JP2012056744A - シート搬送装置、画像形成装置および誘電体ベルト - Google Patents
シート搬送装置、画像形成装置および誘電体ベルト Download PDFInfo
- Publication number
- JP2012056744A JP2012056744A JP2010203531A JP2010203531A JP2012056744A JP 2012056744 A JP2012056744 A JP 2012056744A JP 2010203531 A JP2010203531 A JP 2010203531A JP 2010203531 A JP2010203531 A JP 2010203531A JP 2012056744 A JP2012056744 A JP 2012056744A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- sheet
- dielectric belt
- belt
- sheet conveying
- conveying apparatus
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Landscapes
- Sheets, Magazines, And Separation Thereof (AREA)
Abstract
【課題】簡単な構成で、重送を抑制することができるシート搬送装置、画像形成装置および誘電体ベルトを提供する。
【解決手段】誘電体ベルト31は、シートが静電吸着する静電吸着領域Aと、帯電手段たる電極部材34による誘電体ベルト表面の帯電を抑制する帯電抑制手段を有し、静電吸着領域Aよりも静電吸着力が弱い静電吸着弱領域Bを有する。そして、誘電体ベルト31のシート束の最上位シートS1と当接する当接領域Cの後端(シート搬送方向上流側端部)に静電吸着領域Aの先端(ベルト移動方向下流端)が来た位置でベルトを停止させてから、シート搬送動作を行う。
【選択図】図9
【解決手段】誘電体ベルト31は、シートが静電吸着する静電吸着領域Aと、帯電手段たる電極部材34による誘電体ベルト表面の帯電を抑制する帯電抑制手段を有し、静電吸着領域Aよりも静電吸着力が弱い静電吸着弱領域Bを有する。そして、誘電体ベルト31のシート束の最上位シートS1と当接する当接領域Cの後端(シート搬送方向上流側端部)に静電吸着領域Aの先端(ベルト移動方向下流端)が来た位置でベルトを停止させてから、シート搬送動作を行う。
【選択図】図9
Description
本発明は、シート搬送装置、画像形成装置および誘電体ベルトに関するものである。
積載された原稿や記録紙等のシートを分離搬送する方法としては、従来、摩擦力を用いた分離搬送方法や、エアー吸引などによる分離搬送方法が知られている。摩擦力を用いた分離搬送方法では、給送ローラにゴム材料等を用いるため、磨耗などの経時変化によって摩擦力が変化し、搬送性能が低下する。また、摩擦係数が変化(バラツキ)するシートや、摩擦係数の異なるシートを同時に分離搬送する場合には、複数枚を同時に給送する重送や、分離できないといった、給送不良が発生することがある。さらに、シートの搬送時に圧力を加えて分離する構成のため、シートが汚れる場合がある。
一方、エアー吸引を用いた分離搬送方法は、ローラやシートの摩擦係数に依存しない非摩擦分離方式ではあるが、エアー吸引ブロワやエアーダクトを必要とするため、装置が大型化すると共に、エアー吸引音が騒音となり、オフィスで使用する装置としては不向きのものである。
そこで、非摩擦分離方式の一種で、誘電体ベルトに電界を形成し、これをシートに接触させて吸着し、分離する静電吸着分離方式が提案されている(例えば、特許文献1)。静電吸着分離方式は、複数のローラに巻き掛けられた誘電体ベルトに交番電荷を付与し、誘電体ベルトを積載シート束に対して近接または接触させ、積載シート束の最上位シートを誘電体ベルトに吸着させる。その後、この誘電体ベルトを回転駆動させ誘電体ベルトに吸着した最上位シートを搬送する。静電吸着分離方式は、磨耗、シートの痛め、騒音の発生等がなく、しかも、装置の小型化を達成し得る点で優れている。
しかしながら、静電吸着分離方式においては、シート束の最上位シートと、2番目のシートとが重なって搬送されてしまう所謂重送が発生するおそれがあった。具体的に説明すると、最上位シートの後端が、誘電体ベルトに吸着して搬送されているとき、最上位シートの後端よりもシート搬送方向上流側の誘電体ベルトのシート束と対向する面は、2番目のシートと対向する。このとき、2番目のシートが、最上位シートの後端よりもシート搬送方向上流側の誘電体ベルトのシート束と対向する面に吸着してしまうおそれがある。2番目のシートが誘電体ベルトに吸着すると、最上位シートと重なって搬送され、重送が発生するのである。このため、従来の静電吸着分離方式においては、誘電体ベルトをシート束から接離させるための接離手段を設け、最上位シートを誘電体ベルトに吸着させた後、誘電体ベルトをシート束から離間させていた。しかしながら、この場合、誘電体ベルトに交番電荷を付与するための電極部材なども誘電体ベルトの接離動作に追随させる必要があり、装置が複雑化し、コスト高に繋がるという課題があった。
本発明は以上の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、簡単な構成で、重送を抑制することができるシート搬送装置、画像形成装置および誘電体ベルトを提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、複数積載されたシート束の上面に対向する位置に設けられ、表面移動する無端状の誘電体ベルトと、上記誘電体ベルト表面を帯電させる帯電手段とを備え、シート束の最上位シートを上記誘電体ベルトに静電吸着させ、上記誘電体ベルトの表面移動により上記最上位シートを搬送するシート搬送装置において、上記誘電体ベルトは、最上位シートを静電吸着させる静電吸着領域と、上記帯電手段による誘電体ベルト表面の帯電を抑制する帯電抑制手段を有し、上記静電吸着領域よりも静電吸着力が弱い静電吸着弱領域とを備えたことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1のシート搬送装置において、上記最上位シートの後端が上記誘電体ベルトに静電吸着して搬送されているとき、少なくともこの後端よりもシート移動方向上流側でシート束の2番目のシートの一部と対向する誘電体ベルトの面が、静電吸着弱領域となるよう誘電体ベルトの表面移動を制御する制御手段を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項2のシート搬送装置において、上記制御手段は、上記最上位シート搬送後、上記誘電体ベルトの静電吸着領域のベルト表面移動方向下流側端部が