JP2012052065A - 樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】射出成形時の離型性と金型汚染を改善し、優れた耐湿性及び良好な難燃性を有し、機械特性にも優れた樹脂組成物を提供する。
【解決手段】下記(A)、(B)、(C)及び(D)の合計100質量%において、(A)ポリカーボネート樹脂;20〜89質量%、(B)スチレン系樹脂;0〜30質量%、(C)下記一般式(I)で表される酸価が1以下のリン化合物;1〜30質量%及び、(D)無機充填材;10〜60質量%を、含有する樹脂組成物。

【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂組成物に関する。
従来から、ポリカーボネート樹脂(以下、「PC」とも言う。)及びこれとスチレン系樹脂とのポリマーアロイ(以下、「PC/PS系アロイ」とも言う。)は、各種の電気・電子製品や車両関係製品に使用されている。
例えば、薄型テレビのハウジング、複写機、プリンター、ファクシミリ、パーソナルコンピューター、ノート型若しくは携帯型コンピュータ等事務機器製品のハウジングやシャーシ等部品、携帯電話、モデム、メディアコンバーター等の通信機器のハウジングや部品、ゲーム機器のハウジングや部品、音響機器のハウジングや部品、自動車ヘッドランプや車載オ−ディオ関係部品等に広く使用されている。
近年、上述した用途においては、環境対策が重要視される傾向にあり、製品の小型化、軽量化、高寸法性の要請が高まってきている。それらの要求に基いて、薄肉成形性や精密成形性はもちろん、高い難燃性と高剛性、寸法安定性を改良する技術が研究されている。
また、近年、東南アジア地域において上述した各種用途における機器や部品の製造及び使用、太陽電池等部品等の屋外機器用途が増えてきている。
かかる地域においては高温・高湿の環境下における製品樹脂の耐性が重要となるが、未だ十分な耐湿性を有していないことによる物性劣化が問題となることも多いのが現状である。
一般的に、PC及びPC/PS系アロイは、耐湿性が高い材料であるとは言えず、特に、難燃剤を配合し、さらに補強剤で強化された樹脂組成物とした場合においても、高いレベルの耐湿性は得られていない。
PC系樹脂の耐湿性を改良する技術として、PCの重合時残存成分を抑制する技術(例えば、特許文献1参照。)、難燃化剤としての特定有機リン化合物の酸価、不純物及び水分を抑制する技術(例えば、特許文献2及び3参照。)、更に補強剤を充填した材料において、難燃化剤としての特定有機リン化合物の酸価を規定する技術(例えば、特許文献4参照。)が開示されている。
特開2002−348459号公報 特開平11−310695号公報 特開2004−217784号公報 特開2000−191896号公報
上述したように、PC樹脂及びPC/PS系アロイの用途が拡がり、かかる材料を用いた部品の軽量・薄肉化、精密化に伴い、さらに高剛性で高寸法性を有し難燃性にも優れている材料が要求されるようになって来ている。
しかしながら、ポリカーボネート樹脂は、耐湿性について、未だ改良すべき点を有しており、特に難燃化剤と充填材を配合した樹脂組成物においては実用上十分な耐湿性が得られていない。
耐湿性が不十分であると、電気特性、機械物性及び耐熱性に悪影響を及ぼすため、優れた耐湿性を有する樹脂組成物の開発が望まれている。
また、充填材を多量に配合すると、樹脂組成物の成形流動性が低下するため、成形品が薄肉化すれば、それに伴って高温・高速・高圧で射出成形することが必要となり、難燃剤その他の添加剤及び樹脂の分解物による金型表面の汚染や離型性が問題となる。
そこで本発明においては、射出成形時の離型性と金型汚染を改善し、優れた耐湿性及び良好な難燃性を有し、機械特性にも優れた樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく種々検討を行った結果、各成分の含有量を制御し、所定の構造を有するリン化合物を難燃化剤として用いることにより上記課題を解決することを見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
〔1〕
下記(A)、(B)、(C)及び(D)の合計100質量%において、
(A)ポリカーボネート樹脂 20〜89質量%、
(B)スチレン系樹脂 0〜30質量%、
(C)下記一般式(I)で表される酸価が1以下のリン化合物 1〜30質量%
及び、
(D)無機充填材 10〜60質量%
を、含有する樹脂組成物。
一般式(I)中、Aは、それぞれ独立して、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜10のアリール基及び炭素原子数7〜12のアラルキル基からなる群より選ばれるいずれかを表し、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数5〜6のシクロアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、及び炭素原子数7〜12のアラルキル基からなる群より選ばれるいずれかを表し、x及びyは、それぞれ独立して0〜4のいずれかの整数であり、nは、それぞれ独立して0又は1であり、Nは、1〜30である。
〔2〕
前記成分(A)と前記成分(B)との質量比(A)/(B)が、50/50〜100/0である前記〔1〕に記載の樹脂組成物。
〔3〕
前記(C)リン化合物が、酸価0.5以下である前記〔1〕又は〔2〕に記載の樹脂組成物。
〔4〕
前記(C)リン化合物が、下記一般式(II)で表されるリン化合物である前記〔1〕乃至〔3〕のいずれか一に記載の樹脂組成物。
一般式(II)中、Nは、1〜10である。
〔5〕
前記(B)スチレン系樹脂が、単量体として少なくともスチレン及びアクリロニトリルを含有する共重合体である前記〔1〕乃至〔4〕のいずれか一に記載の樹脂組成物。
本発明によれば、射出成形時の離型性と金型汚染を改善し、優れた耐湿性及び良好な難燃性を有し、機械特性にも優れた樹脂組成物が得られる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」と言う。)について詳細に説明する。
なお、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
〔樹脂組成物〕
本実施形態の樹脂組成物は、
下記(A)、(B)、(C)及び(D)の合計100質量%において、
(A)ポリカーボネート樹脂 20〜89質量%、
(B)スチレン系樹脂 0〜30質量%、
(C)下記一般式(I)で表される酸価が1以下のリン化合物 1〜30質量%
及び、
(D)無機充填材 10〜60質量%
を、含有する樹脂組成物である。
一般式(I)中、Aは、それぞれ独立して、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜10のアリール基及び炭素原子数7〜12のアラルキル基からなる群より選ばれるいずれかを表し、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数5〜6のシクロアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、及び炭素原子数7〜12のアラルキル基からなる群より選ばれるいずれかを表し、x及びyは、それぞれ独立して0〜4のいずれかの整数であり、nは、それぞれ独立して0又は1であり、Nは1〜30である。
以下、樹脂組成物の各構成成分について、詳細に説明する。
((A)ポリカーボネート樹脂)
本実施形態の樹脂組成物に含有されている(A)ポリカーボネート(以下PCと略す場合もあり、単に成分(A)と記す場合もある。)は、下記式(1)で表される繰り返し単位からなる主鎖を有するものである。
−(O−Ar−O−CO)− ・・・ 式(1)
(前記式(1)中、Arは、二価の芳香族残基であり、例えば、フェニレン、ナフチレン、ビフェニレン、ピリジレンや、下記式(2)で表される基が挙げられる。)
−Ar−Y−Ar− ・・・ 式(2)
(前記式(2)中、Ar及びArは、それぞれ独立してアリーレン基であり、例えば、フェニレン、ナフチレン、ビフェニレン、ピリジレン等の基を表す。Yはアルキレン基又は置換アルキレン基である。)
また、(A)ポリカーボネートは、下記式(3)で示される二価の芳香族残基を共重合体成分として含有している場合も含む。
−Ar−Z−Ar− ・・・ 式(3)
