JP2012050673A - 心腔内除細動カテーテル - Google Patents

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Abstract

【課題】心腔内への挿入時において、右心房の内壁にある冠状静脈洞口に先端部分を容易に導くことができ、挿入後において、右心房の前側内壁に電極群を当接または近接させることができる除細動カテーテルを提供すること。
【解決手段】カテーテルチューブ10と、ハンドル20と、第1DC電極群31Gと、第2DC電極群32Gとを備えてなり、第1DC電極群31Gと第2DC電極群32Gとに互いに異なる極性の電圧を印加することで心腔内において除細動を行うカテーテルであって、カテーテルチューブ10の先端領域には、第1DC電極群31Gが装着された先端部分が湾曲してなる第1曲線部101と、第2DC電極群32Gより基端側において、第1曲線部を含む平面と直交する平面上にあるS字形の第2曲線部103とが形成され、ハンドル20の操作によって第1曲線部101の湾曲形状が変化する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、心腔内に挿入されて、心房細動を除去する心腔内除細動カテーテルに関する。
心房細動を除去する除細動器として体外式除細動器(AED)が知られている(例えば、特許文献1参照)。
AEDによる除細動治療では、患者の体表に電極パッドを装着して直流電圧を印加することにより、患者の体内に電気エネルギーを与える。ここに、電極パッドから患者の体内に流れる電気エネルギーは、通常150〜200Jとされ、そのうちの一部(通常、数%〜20%程度)が心臓に流れて除細動治療に供される。
しかして、心房細動は、心臓カテーテル術中において起こりやすく、この場合にも電気的除細動を行う必要がある。
しかしながら、電気エネルギーを体外から供給するAEDによっては、細動を起こしている心臓に対して効果的な電気エネルギー(例えば10〜30J)を供給することは困難である。
すなわち、体外から供給される電気エネルギーのうち、心臓に流れる割合が少ない場合(例えば数%程度)には、十分な除細動治療を行うことができない。
一方、体外から供給される電気エネルギーが高い割合で心臓に流れた場合には、心臓の組織が損傷を受ける虞も考えられる。
また、AEDによる除細動治療では、電極パッドを装着した体表に火傷が生じやすい。そして、上記のように、心臓に流れる電気エネルギーの割合が少ない場合には、電気エネルギーの供給を繰り返して行うことによって火傷の程度が重くなり、カテーテル術を受けている患者にとって大きな負担となる。
このような問題に対して、本出願人は、心腔内に挿入されて除細動を行うためのカテーテルであって、マルチルーメン構造を有する絶縁性のチューブ部材と、前記チューブ部材の基端に接続されたハンドルと、前記チューブ部材の先端領域に装着された複数のリング状電極からなる第1DC電極群と、前記第1DC電極群から基端側に離間して前記チューブ部材に装着された複数のリング状電極からなる第2DC電極群と、前記第1DC電極群を構成する電極の各々に接続されたリード線からなる第1リード線群と、前記第2DC電極群を構成する電極の各々に接続されたリード線からなる第2リード線群とを備えてなり;前記第1リード線群と、前記第2リード線群とが、前記チューブ部材の異なるルーメンに延在しており、除細動を行うときには、前記第1DC電極群と、前記第2DC電極群とに、互いに異なる極性の電圧が印加される心腔内除細動カテーテルを提案している(特許文献2参照)。この心腔内除細動カテーテルを構成するチューブ部材は、ハンドルの操作によって先端部分を湾曲させることはできるものの、その形状は直線であってカーブなどは形成されていない。
このような構成の心腔内除細動カテーテルによれば、心臓カテーテル術中に心房細動等を起こした心臓に対して、除細動に必要かつ十分な電気エネルギーを確実に供給することができ、また、患者の体表に火傷を生じさせることもなく侵襲性も少ない。また、心腔内除細動に必要な電圧を印加したときに、第1リード線群と第2リード線群との間で短絡が発生することを確実に防止することができる。
特開2001−112874号公報 特開2010− 63708号公報
特許文献2に記載されている心腔内除細動カテーテルによる除細動治療は以下のようにして行われる。
図7に示すように、心腔内除細動カテーテル150を、上大静脈81から右心房82内に挿入し、更に、右心房82の後下壁にある冠状静脈洞83の開口(冠状静脈洞口84)に挿入することにより、第1DC電極群131Gが冠状静脈洞83内に位置し、第2DC電極群132Gが右心房82内に位置するように配置した後、第1DC電極群131Gと第2DC電極群132Gとに、互いに異なる極性の電圧を印加する。これにより、細動を起こしている心臓に対して直接的に電気エネルギーが与えることができる。
しかしながら、特許文献2に記載の心腔内除細動カテーテルには次のような問題がある。