、所定の位置で停止するよう制御することを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項3のシート搬送装置において、上記所定の位置が、上記誘電体ベルトの上記シート束の上面に当接する当接領域のシート搬送方向上流側端部であることを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項4のシート搬送装置において、上記シート束の最上位シートが上記誘電体ベルトの静電吸着領域に吸着したとき、上記静電吸着領域の上記当接領域よりもベルト表面移動方向上流側の長さが、上記最上位シートの後端から上記当接領域のシート搬送方向上流側端部までの長さ以下となるよう、上記誘電体ベルトを配置したことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1乃至5いずれかのシート搬送装置において、上記誘電体ベルトの静電吸着弱領域は、上記誘電体ベルトの上記シート束の上面と当接する当接領域の長さ以上であることを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項1乃至6いずれかのシート搬送装置において、上記シート束の先端からシートを搬送する搬送ローラ対までの距離が、上記誘電体ベルトの静電吸着領域よりも短いことを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項1乃至7いずれかのシート搬送装置において、上記誘電体ベルトは、導体からなる内層と誘電体からなる外層とで構成され、上記帯電抑制手段として、静電吸着弱領域には、上記内層を設けないようにしたことを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項1乃至7いずれかのシート搬送装置において、上記帯電抑制手段として、静電吸着弱領域に孔部を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項1乃至7いずれかのシート搬送装置において、上記帯電抑制手段として、静電吸着弱領域に凸部を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項1乃至7いずれかのシート搬送装置において、上記帯電抑制手段として、静電吸着弱領域に凹部を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、シートに画像を形成する画像形成手段と、積載されたシート束から最上位シートを分離し、上記画像形成手段へシートを搬送するシート搬送手段とを備えた画像形成装置において、上記シート搬送手段として、請求項1乃至9いずれかのシート搬送装置を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、シート束の最上位シートを誘電体ベルトに静電吸着させ、上記誘電体ベルトの表面移動により上記最上位シートを搬送するシート搬送装置に用いられる誘電体ベルトにおいて、最上位シートを静電吸着させる静電吸着領域と、帯電手段による誘電体ベルト表面の帯電を抑制する帯電抑制手段を有し、上記静電吸着領域よりも静電吸着力が弱い静電吸着弱領域とを備えたことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1のシート搬送装置において、上記最上位シートの後端が上記誘電体ベルトに静電吸着して搬送されているとき、少なくともこの後端よりもシート移動方向上流側でシート束の2番目のシートの一部と対向する誘電体ベルトの面が、静電吸着弱領域となるよう誘電体ベルトの表面移動を制御する制御手段を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項2のシート搬送装置において、上記制御手段は、上記最上位シート搬送後、上記誘電体ベルトの静電吸着領域のベルト表面移動方向下流側端部が、所定の位置で停止するよう制御することを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項3のシート搬送装置において、上記所定の位置が、上記誘電体ベルトの上記シート束の上面に当接する当接領域のシート搬送方向上流側端部であることを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項4のシート搬送装置において、上記シート束の最上位シートが上記誘電体ベルトの静電吸着領域に吸着したとき、上記静電吸着領域の上記当接領域よりもベルト表面移動方向上流側の長さが、上記最上位シートの後端から上記当接領域のシート搬送方向上流側端部までの長さ以下となるよう、上記誘電体ベルトを配置したことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1乃至5いずれかのシート搬送装置において、上記誘電体ベルトの静電吸着弱領域は、上記誘電体ベルトの上記シート束の上面と当接する当接領域の長さ以上であることを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項1乃至6いずれかのシート搬送装置において、上記シート束の先端からシートを搬送する搬送ローラ対までの距離が、上記誘電体ベルトの静電吸着領域よりも短いことを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項1乃至7いずれかのシート搬送装置において、上記誘電体ベルトは、導体からなる内層と誘電体からなる外層とで構成され、上記帯電抑制手段として、静電吸着弱領域には、上記内層を設けないようにしたことを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項1乃至7いずれかのシート搬送装置において、上記帯電抑制手段として、静電吸着弱領域に孔部を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項1乃至7いずれかのシート搬送装置において、上記帯電抑制手段として、静電吸着弱領域に凸部を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項1乃至7いずれかのシート搬送装置において、上記帯電抑制手段として、静電吸着弱領域に凹部を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、シートに画像を形成する画像形成手段と、積載されたシート束から最上位シートを分離し、上記画像形成手段へシートを搬送するシート搬送手段とを備えた画像形成装置において、上記シート搬送手段として、請求項1乃至9いずれかのシート搬送装置を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、シート束の最上位シートを誘電体ベルトに静電吸着させ、上記誘電体ベルトの表面移動により上記最上位シートを搬送するシート搬送装置に用いられる誘電体ベルトにおいて、最上位シートを静電吸着させる静電吸着領域と、帯電手段による誘電体ベルト表面の帯電を抑制する帯電抑制手段を有し、上記静電吸着領域よりも静電吸着力が弱い静電吸着弱領域とを備えたことを特徴とするものである。
