、日本アグファ・ゲバルト社製商品名)、OrgacOnCarbOnPaste variant 2/2(カーボン電極ペースト、日本アグファ・ゲバルト社製商品名)、BAYTRON(登録商標) P(PEDT/PSS水溶液、日本スタルクヴィテック社製商品名)。
第4の電極22及び第5の電極23のそれぞれの膜厚としては、0.1〜20μmが好ましく、0.2〜10μmがより好ましい。第4の電極22及び第5の電極23のそれぞれの膜厚がこの範囲より小さいと抵抗が大きくなり電極に十分な電流を流すことができなくなるためヘッド吐出が不安定になり、この範囲より大きいとプロセス時間が長くなる。
以下、本発明の実施例を説明する。
〈実施例1〉
シリコンウェハに熱酸化膜(膜厚1ミクロン)を形成し、第1の電極13として、SrRuO膜(膜厚200nm)をスパッタ成膜した。次に密着層35としてチタン膜(膜厚50nm)、引続き第2の電極14として白金膜(膜厚200nm)をスパッタ成膜した。チタン膜からなる密着層35は、SrRuO膜と白金膜の間の密着性を向上する役割を持つ。その後、東京応化社製フォトレジスト(TSMR8800)をスピンコート法で成膜し、通常のフォトリソグラフィでレジストパターン81を形成した後、ICPエッチング装置(サムコ製)を用いて図1及び図2Aのようなパターンを作製した。
次に、第2の電極14の表面処理として、アルカンチオールにCH(CH−SHを用い、濃度0.01モル/リットル(溶媒:イソプロピルアルコール)の溶液に浸漬させ、その後、イソプロピルアルコールで洗浄・乾燥させ、SAM処理を行った。SAM処理後の白金膜上の水の接触角は92.2°であるのに対して、SrRuO膜上の水の接触角は15°であり、その後の電気機械変換膜15をインクジェットにより成膜する際の、親水面と撥水面のコントラストが十分取れていることが確認できた。
次に、電気機械変換膜15としてPZT(53/47)をインクジェットにより成膜する。前駆体塗布液の合成は、出発材料に酢酸鉛三水和物、イソプロポキシドチタン、イソプロポキシドジルコニウムを用いた。酢酸鉛の結晶水はメトキシエタノールに溶解後、脱水した。化学両論組成に対し鉛量を10モル%過剰にしてある。これは熱処理中のいわゆる鉛抜けによる結晶性低下を防ぐためである。
イソプロポキシドチタン、イソプロポキシドジルコニウムをメトキシエタノールに溶解し、アルコール交換反応、エステル化反応を進め、前記の酢酸鉛を溶解したメトキシエタノール溶液と混合することでPZT前駆体溶液を合成した。このPZT濃度は0.1モル/リットルにした。この液をインクジェット塗布装置により図6A及び図6Bの工程でパターニングされた親水領域(第1の電極13として作製したSrRuO膜)にPZT前駆体溶液を塗布する。
図7は、インクジェット塗布装置を例示する斜視図である。図7に示すインクジェット塗布装置60において、架台61の上にY軸駆動手段62が設置してあり、その上に基板63を搭載するステージ64がY軸方向に駆動できるように設置されている。なおステージ64には図示されていない真空、静電気などの吸着手段が付随しており基板63が固定されている。なお、インクジェット塗布装置は、本発明に係る液滴吐出装置の代表的な一例である。
又、X軸支持部材65にはX軸駆動手段66が取り付けられており、これにZ軸駆動手段67上に搭載されたヘッドベース68が取り付けられており、X軸方向に移動できるようになっている。ヘッドベース68の上にはインクを吐出させるインクジェットヘッド69が搭載されている。インクジェットヘッド69には図示しない各インクタンクから各々着色樹脂インク供給用パイプ70を介してインクが供給される。なお、インクジェットヘッド69は、本発明に係る液滴吐出ヘッドの代表的な一例である。
一度の成膜で得られる膜厚は100nm前後が好ましく、前駆体濃度は成膜面積と前駆体塗布量の関係から適正化される。前述の図6A(e)は、インクジェット塗布装置により塗布された状態を示しており、接触角のコントラストのため前駆体溶液は親水部のみに広がりパターンを形成する。これを第一の加熱(溶媒乾燥)として120℃処理後、有機物の熱分解(500℃)を行うことで前述の図6A(f)のようになる。このときの膜厚は90nmであった。