(1)第1DC電極群を位置させるべき冠状静脈洞は比較的細い血管であり、右心房の内壁における冠状静脈洞口の開口径も小さい。このため、右心房内に挿入されて直線状となっている除細動カテーテルの先端部分を、冠状静脈洞口に導く操作(冠状静脈洞口の位置を探し当てる操作)はきわめて困難である。
また、直線状のチューブからなる除細動カテーテルを心腔内に挿入するときに、先端に押込力が集中して血管内壁などを傷付けることがある。
(2)第1DC電極群および第2DC電極群を構成する電極は心電位を測定するためにも利用される。心電位の測定にあっては、右心房内に位置させる電極(第2DC電極群の構成電極)を、右心房の内壁、特に、電気の流れの大きな右心房の前側内壁に当接させる(押し当てる)ことが望ましい。
また、除細動を効率的に実施するためには、第1DC電極群と第2DC電極群とにより、心臓を挟み込むように除細動カテーテルを配置することが好ましく、第1DC電極群を位置させる冠状静脈洞は心臓の左側の後面にあることから、第2DC電極群を右心房の前側内壁に当接させることが望ましい。
しかしながら、上大静脈から右心房に至るときに内部空間が増大(この空間を区画する管径が拡大)するため、図7に示したように、上大静脈81から、右心房82の後下壁にある冠状静脈洞口84に挿入される除細動カテーテル150は、右心房82の内腔(内部空間)を通ることになり、除細動カテーテル150(第2DC電極群132G)を右心房82の内壁に当接させることは困難である。
特に、右心房82の前側内壁は、上大静脈81と下大静脈85とを結ぶ仮想線から前方にオフセット(変位)しているため、右心房の前側内壁に除細動カテーテル150(第2DC電極群)を当接させることは不可能であり、また、除細動カテーテル150(第2DC電極群132G)を右心房の内壁に当接させるために無理に押し込もうとすると、除細動カテーテル150がキンクしてしまう。
(3)第1DC電極群を位置させるべき冠状静脈洞は細くて湾曲した血管であり、また、年齢や性別などによって位置や形状が異なるため、第1DC電極群が装着された除細動カテーテル150の先端部分を、冠状静脈洞内に押し進める操作は困難である。
本発明は以上のような事情に基いてなされたものである。
本発明の第1の目的は、操作性が良好で、心腔内への挿入時において、目的部位に先端部分を容易に導くことができ、血管内壁などを傷つけることがなく、血管を経由して相対的に広い内腔(内部空間)に挿入する場合であっても、この内腔を区画する内壁に電極群(第2DC電極群)を当接または近接させることができ、細くて湾曲した血管内においても、電極群(第1DC電極群)が装着された先端部分を容易に押し進めることができる除細動カテーテルを提供することにある。
本発明の第2の目的は、操作性が良好で、心腔内への挿入時において、右心房の内壁における冠状静脈洞口に先端部分を容易に導くことができ、血管内壁などを傷つけることがなく、上大静脈から右心房の後下壁にある冠状静脈洞口に挿入する場合において、右心房の前側内壁に電極群(第2DC電極群)を当接または近接させることができ、電極群(第1DC電極群)が装着されたカテーテルの先端部分を冠状静脈洞内において容易に押し進めることができる除細動カテーテルを提供することにある。
(1)本発明の心腔内除細動カテーテルは、絶縁性のチューブ部材と、前記チューブ部材の基端に接続されたハンドルと、前記チューブ部材の先端領域に装着された複数のリング状電極からなる第1電極群(第1DC電極群)と、前記第1DC電極群から基端側に離間して前記チューブ部材の先端領域に装着された複数のリング状電極からなる第2電極群(第2DC電極群)とを備えてなり、前記第1DC電極群と前記第2DC電極群とに互いに異なる極性の電圧を印加することにより心腔内において除細動を行うカテーテルであって、
前記チューブ部材の先端領域には、前記第1DC電極群が装着された先端部分が湾曲してなる第1曲線部と、
前記第2DC電極群よりも基端側において、前記第1曲線部を含む平面とは異なる平面上にあるS字形(シグモイド曲線状)の第2曲線部とが形成され、
前記ハンドルの操作によって、前記第1曲線部の湾曲形状(湾曲の程度)が変化することを特徴とする。
(2)前記チューブ部材は、前記第1DC電極群が装着される前記第1曲線部と、前記第2DC電極群が装着される第1直線部と、S字形(シグモイド曲線状)の前記第2曲線部と、基端に至る第2直線部とが連結してなることが好ましい。
チューブ部材の先端領域に第1曲線部(湾曲している先端部分)が形成されているので、カテーテルの挿入時においてハンドルを軸まわりに回転させることにより、カテーテルの先端を目的部位(例えば冠状静脈洞口)に指向させることができる。
また、第1曲線部によって先端部分が湾曲していることにより、挿入時の操作性が向上するとともに、血管内壁などを傷つけることを防止することができる。
更に、第2曲線部の形状に応じて第1曲線部の湾曲方向を定めておけば、その湾曲方向(カテーテルの先端が指向する目的方向)に沿ってカテーテルを前進させることにより、挿入後において、第1曲線部(第1DC電極群)をその目的部位に位置させるとともに、第1直線部(第2DC電極群)をその目的部位における内壁(例えば、右心房の前側内壁)に当接または近接させることができる。