本発明によれば、誘電体ベルトに静電吸着領域よりも静電吸着力が弱い静電吸着弱領域を設けたので、次のように誘電体ベルトの表面移動を制御すれば、重送を抑制することができる。すなわち、最上位シートの後端が誘電体ベルトとの対向領域を抜けるとき、少なくともこの後端よりもシート移動方向上流側でシート束の2番目のシートの一部と対向する誘電体ベルトの面が、静電吸着弱領域となるよう誘電体ベルトの表面移動を制御するのである。このように、誘電体ベルトの表面移動を制御すれば、シート束の2番目のシートが誘電体ベルトに吸着して、最上位シートともに搬送されてしまうのを抑制でき、重送を抑制することができる。その結果、シート束から誘電体ベルトを接離させる接離手段を設けずとも、重送を抑制することができる。よって、上記接離手段を設けたものに比べて、装置を簡素化することができ、装置のコスト増大を抑えることができる。また、シート束の最上位シートを誘電体ベルトに吸着させたのち、誘電体ベルトをシート束から離間させる必要がないので、生産性を高めることも可能となる。
以下、本発明を、電子写真方式の画像形成装置である複写機に適用した一実施形態について説明する。
なお、本発明は、本実施形態の画像形成装置に限らず、例えばインクジェット方式の画像形成装置などにも適用することができることは言うまでもない。
なお、本発明は、本実施形態の画像形成装置に限らず、例えばインクジェット方式の画像形成装置などにも適用することができることは言うまでもない。
図1は、本実施形態に係る複写機10を示す模式図である。
この複写機10は、原稿トレイ11aに載置された原稿束から原稿を1枚ずつ分離して原稿読取部12上のコンタクトガラスに自動給紙する自動原稿搬送装置11と、自動原稿搬送装置11によってコンタクトガラス上に搬送された原稿を読み取る原稿読取部12と、給紙部13から給紙された記録材シート(シート材)に対して、原稿読取部12によって読み取った原稿画像に基づいて画像を形成する画像形成部14とを備えている。給紙部13は、複数枚のシートが積層されたシート束Sを収容していて、このシート束Sからその最上位に位置する最上位シートS1を画像形成部14に給紙する。なお、本実施形態では、画像形成部14と給紙部13とは分割可能となっている。
この複写機10は、原稿トレイ11aに載置された原稿束から原稿を1枚ずつ分離して原稿読取部12上のコンタクトガラスに自動給紙する自動原稿搬送装置11と、自動原稿搬送装置11によってコンタクトガラス上に搬送された原稿を読み取る原稿読取部12と、給紙部13から給紙された記録材シート(シート材)に対して、原稿読取部12によって読み取った原稿画像に基づいて画像を形成する画像形成部14とを備えている。給紙部13は、複数枚のシートが積層されたシート束Sを収容していて、このシート束Sからその最上位に位置する最上位シートS1を画像形成部14に給紙する。なお、本実施形態では、画像形成部14と給紙部13とは分割可能となっている。
画像形成部14は、主に、イエロー(以下「Y」と記載し、イエロー用の部材の符号には色別符号として「Y」を付す。シアン、マゼンタ、ブラックについても同様。)用の作像部23Y、C(シアン)用の作像部23C、M(マゼンタ)用の作像部23M、BK(ブラック)用の作像部23BKの4つの作像部と、中間転写材である中間転写ベルト24と、潜像形成手段としての露光装置25とから構成されている。
露光装置25は、パーソナルコンピュータ、ワードプロセッサ等から入力される色分解された画像データや、原稿読取部12によって読み取った原稿の画像データを、光源駆動用の信号に変換し、それに従い各レーザ光源ユニット内の半導体レーザを駆動して光ビームを出射するようになっている。
各作像部23Y,23C,23M,23BKは、それぞれ、回転駆動される潜像担持体としての感光体26Y,26C,26M,26BK、それぞれの感光体26Y,26C,26M,26BKの周囲に配置される帯電部27、現像部28、クリーニング部29等により構成されている。感光体26Y,26C,26M,26BKは、円筒状に形成された感光体ドラムであり、図示しない駆動源により回転駆動される。各帯電部27は、それぞれ対応する感光体26Y,26C,26M,26BKの表面を所定電位となるように一様帯電するものである。本実施形態の帯電部27は、帯電ローラ等の帯電部材を感光体26Y,26C,26M,26BKの表面に接触又は近接させて帯電処理する接触帯電方式のものを採用しているが、これに限られない。露光装置25から出射された破線で示す光ビームが帯電部27により一様帯電された各感光体26Y,26C,26M,26BKの表面にスポット照射されることにより、各感光体表面にはそれぞれの画像情報に応じた静電潜像が書き込まれる。各現像部28は、感光体26Y,26C,26M,26BK上の静電潜像にトナーを付着させることにより、その静電潜像をトナー像として顕像化させるもので、感光体26Y,26C,26M,26BKに対して非接触状態でトナーを供給する非接触現像方式のものが採用されている。各クリーニング部29は、感光体26Y,26C,26M,26BKの表面に付着している転写残トナー等の不要物を除去するもので、感光体表面にブラシを接触させてクリーニングするブラシ接触方式のものが採用されている。
中間転写ベルト24は、樹脂フィルムまたはゴムを基体として形成された無端状ベルトから構成されており、各感光体26Y,26C,26M,26BK上に形成された各色トナー像が互いに重なり合うように転写される。このように重なった中間転写ベルト24上の画像は、転写ローラ19によってシートS1に転写される。
画像が転写されたシートS1は、その後に定着器20に搬送され、熱と圧力によって画像がシートS1に定着される。その後、シートS1は、排紙ローラ対21により排紙トレイ22へ排出される。
画像が転写されたシートS1は、その後に定着器20に搬送され、熱と圧力によって画像がシートS1に定着される。その後、シートS1は、排紙ローラ対21により排紙トレイ22へ排出される。
図2は、給紙部13を示す模式図であり、図3は、給紙部13の要部斜視図である。
給紙部13は、複数枚のシートを積載して収容するシート材収容部としての給紙カセット15、給紙カセット15上の複数枚のシートからなるシート束Sから最上位に位置する最上位シートS1を分離して搬送するシート搬送装置30などを備えている。
