JP2012054527A - 半導体レーザ装置、半導体レーザ装置の製造方法および光装置 - Google Patents

半導体レーザ装置、半導体レーザ装置の製造方法および光装置 Download PDF

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Nobuhiko Hayashi
伸彦 林
Hideki Yoshikawa
秀樹 吉川
Keiichi Kuramoto
慶一 蔵本
Yasuhiko Nomura
康彦 野村
Takenori Goto
壮謙 後藤
Yoshihisa Okayama
芳央 岡山
Seiichi Tokunaga
誠一 徳永
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Abstract

【課題】製造プロセスが複雑になることが抑制され、かつ、半導体レーザ素子が劣化することを抑制することが可能な半導体レーザ装置を提供する。
【解決手段】この半導体レーザ装置100は、青紫色半導体レーザ素子20と、青紫色半導体レーザ素子20を封止するパッケージ90とを備える。パッケージ90は、青紫色半導体レーザ素子20が取り付けられるベース部10と、青紫色半導体レーザ素子20をベース部10とともに封止する封止用部材30と、青紫色半導体レーザ素子20から出射された光を外部に透過する光透過部35とを含む。そして、ベース部10、封止用部材30および光透過部35は、互いに、エチレン−ポリビニルアルコール共重合体からなる封止剤15を介して接合されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、半導体レーザ装置、半導体レーザ装置の製造方法および光装置に関し、特に、半導体レーザ素子を封止するパッケージを備えた半導体レーザ装置、半導体レーザ装置の製造方法およびこれを用いた光装置に関する。
従来、半導体レーザ素子は、光ディスクシステムや光通信システムなどの光源として広く用いられている。たとえば、約780nmの波長のレーザ光を出射する赤外半導体レーザ素子は、CDの再生用の光源として実用化されているとともに、約650nmの波長のレーザ光を出射する赤色半導体レーザ素子は、DVDの記録・再生用の光源として実用化されている。また、約405nmの波長のレーザ光を出射する青紫色半導体レーザ素子は、ブルーレイディスクの光源として実用化されている。
このような光源装置を実現するために、従来、半導体レーザ素子を封止するパッケージを備えた半導体レーザ装置が知られている(たとえば、特許文献1〜3参照)。
上記特許文献1には、フランジ面が形成された樹脂成型品からなるヘッダと、ヘッダに取り付けられた半導体レーザ素子と、半導体レーザ素子の周囲を覆う樹脂製の透明キャップとを備えた半導体レーザのプラスチックモールド装置が開示されている。このプラスチックモールド装置では、透明キャップの開口縁部をエポキシ樹脂系材料を含有する接着剤を介してヘッダのフランジ面に接合することにより、半導体レーザ素子が気密封止されている。
また、上記特許文献2には、樹脂成型品からなるヘッダと、ヘッダの素子設置部に取り付けられた半導体レーザ素子と、断面がL字形状に形成された樹脂製の透明キャップ(蓋部材)とを備えた半導体レーザ装置が開示されている。この半導体レーザ装置では、透明キャップの外縁部を光硬化性接着剤などを介してヘッダの素子設置部に接合することにより、半導体レーザ素子が気密封止されている。
また、上記特許文献3には、金属材料からなる基板と、基板の上面上に取り付けられた面発光レーザ素子と、金属系材料を主材として構成され、レーザ光源の周囲の空間を封止するパッケージ部材(封止用部材)とを備えた光モジュールが開示されている。この光モジュールでは、パッケージ部材の開口縁部を接合膜を介して基板の上面に接合することにより、面発光レーザ素子が気密封止されている。なお、接合膜は、たとえば、インジムウ錫酸化物(ITO)やインジムウ亜鉛酸化物(IZO)やアンチモン錫酸化物(ATO)などの金属酸化物に脱離基として水素原子などを導入する特殊な製造プロセスにより成膜される。
特開平9−205251号公報 特開平10−209551号公報 特開2009−135347号公報
しかしながら、上記特許文献1および2に開示された半導体装置では、ヘッダと透明キャップとの接合にエポキシ樹脂系接着剤または光硬化性接着剤などが用いられている。これらの接着剤は、特に硬化前の状態において、有機ガスなどの揮発性のガス成分を多く含んでいる場合には、接合後には上記揮発性のガスがパッケージ内に充満する虞がある。この場合、特に青紫色半導体レーザ素子が封止されている場合には、揮発性のガスが、発振波長が短く高エネルギーのレーザ光により励起・分解されることに起因して、半導体レーザ素子のレーザ出射端面に付着物が形成されやすい。この場合、付着物によってレーザ光が吸収されるので、レーザ出射端面の温度が上昇しやすい。その結果、半導体レーザ素子が劣化するという問題点がある。
また、上記特許文献3に開示された光モジュール(半導体装置)では、脱離基を有する金属酸化物からなる接合膜を所定の製造プロセスにより成膜した後に、この接合膜を用いてパッケージと基板とを接合するため、製造プロセスが複雑になるという問題点がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、製造プロセスが複雑になることが抑制され、かつ、半導体レーザ素子が劣化することを抑制することが可能な半導体レーザ装置および光装置を提供することである。
課題を解決するための手段および発明の効果
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面による半導体レーザ装置は、半導体レーザ素子と、半導体レーザ素子を封止するパッケージとを備え、パッケージは、半導体レーザ素子が取り付けられるベース部と、半導体レーザ素子をベース部とともに封止する封止用部材と、半導体レーザ素子から出射された光を外部に透過する窓用部材とを含み、ベース部、封止用部材および窓用部材のうちの少なくとも2つの部材は、互いに、エチレン−ポリビニルアルコール共重合体からなる封止剤を介して接合されている。
この発明の第1の局面による半導体レーザ装置では、上記のように、ベース部、封止用部材および窓用部材のうちの少なくとも2つの部材が、互いに、エチレン−ポリビニルアルコール共重合体からなる封止剤を介して接合されている。ここで、エチレン−ポリビニルアルコール共重合体は、外気を遮断するガスバリア性に優れた樹脂材料であるので、半導体レーザ装置の外部(大気中)に存在する低分子シロキサンや揮発性の有機ガスなどが、封止剤を透過してパッケージ内に浸入することを抑制することができる。さらに、エチレン−ポリビニルアルコール共重合体からは上記揮発成分が発生しにくいので、レーザ出射端面に付着物が形成されることが抑制される。その結果、半導体レーザ素子の劣化を抑制することができる。また、上記したエチレン−ポリビニルアルコール共重合体は、熱圧着により部材同士の接合を容易に行うことができる樹脂材料であるので、複雑な製造プロセスを必要とすることなく、ベース部、封止用部材および窓用部材を互いに接合してパッケージを封止することができる。なお、本発明の封止剤として、製造工程上での取り扱いが容易であり、ガスバリア性に優れ、かつ、レーザ出射端面に付着物を形成する揮発成分を発生しにくい材料として上記したエチレン−ポリビニルアルコール共重合体を用いる点については、本願発明者が鋭意検討した結果、見い出した構成である。
上記第1の局面による半導体レーザ装置において、好ましくは、封止用部材と窓用部材とは、封止剤を介して接合されている。このように構成すれば、封止用部材と窓用部材とを封止剤により接合する際に、透光性を有する窓用部材を通して封止剤の接合状態を確認することができる。これにより、封止剤中に気泡などを混入させることなく封止用部材と窓用部材とを確実に接合することができる。この結果、接合部における封止用部材と窓用部材との密着性を高めることができる。また、窓用部材は、リード線とは離間された位置に設けられるので、リード線の半田溶融時の熱の影響を受けにくい。エチレン−ポリビニルアルコール共重合体が熱可塑性を有する点を考慮すると、本発明の封止剤を、熱の影響を受けにくい窓用部材の接合に用いる点で有効である。
上記第1の局面による半導体レーザ装置において、好ましくは、封止用部材は、金属製であり、窓用部材は、ガラス製である。このように構成すれば、本発明の封止剤は、金属表面に対してもガラス表面に対しても高い密着性を有しているので、接合箇所における封止用部材と窓用部材との密着性を高めることができる。また、ガラス部材と金属部材とを接合する際に、ガラスを通して封止剤の接合状態を確認しながら封止用部材と窓用部材とを確実に接合することができる。また、本発明の封止剤は、柔軟性にも富むので、接合箇所に加わる不意な衝撃力を吸収することができる。これにより、ガラス製の窓用部材が割れやすくなることを抑制することができる。
上記第1の局面による半導体レーザ装置において、好ましくは、封止用部材は、金属箔からなり、封止剤は、ベース部との接合部以外の封止用部材の表面上にまで延びて設けられている。このように構成すれば、金属箔の強度(剛性)を向上させることができるので、安価な金属箔を用いても所定の剛性を有する封止用部材を容易に構成することができる。
上記第1の局面による半導体レーザ装置において、好ましくは、封止剤の側面は、封止剤よりも透湿度が小さい材料からなる樹脂により覆われている。このように構成すれば、上記した透湿度が小さい樹脂により、外部(大気中)に存在する湿気(水分)などが封止用部材と窓用部材との接合部から封止剤を介してパッケージ内部に浸入することを確実に抑制することができる。
上記第1の局面による半導体レーザ装置において、好ましくは、封止用部材は、底部を有する筒状に形成されている。このように構成すれば、封止用部材の長手方向(筒形状が延びる方向)に延びた内側面により半導体レーザ素子を周状に取り囲んだ状態でパッケージを封止することができる。
上記第1の局面による半導体レーザ装置において、好ましくは、ベース部は、金属板からなるとともにリード端子を含み、ベース部は、リード端子以外の部分が折り曲げられて形成された凹部を有し、凹部の内底面に半導体レーザ素子が取り付けられている。このように構成すれば、従来のように樹脂を使用することなくベース部の側面を設けることができるので、揮発性の有機ガスなどがパッケージ内に充満しない。これにより、半導体レーザ素子の劣化を確実に抑制することができる。また、ベース部とリード端子とを一体的に形成することができるので、部品点数が少なく、容易に半導体レーザ装置を製造することができる。
上記第1の局面による半導体レーザ装置において、好ましくは、封止剤の厚みは、5μm以上50μm以下である。このように構成すれば、パッケージの封止性(気密性)を損うことなく、パッケージ全体の高さ(厚み)をより低く(薄く)形成することができる。また、使用する封止剤の量を少なくすることができるので、たとえば、接合後のベース部と封止用部材との接合部以外にはみ出す封止剤の量を減少させることができる。
この発明の第2の局面による半導体レーザ装置の製造方法は、半導体レーザ素子をベース部に取り付ける工程と、半導体レーザ素子を封止するように、ベース部、封止用部材および窓用部材のうちの少なくとも2つの部材を、互いに、エチレン−ポリビニルアルコール共重合体からなる封止剤により熱圧着することにより接合する工程とを備える。
この発明の第2の局面による半導体レーザ装置の製造方法では、上記のように、ベース部、封止用部材および窓用部材のうちの少なくとも2つの部材を、互いに、エチレン−ポリビニルアルコール共重合体からなる封止剤により熱圧着することにより接合する工程を備えている。本発明では、封止剤として製造工程上での取り扱いが容易な原材料を用いているので、複雑な製造プロセスを必要とすることなく、ベース部、封止用部材および窓用部材を互いに接合してパッケージを封止することができる。さらには、封止剤にエチレン−ポリビニルアルコール共重合体を用いるので、半導体レーザ素子の劣化が抑制された半導体レーザ装置を得ることができる。
この発明の第3の局面による光装置は、半導体レーザ素子と、半導体レーザ素子を封止するパッケージとを含む半導体レーザ装置と、半導体レーザ装置の出射光を制御する光学系とを備え、パッケージは、半導体レーザ素子が取り付けられるベース部と、半導体レーザ素子をベース部とともに封止する封止用部材と、半導体レーザ素子から出射された光を外部に透過する窓用部材とを有し、ベース部、封止用部材および窓用部材のうちの少なくとも2つの部材は、互いに、エチレン−ポリビニルアルコール共重合体からなる封止剤を介して接合されている。
この発明の第3の局面による光装置では、半導体レーザ装置が上記のように構成されているので、複雑な製造プロセスを必要とせずにパッケージが封止され、かつ、半導体レーザ素子が劣化することが抑制された半導体レーザ装置を搭載した光装置を得ることができる。
