上記特許文献1に記載の方法を用いると、液晶表示パネル内に継ぎ目部分32bを形成する必要がなくなるものの、図25(a)に示すように、TFT基板(TFTマザー基板)10とカラーフィルタ基板(CFマザー基板)20とを貼り合せた後、両方のマザー基板10および20を同じ分断ラインCLに沿って切断する場合にしか適用できない。図25(b)に示すように、TFT基板10に信号配線引き出し部(ドライバー実装部)を設けるために、TFTマザー基板10の分断ラインCL1とCFマザー基板20の分断ラインCL2とが異なる場合、TFTマザー基板10上にシール部32tが残り、除去されるべきCFマザー基板20の断片が固定され、除去できなくなるという不都合が生じてしまう。液晶表示パネルの大型化に伴う信号遅延等を抑制するために信号配線引出し部を3辺または4辺に設ける構成においては、図25(a)に示したようなシールパターンを採用することが出来なくなる。また、信号配線引出しが2辺の場合には、図25(a)のパターンを採用することが出来るが、マザー基板10および20と同時にシール部32を切断する必要があり、切断不良が生じやすい。
さらに、特許文献1の方法を採用するためには、液晶表示パネル外まで継ぎ目部分を形成することなくシールパターンを描画できる装置を用意する必要があり、シールパターン描画装置が大型化し、製造コストを上昇させる。
上記特許文献2に記載されている方法では、上記特許文献1に記載されている問題点に加え、本発明者の検討によると、図26(a)および(b)に模式的に示すように、角部においては、継ぎ目部分を形成しなくても、1.4倍を超える幅になることがあり、遮光層22と重なった部分のシール剤32c’を十分に硬化することが出来ないという問題が発生することがある。
また、シールの継ぎ目部分や角部だけでなく、上下の基板間で電気的な接続をとるための転移部(例えばコモン転移部)においても同様の問題が発生することがある。
本発明は上記諸点に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、液晶表示パネル内にシール継ぎ目部分や転移部など従来の製造方法ではシールパターンの幅が太くなる部分を形成しても信頼性が低下しない液晶表示パネルを効率良く製造する方法およびそのような製造方法によって製造される液晶表示パネルを提供することを主な目的とする。
本発明の液晶表示パネルの製造方法は、第1基板と、第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に設けられた液晶層とを有し、表示領域と前記表示領域の周辺の非表示領域とを備える液晶表示パネルの製造方法であって、(A)前記非表示領域内の前記表示領域側に設けられた第1遮光層を有する前記第1基板であって、前記第1遮光層が外側の境界の近傍に設けられた切欠き部または開口部を含む少なくとも1つの透光部を有する前記第1基板または前記第1基板を含む第1マザー基板と、前記第2基板または前記第2基板を含む第2マザー基板とを用意する工程と、(B)前記第1基板の前記第1遮光層の外側に、前記表示領域を包囲するように光硬化性樹脂を含むシール剤でシールパターンを描画
する工程であって、(B1)前記第1基板の前記透光部の近傍からシール剤の付与を開始する工程と、(B2)前記第1基板の前記第1遮光層の外周に沿って前記シール剤を付与する工程と、(B3)前記透光部の近傍に付与された前記シール剤と継ぎ目部分を形成する工程とを包含する工程と、(C)前記シール剤によって包囲された前記表示領域内に液晶材料を付与する工程と、(D)前記液晶材料を間に介して、前記第1基板と前記第2基板とを貼り合わせる工程と、(E)前記工程(D)の後で、前記第1基板側から光照射することによって前記シール剤を硬化する工程とを包含することを特徴とする。
ある実施形態において、前記第1基板は長方形であって、前記少なくとも1つの透光部は、少なくとも前記長方形の辺に設けられた透光部を含み、前記辺に設けられた透光部において前記継ぎ目部分を形成する。
ある実施形態において、前記少なくとも1つの透光部は、前記長方形の辺に設けられた2以上の透光部を含み、前記長方形の辺に設けられた前記2以上の透光部において前記継ぎ目部分を形成する。
ある実施形態において、前記少なくとも1つの透光部は、前記長方形の角に設けられた透光部をさらに含む。
ある実施形態において、前記第1マザー基板は、前記第1基板を複数枚含み、前記複数枚の内のある1枚の前記第1基板に対して、前記第1基板の前記2以上の透光部の1つの近傍から開始し、前記第1遮光層の外周に沿って前記シール剤を付与し、他の1つの透光部の近傍で前記シール剤の付与を終える第1描画工程と、前記複数枚の内の他の1枚の前記第1基板に対して、前記第1基板の前記2以上の透光部の1つの近傍から開始し、前記第1遮光層の外周に沿って前記シール剤を付与し、他の1つの透光部の近傍で前記シール剤の付与を終える第2描画工程と、前記第1描画工程の後に、前記ある1枚の前記第1基板に対して、前記第1基板の前記1つの透光部の近傍または前記他の1つの透光部の近傍に付与された前記シール剤と継ぎ目部分を形成するように、前記シール剤の付与を開始する第3描画工程と、前記第2描画工程の後に、前記他の1枚の前記第1基板に対して、前記第1基板の前記1つの透光部の近傍にまたは前記他の1つの透光部の近傍に付与された前記シール剤と継ぎ目部分を形成するように、前記シール剤の付与を開始する第4描画工程とを包含する。
本発明の他の液晶表示パネルの製造方法は、第1基板と、第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に設けられた液晶層とを有し、表示領域と前記表示領域の周辺の非表示領域とを備える液晶表示パネルの製造方法であって、(A)前記非表示領域内の前記表示領域側に設けられた第1遮光層を有する前記第1基板であって、前記第1遮光層が外側の境界の近傍に設けられた切欠き部または開口部を含む少なくとも1つの透光部を有する前記第1基板または前記第1基板を含む第1マザー基板と、前記第2基板または前記第2基板を含む第2マザー基板とを用意する工程と、(B)前記第2基板が前記第1基板と貼り合わされたときに、前記第1基板の前記第1遮光層の外側に位置する前記第2基板の領域に、前記表示領域を包囲するように光硬化性樹脂を含むシール剤でシールパターンを描画する工程であって、(B1)前記第1基板の前記透光部に対応する位置の近傍からシール剤の付与を開始する工程と、(B2)前記第1基板の前記第1遮光層の外周に対応する領域に沿って前記シール剤を付与する工程と、(B3)前記透光部に対応する位置の近傍に付与された前記シール剤と継ぎ目部分を形成する工程とを包含する工程と、(C)前記シール剤によって包囲された前記表示領域内に液晶材料を付与する工程と、(D)前記液晶材料を間に介して、前記第1基板と前記第2基板とを貼り合わせる工程と、(E)前記工程(D)の後で、前記第1基板側から光照射することによって、前記シール剤を硬化する工程とを包含することを特徴とする。
ある実施形態において、前記第1基板は長方形であって、前記少なくとも1つの透光部は、少なくとも前記長方形の辺に設けられた透光部を含み、前記辺に設けられた透光部に対応する領域において前記継ぎ目部分を形成する。