給紙部13は、複数枚のシートを積載して収容するシート材収容部としての給紙カセット15、給紙カセット15上の複数枚のシートからなるシート束Sから最上位に位置する最上位シートS1を分離して搬送するシート搬送装置30などを備えている。
給紙カセット15は、積層された複数枚のシート束Sを積載する底板42を有している。給紙カセット15の底部には、底板42を支持する支持部材41が回動自在に取り付けられている。
底板42の移動は、以下のように行う。給紙カセット15には、シート束Sの最上位シートS1の位置を検知するシート位置検知手段65を有している。シート位置検知手段は、回転自在に構成され、シート束の最上位シートと常に当接する当接部材と、当接部材の回転角度を検知するセンサとで構成されている。底板42上昇前におけるシート束の最上位シートS1の位置を、シート位置検知手段で検知し、その検知結果に基づいて、最上位シートS1と誘電体ベルト31シート束対向面との高さの差を算出し、底板上昇量を求める。求められた底板上昇量に基づいて、支持部材41を不図示の駆動モータにより回動させ、底板42を上昇させることで、シート束の最上位シートを誘電体ベルトに当接させることができる。
また、底板42を上昇させていった際、シート束の最上位シートが誘電体ベルトに接触したと同時もしくは直前に最上位シートS1の上面を検知するようフィラーセンサを配置し、センサ反応と同時に底板上昇を停止することで、シート束の最上位シートを誘電体ベルト31に当接させることもできる。
また、底板42を上昇させていった際、シート束の最上位シートが誘電体ベルトに接触したと同時もしくは直前に最上位シートS1の上面を検知するようフィラーセンサを配置し、センサ反応と同時に底板上昇を停止することで、シート束の最上位シートを誘電体ベルト31に当接させることもできる。
シート搬送装置30は、図3に示すように、給紙カセット15のシート搬送方向において、中央部よりも上流側に配置されている。シート搬送装置30は、駆動ローラ32と従動ローラ33とに巻掛けられた無端状の誘電体ベルト31を備えている。図2に示すように、誘電体ベルト31の従動ローラ33に巻き回された位置には、誘電体ベルト31の表面を帯電させるための帯電手段としての電極部材34が当接している。なお、本実施形態では、ブレード状の電極部材を用いているが、ローラ状、ブラシ状の電極部材を用いてもよい。電極部材34は、交流を発生する帯電電源38に接続されている。電極部材34に印加する電圧は、直流を高低交互の電位に変化させたものでもよく、矩形波、正弦波などでもよい。本実施形態では、4KVの振幅を持った矩形波を印加している。
駆動ローラ32および従動ローラ33はいずれも接地されている。駆動ローラ32の径は、誘電体ベルト31から最上位シートS1を、その駆動ローラ32に巻き付いたベルト部分の曲率により分離するのに適した小さな径をもつように設定となっている。すなわち、駆動ローラ32の径を小さく設定して曲率を大きくすることにより、誘電体ベルト31に吸着されて分離搬送された最上位シートS1が、駆動ローラ32に巻回された部分で誘電体ベルト31の表面から離れることができるようになっている。
誘電体ベルト31のシート束Sの最上位シートS1と対向する面は、最上位シートS1と水平となっている。誘電体ベルト31の張りは誘電体ベルト31と駆動ローラ32とが空回りしない程度に、誘電体ベルト31のシート束Sの最上位シートS1と対向する面が弛められている。このように、誘電体ベルト31のシート束Sの最上位シートS1と対向する面を弛めることで、シート束の最上位シートに波打ちがあった場合、誘電体ベルト31を最上位シートS1の波打ちに追随させることができ、誘電体ベルト31と最上位シートS1との接触面積を確保することができる。その結果、最上位シートに波打ちがあっても、最上位シートを良好に誘電体ベルトに吸着させることができる。
また、図3に示すように、誘電体ベルト31内周面における両側端縁の内側には寄止め用のリブ35が設けられており、駆動ローラ32および従動ローラ33には、このリブと係合する不図示の係合溝が設けられている。リブ35が、駆動ローラ32および従動ローラ33の不図示の係合溝と係合することによって、誘電体ベルト31の寄りを防止することができる。
最上位シートS1が誘電体ベルト31に吸着して、搬送されているとき、2番目のシートに誘電体ベルトの不平等電界の影響が及んだとしても、2番目のシートは、誘電体ベルト31との距離が遠いため吸着力が弱い。このため、誘電体ベルトに吸着して誘電体ベルト31とともに搬送される力よりも、2番目のシートと3番目のシートとの静止摩擦力の方が勝り、2番目のシートが最上位のシートとともに搬送されることはないので、重送が発生することはない。しかし、最上位シートS1の後端が誘電体ベルト31に吸着して搬送され、最上位シートS1の後端よりもシート搬送方向上流側の誘電体ベルト31が、2番目のシートと対向したとき、2番目のシートが誘電体ベルト31の電界の影響により持ち上げられ、誘電体ベルト31に吸着するおそれがある。このとき、2番目のシートと3番目のシートとは、離間してしまうため、2番目のシートと3番目のシートとの間で摩擦力が働かない。その結果、2番目のシートが、誘電体ベルト31の吸着力により搬送されてしまい、重送が発生してしまう。
そこで、本実施形態の誘電体ベルト31には、電極部材34により誘電体ベルト31に交番電荷を付与すると、誘電体ベルト31にシートが吸着する静電吸着領域と、上記静電吸着領域よりも静電吸着力が弱い静電吸着弱領域とが形成されるように構成し、誘電体ベルト31が最上位シートの後端を搬送中に、誘電体ベルトの最上位シートの後端よりもシート搬送方向上流側が静電吸着弱領域となるよう、駆動制御する。
そこで、本実施形態の誘電体ベルト31には、電極部材34により誘電体ベルト31に交番電荷を付与すると、誘電体ベルト31にシートが吸着する静電吸着領域と、上記静電吸着領域よりも静電吸着力が弱い静電吸着弱領域とが形成されるように構成し、誘電体ベルト31が最上位シートの後端を搬送中に、誘電体ベルトの最上位シートの後端よりもシート搬送方向上流側が静電吸着弱領域となるよう、駆動制御する。
図4は、静電吸着領域と、静電吸着弱領域とが形成される誘電体ベルト31の第1の例を示す図である。
図に示すように、誘電体ベルト31は、導電体からなる内層31bと誘電体からなる外層31aとで構成されているが、静電吸着弱領域となる領域を、上記内層31bを設けずに誘電体の外層31aのみにしたものである。導電体たる内層31bは、駆動ローラ32、従動ローラ33を介して接地されている。電極部材34により内層31bと外層31aとを有する領域の表面に交番電荷が付与され、外層31aが分極すると、内層31bが、外層31aの内側の帯電電位と反対極性に帯電する。これにより、外層31aと内層31bとを有する領域は、表面の交番電荷が安定的に維持される。一方、誘電体の層31aのみからなる領域は、上述のような分極が安定的に維持されず、表面の電荷が減少していく。その結果、外層31aのみの領域は、静電吸着力が弱くなり、シートを吸着することができない静電吸着弱領域となる。すなわち、この図4の構成は、外層31aのみの領域を設けることにより、誘電体ベルト31の表面の帯電が抑制され、静電吸着弱領域が形成されるのである。つまり、誘電体ベルトに外層31aのみにすることが、帯電抑制手段となる。
