JP2012052578A - 電動弁 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電動弁は、複合カム部材150は、弁体120a,120b,120cを選択的に押し上げるため、係合部として設けられているフランジ部122a,122b,122cの複数種類の各高さに応じてロータの径方向に並び、且つ周方向に弁体120の係合部が係合する凸部が形成された複数の環状のカム部(内側のカム部151と外側のカム部152)を備えている。切換えの数が増えて、そのために弁体120の数が増えることがあっても、フランジ部122の高さの種類に応じた数の環状のカム部151,152が設けられているので、各弁体の開閉する動作パターンが数多く、好ましくは全ての開閉パターンにまで用意し、実情に適した一つの開閉パターンを選択することができる。
【選択図】図2
Description
また、上記カム部材が前記複数の弁体の外側に配置されている電動弁において、前記カム部材の外側に配置されたカム部の頂部分は、該カム部材の内側に配置されたカム部の頂部分よりも高くされていることを特徴としている。
また、上記カム部材が前記複数の弁体の内側に配置されている電動弁において、前記カム部材の内側に配置されたカム部の頂部分は、該カム部材の外側に配置されたカム部の頂部分よりも高くされていることを特徴としている。
即ち、従来の電動弁では、一つの弁体についてのみ開閉することを考慮しており、他の弁体の開閉の組み合わせまでは考慮されていなかった。例えば、一つの弁について全開か全閉の二通りの開閉制御があるとするとき、3つの弁が対象となっていれば、合計で八つの開閉パターンが存在するが、一つの環状のカム部では、周方向に数多くのリフト用の凸部を用意することは困難であった。しかしながら、本発明によれば、他の弁体の開閉動作との組合せまでを含めた種々の開閉パターンについて作動させることができる電動弁を提供することができる。
なお、図1の例においては、弁本体10にはさらに配管14が挿入される孔が形成されているが、該孔は弁本体とは別の部品に形成し、該部品に弁本体10を固定する構成をとっても良い。
環状の複合カム部150の下面は、弁支持部100の上面に摺動自在に載置される。
シャフト60の外周部には、回転部材70の下面と若干の間隙を保つようにキャップ90が固定され、キャップ90と弁体120の段付きを構成するフランジ部122(図2)との間に縮装されたスプリング92により、弁体120は弁シート110に向けて付勢される。
巻線42は電線50を介してターミナル54に接続され、リード線52を介して外部の給電装置に接続される。ステータとして機能するコイルユニット40とキャン20の内部のロータ30は、ステッピングモータ(パルスモータ)を構成する。このステッピングモータは例えば96パルスでロータ30が360度回転する仕様を備える。
弁本体10には、前述のように常時開放される入口側ポート11が出口側ポート12と同様に設けられる。本発明の弁本体10にあっては出口側の3つのポート12に連通する3個の弁シート110a,110b,110cが形成される。図示の状態では、弁体120a及び120cが弁シート110a,110cを開いており、弁体120bが弁シート110bを閉じている。
この実施例では、弁体120a及び弁シート110aを備える第1の弁、弁体120b及び弁シート110bを備える第2の弁、及び弁シート110cを備える第3の弁は、弁本体10の中心(シャフト60の中心軸線)からほぼ等距離で、かつ第1の弁と第2の弁との間、及び第2の弁と第3の弁との間は、該中心回りでほぼ90度の角度で離れているが、この配置はあくまでも例示であり、設計により変更可能である。
なお、動作パターン[1]の状態から弁体120aのフランジ部122aが内側カム部151の頂部分153から外れた直後においては、弁体120cのフランジ部122cは外側カム部152の頂部分156にまだ係合しているので、該動作パターン[1]から[2]に移行する間には、短時間ではあるが、弁体120a及び120bが閉、弁体120cが開(後述の動作パターン[7])の状態が存在する。
動作パターン[4](パルス24P)では、弁体120aは引き続き内側カム部151の頂部分153に係合しているが、弁体120bがそのフランジ部122bにおいて内側カム部151の頂部分153に係合し始めてリフトし、出口側ポート110bを開く。弁体120cは閉弁状態を維持している。したがって、弁体120aと120bが開弁している。
