JP2012051584A - スクイズ容器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 スクイズ変形可能に形成した胴部の上端にテーパ筒状の肩部を介して口筒部を起立設した容器本体を有するスクイズ容器において、口筒部の上方に口筒部と連通する吐出孔を配設し、口筒部の下端から吐出孔に至る内容液の注出流路の所定高さ位置に、この注出流路を部分的に縮径する縮径流路部を配設して、この縮径流路部と吐出孔の間に縮径流路部及び吐出孔よりも大きな径の注出流路であるバッファー室を形成する構成とする。
【選択図】図1
Description
そして、この種のスクイズ容器では収納する内容液の種類、特にはその粘度によってスクイズ操作性を考慮すると共に、注出開始の際の液垂れの問題や、注出後における液切れの問題を考慮して製品設計をする必要がある。
この種のスクイズ容器(以降、単に容器と記載する場合がある。)では、注出開始の際には、まず容器を倒立状にまで傾け、注出先である他の容器や手のひらや塗布具等に吐出孔の向きを定め、その後、手で胴部を押圧し、すなわちスクイズ操作を実施して内容液を注出する。そしてこの種の容器は、使用する温度環境も考慮したスクイズ操作性を考慮すると、粘度が0.5〜10Pa・s程度の内容液(食料品の代表的な例では蜂蜜、コンデンスミルク、ケチャップ等がある。)を注出するのに適している。
ところが、この程度の粘度の内容液は、使用温度にもよるが、スクイズ容器を倒立状に傾けるとすぐ、吐出孔の向きを定める前に内容液が意図しない方向に流出してしまい、周辺を汚してしまうと云う問題が発生する場合があり、これが、所謂、液垂れの問題である。
そして、この液垂れ問題の解消はこの種のスクイズ容器にとって重要な課題のひとつである。
スクイズ変形可能に形成した胴部の上端にテーパ筒状の肩部を介して口筒部を起立設した容器本体を有するスクイズ容器において、
口筒部の上方に口筒部と連通する吐出孔を配設し、
口筒部の下端から吐出孔に至る内容液の注出流路の所定高さ位置に、この注出流路を部分的に縮径する縮径流路部を配設して、この縮径流路部と吐出孔の間に縮径流路部及び吐出孔よりも大きな径の注出流路であるバッファー室を形成する構成とする、と云うものである。
まず、注出流路中でオリフィスとしての機能を発揮する縮径流路部とそれに連結するバッファー室により、縮径流路部により一端急激に縮径された内容液の流束が逆にバッファー室に急激に拡散するため、内容液の流動先端の吐出孔への移動速度を小さくすることができると共に、さらにバッファー室により液溜め状の緩衝領域としての機能が発揮され、
容器を傾けてから内容液の自然落下による吐出孔からの流出までの時間を十分に遅延させることができ、通常の使用態様の範囲で、液垂れを防ぎながら、余裕をもって吐出孔の向きを調整してから、スクイズ操作を実施することができる。
D2>D1≧D3 (1)
D2>1.5*D1 (2)
但し、D1は縮径流路部の流路径、D2はバッファー室の流路径、D3は吐出孔の流路径を示す。
ここで、縮径流路部あるいは吐出孔における径がテーパ状、あるいは段差状に変化する場合はD1、D3はその最小径とし、またバッファー室の流路径D2はその全高さ範囲に亘る平均値とする。
ここで、縮径流路部の径D1の径を吐出孔の径D3より小さくすると、注出流路の途中で大きな抵抗を受けるために、スクイズ操作で大きな押圧力が必要となったり、内容液の吐出が途切れる等の問題、すなわちスクイズ性が損なわれるため、D1、D2、D3の大小関係は式(1)のようにするのが好ましい。
また、縮径流路部でのオリフィス効果や、バッファー室における緩衝効果を十分に発揮させるために、D1とD2の大小関係は式(2)のようにするのが好ましい。
ここで、オリフィス部材はさまざまな態様で口筒部内に組付き固定させることが可能であるが、たとえばオリフィス部材を底壁の中央に流路孔を開口した有底筒状とすることにより、口筒部内に容易に、嵌入し乗越え係止部を利用して口筒部内に組付け固定することが可能となる。