(前記式(3)中、Ar、Arは、前記式(2)中のAr、Arと同じである。
Zは単なる結合、又は−O−、−CO−、−S−、−SO−、−CO−、−CONR−等の二価の基である。なお、Rは、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜6の低級アルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、及び炭素数6〜30のアリール基からなる群より選ばれるいずれかである。)
前記二価の芳香族残基(式(1)中のAr)の具体例としては、下記式(4)で表されるものが挙げられる。
前記式(4)で表される各化学式中、R及びRは、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、及び炭素数6〜30のアリール基からなる群より選ばれるいずれかである。
m及びnは1〜4の整数であり、mが2〜4の場合には、各Rはそれぞれ同一でも異なるものであってもよく、nが2〜4の場合は、各Rはそれぞれ同一でも異なるものであってもよい。
前記式(4)で表される各化学式に示す二価の芳香族残基の中においても、下記式(5)で表される基が好ましい。
特に、前記式(1)として、前記式(5)で表される基をArとする繰り返し単位を85モル%以上(ポリカーボネート中の全モノマー単位を基準として)含むポリカーボネートが特に好ましい。
また、(A)ポリカーボネートは、三価以上の芳香族残基を共重合成分として含有しているものであってもよい。
(A)ポリカーボネート末端の分子構造は特に限定されないが、フェノール性水酸基、アリールカーボネート基、アルキルカーボネート基から選ばれる1種以上の末端基を有していることが好ましい。これらの中で、フェノール性水酸基、フェニルカーボネート基、p−t−ブチルフェニルカーボネート基、p−クミルフェニルカーボネート等が末端構造としてより好ましい。
(A)ポリカーボネートの末端の分子構造として、フェノール性水酸基を有している場合、 フェノール性水酸基末端の全末端基数に対する割合は特に限定されないが、より優れた色調や機械的物性を得る観点からは、フェノール性水酸基末端の割合が全末端基数の20%以上であることが好ましく、20〜80%の範囲にあることがより好ましい。
フェノール性水酸基末端の割合が全末端基数の80%を超えると、樹脂組成物の溶融時の熱安定性が若干低下する傾向にある。
フェノール性水酸基末端の割合は、一般にNMRを用いて測定する方法(NMR法)や、チタンを用いて測定する方法(チタン法)や、UVもしくはIRを用いて測定する方法(UV法もしくはIR法)で求めることができる。
(A)ポリカーボネートの重量平均分子量(Mw)は、一般に耐衝撃性の観点から5,000以上、また樹脂組成物の溶融流動性の観点から200,000以下であることが好ましく、より好ましくは10,000〜60,000であり、さらに好ましくは15,000〜40,000であり、さらにより好ましくは18,000〜30,000である。
重量平均分子量(Mw)の測定は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)を用いて行い、測定条件は以下の通りである。
すなわち、テトラヒドロフランを溶媒とし、ポリスチレンゲルを使用し、標準単分散ポリスチレンの構成曲線から下式による換算分子量較正曲線を用いて求められる。
PC=0.3591MPS 1.0388
(前記式中、MPCはポリカーボネートの重量平均分子量、MPSはポリスチレンの重量平均分子量である。)
(A)ポリカーボネートは、公知の方法により製造できる。例えば、芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体と反応せしめる公知の方法で製造できる。
具体的には、芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体(例えばホスゲン)を水酸化ナトリウム水溶液及び塩化メチレン溶媒の存在下に反応させる界面重合法(例えばホスゲン法)、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステル(例えばジフェニルカーボネート)などを反応させるエステル交換法(溶融法)、ホスゲン法又は溶融法で得られた結晶化カーボネートプレポリマーを固相重合する方法〔特開平1−158033号公報(米国特許第4,948,871号明細書に対応)、特開平1−271426号公報、特開平3−68627号公報(米国特許第5,204,377号明細書に対応)〕等の方法により製造できる。
(A)ポリカーボネートの好ましい例としては、2価フェノール(芳香族ジヒドロキシ化合物)と炭酸ジエステルとからエステル交換法にて製造された実質的に塩素原子を含まないポリカーボネート樹脂が挙げられる。具体例としては、旭美化成有限公司製ワンダーライト(商標名)が挙げられる。
本実施形態においては、(A)ポリカーボネート樹脂として、異なる構造や分子量を有する2種以上のポリカーボネートを組み合わせて使用することもできる。
((B)スチレン系樹脂)
本実施形態の樹脂組成物に含有されている(B)スチレン系樹脂(以下、単に成分(B)と記す場合もある。)は、ゴム質重合体存在下又は非存在下で、スチレン系化合物、又はスチレン系化合物とスチレン系化合物に共重合可能な化合物とを重合して得られる重合体である。
スチレン系化合物としては、以下に制限されないが、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、モノクロロスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、エチルスチレンが挙げられ、スチレンが好ましい。
前記スチレン系化合物と共重合可能な化合物としては、以下に制限されないが、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等の不飽和カルボン酸類、エチルアクリレート、ブチルアクリレート等のアクリル酸エステル類;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル類;アクリロニトリルやメタクリロニトリル等の不飽和ニトリル化合物類;無水マレイン酸、フェニルマレイミド等のマレイン酸誘導体が挙げられる。特に、アクリロニトリル、メチルメタクリレート、ブチルアクリレートが好ましく、アクリロニトリルがより好ましい。これらの化合物は、上述の通り、前記スチレン系化合物とともに使用される。前記スチレン系化合物と共重合可能な化合物の使用割合は、スチレン系化合物との合計量を100質量%としたとき、60質量%以下が好ましく、より好ましくは1〜50質量%、さらに好ましくは5〜40質量%、さらにより好ましくは8〜35質量%である。
前記ゴム質重合体としては、以下に制限されないが、例えば、共役ジエン系ゴム、共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物との共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、共役ジエン化合物とアクリル酸エステル化合物との共重合体、エチレンとアクリル酸エステル化合物との共重合体、ゴム状アクリル酸エステル重合体、塩素化ポリエチレン等が挙げられる。特に、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエンランダム共重合体及びスチレン−ブタジエンブロック共重合体、ならびにこれらを部分的に又は略完全に水素添加したゴム成分が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
市場で入手できる(B)スチレン系樹脂としては、例えば、(ホモ)ポリスチレン(アタクチックポリスチレン)、シンジオタクチックポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン(ゴム変性ポリスチレン)、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−メチルメタクリレート共重合体、ABS樹脂やACS樹脂等のゴム変性スチレン−アクリロニトリル共重合体、MBS樹脂やMABS樹脂等のゴム変性スチレン−メチルメタクリレート共重合体、スチレン−(メタ)アクリレート共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−マレイミド共重合体等が挙げられる。