本発明の第1実施形態による半導体レーザ装置のベース部と封止用部材とが分離された状態を示した分解斜視図である。 本発明の第1実施形態による半導体レーザ装置の幅方向の中心線に沿った縦断面図である。 本発明の第1実施形態による半導体レーザ装置の製造プロセスを説明するための上面図である。 本発明の第1実施形態による半導体レーザ装置の製造プロセスを説明するための上面図である。 本発明の第1実施形態による半導体レーザ装置の製造プロセスを説明するための斜視図である。 本発明の第1実施形態による半導体レーザ装置の製造プロセスを説明するための斜視図である。 本発明の第1実施形態による半導体レーザ装置の製造プロセスを説明するための斜視図である。 本発明の第1実施形態の変形例による半導体レーザ装置の幅方向の中心線に沿った縦断面図である。 本発明の第2実施形態による半導体レーザ装置のベース部と封止用部材とが分離された状態を示した分解斜視図である。 本発明の第2実施形態による半導体レーザ装置の幅方向の中心線に沿った縦断面図である。 本発明の第3実施形態による半導体レーザ装置のベース部と封止用部材とが分離された状態を示した分解斜視図である。 本発明の第3実施形態による半導体レーザ装置の幅方向の中心線に沿った縦断面図である。 本発明の第3実施形態による半導体レーザ装置の製造プロセスを説明するための斜視図である。 本発明の第3実施形態による半導体レーザ装置の製造プロセスを説明するための斜視図である。 本発明の第3実施形態の変形例による半導体レーザ装置のベース部と封止用部材とが分離された状態を示した分解斜視図である。 本発明の第3実施形態の変形例による半導体レーザ装置の幅方向の中心線に沿った縦断面図である。 本発明の第4実施形態による半導体レーザ装置のベース部とキャップ部とが分離された状態を示した分解斜視図である。 本発明の第4実施形態による半導体レーザ装置の幅方向の中心線に沿った縦断面図である。 本発明の第4実施形態の変形例による半導体レーザ装置の幅方向の中心線に沿った縦断面図である。 本発明の第5実施形態による半導体レーザ装置の幅方向の中心線に沿った縦断面図である。 本発明の第5実施形態による半導体レーザ装置におけるキャップ部の製造プロセスを説明するための断面図である。 本発明の第5実施形態による半導体レーザ装置におけるキャップ部の製造プロセスを説明するための断面図である。 本発明の第6実施形態による半導体レーザ装置のキャップ部とベース部とが分離された状態を示した分解斜視図である。 本発明の第6実施形態による半導体レーザ装置の幅方向の中心線に沿った縦断面図である。 本発明の第7実施形態による半導体レーザ装置の構造を示した縦断面図である。 本発明の第7実施形態による半導体レーザ装置の構造を示した上面図である。 本発明の第7実施形態による半導体レーザ装置の製造プロセスを説明するための断面図である。 本発明の第7実施形態による半導体レーザ装置の製造プロセスを説明するための断面図である。 本発明の第7実施形態による半導体レーザ装置の製造プロセスを説明するための断面図である。 本発明の第8実施形態による3波長半導体レーザ装置の封止用部材を外した状態を示した上面図である。 本発明の第8実施形態による3波長半導体レーザ装置を備えた光ピックアップ装置の構成を示した概略図である。 本発明の変形例による半導体レーザ装置において、封止用部材をフィルム状の封止剤を挟んだ状態でベース部に接合する様子を示した斜視図である。 図32に示した半導体レーザ装置の幅方向の中心線に沿った縦断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
まず、図1および図2を参照して、本発明の第1実施形態による半導体レーザ装置100の構造について説明する。
本発明の第1実施形態による半導体レーザ装置100は、約405nmの発振波長を有する青紫色半導体レーザ素子20と、青紫色半導体レーザ素子20を封止するパッケージ90とを備えている。パッケージ90は、青紫色半導体レーザ素子20が取り付けられるベース部10と、ベース部10に取り付けられ、青紫色半導体レーザ素子20を上方(C2側)および前方(A1側)の2方向から覆う封止用部材30とを有している。なお、青紫色半導体レーザ素子20は、本発明の「半導体レーザ素子」の一例である。
ベース部10は、図1に示すように、ポリアミド樹脂により形成された厚みt1(C方向)を有する平板状のベース本体10aを有している。また、平板状のベース本体10aの前方の約半分の領域には、下方(C1側)に向かって厚みt1の約半分の深さに窪む凹部10bが形成されている。また、ベース本体10aの前方の前壁部10cには、幅方向(B方向)の中央部に幅W3を有する略矩形状の開口部10dが設けられている。したがって、凹部10bには、上面10iに開口する略矩形状の開口部10eと、前方に開口する開口部10dとが配置されている。また、凹部10bは、前壁部10cと、前壁部10cの両側端部から後方(A2側)に略平行に延びる一対の側壁部10fと、側壁部10fの後方側(A2側)の端部を繋ぐ内壁部10gと、前壁部10c、一対の側壁部10fおよび内壁部10gが下部で繋がる底面とによって構成されている。
また、ベース部10には、金属製のリードフレームからなるリード端子11、12および13が、互いに絶縁された状態でベース本体10aを前方から後方に貫通するように配置されている。また、平面的に見て、リード端子11は、ベース本体10aのB方向の略中心を貫通するとともに、リード端子11の幅方向の外側(B2側およびB1側)には、それぞれリード端子12および13が配置されている。また、リード端子11、12および13は、各々の後方に延びた後端領域が、ベース本体10aの後方の後壁部10hからそれぞれ露出している。
また、リード端子11、12および13の前方の前端領域11a、12aおよび13aは、ベース本体10aの内壁部10gからそれぞれ露出しており、前端領域11a〜13aは、共に凹部10bの底面上に配置されている。また、リード端子11の前端領域11aは、凹部10bの底面上でB方向に広がっている。
また、リード端子11には、前端領域11aに接続される一対の放熱部11dが一体的に形成されている。一対の放熱部11dは、リード端子11を中心としてB方向の両側に略対称に配置されている。また、放熱部11dは、前端領域11aから延びるとともにベース本体10aの側面からB1方向およびB2方向に貫通してベース部10の外部に露出している。したがって、動作する青紫色半導体レーザ素子20が発する熱が、サブマウント40および両側の放熱部11dに伝達されて半導体レーザ装置100の外部に放熱されるように構成されている。
封止用部材30は、アルミ箔により形成されている。封止用部材30は、図1に示すように、約50μmの厚みt2および幅W1(B方向)を有する天面部30aと、天面部30aの一方側(A1側)の端部において折り曲げられて下方に延びる厚みt2および幅W2(W2≦W1)を有する前面部30bとを有する。また、天面部30aと前面部30bとは互いに略直交した状態で形成されることにより、封止用部材30はA方向の側断面が略L字形状を有する。なお、前面部30bの幅W2は、開口部10dのB方向の開口長さW3よりも大きい(W2>W3)。
また、図2に示すように、封止用部材30の裏面(内表面30c)上の略全ての領域に約0.2mmの厚みt3を有する封止剤15が塗布されている。なお、封止剤15には、EVOH樹脂であるエバール(登録商標、クラレ製:エバールF104B)を用いている。EVOH樹脂は、ガスバリア性に優れた材料であり、主に多層フィルムとして食品包装材などに使用される。
また、前面部30bの略中央部には、封止用部材30を厚み方向に貫通する1つの孔部34(窓部)が設けられている。そして、前面部30bの外側(A1側)から孔部34を覆うように約0.25mmの厚みを有する硼珪酸ガラスからなる透光性を有する光透過部35が設けられている。この際、光透過部35は、孔部34の周りに塗布された約0.1mmの厚みを有する封止剤15を介して前面部30bに貼り付けられている。したがって、孔部34は、封止剤15を介して取り付けられた光透過部35により完全に塞がれている。また、光透過部35のA1側およびA2側の表面上には、反射防止層の役割を有するAlからなる誘電体膜31が形成されている。なお、光透過部35は、本発明の「窓用部材」の一例である。
この状態で、封止用部材30とベース部10とは、封止剤15を介して接合されている。すなわち、封止用部材30は、上面10iにおける開口部10eの周辺(内壁部10gの近傍領域、および、一対の側壁部10fおよび前壁部10cの各々の上面)と、前面(前壁部10cの外側面(A1側))における開口部10dの周辺とにおいて封止剤15を介してベース部10に取り付けられている。また、上記した封止剤15による接合領域は、環状に形成されている。これにより、開口部10dおよび10eは、封止用部材30により完全に塞がれており、青紫色半導体レーザ素子20をパッケージ90によって封止している。したがって、半導体レーザ装置100では、パッケージ90の内部の光出射面に揮発成分による付着物などが生じないかまたは生じにくいように構成されている。なお、図2に示すように、封止用部材30は、所定の圧着力によりベース部10に接合されているので、天面部30aの内表面30cとベース本体10aの上面10iとの接合領域における封止剤15の厚みt4は、接合領域以外の封止剤15の厚みt3よりも小さい。また、例えば、接合後の封止剤15のうち、接合領域(厚みt4)よりも若干内側(パッケージ90の内部側)の部分では、厚みt5(t5>t4)を有してフィレット状に盛り上がる場合もある。また、このような盛り上がり形状は、封止用部材30とベース部10との接合領域の内側および外側に沿って形成される場合がある。
また、リード端子11の前端領域11aの上面略中央に、青紫色半導体レーザ素子20が、導電性を有するサブマウント40を介して取り付けられている。また、青紫色半導体レーザ素子20は、約100μmの厚み(高さ(C方向))を有している。
ここで、青紫色半導体レーザ素子20は、光出射面を前方に向けてジャンクションアップ方式で取り付けられている。なお、青紫色半導体レーザ素子20に形成されている一対の共振器端面のうち、出射されるレーザ光の光強度が相対的に大きい方の端面が光出射面、相対的に小さい方の端面が光反射面であって、レーザ光は、A1方向に出射される。また、青紫色半導体レーザ素子20の光出射面および光反射面には、製造プロセスにおける端面コート処理により、AlN膜やAl膜などからなる誘電体多層膜(図示せず)が形成されている。
また、青紫色半導体レーザ素子20の上面に形成されたp側電極21には、Auなどからなる金属線91の一端がワイヤボンディングされており、金属線91の他端は、前端領域12aに接続されている。また、青紫色半導体レーザ素子20の下面に形成されたn側電極22は、サブマウント40を介して前端領域11aに電気的に接続されている。
また、サブマウント40の後方の青紫色半導体レーザ素子20の光反射面側には、レーザ光強度をモニタするために用いられるフォトダイオード(PD)42が受光面を上方に向けて配置されている。そして、平板状のPD42の下面(n型領域)をAgペーストなどからなる導電性接着層5を介して前端領域11aに電気的に接続するとともに、PD42の上面(p型領域)には、Auなどからなる金属線92の一端がワイヤボンディングされており、金属線92の他端は、前端領域13aに接続されている。
また、図1および図2に示すように、パッケージ90の封止空間内に位置する各部材の表面には、EVOH樹脂からなる被覆剤16が所定の厚みを有して塗布されている。詳細に説明すると、被覆剤16は、凹部10bの内側面(前壁部10c、一対の側壁部10fおよび内壁部10gの内側面および凹部10bの底面)と、サブマウント40およびPD42が接合されている部分以外の前端領域11aの表面と、前端領域12aおよび13aの表面とを連続的に覆っている。この際、導電性接着層5がPD42の下部からはみ出た部分の表面も、被覆剤16により覆われている。したがって、パッケージ90の封止空間内に位置する樹脂製のベース本体10aおよびリード端子11〜13などの表面が、被覆剤16により完全に覆われている。
また、図1に示すように、パッケージ90内のサブマウント40の側方(B1側)における前端領域11a上に、被覆剤16を介してシリカゲルからなるガス吸収剤49が設けられている。また、ガス吸収剤49は、底面を下にした略半球状に形成されており、球面の頂部が、封止用部材30の裏面(内表面30c)の封止剤15に接触するように固定されている。このようにして、半導体レーザ装置100が構成されている。
次に、図1〜図7を参照して、第1実施形態による半導体レーザ装置100の製造プロセスについて説明する。
まず、図3に示すように、鉄や銅などの帯状の薄板からなる金属板をエッチングすることにより、放熱部11dが前端領域11aと一体的に形成されたリード端子11と、リード端子11の両側に配置されたリード端子12および13とが、横方向に繰り返しパターニングされたリードフレーム104を形成する。この際、各リード端子12および13は、横方向に延びる連結部101および102により連結された状態でパターニングされる。また、各放熱部11dは、横方向に延びる連結部103により連結された状態でパターニングされる。
その後、図4に示すように、一組のリード端子11〜13が貫通するベース本体10aと、各端子の前端領域11a〜13aが底面上に露出するような凹部10bとを有するベース部10(図1参照)を、樹脂成型装置を用いてリードフレーム104に成型する。この際、ベース本体10aは、各リード端子11〜13の前端領域11a〜13aが、共に凹部10b内に配置されるようにモールド成型される。
また、所定の製造プロセスを用いて、青紫色半導体レーザ素子20、PD42およびサブマウント40を作製する。そして、サブマウント40の一方の表面(上面)上に、導電性接着層(図示せず)を用いて青紫色半導体レーザ素子20のチップを接合する。この際、n側電極22側がサブマウント40の上面に接合される。
