JP2011213054A - 軽量気泡コンクリートパネルの製造方法、軽量気泡コンクリートパネル、および半硬化体 - Google Patents

軽量気泡コンクリートパネルの製造方法、軽量気泡コンクリートパネル、および半硬化体 Download PDF

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Abstract

【課題】設備費や手間をかけずに、変色を防止可能なALCパネルの製造方法、ALCパネルおよび半硬化体を提供する。
【解決手段】本発明は、珪酸質原料および石灰質原料を主原料とする固形成分に水を加えて混練してなる原料スラリーを、補強筋を配設した型枠内に打設する打設工程と、原料スラリーを養生させて半硬化体を作製する半硬化体作製工程と、半硬化体を切断することにより複数のパネル状の半硬化体を得る切断工程と、複数のパネル状の半硬化体をオートクレーブ養生させる養生工程と、を経て得られるALCパネルの製造方法である。本発明は、パネル状の半硬化体の表面のうち、少なくとも、端面に、グリセリン、ジグリセリン、および重合度が3以上のポリグリセリンから選ばれる一種以上のグリセリン類をスプレー塗布することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、軽量気泡コンクリートパネルの製造方法、軽量気泡コンクリートパネル、および半硬化体に関する。
軽量気泡コンクリートパネル(ALCパネル)は、珪酸質原料および石灰質原料を主成分とする固形成分に水を加えて混練して原料スラリーを作製し、この原料スラリーを、補強筋を予め配設した型枠内に打設して半硬化養生させて得られた半硬化体をオートクレーブ養生させることにより製造される。
上記ALCパネルの製造方法において、半硬化体養生を経て得られた半硬化体は、オートクレーブ養生の前に、型枠から脱型した後にピアノ線等で切断され、所定の厚さを有する複数のパネル状の半硬化体とされるとともに、不要な部分(凸凹状の部分など)を除去することにより形が整えられる(切断処理)。
一般的なALCの製造方法においては、所定量の半硬化体について切断処理を行って所定量のパネル状の半硬化体を作製してから、これらを一括してオートクレーブ養生するため、パネル状の半硬化体は、所定量の半硬化体の切断処理が終了するまでの間、大気雰囲気下に待機させられる。
切断処理後のパネル状の半硬化体をオートクレーブ養生してALCパネルを製造すると、オートクレーブ養生前に空気に接触していた部分が他の部分と相違する色に変色することがあった。
上述したように、オートクレーブ養生は所定量のパネル状の半硬化体を得てから行われるため、半硬化体状態での待機時間にはばらつきがある。この待機時間が長くなるに従い、ALCパネルの変色の度合いは大きくなる。
また、切断処理を経て得られた複数のパネル状の半硬化体は、ピアノ線の太さ分(約0.3mm〜約1.8mm)程度の間隔があき、この状態で、オートクレーブ養生される。脱型後に端部に配置される半硬化体を用いて作製したALCパネルでは、脱型後に中央に配置される半硬化体を用いて作製したALCパネルよりも変色の度合いが大きくなることが知られている。つまり、同一の型枠内から得られる半硬化体を用いて作製したALCパネルであっても、脱型・切断後に配置される位置によって得られるALCパネルの変色の度合いが相違する。
その結果、オートクレーブ養生後に得られる複数のALCパネル間において、変色の度合いの差に起因する色調の相違が生じることがある。ALCパネルは、多数のパネルを並べて用いるため、パネル間の色調の相違があると、完成した建築物の外壁色が不均一となるため価値が下がってしまう。
また、ALCパネルは、標準的なもののサイズが、例えば、長さ3000mm、幅600mmであり、大きいため、1枚のパネル内における色調の相違が発生することもある。このようなパネルは、建築物の外壁色を不均一なものとするだけでなく、不均質な不良品と判断されて、製品製造の歩留まりを悪化させるという問題を有している。
ALCパネルの変色の発生を防止する方法としては、例えば、特許文献1において、オートクレーブ養生工程の前に、半硬化体の空気接触面に、製品としてのALCパネルと同一の色調の塗料やALCパネルの製品屑などを塗布することにより外気接触の影響を防ぐ保護層を形成してALCパネルの変色を防止する方法が提案されている。
しかしながら、塗料を塗布する方法では、1枚のパネルにおける色調を同一に調整するのが非常に難しく、長期使用による製品表面の色の変化が、塗料塗布部分と塗料未塗布部分とでは異なってくる。ALCパネルの製品屑を塗布する方法では製品屑作製の工程と、オートクレーブ後に製品屑を取り除く工程とが必要であるので手間がかかり、製品屑自体が変色の原因となることもあるうえに、時間の経過により表面の性状が変わってしまう。
また、特許文献1にはステンレス板などを半硬化体の空気接触面に取り付けることにより保護層を形成する方法も提案されているが、この方法によれば、ステンレス板の面性状が半硬化体の面に転写されてしまい、表面性状が変わってしまう。
上記以外のALCパネルの変色の発生を防止する方法としては、例えば、半硬化体養生が完了した後オートクレーブ養生を行うまでの間、密閉性が高く、内部を例えば窒素ガスで一部置換した養生ヤードで半硬化体を待機させる方法が考えられる。
特開平8−231284号公報
上記方法によれば、半硬化体と空気との接触を少なくすることができるので、一般的なALCパネルの製造方法よりも、変色の発生を防止することができる。しかしながら、上記方法では、完全に半硬化体と空気との接触を防止することにはならないため、変色を低減できても皆無にすることはできないうえに、半硬化体を待機させるための設備(密閉性の高い養生ヤードなど)が必要であり設備費がかかる。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、設備費や手間をかけずに、変色を防止可能なALCパネルの製造方法、ALCパネルおよび半硬化体を提供し、これにより、複数のALCパネルの色調を脱型・切断後の位置にかかわらず、均質なものとし、かつ、1枚のALCパネルにおける色調を均質なものとすることを目的とする。