また、ハンドルの操作によって、第1DC電極群が装着された第1曲線部の湾曲形状を変化させる(更に曲げて湾曲の程度を変化させる)ことにより、カテーテルの先端部分を目的部位(例えば、冠状静脈洞口)に容易に導くことができる。
また、細くて湾曲している血管内において第1曲線部を前進させる場合に、湾曲している血管形状に沿うように第1曲線部の湾曲の程度を変化させることにより、そのような血管内においても第1曲線部を容易に押し進めることができる。
第2DC電極群よりも基端側において、第1曲線部を含む平面とは異なる平面上にあるS字形(シグモイド曲線状)の第2曲線部が形成されていることにより、血管を経由して広い内腔(内部空間)に挿入する場合であっても、第2曲線部の先端側にある第1直線部(第2DC電極群)を、この内腔を区画する内壁(例えば、右心房の前側内壁)に当接または近接させることができる。
(3)本発明の心腔内除細動カテーテルにおいて、前記第1DC電極群が冠状静脈洞内に位置し、前記第2DC電極が右心房内に位置するよう心腔内に配置されることことが好ましい。
これにより、第1曲線部に装着された第1DC電極群と、第1直線部に装着された第2DC電極群とにより、心臓を挟み込むように除細動カテーテルが配置される。
そして、チューブ部材の先端領域に第1曲線部が形成されているので、カテーテルの挿入時において、ハンドルを軸まわりに回転させることにより、上大静脈から右心房内に挿入したカテーテルの先端を冠状静脈洞口に指向させることができる。
また、第2曲線部の形状に応じて第1曲線部の湾曲方向を定めておけば、その湾曲方向(カテーテルの先端が指向する方向)に沿ってカテーテルを前進させて、第1曲線部を冠状静脈洞に挿入することにより、挿入後において、第1曲線部(第1DC電極群)を冠状静脈洞内に位置させるとともに、第1直線部(第2DC電極群)を右心房の前側内壁に当接または近接させることができる。
また、ハンドルの操作によって、第1曲線部の湾曲形状を変化させる(更に曲げて湾曲の程度を変化させる)ことにより、上大静脈から右心房内に挿入したカテーテルの先端部分を冠状静脈洞口に容易に導くこと(冠状静脈洞口の位置を探し当てること)ができる。 また、ハンドルの操作によって、冠状静脈洞の形状に沿うように第1曲線部の湾曲の程度を変化させることにより、年齢や性別などによって位置や形状が異なる冠状静脈洞内において第1曲線部を容易に押し進めることができる。
第2DC電極群よりも基端側において、第1曲線部を含む平面とは異なる平面上にあるS字形(シグモイド曲線状)の第2曲線部とが形成されていることにより、上大静脈から右心房の後下壁にある冠状静脈洞口に挿入させる場合において、第2曲線部の先端側にある第1直線部(第2DC電極群)を右心房の前側内壁に当接または近接させることができる。
(4)この心腔内除細動カテーテルにおいて、前記第1曲線部を含む平面と、前記第2曲線部を含む平面とが互いに直交していることが好ましい。
冠状静脈洞は、心臓の左側の後面において左心房と左心室との境界に沿って水平方向に延びているので、第1曲線部(第1DC電極群)を冠状静脈洞に挿入したときに、第1曲線部の基端側にある第1直線部(第2DC電極群)および第2曲線部を、右心房の内壁に沿って垂直方向に位置させることができ、これによって、右心房の前側内壁に当接または近接させることが可能となる。
(5)この心腔内除細動カテーテルにおいて、前記第1直線部が前記第2直線部より手前側にある位置から見たときに、前記第1曲線部が左側に湾曲していることが好ましい。
このような形状であれば、第1曲線部(第1DC電極群)を冠状静脈洞に挿入したときに、第2DC電極群が装着されている第1直線部を、上大静脈から延び出る第2直線部に対して前方にオフセットさせることができるので、カテーテルの挿入後において、第1曲線部(第1DC電極群)を冠状静脈洞内に位置させるとともに、第1直線部(第2DC電極群)を右心房の前側内壁に当接または近接させることができる。
(6)本発明の心腔内除細動カテーテルにおいて、心臓カテーテル術中に起こる心房細動を除去するために心腔内に配置されることが好ましい。
本発明の心腔内除細動カテーテルは、先端部分が湾曲してなる第1湾曲部を有していることにより、操作性が良好で、心腔内への挿入時において、目的部位(例えば冠状静脈洞口)にカテーテルの先端部分を容易に導くことができ、血管内壁などを傷つけることがない。
また、第1直線部(第2DC電極群)の基端側にS字形(シグモイド曲線状)の第2曲線部を有していることにより、この除細動カテーテルを、血管を経由して相対的に広い内腔(内部空間)に挿入する場合であっても、この内腔を区画する内壁(例えば、右心房の前側内壁)に第1直線部(第2DC電極群)を当接または近接させることができる。
さらに、ハンドル操作によって、第1湾曲部の湾曲形状が変化することにより、細くて湾曲した血管(例えば冠状静脈洞)内においても、第1DC電極群が装着された先端部分を容易に押し進めることができる。
第1DC電極群が冠状静脈洞内に位置し、第2DC電極群が右心房内に位置するように心腔内に配置される本発明の心腔内除細動カテーテルは、第1湾曲部を有していることにより、操作性が良好で、心腔内への挿入時において、右心房の後下壁に開口する冠状静脈洞口にカテーテルの先端部分を容易に導くことができ、血管内壁などを傷つけることがない。