その後、図4に示すように、導電性接着層(図示せず)を介して、前端領域11aの上面略中央(横方向)の上面上に、サブマウント40を接合する。この際、青紫色半導体レーザ素子20が接合されていないサブマウント40の下面側が前端領域11aの上面に接合される。続いて、サブマウント40の後方であり、かつ、前端領域11aと内壁部10gとの間に、導電性接着層5を用いてPD42の下面を接合する。この際、PD42は、n型領域側がリード端子11に接合される。
その後、図1に示すように、金属線91を用いてp側電極21と前端領域12aとを接続する。また、金属線92を用いてPD42のp型領域(上面)と前端領域13aとを接続する。
その後、ベース部10を約230℃に加熱した状態で、凹部10bの内側面(前壁部10c、一対の側壁部10fおよび内壁部10gの内側面および凹部10bの底面)と、サブマウント40およびPD42が接合されている部分以外の前端領域11aの表面と、前端領域12aおよび13aの表面とを連続的に覆うように被覆剤16を塗布する。これにより、金属線91および92のリード端子側の端部近傍にも被覆剤16が塗布される。
ベース部10を冷却した後、図4に示すように、分離線180および190に沿って切断することにより、連結部101、102および103を切断除去する。その後、ガス吸収剤49をサブマウント40の側方(B1側)における前端領域11a上に載置する。
一方、図5に示すように、約17μmの厚みt2を有するシート状のアルミ箔130を約220℃に加熱した状態で、裏面130b上の全面に封止剤15を約0.2mmの厚みt3で塗布する。その後、アルミ箔130の所定領域に孔部34を所定の間隔を隔てて複数形成する。なお、アルミ箔130は、本発明の「金属箔」の一例である。
その後、図6に示すように、約220℃に加熱したアルミ箔130の上面130a上の各々の孔部34の周囲に、封止剤15を円環状に塗布する。加熱により封止剤15が溶融している状態で、誘電体膜31が形成されている略円盤状の光透過部35を孔部34上を塞ぐように圧着する。その後、アルミ箔130を冷却することにより、光透過部35を封止剤15を介してアルミ箔130に貼り付ける。なお、冷却により、裏面130b上に塗布されている封止剤15も硬化するので、板状となった封止用部材30には所定の大きさの剛性が生じる。その後、図7に示すように、アルミ箔130を、封止用部材30を平面上に展開した形状に切り抜く。
その後、ベース部10を約220℃に加熱した状態で、折り曲げられていない状態の封止用部材30をベース部10の上面に熱圧着するとともに、前面部30bを天面部30aに対して垂直な方向になるように前壁部10cに沿って封止用部材30を折り曲げながら前壁部10cの前面に熱圧着する。なお、封止用部材30は、周囲の熱によって封止剤15が溶融し始めるのでアルミ箔130が変形可能な状態となる。その後、ベース部10を冷却することにより、ベース部10に対して封止用部材30が取り付けられる。この封止用部材30の取り付け時、前端領域11aと封止用部材30の裏面の封止剤15が溶融した状態でガス吸収剤49と接触するため、冷却後、前端領域11aと封止用部材30の裏面の封止剤15にガス吸収剤49が固着することができる。これにより、封止用部材30が図2に示した形状に形成される。このようにして、半導体レーザ装置100が形成される。
上記のように、ベース部10、封止用部材30および光透過部35の各々が、互いに、EVOH樹脂からなる封止剤15を介して接合されているので、半導体レーザ装置100の外部(大気中)に存在する低分子シロキサンや揮発性の有機ガスなどが、封止剤15を透過してパッケージ90内に浸入することを抑制することができる。さらに、EVOH樹脂からは上記揮発成分が発生しにくいので、レーザ出射端面に付着物が形成されることが抑制される。その結果、青紫色半導体レーザ素子20の劣化を抑制することができる。
また、上記したEVOH樹脂は、加熱(約220℃)により溶融する性質を有しているので、封止用部材30と光透過部35との接合部分や、封止用部材30とベース部10(ベース本体10a)との接合部分に容易に塗布することができる。また、除温(冷却)に伴う封止剤15の硬化により上記した部材同士の接合を容易に行うことができる。これにより、複雑な製造プロセスを必要とすることなく、ベース部10、封止用部材30および光透過部35を互いに接合してパッケージ90を封止することができる。
また、パッケージ90の封止空間(ベース部10と封止用部材30とによって囲まれた閉空間)内に位置する樹脂製のベース本体10a、PD42の外周部、および、金属製のリード端子11〜13などの表面が、被覆剤16により完全に覆われている。これにより、ベース部10の材料(ポリアミド樹脂)や導電性接着剤5(Agペースト)などから揮発性の有機ガスが発生する場合であっても、被覆剤16によって揮発性の有機ガスがパッケージ90の封止空間内に漏れ出るのを遮断することができる。また、半導体レーザ装置100の外部(大気中)に存在する低分子シロキサンや揮発性の有機ガスなどがパッケージ90の構成部材を透過したとしても、被覆剤16によってパッケージ90内に浸入することを抑制することができる。さらに、EVOH樹脂からは上記揮発成分が発生しにくいので、パッケージ90内の半導体レーザ素子20は、有機ガスなどに曝されない。この結果、レーザ出射端面に付着物が形成されることを抑制することができるので、半導体レーザ素子20が劣化することをさらに有効にを抑制することができる。
また、ポリアミド樹脂を用いてベース部10を形成することによって、従来の金属材料を用いてパッケージを形成する場合などと比較して、製造プロセスを簡素化することができる。材料コストおよび製造プロセスが簡素化される点で、半導体レーザ装置100を安価に製造することができる。
ここで、封止剤15および被覆剤16としてEVOH樹脂を用いることの有用性を確認するため、以下の実験を行った。まず、9mmの直径(外径)を有する金属製のステム(ベース部)に青紫色半導体レーザ素子20を取り付けるとともに、金属製のキャップ部(ガラス窓付き)の内側面に約5mgにカットしたEVOH樹脂のペレットを入れた状態でキャップ部を被せて封止を行った。そして、70℃の条件で、青紫色半導体レーザ素子20から、自動光量制御(APC)により、10mWの出力に調整されたレーザ光を250時間出射して動作試験を行った。この結果、250時間経過後においても半導体レーザ装置の動作電流に顕著な変化は生じなかった。なお、比較例として、EVOH樹脂を入れない状態で封止した半導体レーザ装置における動作試験を行った。250時間経過後の比較例と比較しても、動作電流に顕著な差異が見られなかった。この結果から、EVOH樹脂からは、有機ガスなどが極めて発生しにくいことが確認され、封止剤15および被覆剤16にEVOH樹脂を用いることの有用性が確認された。
また、封止用部材30は、半導体レーザ素子を覆うようにベース部10に取り付けられており、封止用部材30と光透過部35とは、封止剤15を介して接合されている。これにより、封止用部材30と光透過部35とを封止剤15により接合する際に、透光性を有する光透過部35を通して封止剤15の接合状態を確認することができるので、封止剤15中に気泡などを混入させることなく封止用部材30と光透過部35とを確実に接合することができる。この結果、接合箇所における封止用部材30と光透過部35との密着性を高めることができる。また、光透過部35は、金属製91および92とは離間された位置に設けられるので、金属製91および92の半田溶融時の熱の影響を受けにくい。EVOH樹脂が熱可塑性を有する点を考慮すると、本発明の封止剤15を、熱の影響を受けにくい光透過部35の接合に用いる点で有効である。
また、EVOH樹脂からなる封止剤15が封止用部材30の内表面30c上全体に形成されているので、薄膜状であるために通常ではパッケージ90の構成部材としての強度に満たないアルミ箔130であっても、内表面30c上全体に設けられた封止剤15によって、物理的強度(剛性)を高められる。この結果、安価な金属箔を用いても所定の剛性を有する封止用部材30を容易に構成することができる。また、剛性を高めることにより、製造工程上での不要な変形を防止することができる。さらには、予め封止用部材30に封止剤15を形成しておけば、加熱したベース部10に押し当てて冷却するだけで封止できるので、製造工程上での取り扱いも容易になる。
また、パッケージ90内にガス吸収剤49を設けることによって、ガス吸収剤49に、ベース本体10aが発生する揮発性の有機ガスを吸収させることができる。これにより、パッケージ90内の有機ガス濃度を小さくすることができる。その結果、青紫色半導体レーザ素子20が劣化することをより確実に抑制することができる。
(第1実施形態の変形例)
次に、第1実施形態の変形例による半導体レーザ装置105について説明する。この半導体レーザ装置105では、図8に示すように、約50μmの厚みを有するアルミ箔を用いて封止用部材30を形成している。この際、パッケージ90の封止空間内に位置する封止用部材30の内表面30c上には、封止剤15が塗布されておらず、アルミ箔の表面が封止空間内に露出している。一方、図1に示した開口部10eおよび10dの周囲を囲むように、ベース本体10aの上面10iにおける開口部10eの周辺領域(内壁部10gの近傍領域、および、一対の側壁部10fおよび前壁部10cの各々の上面)と、前面(前壁部10cの外側面(A1側))における開口部10dの周辺領域上とに、封止剤15が所定厚みを有して塗布されている。この状態で、封止用部材30が、天面部30aおよび前面部30bの内表面30cの外縁部近傍を封止剤15に密着させてベース部10に取り付けられている。なお、ベース本体10aの接合領域にのみ封止剤15が塗布されているので、封止用部材30が所定の圧着力によりベース部10に接合された場合には、封止剤15の一部が、パッケージ90の内部側にはみ出している。なお、第1実施形態の第1変形例による半導体レーザ装置105のその他の構成は、第1実施形態と略同様であって、図中において、第1実施形態と同じ符号を付して図示している。
また、半導体レーザ装置105の製造プロセスでは、下面130b上に封止剤15が塗布されていないアルミ箔130(図5参照)に対して、第1実施形態と同様に光透過部35を貼り付ける。第1実施形態と同様の封止用部材30を作製した後、光透過部35が外側になるように前面部30bの部分を天面部30aに対して垂直な方向に折り曲げる。これにより、封止用部材30は、第1実施形態と異なり、ベース部10に熱圧着される前に予め図8に示した形状に成形される。
その後、ベース部10を約220℃に加熱した状態で、ベース部10の開口部10eおよび10dの周囲を囲むように、上面10iにおける開口部10eの周辺(内壁部10gの近傍領域、および、一対の側壁部10fおよび前壁部10cの各々の上面)と、前面(前壁部10cの外側面)における開口部10dの周辺上とを連続的に覆うように封止剤15を塗布する。加熱により封止剤15が溶融している状態で、封止用部材30をベース部10に対して熱圧着する。その後、ベース部10を冷却することにより、ベース部10に対して封止用部材30が取り付けられる。
なお、その他のプロセスは、第1実施形態の製造プロセスと略同様である。また、第1実施形態の変形例の効果は、第1実施形態と同様である。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態による半導体レーザ装置200について説明する。この半導体レーザ装置200では、図9および図10に示すように、パッケージ90は、ベース部10と、ベース部10に取り付けられ、青紫色半導体レーザ素子20を上方(C2側)および前方(A1側)からそれぞれ覆う封止用部材45および窓用部材46とを有している。なお、半導体レーザ装置200では、凹部10b内にガス吸収剤49(図1参照)は設けられていないが、凹部10b内にガス吸収剤49を設けてもよい。
ベース本体10aは、上面10i側から見て、後方(A2方向)から前端部210cに向かって幅(B方向)が小さくなるように先細りする外形形状を有している。
封止用部材45は、約15μmの厚みt6を有する洋白などのCu合金箔シートからなる。また、封止用部材45は、ベース本体10aの平面形状と略同一の平面形状を有しており、後方の幅はW21、前方の幅はW22である。また、封止用部材45の裏面45c上の略全ての領域に約0.2mmの厚みt3を有する封止剤15が塗布されている。
窓用部材46は、硼珪酸ガラス(硬質ガラス)からなる平板状のガラス板からなる。また、窓用部材46は、約0.25mmの厚みt5(A方向)、幅W2(B方向)および凹部10bの深さ(t1/2)と略等しい高さW23(C方向)を有しており、開口部10d内に取り付けられている。この際、窓用部材46とベース本体10aとの間には、開口部10dの内側面(開口部10dにおけるリード端子11の前端領域11aの上面、および、一対の側壁部10fの各々の内側面)を連続的に覆う封止剤15が、所定厚みを有して塗布されている。この状態で、窓用部材46は、下面46aおよび両側面46cを封止剤15に密着させた状態で取り付けられている。また、窓用部材46の表面(A1側およびA2側)上には、誘電体膜31が形成されている。
そして、封止用部材45が、開口部10eの上方からベース部10に取り付けられている。すなわち、封止用部材45は、ベース本体10aの上面10i上(内壁部10gの近傍領域、および、一対の側壁部10fの各々の上面上)と、封止用部材46の上面46b上とにおいて、封止剤15を介してベース部10に取り付けられている。
また、サブマウント40の後方(A2側)の青紫色半導体レーザ素子20の光反射面側には、PD42が受光面を上方(C2方向)に向けて配置されている。そして、PD42の下面(n型領域)がサブマウント40に電気的に接続されている。なお、半導体レーザ装置200のその他の構成は、第1実施形態と略同様であって、図中において、第1実施形態と同じ符号を付して図示している。