出孔を開口する構成であり、注出キャップ体を利用して、吐出孔に至る注出流路をテーパ状にする、筒状部の内側に垂下設にシール筒を口筒部に嵌入してシール性を確実にする、またこのシール筒を利用して前述したオリフィス部材を口筒部内に配設する等、注出操作に適した機能を付加することができると共に、スクイズ容器の構成に係る選択肢を広げることができる。
容器本体がブロー成形品のような場合には、円筒状の口筒部の上端面に別部材として用意した円板を溶着して頂壁を形成することができる。
また、容器本体がチューブ体からなる胴部の上方開口端に、肩部および口部からなるヘッド部を射出成形や圧縮成形により溶着状に一体設したようなチューブ容器の場合には、ヘッド部の成形の際に口筒部を、頂壁を有する有頂筒状に成形することができる。
中栓体の開口端面に吐出孔を開口形成した頂板を付設し、口筒部と中栓体を連通して注出流路を形成する構成とする、と云うものである。
ここで、吐出孔を開口形成した頂板は、別途準備した流路孔を開口形成した円板状の部材を中栓体の開口端面に溶着状に固定したり、接着したりすることができ、簡便的には、円形のフィルム片を用意し、これを超音波溶着法や高周波溶着法により開口端面に溶着固定することもできる。
そして上記中栓体を利用する構成は、中栓体を交換するだけで内容液の粘度等の性状や、使用態様によって吐出孔と縮径流路部の径を自在に変更することができる。
本発明のスクイズ容器の主たる構成を有するものにあっては、注出流路中でオリフィスとしての機能を発揮する縮径流路部とそれに連結するバッファー室により、縮径流路部により一端急激に縮径された内容液の流束が逆にバッファー室内に急激に拡散するため、内容液の流動先端の吐出孔への移動速度を小さくすることができると共に、さらにバッファー室により液溜め状の緩衝領域としての機能が発揮され、
容器を傾けてから内容液の自然落下による吐出孔からの流出までの時間を十分に遅延させることができ、通常の使用態様の範囲で、液垂れを防ぎながら、余裕をもって吐出孔の向きを調整してから、スクイズ操作を実施することができる。
図1と図2は本発明によるスクイズ容器の第1実施例を示すものであり、
図1は半縦断正面図、図2はこのスクイズ容器の使用態様を示す説明図である。この容器は、チューブ容器状の容器本体1と容器本体1の口筒部2に組付き固定する注出キャップ体11と、口筒部2の内側に配設される有底筒状のオリフィス部材21から構成されている。
なお図1では、注出キャップ体11から容器本体1の肩部3に至る範囲を外装するようにオーバーキャプ31を装着した状態を示している。
また、この容器本体1は、まずブロー成形により有底円筒状の壜体を成形し、胴部4の下端から底部を切除し、胴部4の下端を開口端としたものである。
そして、この胴部の開口端から内容液を充填し、その後、下端部を熱溶着や超音波法によりシールし、図1中2点鎖線で示したように扁平状のシール部7を形成し、チューブ状の容器として使用する。(後述する第2実施例、第3実施例及び第4実施例の容器本体についても同様である。)
なお、図1では注出キャップ体11の頂壁12にシール片32を貼付し、吐出孔15を塞ぐようにした状態が示されている。
このオリフィス部材21は嵌合短筒片24をシール筒14に下方から乗越え係止状に嵌入して、口筒部2内に配設され、このオリフィス部材21により口筒部2内の注出流路Pを縮径する縮径流路部Sが形成される。
なお、円板22の周縁によりシール筒14への嵌入限界を決めるフランジとしての機能を発揮させている。
ここで、本実施例は、口筒部2の内径を8mm、縮径流路部Sの径D1であるオリフィス部材21の流路孔23の直径を3mm、吐出孔15の径D3を3mmとし、またバッファー室Rの径の平均値D2は5.5mmであり、その大小関係は、
D2>D1=D3で、D2/D1は1.7である。またバッファー室の体積は0.6mlである。
まず、注出流路中Pでオリフィス部材21の流路孔23を開口形成した円板22により形成される縮径流路部Sとそれに連結するバッファー室Rにより、縮径流路部Sにより一端急激に縮径された内容液Lの流束がバッファー室R内に急激に拡散するため、内容液Lの流動先端の吐出孔15への移動速度を小さくすることができると共に、さらにバッファー室Rにより液溜め状の緩衝領域としての機能が発揮され、