ある実施形態において、前記少なくとも1つの透光部は、前記長方形の辺に設けられた2以上の透光部を含み、前記長方形の辺に設けられた前記2以上の透光部に対応する領域において前記継ぎ目部分を形成する。
ある実施形態において、前記少なくとも1つの透光部は、前記長方形の角に設けられた透光部をさらに含む。
ある実施形態において、前記第2マザー基板は、前記第2基板を複数枚含み、前記複数枚の内のある1枚の前記第2基板に対して、前記第1基板の前記2以上の透光部の1つの近傍に対応する領域から開始し、前記第1遮光層の外周に対応する領域に沿って前記シール剤を付与し、他の1つの透光部の近傍に対応する領域で前記シール剤の付与を終える第1描画工程と、前記複数枚の内の他の1枚の前記第2基板に対して、前記第1基板の前記2以上の透光部の1つの近傍に対応する領域から開始し、前記第1遮光層の外周に対応する領域に沿って前記シール剤を付与し、他の1つの透光部の近傍に対応する領域で前記シール剤の付与を終える第2描画工程と、前記第1描画工程の後に、前記ある1枚の前記第2基板に対して、前記第1基板の前記1つの透光部の近傍に対応する領域または前記他の1つの透光部の近傍に対応する領域に付与された前記シール剤と継ぎ目部分を形成するように、前記シール剤の付与を開始する第3描画工程と、前記第2描画工程の後に、前記他の1枚の前記第2基板に対して、前記第1基板の前記1つの透光部の近傍に対応する領域または前記他の1つの透光部の近傍に対応する領域に付与された前記シール剤と継ぎ目部分を形成するように、前記シール剤の付与を開始する第4描画工程とを包含する。
ある実施形態において、前記液晶表示パネルは、前記非表示領域内に、前記第1基板と前記第2基板との間の間隙が部分的に広い広ギャップ領域を有し、前記広ギャップ領域は、前記第1基板または前記第2基板の表面の凹部を含み、前記少なくとも1つの透光部は前記広ギャップ領域の近傍に設けられた透光部を含む。
ある実施形態において、前記第1基板と前記第2基板とを電気的に接続する転移部を形成するための、光硬化性樹脂を含む転移剤を前記第1基板または前記第2基板に付与する工程を更に包含し、前記転移剤は前記凹部に付与される。
ある実施形態において、前記第1基板と前記第2基板とを電気的に接続する転移部を形成するための、光硬化性樹脂を含む転移剤を前記第1基板または前記第2基板に付与する工程を更に包含し、前記転移剤は、前記少なくとも1つの透光部の近傍の前記第1基板上、または、前記第1基板の前記透光部に対応する前記第2基板上の位置の近傍に付与される。
ある実施形態において、前記工程(E)は、前記光照射によって前記転移剤を硬化する工程を包含する。
ある実施形態において、前記転移部は、前記シールパターンと少なくとも一部が重なるように形成される。
ある実施形態において、前記第2基板は前記非表示領域に少なくとも1つの第2遮光層を有し、前記少なくとも1つの第2遮光層は前記第1基板の前記少なくとも1つの透光部
に対応する領域に設けられている。
ある実施形態において、前記第2基板は、ソース信号配線と、ゲート信号配線とを有し、前記少なくとも1つの第2遮光層は、前記ソース信号配線または前記ゲート信号配線と同一の導電層を含む。
ある実施形態において、前記少なくとも1つの透光部は、複数の切欠き部または複数の開口部を有し、前記第2遮光層は、前記複数の前記切欠き部または前記複数の開口部の間隙または周辺に対応するように配置される透光部分をさらに有し、前記工程(D)の後で、前記第2基板側から光照射する工程をさらに包含する。
本発明のさらに他の液晶表示パネルの製造方法は、第1基板と、第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に設けられた液晶層とを有し、表示領域と前記表示領域の周辺の非表示領域とを備え、前記非表示領域内に、前記第1基板と前記第2基板との間の間隙が部分的に広い広ギャップ領域を有し、前記広ギャップ領域は、前記第1基板または前記第2基板の表面の凹部を含む、液晶表示パネルの製造方法であって、(A)前記非表示領域内の前記表示領域側に設けられた第1遮光層を有する前記第1基板または前記第1基板を含む第1マザー基板と、前記第2基板または前記第2基板を含む第2マザー基板とを用意する工程と、(B)前記凹部を有する前記第1基板の前記第1遮光層の外側に、前記表示領域を包囲するように光硬化性樹脂を含むシール剤でシールパターンを描画する工程、または、前記凹部を有する前記第2基板が前記第1基板と貼り合わされたときに、前記第1基板の前記第1遮光層の外側に位置する前記第2基板の領域に、前記表示領域を包囲するように光硬化性樹脂を含むシール剤でシールパターンを描画する工程であって、(B1)前記第1基板または前記第2基板の前記凹部からシール剤の付与を開始する工程と、(B2)前記第1基板の前記第1遮光層の外周に沿って、または前記第1基板の前記第1遮光層の外周に対応する前記2基板の領域に沿って、前記シール剤を付与する工程と、(B3)前記凹部の近傍に付与された前記シール剤と継ぎ目部分を形成する工程とを包含する工程と、(C)前記シール剤によって包囲された前記表示領域内に液晶材料を付与する工程と、(D)前記液晶材料を間に介して、前記第1基板と前記第2基板とを貼り合わせる工程と、(E)前記工程(D)の後で光照射することによって前記シール剤を硬化する工程とを包含することを特徴とする。
本発明にさらに他の液晶表示パネルの製造方法は、第1基板と、第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に設けられた液晶層とを有し、表示領域と前記表示領域の周辺の非表示領域とを備え、前記非表示領域内に、前記第1基板と前記第2基板との間の間隙が部分的に広い広ギャップ領域を有し、前記広ギャップ領域は、前記第1基板または前記第2基板の表面の凹部を含む、液晶表示パネルの製造方法であって、(A)前記非表示領域内の前記表示領域側に設けられた第1遮光層を有する前記第1基板または前記第1基板を含む第1マザー基板と、前記第2基板または前記第2基板を含む第2マザー基板とを用意する工程と、(B)前記凹部を有する前記第1基板の前記第1遮光層の外側に、前記表示領域を包囲するように光硬化性樹脂を含むシール剤でシールパターンを描画する工程、または、前記凹部を有する前記第2基板が前記第1基板と貼り合わされたときに、前記第1基板の前記第1遮光層の外側に位置する前記第2基板の領域に、前記表示領域を包囲するように光硬化性樹脂を含むシール剤でシールパターンを描画する工程と、(B’)前記第1基板と前記第2基板とを電気的に接続する転移部を形成するための、光硬化性樹脂を含む転移剤を前記第1基板または前記第2基板に付与する工程であって、 前記転移剤を前記凹部に付与する工程と、(C)前記シール剤によって包囲された前記表示領域内に液晶材料を付与する工程と、(D)前記液晶材料を間に介して、前記第1基板と前記第2基板とを貼り合わせる工程と、(E)前記工程(D)の後で、光照射することによって前記シール剤および前記転移剤を硬化する工程とを包含することを特徴とする。
ある実施形態において、前記工程(B)は、(B1)前記第1基板または前記第2基板の前記凹部からシール剤の付与を開始する工程を包含する。
ある実施形態において、前記凹部を形成する工程は、ポジ型またはネガ型の感光性樹脂層に貫通孔または穴を形成する形成する工程を包含する。