好ましい(B)スチレン系樹脂としては、ポリスチレン(GPPS)、ゴム変性ポリスチレン(HIPS)、スチレン−アクリロニトリル共重合体(AS)、ゴム変性スチレン−アクリロニトリル共重合体(ABS、AAS、AES、ACS)、ゴム変性スチレン−メチルメタクリレート共重合体(MBS)、ゴム変性スチレン−アクリロニトリル−メチルメタクリレート共重合体(MABS)が挙げられる。より好ましい(B)スチレン系樹脂としては、スチレン−アクリロニトリル共重合体(AS)、ポリブタジエン変性スチレン−アクリロニトリル共重合体(ABS)、ポリブタジエン変性ポリスチレン(HIPS)が挙げられる。
上述した各種(B)スチレン系樹脂は、一種のみを単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(B)スチレン系樹脂の製造方法については、特に限定されるものではなく、塊状重合、溶液重合、塊状懸濁重合、懸濁重合、乳化重合等、通常の公知の方法が用いられる。特に、アルカリ金属や金属化合物等の不純物が少ない塊状重合、溶液重合、塊状懸濁重合法が好ましく用いられ、塊状重合又は溶液重合がより好ましい。
また、(B)スチレン系樹脂は、別個に共重合した異なる樹脂をブレンドしたものであってもよい。
(B)スチレン系樹脂中の、重合時の重合開始剤や乳化剤として用いられるアルカリ金属の含有量は少ないほど好ましく、好ましくは1質量ppm以下、より好ましくは0.5質量ppm以下、さらに好ましくは0.1質量ppm以下である。
また、アルカリ金属の中でもナトリウム及びカリウムの成分の(B)スチレン系樹脂中の含有量は、合算して1質量ppm以下であることが好ましく、0.5質量ppm以下であることがより好ましく、0.1質量ppm以下であることがさらに好ましい。
(B)スチレン系樹脂中のアルカリ金属含有量は、例えば、ICP(高周波誘導プラズマ)法や、原子吸光法により分析し測定することができる。
((C)リン化合物)
本実施形態の樹脂組成物に含有されている(C)リン化合物(以下、成分(C)と記す場合もある。)は、下記一般式(I)で表されるリン酸エステル化合物である。
前記一般式(I)中、Aは、それぞれ独立して、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜10のアリール基、及び炭素原子数7〜12のアラルキル基からなる群より選ばれるいずれかを表し、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数5〜6のシクロアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、及び炭素原子数7〜12のアラルキル基からなる群より選ばれるいずれかを表し、x及びyは、それぞれ独立して0〜4のいずれかの整数であり、nは、それぞれ独立して0又は1であり、Nは1〜30である。
前記一般式(I)中、Aは、それぞれ独立してメチル基又はフェニル基であることが好ましく、メチル基であることがより好ましい。また、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立して炭素原子数6〜20のアリール基であることが好ましく、フェニル基、キシレニル基、及びクレジル基からなる群より選ばれるいずれかであることがより好ましい。x及びyは、それぞれ独立して0又は1であることが好ましく、0であることがより好ましい。nは1であることが好ましい。Nは1〜20であることが好ましく、1〜10であることがより好ましく、1〜5であることがさらに好ましい。
前記一般式(I)で表されるリン化合物は、一般にはNの異なるリン化合物の混合物である。この場合、Nは平均値として表し、当該平均値が上記範囲内であればよい。従ってNが上記数値範囲外であるリン化合物が不純物として含まれることを排除するものではない。N=0の場合は、モノリン化合物を表し、一般に不純物として含まれる。
(C)リン化合物は、下記一般式(II)又は下記式(II)’で表されるリン化合物であることが好ましい。
前記一般式(II)又は前記一般式(II)’中、Nは1〜30であり、1〜10であることが好ましく、1〜5であることがより好ましい。
前記一般式(II)又は前記一般式(II)’で表されるリン化合物は、一般にはNの異なるリン化合物の混合物である。この場合、Nは平均値として表し、当該平均値が上記数値範囲内であればよい。従ってNが上記数値範囲外であるリン化合物が不純物として含まれることを排除するものではない。N=0の場合はモノリン化合物を表し、一般に不純物として含まれる。
上述した(C)リン化合物は、国際公開第2003/089442号及び特開2008−202009号公報に記載されている方法により製造できる。(C)リン化合物は市販されているものを用いてもよく、例えば株式会社ADEKA製の商品名:FP800が挙げられる。
上述した(C)リン化合物は、一種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(C)リン化合物は、酸価が1以下であるものとし、0.5以下であることが好ましく、0.1以下であることがより好ましい。
前記(C)リン化合物の酸価が前記範囲内であると、本実施形態の樹脂組成物において、金型汚染の抑制が図られ、耐湿性等の特性が良好となる傾向にある。なお、酸価は、JIS K2501に準拠して得られる値であり、mg−KOH/gとして表される。
前記(C)リン化合物の粗生成物は、通常、不純物の影響により酸価が高い。前記(C)リン化合物の酸価は、リン化合物をトルエンに溶解させ、酸又は塩基を含む水溶液により洗浄することによって下げることができ、洗浄の程度によって酸価を制御することができる。
(C)リン化合物の酸価の測定方法を下記に示す。なお、下記の測定方法は一例であり、本実施形態の樹脂組成物を構成する(C)リン化合物の酸価の特定する方法として、下記の測定方法に含まれている数値や具体的な材料に限定されるものではない。
使用試薬;
1)溶剤 トルエン500mL、蒸留水5mL及びイソプロピルアルコール495mLの混合液。
2)滴定液 市販の1/10N水酸化カリウムのイソプロピルアルコール溶液。
3)指示薬 α−ナフトールベンゼイン2gを上記溶剤200mLに溶解したもの。
操作;
300mL三角フラスコに、試料を50g精秤し、上記溶剤100mLを加えて試料を溶解する。この溶解液に上記指示薬3mLを加え、直ちに上記滴定液を用いて既定する。終点が近づくにつれてオレンジ色が緑色乃至緑褐色に変化する。終点の判断は、色が15秒間変わったままでいることで確認する。
計算式;
酸価(mgKOH/g)=[(A−B)×N×56.1]/S
A:試料の滴定に要した滴定液の量(mL)
B:空試験の滴定に要した滴定液の量(mL)
N:滴定液の規定度(0.1)
S:試料(g)
本実施形態の樹脂組成物において、上述した(C)リン化合物は、難燃化剤として作用する。本実施形態の樹脂組成物においては、成分(C)とともに、公知の難燃化剤を用いてもよい。
公知の難燃化剤としては、例えば成分(C)以外のリン酸エステル化合物、ホスファゼン化合物、ホスフィン酸金属塩化合物、ポリリン酸塩、赤リン等が挙げられる。これらの中から選択される1種以上の公知の難燃化剤を、難燃化剤全量の50質量%以下の範囲で上述した成分(C)とともに併用することができる。
((D)無機充填材)
本実施形態の樹脂組成物に含有されている(D)無機充填材(以下、成分(D)と記す場合もある。)としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カリウム繊維、板状又は鱗片状のガラス、ガラスフレーク(日本板硝子 登録商標)、ガラスビーズ、マイカ、タルク、クロライト、ワラストナイト、カオリナイト、焼成クレー、炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、シラスバルーン等の天然鉱物や人工充填材が挙げられる。
これらの成分(D)は、一種単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
また、(D)無機充填材の形状は、繊維状、板状(鱗片状、層状含む)、針状、球状のいずれでもよい。
前記(D)無機充填材は、成形品の寸法特性(反りや寸法の方向性等)の観点から、板状充填材を含有することが好ましい。