同じ製造工程および同じ原料組成で製造した複数のALCパネルにおいても変色の度合いは相違し、同一の型枠から得られるパネル状の半硬化体を用いて作製したALCパネルであっても、脱型後の位置により変色の度合いが相違する。この変色が発生するメカニズムについての詳細についても不明であり推測の範囲内ではあるが、以下のように考えられる。
[脱型後に端部に配置されるパネル状の半硬化体から得られるALCパネル(端パネルという)の場合]
ALCパネルの原料である珪石には鉄含有鉱物などの金属含有鉱物が含まれている。鉄含有鉱物は半硬化体の状態においては、鉄イオン、水酸化鉄、酸化鉄、硫化鉄などの化合物となっていると考えられる。これらの鉄含有鉱物が半硬化体の表面付近に存在すると半硬化体に含まれる水分や空気中の水分により酸化されて黒褐色や赤褐色の酸化鉄(FeO、Fe)や黄褐色の各種オキシ酸化物(α、β、γ型)など種々の酸化物が生成する。ここで、半硬化体はアルカリ性であるが、空気に接するとカルシウム分(水酸化カルシウムなど)が空気中の二酸化炭素と反応して炭酸カルシウムとなり中性化が進行する。鉄含有鉱物の酸化反応はアルカリ性条件下では反応し難く、中性条件下においては、容易に反応するため、半硬化体の炭酸化が進むに従い酸化反応が促進される。
つまり、金属含有鉱物の酸化、原料中に含まれる水酸化カルシウムの炭酸化、およびこの炭酸化による金属含有鉱物の酸化の促進が一因となって、端パネルが変色するのではないかと考えられる。
[2つのパネル状の半硬化体の間に配置されるパネル状の半硬化体から得られるALCパネル(中パネルという)の場合]
一方、型枠から脱型した半硬化体をピアノ線で切断して得られる複数のパネル状の半硬化体のうち、2つのパネル状の半硬化体の間に配置されるパネル状の半硬化体から得られるALCパネル(中パネルという)もわずかに変色する。
中パネルの変色のメカニズムは、(1)隣接するパネル状の半硬化体との隙間から侵入する空気、あるいは、(2)パネル状の半硬化体に溶存している空気、に起因する金属含有鉱物の酸化、原料中に含まれる水酸化カルシウムの炭酸化などによりALCパネルが変色するのではないかと考えられる。
しかしながら、中パネルにおいては隣接するパネル状の半硬化体との隙間がピアノ線の太さ分(約0.3mm〜約1.8mm)程度と狭く、パネル状の半硬化体の温度が高く蒸気の放出により内部圧力が高くなっているため、空気がきわめて侵入し難いため(1)の影響は著しく小さいと考えられる。したがって、空気中の酸素・二酸化炭素が隣接するパネル状の半硬化体との隙間を介して侵入することにより酸化・炭酸化させることはほとんどないと考えられる。
一方、パネル状の半硬化体は、多くの水分を保有しており、酸素・二酸化炭素を溶存しており、さらに内在する多くの気泡中に酸素・二酸化炭素が存在している。つまり、中パネルは(2)の影響(半硬化体に溶存する酸素・二酸化炭素と気泡中の酸素・二酸化炭素)により、酸化や炭酸化が生じて変色するのではないかと考えられる。しかしながら、半硬化体に溶存する空気(酸素・二酸化炭素)は、大気中に含まれる酸素・二酸化炭素の量と比較すると極めて少ないため、変色の度合いは端パネルと比較すると低くなるため、変色の度合いが低くなると考えられる。
以上の点に鑑み、上述した原因に対する対策について鋭意検討を行った。その結果、パネル状の半硬化体の表面のうち少なくとも端面にグリセリンを塗布するか、あるいは、パネル状の半硬化体の表面から深さ1.0mm以内の表層部にグリセリンを含ませることにより、ALCパネルの変色を十分に防止することができるという知見を得た。なお、ジグリセリンや重合度が3以上のポリグリセリンを用いた場合でも、グリセリンを用いたときと同様の効果があった。
グリセリンを用いることによりALCパネルの変色を防止するメカニズムについては以下のように考えられる。
グリセリンは水と比較すると酸素溶解度が低いため、グリセリンを用いることで酸素が金属含有鉱物と接触し難くなり酸化が抑制される。
また、グリセリンは吸湿・保湿作用を有しているため、グリセリンを用いることで、半硬化体や成形体の表面からの水分蒸発が抑えられ、かつ、グリセリンの膜が形成されることにより金属鉱物と酸素とが接触し難くなる。
さらに、グリセリンは水と比較して二酸化炭素溶解度が低いため、グリセリンを用いることで、二酸化炭素とALCパネル中のカルシウム分との反応が困難となり、アルカリ性が維持され金属含有鉱物の酸化反応が抑制される。
つまり、グリセリンが、直接的に作用し、かつ(あるいは)、カルシウム分の炭酸化を抑制することにより間接的に作用して、半硬化体や成形体に含まれる金属含有鉱物の酸化を防止し珪酸カルシウム酸成形体の変色を防止しているのではないかと考えられる。
なお、本発明において深さ1.0mm以内の表層部にグリセリン類を含ませる構成としたのは、変色したALCパネルの表面から深さ1.0mm以内の表層部を削ると変色部分が除去できることを見出したからである。つまり、ALCパネルの変色が、多くの場合、表面から深さ1.0mm以内の表層部で発生しているという知見に基づく。
本発明は、かかる新規な知見に基づくものである。
すなわち、本発明は、珪酸質原料および石灰質原料を主原料とする固形成分に水を加えて混練してなる原料スラリーを、補強筋を配設した型枠内に打設する打設工程と、前記型枠内に打設された原料スラリーを養生させて半硬化体を作製する半硬化体作製工程と、前記半硬化体作製工程を経て得られた半硬化体を、型枠から脱型して切断することにより複数のパネル状の半硬化体を得る切断工程と、前記複数のパネル状の半硬化体をオートクレーブ養生させる養生工程と、を経て得られる軽量気泡コンクリートパネルの製造方法であって、前記パネル状の半硬化体の表面のうち、少なくとも、端面に、グリセリン、ジグリセリン、および重合度が3以上のポリグリセリンから選ばれる一種以上のグリセリン類をスプレー塗布することを特徴とする軽量気泡コンクリートパネルの製造方法である。
