JP2012051248A - 珪酸カルシウム成形体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の珪酸カルシウム成形体の製造方法は、珪酸質原料および石灰質原料を主原料とする固形成分に水を加えて混練してなる原料スラリーを半硬化養生させて得られた半硬化体をオートクレーブ養生させる珪酸カルシウム成形体の製造方法において、乳酸ナトリウム、乳酸カリウム、乳酸メチルおよび乳酸エチルから選ばれる一種以上の乳酸化合物を水に溶解してなる乳酸化合物水溶液を、半硬化体の表面に塗布することを特徴とする。
【選択図】図1
Description
珪酸カルシウム成形体の原料(珪酸質原料・石灰質原料)には、鉄含有鉱物などの金属含有鉱物が含まれている。鉄含有鉱物は半硬化体の状態においては、鉄イオン、水酸化鉄、酸化鉄、硫化鉄などの化合物となっていると考えられる。これらの鉄含有鉱物が半硬化体の表面付近に存在すると半硬化体に含まれる水分や空気中の水分により酸化されて黒褐色や赤褐色の酸化鉄(FeO、Fe2O3)や黄褐色の各種オキシ酸化物(α、β、γ型)など種々の酸化物が生成する。ここで、半硬化体はアルカリ性であるが、空気に接するとカルシウム分(水酸化カルシウムなど)が空気中の二酸化炭素と反応して炭酸カルシウムとなり中性化が進行する。鉄含有鉱物の酸化反応はアルカリ性条件下では起こり難く、中性条件下においては、容易に反応するため、半硬化体の炭酸化が進むに従い酸化反応が促進される。
乳酸化合物は水と比較すると酸素溶解度が低いため、乳酸化合物を用いることで酸素が金属含有鉱物と接触し難くなり酸化が抑制される。
また、乳酸化合物は吸湿・保湿作用を有しているため、乳酸化合物の水溶液を塗布することで、半硬化体や珪酸カルシウム成形体の表面からの水分蒸発が抑えられ、かつ、乳酸化合物の膜が形成されることにより金属鉱物と酸素とが接触し難くなる。
つまり、乳酸化合物が、直接的に作用し、かつ(あるいは)、カルシウム分の炭酸化を抑制することにより間接的に作用して、半硬化体や珪酸カルシウム成形体に含まれる金属含有鉱物の酸化を防止し珪酸カルシウム成形体の変色を防止しているのではないかと考えられる。
すなわち、本発明は、珪酸質原料および石灰質原料を主原料とする固形成分に水を加えて混練してなる原料スラリーを半硬化養生させて得られた半硬化体をオートクレーブ養生させる珪酸カルシウム成形体の製造方法において、乳酸ナトリウム、乳酸カリウム、乳酸メチルおよび乳酸エチルから選ばれる一種以上の乳酸化合物を水に溶解してなる乳酸化合物水溶液を、前記半硬化体の表面に塗布するところに特徴を有する。
原料スラリーを型枠内に打設して半硬化養生させた後、型枠から脱型することにより得られる半硬化体の表面に、型枠から脱型した後1時間以内に、乳酸化合物水溶液を塗布する。このような構成とすると、変色抑制効果をより高めることができ、好ましい。
(1)ALCの製造方法において、半硬化体は、脱型後にピアノ線等で切断され、所定の厚さを有する複数のパネル状の半硬化体とされ、この複数のパネル状の半硬化体は、ピアノ線の太さ分程度の間隔をあけた状態で、オートクレーブ養生される。脱型後に端部に配置されるパネル状の半硬化体10Aを用いて作製したALC(端パネルという)では、脱型後に2つのパネル状の半硬化体の間に配置されるパネル状の半硬化体10B(脱型後に中央に配置されるパネル状の半硬化体10B)を用いて作製したALC(中パネルという)よりも変色の度合いが大きくなり、同じ型枠から得られたALC間でも色調の相違が生じる(理由は後述する)。ALCは、多数のパネルを並べて用いるため、パネル間の色調の相違が目立ちやすい。脱型後に端部に配置されるパネル状の半硬化体10Aおよび脱型後に中央に配置されるパネル状の半硬化体については図1を参照。
(2)ALCは、標準的なもののサイズが、他の珪酸カルシウム成形体と比較して大きいため、1枚のパネル内における色調の相違が発生することもある。
(3)ALCは他の珪酸カルシウム成形体と比べて水和反応による発熱や硬化促進のための加温保温により脱型時の温度が高くなって、これにより酸化反応が進みやすくなり変色しやすい。
脱型後に端部に配置されるパネル状の半硬化体の表面は、大気との接触面積が大きいため、大気(空気)中に含まれる酸素、二酸化炭素、水などの影響を受け易い。