引き続き、繰返し表面処理としてアルカンチオールによる浸漬処理を行うことで、パターニングしたSAM膜を形成した。SAM処理後の白金膜上の水の接触角は92.2°であるのに対して、インクジェットにて作製したPZT膜上の水の接触角は15°であり、2層目以降を繰り返し、インクジェットにより成膜するには、親水面と撥水面のコントラストが十分取れていることが確認できた。
前記工程を6回繰り返し540nmの膜を得たのち、結晶化熱処理(温度700℃)をRTA(急速熱処理)にて行った。膜にクラックなどの不良は生じなかった。更に6回のSAM膜処理→PZT前駆体の選択塗布→120℃乾燥→500℃熱分解を行い、結晶化処理をした。膜にクラックなどの不良は生じなかった。膜厚は1000nmに達した。
次に第3の電極16としてSrRuO膜(膜厚200nm)をスパッタ成膜した。その後、東京応化社製フォトレジスト(TSMR8800)をスピンコート法で成膜し、通常のフォトリソグラフィでレジストパターンを形成した後、ICPエッチング装置(サムコ製)を用いて図1及び図2Bのようなパターンを形成し、電気機械変換素子10を作製した。
次に、絶縁保護膜21として、パリレン膜(膜厚2μm)をCVD成膜した。その後、東京応化社製フォトレジスト(TSMR8800)をスピンコート法で成膜し、通常のフォトリソグラフィでレジストパターンを形成した後、RIE(サムコ製)を用いて図3A及び図3Bのようなパターンを作製した。
最後に第4の電極22及び第5の電極23としてAl膜(膜厚5μm)をスパッタ成膜した。その後、東京応化社製フォトレジスト(TSMR8800)をスピンコート法で成膜し、通常のフォトリソグラフィでレジストパターンを形成した後、RIE(サムコ製)を用いて図3A及び図3Bのようなパターンを形成し、電気機械変換素子20を作製した。
〈実施例2〉
シリコンウェハに熱酸化膜(膜厚1ミクロン)を形成し、第1の電極13として、LaNiOをスピンコート法により成膜した。前駆体塗布液の合成は、出発材料にイソプロポキシドランタン、ビス(アセチルアセトナト)ニッケル(II)(二水和物)を用いた。ビス(アセチルアセトナト)ニッケル(II)(二水和物)の脱水処理を行った後、イソプロポキシドランタン、ビス(アセチルアセトナト)ニッケル(II)をメトキシエタノールに溶解し、アルコール交換反応、エステル化反応を進め、LaNiO前駆体溶液を合成し、濃度を0.3モル/リットルにした。
次に、第1の電極13の表面処理として、シラン化合物にCH(CH−SiClを用い、濃度0.01モル/リットル(溶媒:イソプロピルアルコール)溶液に浸漬させ、その後、イソプロピルアルコールで洗浄・乾燥させ、SAM処理を行った。東京応化社製フォトレジスト(TSMR8800)をスピンコート法で成膜し、通常のフォトリソグラフィでレジストパターンを形成した後、酸素プラズマ処理を行い露出部のSAM膜を除去した。処理後の残渣レジストはアセトンにて溶解除去し、接触角評価を行ったところ、除去部では46.2°、レジストでカバーされていた部位では104.3°の値を示し、SAM膜のパターン化がなされたことを確認した。
次に第2の電極14として、市販のナノAgインクを用いて、インクジェット法により成膜した。Agインクは、実施例1と同様なインクジェット塗布装置を用いて第1の電極13の親水領域に塗布する。接触角のコントラストのため、Agインクは親水部のみに広がりパターンを形成する。これを第一の加熱(溶媒乾燥)として150℃で処理し、N雰囲気化で昇温速度(10℃/min)にて300℃で1時間熱処理を行った。このときの膜厚は80nmであった。
次に、実施例1と同様な作製方法で、下地のSAM表面を行った後、電気機械変換膜15をインクジェットで作製した。次に、第3の電極16を第2の電極14と同様な作製方法で、下地のSAM表面を行った後、LaNiOをインクジェットで作製した。インクについては、第1の電極13の作製で使用した材料を元にインク化した。