また、半導体レーザ装置200の製造プロセスでは、まず、放熱部11dよりも長さ(A方向)の小さな放熱部211dがリード端子11〜13とともに繰り返しパターニングされたリードフレームを形成した後、樹脂成型装置を用いて、ベース本体10aをモールド成型する。また、ベース本体10aは、前端部210cがリード端子11の前端領域11aの前端面211eと同一面上に揃うように成型される。
その後、ベース部10を約220℃に加熱した状態で、開口部10dの内側面(開口部10dにおける前端領域11aの上面および一対の側壁部10fの各々の内側面)上に、封止剤15(図9参照)を塗布する。加熱により封止剤15が溶融している状態で、開口部10dに嵌め込むようにして窓用部材46を熱圧着しながら取り付ける。これにより、窓用部材46が、下面46aおよび両側面46cを封止剤15を介して前端領域11aの上面および側壁部10fの内側面に密着させた状態でベース本体10aに取り付けられる。
その後、ベース部10に対して、UVクリーニング処理または真空中における約200℃の加温処理を行う。これにより、凹部10bに付着する製造プロセス中の汚れや、ポリアミド樹脂に含まれる水分や溶剤を蒸発して除去する。
その後、導電性接着層(図示せず)を用いて青紫色半導体レーザ素子20およびPD42が接合されたサブマウント40を、前端領域11aの上面略中央(横方向)に接合する。この際、青紫色半導体レーザ素子20の光出射面を窓用部材46側に向けるとともに、青紫色半導体レーザ素子20の光反射面およびPD42を内壁部10g側に向けて配置する。
その後、金属線91を用いて青紫色半導体レーザ素子20のp側電極21とリード端子12の前端領域12aとを接続する。また、金属線92を用いてPD42の上面とリード端子13の前端領域13aとを接続する。
また、封止用部材45については、約220℃に加熱した状態で、裏面45c上の全面に封止剤15(EVOH樹脂)を約0.2mmの厚みで塗布し、冷却後、ベース本体10aの平面形状と略同一の平面形状(図9参照)を有するように洋白シートを切り抜くことにより形成される。
その後、ベース部10を約220℃に加熱した状態で、封止用部材45を、開口部10dを覆うように上面10i上および上面46b上に熱圧着する。これにより、封止用部材45が、裏面45cを封止剤15を介して上面10i上および上面46b上に密着させた状態でベース本体10aに取り付けられる。なお、その他のプロセスは、第1実施形態における製造プロセスと略同様である。
第2実施形態では、上記のように、ベース本体10aの開口部10dを、封止剤15を介して窓用部材46により封止するとともに、ベース本体10aの開口部10eを、封止剤15を介して封止用部材45により封止している。封止剤15を用いて、ベース本体10aと窓用部材46および封止用部材45とをさらに隙間なく強固に取り付けることができるので、パッケージ90を確実に封止することができる。これにより、パッケージ90内部の青紫色半導体レーザ素子20が劣化することを抑制することができる。
また、ベース本体10aの上面10iから前端部210cにかけて開口する開口部10dおよび10eを、封止用部材45および窓用部材46によりそれぞれ封止しているので、開口部10eの上面10i側と開口部10dの前端部210c側との境界部分に隙間が生じにくい。これにより、パッケージ90を確実に封止することができるので、パッケージ90内部の青紫色半導体レーザ素子20が劣化することを確実に抑制することができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態による半導体レーザ装置300について説明する。この半導体レーザ装置300では、図11および図12に示すように、第2実施形態の半導体レーザ装置200における樹脂製のベース部10の代わりに、金属製のベース部310を備えている。なお、図12では、半導体レーザ装置300の幅方向(B方向)の中心線に沿った縦断面図の一部に、リード端子12(13)とベース部310との取付構造を示した断面図を併記している。
ベース部310には、約0.4mmの厚みを有するリン青銅からなる金属板を用いている。また、ベース部310は、幅方向(B方向)に拡大されたリード端子11の前端領域11aを長さ方向(A方向)に沿って折り曲げられており、溝状の凹部310bが形成されている。凹部310bの内底面310c上には、サブマウント40が固定される。なお、ベース部310の凹部310bの内側面には、被覆剤16は塗布されておらず、パッケージ90の封止空間内に金属表面が露出している。
また、凹部310bは、ベース部310の上面10iに開口する開口部310eと、前方(A1側)に開口する開口部310dとを有する。また、ベース部310は、凹部310bの内底面310cの幅方向の両側(B2側およびB1側)において開口部310dから後方に略平行に延びる一対の側壁部310fと、各々の側壁部310fの上端部において幅方向(B1側およびB2側)に延びる取付部310kとによって構成されている。また、ベース部310の後方の略矩形状の開口を塞ぐようにエポキシ樹脂からなる封止用部材17が設けられている。また、封止用部材17の凹部310b側(A1側)の内表面17a上には、約0.5mmの厚みを有する封止剤15が塗布されている。
また、図11に示すように、リード端子12および13は、互いに絶縁された状態で封止剤15および封止用部材17を前方から後方に貫通するように配置されている。この際、リード端子12および13は、リード端子11(前端領域11a)とは異なる高さ方向(C方向)の平面上に保持されている。
窓用部材46は、第2実施形態と同様に、開口部310d内に塗布された封止剤15を介して固定されている。また、封止用部材45が、ベース部310の取付部310kの上面、窓用部材46の上面46b、および、封止用部材17の上面17bに取り付けられている。
なお、半導体レーザ装置300のその他の構成は、第2実施形態と略同様であって、図中において、第2実施形態と同じ符号を付して図示している。
また、半導体レーザ装置300の製造プロセスでは、まず、第1実施形態と同様に、リン青銅からなる帯状の金属板をエッチングすることにより、リード端子11が横方向に繰り返しパターニングされたリードフレームを形成する。この際、図3を参照して、リード端子12および13、および、放熱部11dについてはパターニングを行わない。
その後、図13に示すように、リード端子11を中心として所定距離だけ離れた幅方向(B方向)の両側において前端領域11aを前後方向(A方向)に沿って切断することにより、折り曲げ形成前の平板状のリードフレームを得る。そして、図示しないプレス機などを用いて、前端領域11aの一部をリードフレームの上面に対して上方に折り曲げる。これにより、リード端子11と同一平面で接続される内底面310cと、内底面310cの両端において上方に折り曲げられた側壁部310fと、側壁部310fの端部(B2側およびB1側)から再度横方向(B方向)に折り曲げられた取付部310kとを有するベース部310が形成される。
その後、図示しない樹脂成型装置を用いて、図14に示すように、凹部310bのリード端子11側(A2側)の開口をエポキシ樹脂からなる封止用部材17により塞ぐ。この際、リード端子11の上方においてリード端子12および13が封止用部材17を貫通するようにリード端子12および13を配置した状態でエポキシ樹脂を硬化させる。その後、ベース部310を約220℃に加熱した状態で、封止用部材17の内表面17a上に封止剤15を塗布する。
その後、半導体レーザ装置200の製造プロセスと略同様に、ベース部310の開口部310dを塞ぐように窓用部材46を封止剤15を介して熱圧着しながら取り付ける。その後、ベース部310の開口部310eを塞ぐように封止用部材45を封止剤15を介して熱圧着しながら取り付ける。なお、その他のプロセスは、第2実施形態における製造プロセスと略同様である。
第3実施形態では、上記のように、ベース部310は、金属板で構成されているので、ベース部310からは揮発性の有機ガスが発生しない。これにより、揮発性の有機ガスなどがパッケージ90内に充満しないので、青紫色半導体レーザ素子20の劣化を確実に抑制することができる。
また、封止用部材17の内表面17a上に封止剤15が塗布されているので、エポキシ樹脂からなる封止用部材17が発生する揮発性の有機ガスが、封止剤15を透過してパッケージ90内に浸入することを抑制することができる。その結果、青紫色半導体レーザ素子20が劣化することをより確実に抑制することができる。なお、第3実施形態のその他の効果は、第1実施形態と同様である。
(第3実施形態の変形例)
次に、第3実施形態の変形例による半導体レーザ装置305について説明する。この半導体レーザ装置305では、図15に示すように、プレス加工により略矩形形状の平坦な金属板に凹部315bが形成されたベース部315を備えている。なお、図16では、半導体レーザ装置305の幅方向(B方向)の中心線に沿った縦断面図の一部に、リード端子12(13)とベース部315との取付構造を示した断面図を併記している。
凹部315bは、青紫色半導体レーザ素子20の周囲を取り囲む4つの側壁部316、317、318および319と、サブマウント40を取り付けるための内底面310cとによって構成されている。また、凹部315bは、ベース部315の上面10i側に開口する開口部315eを有する。そして、ベース部315には、開口部315eの外縁部に沿って外方向(A方向およびB方向)に延びる枠状の取付部315kが設けられている。
また、青紫色半導体レーザ素子20の前方(A1側)の側壁部316の略中央部には、孔部34が設けられている。そして、側壁部316の外側(A1側)から孔部34を覆うように封止剤15を介して窓用部材46が貼り付けられている。
また、図16に示すように、リード端子11は、青紫色半導体レーザ素子20の後方(A2側)の側壁部317の下端部近傍において側壁部317に導通するように取り付けられている。また、リード端子12および13は、それぞれ、側壁部317に形成された孔部36を貫通している。この際、孔部36の内周面とリード端子12または13との隙間と側壁部317の外側(A2側)の表面上とには、エポキシ樹脂からなる封止用部材17aが設けられている。また、リード端子12および13が露出する側壁部317の内側(A1側)の表面上には、孔部36の縁部、および、リード端子12または13の外周面を覆うように封止剤15が設けられている。これにより、リード端子12および13の各々とベース部315との絶縁が図られている。
また、ベース部315と封止用部材45とが封止剤15により接合される側面(取付部315kと封止用部材45との外縁部)、および、ベース部315と窓用部材46とが封止剤15により接合される側面(取付部315kの下面の一部および凹部315bの裏面側の一部)が、封止剤15よりも透湿度が小さい材料からなる被覆剤18により覆われている。この被覆剤18には、透湿度が低くエポキシ樹脂などからなる光硬化または熱硬化性樹脂を用いている。なお、被覆剤18は、本発明の「透湿度が小さい材料からなる樹脂」の一例である。
なお、第3実施形態の変形例による半導体レーザ装置305のその他の構成は、第3実施形態と略同様であって、図中において、第3実施形態と同じ符号を付して図示している。
また、半導体レーザ装置305の製造プロセスでは、リン青銅からなる略矩形形状の金属板にプレス加工を施して、凹部315bを有するベース部315を形成する。その後、側壁部316に1つの孔部34を設けるとともに、側壁部317に2つの孔部36を設ける。そして、リード端子11を側壁部317の下端部に取り付けるとともに、リード端子11の上方(C2側)においてリード端子12および13が各々に対応する孔部36を貫通した状態で封止用部材17aにより固定する。その後、側壁部317の内側において、リード端子12および13が孔部36を貫通する部分に封止剤15を盛り付ける。その後、ベース部315と封止用部材45とが封止剤15により接合される側面、および、ベース部315と窓用部材46とが封止剤15により接合される側面に被覆剤18を盛り付ける。なお、その他のプロセスは、第3実施形態の製造プロセスと略同様である。
第3実施形態の変形例では、上記のように、リード端子12および13が露出する側壁部317の内側の表面上に、孔部36の縁部、および、リード端子12または13の外周面を覆うように封止剤15が設けられている。これにより、エポキシ樹脂からなる封止用部材17aが発生する揮発性の有機ガスが、封止剤15を透過してパッケージ90内に浸入することを抑制することができる。
また、ベース部315と封止用部材45とが封止剤15により接合される側面、および、ベース部315と窓用部材46とが封止剤15により接合される側面が、被覆剤18により覆われている。これにより、被覆剤18により、外部(大気中)に存在する湿気(水分)などが上記接合部から封止剤15を介してパッケージ90内部に侵入することを確実に抑制することができる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態による半導体レーザ装置400について説明する。この半導体レーザ装置400では、図17および図18に示すように、金属製のベース部410と金属製のキャップ部430とによってパッケージ90が構成されている。なお、キャップ部430は、本発明の「封止用部材」の一例である。
ベース部410は、表面にAuめっきを施したコバールからなる。ベース部410は、所定の厚み(A方向)を有して略円盤状に形成されたステム部410aと、ステム部410aの前面410cの下部領域(C1側)に形成され、断面(幅方向(B方向))が半月形状を有した状態で前方(レーザ光出射方向(A1方向))に突出する台座部410bとを有する。