ある実施形態において、前記凹部を形成する工程は、前記感光性樹脂層にハーフ露光法を用いて穴を形成する工程を包含する。
ある実施形態において、前記第1基板は前記表示領域にカラーフィルタを備える。
本発明の液晶表示パネルは、第1基板と、第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に設けられた液晶層と、前記液晶層を包囲するシール部とを有し、表示領域と前記表示領域の周辺の非表示領域とを備える液晶表示パネルであって、前記第1基板は前記非表示領域内の前記表示領域側に設けられた第1遮光層を有し、前記第1遮光層は外側の境界の近傍に設けられた切欠き部または開口部を含む少なくとも1つの透光部を有し、前記シール部は前記少なくとも1つの透光部において幅が広がっている。
本発明の他の液晶表示パネルは、第1基板と、第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に設けられた液晶層と、前記液晶層を包囲するシール部と、前記第1基板と前記第2基板とを電気的に接続する転移部とを有し、表示領域と前記表示領域の周辺の非表示領域とを備える液晶表示パネルであって、前記第1基板は前記非表示領域内の前記表示領域側に設けられた第1遮光層を有し、前記第1遮光層は外側の境界の近傍に設けられた切欠き部または開口部を含む少なくとも1つの透光部を有し、前記転移部の少なくとも一部は前記少なくとも1つの透光部に設けられていることを特徴とする。
ある実施形態において、前記第1基板は、前記表示領域内にカラーフィルタを有する。
ある実施形態において、前記第2基板は前記非表示領域に少なくとも1つの第2遮光層を有し、前記少なくとも1つの第2遮光層は前記第1基板の前記少なくとも1つの透光部に対応する領域に配置されている。
ある実施形態において、前記第2基板は、ソース信号配線と、ゲート信号配線とを有し、前記少なくとも1つの第2遮光層は、前記ソース信号配線または前記ゲート信号配線と同一の導電層を含む。
ある実施形態において、前記少なくとも1つの透光部は、スリット状の切欠き部または開口部を含み、前記少なくとも1つの第2遮光層は、前記スリット状の切欠き部または開口部に対向するように配置された複数の遮光部を含む。
本発明のさらに他の液晶表示パネルは、第1基板と、第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に設けられた液晶層と、前記液晶層を包囲するシール部と、前記第1基板と前記第2基板とを電気的に接続する転移部とを有し、表示領域と前記表示領域の周辺の非表示領域とを備え、前記非表示領域内に、前記第1基板と前記第2基板との間の間隙が部分的に広い広ギャップ領域を有し、前記広ギャップ領域は、前記第1基板または前記第2基板の表面の凹部を含み、前記転移部は前記凹部に設けられていることを特徴とする。
本発明のさらに他の液晶表示パネルは、第1基板と、第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に設けられた液晶層と、前記液晶層を包囲するシール部とを有し、表示領
域と前記表示領域の周辺の非表示領域とを備え、前記非表示領域内に、前記第1基板と前記第2基板との間の間隙が部分的に広い広ギャップ領域を有し、前記広ギャップ領域は、前記第1基板または前記第2基板の表面の凹部を含み、前記シール部の一部は前記凹部に設けられている。
ある実施形態において、前記凹部は、ポジ型またはネガ型の感光性樹脂層に形成された貫通孔または穴によって形成されている。
本発明の液晶表示パネルの製造方法は、シール剤の継ぎ目となる部分に対して透光部(切欠きまたは開口部)を有する遮光層を備えた基板を用い、当該基板側から光照射するので、継ぎ目部分のシール剤の硬化が不充分になることを防止することができる。また、シールパターンの幅が広くなる角部や転移部(例えばコモン転移部)に透光部を設けることにより、角部や転移部におけるシール剤の硬化不良も防止することができる。このように、シールパターンの幅が太くなる部分の遮光層にだけ透光部を設けるので、非表示領域の幅を狭く維持できる。尚、一方の基板の透光部を設けた部分に対向する位置の他方の基板側に遮光層を設ければ、遮光層の本来の目的である光漏れ防止効果も損なうことは無い。
また、液晶表示パネル外にシール部を形成する必要が無いので、マザー基板の切断時に不良が発生することもない。さらに、液晶表示パネル内に2以上の継ぎ目部分を設けることによって、シールパターンの描画順序の自由度が増すため、および/または、複数のディスペンサーを用いて同時に描画できるため、シール描画工程のタクトタイムを短縮することができる。また、シールパターンに2以上の継ぎ目部分を設けることによって、比較的小さなシールパターン描画装置を用いて、大型の液晶表示パネルにシールパターンの描画を行うことが可能となり、製造コストの上昇を抑制することができる。
上記基板としてカラーフィルタ基板を用いると、TFTの紫外線によるダメージを低減できる。さらに、光照射工程において、TFTを保護するために用いられるマスクを省略することも可能となる。なお、TFT基板側からも光照射を行うことによって、硬化に必要な照射時間を短縮することもできる。
また、本発明の液晶表示パネルの製造方法は、シール継ぎ目部分や転移部などのシールパターンの幅が太くなる箇所の基板の表面に凹部を設け、基板間の間隙が広い領域を形成するので、シールパターンの幅の増大そのものを抑制することができる。また、この凹部と上記透光部とを組合せて用いることによって、両方の効果を得ることができる。
以下、図面を参照しながら、本発明による実施形態の液晶表示パネルおよびその製造方法を説明する。
本発明による実施形態の液晶表示パネルは、図1(a)および(b)に示すように、TFT基板10と、カラーフィルタ基板20と、TFT基板10とカラーフィルタ基板20との間に設けられた液晶層40と、液晶層40を包囲するシール部32とを有し、表示領域と表示領域の周辺の非表示領域とを備える。カラーフィルタ基板20は、非表示領域内の表示領域側に設けられた第1遮光層22Aを有し、第1遮光層22Aは外側の境界の近傍に設けられた切欠き部(透光部)22aを有する。シール部32は、遮光層22Aの切欠き部22aにおいてその幅が広がっている。遮光層22Aの切欠き部22aの幅および長さを十分にとっておけば、ここに継ぎ目部分32bを形成すれば、その幅が広がっても遮光層22Aと重なることがない。従って、図1(b)に示すように、カラーフィルタ基板20の裏面側から紫外線を照射しても、シール剤を十分に硬化することが出来る。
なお、シール剤は、紫外線硬化性樹脂に限られず、他の波長の光(例えば可視光)で硬化する樹脂を用いてもよく、種々の光硬化性樹脂を好適に用いることができる。また、光硬化性樹脂とは、所定の波長の光を照射することによって硬化反応が進行する樹脂を指し、光硬化後に、さらに熱硬化を行うことが出来る樹脂を含む。熱硬化を併用することによって、一般に硬化物物性(硬度や弾性率)が向上する。さらに、シール剤には、光硬化性樹脂とともに散乱性を付与するための粒子(充填剤)を混合してもよい。粒子を分散させたシール剤は、光を散乱または拡散反射するので、シール剤内のより広い部分に光を行き渡らせる効果が得られる。