次に、絶縁保護膜21として、SiOを(膜厚2μm)をCVD成膜した。その後、東京応化社製フォトレジスト(TSMR8800)をスピンコート法で成膜し、通常のフォトリソグラフィでレジストパターンを形成した後、RIE(サムコ製)を用いて図3A及び図3Bのようなパターンを作製した。
次に下地のSAM処理を行った後、市販のAgPdインクを用い、インクジェット塗布装置60で所望するパターンに印刷後、300℃で熱処理し、第4の電極22及び第5の電極23を形成し、電気機械変換素子20を作製した。
〈実施例3〉
第2の電極14形成後のパターン形成までは、実施例1と同様な工程で行った後、第2の電極14の表面処理として、アルカンチオールにCH(CH−SHを用い、濃度0.01モル/リットル(溶媒:イソプロピルアルコール)溶液に浸漬させ、その後、イソプロピルアルコールで洗浄・乾燥させ、SAM処理を行った。その後、第1の電極13の表面処理として、シラン化合物(化1)を用いて、濃度0.01モル/リットル(溶媒:イソプロピルアルコール)溶液に浸漬させ、その後、イソプロピルアルコールで洗浄・乾燥させ、SAM処理を行った。
Figure 2012061703
SAM処理後の白金膜上の水の接触角は92.2°であるのに対して、SrRuO膜上の水の接触角は5°以下であり、その後の電気機械変換膜15をインクジェットにより成膜するには、親水面と撥水面のコントラストが十分取れていることが確認できた。
次に、実施例1と同様な作製方法で、電気機械変換膜15をインクジェット法で作製した。このとき2層目以降の電気機械変換膜作製においては、第2の電極14の表面処理としてアルカンチオール、電気機械変換膜の表面処理としてシラン化合物を用いて、下地のSAM処理を行い、その後インクジェット法で作製した。絶縁保護膜21、第4の電極22、及び第5の電極23については実施例1と同様に作製することで、電気機械変換素子20を作製した。
〈比較例1〉
シリコンウェハに熱酸化膜(膜厚1ミクロン)を形成し、密着層35としてチタン膜(膜厚50nm)、引続き第1の電極13として白金膜(膜厚200nm)をスパッタ成膜した。チタン膜からなる密着層35は、熱酸化膜と白金膜の間の密着性を向上する役割を持つ。次に、第2の電極14として、SrRuO膜(膜厚200nm)をスパッタ成膜した。その後、東京応化社製フォトレジスト(TSMR8800)をスピンコート法で成膜し、通常のフォトリソグラフィでレジストパターン81を形成した後、ICPエッチング装置(サムコ製)を用いて図1及び図2Aのようなパターンを作製した。
次に、第1の電極13の表面処理として、アルカンチオールにCH(CH−SHを用い、濃度0.01モル/リットル(溶媒:イソプロピルアルコール)の溶液に浸漬させ、その後、イソプロピルアルコールで洗浄・乾燥させ、SAM処理を行った。SAM処理後の白金膜上の水の接触角は92.2°であるのに対して、SrRuO膜上の水の接触角は15°であり、その後の電気機械変換膜15をインクジェットにより成膜する際の、親水面と撥水面のコントラストが十分取れていることが確認できた。
次に、実施例1と同様な作製方法で、電気機械変換膜15をインクジェット法で作製した。次に、第3の電極16としてPt膜(膜厚200nm)をスパッタ成膜した。その後、東京応化社製フォトレジスト(TSMR8800)をスピンコート法で成膜し、通常のフォトリソグラフィでレジストパターンを形成した後、ICPエッチング装置(サムコ製)を用いて図3A及び図3Bのようなパターンを作製し、絶縁保護膜21、第4の電極22及び第5の電極23については実施例1と同様に作製することで、電気機械変換素子20を作製した。
〈比較例2〉