これに対して、脱型後に中央に配置されるパネル状の半硬化体は、隣接するパネル状の半硬化体との隙間がピアノ線の太さ分(約0.3mm〜約1.8mm)程度と狭く、パネル状の半硬化体の温度が高く蒸気の放出により内部圧力が高くなっているため、空気がきわめて侵入し難い。中パネルにおいても、パネル状の半硬化体に溶存する酸素・二酸化炭素と、気泡中の酸素・二酸化炭素などにより、酸化や炭酸化が生じて、わずかな変色は発生するが、半硬化体に溶存する空気(酸素・二酸化炭素)は、大気中に含まれる酸素・二酸化炭素の量と比較すると極めて少ないため、変色の度合いは端パネルと比較すると低くなるため、変色の度合いが低くなると考えられる。
パネル状の半硬化体の表面の少なくとも端面(切断工程を経たパネル状の半硬化体のうち端部に配置されるパネル状の半硬化体の表面)に、乳酸化合物水溶液を塗布することで、複数のALCの色調を脱型・切断後の位置にかかわらず、均質なものとし、かつ、1枚のALCにおける色調を均質なものとすることができる。
本発明は、珪酸質原料および石灰質原料を主成分とする固形成分に水を加えて混練してなる原料スラリーを半硬化養生させて得られる半硬化体をオートクレーブ養生させる珪酸カルシウム成形体の製造方法である。本発明の製造方法は、半硬化体の表面に、乳酸ナトリウム、乳酸カリウム、乳酸メチルおよび乳酸エチルから選ばれる一種以上の乳酸化合物を水に溶解して得られる乳酸化合物水溶液を塗布するところに特徴を有している。
(1)ALCを使用する際には、多数のパネルを並べて用いるため、パネル間の色調の相違が目立ちやすい。
(2)ALCは、標準的なもののサイズが、例えば、長さ3000mm、幅600mmであり、大きいため、1枚のパネル内における色調の相違が発生することもある。
(3)ALCは他の珪酸カルシウム成形体と比べて水和反応による発熱や硬化促進のための加温保温により脱型時の温度が高くなって、これにより酸化反応が進みやすくなり変色しやすい。
珪酸質原料としては、珪石、珪砂、スラグ、フライアッシュなどのSiO2を含む原料として公知のものの粉末または粒状物を一種類または二種類以上組み合わせて用いることができる。
石灰質原料としては、生石灰、消石灰、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、その他の各種ポルトランドセメント等の粉末を一種類または二種類以上組み合わせて用いることができる。
なお、乳酸化合物水溶液にはグリセリン、ジグリセリン、および重合度が3以上のポリグリセリンから選ばれる一種以上のグリセリン類を混合してもよい。
なお、パネル状の半硬化体10は常に表面から水蒸気を放出しており、隣接するパネル状の半硬化体10,10の隙間には空気が侵入し難くなっている。
また、第1のスプレーガン2Aおよび第2のスプレーガン2Bは、図3に示すように、互いに外側方向を向くように配置されている。したがって、パネル状の半硬化体10Aは、スプレーガン2A,2Bに接近する方向に移動しているときには第1のスプレーガン2Aの吐出口20Aにより、乳酸化合物水溶液が塗布され、スプレーガン2A,2Bから遠ざかる方向に移動しているときには第2のスプレーガン2Bの吐出口20Bにより乳酸化合物水溶液が塗布される。図2および図3の矢線Pはパネル状の半硬化体10の移動方向を示すものである。
塗布される液滴のVMDが200μmを超えると液ダレが生じやすくなり、液滴のVMDが10μm未満であると乳酸化合物水溶液がはね返ってしまうので、多くの乳酸化合物を必要とする。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。
1.珪酸カルシウム成形体の変色防止方法の検討
以下に示す方法により作製した種々のALCパネルについて評価試験を行い検討した。
(比較例1のALCの作製)
(1)パネル状の半硬化体の作製
珪石粉末65質量部、早強セメント20質量部、生石灰粉末11質量部、石膏4質量部、これらの固形成分100質量部に対して70質量部の水、アルミニウム粉末0.06質量部、および減水剤0.1質量部を混合して原料スラリーを作製し、補強筋を配設した型枠内に注入し、発泡・硬化させた。3時間経過後の半硬化体を脱型して、0.9mmのピアノ線でパネル形状に切断し、型枠周辺の非製品部分ならびに端部の凸凹部分などを取り除き、15枚のパネル状の半硬化体を作製した。
