JP2012047292A - 無断変速機構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】固定シーブ61と移動可能な可動シーブ62とを有し,両シーブ間にVベルト53が巻き掛けられるVベルト自動変速機用の無断変速機構造において,可動シーブ62を移動させる第1のアクチュエータ90を有する第1の制御機構CM1と,第1の制御機構CM1と協働して可動シーブ62を移動させる第2のアクチュエータ100を有する第2の制御機構CM2とを設けた。可動シーブを移動させるための動力を大きくした場合でも,夫々のアクチュエータへの負荷を減らし,各アクチュエータの大型化を抑制して,全体的にVベルト自動変速機の小型化を図ることができる。
【選択図】図4
Description
本発明が解決しようとする課題は,可動シーブを移動させるための動力を大きくした場合でも,Vベルト自動変速機が大型化し難い無断変速機構造を提供することである。
前記可動シーブを移動させる第1のアクチュエータを有する第1の制御機構と,
前記第1の制御機構と協働して前記可動シーブを移動させる第2のアクチュエータを有する第2の制御機構と,
を備えたことを特徴とする。
この無断変速機構造によれば,可動シーブの移動は,第1のアクチュエータを有する第1の制御機構と,第2のアクチュエータを有する第2の制御機構との協働でなされるため,可動シーブを移動させるための動力を大きくする場合,その動力を,第1のアクチュエータを有する第1の制御機構と,第2のアクチュエータを有する第2の制御機構とに分散させることができる。
したがって,可動シーブを単一のアクチュエータおよび単一の制御機構で移動させる従来の構造に比べ,可動シーブを移動させるための動力を大きくした場合でも,夫々のアクチュエータへの負荷を減らし,各アクチュエータの大型化を抑制して,全体的にVベルト自動変速機の小型化を図ることができる。
しかも,各アクチュエータの負荷を抑制することで,各アクチュエータの耐久性を向上させることができる。
望ましくは,前記第1のアクチュエータは電力により駆動されるアクチュエータとし,前記第2のアクチュエータは前記可動シーブの回転に伴う遠心力により駆動されるアクチュエータとする。
このように構成すると,一方のアクチュエータが可動シーブの回転を利用した遠心力により駆動されるため,無断変速機構造全体としての電力消費を抑えてエネルギーロスを低減できる。
この場合,さらに望ましくは,前記第1のアクチュエータは,前記第2のアクチュエータの周囲に配置する。
このように構成すると,両アクチュエータをプーリの回転軸周りにコンパクトに配置しつつ,第1のアクチュエータの配置自由度を向上させることができる。
この場合望ましくは,前記第1のアクチュエータは,前記Vベルトの内周位置に配置する。
このように構成すると,デッドスペースとなりがちなVベルト内周スペースを有効利用することができる。
望ましくは,前記第2のアクチュエータは,前記可動シーブの回転軸線周りに配置された複数の遠心ウエイトと,この遠心ウエイトを可動シーブとの間に保持し,可動シーブの回転に伴う遠心力で前記遠心ウエイトに可動シーブを移動させるカム部材とを備えた構成とする。
このように構成すると,第2のアクチュエータによる,可動シーブを移動させる力は可動シーブの角速度の二乗に比例して増加するので,第1のアクチュエアータによる可動シーブを移動させる力を低減させ,電力消費を一層抑えることができる。
望ましくは,前記第1の制御機構は,前記可動シーブに対しベアリングを介して保持される可動シーブホルダーと,この可動シーブホルダーへ前記第1のアクチュエータの動力を伝達する動力伝達部とを備え,この動力伝達部は,前記可動シーブの回転中心に対して前記第1のアクチュエータ側に配置した構成とする。
このように構成すると,動力伝達部を小型化して,無断変速機構造およびVベルト自動変速機の小型化を図ることができる。
この場合,望ましくは,前記ベアリングは,前記遠心ウエイトの周囲に配置する。