第1の電極13の形成までは、実施例1と同様な工程で行った後、第1の電極13の表面処理として、シラン化合物にCH(CH−SiClを用い、濃度0.01モル/リットル(溶媒:イソプロピルアルコール)溶液に浸漬させ、その後、イソプロピルアルコールで洗浄・乾燥させ、SAM処理を行った。東京応化社製フォトレジスト(TSMR8800)をスピンコート法で成膜し、通常のフォトリソグラフィでレジストパターンを形成した後、酸素プラズマ処理を行い露出部のSAM膜を除去した。処理後の残渣レジストはアセトンにて溶解除去し、接触角評価を行ったところ、除去部では46.2°、レジストでカバーされていた部位のそれは104.3°の値を示し、SAM膜のパターン化がなされたことを確認した。
次に、電気機械変換膜15をインクジェット法で作製した。このとき1層目作製時の500℃焼成後にシラン化合物が消失してしまうため、2層目の電気機械変換膜作製前に同様のSAM処理を行うことでSAM膜のパターン化を行い、その後インクジェットにて電気機械変換膜15を作製した。第3の電極16、絶縁保護膜21、第4の電極22、及び第5の電極23については実施例1と同様に作製することで、電気機械変換素子20を作製した。
〈実施例1〜3、比較例1、2の評価〉
実施例1〜3、比較例1、2で作製した電気機械変換素子を用いて電気特性、電気機械変換能(圧電定数)の評価を行い、結果を表1にまとめた。
Figure 2012061703
表1に示すように、初期においては、実施例1〜3並びに比較例1及び2の何れにおいても、膜の比誘電率εrは1200前後、誘電損失tanδは0.02前後、残留分極Prは20〜25μC/cm程度、抗電界Ecは40〜50kV/cm程度であり、通常のセラミック焼結体と同等の特性であった。なお、図8は、代表的な電界強度と分極のヒステリシス曲線を示す特性図である。
電気機械変換能は電界印加による変形量をレーザドップラー振動計で計測し、シミュレーションによる合わせ込みから算出した。表1に示すように、圧電定数d31は、実施例1〜3並びに比較例1及び2の何れにおいても、−140〜−160pm/Vとなり、こちらもセラミック焼結体と同等の値であった。これは液体吐出ヘッドとして十分設計できうる特性値である。初期特性については、大きな差はないが、耐久性(1010回繰り返し印可電圧を加えた直後の特性)を見ると、比較例1及び2は特に圧電定数d31が大きく特性劣化しているのが分かった。
[液体吐出ヘッドの吐出評価]
次に、実施例1〜3並びに比較例1及び2で作製した電気機械変換素子を用いて図5の液体吐出ヘッド50を作製し、液の吐出評価を行った。粘度を5cpに調整したインクを用いて、単純PuSH波形により−10〜−30Vの印可電圧を加えたときの吐出状況を確認したところ、比較例1を除いてどのノズル孔からも吐出できていることを確認した。
比較例1については、ノズル箇所によっては吐出がばらつき安定しなかった。電気機械変換膜作製工程において、パターニングしたSAM膜を繰り返し作製する際に、アライメントの繰り返し精度が不十分であったため隣接する電気機械変換膜同士で接触している箇所が部分的にあった。一方、実施例1〜3及び比較例2においては、比較例1のように電気機械変換膜同士で接触している箇所は見られなかった。
このように、実施例1〜3は、比較例1及び2に比べて、耐久性(1010回繰り返し印可電圧を加えた直後の特性)に大きな差があることが確認された。つまり、実施例1〜3で作製された電気機械変換素子は、耐久性も含めて安定したインク滴吐出特性が得られることが確認された。なお、比較例1において良好な結果が得られなかった理由は、電気機械変換膜15を形成する領域を親水化しなかったためと考えられる。又、比較例2において良好な結果が得られなかった理由は、導電性酸化物からなる第1の電極13上に金属からなる第2の電極層14を形成しなかったためと考えられる。
次に、実施例1〜3の何れかの方法で作製した電気機械変換素子を有する液滴吐出ヘッドを搭載したインクジェット記録装置の一例について図9及び図10を参照して説明する。なお、図9はインクジェット記録装置を例示する斜視図であり、図10はインクジェット記録装置を例示する側面図である。なお、インクジェット記録装置は、本発明に係る液滴吐出装置の代表的な一例である。
