JP5361460B2 - Vベルト式無段変速機 - Google Patents

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Description

本発明は,Vベルト式無段変速機に関するものである。
従来,例えば特許文献1(図2〜図5)に見られるように,Vベルト式無段変速機として,プライマリ軸(11)に支持された駆動プーリ(47)と,セカンダリ軸(50)に支持された従動プーリ(52)と,これら駆動プーリ(47)と従動プーリ(52)との間に掛け渡されたVベルト(55)と,駆動プーリ(47)における可動プーリ(可動半体49)を可動プーリ(49)の軸線方向へスライドさせることでプーリ(47)の溝幅を変更する溝幅可変機構と,この溝幅可変機構を作動させる駆動モータ(81)と,この駆動モータ(81)の動力を溝幅可変機構へ伝達する動力伝達部とを備えたVベルト式無段変速機が知られている。
特開2006−153057号公報
上述した従来のVベルト式無段変速機では,駆動モータ(81)の動力を溝幅可変機構へ伝達する動力伝達部が,減速歯車機構(82)とネジ式のスライダー機構(71)とで構成されていた。
このため,動力伝達部には複数のギアおよびその軸受部材等を設ける必要があり,結果として動力伝達部が大型化するという課題を有していた。
本発明の目的は,上記課題を解決し,動力伝達部を小型化できるVベルト式無段変速機を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明のVベルト式無段変速機は,第1のプーリ軸であるプライマリ軸に支持された駆動プーリと,第2のプーリ軸であるセカンダリ軸に支持された従動プーリと,これら駆動プーリと従動プーリとの間に架け渡されたVベルトと,前記駆動プーリおよび/または従動プーリにおける可動プーリを該可動プーリの軸線方向へスライドさせることでプーリの溝幅を変更する溝幅可変機構と,この溝幅可変機構を作動させる駆動ユニットと,この駆動ユニットの動力を前記溝幅可変機構へ伝達する動力伝達部とを備えたVベルト式無段変速機であって,
前記駆動ユニットは,進退動する出力軸を備え,
前記動力伝達部は,前記プーリ軸と平行で別な支持軸によって回動可能に支持され,前記出力軸と連動して回動することで前記可動プーリをスライドさせる回動部材を有するとともに、
前記動力伝達部は,前記回動部材と前記可動プーリのうち回動部材に設けられたカムと,該カムと当接する,可動プーリに設けられたカムフォロアとを有し,カムとカムフォロアとの当接部が,前記可動プーリと該可動プーリが取り付けられるプーリ軸を支持する軸受部との間において該軸受部に隣接して配置され、
前記駆動ユニットは、モータと、該モータの動力を前記出力軸へ伝達する減速ギア列とを有し、モータの軸線および減速ギア列におけるギアの軸線がいずれも前記プーリ軸と直交方向に配置され、前記駆動ユニットは前記回動部材とともに前記可動プーリに隣接して配置されていることを特徴とする。
このVベルト式無段変速機によれば,駆動ユニットの出力軸の進退動で動力伝達部の回動部材が回動し,これによって可動プーリがスライドするので,従来技術の動力伝達部では必要とされた複数のギアおよびその軸受部材を設ける必要がなくなる。このため,従来技術に比べて,動力伝達部の構造を著しく簡素化することができ,したがって小型化を図ることが可能となる。結果として,Vベルト式無段変速機全体を小型化することが可能となる。
しかも,回動部材の支持軸は,プーリ軸と平行なので,支持軸を容易に構成することができる。回動部材の支持軸はプーリ軸と直交するように構成することも可能であるが,そのように構成すると,支持軸の構成が困難になる。例えば無段変速機のケースを作製する上で,支持軸の構成が困難になる。
これに対し,回動部材の支持軸を,プーリ軸と平行に配置することで,支持軸を容易に構成することが可能となる。