また、本発明は、珪酸質原料および石灰質原料を主原料とする固形成分に水を加えて混練してなる原料スラリーを、補強筋を配設した型枠内に打設する打設工程と、前記型枠内に打設された原料スラリーを養生させて半硬化体を作製する半硬化体作製工程と、前記半硬化体作製工程を経て得られた半硬化体を、型枠から脱型して切断することにより複数のパネル状の半硬化体を得る切断工程と、前記複数のパネル状の半硬化体をオートクレーブ養生させる養生工程と、を経て得られる軽量気泡コンクリートパネルの製造方法であって、前記養生工程を、前記パネル状の半硬化体の表面から深さ1.0mm以内の表層部に、グリセリン、ジグリセリン、および重合度が3以上のポリグリセリンから選ばれる一種以上のグリセリン類を含む状態で実行することを特徴とする軽量気泡コンクリートパネルの製造方法である。
また、本発明は、前記軽量気泡コンクリートパネルの製造方法により製造され、少なくとも1つの面において、その表面から深さ1.0mm以内の表層部にグリセリン、ジグリセリン、および重合度が3以上のポリグリセリンから選ばれる一種以上のグリセリン類を含むことを特徴とする軽量気泡コンクリートパネルである。
また、本発明は、上記軽量気泡コンクリートパネルの製造方法の途中で得られ、少なくとも1つの面において、その表面から深さ1.0mm以内の表層部にグリセリン、ジグリセリン、および重合度が3以上のポリグリセリンから選ばれる一種以上のグリセリン類を含むことを特徴とする半硬化体である。
本発明によれば、半硬化体の表面にグリセリン類を塗布するかあるいは半硬化体の表層部にグリセリン類を含ませるだけで、ALCパネルの変色を十分に防止することができ、大がかりな設備が不要であり手間もかからない。その結果、本発明によれば、複数のALCパネルの色調を、脱型・切断後の位置にかかわらず、均質なものとし、かつ、1枚のALCパネルにおける色調を均質なものとすることができる(以下これを「変色防止効果」という)。
本発明の製造方法(半硬化体の表面にグリセリン類を塗布する工程を含む製造方法)においては、以下の構成とするのが好ましい。
パネル状の半硬化体の表面に前記グリセリン類をスプレー塗布する塗布工程を、切断工程を経た後1時間以内に実行する。このような構成とすると、変色防止効果をより高めることができる。
グリセリン類の塗布量を、パネル状の半硬化体の前記グリセリンが塗布される表面1m当たり20g以上400g以下とすると、変色防止効果を高めることができる。グリセリン類の塗布量を、パネル状の半硬化体のグリセリンが塗布される表面1m当たり30g以上250g以下とすると、さらに変色防止効果を高めることができる。
グリセリン類を、濃度が15質量%以上50質量%以下の水溶液としてパネル状の半硬化体にスプレー塗布するのが好ましい。このような構成とすると、グリセリン類がスプレー塗布に適した粘度に調整されるので塗布作業を簡便なものとすることができ、かつ、グリセリン類の塗布量を適切な量とすることができるので、塗りムラが生じにくい。
パネル状の半硬化体に対して相対移動するスプレーにより、グリセリン類のスプレー塗布を行う。このような構成とすると、グリセリン類を均一に塗布することができ、好ましい。
グリセリン類の塗布角度は、パネル状の半硬化体のグリセリン類が塗布される塗布面に垂直な面に対して−45°〜45°とする。このような構成とすると、グリセリン類がはねかえりにくくなるので、グリセリン類の使用量を節約することができるとともに塗りムラが生じにくくなるので好ましい。
パネル状の半硬化体のグリセリン類が塗布される塗布面に垂直な面に対して、0°〜45°の塗布角度でグリセリン類を塗布する第1のスプレーと、−45°〜0°の塗布角度でグリセリン類を塗布する第2のスプレーにより、グリセリン類のスプレー塗布を行う。このような構成とすると、向きの相違するスプレーによりグリセリン類が塗布されるので、より均一にグリセリン類を塗布することができるので、好ましい。
パネル状の半硬化体にスプレー塗布するグリセリン類を、体積基準のメジアン径(以下、VMDという)が10μm以上200μm以下の液滴とする。
VMDが大きすぎる液滴をスプレー塗布すると液ダレが生じやすく、VMDが小さすぎる液滴をスプレー塗布するとグリセリン類が跳ね返ってしまうので、多くのグリセリン類を必要とする。そこで、上記のような構成とすると、スプレー塗布されたグリセリン類がはねかえりにくくなって、グリセリンの使用量を節約することができ、かつ、液ダレが生じにくくなるので好ましい。
パネル状の半硬化体に、グリセリン類を5回以下重ね塗りする。このような構成とすると、1枚のパネルにおける色調をより均一なものとすることができるので好ましい。
本発明の軽量気泡コンクリートにおいては、表面から深さ1.0mm以内の表層部におけるグリセリン類の含有量を表層部1m当たり0.1g以上とするのが好ましい。このような構成とすると、変色防止効果をより高めることができる。
本発明によれば、設備費や手間をかけずに、変色を防止可能なALCパネルの製造方法、ALCパネルおよび半硬化体を提供することができ、これにより、複数のALCパネルの色調を脱型・切断後の位置にかかわらず均質なものとし、かつ、1枚のALCパネルにおける色調を均質なものとすることができる。
塗布装置の一例を示す模式図 塗布装置の一部を側面から示した模式図 グリセリン類の塗布角度を説明する模式図