このように構成すると,ベアリングを遠心ウエイトの外周スペースを利用して配置でき,第1のアクチュエータを有する第1の制御機構と第2のアクチュエータを有する第2の制御機構とを設けたにもかかわらず,無断変速機構造およびVベルト自動変速機装置の軸方向への大型化を抑制することができる。
望ましくは,前記第1のアクチュエータは,前記可動シーブの低回転領域においては,前記第2の制御機構による前記可動シープを移動させようとする力と同方向の力を生じさせるように作動し,前記可動シーブの高回転領域においては,前記第2の制御機構による前記可動シープを移動させようとする力に対して抵抗となるように作動するアクチュエータとする。
このように構成すると,可動シーブの低回転領域においては,第1の制御機構と第2の制御機構とによる同一方向への力によって可動シープが移動するので,両制御機構によって可動シープを円滑に移動させることができる。
一方,可動シーブの高回転領域においては,第2の制御機構による可動シープを移動させようとする力に対して,第1のアクチュエータが抵抗となるように作動するので,第2の制御機構による可動シープの過度な移動すなわち,過度な変速動作を抑制することができる。
図1に示す自動二輪車10は,車体フレーム11の後部に,ピボット軸12とリアクッションユニット13とでパワーユニット20を車体フレーム11に対しピボット軸12回りに揺動自在に懸架した車両である。ヘッドパイプ11hに操舵自在にフロントフォーク14を取り付け,このフロントフォーク14の下端に前輪15Fを取り付けてある。フロントフォーク14の上部にはステアリングハンドル15を取り付けてある。
車体フレーム11は後部に左右一対のシートフレーム11s(一方のみ図示)を有している。このシートフレーム11s上に乗員が跨って座るシート16が設けられ,このシート16の下方に,上方へ開口する収納ボックス17が設けられている。収納ボックス17の後方には燃料タンク18が配置されている。
なお,図示のVベルト自動変速機50においては,この実施の形態の無断変速機構造を駆動プーリ60に用いたが,従動プーリ70(図3参照)に用いることもできる。
以下,Vベルト自動変速機50の構成について説明しながらこの実施の形態の無断変速機構造についてさらに説明する。
クランク軸31cは,軸受部材であるベアリング31b,31bで両端支持される大径部51aと,この大径部51aに段部51dを介して設けられていて駆動プーリ60における可動シーブ62の支持部を構成する小径部51bとを有している。
プライマリ軸51は,クランク軸31cの小径部51bで構成されており,このプライマリ軸51すなわち駆動プーリ60の支持軸は,右ケース40Rに片持ち状態で支持されている。
第1の制御機構CM1および第2の制御機構CM2は,可動シーブ62をプーリ軸51における可動シーブ62の支持部51bに沿って軸方向へスライドさせることでプーリ60の溝幅すなわち固定シーブ61と可動シーブ62との間隔を変更するための機構である。
動力伝達部Tは,可動シーブホルダー80と,第1のアクチュエータ90の出力ロッド91の先端部91aとを連結する連結部材130を備えている。
ウエイト収容部62s同士の間には,ベアリングホルダー65(図7)を固定するためのネジ穴を有する固定部62cが複数(図示のものは3個)設けられている。
また,ウエイト収容部62s同士の間には,ランププレート110(図9)のガイド部110gに装着されたガイドピース140(図9の仮想線および図11,図4参照)によって案内される被ガイド部62gが複数(図示のものは3個)設けられている。
図8に示すように,リング部81は,ベアリング64に対する軸方向への移動を規制するためのフランジ部81fと,サークリップ66を装着するためのリング状溝81gを有している。
ガイド部110gは,ガイドピース140が嵌め込まれるU字状の切り欠き114と,この切り欠き114の周辺を補強すべくU状に起立させたリブ115とを有している。