図9及び図10を参照するに、インクジェット記録装置100は、主に、記録装置本体の内部に主走査方向に移動可能なキャリッジ101と、キャリッジ101に搭載した記録ヘッド102と、記録ヘッド102へインクを供給するインクカートリッジ103とを含んで構成される印字機構部104を有している。なお、記録ヘッド102は、実施例1〜3の何れかの方法で作製した電気機械変換素子を有する液滴吐出ヘッド(インクジェットヘッド)である。
又、装置本体の下方部には前方側から多数枚の用紙105を積載可能な給紙カセット106を抜き差し自在に装着することができ、また用紙105を手差しで給紙するための手差しトレイ107を開倒することができ、給紙カセット106或いは手差しトレイ107から給送される用紙105を取り込み、印字機構部104によって所要の画像を記録した後、後面側に装着された排紙トレイ108に排紙する。
印字機構部104は、図示しない左右の側板に横架したガイド部材である主ガイドロッド109と従ガイドロッド110とでキャリッジ101を主走査方向に摺動自在に保持し、このキャリッジ101にはイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する記録ヘッド102を複数のインク吐出口(ノズル)を主走査方向と交差する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
又、キャリッジ101には記録ヘッド102に各色のインクを供給するための各インクカートリッジ103を交換可能に装着している。インクカートリッジ103は上方に大気と連通する大気口、下方には記録ヘッド102へインクを供給する供給口を、内部にはインクが充填された多孔質体を有しており、多孔質体の毛管力により記録ヘッド102へ供給されるインクをわずかな負圧に維持している。また、記録ヘッド102としてここでは各色のヘッドを用いているが、各色のインク滴を吐出するノズルを有する1個のヘッドでもよい。
ここで、キャリッジ101は後方側(用紙搬送方向下流側)を主ガイドロッド109に摺動自在に嵌装し、前方側(用紙搬送方向上流側)を従ガイドロッド110に摺動自在に載置している。そして、このキャリッジ101を主走査方向に移動走査するため、主走査モータ111で回転駆動される駆動プーリ112と従動プーリ113との間にタイミングベルト114を張装し、このタイミングベルト114をキャリッジ101に固定しており、主走査モータ111の正逆回転によりキャリッジ101が往復駆動される。
一方、給紙カセット106にセットした用紙105を記録ヘッド102の下方側に搬送するために、給紙カセット106から用紙105を分離給装する給紙ローラ115及びフリクションパッド116と、用紙105を案内するガイド部材117と、給紙された用紙105を反転させて搬送する搬送ローラ118と、この搬送ローラ118の周面に押し付けられる搬送コロ119及び搬送ローラ118からの用紙105の送り出し角度を規定する先端コロ120とを設けている。
搬送ローラ118は副走査モータ121によってギヤ列を介して回転駆動される。そして、キャリッジ101の主走査方向の移動範囲に対応して搬送ローラ118から送り出された用紙105を記録ヘッド10.2の下方側で案内する用紙ガイド部材である印写受け部材122を設けている。この印写受け部材122の用紙搬送方向下流側には、用紙105を排紙方向へ送り出すために回転駆動される搬送コロ123、拍車124を設け、さらに用紙105を排紙トレイ108に送り出す排紙ローラ125及び拍車126と、排紙経路を形成するガイド部材127,128とを配設している。
記録時には、キャリッジ101を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド102を駆動することにより、停止している用紙105にインクを吐出して1行分を記録し、用紙105を所定量搬送後次の行の記録を行う。記録終了信号または、用紙105の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了させ用紙105を排紙する。また、キャリッジ101の移動方向右端側の記録領域を外れた位置には、記録ヘッド102の吐出不良を回復するための回復装置129を配置している。