容器を傾けてから内容液Lの自然落下による吐出孔15からの流出までの時間を十分に遅延させることができ、通常の使用態様の範囲で、液垂れを十分に防ぎながら、余裕をもって吐出孔15の向きを調整し、図2(b)に示されるように、白抜き矢印の方向に手により押圧力を作用させてスクイズ操作を実施し、内容液Lを意図した方向、箇所に注出することができた。
比較例の容器では図2(a)に示されるように倒立状に傾けると、短時間に内容液Lの自然落下による吐出孔15からの意図しない流出が始まり通常の使用態様では液垂れを防ぐことは困難であった。
また、上記実施例と比較例のスクイズ容器について、スクイズに要する押圧力や、スクイズ中の内容液の注出態様等のスクイズ性を調べたが、スクイズ性については両容器、ほぼ同等であり、実施例の容器でオリフィス部材21を配設した影響は見られなかった。
その結果、実施例の容器ではもちろん液垂れは見られなかったが、比較例の容器では低温で内容液Lの粘度が大きくなったにも拘わらず、多少の液垂れ現象が観察された。
なお、本実施例の容器では、容器本体1の注出キャップ体11から容器本体1の肩部3に至る範囲を外装するようにオーバーキャプ31を装着しており、注出キャップ体11の頂壁12に開口する吐出孔15をこのオーバーキャップ31の頂壁の下面でシールするような構成としている。
そして、本実施例の容器の特徴は、容器本体1のブロー成形時に口筒部2の所定の高さ位置でこの口筒部2の径を部分的に縮径して縮径短筒部2sを形成し、この縮径短筒部2sにより縮径流路部Sを形成した点にある。
当該構成によれば、図1、2に示される第1実施例の容器に配設したオリフィス部材21のような縮径流路部Sを構成する部材を別途用意し、それを組付ける必要がなくなる。
そしてこれら口筒部2と注出キャップ体11により、口筒部2の下端から吐出孔15に至る内容液の注出流路が形成され、口筒部2内の注出流路には縮径短筒部2sにより縮径流路部Sが形成され、この縮径流路部Sと吐出孔15の間には、縮径短筒部2sと吐出孔15よりも径の大きな注出流路であるバッファー室Rが形成されている。
なお、本実施例の容器では注出キャップ体11にはヒンジ34を介して蓋部33が一体連設され、この蓋部33の下面に垂下設される蓋栓35により、注出キャップ体11の頂壁12に開口する吐出孔15をシールするような構成としている。
また、注出キャップ体11には外装筒36が垂下付設されている。
ここで、頂板25は本実施例のように射出成形で一体成形する他にも、別途流路孔26を形成した円板状の部材を用意し、これを口筒部2の上端面に熱溶着して形成することもできる。
嵌合筒13が口筒部2に螺合し、この螺合力によりシール筒16の下端面を口筒部2の頂板25の天面に押圧状に当接させてシールしている点が、本実施例のもう一つの特徴である。
図5は本実施例の容器の使用態様を示す説明図であり、蓋部33を開いて倒立状に傾斜させた状態を示したものである。
本実施例のスクイズ容器の容器本体1とオーバーキャップ31は図1に示される第1実施例の容器と全く同じ構成のものであり、第1実施例の容器の注出キャップ体11の替わりに中栓体41を使用しているのが特徴的である。
また、中栓体11の上部開口端面、すなわち嵌入筒45の開口端面には中央部に吐出孔15を開口形成した頂板としての機能を発揮する円形のフィルム片47が高周波溶着法により接着固定されている。
そして嵌入筒45を口筒部2の上方から嵌入すると共に、外嵌筒片44を口筒部2に乗越え係止状に外嵌して中栓体41を口筒部2に嵌合固定し、口筒部2と中栓体11を連通して注出流路Pを形成する構成としている。
上記実施例では容器本体をチューブ容器状としたが、ブロー成形した壜体をそのままの形状で使用することもできる。また胴部の形状は円筒状に限定されるものではなく、楕円筒状、長円筒状とすることもできる。
容器本体に使用する合成樹脂については、HDPE樹脂単体やHDPE樹脂とEVOH樹脂を積層した例について説明したが、スクイズ性、ガスバリア性、耐薬品性、成形性等を考慮して他の合成樹脂や、積層様式を選択することができる。また高度なガスバリア性を発揮させるためにアルミラミネートチューブ体を使用することもできる。