図4を参照して説明すると,予め,ベアリング64の外周に可動シーブホルダー80を装着して両者をサークリップ66で係合し,ベアリング64の内周にベアリングホルダー65を装着し,ベアリングホルダー65を可動シーブ62に複数本(この場合3本(図4において1本のみ図示))のボルト65dで結合し,可動シーブ62のボス部62bにオイルシール62sおよびカラー62cを介してスリーブ67を挿入し,可動シーブ62の各ウエイト収容部62sに遠心ウエイト101を収容し,ランププレート110の各ガイド部110gにガイドピース140を装着して,それらガイドピース140のガイド溝141に可動シーブ62の被ガイド部62gを嵌め合わせることで可動シーブ62とランププレート110とを軽く結合させた組立体を構成しておく。
したがって,可動シーブ62はプーリ軸51とともに回転し,かつプーリ軸51の軸方向へ移動可能である。
一方,可動シーブホルダー80は,ベアリング64の一端側がサークリップ66と可動シーブ62のフランジ部62fにおける段部62h(図6参照)とに当接し,ベアリング64の他端側が可動シーブホルダー80のフランジ部81fとベアリングホルダー65のフランジ部65fとに当接していることにより,可動シーブ62に対し,軸方向への相対移動が不能である。
したがって,可動シーブホルダー80を軸方向へ移動させることで,同様に可動シーブ62を軸方向へ移動させることが可能である。
可動シーブホルダー80は,そのアーム部82が連結部材130によって第1のアクチュエータ90の出力ロッド91に連結されており,第1のアクチュエータ90の駆動で軸方向へ移動可能である。
第1のアクチュエータ90は,第2のアクチュエータ100の周囲に配置する。
図4,図8に示すように,可動シーブホルダー80のアーム部82は,リング部81の周方向の一端部から第1のアクチュエータ90側(図4において右側)に一体的に延びている。アーム部82には,第1のアクチュエータ90の出力ロッド91側に向かう,一対の凸部83,83が設けられている。
ケース40におけるアクチュエータ90の取付部にはフック部133を係脱させるためのアクチュエータ90の移動を可能とする隙間41cを設ける。
このような規制部を設けることにより,出力ロッド91が進退動する際の,連結部材130と可動シーブホルダー80との間の動力伝達箇所を,ピン結合の位置(84)と,規制部とに分散できるため,可動シーブホルダー80を傾ける方向への力を抑制することができる。
しかし,何らかの理由(たとえば第1のアクチュエータ90の制御系の故障)によって,可動シーブホルダー80が必要以上に(過度に)移動しようとすることもあるため,それを防止するために,ストッパ41s,42sが設けられている。
駆動プーリ60が回転し,その回転数が一定以上となると,その回転数に応じた遠心力が遠心ウエイト101に作用する。したがって,遠心ウエイト101は駆動プーリ60の回転数に応じてプーリ軸51から遠ざかる方向へ移動する(あるいは移動しようとする)。ここで,遠心ウエイト101が収容されている,可動シーブ62のウエイト収容部62sとランププレート110とで形成される空間S(図4参照)はプーリ軸51から遠ざかるにしたがって狭くなっているため,遠心ウエイト101は,その空間Sを広げるように作用する。ランププレート110が軸方向へ移動不能であるのに対し可動シーブ62は軸方向へ移動可能であるから,結果として,可動シーブ62が遠心ウエイト101によって移動させられることとなる。
この可動シーブ62の移動は,第1の制御機構CM1すなわち第1のアクチュエータ90における出力ロッド91の進退動によって規制される。
従動プーリ70は固定シーブ(固定半体)71と可動シーブ(可動半体)72とを備えている。
前述した駆動プーリ60と従動プーリ70とに無端状Vベルト53が掛け渡され,駆動プーリ60の回転が従動プーリ70に伝達される。従動プーリ70の回転数が所定回転数を越えると,従動プーリ70とセカンダリ軸52との間に設けられている遠心クラッチ54が接続状態となり,セカンダリ軸52が回転を始める。
したがって,セカンダリ軸52の回転は減速されて後輪軸55に伝達され,後輪軸55に取り付けられた後輪15R(図1)が駆動されることとなる。