本発明は、珪酸質原料および石灰質原料を主原料とする固形成分に水を加えて混練してなる原料スラリーを、補強筋を配設した型枠内に打設する打設工程と、型枠内に打設された原料スラリーを養生させて半硬化体を作製する半硬化体作製工程と、半硬化体作製工程を経て得られた半硬化体を、型枠から脱型して切断することにより複数のパネル状の半硬化体を得る切断工程と、複数のパネル状の半硬化体をオートクレーブ養生させる養生工程と、を経て得られる軽量気泡コンクリートパネルの製造方法である。
本発明の製造方法(第1の方法)は、パネル状の半硬化体の表面のうち、少なくとも、端面に、グリセリン類を塗布する工程を含むところに特徴を有している。また、本発明の製造方法(第2の方法)は、養生工程を、パネル状の半硬化体の表面から深さ1.0mm以内の表層部に、グリセリン、ジグリセリン、および重合度が3以上のポリグリセリンから選ばれる一種以上のグリセリン類を含む状態で実行するところに特徴を有している。以下各方法についてそれぞれ説明する。
(第1の方法:半硬化体の表面にグリセリン類を塗布する工程を含む製造方法)
本発明の第1の方法においては、まず、珪酸質原料および石灰質原料を主成分とする固形成分に水を加えて混練し原料スラリーを作製する(原料スラリー作製工程)。
珪酸質原料としては、珪石、珪砂、スラグ、フライアッシュなどのSiOを含む原料として公知のものの粉末または粒状物を一種類または二種類以上組み合わせて用いることができる。
石灰質原料としては、生石灰、消石灰、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、その他の各種ポルトランドセメント等の粉末または粒状物を一種類または二種類以上組み合わせて用いることができる。
ここで、例えば、本発明の方法によりALCパネルを作製する場合には、原料スラリーの材料としては上記固形成分や水以外に、アルミニウム粉末などの発泡剤や減水剤などを用いることができる。また、原料スラリーを作製する際には、上記の主成分となる原料以外に、石膏、補強用繊維、繰り返し原料(原料スラリーを発泡硬化させて得られる半硬化体を、ピアノ線で切断した際に発生する不要な部分)や、不要となったALCの粉末(半硬化体を養生して得られるALCを切断した際に発生する不要な部分)を添加してもよい。これらの原料を添加すると、原料スラリーの発泡が安定する上に、原料費を節約できるので、好ましい。
原料スラリーは、上記固形成分に、全固形成分(珪酸質原料、石灰質原料などの主成分となる原料、および石膏などの固形成分)100質量部に対して50〜90質量部の水を加えて混練することにより得られる。
上述のようにして作製した原料スラリーを、補強筋を配設した所定形状の型枠に打設し(打設工程)、型枠内に打設した原料スラリーを所定の硬度(例えばピアノ線で切断可能な硬度)となるまで半硬化養生させることにより半硬化体を作製する(半硬化体作製工程)。
次に、半硬化体作製工程を経て得られた半硬化体を、型枠から脱型し、ピアノ線などで所定の厚さに切断して、不要部分(凸凹状の端部などの不要な部分)を除去して形を整えることにより、複数のパネル状の半硬化体を得る(切断工程)。
さて、本発明の製造方法は、切断工程を経て得られたパネル状の半硬化体の表面のうち、少なくとも、端面に、グリセリン、ジグリセリン、および重合度が3以上のポリグリセリンから選ばれる一種以上のグリセリン類をスプレー塗布することを特徴とする(塗布工程)。これらのグリセリン類のうち、グリセリン、ジグリセリン、重合度が3以上10以下のポリグリセリンが、取り扱いやすく好ましい。
なお、スプレー塗布は、本来のALCパネルの表面性状を生かし、かつ、塗布作業を簡易なものとすることができるので、グリセリン類をALCパネルに塗布する方法として好ましい。
塗布工程は、切断工程を経た後、好ましくは1時間以内、特に好ましくは5分以内に実行すると、変色防止効果をより高めることができる。
グリセリン類の(原液)塗布量は、パネル状の半硬化体のグリセリン類が塗布される表面1m当たり20g以上400g以下であると、変色防止効果が高いので好ましく、パネル状の半硬化体のグリセリン類が塗布される表面1m当たり30g以上250g以下であると、変色防止効果が更に高まるので、特に好ましい。
本明細書において、「グリセリン類の(原液)塗布量」とは、グリセリン類の原液の量に換算した塗布量を意味する。
グリセリン類の(原液)塗布量がパネル状の半硬化体の表面(塗布面)1m当たり20g未満であると、十分な変色防止効果が得られないことがあり、パネル状の半硬化体の表面1m当たり400gを超えると、塗布されたグリセリン類が過剰となって液ダレを生じるため、求められている表面性状が得られなくなることがある。
グリセリン類は、濃度15質量%以上50質量%以下の水溶液とすると、スプレー塗布に適した粘度に調整されるので、塗布作業を簡便なものとすることができ、かつ、グリセリン類の(原液)塗布量を適切な量とすることができるとともに、塗りムラが生じにくくなるので、好ましい。
グリセリン類の濃度が15質量%未満では、水の影響が大きくなり変色防止効果が小さくなるうえに、好適な変色防止効果を得るために塗布量を増やす必要が生じるので表面性状に及ぼす影響が懸念される。グリセリン類の濃度が50質量%を超えると、スプレー塗布には適さない粘度になってしまううえに、好適な変色防止効果を得るためには塗布量を少なくする必要が生じるので塗りムラが生じることがある。
なお、グリセリン類の濃度が50質量%を超えて粘度が高い場合には、温度を高くすることで、水溶液としなくても粘度調整が可能である。このときの温度としては、粘度と取り扱い性等の観点から、30℃〜70℃に設定される。
スプレー塗布は、例えば、図1に示すような塗布装置1を用いて行うことができる。この塗布装置1において、グリセリン類が塗布されるパネル状の半硬化体10は、複数枚(図1では15枚)が、互いに面積の広い面11を対向させた状態で、ピアノ線の太さ分(0.3mm〜1.8mm)程度の間隔を空けて並べられており、図1の手前側から奥側方向に移動可能とされる。そして、複数のパネル状の半硬化体10のうち、左側と右側の端部にそれぞれ配置されるパネル状の半硬化体10A,10Aの面積の広い面11A(端面11Aに相当)に、グリセリン類が塗布されるようになっている。