また、縮径流路部の形成方法についてはいくつかの例を示したが、この形成方法についても、様々な態様とすることができる。
2 ;口筒部
2s;縮径短筒部
3 ;肩部
4 ;胴部
7 ;シール部
11;注出キャップ体
12;頂壁
13;嵌合筒
14;シール筒
15;吐出孔
16;シール筒
21;オリフィス部材
22;円板
23;流路孔
24;嵌合短筒
25;頂板
26;流路孔
31;オーバーキャップ
32;シール片
33;蓋部
34;ヒンジ
35;蓋栓
36;外装筒
41;中栓体
42;底壁
43;流路孔
44;外嵌筒片
45;嵌入筒
47;フィルム片
48;シールフィル片
H ;ヘッド部
L ;内容液
P ;注出流路
R ;バッファー室
S ;縮径流路部
Claims (9)
- スクイズ変形可能に形成した胴部(4) の上端にテーパ筒状の肩部(3)を介して口筒部(2)を起立設した容器本体(1)を有し、前記口筒部(2)の上方に該口筒部(2)と連通する吐出孔(15)を配設し、口筒部(2)の下端から吐出孔(15)に至る内容液(L)の注出流路(P)の所定高さ位置に、該注出流路(P)を部分的に縮径する縮径流路部(S)を配設して、前記縮径流路部(S)と吐出孔(15)の間に該縮径流路部(S)及び吐出孔(15)よりも大きな径の注出流路(P)であるバッファー室(R)を形成する構成としたスクイズ容器。
- 縮径流路部(S)、バッファー室(R)、及び吐出孔(15)における注出流路(P)の平断面形状を円形状とし、縮径流路部(S)の流路径と、バッファー室(R)の流路径と、吐出孔(15)の流路径の大小関係が下記式(1)と(2)に示す条件を満足するようにした請求項1記載のスクイズ容器。
D2>D1≧D3 (1)
D2>1.5*D1 (2)
但し、D1は縮径流路部(S)の流路径、D2はバッファー室(R)の流路径、D3は吐出孔(15)の流路径を示す。 - バッファー室(R)の体積を0.5〜2mlの範囲とした請求項1または2記載のスクイズ容器。
- 円板(22)の中央部に流路孔(23)を開口形成したオリフィス部材(21)を口筒部(2)内に配設し、該オリフィス部材(21)により縮径流路部(S)を形成した請求項1、2または3記載のスクイズ容器。
- 容器本体(1)をブロー成形品とし、ブロー成形時に口筒部(2)の所定の高さ位置で該口筒部(2)の径を部分的に縮径して縮径短筒部(2s)を形成し、該縮径短筒部(2s)により縮径流路部(S)を形成した請求項1、2または3記載のスクイズ容器。
- 有頂筒状で吐出孔(15)を開口形成した頂壁(12)を有する注出キャップ体(11)を該注出キャップ体(11)の筒状部で容器本体(1)の口筒部(2)に嵌合組付けし、前記口筒部(2)と注出キャップ体(11)を連通して注出流路(P)を形成する構成とした請求項1、2、3、4または5記載のスクイズ容器。
- 容器本体(1)の口筒部(2)の上部開口端に中央部に流路孔(26)を開口形成した頂板(25)を配設し、該頂板(25)により縮径流路部(S)を形成し、前記頂板(25)の上方に注出キャップ体(11)の筒状部によりバッファー室(R)を形成した請求項6記載のスクイズ容器。
- 底壁(42)に流路孔(43)を開口形成した有底筒状の中栓体(41)を、該中栓体(41)の開口端面を口筒部(2)の上端面から突出させた状態で口筒部(2)に嵌入状に組付き固定し、前記底壁(42)により縮径流路部(S)を形成し、
前記中栓体(11)の開口端面に吐出孔(15)を開口形成した頂板を付設し、前記口筒部(2)と中栓体(11)を連通して注出流路(P)を形成する構成とした請求項1、2または3記載のスクイズ容器。 - −5℃から常温(23℃)の温度範囲における粘度が0.5〜10Pa・s(500〜10、000cP)の範囲の内容液(L)を収納して使用する請求項1、2、3、4、5、6、7または8記載のスクイズ容器。
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- 2010-08-31 JP JP2010193822A patent/JP5605625B2/ja active Active
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