第1のアクチュエータ90は,駆動プーリ60における可動シーブ62の低回転領域においては,第2の制御機構CM2による可動シープ62を移動させようとする力と同方向の力を生じさせるように作動し,可動シーブ62の高回転領域においては,第2の制御機構CM2による可動シープ62を移動させようとする力に対して抵抗となるように作動する。
これらのグラフにおいて,一点鎖線(CM1)は第1の制御機構CM1すなわち第1のアクチュエータ90による推力を,破線(CM2)は第2の制御機構CM2すなわち遠心ウエイト101による第2のアクチュエータ100による推力を,実線(CM1+CM2)は,それらの合力による推力を,それぞれ表している。
車速が約S3(例えば約60km/h)を超えると,エンジン回転数に応じて第2の制御機構CM2による推力が次第に増大するので,合計推力(CM1+CM2)を一定に維持すべく,第1の制御機構CM1による推力を次第に減少させる。
車速が約S4(例えば約80km/h)を超えると,エンジン回転数に応じて第2の制御機構CM2による推力が大きくなり過ぎるので,該推力を相殺して合計推力(CM1+CM2)を一定に維持すべく,第1の制御機構CM1(第1のアクチュエータ90)による推力をマイナス側へ作動させる。
車速が約S4を超えると,エンジン回転数に応じて第2の制御機構CM2による推力が大きくなり過ぎるので,該推力を相殺して合計推力(CM1+CM2)を一定に維持すべく,第1の制御機構CM1(第1のアクチュエータ90)による推力をマイナス側へ作動させる。
(a)可動シーブ62を移動させる第1のアクチュエータ90を有する第1の制御機構CM1と,この第1の制御機構CM1と協働して可動シーブ62を移動させる第2のアクチュエータ100を有する第2の制御機構CM2とを備えているので,可動シーブ62の移動は,第1のアクチュエータ90を有する第1の制御機構CM1と,第2のアクチュエータ100を有する第2の制御機構CM2との協働でなされる。
このため,可動シーブ62を移動させるための動力を大きくする場合,その動力を,第1のアクチュエータ90を有する第1の制御機構CM1と,第2のアクチュエータ100を有する第2の制御機構CM2とに分散させることができる(例えば図14(a)参照)。
したがって,可動シーブを単一のアクチュエータおよび単一の制御機構で移動させる従来の構造に比べ,可動シーブ62を移動させるための動力を大きくした場合でも,夫々のアクチュエータ90,100への負荷を減らし,各アクチュエータ90,100の大型化を抑制して,全体的にVベルト自動変速機50の小型化を図ることができる。
しかも,各アクチュエータ90,100の負荷を抑制することで,各アクチュエータの耐久性を向上させることができる。
さらに,第2のアクチュエータ100の遠心ウエイト101の重さの設定を,通常モードおよびスポーツモード(図14(a)(b)参照)の双方において,第1のアクチュエータ90の必要最大推力が略同等(約−P2〜P2)となるように設定したので,第1のアクチュエータ90および第2のアクチュエータ100をそれぞれ小型化することができる。
(b)第1のアクチュエータ90は電力により駆動され,第2のアクチュエータ100は可動シーブ62の回転に伴う遠心力により駆動される,すなわち,一方のアクチュエータ100が可動シーブ62の回転を利用した遠心力により駆動されるため,無断変速機構造全体としての電力消費を抑えてエネルギーロスを低減できる。
(c)第1のアクチュエータ90は,第2のアクチュエータ100の周囲に配置してあるので,両アクチュエータ90,100をプーリ60の回転軸51周りにコンパクトに配置しつつ,第1のアクチュエータ90の配置自由度を向上させることができる。
(d)第1のアクチュエータ90は,Vベルト53の内周位置に配置されているので,デッドスペースとなりがちなVベルト内周スペース53iを有効利用することができる。
(e)第2のアクチュエータ100は,可動シーブ62の回転軸線62c周りに配置された複数の遠心ウエイト101と,この遠心ウエイト101を可動シーブ62との間に保持し,可動シーブ62の回転に伴う遠心力で遠心ウエイト101に可動シーブ62を移動させるカム部材110とを備えているので,第2のアクチュエータ100による,可動シーブ62を移動させる力が可動シーブ62の角速度の二乗に比例して増加する。