なお、パネル状の半硬化体10は常に表面から水蒸気を放出しており、隣接するパネル状の半硬化体10,10の隙間には空気が侵入し難くなっている。
パネル状の半硬化体10A,10Aのグリセリン類が塗布される端面11A,11Aと対向する位置に配置した2本のポール3には、グリセリン類を吐出するスプレーガン2A,2B(2Bは図1に図示せず)が複数取り付けられている。すなわち、塗布装置1においては、スプレーガン2A,2Bがパネル状の半硬化体10A,10Aの端面11A,11Aに対して相対移動することにより当該端面11A,11Aにグリセリン類が塗布されるようになっている。
複数のスプレーガン2A,2Bは、図2に示すように、ポール3の右側と左側とに千鳥状に取り付けられている。ここで、ポール3の右側と左側に取り付けられたスプレーガン2A,2Bを、それぞれ、第1のスプレーガン2A(第1のスプレー2A)、第2のスプレーガン2B(第2のスプレー2B)とする。
また、第1のスプレーガン2Aおよび第2のスプレーガン2Bは、図3に示すように、互いに外側方向を向くように配置されている。したがって、パネル状の半硬化体10Aは、スプレーガン2A,2Bに接近する方向に移動しているときには第1のスプレーガン2Aにより、グリセリン類が塗布され、スプレーガン2A,2Bから遠ざかる方向に移動しているときには第2のスプレーガン2Bによりグリセリン類が塗布される。
なお、第1のスプレーガン2Aのグリセリン類を吐出する角度X(グリセリン類の塗布角度X)、第2のスプレーガン2Bのグリセリン類を吐出する角度Y(グリセリン類の塗布角度Y)は、パネル状の半硬化体10A,10Aの端面11A,11Aに垂直な面12に対して−45°〜45°に設定するのが好ましい(図3を参照)。上述のような塗布角度とすると、グリセリン類がはねかえりにくくなるので、グリセリン類の使用量を節約することができるとともに塗りムラが生じにくくなるからである。塗布角度は0°〜45°とするとグリセリン類がさらに、はねかえりにくくなるので特に好ましい。
なお、塗布角度Xを0°〜45°とし、かつ、塗布角度Yを−45°〜0°とすると、向きの相違するスプレーによりグリセリン類が塗布されるので、より均一にグリセリン類のスプレー塗布が可能となるので、さらに好ましい。
パネル状の半硬化体10Aにスプレー塗布するグリセリン類を、VMDが10μm以上200μm以下の液滴とすると、スプレー塗布されたグリセリン類がはねかえりにくくなって、グリセリンの使用量を節約することができ、かつ、液ダレが生じにくくなるので好ましい。
塗布される液滴のVMDが200μmを超えると液ダレが生じやすくなり、液滴のVMDが10μm未満であるとグリセリン類がはね返ってしまうので、多くのグリセリン類を必要とする。
グリセリン類のスプレー塗布の回数は特に限定されないが、5回以下重ね塗りすると、1枚のALCパネルにおける色調をより均一なものとすることができるので好ましい。
塗布工程を経ると、少なくとも1つの面において、表面から深さ1.0mm以内の表層部に、グリセリン、ジグリセリン、および重合度が3以上のポリグリセリンから選ばれる一種以上のグリセリン類を含むパネル状の半硬化体が得られる。この、表面から深さ1.0mm以内の表層部にグリセリン類を含ませた状態にある半硬化体を、180℃〜190℃で4時間〜24時間オートクレーブ養生する(養生工程)と、本発明のALCパネルが得られる。
なお、本発明においては、「表面から深さ1.0mm以内の表層部」とは、「表面において最も突出している部分から1.0mm以内」のことを意味するのではなく、「空気に接触している面から1.0mm以内」のことを意味する。例えば表面が凸凹の場合には、その凸凹に沿って深さが1.0mm以内の表層部を意味する。
(第2の方法:養生工程を、パネル状の半硬化体の表層部にグリセリン類を含ませた状態で実行する方法)
上述したように第1の方法における塗布工程を経ると、表面から深さ1.0mm以内の表層部に、グリセリン、ジグリセリン、および重合度が3以上のポリグリセリンから選ばれる一種以上のグリセリン類を含むパネル状の半硬化体が得られる。この表層部にグリセリン類を含ませたパネル状の半硬化体を180℃〜190℃で4時間〜24時間オートクレーブ養生する(養生工程)と、本発明の第2の方法によるALCパネルが得られる。
上述以外の表層部にグリセリン類を含ませたパネル状の半硬化体を得る方法としては、第1の方法の切断工程を実行することにより得られたパネル状の半硬化体をグリセリン類に浸漬する方法、第1の方法の切断工程を実行することにより得られたパネル状の半硬化体の端面にスプレー塗布以外の方法でグリセリン類を塗布する方法などがあげられる。
第2の方法で用いる、珪酸質原料、石灰質原料、固形成分、原料スラリーの材料、グリセリン類としては第1の方法と同様のものを用いることができる。
(ALCパネル)
上述した本発明の製造方法により得られた本発明のALCパネルにおいては、少なくとも1つの面において、その表面から深さ1.0mm以内の表層部に、グリセリン、ジグリセリン、および重合度が3以上のポリグリセリンから選ばれる一種以上のグリセリン類が含まれる。
なお、本発明のALCパネルの表層部に含まれるグリセリン類の量は、表層部1m当たり0.1g以上であると変色防止効果をより高めることができるので、好ましい。
<実施例>
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。
1.ALCパネルの変色防止方法の検討
以下に示す方法により作製した種々のALCパネルについて評価試験を行い検討した。
(比較例1のALCの作製)