また、S字形(シグモイド曲線状)の第2曲線部を有していることにより、この除細動カテーテルを、上大静脈から右心房の後下壁にある冠状静脈洞口に挿入する場合に、右心房の前側内壁に第1直線部(第2DC電極群)を当接または近接させることができる。
さらに、ハンドル操作によって第1湾曲部の湾曲形状が変化することにより、第1DC電極群が装着された先端部分を冠状静脈洞内において容易に押し進めることができる。
本発明の除細動カテーテルの一実施形態を示す説明図であり、(1)は、正面図、(2)は、平面図〔(1)のA−A矢視図〕である。 図1に示す除細動カテーテルの先端領域を示す説明図であり、(1)は正面図、(2)は平面図〔(1)のB−B矢視図〕である。 図1(1)のC−C断面を示す横断面図である。 図1に示した除細動カテーテルにおいて、ハンドル操作によって第1曲線部の湾曲形状を変化させた状態を示す平面図である。 図1に示した除細動カテーテルを心腔内に挿入した状態を示す説明図である。 図1に示した除細動カテーテルによって所定の電気エネルギーを付与した際に測定される電位波形図である。 従来の除細動カテーテルを心腔内に挿入した状態を示す説明図である。
以下、本発明の一実施形態について説明する。
本実施形態の除細動カテーテル100は、マルチルーメンチューブ10と、その基端に接続されたハンドル20と、マルチルーメンチューブ10の先端領域に装着された8個のリング状電極31からなる第1DC電極群31Gと、第1DC電極群31Gから基端側に離間してマルチルーメンチューブ10の先端領域に装着された8個のリング状電極32からなる第2DC電極群32Gと、第1DC電極群31Gと第2DC電極群32Gの間に装着された電位測定用の4個のリング状電極33と、マルチルーメンチューブ10の先端に装着された先端チップ35とを備えてなり、第1DC電極群31Gと第2DC電極群32Gとに互いに異なる極性の電圧を印加することにより心腔内において除細動を行うカテーテルであって;マルチルーメンチューブ10は、第1DC電極群31Gが装着される先端部分が湾曲してなる第1曲線部101と、第2DC電極群32Gが装着される第1直線部102と、第1曲線部101を含む平面と直交する平面上にあるS字形(シグモイド曲線状)の第2曲線部103と、基端に至る第2直線部104とが連結してなり;第1直線部102が第2直線部104より手前側にある位置から見たときに、第1曲線部101が左側に湾曲しており、ハンドル20の操作によって、第1曲線部101の湾曲形状(湾曲の程度)が変化するカテーテルであり、この除細動カテーテル100は、第1DC電極群31Gが冠状静脈洞内に位置し、第2DC電極群32Gが右心房内に位置するように心腔内に配置される。
本実施形態の除細動カテーテル100を構成するマルチルーメンチューブ10(マルチルーメン構造を有する絶縁性のチューブ部材)は、第1曲線部101と、第1直線部102と、第2曲線部103と、第2直線部104とが連結されて立体形状を構成している。なお、図1では、マルチルーメンチューブ10(第2直線部104)の長さ方向の一部を省略して短く図示している。第1曲線部101、第1直線部102および第2曲線部103は、マルチルーメンチューブ10の先端領域に属している。
マルチルーメンチューブ10の第1曲線部101は、第1DC電極群31Gが装着される先端部分が湾曲してなる。
なお、第1曲線部101には、第1DC電極群31Gとともに2個の電位測定用電極が装着されている。
第1曲線部101の湾曲方向(除細動カテーテル100の先端が指向する方向)としては、第1直線部102が第2直線部104より手前側にある位置から見たとき、すなわち、図1(2)および図2(2)に示したような平面視において「左側」(左カーブ)である。
第1曲線部101は、マルチルーメンチューブ10の先端部分が円弧などの湾曲線状に形成されてなる。
第1曲線部101が円弧状である場合に、その曲率半径(R)は、例えば15〜40mmとされ、中心角(θ)は、例えば70〜120°とされる。
第1曲線部101は、曲率の異なる複数の円弧が連結されることにより形成されていてもよく、この場合には、隣り合う円弧を連結する緩和曲線や短い直線を含んでいてもよい。第1曲線部101の長さは、通常70〜90mmとされ、好適な一例を示せば75mmである。
第1曲線部101の湾曲形状(湾曲の程度)は、ハンドル20を操作することによって変化させる(更に曲げる)ことができる。
第1曲線部101の基端側にある第1直線部102には、第2DC電極群32Gおよび2個の電位測定用電極33が装着されている。第1直線部102の長さは、通常60〜90mmとされ、好適な一例を示せば80mmである。
第1直線部102の基端側にある第2曲線部103は、第1曲線部101を含む平面と直交する平面上にあるS字形(シグモイド曲線状)の部分である。
第2曲線部103は、互いに反対方向に湾曲する2つの湾曲部(アングル)によりS字形(シグモイド曲線状)に形成されている。なお、2つの湾曲部の間に短い直線部分が含まれていてもよい。