板状充填材を含有する樹脂組成物が寸法特性において優れていることについては多くの特許文献に開示されている。例えば、国際公開第95/27603号公報、特開昭62−109855号公報、特開平06−157896号公報、特開平06−172635号公報、特開平08−183902号公報、特開平09−7208号公報、特開平09−12733号公報、特開2002−352542号公報、特開2003−41131号公報、特開2004−315645号公報、特開2004−323565号公報、特開2005−320473号公報等が挙げられ、これらの従来技術に記載された板状(鱗片状、層状含む)無機充填材は、本実施形態の樹脂組成物に含有されている(D)無機充填材に包含される。
また、前記成分(D)は、当該成分(D)の全量に対して、板状充填材を、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、さらに好ましくは30質量%以上、さらにより好ましくは50質量%以上含有する。
(D)無機充填材として少なくとも1種の板状充填材を前記配合量で含有させることにより、優れた寸法特性が得られる。
(D)無機充填材としては、本実施形態の樹脂組成物の強度と寸法特性とのバランスの観点からはマイカを用いることが好ましく、難燃特性面ではクロライトを用いることが好ましい。
(D)無機充填材としてのガラス繊維は、平均直径が20μm以下のものが、本実施形態の樹脂組成物における機械的強度の向上効果や、成形体の反りの低減化の観点から好ましく、さらに5〜15μmのものが機械特性ならびに寸法特性のバランスの観点からより好ましい。ガラス繊維の繊維長については特に限定されるものではなく、カットされていないガラスロービングも使用可能である。なお、3〜15mm程度のチョップドストランドが一般的に市販されており取り扱い上からも好ましい。前記チョップストランドを用いた場合の集束本数は100〜5000本が好ましい。ガラス繊維を製造する場合における原料ガラスの組成は、無アルカリのものが好ましく、例えばEガラスが挙げられる。
(D)無機充填材としては、本実施形態の樹脂組成物の寸法特性の観点からは、カットファイバーとして市販されている0.1〜0.5mm程度の繊維長のガラス繊維、ミルドファイバーとして市販されている0.1mm以下の繊維長の粉状ガラス繊維を用いることが好ましい。
本実施形態の樹脂組成物の強度を重視する場合には、ガラスロービングの長繊維やチョップドストランドを、外観や寸法異方性を重視する場合にはカットファイバーやミルドファイバーを用いることが好ましい。
これらの各種ガラス繊維は、多くのガラスメーカーから入手できる。
ガラスの種類としては、一般にEガラスが用いられるが、CガラスやECRガラスも用いることができる。
上述した各種ガラス繊維は、そのまま使用することもできるが、一般には、樹脂との密着性を高めるための表面処理剤及び集束剤で処理してから使用することが好ましい。
集束剤は、通常、フィルム形成剤、界面活性剤、柔軟剤、帯電防止剤、潤滑剤等より構成される。
表面処理剤としては、樹脂成分とガラス繊維との親和性あるいは界面結合力(密着性)を高める目的で、種々のカップリング剤を使用してもよい。
カップリング剤としては、シラン系、クローム系、チタン系等のカップリング剤を用いることができ、特に、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のエポキシシラン;ビニルトリクロロシラン;γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン等のシラン系カップリング剤を含むものが好ましい。
表面処理剤及び集束剤における処理の際には、非イオン・陽イオン・陰イオン型等各種の界面活性剤や脂肪酸・金属石鹸・各種樹脂等の分散剤による処理を併せて行うことが、本実施形態の樹脂組成物の機械的強度及び混練性の向上を図る観点から好ましい。
(D)無機充填材としての炭素繊維は、市販品として東レ(株)社製のトレカ(登録商標)カットファイバーあるいはミルドファイバー、三菱レイヨン(株)社製のパイロフィル(登録商標)チョプドファイバー等が使用できる。
(D)無機充填材としてのチタン酸カリウム繊維は、市販品として大塚化学(株)社製のティスモ(登録商標)等が使用できる。
本実施形態の樹脂組成物は、成形品の寸法異方性を特に重視する場合、成分(D)として、板状又は鱗片状の(D)無機充填材を含有することが好ましい。板状又は鱗片状の無機充填材としては、板状又は鱗片状のガラス、マイカ、クロライト及びタルクが好ましい。
板状又は鱗片状のガラスの製法としては、溶融ガラスのバルーンを破砕するバルーン法や超遠心力によるスパン法等が知られている。一般に篩分けによる重量平均径が0.05mm〜2mm、厚み1〜10μmのものが利用され、本実施形態の樹脂組成物中における長径が1000μm以下、好ましくは1〜500μmの範囲であり、かつ重量平均アスペクト比(重量平均長径と重量平均厚みとの比)が5以上、好ましくは10以上、さらに好ましくは30以上のものを用いる。
板状又は鱗片状のガラスを、他の成分と混合して樹脂組成物を調製する際に、板状又は鱗片状のガラスは破壊されてそのサイズが小さくなる。樹脂組成物中における板状又は鱗片状のガラスの長径及び厚みの測定は、樹脂組成物を溶解し、濾過して板状又は鱗片状のガラスを取り出し、光学顕微鏡又は走査型電子顕微鏡で観察することによって行うことができる。
前記板状又は鱗片状のガラスが長径2mmを超えるものである場合は、樹脂への配合時に、樹脂との均一混合が困難となり、また成形品の物性にムラを生じる場合がある。一方、アスペクト比が5未満のものは、成形品の熱変形温度の向上効果が十分には得られず、またアイゾット衝撃強さ及び剛性が低下する傾向にある。
また、前記板状又は鱗片状のガラスは、上述したガラス繊維同様に、表面処理剤及び集束剤で処理したものが好ましく、樹脂との親和性を改良する目的で、例えばシラン系(例えばアミノシラン系)やチタネート系等の種々のカップリング剤で表面処理したものも使用できる。
板状又は鱗片状のガラスの市販品の例としては、日本板硝子社のマイクログラス・フレカ(登録商標)、GLASS FLAKE Limited社(英国)の鱗片状硝子が挙げられる。板状又は鱗片状ガラスとしては市販されているものをそのまま用いることができるが、樹脂に配合する前に適当に粉砕してから用いてもよい。
(D)無機充填材としてのマイカは、鱗片状の珪酸アルミニウム系の鉱物であり、例えば、KAl2(AlSi310)(OH)2(白マイカ)、K(Mg,Fe)3(AlSi310)(OH)2(黒マイカ)、KMg3(AlSi310)(OH)2(金マイカ)、KLi2Al(Si410)(OH)2(鱗マイカ)、NaAl2(AlSi310)(OH)2(ソーダマイカ)、KMg3(AlSi310)F2(フッ素金マイカ)の化学式で示される種々のマイカが挙げられる。
これらのマイカは、へき開性を有しており、本実施形態では、いずれのマイカも使用可能である。
マイカの平均粒径は、本実施形態の樹脂組成物の剛性と寸法特性とのバランスを良好なものとする観点から、3〜200μm(篩分け法)が好ましく、より好ましくは5〜150μm、さらに好ましくは10〜100μmである。平均粒径が3μm以上で補強効果及び寸法性に対して効果が顕著であり、200μm以下において成形品のウエルド強度の低下や表面外観の悪化が小さい。
(D)無機充填材としてのタルクは、主成分がケイ酸マグネシウムであり、不純物としてカルシウム、鉄、ナトリウム、カリウム等の塩が含まれているものが一般的である。
本実施形態に用いるタルクは、天然滑石を粉砕、分級したものであることが好ましく、鱗片状又は平板状の鉱物であることがより好ましい。
また、前記タルクは、化学組成が含水ケイ酸マグネシウムとして4SiO2・3MgO・H2Oで表されるものが好ましい。当該含水ケイ酸マグネシウムは、産地により異なるが、通常SiO2を55〜63質量%、MgOを25〜33質量%、灼熱減量(H2O)5質量%程度から構成されている。その他の少量成分としてFe23を0.1〜5質量%、Al23を0.1〜3質量%、CaOを0.1〜5質量%等を含有している。
前記タルクの平均粒径については、特に制限されるものではないが、通常、0.5μm〜20μm(篩分け法)が好ましく、より好ましくは1μm〜15μm、さらに好ましくは1.5μm〜10μmである。
前記タルクの平均粒径が0.5μm以上であると、補強効果及び寸法性に対して効果が顕著であり、前記タルクの平均粒径が20μm以下であると、成形品のウエルド強度の低下や表面外観の悪化が小さくなる傾向にある。