また、前記動力伝達部は,前記回動部材と前記可動プーリのうちの回動部材に設けられたカムと,該カムと当接する,可動プーリに設けられたカムフォロアとを有し,カムとカムフォロアとの当接部が,前記可動プーリと該可動プーリが取り付けられるプーリ軸を支持する軸受部との間において該軸受部に隣接して配置されている構成となっているので、カムとカムフォロアとの当接により可動プーリがスライドする際に,プーリ軸に対し,該プーリ軸と直交する方向の力が作用したとしても,プーリ軸が撓みにくくなって可動プーリが円滑にスライドしやすくなる。
本発明に係るVベルト式無段変速機の一実施の形態を用いた一例としてのスクータ型の自動二輪車を示す側面図。 は同自動二輪車におけるVベルト式無段変速機を備えたパワーユニットの側面図。 図2における部分省略III−III断面図。 (a)は図3の部分拡大図,(b)は図(a)におけるb−b端面図。 図3における部分省略V矢視図。 トルク伝達部110の要部を示す分解斜視図。 他の実施の形態の要部を示す平断面図。
以下,本発明に係るVベルト式無段変速機の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明に係るVベルト式無段変速機の一実施の形態を用いた一例としてのスクータ型の自動二輪車を示す側面図,図2は同自動二輪車におけるVベルト式無段変速機を備えたパワーユニットの側面図,図3は図2における部分省略III−III断面図である。
図1に示すように,この自動二輪車10は,車体フレーム11の後部に,ピボット軸12とリアクッションユニット13とでパワーユニット(スイングユニット)20を車体フレーム11に対しピボット軸12回りに揺動自在に懸架した車両である。ヘッドパイプ11hに操舵自在にフロントフォーク14を取り付け,このフロントフォーク14の下端に前輪15Fを取り付けてある。フロントフォーク14の上部にはステアリングハンドル15を取り付けてある。
車体フレーム11は後部に左右一対のシートフレーム11s(一方のみ図示)を有している。このシートフレーム11s上に乗員が跨って座るシート16が設けられ,このシート16の下方に,上方へ開口する収納ボックス17が設けられている。収納ボックス17の後方には燃料タンク18が配置されている。
パワーユニット(スイングユニット)20は,駆動源としてのエンジン30と,このエンジン30の後方に設けられている変速機ケース40とを有している。変速機ケース40には,エンジン30の駆動力を後輪15Rに伝達するVベルト式無段変速機50が内蔵されている。パワーユニット20は車体フレーム11の後端部に揺動自在に取り付けられており,エンジン30の動力が変速機ケース40内のVベルト式無段変速機50を介して後輪15Rに伝達される。したがって,パワーユニット20はリヤスイングアームを兼ねている。
主として図3に示すように,エンジン30は,クランクケース31と,シリンダブロック32と,シリンダヘッド33と,シリンダヘッドカバー34とを有している。クランクケース31の前端に前方略水平方向に指向したシリンダブロック32が結合され,同シリンダブロック32の前端にシリンダヘッド33が結合され,同シリンダヘッド33の前端にシリンダヘッドカバー34が結合されている。
クランクケース31に保持されたボールベアリング31b,31bでクランク軸31cが回転可能に支持され,シリンダブロック32内にピストン32pが摺動可能に設けられている。クランク軸31cとピストン32pとがコンロッド32cで連結されており,ピストン32pの往復動でクランク軸31cが回転する。クランク軸31cは後述するプライマリ軸(駆動軸)51を構成する。シリンダヘッド33には,燃焼室33cに連通する吸気管35(図1)と排気管36(図1)が接続されている。図2に示すように吸気管35には,燃料供給装置35aおよびエアクリーナ35cが接続されている。排気装置36には,消音器(図示せず)が接続される。
図3において,30pは点火プラグ,30cはシリンダヘッドカバー34内に設けられ,クランク軸31cからチェーンcを介して回転駆動される動弁用カム軸,31gはクランクケースカバー31e内においてクランク軸31c回りに設けられたステータとクランク軸31cに固定されたロータとを有する発電機である。