第2曲線部103により、その先端側にある第1直線部102と、第2曲線部103の基端側にある第2直線部104との間に段差(G)が形成される。
第2曲線部103の長さは、通常30〜60mmとされ、好適な一例を示せば50mmである。第2曲線部103によって形成される段差(G)の大きさは、通常15〜25mmとされ、好適な一例を示せば20mmである。
なお、第2曲線部103の形状は、ハンドル20を操作することによっても実質的に変化しない。
第2曲線部103の基端側にある第2直線部104は、マルチルーメンチューブ10の基端に至る直線部分である。第2直線部104の長さは、通常400〜600mmとされ、好適な一例を示せば500mmである。
なお、図1および図2に示したマルチルーメンチューブ10の形状は、外部から何も力も受けていないときの形状であり、例えば、マルチルーメンチューブ10を直線状の管腔内に通したときには、通常、第1曲線部101および第2曲線部103は直線状に変形し、マルチルーメンチューブ10を湾曲する管腔内に通したときには、通常、第1直線部102および第2直線部104は、当該管腔の形状に従って湾曲する。
図3に示すように、マルチルーメンチューブ10には、4つのルーメン(第1ルーメン11、第2ルーメン12、第3ルーメン13、第4ルーメン14)が形成されている。
図3において、15は、ルーメンを区画するフッ素樹脂層、16は、低硬度のナイロンエラストマーからなるインナー(コア)部、17は、高硬度のナイロンエラストマーからなるアウター(シェル)部であり、18は、編組ブレードを形成するステンレス素線である。
ルーメンを区画するフッ素樹脂層15は、例えばパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの絶縁性の高い材料により構成されている。
マルチルーメンチューブ10のアウター部17を構成するナイロンエラストマーは、軸方向によって異なる硬度のものが用いられている。これにより、マルチルーメンチューブ10は、先端側から基端側に向けて段階的に硬度が高くなるよう構成されている。
ステンレス素線18により構成される編組ブレードは、先端領域を除く部分において、インナー部16とアウター部17との間に設けられている。マルチルーメンチューブ10の外径は、例えば1.2〜3.3mmとされる。
図1に示すように、本実施形態の除細動カテーテル100を構成するハンドル20は、ハンドル本体21と、摘まみ22と、ストレインリリーフ24とを備えている。
摘まみ22を回転操作することにより、マルチルーメンチューブ10の第1曲線部101の湾曲形状(湾曲の程度)を変化させることができる。
マルチルーメンチューブ10の外周(第1曲線部101および第1直線部102)には、第1DC電極群31Gおよび第2DC電極群32Gが装着されている。
本発明において、「電極群」とは、同一の極を構成し(同一の極性を有し)、または、同一の目的を持って、狭い間隔(例えば5mm以下)で装着された複数の電極の集合体をいう。
第1DC電極群は、マルチルーメンチューブの第1曲線部101において、同一の極(−極または+極)を構成する複数の電極が狭い間隔で装着されてなる。ここに、第1DC電極群を構成する電極の個数は、電極の幅や配置間隔によっても異なるが、例えば4〜13個とされ、好ましくは8〜10個とされる。
本実施形態において、第1DC電極群31Gは、マルチルーメンチューブ10の第1曲線部101に装着された8個のリング状電極31から構成されている。
第1DC電極群31Gを構成する電極31は、リード線(図3に示す第1リード線群41Gを構成するリード線41)およびハンドル20の基端部に内蔵されたコネクタを介して、直流電源装置における同一の極の端子に接続されている。
ここに、電極31の幅(軸方向の長さW1)は、2〜5mmであることが好ましく、好適な一例を示せば4mmである。
電極31の幅が狭過ぎると、電圧印加時の発熱量が過大となって、周辺組織に損傷を与える虞がある。一方、電極31の幅が広過ぎると、マルチルーメンチューブ10における第1DC電極群31Gが装着された部分の可撓性・柔軟性が損なわれることがある。
電極31の装着間隔(隣り合う電極の離間距離)は、1〜5mmであることが好ましく、好適な一例を示せば2mmである。
心腔内除細動カテーテル100の使用時(心腔内に配置されるとき)において、第1DC電極群31Gは冠状静脈洞内に位置する。
第2DC電極群は、マルチルーメンチューブの第1DC電極群の装着位置から基端側に離間して、第1DC電極群とは逆の極(+極または−極)を構成する複数の電極が狭い間隔で装着されてなる。ここに、第2DC電極群を構成する電極の個数は、電極の幅や配置間隔によっても異なるが、例えば4〜13個とされ、好ましくは8〜10個とされる。
本実施形態において、第2DC電極群32Gは、第1DC電極群31Gの装着位置から基端側に離間してマルチルーメンチューブ10の第1直線部102に装着された8個のリング状電極32から構成されている。