(1)パネル状の半硬化体の作製
珪石粉末65質量部、早強セメント20質量部、生石灰粉末11質量部、石膏4質量部、これらの固形成分100質量部に対して70質量部の水、アルミニウム粉末0.06質量部、および減水剤0.1質量部を混合して原料スラリーを作製し、補強筋を配設した型枠内に注入し、発泡・硬化させた。3時間経過後の半硬化体を脱型して、0.9mmのピアノ線でパネル形状に切断し、型枠周辺の非製品部分ならびに端部の凸凹部分などを取り除き、15枚のパネル状の半硬化体を作製した。
(2)保管、オートクレーブ養生
15枚のパネル状の半硬化体を、面積の広い面を対向するように並べた状態で、30℃に保温された養生ヤードで2時間保管した。このとき各パネル状の半硬化体はピアノ線の太さ分程度(約0.9mm)離間した状態であった。養生ヤードでの保管後のパネル状の半硬化体を、180℃、10時間オートクレーブで養生することにより15枚のALCパネルを作製した。この15枚のALCパネルのうち養生工程のときに両端に配置されていたパネル状半硬化体から得られた2枚のALCパネルを比較例1のALCパネルとした。
(3)評価試験
(i)オートクレーブから取り出した15枚のALCパネルを、ケット科学研究所製の水分計を用いて測定した含水率が10〜20%の範囲となるまで、室内で乾燥した。乾燥後のALCパネルのうち、養生工程のときに両端に配置されていたパネル状半硬化体から得られた2枚の比較例1のALCパネルについてそれぞれ、その表面の20箇所におけるL値、a値、およびb値を、色彩色差計[ミノルタ(株)製、CR−200]を用いて測定して、それぞれの平均値を算出した。この値を比較例1のALCパネルのL値、a値、およびb値とした。
(ii)(i)の乾燥後の15枚のALCパネルのうち、養生工程のときに中央に配置されていたパネル状の半硬化体から得られたALCパネルの面積の広い面の20箇所のL値、a値、およびb値を、色彩色差計[ミノルタ(株)製、CR−200]を用いて測定し、平均値を算出した。この値を標準色のALCパネルのL値、a値、およびb値とした。
なお、本明細書中の他の実施例および他の比較例においてもこのALCパネルを標準色のALCパネルとした。
(iii)比較例1のALCパネルにおけるL値、a値、およびb値と、標準色となるALCパネルのL値、a値、およびb値との差(ΔL、Δa、Δb)を算出した。次に、以下の式(1)によりΔEを算出した。表1にはΔLおよびΔEを示した。
Figure 2011213054
なお、L値は明るさを示す値であり、a値は赤色−緑色の程度を示す値であり、b値は黄色−青色の程度を示す値であるので、ΔLが小さければ標準色との明るさの差が小さく、ΔEが小さいと、標準色との色の差が小さいといえる。
(比較例2のALCパネルの作製、密閉した養生ヤードでの保管)
比較例1の(1)で作製したパネル状の半硬化体を、窒素で置換して密閉状態とした養生ヤードで保管したこと以外は比較例1と同様にして、比較例2のALCパネルを作製した。比較例1と同様に評価試験を行い、ΔLおよびΔEを算出して表1に示した。
(比較例3のALCパネルの作製:ステンレス板を使用)
比較例1の(1)で作製したパネル状の半硬化体のうち両端部に配置されるパネル状の半硬化体の端面(隣接するパネル状の半硬化体と接触していない面)を、ステンレス板で覆った後、養生ヤードで待機させたこと以外は、比較例1と同様にして比較例3のALCパネルを作製した。比較例1と同様に評価試験を行い、ΔLおよびΔEを算出して表1に示した。
(比較例4のALCパネルの作製:ALC製品屑を塗布)
比較例1の(1)で作製したパネル状の半硬化体のうち両端部に配置されるパネル状の半硬化体の端面(隣接するパネル状の半硬化体と接触していない面)に、1m当たりの塗布量が30gとなるようにALC製品屑のスラリーを塗布した後、養生ヤードで待機させたこと以外は、比較例1と同様にして比較例4のALCパネルを作製した。比較例1と同様に評価試験を行い、ΔLおよびΔEを算出して表1に示した。
(実施例1のALCパネルの作製:グリセリンのスプレー塗布)
比較例1の(1)で作製したパネル状の半硬化体のうち両端部に配置されるパネル状の半硬化体の端面(隣接するパネル状の半硬化体と接触していない面)に図1に示す塗布装置1を用いて(塗布角度X、塗布角度Yをともに30°に設定)、濃度が20質量%のグリセリン水溶液をVMD80〜90μmの液滴として2回スプレー塗布し、30℃に保温された養生ヤードで保管したこと以外は比較例1と同様にして実施例1のALCパネルを作製した。比較例1と同様に評価試験を行い、ΔLおよびΔEを算出して表1に示した。
実施例1において、パネル状の半硬化体の端面1m当たりのグリセリンの塗布量は40gであり、ALCパネルの表層部(表面から深さ1.0mm以内の部分)のグリセリンの量は表層部1m当たり0.15g〜0.3gであった。
ALCパネルの表層部のグリセリンの量は、以下の手順により測定した。グリセリンを塗布したALCから表層部(表面から深さ1mm以内の部分)を削り取り、それを105℃で一昼夜乾燥した粉末にメタノールを加え80℃で加熱抽出した抽出液をろ過してろ液を濃縮し、得られた濃縮残渣に内部標準物質として1,4−ブタンジオールを添加してガスクロマトグラフィーにて分析した。分析の結果得られたグリセリンピークと、予め同じ条件で得られた検量線からグリセリン量を算出した。
なお、変色防止効果の程度については、ΔE値に基づき、以下のように評価した。
ΔEが3.0より大きい:顕著に標準色との色の差が認められる
ΔEが1.5より大きく3.0以下:わずかに標準色との色の差が認められる)
ΔEが1.5以下:標準色との色の差がほとんど認められない
Figure 2011213054
(結果と考察)