15枚のパネル状の半硬化体を、面積の広い面を対向するように並べた状態で、30℃に保温された養生ヤードで2時間保管した。このとき各パネル状の半硬化体はピアノ線の太さ分程度(約0.9mm)離間した状態であった。養生ヤードでの保管後のパネル状の半硬化体を、180℃、10時間オートクレーブで養生することにより15枚のALCパネルを作製した。この15枚のALCパネルのうち養生工程のときに両端に配置されていたパネル状半硬化体から得られた2枚のALCパネルを比較例1のALCパネルとした。
(i)オートクレーブから取り出した15枚のALCパネルを、ケット科学研究所製の水分計を用いて測定した含水率が10〜20%の範囲となるまで、室内で乾燥した。乾燥後のALCパネルのうち、養生工程のときに両端に配置されていたパネル状半硬化体から得られた2枚の比較例1のALCパネルについてそれぞれ、その表面の20箇所におけるL値、a値、およびb値を、色彩色差計[ミノルタ(株)製、CR−200]を用いて測定して、それぞれの平均値を算出した。この値を比較例1のALCパネルのL値、a値、およびb値とした。
なお、本明細書中の他の実施例および他の比較例においてもこのALCパネルを標準色のALCパネルとした。
比較例1の(1)で作製した半硬化体を、窒素で置換して密閉状態とした養生ヤードで保管したこと以外は比較例1と同様にして比較例2のALCパネルを作製した。比較例1と同様に評価試験を行い、ΔLおよびΔEを算出して表1に示した。
比較例1の(1)で作製した半硬化体の表面を、ステンレス板で覆った後、養生ヤードで待機させたこと以外は、比較例1と同様にして比較例3のALCパネルを作製した。比較例1と同様に評価試験を行い、ΔLおよびΔEを算出して表1に示した。
比較例1の(1)で作製した半硬化体の表面に、半硬化体1m2当たりの塗布量が30gとなるようにALC製品屑のスラリーを塗布した後、養生ヤードで待機させたこと以外は、比較例1と同様にして比較例4のALCパネルを作製した。比較例1と同様に評価試験を行い、ΔLおよびΔEを算出して表1に示した。
比較例1の(1)で作製した半硬化体の表面に、半硬化体1m2当たり30gとなるように水を塗布した後、養生ヤードで待機させたこと以外は、比較例1と同様にして比較例5のALCパネルを作製した。比較例1と同様に評価試験を行い、ΔLおよびΔEを算出して表1に示した。
水に代えて、下記に示す量の樹脂を塗布したこと以外は比較例3と同様にして、比較例6〜比較例8のALCパネルをそれぞれ作製した。比較例1と同様に評価試験を行い、ΔLおよびΔEを算出して表1に示した。
比較例6:半硬化体1m2当たりの樹脂の量が90gとなるように濃度20%のスチレンアクリル樹脂[商品名(ニカゾール)、日本カーバイド工業(株)製、白色の樹脂]を塗布
水に代えて、下記に示す量の材料を塗布したこと以外は比較例3と同様にして、比較例9〜比較例13のALCパネルをそれぞれ作製した。比較例1と同様に評価試験を行い、ΔLおよびΔEを算出して表1に示した。
比較例9:半硬化体1m2当たりの量が600gとなるようにケイ酸アルカリ液[商品名(RF−100)、太平洋マテリアル(株)製]の原液を塗布
乳酸ナトリウムを30質量%の割合で含む乳酸ナトリウム水溶液を調製した。
比較例1の(1)で作製したパネル状の半硬化体のうち両端部に配置されるパネル状の半硬化体の端面(隣接するパネル状の半硬化体と接触していない面)に図1に示す塗布装置1を用いて(塗布角度X、塗布角度Yをともに30°に設定)、濃度が30質量%の乳酸ナトリウム水溶液をVMD80〜90μmの液滴として2回スプレー塗布し、30℃に保温された養生ヤードで保管したこと以外は比較例1と同様にして実施例1のALCパネルを作製した。比較例1と同様に評価試験を行い、ΔLおよびΔEを算出して表1に示した。
実施例1において、パネル状の半硬化体の端面1m2当たりの乳酸ナトリウムの塗布量は30gであった。なお、本実施例において、「塗布量」とは、半硬化体1m2当たりに塗布された乳酸ナトリウムの量を意味する。
ΔEおよびΔLに基づく変色防止効果の評価基準は以下の通りである。
×:ΔEが3.0より大きい(顕著に標準色との色の差が認められる)
△:ΔEが1.5より大きく3.0以下(わずかに標準色との色の差が認められる)
○:ΔEが1.5以下(標準色との色の差がほとんど認められない)