第2DC電極群32Gを構成する電極32は、リード線(図3に示す第2リード線群42Gを構成するリード線42)およびハンドル20の基端部に内蔵されたコネクタを介して、直流電源装置における同一の極の端子(第1DC電極群31Gが接続されているものとは逆の極の端子)に接続される。
これにより、第1DC電極群31G(電極31)と、第2DC電極群32G(電極32)とに、互いに異なる極性の電圧が印加され、第1DC電極群31Gと、第2DC電極群32Gとは、互いに極性の異なる電極群(一方の電極群が−極のときに、他方の電極群は+極)となる。
ここに、電極32の幅(軸方向の長さW2)は、2〜5mmであることが好ましく、好適な一例を示せば4mmである。
電極32の幅が狭過ぎると、電圧印加時の発熱量が過大となって、周辺組織に損傷を与える虞がある。一方、電極32の幅が広過ぎると、マルチルーメンチューブ10における第2DC電極群32Gが装着された部分の可撓性・柔軟性が損なわれることがある。
電極32の装着間隔(隣り合う電極の離間距離)は、1〜5mmであることが好ましく、好適な一例を示せば2mmである。
心腔内除細動カテーテル100の使用時(心腔内に配置されるとき)において、第2DC電極群32Gは右心房内に位置する。
なお、第1DC電極群31Gおよび第2DC電極群を構成する電極は、電位を測定するために使用することもできる。
マルチルーメンチューブ10の外周(第1DC電極群31Gと第2DC電極群32Gの間)には、電位測定に用いる4個のリング状電極33が装着されている。
図1および図2に示したように、電位測定用の電極33は、マルチルーメンチューブ10の第1曲線部101および第1直線部102において各々2個ずつ装着されている。
電極33は、リード線(図3に示すリード線43)およびハンドル20の基端部に内蔵されたコネクタを介して心電図計に接続される。
ここに、電極33の幅(軸方向の長さW3)は0.5〜2.0mmであることが好ましく、好適な一例を示せば1.2mmである。
電極33の幅が広過ぎると、心電位の測定精度が低下したり、異常電位の発生部位の特定が困難となったりする。
心腔内除細動カテーテル100の先端には、先端チップ35が装着されている。
この先端チップ35には、リード線は接続されておらず、本実施形態では電極として使用していない。但し、リード線を接続させることにより、電極として使用することも可能である。先端チップ35の構成材料は、白金、ステンレスなどの金属材料、各種の樹脂材料など、特に限定されるものではない。
第1DC電極群31G(基端側の電極31)と、第2DC電極群32G(先端側の電極32)との離間距離は40〜100mmであることが好ましく、更に好ましくは50〜90mmである。
第1DC電極群31Gを構成する電極31、第2DC電極群32Gを構成する電極32、電位測定用の電極33としては、X線に対する造影性を良好なものとするために、白金または白金系の合金からなることが好ましい。
図3に示される第1リード線群41Gは、第1DC電極群31Gを構成する8個の電極31の各々に接続された8本のリード線41の集合体である。
第1リード線群41G(リード線41)により、第1DC電極群31Gを構成する8個の電極31の各々を直流電源装置に電気的に接続することができる。
第1DC電極群31Gを構成する8個の電極31は、それぞれ、異なるリード線41に接続される。リード線41の各々は、その先端部分において電極31の内周面に溶接されるとともに、マルチルーメンチューブ10の管壁に形成された側孔から第1ルーメン11に進入する。第1ルーメン11に進入した8本のリード線41は、第1リード線群41Gとして、第1ルーメン11に延在する。
図3に示される第2リード線群42Gは、第2DC電極群32Gを構成する8個の電極32の各々に接続された8本のリード線42の集合体である。
第2リード線群42G(リード線42)により、第2DC電極群32Gを構成する8個の電極32の各々を直流電源装置に電気的に接続することができる。
第2DC電極群32Gを構成する8個の電極32は、それぞれ、異なるリード線42に接続される。リード線42の各々は、その先端部分において電極32の内周面に溶接されるとともに、マルチルーメンチューブ10の管壁に形成された側孔から第2ルーメン12(第1リード線群41Gが延在する第1ルーメン11とは異なるルーメン)に進入する。第2ルーメン12に進入した8本のリード線42は、第2リード線群42Gとして、第2ルーメン12に延在する。
上記のように、第1リード線群41Gが第1ルーメン11に延在し、第2リード線群42Gが第2ルーメン12に延在していることにより、両者は、マルチルーメンチューブ10内において完全に絶縁隔離されている。このため、除細動に必要な電圧が印加されたときに、第1リード線群41G(第1DC電極群31G)と、第2リード線群42G(第2DC電極群32G)との間の短絡を確実に防止することができる。
図3に示される4本のリード線43は、電位測定用の電極33の各々に接続されている。リード線43により、電極33の各々を、心電図計に接続することができる。