図に示すように、誘電体ベルト31は、導電体からなる内層31bと誘電体からなる外層31aとで構成されているが、静電吸着弱領域となる領域を、上記内層31bを設けずに誘電体の外層31aのみにしたものである。導電体たる内層31bは、駆動ローラ32、従動ローラ33を介して接地されている。電極部材34により内層31bと外層31aとを有する領域の表面に交番電荷が付与され、外層31aが分極すると、内層31bが、外層31aの内側の帯電電位と反対極性に帯電する。これにより、外層31aと内層31bとを有する領域は、表面の交番電荷が安定的に維持される。一方、誘電体の層31aのみからなる領域は、上述のような分極が安定的に維持されず、表面の電荷が減少していく。その結果、外層31aのみの領域は、静電吸着力が弱くなり、シートを吸着することができない静電吸着弱領域となる。すなわち、この図4の構成は、外層31aのみの領域を設けることにより、誘電体ベルト31の表面の帯電が抑制され、静電吸着弱領域が形成されるのである。つまり、誘電体ベルトに外層31aのみにすることが、帯電抑制手段となる。
図5は、静電吸着領域と、静電吸着弱領域とが形成される誘電体ベルト31の第2の例を示す図である。
図に示すように、この第2の例の誘電体ベルト31は、導電体からなる内層31bと、誘電体からなる外層31aとで構成されており、ベルトを貫通する複数の孔部31cを設けた領域と、孔部31cを有さない領域とを有するものである。この第2例の誘電体ベルト31においては、孔部31cには、電荷が付与されないため、結果的に孔部の設けられた領域の表面の帯電量が、孔部が形成されていない領域に比べて減り、孔部が形成された領域の静電吸着力が弱くなる。その結果、孔部が形成された領域を、静電吸着弱領域にすることができる。すなわち、この第2例においては、孔部31cが、帯電抑制手段として機能する。
図に示すように、この第2の例の誘電体ベルト31は、導電体からなる内層31bと、誘電体からなる外層31aとで構成されており、ベルトを貫通する複数の孔部31cを設けた領域と、孔部31cを有さない領域とを有するものである。この第2例の誘電体ベルト31においては、孔部31cには、電荷が付与されないため、結果的に孔部の設けられた領域の表面の帯電量が、孔部が形成されていない領域に比べて減り、孔部が形成された領域の静電吸着力が弱くなる。その結果、孔部が形成された領域を、静電吸着弱領域にすることができる。すなわち、この第2例においては、孔部31cが、帯電抑制手段として機能する。
図6は、静電吸着領域と、静電吸着弱領域とが形成される誘電体ベルト31の第3の例を示す図である。
この第3の例の誘電体ベルト31も、導電体からなる内層31bと、誘電体からなる外層31aとで構成されている。そして、誘導体ベルトに凸部31dが形成された領域と、凸部31dが形成されていない領域とを設けたものである。この第3例の誘電体ベルト31においては、凸部31dが形成された領域においては、凸部31dのみが、電極部材34と接触するため、凸部31dにのみ電荷が付与されることになる。その結果、凸部31dが形成された領域の帯電量が、凸部31dを有していない領域に比べて減少し、凸部31dが形成された領域の静電吸着力が弱くなる。その結果、凸部31dが形成された領域を、静電吸着弱領域にすることができる。また、上記では凸部31dを形成したが、図7に示すように、誘電体ベルト31に凹部31eを設けた構成でも、上述と同様な作用により、静電吸着弱領域にすることができる。すなわち、図6、図7に示した誘電体ベルト31においては、凸部31dや凹部31eが、表面の帯電を抑制する帯電抑制手段として機能する。
この第3の例の誘電体ベルト31も、導電体からなる内層31bと、誘電体からなる外層31aとで構成されている。そして、誘導体ベルトに凸部31dが形成された領域と、凸部31dが形成されていない領域とを設けたものである。この第3例の誘電体ベルト31においては、凸部31dが形成された領域においては、凸部31dのみが、電極部材34と接触するため、凸部31dにのみ電荷が付与されることになる。その結果、凸部31dが形成された領域の帯電量が、凸部31dを有していない領域に比べて減少し、凸部31dが形成された領域の静電吸着力が弱くなる。その結果、凸部31dが形成された領域を、静電吸着弱領域にすることができる。また、上記では凸部31dを形成したが、図7に示すように、誘電体ベルト31に凹部31eを設けた構成でも、上述と同様な作用により、静電吸着弱領域にすることができる。すなわち、図6、図7に示した誘電体ベルト31においては、凸部31dや凹部31eが、表面の帯電を抑制する帯電抑制手段として機能する。
また、本実施形態の誘電体ベルト31を駆動するベルト駆動装置は、最上位シートS1搬送後、ベルトが所定の位置で停止するよう制御している。
図8は、ベルト駆動装置のブロック図である。
ベルト駆動制御装置は、駆動源たる駆動モータ54と、制御手段たる制御部53とを備えている。また、ベルト駆動装置は、誘電体ベルト31に設けられたホームポジションマーク51を検知するベルトマーク検知センサ52を有している。ホームポジションマーク51は、反射部材で構成されており、シートの搬送に影響を与えないようにベルト内周面の任意の位置に貼り付けられている。ベルトマーク検知センサ52は、反射型フォトセンサであり、ホームポジションマーク51の通過を検出してパルスが出力される。ベルトマーク検知センサ52から出力されたパルスは、制御部53に送られる。制御部53は、ベルトマーク検知センサからの出力に基づいて、図9(a)に示すように、静電吸着領域の先端(静電吸着領域のベルト移動方向下流側端部)が、シート束の上面に接触する位置で停止するよう、駆動モータ54の制御を行う。例えば、図9(a)に示すように静電吸着領域の先端が、シート束の上面に接触する位置にくると、ホームポジションマーク51がベルトマーク検知センサ52により検知されるよう、ホームポジションマーク51を設ける。制御部53は、ベルトマーク検知センサ52からの出力が検知されたら、駆動モータ54の駆動を停止する。
図8は、ベルト駆動装置のブロック図である。