図1(a)に示したカラーフィルタ基板20の遮光層22Aは、継ぎ目部分32bの全体に亘る1つの切欠き部22aを有しているが、シール剤に十分な光を照射できれば、切欠き部22aに限られない。例えば、図1(c)に示す遮光層22Bのように、複数の小さな切欠き部22bをストライプ状に設けても良いし、あるいは、図1(d)に示す遮光層22Cのように、微細な複数の開口部(あな)22cを設けても良い。また、切欠き部や開口部によって、シール剤に光照射を可能とする透光部は、一定の幅で形成する必要は無く、継ぎ目部分32の幅の広がりを吸収できるように、適宜変更することが出来る。なお、図1(c)や図1(d)に示す切欠き部22bや開口部22cを設けた場合、図1(a)の切欠き部22aよりもシール剤に光が照射され難いので、基板に直角に入射する光だけでなく反射板などを用いて照射角度をつけるタイプの光照射装置を用いたり、散乱性(拡散反射性)を有するシール剤を用いることが好ましい。
最終的な液晶表示パネルにおいて、遮光層22Aに設けた切欠き部22aを透過した光によって表示品位が低下することがある。従って、この切欠き部22aに対向する位置に別途遮光層を設けることが好ましい。ここで、遮光性テープなどをカラーフィルタ基板20の外側(観察者側)に貼って良いが、製造工程が増加したり、位置合わせに問題が生じたり、液晶表示パネルを筐体に組み込む際に段差となったりするので好ましくない。そこで、後に具体例を示すようにTFT基板10側の対応する位置に遮光層を設けることが好ましい。このとき、TFT基板に設けられるソース信号配線および/またはゲート信号配線と同一の導電層を用いて遮光層を形成すれば、工程を増加することなく遮光層を形成することができる。
このような構成を採用すると、工程を複雑にすることなく、継ぎ目部分を液晶表示パネル内に形成してもシール剤を十分に硬化させることができ、且つ、カラーフィルタ基板の遮光層に設けた透光部からの光漏れも効果的に防止することができる。また、カラーフィルタ基板側から光照射するので、TFTに照射される光は、少なくともカラーフィルを透過することによって減光され、TFTに対する光照射によるダメージを低減することができる。カラーフィルタだけで十分なレベルまで減光できる場合には、光照射からTFTを保護するためのマスクを用いる必要が無く、更に製造効率が向上する。
次に、図2を参照しながら、本発明による実施形態の液晶表示パネルの製造方法を説明する。
図2は、6枚のカラーフィルタ基板をとれるCFマザー基板20にシール描画を行う工程を説明するための模式図である。本発明による実施形態の液晶表示パネルの製造方法の利点の一つは、以下で説明するように、複数の継ぎ目部分を設けることにより、可動範囲の狭いディスペンサーを用いて、大型の液晶表示パネルを製造できることにある。また、液晶表示パネル内に2以上の継ぎ目部分を設けることによって、シールパターンの描画順序の自由度が増すため、および/または、複数のディスペンサーを用いて同時に描画できるため、シール描画工程のタクトタイムを短縮できるという利点も得られる。
CFマザー基板20に含まれる6つのカラーフィルタ基板20(A1〜A3およびB1〜B3)の一枚(例えば図2中のA1)について、例えば、点S1からシール剤の付与を開始する。点S1は、シールパターンの開始点となる。この点S1は、カラーフィルタ基板20の切欠き部22aの近傍に設定されている(図では、切欠き部22aだけを模式的に示している)。点S1からシールの描画を開始した後、カラーフィルタ基板20の遮光層22の外周に沿ってシール剤を付与し(図2中の実線に従って)、他の切欠き部22aの近傍でシール剤の付与を終える。点S2がシールパターンの終点となる。
この後、カラーフィルタ基板20A1について、あらため開始点S1からシール剤の付与を開始し、図2中の破線に従って、終点S2までシール描画を行うことによって、表示領域を包囲するシール部を形成することが出来る。
このように、複数の継ぎ目部分を設ける構成を採用すると、開始点S1から終点S1に至る全範囲を一度の描画する必要が無いので、ディスペンサーのノズル(および/またはマザー基板)の可動範囲が狭くても、シール描画を行うことが出来る。もちろん、十分な可動範囲が得られる場合は、例えば、開始点S1からシール描画を開始し、カラーフィルタ基板20の遮光層22の外周に沿ってシール剤を付与し、点S2を通過し、再び開始点S1まで戻り、点S1において継ぎ目部分を形成しても良い。この場合、継ぎ目部分は点S1に1つだけ形成されることなる。
さらに、本発明の実施形態の製造方法においては、6枚のカラーフィルタ基板20(A1〜A3およびB1〜B3)について、それぞれのカラーフィルタ基板20のシール部32を順次完成させる必要もなく、例えば、カラーフィルタ基板A1〜A3について、実線部のシールパターンを描画し、次にまたは同時に、カラーフィルタ基板B1〜B3の実線部のシールパターンを描画した後、カラーフィルタ基板A1〜A3について、破線部のシールパターンを描画し、次にまたは同時に、カラーフィルタ基板B1〜B3の破線部のシールパターンを描画してもよい。
また、ここでは、長方形の基板に対し、短辺に切欠き部22aを設けた例を示したが、長辺に切欠き部を設けても良いし、さらに、短辺および長辺の両方に切欠き部を設けて、3以上の継ぎ目部分を形成してもよい。切欠き部22a、すなわち透光部の配置は、ディ
スペンサーの可動範囲、マザー基板の大きさおよびマザー基板内のパネルの配置に応じて適宜設定すればよい。もちろん、切欠き部22aに限られず、図1(c)および(d)に示した、複数の切欠き部や複数の開口部、およびこれらを混在させるなど、シール剤に十分な光を照射できるのであれば、切欠き部や開口部の形状に制限はない。但し、後述するように、TFT基板に設ける遮光層によって効率良く遮光するためには、適宜形状は配置を設定することが好ましい。
上記の説明においては、CFマザー基板20にシール描画を行う例を説明したが、TFTマザー基板10の対応する領域にシールパターンを描画してもよい。すなわち、カラーフィルタ基板20とTFT基板10とを貼り合わせたときにシール部32が形成される位置が、カラーフィルタ基板の遮光層22の透光部22(切欠き部22aなど)と上述の関係となる位置にシールパターンを描画すれば良い。
本実施形態の液晶表示パネルの製造方法において、シール剤の継ぎ目部分は、液晶表示パネル内に形成され、特許文献1に記載されているように液晶表示パネルの外にシール部分が存在しないので、TFTマザー基板10およびCFマザー基板20を液晶パネルに対応させて分断する際に、切断不良が発生することが無く、液晶パネルの3辺以上に信号配線引出し部を設ける場合にも、カラーフィルタ基板の断片を除去できないという問題が発生することがない。
なお、切欠き部22などの透光部は、継ぎ目部分だけでなく、図3に示すように、角部にも設けることが好ましい。遮光層22Dのように角部に切欠き部22dを設けることにより、角部で太くなったシール剤32a’が遮光層22Dと重なることが防止され、シール剤を十分に硬化することができる。
この角部において、継ぎ目部分を形成してもよいが、継ぎ目部分の検査の容易さを考慮すると、継ぎ目部分は、角を除く辺に形成することが好ましい。辺に継ぎ目部分を形成すると、光学的にシール部の幅を検出することによって、継ぎ目部分の不良の有無を確認することが出来る。すなわち、継ぎ目部分で切れていたり、幅が細くなり過ぎた不良を容易に検出することができる。