なお、動作パターン[4]の状態から弁体120bのフランジ部122bが内側カム部151の頂部分153から外れた直後においては、まだ弁体120aのフランジ部122aが内側カム部151の頂部分153に係合しているので、この状態では弁体120aは開、弁体120b及び120cは閉(前述の動作パターン[3])の状態となる。またその後、動作パターン[5]に至るまでの間は、弁体120aのフランジ部122aは内側カム部151のフランジ部153から外れるため、全ての弁体120a〜120cが閉(前述の動作パターン[2])の状態が存在する。
なお、この動作パターン[6]に至る直前においては、弁体120cのフランジ部122cが内側カム部151の頂部153及び外側カム部152の頂部156に係合してから、弁体120aのフランジ部122aが内側カム部151の頂部153に係合するので、その期間のみ、弁体120aが閉、弁体120b及び120cが開(後述の動作パターン[8])の状態が存在する。
遊星ギア95の回転を支持しながら自らも回転するキャリア98が出力リングギア97に相対回転可能に支持されている。
各弁体120は、弁本体10において、回転カム部材81の径方向外方に配置されている。弁体リフト用の複合カム部160は、回転カム部材81の外側に付設されていて且つ弁体120よりも中心軸線寄りに配置されているので、弁体120のフランジ部122に対してロータ30の回転中心寄りの下側から係合する。
リフトしている弁体120aでは、複合カム部160が弁体120aのフランジ部122a先端の下面に当接して、弁体120aを押し上げている。また、リフトしていない弁体120bは、弁シート110bに着座しており、弁体120bのフランジ部122b先端と複合カム部160との間には隙間はあって当接していない。
すなわち、前述の各実施例は、本発明が、入口ポートが一つで出口ポートが三つある四方弁に適用された事例を示しているが、本発明はこれのみに限定されることはなく、二方弁、三方弁、あるいは五方弁以上の多方切換弁や流量制御弁に適用されても良い。
また、フランジ部の半径に関わらず、各弁体にはほぼ同一の弁軸が設けられるものとしたが、例えば、各出口ポートの口径がそれぞれ異なる場合には、それに応じて直径の異なる弁軸としても良い。
また、図示の例では、弁の開閉に利用される回転カム部材の回転角度は、全周の4分の3(リングカムとしては4分の3回転で全パターンを実現可能になっている。)程度であるが、全周(一周)を利用してもよいことは明らかであり、これにより出口ポートの数を多くした場合における複雑な開閉パターンへの対応、出口ポートの口径を大とした場合の対応、あるいはカム部の傾斜部分の傾斜を緩やかにすることができるからこれによる流量調整の精緻な制御が可能となる。
回転カム部材の回転角度を全周としない場合には、該回転カム部材をその回転角度の範囲で形成するようにしても良い。
さらにまた、図1〜図3の実施例においては、回転カム部材の内側に弁体を配置する場合の駆動源として、パルスモータの回転が直接回転カム部材に伝達される形態のものを用いるとし、また図4〜図5の実施例においては、回転カム部材の外側に弁体を配置する場合の駆動源として、パルスモータのロータの回転が減速機構を介して回転カム部材に伝達される形態のものを用いるとしたが、本発明はこれのみに限定されることはなく、減速機構の有無、あるいはその形態はいかなるものであっても良く、また回転駆動源も、特にパルスモータである必要はないことは当然である。
10a 受部材 10b 弁シート形成面
11 入口側ポート 12 出口側のポート
14 配管
20 キャン 20a キャン内部
30 ロータ 32 連結部材
40 コイルユニット 42 巻線
44 ボビン 46 樹脂
50 電線 52 リード線
54 ターミナル
60 シャフト 62 受け部材
70 回転部材
80,81 回転カム部材 82a 凸部
90 キャップ 92 スプリング
100 弁支持部
110;110a,110b,110c 弁シート
120;120a,120b,120c 弁体
122;122a,122b,122c フランジ部
123 先端部
150 複合カム部
151 内側カム部 152 外側カム部
153,156 頂部分 154,157 傾斜部分
155,158 底部分
160 複合カム部
161 内側カム部 162 外側カム部