(D)無機充填材としてのクロライトは、緑泥石群天然鉱石であることが好ましい。
緑泥石群鉱石とは、Mg、Fe、Mn,Ni等からなる酸化物、Al、Fe、Cr、Ti等からなる酸化物、Si、Al等からなる酸化物の各群から選択される所定のものを含有する鉱石であり、結晶構造としては、単斜晶系と斜方晶系とがある。
緑泥石群鉱石の平均粒径は、特に制限されるものではないが、0.5μm〜30μm(篩分け法)が好ましく、より好ましくは1μm〜20μm、さらに好ましくは3μm〜15μmである。
前記緑泥石群鉱石の平均粒径が0.5μm以上であると、補強効果及び寸法性に対して効果が顕著であり、前記緑泥石群鉱石の平均粒径が30μm以下であると、成形品のウエルド強度の低下や表面外観の悪化が小さくなる傾向にある。
本実施形態に係る樹脂組成物において、緑泥石群鉱石を含有させることにより、機械物性と寸法特性とを改善するだけでなく、難燃効果を発揮すると考えられる。
緑泥石群鉱物としては、クロライトの他、クックアイト、ナンタイト等が挙げられる。これらを単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。特にクロライトが入手の容易さの観点から好ましい。クロライト製品は、富士タルク工業(株)や巴工業(株)により製造されているものを用いることができる。
(D)無機充填材としてのワラストナイトは、CaO・SiO2で示され、天然に産出する白色針状結晶性鉱物であることが好ましく、合成したものであってもよい。
ワラストナイトの形状としては、繊維状のものから塊状のものまであるが、繊維状のものが好ましく使用される。
また繊維径の大きいワラストナイトは、溶融混練中に折れやすいので、繊維径5μm以下の成分を80質量%以上、好ましくは95質量%以上含有しているワラストナイトを使用することが好ましい。
樹脂組成物の製造の前段階(初期)におけるワラストナイトの平均繊維径は、2〜30μmが好ましく、より好ましくは3〜20μm、さらに好ましくは4〜15μmである。
平均繊維径が2μm未満では、樹脂組成物の加工中に破断しやすく、30μmを超えると補強効果が小さい。また、ワラストナイトの初期の平均繊維長は、20〜400μmが好ましく、より好ましくは25〜300μm、さらに好ましくは30〜250μmである。
平均繊維長が20μm未満では樹脂組成物の補強効果が小さく、400μmを超えると加工中に破断しやすい。
さらに、ワラストナイトは、初期の平均繊維長を初期の平均繊維径で除した値(=初期の平均アスペクト比)が、4〜50であることが好ましく、より好ましくは5〜40、さらに好ましくは6〜30である。平均アスペクト比が4以上であると十分な補強効果が得られ、50以下であると樹脂組成物の製造工程における破断を防止できる。
本実施形態の樹脂組成物においては、特に板状充填材(鱗片状あるいは層状充填材を含む。)を用いる場合、従来から好適に用いられている難燃剤の芳香族縮合リン酸エステル化合物との組み合わせると、射出成形時の発煙抑制と金型汚染が改善され、且つ耐熱性と流動性とのバランス、耐衝撃性、難燃性、吸湿特性に優れる傾向にある。上記特性を有する樹脂組成物は、厳しい寸法特性が要求される各種薄肉部品、精密部品等に極めて有用である。
(成分(A)〜成分(D)の配合割合)
本実施形態の樹脂組成物は、(A)ポリカーボネート樹脂:20〜89質量%、(B)スチレン系樹脂:0〜30質量%、(C)酸価が1以下である特定のリン化合物:1〜30質量%、及び(D)無機充填材:10〜60質量%を、含有している。
本実施形態の樹脂組成物において、各成分の割合は、樹脂組成物の用途によって異なり、耐熱性、機械特性、寸法性、難燃性等の要求レベルによって、上記範囲内で所望の組成が選択される。
本実施形態の樹脂組成物において、前記(A)ポリカーボネート樹脂と前記(B)スチレン系樹脂との合計含有量は、後述する(A)ポリカーボネート樹脂と(B)スチレン系樹脂との比率により必要特性に応じて任意選択されるが、20〜90質量%であることが好ましく、より好ましくは20〜80質量%、さらに好ましくは30〜70質量%である。
ここで、(A)ポリカーボネート樹脂と(B)スチレン系樹脂との質量比((A)/(B))は、50/50〜100/0が好ましく、より好ましくは40/60〜100/0、さらに好ましくは30/70〜95/5の範囲であり、流動性、耐熱性と難燃性とのバランスの観点から所望の比率を選択できる。
本実施形態に係る樹脂組成物は、このような(A)ポリカーボネート樹脂の割合の高い組成範囲、すなわち高温成形を必要とする組成範囲において、従来の材料に対して特に金型汚染(MD等)の抑制効果、吸水特性が優れている。
本実施形態に係る樹脂組成物において、(C)リン化合物の含有量は1〜30質量%であり、好ましくは3〜25質量%、より好ましくは5〜20質量%である。(C)リン化合物の含有量は、必要とされる難燃性レベルに応じて、かつ耐熱性も加味して、(A)ポリカーボネート樹脂の配合比率を考慮しながら適宜決定されるが、1質量%以上で難燃効果が発現し、30質量%以下で難燃効果が充分に発現するとともに、耐熱性や機械特性を維持できる。
本実施形態の樹脂組成物において、(D)無機充填材の含有量は、上述した成分(A)〜成分(D)の合計を100質量%としたとき、10〜60質量%であるものとし、好ましくは20〜60質量%、より好ましくは30〜60質量%、さらに好ましくは40〜50質量%である。
(D)無機充填材の含有量は、寸法特性及び機械特性を考慮しながら、無機充填材の種類とともに適宜決定されるが、10質量%以上で寸法特性及び強度の向上効果が発現し、60質量%以下で良好な成形性が得られ、機械特性や耐熱性が向上する。
特に、(D)無機充填材の含有量を40質量%以上とすると、樹脂組成物の成形工程においては高温・高速・高圧条件下で射出成形を行うことが必要となるが、このような厳しい成形条件下においても、本実施形態の樹脂組成物は、金型汚染防止効果に優れ、優れた耐湿性も発揮される。
(その他の成分)
<難燃化助剤>
本実施形態に係る樹脂組成物は、難燃化助剤として、ポリテトラフルオロエチレン、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、メロンやメレム等の環状窒素化合物等を含有してもよい。
難燃助剤の含有量は、上述した成分(A)〜(D)の合計100質量部に対して、好ましくは0.01〜10質量部、より好ましくは0.02〜5質量部の範囲である。
前記ポリテトラフルオロエチレンは、分子量が10万以上のものが好ましく、20万〜300万程度のものがより好ましい。
ポリテトラフルオロエチレンを配合することにより、燃焼時の滴下が抑制される。
さらに、ポリテトラフルオロエチレンとシリコーン樹脂とを併用すると、ポリテトラフルオロエチレン単独のときに比較して、さらにドリップの抑制が図られ、かつ燃焼時間を短くする効果が得られる。
また、従来から知られた各種難燃剤や難燃化助剤、例えば、水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウム等の水酸化物、ホウ酸亜鉛化合物、スズ酸亜鉛化合物、さらにはシリカ、シリカアルミナ等の無機ケイ素化合物等を添加することにより、さらに難燃性の向上を図ることができる。
<(E)水添ブロック共重合体、(F)ポリオレフィン系樹脂>
本実施形態に係る樹脂組成物は、耐衝撃性、離型性及び耐薬品性を向上させる目的で、(E)特定の水添ブロック共重合体(以下、成分(E)とも記す。)及び/又は(F)ポリオレフィン系樹脂(以下、成分(F)とも記す。)を添加することが好ましい。
(E)水添ブロック共重合体は、スチレンとジエン化合物とのブロック共重合体を水素添加して得られる共重合体である。
(E)水添ブロック共重合体は、スチレン重合体ブロック鎖の数平均分子量が15000以上であり、スチレンとジエン化合物とのブロック共重合体を水素添加によりジエン化合物重合体ブロック鎖の不飽和度を20%以下まで減じせしめた構造のものが好ましい。
前記スチレンとジエン化合物との水添ブロック共重合体は、一般に知られた方法で製造でき、スチレン重合体ブロック鎖(以下「A」とも記す。)とジエン化合物重合体ブロック鎖(以下「B」とも記す。)とからなるブロック共重合体を水素添加してなるブロック共重合体であり、A−B−A、A−B−A−B、(A−B−)4−Si、A−B−A−B−A等の結合構造を有するスチレン−ジエン化合物ブロック共重合体の水素添加物であることが好ましい。