ベルト駆動制御装置は、駆動源たる駆動モータ54と、制御手段たる制御部53とを備えている。また、ベルト駆動装置は、誘電体ベルト31に設けられたホームポジションマーク51を検知するベルトマーク検知センサ52を有している。ホームポジションマーク51は、反射部材で構成されており、シートの搬送に影響を与えないようにベルト内周面の任意の位置に貼り付けられている。ベルトマーク検知センサ52は、反射型フォトセンサであり、ホームポジションマーク51の通過を検出してパルスが出力される。ベルトマーク検知センサ52から出力されたパルスは、制御部53に送られる。制御部53は、ベルトマーク検知センサからの出力に基づいて、図9(a)に示すように、静電吸着領域の先端(静電吸着領域のベルト移動方向下流側端部)が、シート束の上面に接触する位置で停止するよう、駆動モータ54の制御を行う。例えば、図9(a)に示すように静電吸着領域の先端が、シート束の上面に接触する位置にくると、ホームポジションマーク51がベルトマーク検知センサ52により検知されるよう、ホームポジションマーク51を設ける。制御部53は、ベルトマーク検知センサ52からの出力が検知されたら、駆動モータ54の駆動を停止する。
次に、本実施形態のシート搬送装置30を用いたシート搬送動作について図9を用いて説明する。
まず、給紙信号が入ると、駆動ローラ32を回転駆動し、誘電体ベルト31を無端移動させる。次に、無端移動する誘電体ベルト31に電極部材34を介して帯電電源38より交番電圧を印加し、誘電体ベルト31の表面に交流電源周波数と誘電体ベルト31の周動速度に応じたピッチ(ピッチは4mm〜16mm程度とするのがよい)で交番する電荷パターンを形成する。すると、誘電体ベルト31は、シートを吸着することのできる静電吸着領域Aと、静電吸着弱領域Bとが形成される。誘電体ベルト31への帯電完了後、制御部53は、ベルトマーク検知センサ52からの出力に基づいて、図9(a)に示すように、静電吸着領域Aの先端が、シート束の上面に接触する位置にきた時点で、駆動モータ54の駆動を停止する。
まず、給紙信号が入ると、駆動ローラ32を回転駆動し、誘電体ベルト31を無端移動させる。次に、無端移動する誘電体ベルト31に電極部材34を介して帯電電源38より交番電圧を印加し、誘電体ベルト31の表面に交流電源周波数と誘電体ベルト31の周動速度に応じたピッチ(ピッチは4mm〜16mm程度とするのがよい)で交番する電荷パターンを形成する。すると、誘電体ベルト31は、シートを吸着することのできる静電吸着領域Aと、静電吸着弱領域Bとが形成される。誘電体ベルト31への帯電完了後、制御部53は、ベルトマーク検知センサ52からの出力に基づいて、図9(a)に示すように、静電吸着領域Aの先端が、シート束の上面に接触する位置にきた時点で、駆動モータ54の駆動を停止する。
次に、支持部材41を回転駆動させ、給紙カセット15の最下位置に自由状態にて待機していた底板42を上昇させ、誘電体ベルト31にシート束の最上位シートS1が接触するタイミングで底板42の上昇を停止する(図9(a)参照)。誘電体ベルト31にシート束の最上位シートS1が接触したら、駆動ローラ32を回転駆動し、誘電体ベルト31を無端移動させる。回転開始直後は、誘電体ベルト31の非静電領域Bが接触しているため、シート束の最上位シートS1は、誘電体ベルト31に吸着せず、誘電体ベルト31が空回りする。ある程度誘電体ベルト31回転して、静電吸着領域Aと最上位シートS1とが接触すると、誘電体ベルト31の静電吸着領域の表面の電荷パターンにより形成される不平等電界により、誘電体である最上位シートS1にMaxwellの応力が働き、最上位シートS1のみが誘電体ベルト31に吸着して搬送される(図9(b)参照)。誘電体ベルト31に吸着して搬送された最上位シートS1は、搬送ローラ対39へ移動し、搬送ローラ39により画像形成部へ搬送される(図9(c)参照)。
図9(a)に示すように、シート束の先端から搬送ローラ対39までの距離aは、誘電体ベルト31の静電吸着領域Aよりも短いため、図9(c)のように、誘電体ベルト31の静電吸着弱領域Bがシート束と対向する前に、最上位シートS1が搬送ローラ対39により搬送される。また、搬送ローラ対39と誘電体ベルト31の線速は同一にされており、搬送ローラ対39がタイミングを取って間欠駆動されているような場合は、誘導体ベルト31も間欠駆動されるように制御される。
図9(b)に示すように、最上位シートS1が誘電体ベルト31に吸着したとき、誘電体ベルト31のシート束の上面と当接する当接領域Cのシート搬送方向上流側端部から最上位シートS1の後端までの長さEと、このときの誘電体ベルト静電吸着領域Aの当接領域Cのシート搬送方向上流側端部よりもベルト移動方方向上流側の長さDが、ほぼ同等となっている。これにより、図9(c)に示すように、誘電体ベルト31の静電吸着領域Aの後端(ベルト移動方向上流側端部)に最上位シートの後端が吸着する。よって、最上位シートS1の後端が誘導体ベルト31に吸着して搬送されているとき、誘電体ベルト31の当接領域Cにおける最上位シートの後端よりもシート搬送方向上流側は、静電吸着弱領域Bにすることができる。また、図9(a)に示すように、静電吸着弱領域Bは、誘電体ベルト31の当接領域Cよりも長いので、最上位シートSの後端が、誘電体ベルト31から離れるまで、当接領域Cの最上位シートS1の後端よりもシート搬送方向上流側を静電吸着弱領域Bにできる。その結果、シート束の2番目のシートが誘電体ベルト31に吸着することはなく、重送を抑制することができる。そして、最上位シートS1がシート位置検知手段65を抜けると、底板42が上昇し、2番目のシートが誘電体ベルト31と接触する(図9(d)参照)。その後、図9(a)の状態となるまで、誘電体ベルト31が回転するが、このとき、誘電体ベルト31の静電吸着弱領域Bがシートと接触しているので、誘電体ベルト31が空回りして、シートは搬送されてしまうことがない。よって、意図しないシートの連送りが発生することもない。そして、誘電体ベルト31の静電吸着領域Aの先端が図9(a)に示す位置に到達したら、誘電体ベルト31の駆動を停止する。
本実施形態においては、シート束の最上位シートS1を搬送する毎に底板42を上昇させているが、複数枚シートを搬送したのち、底板42を上昇させるようにしてもよい。
本実施形態においては、シート束の最上位シートS1を搬送する毎に底板42を上昇させているが、複数枚シートを搬送したのち、底板42を上昇させるようにしてもよい。
本実施形態においては、誘電体ベルト31を給紙カセット15のシート搬送方向において、中央部よりも上流側に配置しているが、誘電体ベルト31をシートの先端側に配置してもよい。この場合、誘電体ベルト31が一周して図9(a)の位置にきたとき、最上位シートの後端が誘電体ベルト31を抜けていなくても、誘電体ベルト31の駆動を停止する。誘電体ベルト31の駆動を停止しても、最上位シートは、搬送ローラ対39により搬送されるので問題ない。また、このとき誘電体ベルト31の静電吸着弱領域がシートと対向しているので、シートは、誘電体ベルトに吸着することなく搬送される。