本発明の製造方法により作製した実施例1のALCパネルでは、標準色との色の差がほとんど認められず、変色防止効果が高いということがわかった。なお、グリセリン以外にジグリセリンや重合度が3以上のポリグリセリンを用いて実施例1と同様の方法でALCパネルを作製した場合にも、グリセリンを用いたときと同様の効果があった。
これに対して、比較品(比較例1〜4)のALCパネルは、本発明の方法により製造したALCパネルよりも変色防止効果が劣っているということがわかった。
比較例のうち、半硬化体を密閉した養生ヤードで保管した比較例2のALCパネル、半硬化体をステンレス板で被覆して保管した比較例3のALCパネル、半硬化体の表面にALCの製品屑を塗布した比較例4のALCパネルでは、変色防止効果がわずかに認められたが、比較例2では特別な設備が必要であり、比較例3および比較例4では手間がかかるうえに、本来のALCパネルの有するような表面性状が得られないという欠点を有していた。
なお、実施例1のALCパネルの表層部のグリセリンの量が塗布量と比較して少なめであるのは、塗布時やオートクレーブ養生の間に、高温などの条件により揮発したりALCパネルの内部に浸透するためと考えられる。
2.グリセリンの濃度とスプレー塗布の回数の検討
グリセリンの濃度およびスプレー塗布の回数と、1枚のパネルにおける色調の差との関係について検討した。
(実施例2〜18のALCパネルの作製)
使用するグリセリンの濃度(質量%)および、スプレー塗布の回数を表2に記載の回数としたこと以外は実施例1と同様にして、実施例2〜18のALCパネルをそれぞれ作製した。それぞれのALCパネルの表面の20箇所におけるL値、a値、およびb値を、色彩色差計[ミノルタ(株)製、CR−200]を用いて測定した。
なお、実施例3〜18において、パネル状の半硬化体の端面1m当たりのグリセリンの塗布量は40g〜560gであり、ALCパネルの表層部(表面から深さ1.0mm以内の部分)のグリセリン類の量は表層部1m当たり0.15g以上であった。
L値については、1つの実施例につき20箇所における標準偏差を算出するとともに、20箇所におけるL値の測定値と標準色となるALCパネルのL値との差(ΔL)の平均値を算出して、表2に示した。
E値については、1つの実施例につき20箇所における、L値、a値、およびb値の測定値と、標準色となるALCのL値、a値、およびb値との差(ΔL,Δa、Δb)をそれぞれ算出し、上記式(1)によりΔEをそれぞれ算出してΔEの平均値と標準偏差とを算出して表2に示した。
実施例1についても、実施例2〜18と同様に、20箇所におけるL値の標準偏差およびΔLの平均値、ならびに20箇所におけるΔEの平均値および標準偏差を算出して表2に示した。
ΔEの標準偏差が小さければ、1枚のパネル内における色調の差が小さいといえる。L値の標準偏差が小さければ、1枚のパネル内の明るさの差が小さいといえる。
なお、変色防止効果の程度の評価基準は比較例1〜4、実施例1と同様である。
Figure 2011213054
(結果と考察)
実施例1〜実施例18のALCパネルは、ΔEが1.64以下であり、グリセリン未塗布の比較例1のALCパネルよりも変色防止効果が高かった。この結果から、本発明によれば、複数のALCパネルの色調を脱型・切断後の位置にかかわらず、均質なものとすることができるということがわかった。
また、本発明のALCパネル(実施例1〜18)のL値の標準偏差は0.394以下であり、1枚のパネル内における明るさの差がきわめて小さかった。
この結果から、本発明によれば、1枚のALCパネルにおける色調を均質なものとすることができるということがわかった。
実施例品のうち、グリセリンのスプレー塗布の回数が5回以下のもの(実施例1〜13、実施例15〜17)では、ΔEの標準偏差が0.271以下であり、色調の差がきわめて小さいという良好な結果が得られた。
この結果から、スプレー塗布の回数を5回以下とするのが好ましいということがわかった。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施例においては、石灰質原料として早強セメントと生石灰を用いたが、普通ポルトランドセメントなどを用いてもよい。
1…塗布装置
2A…第1のスプレー(第1のスプレーガン)
2B…第2のスプレー(第2のスプレーガン)
10…パネル状の半硬化体
10A…両端部のパネル状の半硬化体
11…パネル状の半硬化体の面積の広い面
11A…端面(端部のパネル状の半硬化体の面積の広い面)
12…グリセリン類が塗布される塗布面(端面)に垂直な面
X…(第1のスプレーガンの)塗布角度
Y…(第2のスプレーガンの)塗布角度
スプレーのグリセリン類を吐出する吐出口の中心軸線を含む水平面上において、中心軸線とパネル状の半硬化体のグリセリン類が塗布される塗布面に垂直な面とのなす角を−45°〜45°とする。このような構成とすると、グリセリン類がはねかえりにくくなるので、グリセリン類の使用量を節約することができるとともに塗りムラが生じにくくなるので好ましい。
グリセリン類のスプレー塗布を、中心軸線とパネル状の半硬化体の塗布面に垂直な面とのなす角が0°〜45°である第1のスプレーと、中心軸線とパネル状の半硬化体の塗布面に垂直な面とのなす角が−45°〜0°である第2のスプレーと、により行う。このような構成とすると、向きの相違するスプレーによりグリセリン類が塗布されるので、より均一にグリセリン類を塗布することができるので、好ましい。
また、本発明は、前記軽量気泡コンクリートパネルの製造方法により製造され、少なくとも1つの面において、その表面から深さ1.0mm以内の表層部にグリセリン、ジグリセリン、および重合度が3以上のポリグリセリンから選ばれる一種以上のグリセリン類を含み、
下記式(1)により算出される、ΔEが1.64以下であることを特徴とする軽量気泡コンクリートパネル。
Figure 2011213054