図3に示すように変速機ケース(単にケースともいう)40は,前述したパワーユニット20の一部をなすケースとして構成されている。このケース40は,右ケース40Rとこれに結合された左ケース40Lとを有している。右ケース40Rは上記クランクケース31と一体に製作されている。右ケース40Rの後部には,セカンダリ軸(従動軸)52の回転を減速して後輪軸55に伝達するギアボックス(40G)を構成するギアボックスカバー40Cが結合されている。
図4は図3の部分拡大図,図5は図3における部分省略V矢視図である。
主として図3に示すように,Vベルト式無段変速機50は,第1のプーリ軸であるプライマリ軸(駆動軸)51に支持された駆動プーリ60と,第2のプーリ軸であるセカンダリ軸(従動軸)52に支持された従動プーリ70と,これら駆動プーリ60と従動プーリ70との間に掛け渡されたVベルト53とを有している。また,このVベルト式無段変速機50は,前記駆動プーリ60,従動プーリ70,およびVベルト53を収容するケース40と,前記駆動プーリ60の溝幅を変更する溝幅可変機構80(図4)と,この溝幅可変機構80を作動させる駆動ユニット90と,この駆動ユニット90の動力を前記溝幅可変機構80へ伝達する動力伝達部100とを備えている。
なお,溝幅可変機構80(したがってその動力伝達部100等も)は,駆動プーリ60の溝幅に代えて従動プーリ70の溝幅を変更するように構成することもできるし,駆動プーリ60の溝幅と従動プーリ70の溝幅とを変更するように構成することもできる。したがって,本願において「プーリ軸」といった場合,第1および/または第2のプーリ軸を意味する。
以下,Vベルト式無段変速機50の構成について順次説明する。
図3,図4に示すように,この実施の形態において,駆動軸(プライマリ軸)51は前述したようにクランク軸31cによって構成されている。
プライマリ軸51は,軸受部材であるベアリング31b,31bで両端支持される大径部51aと,この大径部51aに段部51dを介して設けられていて駆動プーリ60における可動プーリ62の支持部を構成する小径部51bとを有している。
図4に示すように,駆動プーリ60には,溝幅可変機構80が設けられている。
駆動プーリ60はプライマリ軸(プーリ軸)51の軸方向に移動しない固定プーリ(固定半体)61と,プライマリ軸51に対し軸方向に移動可能で相対回転不能に取り付けられた可動プーリ(可動半体)62とを有している。
溝幅可変機構80は,可動プーリ62をプーリ軸51における可動プーリ62の支持部51bに沿って軸方向へスライドさせることでプーリ60の溝幅すなわち固定プーリ61と可動プーリ62との間隔を変更するための機構である。
溝幅可変機構80は,プーリ軸51に対し相対回転不能に設けられたトルク伝達部110と,可動プーリ62に設けられていて,トルク伝達部110との間でトルク伝達がなされるボス部63とを有している。
図6はトルク伝達部110の要部を示す分解斜視図である。
図4〜図6に示すように,トルク伝達部110は,プーリ軸51の半径方向へ伸びる半径方向部分111と,この半径方向部分111に一体に設けられていて,軸線方向に伸びる軸線方向部分112とを有している。軸線方向部分112は,可動プーリ62の,プーリ軸51における可動プーリ62の支持部51bとの対向面(この実施の形態ではボス部63の内周面)63aより半径方向に関して外側に位置している。軸線方向部分112は複数(この実施の形態では周方向に等ピッチで3個)設けてある。
トルク伝達部110はプライマリ軸51と一体に形成することもできるが,この実施の形態では,トルク伝達部110は,プーリ軸51と別体の部材(この部材をトルク伝達部材ともいう)で構成してある。
トルク伝達部110の半径方向部分111は円板状部分111aを半径方向へ3箇所で放射状に延設し,その延設部の先端にそれぞれ軸線方向部分112を一体的に形成した形状となっている。
可動プーリ62のボス部63には,トルク伝達部110の軸線方向部分112との間でトルク伝達がなされるトルク伝達面64が設けられている。このトルク伝達面64は軸線方向部分112に対し軸線方向へ相対移動可能である。