回復装置129はキャップ手段と吸引手段とクリーニング手段を有している。キャリッジ101は印字待機中にはこの回復装置129側に移動されてキャッピング手段で記録ヘッド102をキャッピングされ、吐出口部を湿潤状態に保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。また、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出することにより、全ての吐出口のインク粘度を一定にし、安定した吐出性能を維持する。
吐出不良が発生した場合等には、キャッピング手段で記録ヘッド102の吐出口(ノズル)を密封し、チューブを通して吸引手段で吐出口からインクとともに気泡等を吸い出し、吐出口面に付着したインクやゴミ等はクリーニング手段により除去され吐出不良が回復される。又、吸引されたインクは、本体下部に設置された廃インク溜(不図示)に排出され、廃インク溜内部のインク吸収体に吸収保持される。
このように、インクジェット記録装置100においては、実施例1〜3の何れかの方法で作製した電気機械変換素子を有する液滴吐出ヘッド(インクジェットヘッド)である記録ヘッド102を搭載しているので、振動板駆動不良によるインク滴吐出不良がなく、安定したインク滴吐出特性が得られて、画像品質が向上する。
以上のように、電気機械変換膜の材料としてPZTを用いた場合でも、第1の電極と第3の電極に酸化物電極を用いることでPb拡散を防止できる。又、第2の電極として比抵抗の十分低い金属電極を設けることで、電圧駆動を行ったときに共通電極に対して十分な電流を供給することができ、多数の圧電素子を同時に駆動した場合においても、素子間でばらつきなく十分な変位量を得ることが出来る。その結果、安定したインク吐出特性を得ることが可能な電気機械変換素子を実現できる。
以上、好ましい実施の形態及び実施例について詳説したが、上述した実施の形態及び実施例に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態及び実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
10、20 電気機械変換素子
11 基板
12 振動板
13 第1の電極
14 第2の電極
14a、14b、14c パターン化前駆体塗膜
15 電気機械変換膜
16 第3の電極
17 SAM膜
21 絶縁保護膜
22 第4の電極
22x、23x コンタクトホール
23 第5の電極
30 液滴吐出ヘッド
35 密着層
37 圧力室基板
38 ノズル
39 ノズル板
40 圧力室
50、82 液滴吐出ヘッド
60インクジェット塗布装置
61 架台
62 Y軸駆動手段
63 基板
64 ステージ
65 X軸支持部材
66 X軸駆動手段
67 Z軸駆動手段
68 ヘッドベース
69 インクジェットヘッド
70 着色樹脂インク供給用パイプ
81 フォトレジスト
100 インクジェット記録装置
101 キャリッジ
102 記録ヘッド
103インクカートリッジ
104 印字機構部
105 用紙
106 給紙カセット
107 手差しトレイ
108 排紙トレイ
109 主ガイドロッド
110 従ガイドロッド
111 主走査モータ
112 駆動プーリ
113 従動プーリ
114 タイミングベルト
115 給紙ローラ
116 フリクションパッド
117 ガイド部材
118 搬送ローラ
119、123 搬送コロ
120 先端コロ
121 副走査モータ
122 印写受け部材
124、126 拍車
125 排紙ローラ
127、128 ガイド部
129 回復装置
特開2004−006645号公報 特開2005−327920号公報 特許第3019845号