次に、図4から図13を参照しながら、本発明による実施形態の液晶表示パネルの構成をさらに詳細に説明する。
図4は、典型的な液晶表示パネルの平面図を示す。液晶表示パネルは、TFT基板10’と、カラーフィルタ基板20と、これらを互いに接着固定するシール部32を有している。TFT基板10’は、2つの長辺LE1およびLE2と、2つの短辺SE1およびSE2を有しており、図示の例では、長辺LE1および短辺SE1がカラーフィルタ基板20からはみ出しており、長辺LE1にソース信号配線引出し部SB1が設けられ、短辺SE1にゲート信号配線引き出し部GB1が設けられている。従って、これらの信号配線引き出し部SB1およびGB1においては、シール部32およびカラーフィルタ基板20の遮光部(不図示)がそれぞれの信号配線と重なることになる。従って、カラーフィルタ基板20の遮光層に設けられる透光部(切欠き部など)に対応する遮光層をTFT基板に設ける場合、その位置によって、好ましい構造が異なる。
なお、図4には、信号配線取り出し部が2辺に設けられている例を示しているが、信号配線取り出し部を3辺に設ける構成(例えばゲート信号配線取り出し部を2つの短辺に設ける構成)や、4辺に設ける構成(ゲート信号配線取り出し部およびソース信号配線取り出し部をそれぞれ2辺に設ける構成)もある。
まず、図5、図6および図7を参照しながら、信号配線取り出し部が設けられていない辺(SE2またはLE2)に透光部を設けた場合の遮光層の構成例を説明する。図5は、信号配線取り出し部が設けられていない辺に透光部を設けた場合の遮光層の構成例を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)中の5B−5B’線に沿った断面図であり、(c)は5C−5C’線に沿った断面図である。図6は、他の構成例を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)中の6B−6B’線に沿った断面図であり、(c)は(a)中の6C−6C’線に沿った断面図である。図7はさらに他の構成例を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)中の7B−7B’線に沿った断面図であり、(c)は(a)中の7C−7C’線に沿った断面図である。
シール継ぎ目部分32bを形成する位置に、図5に示すように切欠き部22aを設ける場合、図6に示すように複数の切欠き部22bを設ける場合、あるいは図7に示すように複数の切欠き部22b’および複数の開口部22c’を設ける場合、いずれの場合においても、カラーフィルタ基板の遮光層22の透光部(22a、22b、22b’、22c’)に対応するTFT基板10の領域には、ゲート信号配線引き出し部またはソース信号引き出し部が存在しないので、必要な領域に遮光層12aを形成することができる。このとき、TFT基板10は、ガラス基板11と、ガラス基板11上に形成されたゲート信号配線(不図示)と、それを覆うゲート絶縁膜13、ゲート絶縁膜上に形成されたソース信号配線(不図示)と、それを覆う絶縁保護膜15を有している。このゲート信号配線を形成する導電層をパターニングする際に、遮光層12aを残すようにパターニングすることによって、ゲート信号配線の形成と同じ工程で遮光層12aを形成することが出来る。このような構成を採用すると、製造工程を増加させることなく、遮光層12aをTFT基板10に形成することができる。
なお、短辺SE2には、各画素に設けられる補助容量に所定の信号を供給するための補助容量配線の幹線や、断線が生じた信号配線の電気的な接続を修正するための予備配線が配設される場合がある。これらの配線は、比較的太いので、これらを遮光層として利用することができる。一般に、補助容量配線の幹線や予備配線は、ゲート信号配線を形成する導電層を用い、ゲート信号配線と同じ工程で形成される。このように、液晶表示パネルの短辺側は、遮光層を形成するための設計の自由度が高いので、シール継ぎ目部分は短辺側に設けるのが好ましい。
具体的には、TFT基板は以下の工程で作製することができる。
ガラス基板11に、Ti/Al/TiNをスパッタリング装置にて成膜し、フォトリソ工程およびドライエッチング等のエッチング工程により、ゲート信号配線と、ゲート電極とを形成すると同時に、遮光層12aを形成する。例えば、ゲート信号配線等と同時に補助容量配線を形成する場合において、短辺SE2側に補助容量配線の幹線を配置すれば、補助容量配線の幹線を遮光層12aとして用いることもできる。
次に、それらの上に、窒化シリコン(SiNx)等からなるゲート絶縁膜13をプラズマCVD法により成膜する。その後、TFT等のアクティブ素子を形成する。更に、Ti/Al/TiNをスパッタリング装置にて成膜し、フォトリソ工程及びドライエッチング等のエッチング工程により、ソース信号配線とドレイン電極を形成する。
次に、透明樹脂等の絶縁保護膜15をスピンコーティング法等で形成し、この絶縁保護膜15には、その上に形成する画素電極とドレイン電極とをコンタクトするコンタクトホールや補助容量形成用のスルーホールを形成する。この絶縁保護膜15の上にITO等の透明電極をスパッタリングで成膜し、フォトリソグラフィ工程、エッチング工程を経て画素電極を形成する。
カラーフィルタ基板は、例えば以下のようにして作製することができる。
ドライフィルム方式、スピンコーティング方式、インクジェット方式等により、ガラス基板21のTFT基板の画素に対応するRGB(レッド・グリーン・ブルー)のカラーフィルタおよびその他の領域に遮光層を形成する。遮光層は、黒色光硬化性樹脂を用いて形成されるので、パターニングの際に同じ工程で、透光部(切欠き部および/または開口部)を形成することができる。
次に、図8、図9および図10を参照しながら、短辺SE1のゲート信号配線引き出し部GB1に対応する領域に透光部を設けた場合の遮光層の構成例を説明する。図8は、液晶表示パネルの短辺SE1のゲート信号配線引き出し部GB1に対応する領域に透光部を設けた場合の遮光層の構成例を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)中の8B−8B’線に沿った断面図であり、(c)は(a)中の8C−8C’線に沿った断面図であり、(d)は(a)中の8D−8D’線に沿った断面図である。図9は、他の構成例を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)中の9B−9B’線に沿った断面図であり、(c)は(a)中の9C−9C’線に沿った断面図であり、(d)は(a)中の9D−9D’線に沿った断面図である。図10は、さらに他の構成例を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)中の10B−10B’線に沿った断面図であり、(c)は(a)中の10C−10C’線に沿った断面図である。
TFT基板10のガラス基板11上にはゲート信号配線12bが形成されており、ゲート信号配線が遮光層として機能する。但し、図8に示すように切欠き部22aを設けた場合は、ゲート信号配線12bの間から光が漏れるので、ソース信号配線と同層の導電層14aを用いて、図8(d)に示すように、ゲート信号配線12bの間隙を遮光する複数の遮光部14aを形成する。なお、遮光部14aをゲート信号配線12bおよびその間隙と重なる単一の遮光層として形成することも可能であるであるが、ゲート絶縁膜13を介して遮光層とゲート信号配線とが互いに重なると、異物などによって絶縁不良が発生することがあり、場合によってはゲート信号配線間が短絡する危険がある。従って、歩留まりの観点からは、遮光層とゲート信号配線12bとが重ならないように、ゲート信号配線12bの間隙に対応するよう遮光部14aを形成することが好ましい。