また、ベース部410には、ステム部410aと導通するリード端子11と、各々がリード端子11とコバールガラスなどの低融点ガラス419により密閉されて絶縁された状態でステム部410aを前方から後方(A2側)に貫通するように配置されたリード端子12および13とが設けられている。また、リード端子11〜13は、各々の後方に延びた後端領域が、ステム部410aの後方の後面410hからそれぞれ露出している。
また、台座部410bの上面略中央に、青紫色半導体レーザ素子20がサブマウント40を介して取り付けられている。また、青紫色半導体レーザ素子20の光反射面(A2側)と対向する位置におけるステム部410aの前面410c上には、PD42が受光面を前方に向けて配置されている。また、PD42の下面(n型領域)が導電性接着層5を介してステム部410aに電気的に接続されている。また、PD42の受光面を除く外周部と、この外周部に沿ってはみ出た導電性接着層5の表面と、導電性接着層5の周囲におけるステム部410aの表面を覆うように、被覆剤16が周状に塗布されている。
キャップ部430は、本体が表面にNiめっきを施したコバールにより形成されており、略円筒状に形成された側壁部430aと、側壁部430aの一方(A1側)を塞ぐ底部430bとを有する。また、キャップ部430の側壁部430aが開口する側(A2側)には、取付部430gが周状に形成されている。また、取付部430gの端面430hには、抵抗溶接時に使用される突起部430iが形成されている。
また、キャップ部430の底部430bの略中央部には、孔部34が設けられている。そして、底部430bの外側(A1側)から孔部34を覆うように矩形状に形成された硼珪酸ガラス製の光透過部35が設けられている。この際、光透過部35は、孔部34の周りに塗布された約0.1mmの厚みを有する封止剤15を介して底部430bに貼り付けられている。
また、図18に示すように、光透過部35の外縁部に沿って、底部430bと封止剤15と光透過部35とに接触するように被覆剤18が周状に盛り付けられている。すなわち、底部430bと光透過部35とを接合する封止剤15の側面(外側面)は、被覆剤18により覆われており、封止剤15が外気と直接接触することが防止されている。なお、キャップ部430の内表面430cには、被覆材16は塗布されていない。
なお、半導体レーザ装置400のその他の構成は、第1実施形態と略同様であって、図中において、第1実施形態と同じ符号を付して図示している。
また、半導体レーザ装置400の製造プロセスでは、まず、図17に示すように、リード端子11〜13が設けられたベース部410の台座部410b上に、導電性接着層(図示せず)を用いて青紫色半導体レーザ素子20が接合されたサブマウント40を接合する。続いて、サブマウント40の後方であり、かつ、台座部410bの上方の前面410c上に、導電性接着層5を用いてPD42の下面(n型領域)を接合する。
その後、PD42の外周部を覆うように予め枠状にカットされた被覆材16(EVOH樹脂)のフィルムを受光面に接触しないようにPD42の上方から被せる。この状態で、ベース部410を約200℃に加熱することにより、被覆材16が溶融して、PD42の受光面を除く外周部と、この外周部に沿ってはみ出た導電性接着層5の表面と、導電性接着層5の周囲におけるステム部410aの表面とを周状に覆う。ステム部410aを冷却した後、金属線91および92のワイヤボンディングを行う。
一方、所定の金型プレス装置を用いて底部430bの略中心部に孔部34を有するキャップ部430を成型する。その後、キャップ部430を約220℃に加熱した状態で、底部430bの外側から孔部34の周囲に封止剤15を塗布する。加熱により封止剤15が溶融している状態で、孔部34上を覆うように光透過部35を封止剤15を介して圧着した後、キャップ部430を冷却する。その後、光透過部35の外縁部に沿って露出する封止剤15を覆うように被覆剤18を盛り付ける。このようにして、キャップ部430が形成される。
最後に、図17に示した矢印P(A2方向)に沿って、キャップ部430をベース部410に取り付ける。この際、キャップシール機を用いて、取付部430gの端面430hをステム部410aの外縁部近傍に周状に当接させた状態で抵抗溶接により取り付ける。これにより、青紫色半導体レーザ素子20が気密封止される。なお、その他のプロセスは、第1実施形態における製造プロセスと略同様である。このようにして、半導体レーザ装置400が形成される。
第4実施形態では、上記のように、キャップ部430は、底部430bを有する筒状に形成されているので、キャップ部430の長手方向(筒形状が延びる方向(A方向))に延びた側壁部430aの内側面により青紫色半導体レーザ素子20を周状に取り囲んだ状態でパッケージ90を封止することができる。
また、上記方法により製造したキャップ部430を用いても、従来用いているキャップシール機を用いて、キャップ部430を抵抗溶接によりステム部410aに取り付けることができるので、製造コストを増加させることなく既存の製造設備を用いて半導体レーザ装置400を容易に製造することができる。なお、第4実施形態のその他の効果は、第1実施形態と同様である。
(第4実施形態の変形例)
次に、第4実施形態の変形例による半導体レーザ装置405について説明する。この半導体レーザ装置405では、図19に示すように、キャップ部430の底部430bの内側(A2側)から孔部34を覆うように光透過部35が封止剤15を介して貼り付けられている。また、光透過部35が内側から取り付けられた孔部34の内側面近傍において、孔部34と封止剤15と光透過部35とに接触するように被覆剤18が周状に盛り付けられている。すなわち、底部430bと光透過部35とを接合する封止剤15の側面(内側面)が、被覆剤18により覆われている。なお、第4実施形態の変形例による半導体レーザ装置405のその他の構成は、第4実施形態と略同様であって、図中において、第4実施形態と同じ符号を付して図示している。
また、第4実施形態の変形例による半導体レーザ装置405の製造プロセスでは、プレス成型されたキャップ部430の内側から封止剤15を介して光透過部35を熱圧着した後、孔部34の内側面側に露出する封止剤15を覆うように被覆剤18を盛り付ける。なお、その他のプロセスは、第4実施形態の製造プロセスと略同様である。また、第4実施形態の変形例の効果は、第4実施形態と同様である。
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態による半導体レーザ装置500について説明する。この半導体レーザ装置500では、図20に示すように、約20μmの厚みを有する洋白シートを用いて成型したキャップ部530によりパッケージ90を封止している。なお、第5実施形態による半導体レーザ装置500のその他の構成は、第4実施形態と略同様であって、図中において、第4実施形態の変形例と同じ符号を付して図示している。なお、キャップ部530は、本発明の「封止用部材」の一例である。
キャップ部530は、本体が洋白シートにより形成されており、孔部34を除く内表面530cの略全ての領域および取付部430gの端面430h上に、封止剤15が約0.3mmの厚みで塗布されている。この状態で、キャップ部530とステム部410aとが、取付部430gにおいて封止剤15を介して接合されている。
また、第5実施形態による半導体レーザ装置500の製造プロセスでは、まず、図21に示すように、孔部34が形成された洋白シート131を準備する。そして、洋白シート131を約220℃に加熱した状態で、下面(裏面)131b上の全面に封止剤15を約0.2mmの厚みで塗布して冷却した後、孔部34を形成する。その後、可動上型501と固定下型502との間に封止剤15が下面(C1側)となるように洋白シート131をセットした状態で、可動上型501を固定下型502に対して嵌め込む。この際、固定下型502の上面(C2側)上に略円盤状に形成されたガラス製の光透過部35を載置した状態で洋白シート131の成型を行う。なお、可動上型501の内側面および固定下型502の外側面には抜き勾配が設けられている。これにより、成型後のキャップ部530は、底部430b近傍の側壁部430aの外径(内表面530cの内径)よりも、取付部430g近傍での外径(内表面530c内径)が若干大きくなる。また、キャップ部530の成型により、底部を有する略筒状となった洋白シート131(側壁部430aおよび取付部430g)の外側面(内側面)には、皺(図示せず)が形成される。
その後、図22に示すように、取付部430gが残るように金型から露出する洋白シート131の部分を分離線590に沿って周状に切断する。このようにして、キャップ部530が形成される。なお、洋白シート131は、本発明の「金属箔」の一例である。
最後に、図20に示した方向(A2方向)に沿って、キャップ部530をベース部410に取り付ける。この際、ステム部410aを約200℃に過熱した状態で、取付部430gの端面430hをステム部410aの外縁部近傍に周状に当接させながら熱圧着する。なお、その他のプロセスは、第4実施形態における製造プロセスと略同様である。
第5実施形態では、上記のように、洋白シート131と封止剤15とを組み合わせてキャップ部530を成型している。すなわち、製造プロセス上、部材が容易に所定の形状に折れ曲がることを利用して、キャップ部530の側壁部430aと底部430bとを同時に作製することができる。なお、第5実施形態のその他の効果は、第1実施形態と同様である。
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態による半導体レーザ装置600について説明する。この半導体レーザ装置600では、図23に示すように、樹脂製のベース部610とアルミ箔を用いて成型したキャップ部630とによってパッケージ90が構成されている。なお、キャップ部630は、本発明の「封止用部材」の一例である。
ベース部610は、エポキシ樹脂により形成されている。ベース部610は、外径D1を有する略円柱状のヘッダ部610aと、ヘッダ部610aの前面610cの下側約半分が前方(A1方向)に延びる台座部610bとを有する。また、図24に示すように、ベース部610の外周面610kと前面610cおよび610eとが交わる縁部610gには、周状に面取り加工が施されている。
また、リード端子11には、前端領域11aに接続される一対の放熱部611dが一体的に形成されている。詳細に説明すると、リード端子11には、前端領域11aの幅方向(B2側およびB1側)の両端部からそれぞれ後方(A2方向)に延びる接続部611cが形成されている。また、接続部611cは、それぞれ、前端領域11aからリード端子12および13よりも外側(B2側またはB1側)を後方に延びるとともに、ベース部610の前面610cからヘッダ部610a内に隠れた後、後面610hを貫通している。そして、放熱部611dは、ベース部610の後面610hから露出した接続部611cの後端領域に接続されている。また、放熱部611dは、接続部611cに接続された位置から前方(A1方向)に延びている。したがって、図23に示すように、一対の放熱部611dは、それぞれ、ベース部610の外周面610kに対して幅W6の間隔を隔てて外周面610kと略平行に延びている。
キャップ部630は、第5実施形態のキャップ部530から取付部430gが取り除かれている。なお、キャップ部630の内径D2は、ヘッダ部610aの外径D1よりも等しいか若干小さい。
この状態で、半導体レーザ装置600では、図24に示すように、ヘッダ部610aがキャップ部630に対してA2側からA1側に向かってスライドして嵌め込まれるように構成されている。すなわち、ヘッダ部610aの外周面610kとキャップ部630の内表面530cとが、封止剤15を介して周状に嵌合されている。これにより、パッケージ90内に青紫色半導体レーザ素子20が気密封止されている。
また、パッケージ90の封止空間内に位置する各部材の表面には、被覆剤16が塗布されている。具体的には、被覆剤16は、ヘッダ部610aの台座部610b、前面610c、前面610eおよび縁部610gと、サブマウント40が接合されている部分以外の前端領域11aの表面と、前端領域12aおよび13aの表面とを連続的に覆っている。したがって、パッケージ90の封止空間(ベース部610とキャップ部630とによって囲まれた閉空間)内に位置する樹脂製のベース部610金属線がワイヤボンディングされた前端領域12aおよび13aの表面が、被覆剤16により完全に覆われている。ただし、金属部材の表面を必ずしも被覆剤16により覆う必要はない。
また、ベース部610の外周面610kとその両側の放熱部611dとの間には、キャップ部630の側壁部530aの厚みt1よりも大きな幅W6を有する隙間(切り欠き部)が形成されている。したがって、キャップ部630をベース部610に嵌合した状態では、放熱部611dは、キャップ部630の側壁部530aと干渉(接触)することなくキャップ部630の外側に配置されている。なお、第6実施形態による半導体レーザ装置600のその他の構成は、第5実施形態と略同様であって、図中において、第5実施形態と同じ符号を付して図示している。