また、前記ジエン化合物重合体ブロック鎖のミクロ構造は任意に選ぶことができるが、一般には、1,2−ビニル結合は2〜60%が好ましく、より好ましくは8〜40%の範囲である。
なお、好ましいジエン化合物としては、ブタジエン及び/又はイソプレンが挙げられる。
これらの水添ブロック共重合体は市販されており、例えば、旭化成ケミカルズ(株)のタフテック、クラレ(株)のセプトン、クレイトンポリマー(株)のクレイトン等が挙げられる。
また、上述した水添ブロック共重合体とは構造が異なる、その他のスチレンとジエン化合物とからなる水添ブロック共重合体としては、スチレンとジエン化合物とのランダム共重合体のブロック(以下「C」とも記す。)の水素添加物を含有するランダム水添ブロック共重合体を用いることができる。
その構造例としては、A−C、A−C−A、A−C−A−C、(A−C−)4−Si、A−B−C、A−B−C−A、C−A−C等の各種結合構造を有するスチレン−ジエン化合物ブロック共重合体の水素添加物が挙げられる。
このランダム水添共重合体は市販されており、例えば、旭化成ケミカルズ(株)のSOE(登録商標)等が挙げられる。
(E)水添ブロック共重合体のスチレン重合体ブロック鎖は、少なくとも1個のブロック鎖が数平均分子量15,000以上必要であり、より好ましくは20,000以上、さらに好ましくは全てのスチレン重合体ブロック鎖の数平均分子量が15,000以上である。
(E)水添ブロック共重合体は、スチレン重合体ブロック鎖の数平均分子量が15,000以上であれば、スチレン重合体ブロックとジエン化合物重合体ブロックとの比率は、混ざり易さの観点からは、それほど問題にはならないが、スチレン重合体ブロック成分の好ましい含有量は30〜80質量%であり、より好ましくは40〜70質量%である。
スチレン重合体ブロック鎖の数平均分子量が15,000以上であると、後述する(F)ポリオレフィン系樹脂との併用効果が達成され、離型性を向上させながら耐衝撃性に優れた樹脂組成物が得られる。
(F)ポリオレフィン系樹脂は、オレフィン系炭化水素類の単独重合体、エチレンとα−オレフィンとの共重合体、及びエチレンとアクリル酸エステル類との共重合体であり、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−オクテン共重合体、エチレン−アクリル酸ブチル共重合体等が挙げられる。好ましい(F)ポリオレフィン系樹脂としては、低密度ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体である。
(F)ポリオレフィン系樹脂は、離型性の改良を目的とするのであれば、(E)水添ブロック共重合体を添加せずに単独でも添加してもよく、その場合は、成分(A)、成分(B)、成分(C)、及び成分(D)の合計100質量部に対して、成分(F)の添加量を1質量部以下とすることが好ましい。
本実施形態の樹脂組成物は、後述するように、(E)特定の水添ブロック共重合体と(F)ポリオレフィン系樹脂とを、特定量、かつ特定比率で用いることにより、剛性、耐衝撃性の向上効果が得られる。
本実施形態の樹脂組成物においては、(E)スチレン重合体ブロック鎖の数平均分子量が15000以上であるスチレンとジエン化合物との水添ブロック共重合体、及び(F)ポリオレフィン系樹脂を含有させることが好ましく、これらの添加量は、成分(A)、成分(B)、成分(C)及び成分(D)の合計100質量部に対し、好ましくはそれぞれ0.1〜7質量部、より好ましくはそれぞれ0.3〜5質量部、さらに好ましくはそれぞれ0.5〜3質量部の範囲であり、かつ成分(E)と成分(F)との合計量が10質量部以下、好ましくは7質量部以下、より好ましくは5質量部以下である。
成分(E)と成分(F)との合計量は、本実施形態の樹脂組成物の剛性の観点から、5質量部以下が好ましく、3質量部以下がより好ましい。
(E)水添ブロック共重合体と(F)ポリオレフィン系樹脂との質量比((E)/(F))は、90/10〜10/90の範囲であることが好ましく、より好ましくは60/40〜15/85、さらに好ましくは55/45〜25/75、さらにより好ましくは50/50〜30/70の範囲である。
成分(E)と成分(F)との質量比((E)/(F))が前記範囲内であると、耐衝撃性の向上効果が顕著に期待できる。
<合成樹脂>
本実施形態の樹脂組成物には、必要に応じて、従来からポリカーボネート樹脂とのポリマーアロイとして知られる、上述した各成分以外の合成樹脂を溶融混合してもよい。
例えば、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、LCP等のポリエステル系樹脂;ポリオルガノシロキサンゴム成分とポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分とが交互に絡み合って複合一体化されている構造を有する複合ゴムに、1種又は2種以上のビニル系単量体がグラフト重合されてなる複合ゴム系グラフト共重合体(特開昭64−79257号公報、特開平7−207137号公報において開示された方法及び特開平7−207132号公報において開示された方法)が挙げられる。
<添加剤>
本実施形態の樹脂組成物には、必要に応じて、さらに下記のその他の添加剤を添加してもよい。
例えば、酸化防止剤(熱安定剤とも言う。)、紫外線吸収剤、光安定剤等の安定剤を添加して、樹脂組成物の熱安定性や耐光性を向上させることができる。
酸化防止剤の具体例としては、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、n−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,4−ビス〔(オクチルチオ)メチル〕−0−クレゾール、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルべンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2,4−ジ−t−アミル−6−〔1−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル〕フェニルアクリレート、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ぺンチルフェニル)]アクリレートなどのヒンダードフェノール系酸化防止剤;ジラウリルチオジプロビオネート、ラウリルステアリルチオジプロピオネートペンタエリスリトール-テトラキス(β−ラウリルチオプロピオネート)等のイオウ系酸化防止剤;トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト等のリン系酸化防止剤、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、フェニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、その他の脂環式エポキシ化合物、脂肪族エポキシ化合物、芳香族エポキシ化合物、複素環式エポキシ化合物等のエポキシ系安定剤を挙げることができる。これらは1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
紫外線吸収剤、光安定剤の具体例としては、2−(2’−ヒドロキシ−5’ −メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤や、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、あるいはヒンダードアミン系光安定剤等を挙げることができる。
これらは1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、紫外線吸収剤と光安定剤を併用してもよい。
上述した各種安定剤の配合割合は、特に制限はないが、一般的に(A)ポリカーボネート樹脂と、(B)スチレン系樹脂との合計100質量部に対し、好ましくは0.01〜5質量部、より好ましくは0.02〜3質量部、さらに好ましくは0.03〜1質量部の範囲である。
<フィラー類>
本実施形態の樹脂組成物には、上述した(D)無機充填材以外に、その他の各種フィラー類を配合してもよい。