また、図9(a)に示すように、複数の切欠き部22bをゲート信号配線12bと対向するように配置すれば、ゲート信号配線12bだけで十分に遮光することができるので、構成を簡単にできる利点がある。
また、図10(a)に示すように、複数の切欠き部22b’と複数の開口部22c’とを設けた場合、切欠き部22b’をゲート信号配線12bに対応するように配置すれば、開口部22c’に対応するように、遮光層14aを設ければ、透光部からの光を遮光することができる。
次に、図11、図12および図13を参照しながら、長辺LE1のソース信号配線引き出し部SB1に対応する領域に透光部を設けた場合の遮光層の構成例を説明する。
図11は、液晶表示パネルの長辺LE1のソース信号配線引き出し部SB1に対応する領域に透光部を設けた場合の遮光層の構成例を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)中の11B−11B’線に沿った断面図であり、(c)は(a)中の11C−11C’線に沿った断面図であり、(d)は(a)中の11D−11D’線に沿った断面図である。図12は、他の構成例を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)中の12B−12B’線に沿った断面図であり、(c)は(a)中の12C−12C’線に沿った
断面図であり、(d)は(a)中の12D−12D’線に沿った断面図である。図13は、さらに他の構成例を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)中の13B−13B’線に沿った断面図であり、(c)は(a)中の13C−13C’線に沿った断面図である。
TFT基板10のガラス基板11上にはソース信号配線14bが形成されており、ソース信号配線14bが遮光層として機能する。但し、図11に示すように切欠き部22aを設けた場合は、ソース信号配線14bの間から光が漏れるので、ゲート信号配線12bと同層の導電層12aを用いて、図11(d)に示すように、ソース信号配線14bの間隙を遮光する複数の遮光部12aを形成する。なお、遮光部12aをソース信号配線14bおよびその間隙と重なる単一の遮光層として形成することも可能であるであるが、上述と同様に歩留まりの観点からは、ソース信号配線14bの間隙に対応するよう遮光部12aを形成することが好ましい。なお、図11(d)では、ゲート絶縁膜13の下に遮光部12a、ゲート絶縁膜の上にソース信号配線14bを設けた構成を例示しているが、この構成に限られない。例えば、TFTの形成プロセスによっては、アクティブエリア(表示領域)内のソース信号配線を額縁領域のソース端子部に接続する途中で、ゲートメタル(ゲート信号配線を形成する導電層)と接続して、ソース端子部の配線をゲートメタルで形成する場合もある。この場合、ゲート絶縁膜13に対する配線14bおよび遮光部12aの積層関係(上下関係)は、図11(d)に例示した構成と逆になるが、上述の効果を得ることができる。このことは、他の実施形態についても同様である。
また、図12(a)に示すように、複数の切欠き部22bをソース信号配線14bと対向するように配置すれば、ソース信号配線14bだけで十分に遮光することができるので、構成を簡単にできる利点がある。
また、図13(a)に示すように、複数の切欠き部22b’と複数の開口部22c’とを設けた場合、切欠き部22b’をソース信号配線14bに対応するように配置すれば、開口部22c’に対応するように、遮光層12aを設ければ、透光部からの光を遮光することができる。
例えば、本発明による実施形態の液晶表示パネルの製造方法を用いて、17SXGA型の液晶表示パネルを製造する場合、例えば以下の構成とすることが好ましい。
図14は、17SXGA型の液晶表示パネルにおけるシール部32および切欠き部22aを有する遮光層22の構成を示す模式図である。
図14に示すように、本実施例では、図1に示した切欠き部22aを設ける構成を採用した。液晶表示パネルの構造は図4に示したものと同じであり、切欠き部22aは、短辺SE2に設けた。切欠き部32bの遮光には、TFT基板に設けた補助容量配線の幹線を用いた。
ここで、遮光層22Aの端部と分断ラインとの間隔Wsは2.3mmとし、切欠き部22の深さDを0.3mm、幅Wを10.0mmとした。なお、遮光層22Aの幅(切欠き部22a以外の領域)は約3mmとした。この様なサイズとした理由を以下に説明する。
用いたディスペンサーで、シール幅(延設部分32aの幅)を1.2mmに設定すると、±0.3mmのばらつきが生じた。また、ディスペンサーのノズルの位置合わせ精度は±0.15mmであった。また、マザー基板の分断精度によって決まるマージンは±約0.2mmであった。従って、1.2mm+0.3mm+(0.15mm×2)+0.2mmから、遮光層22Aの端部から分断ラインとの間隔Wsは2mm以上必要となる。ここ
では、Wsを2.3mmに設定した。
また、シールの継ぎ目部分32bの幅の最大値Smaxは、2.1mm程度であった。これに、上記ノズルの位置合わせ精度(0.15mm×2)を加え、さらに分断マージン0.2mmを考慮し、切欠き部22aにおける遮光層22Aの端部から分断ラインとの間隔は2.6mmとした。すなわち、切欠き部22aの深さDを0.3mmに設定した。
なお、角部は、延設部分より0.1mmから0.15mm太くなるため、角部の遮光層を深さ0.15mmだけ切欠き、遮光層の端部と分断ラインとの最低間隔が2.15mmとなるようにシールパターンを描画した(図3参照)。
液晶表示パネルの製造においては、図2を参照しながら説明したように、CFマザー基板20にシール描画行った。その後、公知の方法で、CFマザー基板20上に滴下法を用いて液晶材料を滴下し、TFTマザー基板10を所定の配置となるように貼り合わせた後、カラーフィルタ基板側から紫外線を照射し、シール剤の硬化を行った。なお、シール剤の硬化は、数ジュール/cm2の紫外線照射の後、120℃で1時間程度熱硬化を併用した。
得られた液晶表示パネルは、分断時の切断不良も無く、また、シール剤の硬化不良に伴う電圧保持率の低下や、配向不良などの信頼性の低下は見られなかった。また、切欠き部からの光漏れによる表示品位の低下も無かった。
CFマザー基板20に液晶材料を滴下し、TFTマザー基板10を貼り合せ、そのまま、下側から光照射する、すなわちCFマザー基板20側から光照射する工程を採用すると、シール描画から光照射まで、CFマザー基板20を下側に配置(カラーフィルタが形成された面を上に向けた配置)で実行できるので、装置やプロセスを簡略にできるという利点も得ることができる。
シール剤を硬化するための光照射を片側の基板側からのみ行うと、図1(c)、(d)のようなパターンの場合、透光部の面積比率に依存して、十分に硬化するために必要な照射時間が長くなり、時には3倍以上必要となる場合がある。