したがって,第1のアクチュエアータ90による可動シーブ62を移動させる力を低減させ,電力消費を一層抑えることができる(例えば図14(a)における車速S3〜S4km/hの範囲参照)。
また,Vベルト自動変速機50の分解時には,遠心ウェイト101が可動シーブ62におけるウエイト収容部62sから脱落するのをカム部材110で防止できるので,整備性を向上させることができる。
(f)第1の制御機構CM1は,可動シーブ62に対しベアリング64を介して保持される可動シーブホルダー80と,この可動シーブホルダー80へ第1のアクチュエータ90の動力を伝達する動力伝達部Tとを備え,この動力伝達部Tは,可動シーブ62の回転中心62cに対して第1のアクチュエータ90側に配置されているので,動力伝達部Tを小型化して,無断変速機構造およびVベルト自動変速機の小型化を図ることができる。
(g)ベアリング64は,遠心ウエイト101の周囲に配置してあるので,ベアリング64を遠心ウエイト101の外周スペースを利用して配置でき,第1のアクチュエータ90を有する第1の制御機構CM1と第2のアクチュエータ100を有する第2の制御機構CM2とを設けたにもかかわらず,無断変速機構造およびVベルト自動変速機装置の軸方向への大型化を抑制することができる。
(h)第1のアクチュエータ90は,可動シーブ62の低回転領域(例えば図14(a)におけるN3〜N7rpmの領域参照)においては,第2の制御機構CM2による可動シープ62を移動させようとする力と同方向の力を生じさせるように作動し,可動シーブ62の高回転領域(例えば図14(a)におけるN7rpm以上の領域参照)においては,第2の制御機構CM2による可動シープを移動させようとする力に対して抵抗となるように作動する。
したがって,可動シーブ62の低回転領域においては,第1の制御機構CM1と第2の制御機構CM2とによる同一方向への力によって可動シープ62が移動するので,両制御機構によって可動シープ62を円滑に移動させることができる。
一方,可動シーブの高回転領域においては,第2の制御機構CM2による可動シープ62を移動させようとする力に対して,第1のアクチュエータ90が抵抗となるように作動するので,第2の制御機構CM2による可動シープの過度な移動すなわち,過度な変速動作を抑制することができる。
(i)遠心ウエイト101は,可動シーブ62の回転中心62cの周囲に複数個分散配置したので,可動シーブ62の半周部分が受けるベルト反力よる可動シーブ62の傾きに対する可動シーブ62の歪や第1のアクチュエータ90への負荷を低減させることができる。
この動力伝達部材80,130は,前述した従来技術におけるフォーク部材(300)とは異なり,エンジンケースに支持する必要はないので,組み付け性および組み付けスペースを改善することができる。
しかも,連結部材130と出力ロッド91の先端部との連結は,連結部材130のU溝131を介してなされるので,組み付け性を一層向上させることができる。
(k)アクチュエータ90は固定シーブ61側に配置され、出力ロッド91および連結部材130がVベルト53の走行ラインを横断して可動シーブホルダー80に連結されているので,デッドスペースとなりがちなVベルト走行ラインの内側スペース53iを有効利用できる。したがって,無断変速機構造を小型化することが可能になる。
(l)連結部材130は,可動シーブホルダー80に対して該可動シーブホルダー80における周方向の一端部(アーム部82)に連結され,かつ,U溝131を構成するフック構造を有しているので,フック構造のU溝131の開口を通して連結部材130と出力ロッド91とを容易に組立/分解できる。
(m)連結部材130のU溝131は,出力ロッド91の進退方向と交差する方向に開口するU溝であるので,出力ロッド91の進退両方向の動力を連結部材130を介して可動シーブ80に伝達できる。このため,可動シーブ80の両方向への移動制御をスムーズに行うことが可能になる。