その他の各種フィラー類の具体例としては、塩基性硫酸マグネシウム、セプライト、ゾノトライト、ホウ酸アルミニウム、膠質炭酸カルシウム、軟質炭酸カルシウム、シリカ、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛、アルミナ、水酸化マグネシウム、ハイドロタルサイト、シリカビーズ、アルミナビーズ、カーボンビーズ、ガラスバルーン、金属系導電性フィラー、非金属製導電性フィラー、磁性フィラー、圧電・焦電フィラー、摺動性フィラー、封止材用フィラー、紫外線吸収フィラー、制振用フィラー、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等が挙げられる。
これら各種フィラー類は、目的とする樹脂組成物の用途に応じて選択する。
<その他の成分>
本実施形態の樹脂組成物には、さらに、上記以外のゴム状物質、脂環族飽和炭化水素樹脂、テルペン樹脂類、脂肪族系石油樹脂類、芳香族石油樹脂類及びこれらの各種エラストマー、各種樹脂類の変性品、高級脂肪酸エステル類、高級脂肪酸金属塩類、各種ワックス類、石油炭化水素類、ポリオキシアルキレン、フッ素系樹脂、帯電防止剤、着色剤としての染料及び顔料等の各種添加剤を添加してもよく、これにより、最終的に目的とする用途に最適な材料とすることができる。
前記ゴム状物質としては、ガラス転移温度が−100℃以上50℃以下の重合体又は当該重合体のモノマーを共重合してなる共重合体であり、例えば、イソプレン系、ブタジエン系、オレフィン系、ポリエステルエラストマー系、アクリル系の重合体又は共重合体が挙げられる。これらのうち、汎用的なものとしては、ブタジエン系、オレフィン系が挙げられる。
さらには、酸成分との3元系共重合体も有用であり、具体的にはアクリル酸−ブタジエン−スチレン共重合体、カルボン酸/カルボン酸無水物含有酸化合物−ブタジエン−スチレン共重合体等が挙げられる。またブタジエン系ゴム状物質と同様にさらに酸成分で変性されたオレフィン系ゴム成分も有用であり、さらにまたエポキシ基含有オレフィン系のゴム成分も使用できる。
前記脂環族飽和炭化水素樹脂は、芳香族炭化水素樹脂の水添物である。かかる芳香族炭化水素樹脂としては、一般的にC9炭化水素樹脂、C5/C9炭化水素樹脂、インデン−クマロン樹脂、ビニル芳香族樹脂、テルペン−ビニル芳香族樹脂等が挙げられる。水添率は高いほどよく30%以上が好ましい。
前記ルペン樹脂類としては、α−ピネン、β−ピネン、ジペンテン類を原料とするテルペン類が挙げられる。芳香族炭化水素(フェノール、ビスフェノールA等)で変性されたものや水添されたものも使用できる。
前記高級脂肪酸エステル類、高級脂肪酸金属塩類、及びワックス類は、流動性及び離型性を改善するための加工助剤として有効である。
前記ワックス類としてはオレフィン系ワックス、モンタンワックス等が一般的に使用されるが、特に、低分子量ポリエチレン等は汎用性に優れている。
前記脂肪族系石油樹脂類としては、液状石油留分が好適に使用される。
前記芳香族石油樹脂類としては、C9炭素類に代表される芳香族炭化水素留分重合物が使用される。
前記帯電防止剤は、一般的に成形体表面に吸湿性を持たせることでその効果を発揮するという作用を有する。
帯電防止剤は、樹脂中に添加剤的に用いる場合と、塗布等、二次加工で付与する場合がある。添加剤的に用いられる帯電防止剤としては、例えばポリアルキレングリコール、ポリアルキレンオキサイド、ポリアルキルスルホン酸塩等が挙げられる。
〔樹脂組成物の製造方法〕
本実施形態の樹脂組成物は、上述した各成分を加熱条件下で溶融混合することにより製造できる。
溶融混合機としては、好ましくは押出機、より好ましくは二軸押出機、さらに好ましくはニーディングブロックを含むスクリュー構成を適宜選択できる二軸押出機が使用できる。
さらに、原料ホッパー及び原料供給口には、不活性ガス(例えば、窒素)を供給して押出機系の酸素濃度を1%以下の雰囲気下にできること、少なくとも1個のベント口を有して真空脱揮が可能であること、ストランドを水冷しペレタイズ後に高級脂肪酸金属塩等の外部潤滑剤を塗布する設備を有すること、吸湿しない製品ホッパー及び包装設備を有する装置が好ましい。
押出機を用いて各成分を溶融混合する工程においては、全ての成分を第1供給口から供給して溶融混合してもよいが、(A)ポリカーボネート樹脂、(B)スチレン系樹脂、及び(C)リン化合物を第1供給口から供給して混練し、その後、第2供給口以降で(D)無機充填材を供給して溶融混合することが好ましい。
また、第1の押出機で(A)ポリカーボネート樹脂、(B)スチレン系樹脂及び(C)リン化合物を混練して得られる樹脂組成物の中間原料ペレットを作製し、他の第2の押出機で、前記中間原料ペレットと、(D)無機充填材、さらにはその他の添加剤を溶融混練する2段階溶融混合押出法も好適である。
以下、具体的な実施例と比較例を挙げて本発明について詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<成分(A):ポリカーボネート>
(A):PC(ビスフェノールAのポリカーボネート)
(旭美化成有限公司製、商標 ワンダーライトPC−110)
<成分(B):スチレン系樹脂>
(B−1):AS樹脂(スチレン−アクリロニトリル共重合樹脂)
(旭化成ケミカルズ株式会社製、商標 スタイラックAS 789)
(B−2):AS樹脂(スチレン−アクリロニトリル共重合樹脂)
スチレン−アクリロニトリル共重合体(B−2)の製造方法を以下に示す。
アクリロニトリル4.7質量部、スチレン73.3質量部、エチルベンゼン22質量部、及び重合開始剤としてのt−ブチルパーオキシ−イソプロピルカーボネート0.02質量部よりなる混合液を、毎時2.5リットルの流速で容量5リットルの完全混合型反応器に連続的に供給し、142℃で重合率を60%となるまで重合を行い、重合液を得た。
重合液を、連続してベント付き押出機に導き、260℃、40Torrの条件下で未反応モノマー及び溶媒を除去し、ポリマーを連続して冷却固化、細断することにより、粒子状のスチレン−アクリロニトリル共重合体(B−2と称する。)を得た。
このスチレン−アクリロニトリル共重合体を、赤外吸収スペクトル法により組成分析した結果、アクリロニトリル単位9質量%とスチレン単位91質量%であった。
また、メルトフローレートは90g/10分(ASTMD−1238準拠、220℃、10kg荷重で測定)であった。
(B−3):ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂)
(日本エイアンドエル株式会社製、商標 サンタック UT−61)
(B−4):HIPS樹脂(ハイインパクトポリスチレン)
(PSジャパン株式会社製、PSJポリスチレン H8117)
<成分(C):リン酸エステル系化合物>
(C−1):下記の化学式(II)にて、N=1のものが主成分(液体クロマトグラフィー分析による面積比で約85%)で、酸価が0.1以下のリン化合物。
(C−2):酸価が0.3である以外は(C−1)と同様のリン化合物。
(C−3):酸価が0.7である以外は(C−1)と同様のリン化合物。
(C−4):酸価が1.3である以外は(C−1)と同様のリン化合物。
(C−5):以下の化学式(II)’にて、N=1のものが主成分(液体クロマトグラフィー分析による面積比で約85%)で、酸価が0.1以下のリン化合物。
リン化合物の酸価は、リン化合物をトルエンに溶解させ、酸又は塩基を含む水溶液により洗浄することによって下げられ、洗浄の程度によって酸価を制御した。
(C)リン化合物の酸価の測定方法を下記に示す。
使用試薬;
1)溶剤 トルエン500mL、蒸留水5mL及びイソプロピルアルコール495mLの混合液。
2)滴定液 市販の1/10N水酸化カリウムのイソプロピルアルコール溶液。
3)指示薬 α−ナフトールベンゼイン2gを上記溶剤200mLに溶解したもの。
操作;
300mL三角フラスコに、試料を50g精秤し、上記溶剤100mLを加えて試料を溶解した。この溶解液に上記指示薬3mLを加え、直ちに上記滴定液を用いて既定した。終点が近づくにつれてオレンジ色が緑色乃至緑褐色に変化した。終点の判断は、色が15秒間変わったままでいることで確認した。
計算式;
酸価(mgKOH/g)=[(A−B)×N×56.1]/S
A:試料の滴定に要した滴定液の量(mL)
B:空試験の滴定に要した滴定液の量(mL)
N:滴定液の規定度(0.1)
S:試料(g)
(C−6):リン系難燃剤として、大八化学工業(株)社製、製品名CR741(主成分がビスフェノールA芳香族縮合リン酸エステル化合物、酸価0.1以下)。