◎:ΔEが1.5以下であり、かつ、ΔLが−1以上1以下(標準色との色の差がほとんど認められず、かつ、標準色との明るさの差がほとんどない)
実施例品には製造上の問題はなかったが、比較例品(比較例1〜12)のなかには、製造上の問題を有するものがあったため、製造上の問題を考慮した総合評価を行い、その結果を表1に併せて示した。
総合評価の評価基準は以下の通りである。
○:変色防止効果が△〜◎であるとともに製造上の問題がない
×:変色防止効果が×、製造上の問題がある、あるいは変色防止効果が×であるとともに製造上の問題がある
本発明の製造方法により作製した実施例1のALCパネルでは、標準色との色の差がほとんど認められず、変色防止効果が高いということがわかった。なお、乳酸ナトリウム水溶液に代えて乳酸カリウム水溶液、乳酸メチル水溶液、乳酸エチル水溶液を用いて実施例1と同様の方法でALCパネルを作製した場合にも、乳酸ナトリウム水溶液を用いたときと同様の効果があった。
比較例のうち、半硬化体を密閉した養生ヤードで保管した比較例2のALCパネル、半硬化体をステンレス板で被覆して保管した比較例3のALCパネル、半硬化体の表面にALCの製品屑を塗布した比較例4のALCパネルでは、変色防止効果が認められたが、比較例2では特別な設備が必要であり、比較例3および比較例4では手間がかかるうえに、本来のALCパネルの有するような表面性状が得られないという欠点(製造上の問題)を有していた。
乳酸ナトリウム水溶液の塗布量(乳酸ナトリウムとしての塗布量)とその濃度について検討すべく、種々の濃度の乳酸ナトリウム水溶液を塗布量を変えて半硬化体に塗布してALCパネルを作製し、評価試験を行った。
(実施例2〜32のALCパネルの作製)
乳酸ナトリウムを、5質量%、10質量%、20質量%、30質量%、50質量%、60質量%、85質量%の割合で含有する乳酸ナトリウム水溶液をそれぞれ調製した。
使用する乳酸ナトリウム水溶液の濃度(質量%)および、乳酸ナトリウム水溶液の塗布量を表2に記載の量(g/m2)としたこと以外は実施例1と同様にして、実施例2〜32のALCパネルをそれぞれ作製した。比較例1と同様の評価試験を行い、ΔLおよびΔEを算出するとともに上記評価基準(ΔEおよびΔLに基づく変色防止効果の評価基準)に基づく評価を行い、結果を表2に示した。表2には、該当箇所に実施例1の結果と評価結果も併せて記載した。
実施例1〜実施例32のALCパネルはΔEが1.92以下であり、未処理品である比較例1や比較の処理方法で処理した比較品(比較例4〜12)よりも変色防止効果が高いということがわかった。実施例2〜4のALCパネルは比較例2よりも△Eがわずかに大きかったが、△Eは1.92以下であるので、十分な変色防止効果を有しているといえる。なお、実施例2〜4のALCパネルを含め本発明の製造方法により得られた実施例2〜32のALCでは実施例1と同様に、製造上の問題はなかった。
実施例品のうち、実施例1、実施例4〜実施例32のALCパネルは、ΔEが1.75以下であり、すべての比較例品(比較例1〜12のALCパネル)よりも変色防止効果が高いということがわかった。
上述の変色防止効果が高かった実施例品のうち、乳酸ナトリウム水溶液の濃度が10質量%以上であり、かつ、塗布量が20g/m2以上400g/m2以下のもの(実施例1、実施例5〜21、実施例23〜32)では、ΔEが1.50以下の良好な結果が得られた。この結果から、乳酸ナトリウム水溶液の濃度を10質量%以上とし、かつ、塗布量を20g/m2以上400g/m2以下とするのが好ましいということがわかった。
乳酸化合物水溶液の濃度およびスプレー塗布の回数と、1枚のALCパネルにおける色調の差との関係について検討した。
(実施例33〜50のALCパネルの作製)
乳酸ナトリウムを、10質量%、20質量%、25質量%、30質量%、50質量%、60質量%の割合で含有する乳酸ナトリウム水溶液をそれぞれ調製した。 使用する乳酸化合物の濃度(質量%)および、スプレー塗布の回数を表3に記載の回数としたこと以外は実施例1と同様にして、実施例33〜50のALCパネルをそれぞれ作製した。それぞれのALCパネルの表面の20箇所におけるL値、a値、およびb値を、色彩色差計[ミノルタ(株)製、CR−200]を用いて測定した。
なお、実施例33〜50においては、パネル状の半硬化体の端面1m2当たりの乳酸ナトリウムの量が合計で10g〜560gとなるように乳酸ナトリウム水溶液を塗布した。