また、第6実施形態による半導体レーザ装置600の製造プロセスでは、上記した形状のヘッダ部610aおよびキャップ部630を成型した後、ベース部610を約200℃に加熱した状態で、ベース部610をキャップ部630に向かって直線的にスライドして嵌め合わせてパッケージ90を封止する。なお、パッケージ90を封止する前に、ベース部610の台座部610b、前面610c、前面610eおよび縁部610gと、サブマウント40が接合されている部分以外の前端領域11aの表面と、前端領域12aおよび13aの表面に被覆剤16を塗布する。なお、その他のプロセスは、第5実施形態における製造プロセスと略同様である。
第6実施形態では、上記のように、青紫色半導体レーザ素子20を、ベース部610とキャップ部630とが嵌合することにより封止することによって、キャップ部630の内表面530cをベース部610の外周面610kに容易に密着させることができるので、パッケージ90内を容易に封止することができる。すなわち、封止のための接着剤などをさらに使用する必要がないので、有機ガスの発生を抑制することができる。なお、第6実施形態のその他の効果は、第5実施形態と同様である。
(第7実施形態)
次に、本発明の第7実施形態による半導体レーザ装置700について説明する。この半導体レーザ装置700では、図25に示すように、パッケージ90は、ベース部750と、ベース部750に取り付けられ、青紫色半導体レーザ素子20を側方(A方向およびB方向)から取り囲むSi(100)基板710と、Si(100)基板710に取り付けられ青紫色半導体レーザ素子20を上方(C2側)から覆う封止ガラス760とを有している。なお、Si(100)基板710および封止ガラス760は、それぞれ、本発明の「封止用部材」および「窓用部材」の一例である。なお、図25は、図26の790−790線に沿った断面図である。
ベース部750は、絶縁体であるフォトソルダーレジストからなる。ここで、フォトソルダーレジストとは、感光した部分だけを構造変化させて溶媒などに溶けなくする感光性樹脂を使用した絶縁用被膜のことである。また、ベース部750は、厚み方向(C方向)に貫通する貫通孔701(図27参照)を有するSi(100)基板710の一方(C1側)の開口部701b(図27参照)を塞いでいる。この際、ベース部750は、Si(100)基板710の下面710bに設けられた接着樹脂751を介して接合されている。これにより、ベース部750とSi(100)基板710とによって上方に開口する開口部711aを有する凹部711が構成されている。そして、青紫色半導体レーザ素子20は、上面20bが、Si(100)基板710の上面710aよりも下方(C1側)に下げられた状態でサブマウント40上に載置されている。
また、板状(平板状)の封止ガラス760は、約500μmの厚みを有する硼珪酸ガラス(硬質ガラス)からなる。そして、封止ガラス760は、Si(100)基板710の上面710a上に、封止剤15を介して取り付けられている。すなわち、封止ガラス760は、上面710a上から被せられて凹部711の開口部711aを塞いでおり、凹部711の底面716上に載置された青紫色半導体レーザ素子20が、パッケージ90内に気密封止されている。なお、封止ガラス760の平面形状は、Si(100)基板710と略同じであるように構成されている。
また、図25に示すように、後述する製造プロセスにおいて、略(100)面に対して約9.7°傾斜した主表面(上面710a)を有するSi(100)基板710に対して異方性エッチングを行うことにより、Si(100)基板710にSi(111)面からなる4つの内側面712、713、714および715が形成されている。この約9.7°傾斜した主表面を有するSi(100)基板710を用いることにより、内側面712は、ベース部750の上面750a(底面716)に対して略45°の傾斜角度αを有して傾斜するとともに、内側面713は、上面750a(底面716)に対して略64.4°の傾斜角度βを有して傾斜して形成されている。また、内側面714および715(図26参照)は、共に上面750a(底面716)に対して略54.7°の傾斜角度を有して傾斜するように形成されている。
また、4つの内側面712、713、714および715と、ベース部750の上面(C2側の表面)上に形成されている接着樹脂751とによって、凹部711が構成されている。なお、接着樹脂751は、Si(100)基板710とベース部750とを接合するために用いられており、図25に示すように、凹部711の底面716は、実質的に接着樹脂751の上面の一部によって構成されている。また、Si(100)基板710は、高抵抗率(絶縁性)を有しており、上面710aから下面710bまでが、約500μmの厚みを有している。
また、ベース部750(接着樹脂751)の上面のうちの凹部711内に露出する領域(凹部711の底面716となる領域)には、サブマウント40をダイボンディング(接合)するためのCuなどからなる配線電極731が形成されている。これにより、サブマウント40の裏面(C2側の表面)は、凹部711内の略中央からA1側(内側面712側)に寄せられた位置において導電性接着層(図示せず)を介して配線電極731の表面に接合されている。なお、凹部711内に露出する配線電極731はサブマウント40よりも大きな平面積を有しており、サブマウント40は、配線電極731が形成された領域内に載置されている。また、配線電極731は、サブマウント40が載置された位置からA1方向に沿って延びる引き出し配線部731aを有している。
また、内側面712のうちの光出射面と対向する領域には、内側面712の表面上に金属反射膜761が形成されている。これにより、半導体レーザ装置700では、青紫色半導体レーザ素子20の光出射面からA1方向に出射されたレーザ光が、凹部711の内側面712(金属反射膜761)において上方に反射された後、封止ガラス760を透過して外部に出射されるように構成されている。なお、内側面712と金属反射膜761とによって、レーザ光を外部に向けて反射させるための反射手段が構成されている。
また、図26に示すように、凹部711の底面716のうちの配線電極731が形成されていない領域には、矩形形状(約100μm×約100μmの大きさ)を有するワイヤボンディング用の配線電極732および733が形成されている。すなわち、サブマウント40と内側面713とに挟まれた領域のうちの内側面714寄り(B2側)の領域に配線電極732が露出するとともに、内側面715寄り(B1側)の領域に配線電極733が露出して形成されている。また、配線電極732および733は、A2方向に沿って延びる引き出し配線部732aおよび733aを有している。
したがって、青紫色半導体レーザ素子20の上面に形成されたp側電極21には、金属線91の一端がワイヤボンディングされており、金属線91の他端は、配線電極732に接続されている。また、PD42の上面(p型領域)には、金属線92の一端がワイヤボンディングされており、金属線92の他端は、配線電極733に接続されている。また、PD42は、サブマウント40を上下方向(C方向)に貫通する電極36によって、下面(n型領域)と配線電極731とが導通するように構成されている。また、引き出し配線部731a、732aおよび733aの各々の端部には、Au−Sn半田からなる半田ボール724が形成されている。
また、パッケージ90の封止空間内に位置する各部材の表面には、被覆剤16が所定厚みを有して塗布されている。具体的には、被覆剤16は、凹部711内の接着樹脂751の表面と、サブマウント40およびPD42が接合されている部分以外の配線電極731の表面と、配線電極732および733の表面とを連続的に覆っている。したがって、パッケージ90の封止空間内に位置するベース部750および配線電極731〜733などの表面が、被覆剤16により完全に覆われている。なお、第7実施形態のその他の構成は、第1実施形態と略同様である。
次に、図25〜図29を参照して、第7実施形態による半導体レーザ装置700の製造プロセスについて説明する。
まず、図27に示すように、約500μmの厚みD3を有するとともに、略(100)面に対して約9.7°傾斜した主表面(上面710a)を有するウェハ状態のSi(100)基板710を準備する。そして、上面710a上に所定のマスクパターンを有するエッチングマスク(図示せず)が形成されたSi(100)基板710に対してTMAHなどのエッチング液を用いたウェットエッチング(異方性エッチング)を行うことにより、上面710aから下面710bに向かって貫通する貫通孔701を形成する。これにより、ウェハ状態のSi(100)基板710には、開口部701aおよび701bを有する貫通孔701が複数形成される。
この際、Siの結晶方位に応じたエッチングの進行によって、貫通孔701には、4つの異なる内側面712、713、714および715が形成される。なお、内側面712は、上面710aに対して略45°(角度α)傾斜したエッチング面(傾斜面)となり、内側面713は、上面710aに対して略64.4°(角度β)傾斜したエッチング面(傾斜面)となる。また、内側面714および715(図26参照)は、共にSi(100)基板710の上面710aに対して略54.7°傾斜したエッチング面となる。
その後、内側面712のうちの青紫色半導体レーザ素子20が載置された状態における光出射面(図25参照)と対向する領域上に、蒸着法やスパッタ法などを用いて金属反射膜761を形成する。
一方、図28に示すように、約100μmの厚みを有する平板状の銅板703を準備する。銅板703の上面上に所定のマスクパターンを有するエッチングマスク(図示せず)を形成した後、銅板703に対して塩化第二鉄溶液などのエッチング液を用いたウェットエッチングを行う。これにより、銅板703は、上面および下面からエッチングされて、平坦部が約60μmの厚みを有するとともに、上面(C2側の表面)に約20μmの突起高さを有する突起部703aが形成される。
その後、ロールラミネータやホットプレス機を用いたラミネート加工により、熱硬化性のエポキシ樹脂系の接着樹脂751を銅板703の上面上に貼り付ける。この際、接着樹脂751が完全に硬化しない約100℃以下の温度にて貼り付ける。その後、突起部703aを覆う接着樹脂751の部分を、Oプラズマ処理や研磨処理などにより除去する。
その後、図28に示すように、貫通孔701を有するSi(100)基板710の下面710bに接着樹脂751を介して銅板703を貼り付けた後、Si(100)基板710と銅板703とを、約200℃および約1MPaの温度圧力条件下で、約5分間、加熱圧着して接合する。これにより、Si(100)基板710の開口部701b(図27参照)が塞がれて、凹部711が形成される。また、Si(100)基板710の開口部701aは、凹部711の上方の開口部711aとして残される。
その後、青紫色半導体レーザ素子20が予め接合されたサブマウント40を配線電極731の表面上に接合する。その後、金属線91を用いて青紫色半導体レーザ素子20のp側電極21と配線電極732とを接続するとともに、金属線92を用いてPD42のp型領域35bと配線電極733とを接続する。また、金属線93を用いてパッド電極32とパッド電極31とを接続する(図26参照)。なお、金属線91および92を配線電極732および733にワイヤボンドする前に、配線電極732および733の表面上にAuなどからなる金属膜を形成していてもよい。その後、Si(100)基板710を約230℃に加熱した状態で、凹部711内の上記説明した部材の表面に被覆剤16を塗布する。
その後、図29に示すように、Si(100)基板710の凹部711に対して上方から約500μmの厚みを有する封止ガラス760を熱圧着により貼り付ける。この際、Si(100)基板710と封止ガラス760とを封止剤15を用いて約200℃以上約220°以下の温度条件下で接合する。これにより、凹部711の開口部711aを取り囲む上面710aにおいて、封止ガラス760が封止剤15を介してSi(100)基板710と接合されるので、凹部711内部が気密封止される。
その後、配線パターンを形成するために、銅板703の下面側をエッチングする。これにより、突起部703a以外の銅板703の厚みが約20μmとなる。さらに、銅板703の下面上に所定のマスクパターンを有するエッチングマスク(図示せず)を形成した後、銅板703に対して塩化第二鉄を用いたウェットエッチングを行うことにより、引き出し配線部731a、732aおよび733aからなる所定の配線パターンを有する配線電極731〜733を形成する(図29参照)。また、この際、除去された銅板703の下から接着樹脂751が一部露出する。
その後、図29に示すように、配線電極731〜733の下面を被覆するために、配線電極731〜733および露出した接着樹脂751の下面側に、約30μmの厚みを有するフォトソルダーレジストを形成する。この際、フォトソルダーレジストは、フィルム状のものをラミネート処理して貼り付けてもよいし、液状タイプのものを塗布するようにしてもよい。その後、フォトソルダーレジストの下面側の一部を除去して、フォトソルダーレジストから露出する引き出し配線部731a、732aおよび733a(図26参照)の端部に、半田ボール724を形成する。このようにして、ベース部750を形成する。
最後に、凹部711が形成された領域の外側の領域において、ダイヤモンドブレードを用いて、図29に示した分離線790に沿って封止ガラス760およびSi(100)基板710を、共に厚み方向(C方向)に沿って切断する(ダイシングを行う)。このようにして、図26に示すような第7実施形態による半導体レーザ装置700が形成される。