<成分(D):無機充填材>
(D−1)ガラス繊維:日本電気硝子(株)製、13μm/3mmチョップドストランド、製品名 T−511。
(D−2)ガラスフレーク:日本板硝子(株)製、製品名 CEF150A。
(D−3)金マイカ:(株)クラレ製、製品名 スゾライト・マイカ200KI。
(D−4)白マイカ:(株)レプコ製、製品名 レプコマイカC−100IF。
(D−5)タルク:竹原化学(株)製、製品名 ハイトロンA。
(D−6)クロライト:富士タルク工業(株)製、製品名 WL−13M。
<成分(E):水添ブロック共重合体(SEBS)>
スチレン−ブタジエンブロック共重合体の水素添加物である旭化成ケミカルズ(株)、製品名タフテックH1081を用いた。
<成分(F):ポリオレフィン系樹脂>
(F−1):低密度ポリエチレン(LDPE)、旭化成ケミカルズ(株)製、製品名サンテックLD−M2004。
(F−2):エチレン−プロピレン共重合体(EP)、三井化学(株)製、タフマーP0680。
〔特性評価方法等〕
得られた樹脂組成物の評価は、以下の方法及び条件で行った。
<(1)材料特性>
材料特性は、ISO基準物性試験に基づき測定した。
(試験片の作製)
得られた樹脂組成物ペレットを100℃で4時間乾燥した後、東芝機械(株)製IS−100GN成形機(シリンダー温度を280℃、金型温度を70℃に設定)を用いて、ISO−7391−2に準じて試験片を成形した。
・シャルピー衝撃強度:上記試験片を用い、ISO−179に準拠し、ノッチ付きにて測定した。
・引張強度:上記試験片を用い、ISO−527に準拠し、試験速度5mm/分にて測定した。
・曲げ弾性率:上記試験片を用い、ISO−178に準拠し、試験速度2mm/分にて測定した。
<(2)耐湿試験>
下記の促進試験により、耐湿性を比較評価した。
ISO−527の引張強度測定用の試験片を用い、90℃、相対湿度90%に設定された恒温恒湿機(層)にて500時間放置し、試験片を取り出した後、標準状態調節下(23℃、相対湿度50%)にて24時間放置した。
その後、試験片について、引張強度(TS500)を測定した。
予め、標準状態調節下(23℃、相対湿度50%、24時間以上)の試験片の引張強度TS0)を測定しておき、当該標準状態調節下の引張強度(TS0)に対する、前記引張強度引張強度(TS500)の割合TS500/TS0(保持率)を算出した。
<(3)難燃性>
UL−94垂直燃焼試験に基づき、1.6mm厚みの射出成形試験片を用いて燃焼試験を行った。
試験片5本について、接炎を各2回、合計10回行い、燃焼時間を計測して規格に基づく難燃性ランクで表示した。
最も優れている”V−0”から、順次”V−1”、”V−2”のランクに表示した。規格に相当しない場合は不合格とした。
<(4)モールドデポジット(MD)試験>
樹脂組成物ペレットを100℃で4時間乾燥した後、東芝機械(株)製IS−100GN成形機(シリンダー温度を300℃、金型温度を50℃に設定)にて、UL94燃焼試験の試験片(厚み1.6mm)を成形する際、金型表面をエタノールでふき取った。
次に、完全充填に約1cmショートする圧力で100ショット連続成形を実施した。
その後、金型の成形片キャビティー末端部に生じた付着物(くもり)の程度を目視で確認して、以下の基準によりモールドデポジット(MD)を評価した。
○:ほとんど付着物が見られなかった。
△:付着物が少し見られた。
×:付着物が明らかに見られた。
<(5)離型性>
上記(3)の難燃性試験用の試験片と同様の試験片を成形した際に、試験片及びランナーの金型からの型離れのし易さの程度を目視にて以下の基準により判定した。
○:離型が良かった。
△:離型がやや良くなかった。
×:離型がひどく悪かった。
〔実施例1〜11〕、〔比較例1〜3〕
Coperion社製の二軸同方向回転押出機「ZSK−25」を用いて、下記表1〜表3に示す原材料成分組成に従い、これらを溶融混練し、後段の脱揮口から真空脱気して、樹脂組成物ペレットを得た。
なお、(D)充填材以外の原材料成分は、混合して押出機の第1供給口から供給し、(D)充填材を、バレル途中の第2及び第3供給口から供給した。
また、溶融混練条件は、バレル最高温度を260℃に設定して、スクリュー回転数300rpm、15kg/hrとした。
なお、液状難燃剤(C−5)は、脱揮後の後段からポンプにて供給添加した。
この際、難燃化助剤としてポリテトラフルオロエチレンを約20%含有する三菱レイヨン(株)製の商品名「メタブレンA3800」を1質量部、安定剤として(A)、(B)、(C)及び(D)成分の合計100質量部に対し、チバジャパン(株)製の商品名「IRGANOX 1076」を0.1質量部、(株)ADEKA製の商品名「アデカスタブPEP-36」を0.1質量部、及びエポキシ化大豆油(花王(株)製の商品名「カポック S−6」)を0.1質量部、それぞれドラムブレンダーで混合して添加した。
得られた樹脂組成物ペレットの特性を、前記評価方法により測定した。
測定結果を下記表1〜表3に示す。
実施例においては、優れた難燃性を有し、生産及び使用上において環境面や安全衛生面に優れ、厳しい射出成形条件下での金型汚染及びその付着物に基因した成形品の不具合がなく、吸湿特性、機械的特性に優れた樹脂組成物が得られた。
本発明の樹脂組成物は、各種の電気・電子部品、事務機器部品、自動車部品、建材、その他各種外装材や工業用品等の用途に広範囲に、産業上の利用可能性を有している。特に寸法特性の要求が厳しい情報処理機器用樹脂製機構部品に好適である。情報処理機器用樹脂製機構部品としては、例えばインクジェットプリンター、レーザービームプリンター、複写機、FAX等の事務機器におけるキャリッジ類、シャーシ類、ギア類、シャフト類、プーリー類等やコンピュータ、ゲーム機、音楽プレーヤー、ビデオプレーヤー、AV機器等における光ディスクドライブ(CD−ROM、CD−R、CD−RW、CD−RW、DVD−ROM、DVD−R、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW、MD、MO)等のシャーシ類(ピックアップシャーシ、トラバースベース、サブシャーシ、ベースシャーシ等)、トレー類(ディスクトレー、チェンジャートレー等)、ギア類、シャフト類、プーリー類等が挙げられる。

Claims (5)

  1. 下記(A)、(B)、(C)及び(D)の合計100質量%において、
    (A)ポリカーボネート樹脂 20〜89質量%、
    (B)スチレン系樹脂 0〜30質量%、
    (C)下記一般式(I)で表される酸価が1以下のリン化合物 1〜30質量%
    及び、
    (D)無機充填材 10〜60質量%
    を、含有する樹脂組成物。

    (一般式(I)中、Aは、それぞれ独立して、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜10のアリール基及び炭素原子数7〜12のアラルキル基からなる群より選ばれるいずれかを表し、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数5〜6のシクロアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、及び炭素原子数7〜12のアラルキル基からなる群より選ばれるいずれかを表し、x及びyは、それぞれ独立して0〜4のいずれかの整数であり、nは、それぞれ独立して0又は1であり、Nは、1〜30である。)
  2. 前記成分(A)と前記成分(B)との質量比(A)/(B)が、50/50〜100/0である請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記(C)リン化合物が、酸価0.5以下である請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記(C)リン化合物が、下記一般式(II)で表されるリン化合物である請求項1乃至3のいずれか一項に記載の樹脂組成物。

    (式(II)中、Nは、1〜10である。)
  5. 前記(B)スチレン系樹脂が、単量体として少なくともスチレン及びアクリロニトリルを含有する共重合体である請求項1乃至4のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
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