可動プーリ62のボス部63には,トルク伝達部110の軸線方向部分112が挿入される穴65が設けられている。この穴65は横断面扇形であり軸線方向部分112の横断面と対応し,略合致している。この穴65の円周方向における端面がトルク伝達面64を形成している。軸線方向部分112はボス部63の穴65に挿入された状態で,上述したように,ボス部63の内周面63aより半径方向に関して外側に位置する。
トルク伝達部110の軸線方向部分112と,ボス部63におけるトルク伝達面64との間には,合成樹脂製(例えばポリアミド樹脂(例えばPA66)に硬化材(例えばカーボン)を混合させて所望の硬度とした材料)の緩衝部材66が設けられる。
緩衝部材66は,トルク伝達部110における軸線方向部分112の先端部内側に装着されるもので,軸線方向部分112の先端部に適合した形状を有している。図6に示す緩衝部材66は,湾曲状の内周壁部66aと,両側壁部66b,66bと,底壁部66cと,内周壁部66aにおいて半径方向外方へ向けて突出した突起66dとを有する一体成型品である。
トルク伝達部110の軸線方向部分112には穴112dが設けられている。
緩衝部材66は,内周壁部66aの突起66dを軸線方向部分112の穴112dに嵌め合わせるようにして,内周壁部66aを軸線方向部分112の先端部分の内側に接合させることで軸線方向部分112の先端部分に装着される。
軸線方向部分112は緩衝部材66が装着された状態で緩衝部材66とともにボス部63の穴65に挿入される。緩衝部材66が穴65に挿入された状態では,緩衝部材66の側壁部66bにおける外側面66b1がボス部63におけるトルク伝達面64と当接するトルク伝達面を構成する。
緩衝部材66は軸線方向部分112とともにボス部63の穴65内を軸線方向へスライド可能であるが,緩衝部材66の突起66dと軸線方向部分112の穴112dとが係合しているので,軸線方向部分112がスライドしても緩衝部材66が軸線方向部分112から外れることはない。
なお,図6においては,緩衝部材66を,軸線方向部分112の先端部内側に装着する構成を示してあるが,緩衝部材66は軸線方向部分112の先端部外側に装着する構成とすることもできる。また,軸線方向部分112には緩衝部材66を装着しない構成とすることもでき,その場合には,軸線方向部分112の側面が,ボス部63におけるトルク伝達面64と当接するトルク伝達面を構成する。
図5,図6において,67は円筒部材である。この円筒部材67は,可動プーリ62のボス部63に挿通されかつプーリ軸51の小径部51bに装着される。図4に示すように,小径部51bの先端にはダブルナット68が装着され,このダブルナット68により,プライマリ軸51の段部51dとの間に,トルク伝達部材110,円筒部材67,および固定プーリ61が共締めされて,小径部51b上に固定される。すなわち,トルク伝達部材110は,半径方向部分111が,円筒部材67の一端部67aと,前記段部51dとで挟持されることで,プーリ軸51に対し相対回転不能に固定される。また,固定プーリ61は,円筒部材67の他端部67bと,ダブルナット68とで挟持されることで,プーリ軸51に対し相対回転不能に固定される。
可動プーリ62は,上述したように,ボス部63の穴65にトルク伝達部110の軸線方向部分112が挿入されることにより,プーリ軸51に対し相対回転不能かつスライド可能に装着される。
図4,図5に示すように,可動プーリ62のボス部63の外周には,該可動プーリ62をスライドさせるための回動部材120が配置される。回動部材120については,動力伝達部100とともに後に詳しく説明する。
図4,図5に示すように,駆動ユニット90は,駆動源であるモータ(サーボモータ)M(図5)が収容されたモータ部M1(図4)と,モータMの動力により作動する該駆動ユニット90の出力部をなす出力軸91とを備え,この出力軸91が前記プライマリ軸51と直交方向へ向けて配置されている。