Claims (16)

  1. 導電性酸化物からなる第1の電極を形成する第1工程と、
    前記第1の電極上に金属からなる第2の電極を形成し、前記第2の電極をパターニングする第2工程と、
    前記第2の電極のみを表面改質させて撥水化する第3工程と、
    前記第2の電極が形成されていない前記第1の電極上にインクジェット法により電気機械変換膜を形成する第4工程と、
    前記電気機械変換膜上に導電性酸化物からなる第3の電極を形成する第5工程と、を有する電気機械変換素子の製造方法。
  2. 前記第3工程では、チオール化合物を用いて前記第2の電極を表面改質する請求項1記載の電気機械変換素子の製造方法。
  3. 前記第4工程よりも前に、前記第1の電極を表面改質させて親水化する第6工程を更に有する請求項1又は2記載の電気機械変換素子の製造方法。
  4. 前記第6工程では、シラン化合物を用いて前記第1の電極を表面改質する請求項3記載の電気機械変換素子の製造方法。
  5. 前記第2の電極はスパッタもしくはスピンコーターにより作製される請求項1乃至4の何れか一項記載の電気機械変換素子の製造方法。
  6. 前記第2工程では、前記第1の電極上の第2の電極の形成領域以外を表面改質させて撥水化し、撥水化してない親水性の領域である前記第2の電極の形成領域にインクジェット法を用いて第2の電極を形成する請求項1乃至5の何れか一項記載の製造方法。
  7. 前記第1の電極の材料は、化学式ABOで記述され、AはSr、Ba、Ca、Laの何れか1つ以上、BはRu、Co、Niの何れか1つ以上を主成分とする複合酸化物、又は、IrO、RuOの何れかからなる酸化物である請求項1乃至6の何れか一項記載の電気機械変換素子の製造方法。
  8. 前記第5工程よりも後に、前記第1の電極及び前記第3の電極を被覆する、コンタクトホールを有する絶縁保護膜を形成する工程を更に有する請求項1乃至7の何れか一項記載の電気機械変換素子の製造方法。
  9. 前記絶縁保護膜上に、前記コンタクトホールを介して前記第1の電極と導通し、共通電極となる、金属からなる第4の電極を形成する工程を更に有する請求項8記載の電気機械変換素子の製造方法。
  10. 前記絶縁保護膜上に、前記コンタクトホールを介して前記第3の電極と導通し、個別電極となる、金属からなる第5の電極を形成する工程を更に有する請求項8又は9記載の電気機械変換素子の製造方法。
  11. 導電性酸化物からなる第1の電極と、
    前記第1の電極上にパターニングされた金属からなる第2の電極と、
    前記第2の電極上に形成された電気機械変換膜と、
    前記電気機械変換膜上に形成された導電性酸化物からなる第3の電極と、を有する電気機械変換素子。
  12. 前記第1の電極及び前記第3の電極を被覆する絶縁保護膜と、
    前記絶縁保護膜上に形成され、前記絶縁保護膜に設けられたコンタクトホールを介して、前記第1の電極と導通する金属からなる第4の電極と、
    前記絶縁保護膜上に形成され、前記絶縁保護膜に設けられたコンタクトホールを介して、前記第3の電極と導通する金属からなる第5の電極と、を更に有する請求項11記載の電気機械変換素子。
  13. 前記第1の電極の材料は、化学式ABOで記述され、AはSr、Ba、Ca、Laの何れか1つ以上、BはRu、Co、Niの何れか1つ以上を主成分とする複合酸化物、又は、IrO、RuOの何れかからなる酸化物である請求項11又は12記載の電気機械変換素子。
  14. 前記第3の電極及び前記第5の電極は個別電極であり、前記第1の電極及び前記第4の電極は共通電極である請求項12又は13記載の電気機械変換素子。
  15. 請求項11乃至14の何れか一項記載の電気機械変換素子を具備する液滴吐出ヘッド。
  16. 請求項15記載の液滴吐出ヘッドを具備する液滴吐出装置。
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