これに対し、上述したように、CF基板の遮光層に複数の切欠き部または複数の開口部を設け、TFT基板の遮光層として例えばソース信号配線やゲート信号配線を用いて、切欠き部または開口部からの光を選択的に遮光する構成を採用すると、ソース信号配線やゲートソース信号配線との間は光を透過するので、TFT基板側からシール剤に光を照射することができる。このように、TFT基板側の遮光層が、CF基板側の遮光層の複数の切欠き部または複数の開口部の間隙または周辺に対応するように配置される透光部分を有する構成を採用すると、両方の基板側からシール剤に光を照射することができる。その結果、シール剤を硬化するために必要な照射時間を短縮することができる。
両側から光照射する方法としては、光源を表示パネルの上下に設置すればよい。また、表示パネルを反転させる機構を装置に設けてもよい。この場合、光照射時間は両側照射時の最低必要照射時間の2倍程度になるが、片側照射時の照射時間よりも短くすることができる。なお、シール材料によっては、開口部のエッジから遮光部側へ数十μmの距離まで光硬化させることが可能であり、このようなシール材料を併用するのが望ましい。
切欠き部または開口部のパターンは、ストライプ状に限られず、図1(d)のメッシュパターンでも良い。なお、図1(d)には円形の開口部をメッシュ状に配列した例を示しているが、開口部の形状はこれに限られず、四角形であってもよく、パターンの一部に丸
みや屈曲部などを有してもよい。特に、TFT基板の信号配線で遮光する場合、信号配線の形状は設計上の制約を受けることが多いので、配線パターンに合わせて開口部のパターンを形成することが好ましい。
また、シール硬化用光照射装置には、反射板等を用いて、表示パネルの法線方向だけでなく、斜めからも光を照射できる装置が知られており、このように斜め方向からも光を照射できる装置を用いれば、CF基板の遮光層とTFT基板の遮光層は、多少オーバーラップしても、シール剤を十分に硬化することができる。例えば、基板間ギャップ程度のオーバーラップがあっても、オーバーラップがない場合と同じ照射条件(照射強度および照射時間)で照射しても、得られた液晶表示パネルの信頼性に差は認められなかった。
次に、一方の基板の電極を外部への接続端子を有する他方の基板の電極に転移する転移部における問題を説明する。以下では、転移部として、CF基板の対向電極(コモン電極ともいう。)をTFT基板上の端子に電気的に接続するための経路を構成するコモン転移部を例にその問題を説明する。
図15(a)に、一般的なTFT液晶表示パネルの構成を模式的に示す。図15(b)は、TFT液晶表示パネルの1つの画素の等価回路を示す。
図15(b)に示したように、TFT64にソース信号配線62を接続し、ゲート信号配線63によって、TFT64を駆動することによって、画素電極65に所定の信号電圧を供給する。画素電極65は液晶層40を介してコモン電極66と対向し、液晶容量(コンデンサ)を構成している。液晶層40にTFT64を介して信号電圧が印加されることにより、液晶層40の光学特性が変化し、表示素子として機能する。
CF基板20の液晶層40側に形成されているコモン電極66は、コモン転移部60を介して、TFT基板10’側に転移され、コモン電極端子66aに接続される。図15(a)に示すように、TFT基板10’の非表示領域には、ソース信号配線62aおよびゲート信号配線端子63aが配置されており、コモン電極端子66aは、通常ソース信号配線62aと同じ辺に設けられる。
コモン転移部を形成する転移剤として、光硬化性樹脂と導電性粒子とを含む転移剤が用いられる。導電性粒子は、例えば、粒径が4〜10μm程度の金属粒子や金属皮膜をつけたプラスチックビーズである。転移剤の光硬化性樹脂としては、シール剤に用いられる光硬化性樹脂と同様のものが用いられる。
このように光硬化性樹脂を含む転移剤を用いてコモン転移部を形成する場合、コモン転移部に光照射するための透過領域を確保するために、額縁領域を広くする必要がある。そこで、コモン転移部とシール部とを少なくとも一部が重なるように形成することが考えられる。しかしながら、たとえシール部内にコモン転移部を形成しても、コモン転移部を含むシール部の幅が太くなり、額縁領域が広くなるという問題が生じる。
この問題を図16(a)〜(d)を参照しながら説明する。これまでの説明と共通する構成要素は、共通の参照符号で示し、ここでの説明を省略する。
コモン転移部60は、シール部32の近傍に設けられ、CF基板上の対向電極(いずれも不図示)とTFT基板上のコモンパッド60aとを電気的に接続する。図16(d)に示すように、シール部32から離した位置にコモン転移部60を設けると、非表示領域(額縁)の幅が広くなってしまう。そこで、図16(a)〜(c)に示すように、シール部32とコモン転移部60とが少なくとも一部が重なるように形成することが多い。しかしながら、図16(a)〜(c)に示した場合でも、コモン転移部60によって、シール剤が押し出されて、シールパターンの幅が太くなった部分32c(コモン転移シール部分と呼ぶことがある。)が形成される。すなわち、コモン転移シール部分32cは、上述した継ぎ目部分32bと同様に延設部分32a(例えば図1参照)よりも幅が広くなってしまうという問題がある。
そこで、本実施形態では、コモン転移シール部分32cを硬化するための光を照射する基板側の遮光部に透光部(切欠きまたは開口部)を設ける。
図17(a)および(b)は、本発明による実施形態の液晶表示パネルのコモン転移シール部分の構成を説明するための模式図であり、(a)は平面図、(b)は(a)中の17B−17B’線に沿った断面図である。
カラーフィルタ基板20は、非表示領域内の表示領域側に設けられた第1遮光層22Aを有し、第1遮光層22Aは外側の境界の近傍に設けられた切欠き部(透光部)22aを有する。シール部32は、遮光層22Aの切欠き部22aにおいてその幅が広がっている。遮光層22Aの切欠き部22aの幅および長さを十分にとっておけば、ここにコモン転移シール部分32cを形成すれば、その幅が広がっても遮光層22Aと重なることがない。従って、図17(b)に示すように、カラーフィルタ基板20の裏面側から紫外線を照射しても、シール剤を十分に硬化することが出来る。もちろん、シール剤に十分な光を照射できれば、切欠き部22aに限られない。例えば、先の図1(c)に示した遮光層22Bのように、複数の小さな切欠き部22bをストライプ状に設けても良いし、あるいは、図1(d)に示す遮光層22Cのように、微細な複数の開口部(あな)22cを設けても良いし、他の形状であってもよいのは先の実施形態と同様である。
次に、シール部の幅が太くなることそのものを抑制する実施形態を説明する。以下に説明する実施形態では、液晶表示パネルの非表示領域内に、CF基板とTFT基板との間の間隙が部分的に広い広ギャップ領域を設け、この広ギャップ領域にシールパターンの幅が太くなる部分を形成する。そのことによって、シールパターンが太くなることを抑制する。広ギャップ領域は、CF基板またはTFT基板の液晶層側の表面に凹部を設けることによって形成し、この凹部に転移剤またはシール剤が付与されると、この部分は広ギャップ領域なので表示面内へのシール剤の広がりが抑制される。