以上、本実施形態のシート搬送装置30によれば、複数積載されたシート束Sの上面に対向する位置に設けられ、表面移動する無端状の誘電体ベルト31と、誘電体ベルト31の表面を帯電させる帯電手段たる電極部材34とを備え、シート束の最上位シートS1を誘電体ベルト31に静電吸着させ、誘電体ベルト31の表面移動により最上位シートを搬送する。誘電体ベルト31は、最上位シートS1を静電吸着させる静電吸着領域と、電極部材34による帯電を抑制する帯電抑制手段を有し、静電吸着領域よりも静電吸着力が弱い静電吸着弱領域とを備えた。
そして、最上位シートを誘電体ベルト31に吸着させて搬送するときは、誘電体ベルト31の静電吸着領域をシート束Sの上面に対向させ、最上位シートS1の後端が抜けて、誘電体ベルト31がシート束Sの2番目のシートと対向するとき、静電吸着弱領域が2番目のシート対向するよう誘電体ベルトの表面移動を制御する。
具体的には、上記最上位シート搬送後、上記誘電体ベルトの静電吸着領域のベルト表面移動方向下流側端部を、上記誘電体ベルトの上記シート束の上面に当接する当接領域Cのシート搬送方向上流側端部で停止するよう制御する。また、シート束の最上位シートS1が誘電体ベルト31の静電吸着領域Aに吸着したとき、静電吸着領域Aの当接領域Cよりもベルト表面移動方向上流側の長さが、最上位シートS1の後端から当接領域Cのシート搬送方向上流側端部までの長さ以下となるよう、誘電体ベルト31を配置するのである。これにより、上述したように、接離手段を設けて、最上位シート搬送時にシート束から誘電体ベルトを離間させなくても、重送を抑制することができる。その結果、接離手段を設ける場合に比べて、装置を安価にすることができる。
また、誘電体ベルト31の静電吸着弱領域を、誘電体ベルト31のシート束の上面と当接する当接領域Cの長さ以上にすることで、最上位シートSの後端が、誘電体ベルト31から離れるまで、当接領域Cの最上位シートS1の後端よりもシート搬送方向上流側を静電吸着弱領域Bにできる。これにより、重送をより一層抑制することができる。
また、本実施形態によれば、シート束Sの先端からシートを搬送する搬送ローラ対までの距離が、誘電体ベルト31の静電吸着領域Aよりも短くすることで、誘電体ベルト31の静電吸着弱領域Bがシートと接触して、シートに静電吸着力が生じなくなる前に、搬送ローラ対によりシートを搬送することができる。
また、誘電体ベルト31は、導体からなる内層と誘電体からなる外層とで構成され、静電吸着弱領域には、内層を設けないようにすることで、静電吸着弱領域の電荷量を減少させる。帯電電極34による交番電荷付与後、内層を設けていない領域においては、表面の電荷が減少し、帯電量が減少する。その結果、内層を設けていない領域の静電吸着力が低下し、内層を設けていない領域を静電吸着弱領域にすることができる。
また、静電吸着弱領域に孔部を設けて、静電吸着弱領域の帯電量を減少させてもよい。この場合は、孔部には電極部材から電荷が付与されないので、孔部を設けた領域の表面の帯電量が、孔部を有していない領域に比べて減少する。これにより、孔部を設けた領域の静電吸着力が低下し、孔部を設けた領域を静電吸着弱領域にすることができる。
上記帯電抑制手段として、静電吸着弱領域に凸部を設けた構成でもよい。この場合は、凸部にのみ電極部材34から電荷が付与されることになるので、凸部を設けた領域の帯電量が、凸部を形成していない領域の帯電量よりも減少し、静電吸着力が低下する。その結果、凸部を設けた領域を静電吸着弱領域にすることができる。
また、帯電抑制手段として、静電吸着弱領域に凹部を設けてもよい。この場合は、凹部に電極部材34が接触しないので、凹部には電荷が付与されない。その結果、凹部を設けた領域においては、帯電量が減少する。よって、凹部を設けた領域の静電吸着力が低下し、内層を設けていない領域を静電吸着弱領域にすることができる。
また、画像形成装置に上述のシート搬送装置30を設けることにより、シート搬送不良を抑制できる。
10:複写機
13:給紙部
14:画像形成部
15:給紙カセット
30:シート搬送装置
31a:外層
31b:内層
31c:孔部
31d:凸部
31e:凹部
31:誘電体ベルト
32:駆動ローラ
33:従動ローラ
34:電極部材
35:リブ
38:帯電電源
39:搬送ローラ対
41:支持部材
42:底板
51:ホームポジションマーク
52:ベルトマーク検知センサ
53:制御部
54:駆動モータ
65:シート位置検知手段
A:静電吸着領域
B:静電吸着弱領域
S:シート束
S1:最上位シート
13:給紙部
14:画像形成部
15:給紙カセット
30:シート搬送装置
31a:外層
31b:内層
31c:孔部
31d:凸部
31e:凹部
31:誘電体ベルト
32:駆動ローラ
33:従動ローラ
34:電極部材
35:リブ
38:帯電電源
39:搬送ローラ対
41:支持部材
42:底板
51:ホームポジションマーク
52:ベルトマーク検知センサ
53:制御部
54:駆動モータ
65:シート位置検知手段
A:静電吸着領域
B:静電吸着弱領域
S:シート束
S1:最上位シート
Claims (13)
- 複数積載されたシート束の上面に対向する位置に設けられ、表面移動する無端状の誘電体ベルトと、
上記誘電体ベルト表面を帯電させる帯電手段とを備え、
シート束の最上位シートを上記誘電体ベルトに静電吸着させ、上記誘電体ベルトの表面移動により上記最上位シートを搬送するシート搬送装置において、
上記誘電体ベルトは、最上位シートを静電吸着させる静電吸着領域と、上記帯電手段による誘電体ベルト表面の帯電を抑制する帯電抑制手段を有し、上記静電吸着領域よりも静電吸着力が弱い静電吸着弱領域とを備えたことを特徴とするシート搬送装置。 - 請求項1のシート搬送装置において、
上記最上位シートの後端が上記誘電体ベルトに静電吸着して搬送されているとき、少なくともこの後端よりもシート移動方向上流側でシート束の2番目のシートの一部と対向する誘電体ベルトの面が、静電吸着弱領域となるよう誘電体ベルトの表面移動を制御する制御手段を設けたことを特徴とするシート搬送装置。 - 請求項2のシート搬送装置において、
上記制御手段は、上記最上位シート搬送後、上記誘電体ベルトの静電吸着領域のベルト表面移動方向下流側端部が、所定の位置で停止するよう制御することを特徴とするシート搬送装置。 - 請求項3のシート搬送装置において、
上記所定の位置が、上記誘電体ベルトの上記シート束の上面に当接する当接領域のシート搬送方向上流側端部であることを特徴とするシート搬送装置。 - 請求項4のシート搬送装置において、
上記シート束の最上位シートが上記誘電体ベルトの静電吸着領域に吸着したとき、上記静電吸着領域の上記当接領域よりもベルト表面移動方向上流側の長さが、上記最上位シートの後端から上記当接領域のシート搬送方向上流側端部までの長さ以下となるよう、上記誘電体ベルトを配置したことを特徴とするシート搬送装置。 - 請求項1乃至5いずれかのシート搬送装置において、