駆動ユニット90は,モータMの動力を出力軸91へ伝達する減速ギア列92を備えている。減速ギア列92の最終段のギア92eには同心状にボールネジ(雄ネジ)93が結合されている。出力軸91の基部側は円筒状に形成され,その内面にボールネジ(雌ネジ)91bが形成されていて,この雌ネジ91bが,ボールネジ(雄ネジ)93に螺合している。したがって,モータMの駆動で減速ギア列92を介してボールネジ93が回転すると,その回転方向に応じて出力軸91が,その軸線方向(図5における矢印Y1,Y2方向)へ進退動する。
駆動ユニット90は,減速ギア列92を収容したギアケース94を,変速機ケース40に設けた取付部41(図3)とシリンダブロック32に設けた取付部42にネジ95で締め付けることでパワーユニット20に固定されている。図3において32aは,取付部42の固定部である。
図2に示すように,ピボット軸12は,クランク軸51(31c)の軸線方向から見てクランク軸51の中心よりも上方かつ前方に設け,クランク軸51を備えるエンジン30のシリンダ(シリンダブロック32等)を変速機ケース40の前部から前方へ向けて設けるとともに,駆動ユニット90をシリンダの側方に配置してある。
図4,図5に示すように,動力伝達部100は,駆動ユニット90の動力を前記溝幅可変機構80へ伝達するためのもので,上記回動部材120を有している。
回動部材120は,プーリ軸51と平行な支持軸121によって回動可能に支持され,駆動ユニット90の出力軸91と連動して回動することで可動プーリ62をスライドさせる。この実施の形態では,支持軸121は,シリンダブロック32の雌ネジ穴32sにネジ結合させたボルトによって構成されている。
回動部材120の一端122はピン123で駆動ユニット90の出力軸91に連結されている。回動部材120の他端124には図4(b)にも示すようにカム125が設けられている。
一方,図4,図5に示すように,可動プーリ62のボス部63の外周には,ベアリング69がボス部63の軸線方向にスライド不能に固定されている。このベアリング69の外周には同じく軸線方向にスライド不能に係合リング130が固定されている。係合リング130の外周において,上記回動部材120のカム125との対向部にはカムフォロアとしてのコロ131がピン132で回転可能に設けられている。また,係合リング130の外周部において,上記コロ131に対し,プーリ軸51を挟んで対向する位置には,穴133が設けられており,この穴133にガイドピン134が挿入されている。ガイドピン134は変速機ケース40に固定されている(図3参照)。なお,回動部材120と出力軸91との連結部,回動部材120,および回動部材120とコロ131との連動部は,カバー(図示せず)で覆われている。
駆動ユニット90の出力軸91が進退動し,これに応じて回動部材120が支持軸121回りに回動すると,カム125とコロ131との当接により,また,穴133がガイドピン134で案内されることで,係合リング130がプーリ軸51の軸方向へスライドし,これによって,可動プーリ62がプーリ軸51の軸方向へスライドすることとなる。
具体的には,出力軸91が図5において矢印Y1方向へ突出すると,回動部材120が図5において反時計方向へ回動し(仮想線参照),図4において可動プーリ62が矢印X1方向へスライドする。逆に,出力軸91が図5において矢印Y2方向へ移動すると,回動部材120が図5において時計方向へ回動し(実線参照),図4において可動プーリ62が矢印X2方向へスライドする。
カム125とカムフォロア131との当接部は,図4に示すように,可動プーリ62の軸線方向に関し,可動プーリ62と該可動プーリ62が取り付けられるプーリ軸51を支持する軸受部31bとの間において該軸受部31bに隣接して配置してある。すなわち,カム125とカムフォロア131との当接部は,軸受部31bにできるだけ近づけて配置してある。
なお,この実施の形態では,回動部材120にカムを,可動プーリ62にカムフォロアであるコロを設けたが,回動部材120にコロを,可動プーリ62にカムを設けても同様の作動を得ることができる。
図3に示すように,Vベルト式無段変速機50の従動軸であるセカンダリ軸52は,上記ケース40の左ケース40Lおよびギアボックスカバー40Cに回転自在に支持されている。このセカンダリ軸52に遠心クラッチ54を介して従動プーリ70が設けてある。