163,166 頂部分 164,167 傾斜部分
165,168 底部分
200 連通空間 210 ガイド孔
Claims (11)
- 流体が流入する入口側ポート及び流体が流出する複数の出口側ポートを有する弁本体と、
前記弁本体に取り付けられる非磁性金属材料製の円筒形状のキャンと、
前記キャンの内側に配置されると共にフランジ部を有し、前記複数の出口側ポートをそれぞれ開閉するように進退動可能な複数の棒状の弁体と、
前記キャンの内側に回転自在に支持されるロータと、
前記ロータの回転力が伝達されて回転し、前記複数の弁体のフランジ部を駆動するカム部材と、
ステータとして機能するコイルユニットとを備えて、
前記入口ポートを複数の前記出口側ポートに選択的に連通するように流路を切換える電動弁であって、
前記カム部材は、前記フランジ部を押し上げる頂部分を有すると共に、その径方向に同心状に配置された複数のカム部を備え、
前記複数の弁体は、それぞれのフランジ部の先端が前記複数のカム部に対して選択的に当接するように、それらのフランジ部の半径が定められていることを特徴とする電動弁。 - 前記複数の弁体は、前記カム部材の中心からほぼ等距離の位置に配置されたことを特徴とする請求項1記載の電動弁。
- 流体が流入する入口側ポート及び流体が流出する複数の出口側ポートを有する弁本体と、
前記弁本体に取り付けられる非磁性金属材料製の円筒形状のキャンと、
前記キャンの内側に配置されると共にフランジ部を有し、前記複数の出口側ポートをそれぞれ開閉するように進退動可能な複数の棒状の弁体と、
前記キャンの内側に回転自在に支持されるロータと、
前記ロータの回転力が伝達されて回転し、前記複数の弁体のフランジ部を駆動するカム部材と、
ステータとして機能するコイルユニットとを備えて、
前記入口ポートを複数の前記出口側ポートに選択的に連通するように流路を切換える電動弁であって、
前記カム部材は、前記フランジ部を押し上げる頂部分を有すると共に、その径方向に同心状に配置された複数のカム部を備え、
前記複数の弁体のフランジ部は、それぞれほぼ同一の半径を有すると共に、それぞれのフランジ部の先端が前記複数のカム部に対して選択的に当接するように、前記複数の弁体それぞれの、前記カム部材の中心からの位置が定められていることを特徴とする電動弁。 - 前記フランジ部は、弁体の外周全周に亘って形成されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の電動弁。
- 前記カム部材は、前記複数の弁体の外側に配置されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の電動弁。
- 前記カム部材の外側に配置されたカム部の頂部分は、該カム部材の内側に配置されたカム部の頂部分よりも高くされていることを特徴とする請求項5記載の電動弁。
- 前記カム部材は、前記複数の弁体の内側に配置されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の電動弁。
- 前記カム部材の内側に配置されたカム部の頂部分は、該カム部材の外側に配置されたカム部の頂部分よりも高くされたことを特徴とする請求項7記載の電動弁。
- 前記各カム部は前記頂部分から切換えの前後方向になだらかに傾斜した傾斜部分を備え、前記フランジ部が前記傾斜部分と係合する位置を変更することにより、前記弁体が開閉する前記出口側ポートを通じて流れる流量を可変としたことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項記載の電動弁。
- 前記弁体の配置と前記カム部材の形状とに基づいて、前記カム部材の回転位置に対応して、前記複数の弁体の開閉についての全組合せパターンが用意されており、前記カム部材の前記回転位置を選択することで、前記複数の弁体の一つの前記開閉パターンが選択されることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項記載の電動弁。
- 前記ロータの回転を減速して伝達する遊星歯車機構を備え、
前記カム部材は、前記頂部分が前記遊星歯車機構の側へ突出するように形成されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項記載の電動弁。
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