(n)Vベルト自動変速機50はクランクケース31を覆う変速機カバーである左ケース40Lを備え、該変速機カバー40Lにアクチュエータ90を取り付けることにより,可動シーブ62に対しクランクケース31と反対側にアクチュエータ90を配置できる。このため,配置の自由度が向上し,駆動シーブ62の回転中心62cに近づけてアクチュエータ90を配置することも可能となる。したがって,無断変速機構造の一層の小型化が可能になる。
(o)アクチュエータ90を駆動シーブ62の回転中心62cに近づけて配置することにより,アクチュエータ90をピボット軸12回りに近づけて配置できるため,バネ下荷重を低減できる。
(p)連結部材130は可動シーブホルダー80に対してピン84で回動可能に連結し,可動シーブホルダー80には,連結部材130と当接して連結部材の回動を規制する規制部85,86を設けたので,連結部材130と可動シーブホルダー80との連結をピン結合にて容易に行うことができるとともに,連結部材130と可動シーブホルダー80との間の動力伝達箇所を,ピン結合の位置と,規制部85,86とに分散できるため,可動シーブホルダー80を傾ける方向への力を抑制することができる。
(q)可動シーブホルダー80の軸方向の移動を規制するストッパー41s,42sを,可動シーブホルダー80の回転中心(62c)から見て,可動シーブホルダー80と連結部材130との連結部の直ぐ近くに設けたので,可動シーブホルダー80がストッパ41s,42sに当接した際に可動シーブホルダー80に作用する捩り力を少なくすることができるとともに,ストッパ一機能部分を集約して配置し,変速装置を小型化することができる。
Claims (8)
- 固定シーブと,この固定シーブに対して移動可能な可動シーブとを有し,両シーブ間にVベルトが巻き掛けられるVベルト自動変速機用の無断変速機構造において,
前記可動シーブを移動させる第1のアクチュエータを有する第1の制御機構と,
前記第1の制御機構と協働して前記可動シーブを移動させる第2のアクチュエータを有する第2の制御機構と,
を備えたことを特徴とする無断変速機構造。 - 前記第1のアクチュエータは電力により駆動されるアクチュエータとし,前記第2のアクチュエータは前記可動シーブの回転に伴う遠心力により駆動されるアクチュエータとしたことを特徴とする請求項1記載の無断変速機構造。
- 前記第1のアクチュエータを,前記第2のアクチュエータの周囲に配置したことを特徴とする請求項2記載の無断変速機構造。
- 前記第1のアクチュエータは,前記Vベルトの内周位置に配置したことを特徴とする請求項3に記載の無断変速機構造。
- 前記第2のアクチュエータは,前記可動シーブの回転軸線周りに配置された複数の遠心ウエイトと,この遠心ウエイトを可動シーブとの間に保持し,可動シーブの回転に伴う遠心力で遠心ウエイトに可動シーブを移動させるカム部材とを備えたことを特徴とする請求項2〜4のうちいずれか一項に記載の無断変速機構造。
- 前記第1の制御機構は,前記可動シーブに対しベアリングを介して保持される可動シーブホルダーと,この可動シーブホルダーへ前記第1のアクチュエータの動力を伝達する動力伝達部とを備え,この動力伝達部は,前記可動シーブの回転中心に対して前記第1のアクチュエータ側に配置したことを特徴とする請求項1〜5のうちいずれか一項に記載の無断変速機構造。
- 前記ベアリングは,前記遠心ウエイトの周囲に配置したことを特徴とする請求項6に記載の無断変速機構造。
- 前記第1のアクチュエータは,前記可動シーブの低回転領域においては,前記第2の制御機構による前記可動シープを移動させようとする力と同方向の力を生じさせるように作動し,前記可動シーブの高回転領域においては,前記第2の制御機構による前記可動シープを移動させようとする力に対して抵抗となるように作動するアクチュエータとしたことを特徴とする請求項1〜7のうちいずれか一項に記載の無断変速機構造。
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