基板の表面に凹部を形成する方法は、種々あるが、例えば、TFT基板上に樹脂膜を形成する場合、この樹脂膜の所定の位置にまたは貫通孔を設けることによって形成することができる。例えば、TFT基板上に形成されたTFTや信号配線と画素電極との間に形成される層間絶縁膜を形成するための樹脂膜として利用することができる。また、カラーフィルター基板に形成される各種樹脂層(着色樹脂層など)を用いることもできる。
以下では、TFT基板の層間絶縁膜として形成される樹脂層を用いて広ギャップ領域を形成する例を説明する。また、シール部が太くなる部分として、上述したコモン転移シール部分32cを例示するが、これに限られず、継ぎ目部分や角部など、シールパターン幅が太くなるシール部分に広く適用できることは言うまでもない。更に、上述した実施形態で説明したように、遮光層に透光部を設ける構成と任意に組合せてもよい。
図18(a)〜(d)は、本発明による実施形態の液晶表示パネルのコモン転移シール部分の構成を説明するための模式図であり、(a)、(c)および(d)は平面図、(b)は(a)中の18B−18B’線に沿った断面図である。
図18(a)に示すように、シール部32には樹脂層61を設け、コモン転移部60の
樹脂層61には貫通孔61aを形成する。この貫通孔61aによって、広ギャップ領域が形成される。なお、ここでは、貫通孔61aの大きさをコモンパッド60aと同じにした例を示しているが、これに限られない。
シール部32は、液晶表示パネルによって決まるギャップ(液晶層の厚さ)となったときに、所定の線幅になるようにシール剤が塗布される。コモン転移シール部分32cが形成される部分のギャップは、樹脂層61の膜厚分だけ増加する。線状に塗布する際に供給されるシール剤の断面積は一定であるので、樹脂層61の貫通孔61a部分のシール幅は細くなる。例えば、コモン転移部60を設けないと、図18(c)に示すように、凹部のシールの線幅が細くなる。コモン転移剤を付与すると、コモン転移剤の体積に応じて、シール剤が広がるため、図18(a)に示すような構造となる。
例えば、樹脂層の膜厚を2.5μm、樹脂層のシール部分32の幅を約1000μm、樹脂層のある部分のシール部のギャップを5.5μmとし、樹脂層の貫通孔61aの幅は1200μmとし、シールが存在しない場合のコモン転移部60の直径は500μmを目標値とした場合、コモン部シール部分32cの最大幅は1100μmとなった。
本実施形態における樹脂層61に設ける貫通孔61aの幅は、コモン転移部60の直径
もしくはメインシール部(延設部分)の幅の最大値より大きくすることが好ましい。樹脂層に貫通孔を形成しない場合のコモン転移シール部分の最大幅は約1400μmであったので、本発明の実施形態によると、コモン転移60を含むコモン転移シール部分32cの幅は、従来にくらべ300μmも狭くできたことになる。このことから、遮光層の切欠き部22aの幅を300μm狭くすることが可能であり、先の実施形態よりも更に狭額縁化が可能となる。
また、コモン転移部60の直径の目標値を400μmとした場合、コモン転移シール部分32cの最大線幅は、約1000μmとなった。この場合、メインのシール部32の幅1000μmと等しくなり、図18(d)に示すように、遮光層22Aの切欠き部22aも不要となる。
なお、樹脂層61の貫通孔61aは、必ずしも、シール部の幅全体に渡っている必要は無い。このことを図19を参照しながら説明する。
図19(a)〜(d)は、本発明による他の実施形態の液晶表示パネルのコモン転移シール部分の構成を説明するための模式図であり、(a)、(c)および(d)は平面図、(b)は(a)中の19B−19B’線に沿った断面図である。
例えば、図19(a)のように樹脂層61の貫通孔61aがシール部の幅の途中までであっても十分効果が得られる。特に、コモン転移部の仕上り径がシール部の幅に対して小さい場合には、樹脂層61に貫通孔61a(または凹部)を設けていない側、すなわち図19(a)においては表示領域の反対側へ、コモン転移部60によってシール剤が押し出されて増加する幅をほとんど無視できるため、このような構成が効果的である。
また、樹脂層として、他の目的で形成されている樹脂層を利用する場合に、膜厚を厚く選択せざるを得ない場合などは、貫通孔61aを設けるとシール部の幅が細くなり過ぎることがあるが、図19(a)に示す構成を採用することによって、十分なシール幅を確保することができる。なお、シール幅が細くなりすぎると、シール部の強度不足に起因する不良が発生する場合などがある。
図20に、樹脂層61の厚さ(貫通孔61aの深さ)とシール部32の幅を小さくする
効果の関係を示す。
樹脂膜厚が大きいほど(すなわち広ギャップ部のギャップが広いほど)、また、メインのシール幅が大きいほど効果が大きいことがわかる。線幅低減効果は、簡単なシミュレーションでは下式で表せる。
{(メインのシール幅×メインのシール部のギャップ)/(メインのシール部のギャッ
プ+樹脂の凹部深さ)}+コモン転移径 −(コモン転移径+メインのシール線幅)
ここでいうコモン転移径は、シールと接触しない場合の、コモン転移剤の仕上り径である。上記シミュレーション式は、コモン転移剤の形状を考慮していないため、必ずしも実際と精密には一致しないが、おおむね同程度の効果が得られる。
なお、上述の効果を実質的に得るためには、ある程度の製造上の線幅ばらつきを吸収できるだけの効果を有する必要があるため、少なくともシール部のギャップ(広ギャップ領域以外のシール部におけるギャップ)の1割程度、ギャップを広くすることが好ましい。また、上記の例では、樹脂層61に貫通孔61aを設ける場合を例示したが、貫通孔に変えて凹部(穴)を設けてもよい。凹部は、例えば感光性樹脂(フォトレジスト)を用いてハーフ露光法によって形成することができる。ハーフ露光法によって形成する場合は、ポジ型感光性樹脂の場合、完全に光分解しない照射時間で露光・現像して凹部(穴)を形成する。逆にネガ型の場合は、完全に光硬化しない照射時間で露光・現像して凹部(穴)を形成する。ハーフ露光法により凹部を形成する場合は、凹部の深さを制御できるという利点がある。また、感光性樹脂層の上下に形成される導電層間のリークを防ぐ必要がある場合には感光性樹脂層に貫通孔を形成できないので、このような場合には穴(凹部)を形成すればよい。
なお、貫通孔または凹部(穴)を形成する層は層間絶縁膜に限らず、ブラックマトリックス用の樹脂層やオーバーコート用の樹脂層であってもよい。また、感光性樹脂層を用いる貫通孔または凹部の形成を簡便なプロセスで行うことができる。なお、深い貫通孔や凹部を形成することは難しいが、無機材料層を用いてもよい。表面に形成される凹部の深さは、シール幅が細くなり過ぎるなどのデメリットを考慮すると、通常は約1μm〜約3μm程度の範囲内にあることが好ましい。
樹脂層の貫通孔または凹部のサイズ、すなわち、広ギャップ領域のサイズとしては、コモン転移部の仕上り幅の最大値より、小さくなるよう設計することが好ましい。図19に示した実施形態では、シール部の幅の細りを、貫通孔61aのパターンおよび配置によっても制御が可能となり、最適構造を選択する幅を広げることが可能となる。例えば、上記と同じ条件で、貫通孔61aのエッジが、シール部32の幅の中心から外側に300μmの位置にある場合について、同様の効果を確認した。好適には、シール部の線幅がプロセスばらつきのため最小となった場合でも、シール部の外側のエッジが貫通孔61a内に落ちこまないような位置に貫通孔61aのエッジを配置することが好ましい。