第7実施形態では、上記のように、厚み方向に貫通する貫通孔701が形成されたSi(100)基板710と、Si(100)基板710の上面710aに取り付けられ、貫通孔701の開口部701a(711a)を封止する封止ガラス760と、Si(100)基板710の下面710bに取り付けられ、貫通孔701の開口部701bを封止するベース部750と、開口部701b内に露出するベース部750に形成されている配線電極731の表面上にサブマウント40を介して載置された青紫色半導体レーザ素子20とを備えている。これにより、開口部701b内に露出する配線電極731の表面上に載置された青紫色半導体レーザ素子20の上面20bは、貫通孔701の開口部701a(711a)よりも外側(図25のC2側)に突出しないので、青紫色半導体レーザ素子20を、ベース部750と封止ガラス760とによって貫通孔701の内部に気密封止した状況下で作動させることができる。これにより、青紫色半導体レーザ素子20は、大気中の水分や半導体レーザ装置700周辺に存在する有機物の影響を受けないので、青紫色半導体レーザ素子20の信頼性が低下することを抑制することができる。
また、青紫色半導体レーザ素子20から出射されるレーザ光を、貫通孔701の内側面712上に形成された金属反射膜761により反射した後、封止ガラス760を透過して外部に出射する。これにより、サブマウント40を介して青紫色半導体レーザ素子20を載置するベース部750に固定されているSi(100)基板710の貫通孔701の一部である内側面712を、レーザ光の反射手段として兼用することができる。すなわち、内側面712上に形成された金属反射膜761により反射されるレーザ光の光軸精度は、青紫色半導体レーザ素子20をベース部750に形成されている配線電極731の表面上にサブマウント40を介して載置する際の取り付け誤差にのみ依存するので、光軸ずれを引き起こす要因が少なくなる分、光軸ずれの大きさを低減することができる。
また、貫通孔701が形成されたSi(100)基板710と、Si(100)基板710の下面710bに取り付けられ、貫通孔701の開口部701bを封止するベース部750と、開口部701b内に露出する配線電極731の表面上に載置された青紫色半導体レーザ素子20とを備えている。これにより、青紫色半導体レーザ素子20を載置する支持基体を、Si(100)基板710とは異なる材料を用いて別部材として形成することができるので、半導体レーザ装置700の強度をより確保することができる。また、製造プロセスにおいて、貫通孔701が形成されたSi(100)基板710と平板状のベース部750とを接着樹脂751を介して接合することによって、青紫色半導体レーザ素子20を内部に載置するためのパッケージ90を容易に形成することができる。
また、Si(100)基板710にウェットエッチングを行う際に、Si(100)基板710を貫通する貫通孔701を形成して内側面712、713、714および715を形成しているので、ウェットエッチングを基板内部で停止した場合に生じるエッチング深さのばらつきなどが生じない。また、ベース部750(銅板703)上に載置された青紫色半導体レーザ素子20を、取り付け精度が良好な状態で凹部331内部に載置することができる。これにより、製造プロセス上、青紫色半導体レーザ素子20の載置角度(共振器方向または幅方向に対する上下方向の角度)に起因して、レーザ光の光軸がずれたり、光出射面から金属反射膜761までの距離がばらつくのを効果的に抑制することができる。
また、熱伝導率の良好な配線電極731(銅板703)上にサブマウント40を介して青紫色半導体レーザ素子20を載置しているので、青紫色半導体レーザ素子20の発熱を、配線電極731(銅板703)を介して効率よく放熱させることができる。
また、略(100)面に対して約9.7°傾斜した主表面を有するSi(100)基板710を用いることによって、ウェットエッチングによりSi(100)基板710に貫通孔701を形成する際、エッチングと同時に4つの内側面712〜715を形成することができる。この結果、製造プロセスが簡素化されるので、半導体レーザ装置700を効率よく製造することができる。
また、ウェハ状態のSi(100)基板710に対して複数の貫通孔701を同時に形成することによって、1回のエッチングにより複数の貫通孔701を同時に形成することができるので、その分、半導体レーザ装置700を効率よく製造することができる。
また、青紫色半導体レーザ素子20が複数の凹部711の各々の底面716上に載置された状態にあるウェハ(Si(100)基板710にベース部750が接合されたウェハ)に対して、ウェハ状態の封止ガラス760を熱圧着により接合して凹部711を封止することによって、1枚の封止ガラス760の接合工程により複数の凹部711を同時に気密封止することができるので、その分、半導体レーザ装置700を効率よく製造することができる。なお、第7実施形態のその他の効果は、第1実施形態と同様である。
(第8実施形態)
次に、本発明の第8実施形態による光ピックアップ装置800について説明する。なお、光ピックアップ装置800は、本発明の「光装置」の一例である。
光ピックアップ装置800は、図31に示すように、3波長半導体レーザ装置805と、3波長半導体レーザ装置805から出射されたレーザ光を調整する光学系820と、レーザ光を受光する光検出部830とを備えている。
3波長半導体レーザ装置805では、図30に示すように、パッケージ90内のサブマウント40上に、青紫色半導体レーザ素子20と、青紫色半導体レーザ素子20に隣接して約650nmの発振波長を有する赤色半導体レーザ素子50および約780nmの発振波長を有する赤外半導体レーザ素子55がモノリシックに形成された2波長半導体レーザ素子60とが搭載されている。なお、3波長半導体レーザ装置805は、本発明の「半導体レーザ装置」の一例であり、赤色半導体レーザ素子50、赤外半導体レーザ素子55および2波長半導体レーザ素子60は、本発明の「半導体レーザ素子」の一例である。
また、ベース部10には、金属製のリードフレームからなるリード端子11、72、73、74および75が設けられている。このリード端子11およびリード端子72〜75は、樹脂モールド成型によって、互いに絶縁された状態でベース部10を前方(A1方向)から後方(A2方向)に貫通するように配置されている。そして、ベース部10の外部(A2側)に延びる後端領域が、それぞれ図示しない駆動回路に接続されている。また、リード端子11およびリード端子72〜75の前方に延びた前端領域11a、72a、73a、74aおよび75aは、内壁部10gからそれぞれ露出しており、共に凹部10dの底面上に配置されている。
また、p側電極21には、金属線91の一端がワイヤボンディングされており、金属線91の他端は、リード端子74の前端領域74aに接続されている。また、赤色半導体レーザ素子50の上面に形成されているp側電極51には、金属線92の一端がワイヤボンディングされており、金属線92の他端は、リード端子73の前端領域73aに接続されている。また、赤外半導体レーザ素子55の上面に形成されているp側電極56には、金属線93の一端がワイヤボンディングされており、金属線93の他端は、リード端子72の前端領域72aに接続されている。また、青紫色半導体レーザ素子20の下面に形成されたn側電極(図示せず)および2波長半導体レーザ素子60の下面に形成されたn側電極(図示せず)は、サブマウント40を介してリード端子11の前端領域11aに電気的に接続されている。
また、PD42の上面には、金属線94の一端がワイヤボンディングされており、金属線94の他端は、リード端子75の前端領域75aに接続されている。
また、上記第1実施形態における半導体レーザ装置100と比べて、ベース部10は、断面が幅方向(B方向)に引き延ばされることにより、ベース本体10aが最大幅W81(W81>W1)を有している。これにより、前方側の凹部10bも開口部10dがB方向に広げられている。なお、3波長半導体レーザ装置805のその他の構造は、第1実施形態と略同様であり、図中において、第1実施形態と同様の構成には同じ符号を付して図示している。
また、3波長半導体レーザ装置805の製造プロセスについては、青紫色半導体レーザ素子20および2波長半導体レーザ素子60を横方向(図30のB方向)に並べてサブマウント40を介して接合する。その後、各レーザ素子20および60のp側電極21、54および56、および、PD42の上面と、リード端子72、73、74および75の前端領域72a、73a、74aおよび75aとを、それぞれ、ワイヤボンディングする。その他のプロセスについては、第1実施形態の製造プロセスと略同様である。
また、光学系820は、偏光ビームスプリッタ(PBS)821、コリメータレンズ822、ビームエキスパンダ823、λ/4板824、対物レンズ825、シリンドリカルレンズ826および光軸補正素子827を有している。
また、PBS821は、3波長半導体レーザ装置805から出射されるレーザ光を全透過するとともに、光ディスク835から帰還するレーザ光を全反射する。コリメータレンズ822は、PBS821を透過した3波長半導体レーザ装置805からのレーザ光を平行光に変換する。ビームエキスパンダ823は、凹レンズ、凸レンズおよびアクチュエータ(図示せず)から構成されている。アクチュエータは後述するサーボ回路からのサーボ信号に応じて、凹レンズおよび凸レンズの距離を変化させることにより、3波長半導体レーザ装置805から出射されたレーザ光の波面状態を補正する機能を有している。
また、λ/4板824は、コリメータレンズ822によって略平行光に変換された直線偏光のレーザ光を円偏光に変換する。また、λ/4板824は光ディスク835から帰還する円偏光のレーザ光を直線偏光に変換する。この場合の直線偏光の偏光方向は、3波長半導体レーザ装置805から出射されるレーザ光の直線偏光の方向に直交する。これにより、光ディスク835から帰還するレーザ光は、PBS821によって略全反射される。対物レンズ825は、λ/4板824を透過したレーザ光を光ディスク835の表面(記録層)上に収束させる。なお、対物レンズ825は、対物レンズアクチュエータ(図示せず)により、後述するサーボ回路からのサーボ信号(トラッキングサーボ信号、フォーカスサーボ信号およびチルトサーボ信号)に応じて、フォーカス方向、トラッキング方向およびチルト方向に移動可能にされている。
また、PBS821により全反射されるレーザ光の光軸に沿うように、シリンドリカルレンズ826、光軸補正素子827および光検出部830が配置されている。シリンドリカルレンズ826は、入射されるレーザ光に非点収差作用を付与する。光軸補正素子827は、回折格子により構成されており、シリンドリカルレンズ826を透過した青紫色、赤色および赤外の各レーザ光の0次回折光のスポットが後述する光検出部830の検出領域上で一致するように配置されている。
また、光検出部830は、受光したレーザ光の強度分布に基づいて再生信号を出力する。ここで、光検出部830は再生信号とともに、フォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号およびチルトエラー信号が得られるように所定のパターンの検出領域を有する。このようにして、3波長半導体レーザ装置805を備えた光ピックアップ装置800が構成される。
この光ピックアップ装置800では、3波長半導体レーザ装置805は、リード端子11と、リード端子72〜74との間に、それぞれ、独立して電圧を印加することによって、青紫色半導体レーザ素子20、赤色半導体レーザ素子50および赤外半導体レーザ素子55から、青紫色、赤色および赤外のレーザ光を独立的に出射することが可能である。また、3波長半導体レーザ装置805から出射されたレーザ光は、上記のように、PBS821、コリメータレンズ822、ビームエキスパンダ823、λ/4板824、対物レンズ825、シリンドリカルレンズ826および光軸補正素子827により調整された後、光検出部830の検出領域上に照射される。
ここで、光ディスク835に記録されている情報を再生する場合には、青紫色半導体レーザ素子20、赤色半導体レーザ素子50および赤外半導体レーザ素子55から出射される各々のレーザパワーが一定になるように制御しながら、光ディスク835の記録層にレーザ光を照射するとともに、光検出部830から出力される再生信号を得ることができる。また、同時に出力されるフォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号およびチルトエラー信号により、ビームエキスパンダ823のアクチュエータと対物レンズ825を駆動する対物レンズアクチュエータとを、それぞれ、フィードバック制御することができる。
また、光ディスク835に情報を記録する場合には、記録すべき情報に基づいて、青紫色半導体レーザ素子20および赤色半導体レーザ素子50(赤外半導体レーザ素子55)から出射されるレーザパワーを制御しながら、光ディスク835にレーザ光を照射する。これにより、光ディスク835の記録層に情報を記録することができる。また、上記同様、光検出部830から出力されるフォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号およびチルトエラー信号により、ビームエキスパンダ823のアクチュエータと対物レンズ825を駆動する対物レンズアクチュエータとを、それぞれ、フィードバック制御することができる。
このようにして、3波長半導体レーザ装置805を備えた光ピックアップ装置800を用いて、光ディスク835への記録および再生を行うことができる。