電位測定に用いる4個の電極33は、それぞれ、異なるリード線43に接続されている。リード線43の各々は、その先端部分において電極33の内周面に溶接されるとともに、マルチルーメンチューブ10の管壁に形成された側孔から第3ルーメン13に進入し、第3ルーメン13に延在する。
上記のように、第3ルーメン13に延在しているリード線43は、第1リード線群41Gおよび第2リード線群42Gの何れからも完全に絶縁隔離されている。このため、除細動に必要な電圧が印加されたときに、リード線43(電位測定用の電極33)と、第1リード線群41G(第1DC電極群31G)または第2リード線群42G(第2DC電極群32G)との間の短絡を確実に防止することができる。
リード線41、リード線42およびリード線43は、何れも、ポリイミドなどの樹脂によって金属導線の外周面が被覆された樹脂被覆線からなる。ここに、被覆樹脂の膜厚としては2〜30μm程度とされる。
図3において51はプルワイヤである。
プルワイヤ51は、第4ルーメン14に延在し、マルチルーメンチューブ10の中心軸に対して偏心して延びている。
プルワイヤ51の先端部分は、ハンダによって先端チップ35に固定されている。
一方、プルワイヤ51の基端部分は、ハンドル20の摘まみ22に接続されており、摘まみ22を操作することによってプルワイヤ51が引っ張られる。これにより、マルチルーメンチューブ10の第1曲線部101の湾曲形状(湾曲の程度)を変化させることができる。具体的には、図1(2)に示した状態から、ハンドル20の摘まみ22を反時計方向に回転すると、左側(同図において下側)に湾曲している第1曲線部101は、図4に示すように、更に左側に湾曲する(第1曲線部101の曲率が増大する)。
プルワイヤ51は、ステンレスやNi−Ti系超弾性合金製で構成してあるが、必ずしも金属で構成する必要はない。プルワイヤ51は、たとえば高強度の非導電性ワイヤなどで構成してもよい。
なお、マルチルーメンチューブの先端部を偏向させる機構は、これに限定されるものではなく、例えば、板バネを備えてなるものであってもよい。
マルチルーメンチューブ10の第4ルーメン14には、プルワイヤ51のみが延在しており、リード線(群)は延在していない。これにより、マルチルーメンチューブ10の先端部の偏向操作時において、軸方向に移動するプルワイヤ51によってリード線が損傷(例えば、擦過傷)を受けることを防止することができる。
本実施形態の除細動カテーテル100では、ハンドル20の内部においても、第1リード線群41G(リード線41)と、第2リード線群42G(リード線42)と、リード線43とが絶縁隔離されていることが好ましい。
本実施形態の除細動カテーテル100は、第1DC電極群31Gと第2DC電極群32Gとの間に直流電圧を印加することにより、細動を起こしている心臓に直接的に電気エネルギーを与えて除細動治療を行うためのカテーテルである。
本実施形態の除細動カテーテル100は、第1DC電極群31Gが冠状静脈洞内に位置し、第2DC電極群32Gが右心房内に位置するようにして心腔内に配置される。これにより、第1DC電極群31Gと第2DC電極群32Gとによって心臓が挟み込まれるような状態となる。
このような状態に配置するためには、先ず、本実施形態の除細動カテーテル100を、上大静脈から右心房内に挿入し、更に、右心房の後下壁における冠状静脈洞口に挿入し、冠状静脈洞内を前進させる。
本実施形態の除細動カテーテル100を構成するマルチルーメンチューブ10は、先端部分が湾曲してなる第1湾曲部101を有しているので、心腔内への挿入時において、ハンドル20を軸まわりに回転させることにより、上大静脈から右心房内に挿入した除細動カテーテル100の先端を冠状静脈洞口に指向させることができる。
また、ハンドル20の操作によって、第1曲線部101の湾曲形状を変化させる(更に曲げる)ことにより、上大静脈から右心房内に挿入させた除細動カテーテル100の先端部分を冠状静脈洞口に容易に導くこと(右心房内において冠状静脈洞口の位置を探し当てること)ができる。
また、ハンドル20の操作によって、冠状静脈洞の形状に沿うように第1曲線部101の湾曲の程度を変化させることにより、年齢や性別などによって位置や形状が異なる冠状静脈洞内において、第1曲線部101を容易に押し進めることができる。
また、マルチルーメンチューブ10は、第1曲線部101を含む平面と直交する平面上にあるS字形(シグモイド曲線状)の第2曲線部103を有し、マルチルーメンチューブ10を第1直線部102が第2直線部104よりも手前側にある位置から見たときに(図1(2)に示したような平面視において)、第1曲線部101が左側に湾曲しているので、図5に示すように、マルチルーメンチューブ10の第1曲線部101(第1DC電極群31G)を、心臓の左方向に延びる冠状静脈洞83内に位置させたときには、第2直線部104が上大静脈81内に位置し、第2曲線部103が、上大静脈81から右心房82の前側に至る内壁に位置し、これにより、第1直線部102(第2DC電極群32G)を右心房82の前側内壁に当接または近接させることができる。この結果、第2DC電極群32Gの構成電極32を用いて、電気の流れの大きな右心房82の前側内壁において電位を測定することが可能になる。