E値については、1つの実施例につき20箇所における、L値、a値、およびb値の測定値と、標準色となるALCのL値、a値、およびb値との差(ΔL,Δa、Δb)をそれぞれ算出し、上記式(1)によりΔEをそれぞれ算出してΔEの平均値と標準偏差とを算出して表3に示した。
ΔEの標準偏差が小さければ、1枚のパネル内における色調の差が小さいといえる。L値の標準偏差が小さければ、1枚のパネル内の明るさの差が小さいといえる。
なお、変色防止効果の程度の評価基準は比較例1〜12および実施例1と同様である。
実施例33〜実施例50のALCパネルは、ΔEが1.96以下であり、乳酸ナトリウム水溶液未塗布の比較例1のALCパネルよりも変色防止効果が高かった。この結果から、本発明によれば、複数のALCパネルの色調を脱型・切断後の位置にかかわらず、均質なものとすることができるということがわかった。
また、本発明のALCパネル(実施例33〜50)のL値の標準偏差は0.430以下であり、1枚のパネル内における明るさの差がきわめて小さかった。
この結果から、本発明によれば、1枚のALCパネルにおける色調を均質なものとすることができるということがわかった。
実施例品のうち、乳酸化合物のスプレー塗布の回数が5回以下のもの(実施例33〜45、実施例47〜49)では、ΔEの標準偏差が0.292以下であり、色調の差がきわめて小さいという良好な結果が得られた。
この結果から、スプレー塗布の回数を5回以下とするのが好ましいということがわかった。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施例においては、石灰質原料として早強セメントと生石灰を用いたが、普通ポルトランドセメントなどを用いてもよい。
(2)上記実施例においては、ALCの製造方法を示したが、本発明はケイ灰レンガなどの珪酸カルシウム成形体などの製造方法に適用してもよい。
2A…第1のスプレー(第1のスプレーガン)
2B…第2のスプレー(第2のスプレーガン)
10…パネル状の半硬化体
10A…両端部のパネル状の半硬化体
11…パネル状の半硬化体の面積の広い面
11A…端面(端部のパネル状の半硬化体の面積の広い面)
12…乳酸化合物類が塗布される塗布面(端面)に垂直な面
13A…(第1のスプレーガンの)吐出口の中心軸線
13B…(第1のスプレーガンの)吐出口の中心軸線
20A…(第1のスプレーガンの)吐出口
20B…(第2のスプレーガンの)吐出口
X…(第1のスプレーガンの)塗布角度
Y…(第2のスプレーガンの)塗布角度
P…パネル状の半硬化体の移動方向
Claims (5)
- 珪酸質原料および石灰質原料を主原料とする固形成分に水を加えて混練してなる原料スラリーを半硬化養生させて得られた半硬化体をオートクレーブ養生させる珪酸カルシウム成形体の製造方法において、
乳酸ナトリウム、乳酸カリウム、乳酸メチルおよび乳酸エチルから選ばれる一種以上の乳酸化合物を水に溶解してなる乳酸化合物水溶液を、前記半硬化体の表面に塗布することを特徴とする珪酸カルシウム成形体の製造方法。 - 前記原料スラリーを型枠内に打設して半硬化養生させた後前記型枠から脱型することにより得られる前記半硬化体の表面に、前記型枠から脱型した後1時間以内に、前記乳酸化合物水溶液を塗布することを特徴とする請求項1に記載の珪酸カルシウム成形体の製造方法。
- 前記乳酸化合物水溶液を、前記半硬化体の表面1m2当たりの前記乳酸化合物の量が20g以上400g以下となるように塗布することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の珪酸カルシウム成形体の製造方法。
- 前記乳酸化合物を10質量%以上60質量%以下の割合で含む前記乳酸化合物水溶液を、前記半硬化体にスプレー塗布することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の珪酸カルシウム成形体の製造方法。
- 前記珪酸カルシウム成形体が軽量気泡コンクリートであることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の珪酸カルシウム成形体の製造方法。
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