光ピックアップ装置800では、上記3波長半導体レーザ装置805を備えている。すなわち、青紫色半導体レーザ素子20および2波長半導体レーザ素子60がパッケージ90内部に確実に封止されている。これにより半導体レーザ素子が劣化しにくく、長時間の使用にも耐え得る信頼性の高い光ピックアップ装置800を得ることができる。なお、3波長半導体レーザ装置805の効果については、第1実施形態と同様である。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記第1〜第3および第5〜第7実施形態の製造プロセスでは、本発明の「封止用部材」または「ベース部」のいずれか一方の表面に厚みt3(約0.2mm)を有する封止剤15を塗布した後、他方の部材を熱圧着してパッケージを封止した例について示したが、本発明はこれに限られない。封止剤15を塗布する代わりに、予め薄膜状(フィルム状)に形成された封止剤15aを、「封止用部材」と「ベース部」との接合領域のサイズにカットしたものを用いて接合してもよい。たとえば、図32に示す変形例ように、半導体レーザ装置105aでは、製造プロセスにおいて、封止剤15が塗布されていない状態の封止用部材30の裏面(下面)と、ベース部10の上面10iとの間に、封止用部材30の外形形状にカットされたフィルム状の封止剤15aを挟んだ状態で熱圧着する。この際、封止剤15aは、封止用部材30とベース部10との接合領域にのみ配置されればよい。したがって、接合後に封止用部材30が封止空間内に露出する部分については、予め切り抜いておくのが好ましい。このようにして、図33に示すように、封止用部材30は、まず、開口部10eの周辺領域において封止剤15aを介して接合された後、前面部30bの部分が矢印P方向に折り曲げられて開口部10dの周辺領域に接合される。
なお、フィルム状の封止剤15aの厚みt7は、溶融した封止剤15を塗布した場合の厚みt3(図2参照)よりも小さい(t7<t3)。ここで、接合後の接合領域における封止剤15aの厚みt8は、より薄い方が封止性(気密性)が良好であり、かつ、パッケージ90全体の高さ(厚み)も抑制することができる。ただし、薄くしすぎた場合には、被接合部材が有する反りや接合面の凹凸の影響を受けやすく均一な接合状態が得られにくい。また、フィルムの成形性(押し出し成形性)が良好に行われることを考慮しても、封止剤15aの厚みt7には適切な範囲が存在する。この場合、接合後の封止剤15aの接合領域の厚みt8は、約5μm以上約50μm以下であることが好ましく、さらに、約5μm以上約30μm以下であるのがより好ましい。この場合、フィルム状の封止剤15aの熱圧着前の厚みt7は、約5μm以上約50μm以下であることが好ましく、さらに、約5μm以上約30μm以下であるのがより好ましい。
また、フィルム状の封止剤15aを用いて接合した場合にも、図33に示すように、半導体レーザ装置100(図2参照)と同様に、封止剤15aの接合領域の内側および外側にフィレット形状に盛り上がる場合がある。ただし、このフィレット形状に盛り上がった部分の厚みt9は、半導体レーザ装置100において封止剤15の盛り上がった部分の厚みt5(図2参照)よりもはるかに小さい(t9<t5)。また、接合領域からはみ出した部分の封止剤15aは、加熱により凝集して若干縮むので、パッケージ90の封止空間内へのはみ出し量は減少する。
また、フィルム状の封止剤15aについては、上記した封止用部材30とベース部10との接合のみならず、封止用部材30と孔部34を封止する光透過部35との接合にも用いることが可能である。すなわち、孔部34の周囲に対応した封止用部材30の前面部30bと略円盤状の光透過部35との間に、円環状にカットされた封止剤15aを挟んだ状態で部材同士を熱圧着することにより、孔部34を光透過部35で塞ぐことができる。
なお、フィルム状の封止剤15aを用いることの有用性を確認するため、半導体レーザ装置105aに対して、半導体レーザ装置100と同様の上述の条件で、APCによる動作試験を行った。この結果、レーザ素子の動作電流の経時変化については、動作開始後1500時間を経過しても、実施例と比較例とに顕著な差は生じなかった。したがって、塗布形成する代わりに、フィルム状の封止剤15aを用いて部材同士を接合することができることが確認された。
なお、上記した封止剤15aには、封止用部材30とベース部10との接合領域に忠実に対応させて切り抜いたフィルムを用いているが、これに限られず、レーザ光が透過する窓用部材が配置される部分を除いて、フィルムの内側を切り抜かなくてもよい。
また、上記第2実施形態では、封止用部材45の裏面45cの略全面に封止剤15を塗布した例について示したが、本発明はこれに限らず、第1実施形態の変形例と同様にパッケージ90の封止空間内に位置する封止用部材45の裏面45c上に封止剤15を塗布せず、洋白板の表面が封止空間内に露出していてもよい。
また、上記第2〜第7実施形態では、パッケージ90内にガス吸収剤49を設けていないが、本発明はこれに限らず、上記第1実施形態と同様にガス吸収剤49を設けてもよい。ガス吸収剤49には、シリカゲル以外の、たとえば、合成ゼオライト、酸化カルシウム系吸収材または活性炭などを用いてもよい。合成ゼオライトは、ペレット状(円柱状)のものを所定の大きさに切断した上で、パッケージ90の封止空間内に固定すればよい。
また、上記第1、第5および第6実施形態では、アルミ箔を用いて封止用部材を構成した例について示したが、本発明では、アルミ箔以外の金属箔として、たとえば、Cu箔、洋白などのCu合金箔、Sn箔またはステンレス箔などを用いて封止用部材を形成してもよい。なお、封止用部材については、半導体レーザ素子からの発熱を外部に放熱しやすくするために、放熱性の高い金属板を用いる方がよい。
また、上記第1および第6実施形態では、封止用部材の裏面に封止剤15を形成した状態でベース部を封止した例について示したが、本発明では、金属以外の、たとえば、ポリアミド樹脂やエポキシ樹脂などを用いて封止用部材を形成し、裏面に配置された封止剤15を介してベース部に取り付けてもよい。封止用部材に上記した樹脂材料を用いる場合、ガスバリア性に富むEVOH樹脂(封止剤15)により、低分子シロキサンや揮発性の有機ガスなどがパッケージ90の内部に浸入することをより効果的に抑制することができる。
また、上記第2および第3実施形態では、洋白板を用いて封止用部材を構成した例について示したが、本発明では、洋白以外の、たとえば、アルミ板、Cu板、Sn、Ni、Mgなどの合金板またはステンレス板やセラミック板などを用いて封止用部材を形成してもよい。
また、上記第4実施形態では、表面にNiめっきを施したコバールを用いてキャップ部430を形成したが、本発明はこれに限らず、表面にNiめっきを施したFeなどを用いてキャップ部を形成してもよい。
また、上記第4〜第6実施形態においても、窓用部材の表面上にガスバリア層としてのAlやSiOやZrOなどの多層の金属酸化膜(誘電体膜)を形成してもよい。また、Al、Ni、Pt、Auなどの金属膜を形成してもよい。また、第1、第2および第6実施形態のリードフレーム樹脂部材の表面上に金属膜を形成してもよい。
また、上記第1、第2、第3、第5および第6実施形態における製造プロセスでは、約220℃に加熱した状態で封止剤15を封止用部材の片面上に塗布した例について示したが、本発明では、溶剤にEVOH樹脂を溶かした状態で溶剤とEVOH樹脂との混合物を封止用部材に塗布した後、封止用部材を加熱して溶剤を除去するようにしてもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、ポリアミド樹脂を用いてベース本体10aを形成した例について示したが、本発明では、エポキシ樹脂やポリフェニレンサルフィド樹脂(PPS)や液晶ポリマ(LCP)などを用いてベース部を形成してもよい。なお、LCPは、上記した他の樹脂よりも吸水率が小さい点でベース部用のモールド樹脂材料に適している。また、この際、樹脂材料にガス吸収剤を所定の割合で混入した混合物の状態でベース本体10aを成型することができる。ここで、ガス吸収剤は、数十μm以上数百μm以下の粒子径を有する粒子状のものを用いるのが好ましい。
また、上記第1および第2実施形態では、ベース部10の凹部10bの深さを、ベース本体10aの厚みt1の約半分とした例について示したが、これに限定されることなく、たとえば、凹部10bの深さを厚みt1/2よりも深く形成してもよいし、厚みt1/2よりも浅く形成してもよい。
また、上記第3実施形態の変形例では、ベース部315と封止用部材45および窓用部材46とを接合する封止剤15の側面を被覆剤18により覆い、また、上記第4実施形態およびその変形例では、キャップ部430と光透過部35とを接合する封止剤15の側面を被覆剤18により覆う例について示したが、本発明はこれに限らず、この被覆剤18を、他の実施形態における封止用部材と窓用部材とを接合する封止剤15の側面を覆うようにしてもよい。なお、透湿度が小さい材料としては、エポキシ樹脂以外の、たとえば、SiO、Alなどの酸化膜や、Al、Ni、PbまたはAuなどの金属薄膜を用いることができる。
また、上記第1、第2、第4〜第7実施形態では、パッケージ90の封止空間内に位置する部材の表面に被覆剤16を塗布した例について示したが、本発明では、被覆剤16を塗布しなくてもよい。
また、上記第8実施形態では、光ピックアップ装置800について示したが、本発明はこれに限らず、本発明の半導体レーザ装置を、CD、DVDまたはBDなどの光ディスクの記録または再生を行う光ディスク装置に適用してもよい。さらには、赤色半導体レーザ素子、緑色半導体レーザ素子および青色半導体レーザ素子を用いてRGB3波長半導体レーザ装置を構成してもよく、このRGB3波長半導体レーザ装置をプロジェクタ装置などの光装置に適用してもよい。
10、310、410、610、750 ベース部
11 リード端子
15、15a 封止剤
18 被覆剤(樹脂)
20 青紫色半導体レーザ素子(半導体レーザ素子)
30、45 封止用部材
35 光透過部(窓用部材)
46 封止用部材(窓用部材)
50 赤色半導体レーザ素子(半導体レーザ素子)
55 赤外半導体レーザ素子(半導体レーザ素子)
60 2波長半導体レーザ素子(半導体レーザ素子)
90 パッケージ
100、105、105a、200、300、305、400、405、500、600、700 半導体レーザ装置(半導体レーザ装置)
130 アルミ箔(金属箔)
131 洋白シート(金属箔)
310b、315b 凹部
310c 内底面
430、530、630 キャップ部(封止用部材)
760 封止ガラス(窓用部材)
800 光ピックアップ装置(光装置)
805 3波長半導体レーザ装置(半導体レーザ装置)
820 光学系

Claims (10)

  1. 半導体レーザ素子と、
    前記半導体レーザ素子を封止するパッケージとを備え、
    前記パッケージは、前記半導体レーザ素子が取り付けられるベース部と、前記半導体レーザ素子を前記ベース部とともに封止する封止用部材と、前記半導体レーザ素子から出射された光を外部に透過する窓用部材とを含み、
    前記ベース部、前記封止用部材および前記窓用部材のうちの少なくとも2つの部材は、互いに、エチレン−ポリビニルアルコール共重合体からなる封止剤を介して接合されている、半導体レーザ装置。
  2. 前記封止用部材と前記窓用部材とは、前記封止剤を介して接合されている、請求項1に記載の半導体レーザ装置。
  3. 前記封止用部材は、金属製であり、前記窓用部材は、ガラス製である、請求項1または2に記載の半導体レーザ装置。
  4. 前記封止用部材は、金属箔からなり、
    前記封止剤は、前記ベース部との前記接合領域以外の前記封止用部材の表面上にまで延びて設けられている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体レーザ装置。
  5. 前記封止剤の側面は、前記封止剤よりも透湿度が小さい材料からなる樹脂により覆われている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体レーザ装置。
  6. 前記封止用部材は、底部を有する筒状に形成されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の半導体レーザ装置。
  7. 前記ベース部は、金属板からなるとともにリード端子を含み、
    前記ベース部は、前記リード端子以外の部分が折り曲げられて形成された凹部を有し、
    前記凹部の内底面に前記半導体レーザ素子が取り付けられている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の半導体レーザ装置。
  8. 前記封止剤の厚みは、5μm以上50μm以下である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の半導体レーザ装置。
  9. 半導体レーザ素子をベース部に取り付ける工程と、
    前記半導体レーザ素子を封止するように、ベース部、封止用部材および窓用部材のうちの少なくとも2つの部材を、互いに、エチレン−ポリビニルアルコール共重合体からなる封止剤により熱圧着することにより接合する工程とを備える、半導体レーザ装置の製造方法。
  10. 半導体レーザ素子と、前記半導体レーザ素子を封止するパッケージとを含む半導体レーザ装置と、
    前記半導体レーザ装置の出射光を制御する光学系とを備え、
    前記パッケージは、前記半導体レーザ素子が取り付けられるベース部と、前記半導体レーザ素子を前記ベース部とともに封止する封止用部材と、前記半導体レーザ素子から出射された光を外部に透過する窓用部材とを有し、
    前記ベース部、前記封止用部材および前記窓用部材のうちの少なくとも2つの部材は、互いに、エチレン−ポリビニルアルコール共重合体からなる封止剤を介して接合されている、光装置。
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