本実施形態の除細動カテーテル100は、心房細動が生じやすい心臓カテーテル術を行う際に好適に使用される。特に好ましくは、心腔内除細動カテーテル100を患者の心腔内に予め挿入してから、心臓カテーテル術を行う。
心臓カテーテル術中において、第1DC電極群31Gおよび/または第2DC電極群32Gの構成電極、あるいは電位測定用の電極33により測定される心電図を監視(モニタリング)し、心房細動が発生した場合には、心臓カテーテル術を中断して、除細動カテーテル100による除細動治療を行う。具体的には、第1リード線群41Gおよび第2リード線群42Gを介して、第1DC電極群31Gと、第2DC電極群32Gとの間で直流電圧を印加して、細動を起こしている心臓に直接的に電気エネルギーを与える。
ここに、心腔内除細動カテーテル100により心臓に供給される電気エネルギーとしては10〜30Jであることが好ましい。
電気エネルギーが過少である場合には、十分な除細動治療を行うことができない。一方、電気エネルギーが過剰である場合には、第1DC電極群31Gおよび第2DC電極群32Gが位置する周辺の組織が損傷を受ける虞がある。
図6は、本実施形態の心腔内除細動カテーテル100によって所定の電気エネルギー(例えば、設定出力=10J)を付与した際に測定される電位波形を示す図である。同図において、横軸は時間、縦軸は電位を表す。
先ず、第1DC電極群31Gが−極、第2DC電極群32Gが+極となるよう、両者の間で直流電圧が印加されることにより、電気エネルギーが供給されて測定電位が立ち上がる(V1 は、このときのピーク電圧である。)。一定時間(t1 )経過後、第1DC電極群31Gが+極、第2DC電極群32Gが−極となるよう、±を反転した直流電圧が両者の間で印加されることにより、電気エネルギーが供給されて測定電位が立ち上がる(V2 は、このときのピーク電圧である。)。
ここに、時間(t1 )は、例えば、1.5〜10.0秒とされ、測定されるピーク電圧(V1 )は、例えば300〜500Vとされる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の心腔内除細動カテーテルは、これらに限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
例えば、電位測定用の電極33の装着位置は、第1DC電極群21Gと第2DC電極群32Gの間でなく、第1DC電極群31Gよりも先端側や第2DC電極群32Gよりも基端側に装着することもできる。
100 心腔内除細動カテーテル
10 マルチルーメンチューブ
101 第1曲線部
102 第1直線部
103 第2曲線部
104 第2直線部
11 第1のルーメン
12 第2のルーメン
13 第3のルーメン
14 第4のルーメン
15 フッ素樹脂層
16 インナー(コア)部
17 アウター(シェル)部
18 ステンレス素線
20 ハンドル
21 ハンドル本体
22 摘まみ
24 ストレインリリーフ
31G 第1DC電極群
31 リング状電極
32G 第2DC電極群
32 リング状電極
33 リング状電極
35 先端チップ
41G 第1リード線群
41 リード線
42G 第2リード線群
42 リード線
43 リード線
51 プルワイヤ

Claims (6)

  1. 絶縁性のチューブ部材と、前記チューブ部材の基端に接続されたハンドルと、前記チューブ部材の先端領域に装着された複数のリング状電極からなる第1電極群と、前記第1電極群から基端側に離間して前記チューブ部材の先端領域に装着された複数のリング状電極からなる第2電極群とを備えてなり、前記第1電極群と前記第2電極群とに互いに異なる極性の電圧を印加することにより心腔内において除細動を行うカテーテルであって、
    前記チューブ部材の先端領域には、前記第1電極群が装着された先端部分が湾曲してなる第1曲線部と、
    前記第2電極群よりも基端側において、前記第1曲線部を含む平面とは異なる平面上にあるS字形の第2曲線部とが形成され、
    前記ハンドルの操作によって、前記第1曲線部の湾曲形状が変化することを特徴とする心腔内除細動カテーテル。
  2. 前記チューブ部材は、前記第1電極群が装着される前記第1曲線部と、前記第2電極群が装着される第1直線部と、前記第2曲線部と、基端に至る第2直線部とが連結してなることを特徴とする請求項1に記載の心腔内除細動カテーテル。
  3. 前記第1電極群が冠状静脈洞内に位置し、前記第2電極群が右心房内に位置するよう心腔内に配置されることを特徴とする請求項2に記載の心腔内除細動カテーテル。
  4. 前記第1曲線部を含む平面と、前記第2曲線部を含む平面とが互いに直交していることを特徴とする請求項3に記載の心腔内除細動カテーテル。
  5. 前記第1直線部が前記第2直線部より手前側にある位置から見たときに、前記第1曲線部が左側に湾曲していることを特徴とする請求項4に記載の心腔内除細動カテーテル。
  6. 心臓カテーテル術中に起こる心房細動を除去するために心腔内に配置されることを特徴とする請求項5に記載の心腔内除細動カテーテル。
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