上記誘電体ベルトの静電吸着弱領域は、上記誘電体ベルトの上記シート束の上面と当接する当接領域の長さ以上であることを特徴とするシート搬送装置。 - 請求項1乃至6いずれかのシート搬送装置において、
上記シート束の先端からシートを搬送する搬送ローラ対までの距離が、上記誘電体ベルトの静電吸着領域よりも短いことを特徴とするシート搬送装置。 - 請求項1乃至7いずれかのシート搬送装置において、
上記誘電体ベルトは、導体からなる内層と誘電体からなる外層とで構成され、
上記帯電抑制手段として、静電吸着弱領域には、上記内層を設けないようにしたことを特徴とするシート搬送装置。 - 請求項1乃至7いずれかのシート搬送装置において、
上記帯電抑制手段として、静電吸着弱領域に孔部を設けたことを特徴とするシート搬送装置。 - 請求項1乃至7いずれかのシート搬送装置において、
上記帯電抑制手段として、静電吸着弱領域に凸部を設けたことを特徴とするシート搬送装置。 - 請求項1乃至7いずれかのシート搬送装置において、
上記帯電抑制手段として、静電吸着弱領域に凹部を設けたことを特徴とするシート搬送装置。 - シートに画像を形成する画像形成手段と、積載されたシート束から最上位シートを分離し、上記画像形成手段へシートを搬送するシート搬送手段とを備えた画像形成装置において、
上記シート搬送手段として、請求項1乃至9いずれかのシート搬送装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。 - シート束の最上位シートを誘電体ベルトに静電吸着させ、上記誘電体ベルトの表面移動により上記最上位シートを搬送するシート搬送装置に用いられる誘電体ベルトにおいて、
最上位シートを静電吸着させる静電吸着領域と、帯電手段による誘電体ベルト表面の帯電を抑制する帯電抑制手段を有し、上記静電吸着領域よりも静電吸着力が弱い静電吸着弱領域とを備えたことを特徴とする誘電体ベルト。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010203531A JP2012056744A (ja) | 2010-09-10 | 2010-09-10 | シート搬送装置、画像形成装置および誘電体ベルト |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010203531A JP2012056744A (ja) | 2010-09-10 | 2010-09-10 | シート搬送装置、画像形成装置および誘電体ベルト |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012056744A true JP2012056744A (ja) | 2012-03-22 |
Family
ID=46054299
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010203531A Withdrawn JP2012056744A (ja) | 2010-09-10 | 2010-09-10 | シート搬送装置、画像形成装置および誘電体ベルト |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2012056744A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013249154A (ja) * | 2012-05-31 | 2013-12-12 | Ricoh Co Ltd | シート搬送装置、画像形成装置 |
-
2010
- 2010-09-10 JP JP2010203531A patent/JP2012056744A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013249154A (ja) * | 2012-05-31 | 2013-12-12 | Ricoh Co Ltd | シート搬送装置、画像形成装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5545543B2 (ja) | シート搬送装置および画像形成装置 | |
JP5532392B2 (ja) | シート材給送装置及びこれを備えた画像形成装置 | |
US8424865B2 (en) | Sheet feeding device and image forming apparatus incorporating same | |
JP2014047005A (ja) | シート分離搬送装置、及び画像形成装置 | |
JP5691525B2 (ja) | シート分離給紙装置およびこれを備えた画像形成装置 | |
WO2014167974A1 (ja) | シート給送装置及び画像形成装置 | |
JP5753863B2 (ja) | シート搬送装置、およびこれを備えた画像読取装置、画像形成装置 | |
US8302953B2 (en) | Image forming apparatus | |
JP5333010B2 (ja) | シート分離給紙装置および画像形成装置 | |
JP5429621B2 (ja) | シート材給送装置及びこれを備えた画像形成装置 | |
JP5375326B2 (ja) | シート分離給紙装置および画像形成装置 | |
JP5348554B2 (ja) | シート材給送装置及びこれを備えた画像形成装置 | |
JP2012056744A (ja) | シート搬送装置、画像形成装置および誘電体ベルト | |
JP5163425B2 (ja) | 給紙装置、給紙ユニット及び画像形成装置 | |
JP6044187B2 (ja) | シート分離搬送装置、および画像形成装置 | |
JP5958789B2 (ja) | シート給送装置及び画像形成装置 | |
JP6086312B2 (ja) | シート搬送装置及びこれを用いた画像形成装置 | |
JP5429634B2 (ja) | シート搬送装置および画像形成装置 | |
JP2011042428A (ja) | シート材分離給送装置および画像形成装置 | |
JP5988152B2 (ja) | シート材給送装置及びこれを用いた画像形成装置 | |
JP2014047006A (ja) | シート分離搬送装置、および画像形成装置 | |
JP2012056743A (ja) | シート搬送装置および画像形成装置 | |
JP2015078045A (ja) | シート材給送装置、画像形成装置 | |
JP2016145105A (ja) | シート搬送装置および画像形成装置 | |
JP2011057444A (ja) | シート材給送装置及びこれを備えた画像形成装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20131203 |