(式中ΔL、Δa、Δbは、色彩色差計により測定された、前記グリセリン類が塗布された前記パネル状の半硬化体または前記グリセリン類を表層部に含ませた前記パネル状の半硬化体から得られる軽量気泡コンクリートパネルのL値、a値、b値と、前記打設工程、前記半硬化体作製工程および前記切断工程を経て得られた複数のパネル状の半硬化体をオートクレーブ養生させて得られる複数の軽量気泡コンクリートパネルのうち、オートクレーブ養生の際に中央に配置されていた軽量気泡コンクリートパネルのL値、a値、b値との差である。)

Claims (14)

  1. 珪酸質原料および石灰質原料を主原料とする固形成分に水を加えて混練してなる原料スラリーを、補強筋を配設した型枠内に打設する打設工程と、
    前記型枠内に打設された原料スラリーを養生させて半硬化体を作製する半硬化体作製工程と、
    前記半硬化体作製工程を経て得られた半硬化体を、型枠から脱型して切断することにより複数のパネル状の半硬化体を得る切断工程と、
    前記複数のパネル状の半硬化体をオートクレーブ養生させる養生工程と、を経て得られる軽量気泡コンクリートパネルの製造方法であって、
    前記パネル状の半硬化体の表面のうち、少なくとも、端面に、グリセリン、ジグリセリン、および重合度が3以上のポリグリセリンから選ばれる一種以上のグリセリン類をスプレー塗布することを特徴とする軽量気泡コンクリートパネルの製造方法。
  2. 前記パネル状の半硬化体の表面に前記グリセリン類をスプレー塗布する塗布工程を、前記切断工程を経た後1時間以内に実行することを特徴とする請求項1に記載の軽量気泡コンクリートパネルの製造方法。
  3. 前記グリセリン類の塗布量は、前記パネル状の半硬化体の前記グリセリンが塗布される表面1m当たり20g以上400g以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の軽量気泡コンクリートパネルの製造方法。
  4. 前記グリセリン類の塗布量は、前記パネル状の半硬化体の前記グリセリンが塗布される表面1m当たり30g以上250g以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の軽量気泡コンクリートパネルの製造方法。
  5. 前記グリセリン類を、濃度が15質量%以上50質量%以下の水溶液として前記パネル状の半硬化体にスプレー塗布することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の軽量気泡コンクリートパネルの製造方法。
  6. 前記パネル状の半硬化体に対して相対移動するスプレーにより、前記グリセリン類のスプレー塗布を行うことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の軽量気泡コンクリートパネルの製造方法。
  7. 前記グリセリン類の塗布角度は、前記パネル状の半硬化体の前記グリセリン類が塗布される塗布面に垂直な面に対して−45°〜45°であることを特徴とする請求項6に記載の軽量気泡コンクリートパネルの製造方法。
  8. 前記パネル状の半硬化体の前記グリセリン類が塗布される塗布面に垂直な面に対して、0°〜45°の塗布角度で前記グリセリン類を塗布する第1のスプレーと、−45°〜0°の塗布角度で前記グリセリン類を塗布する第2のスプレーにより、前記グリセリン類のスプレー塗布を行うことを特徴とする請求項7に記載の軽量気泡コンクリートパネルの製造方法。
  9. 前記パネル状の半硬化体にスプレー塗布するグリセリン類は、体積基準のメジアン径が10μm以上200μm以下の液滴であることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載の軽量気泡コンクリートパネルの製造方法。
  10. 前記パネル状の半硬化体に、前記グリセリン類を5回以下重ね塗りすることを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか一項に記載の軽量気泡コンクリートパネルの製造方法。
  11. 珪酸質原料および石灰質原料を主原料とする固形成分に水を加えて混練してなる原料スラリーを、補強筋を配設した型枠内に打設する打設工程と、
    前記型枠内に打設された原料スラリーを養生させて半硬化体を作製する半硬化体作製工程と、
    前記半硬化体作製工程を経て得られた半硬化体を、型枠から脱型して切断することにより複数のパネル状の半硬化体を得る切断工程と、
    前記複数のパネル状の半硬化体をオートクレーブ養生させる養生工程と、を経て得られる軽量気泡コンクリートパネルの製造方法であって、
    前記養生工程を、前記パネル状の半硬化体の表面から深さ1.0mm以内の表層部に、グリセリン、ジグリセリン、および重合度が3以上のポリグリセリンから選ばれる一種以上のグリセリン類を含む状態で実行することを特徴とする軽量気泡コンクリートパネルの製造方法。
  12. 請求項1ないし請求項11のいずれか一項に記載の軽量気泡コンクリートパネルの製造方法により製造され、
    少なくとも1つの面において、その表面から深さ1.0mm以内の表層部にグリセリン、ジグリセリン、および重合度が3以上のポリグリセリンから選ばれる一種以上のグリセリン類を含むことを特徴とする軽量気泡コンクリートパネル。
  13. 前記表層部における前記グリセリン類の含有量は、前記表層部1m当たり0.1g以上であることを特徴とする請求項12に記載の軽量気泡コンクリートパネル。
  14. 請求項1ないし請求項11のいずれか一項に記載の軽量気泡コンクリートパネルの製造方法の途中で得られ、少なくとも1つの面において、その表面から深さ1.0mm以内の表層部にグリセリン、ジグリセリン、および重合度が3以上のポリグリセリンから選ばれる一種以上のグリセリン類を含むことを特徴とする半硬化体。
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