従動プーリ70は固定プーリ(固定半体)71と可動プーリ(可動半体)72とを備えている。上記駆動プーリ60と従動プーリ70とに無端状Vベルト53が掛け渡され,駆動プーリ60の回転が従動プーリ70に伝達される。従動プーリ70の回転数が所定回転数を越えると,従動プーリ70とセカンダリ軸52との間に設けられている遠心クラッチ54が接続状態となり,セカンダリ軸52が回転を始める。
セカンダリ軸52の回転を減速して後輪軸55に伝達するギア列(ギアボックス)40Gは,セカンダリ軸52に設けられたギア52gと,このギア52gに噛み合う大径のギア141と,この大ギア141より小径で大ギア141とともに回転する小ギア142と,この小ギア142と噛み合う大ギア143とを有している。大ギア143は後輪軸55に相対回転不能に取り付けられている。
したがって,セカンダリ軸52の回転は減速されて後輪軸55に伝達され,後輪軸55に取り付けられた後輪15R(図1)が駆動されることとなる。
従動プーリ70における可動プーリ72は,セカンダリ軸52に対し軸方向に移動自在に装着されている。可動プーリ72は,コイルスプリング73によって固定プーリ71に接近する方向に付勢されており,Vベルト53に作用する張力に応じて,軸方向に移動する。すなわち,駆動プーリ60の可動プーリ62が溝幅を狭める方向に変位して,駆動プーリ60へのVベルト53の巻き掛け径が大きくなると,その分,従動プーリ70に巻き掛けられているVベルト53が駆動プーリ60側に引かれてVベルト53に作用する張力が大きくなり,この張力の増大で従動プーリ70の可動プーリ72は溝幅を広げる方向に変位し,従動プーリ70へのVベルト53の巻き掛け径が小さくなってセカンダリ軸52が高速で回転する。駆動プーリ60の可動プーリ62が溝幅を広める方向に変位した場合には,逆に作動し,セカンダリ軸52が低速で回転する。
図示しない制御部による制御で駆動ユニット90が作動し,図5において出力軸91が矢印Y1方向へ突出して可動プーリ62がX1方向へスライドすると,固定プーリ61と可動プーリ62との間隔が広くなってVベルト53の駆動プーリ60への巻き掛け径が小さくなるとともに従動プーリ70へのVベルト53の巻き掛け径が大きくなり,高負荷にも耐えられるように後輪15Rが低速で回転駆動されることとなる。逆に,出力軸91が矢印Y2方向へ移動して可動プーリ62がX2方向へスライドすると,固定プーリ61と可動プーリ62との間隔が狭くなってVベルト53の駆動プーリ60への巻き掛け径が大きくなるとともに従動プーリ70へのVベルト53の巻き掛け径が小さくなり,後輪15Rが高速で回転駆動されることとなる。
以上のようなVベルト式無段変速機50によれば次のような作用効果が得られる。
(a)駆動ユニット90の出力軸91の進退動で動力伝達部100の回動部材120が回動し,これによって可動プーリ62がスライドするので,従来技術の動力伝達部では必要とされた複数のギアおよびその軸受部材を設ける必要がなくなる。このため,従来技術に比べて,動力伝達部100の構造を著しく簡素化することができ,したがって小型化を図ることが可能となる。結果として,Vベルト式無段変速機全体を小型化することが可能となる。
しかも,回動部材120の支持軸121は,プーリ軸51と平行なので,加工精度を向上させることができ,プーリ軸51の倒れ方向への力が作用することを軽減させることができる。したがって,可動プーリ62のスライドを円滑にし,モータMの負荷を軽減することができる。また,回動部材120の支持軸121はプーリ軸51と平行なので,回動部材120のプーリ軸51の軸方向への揺動範囲を小さくし,プーリ軸51の軸方向への動力伝達部100(したがってVベルト式無段変速機50)の大型化を防止することができる。同時に,ケース開口を小さくできるので,変速機ケース40の剛性を確保することができる。
(b)動力伝達部100は,回動部材120と可動プーリ62のうちの一方に設けられたカム125と,該カム125と当接する,他方に設けられたカムフォロア131とを有し,カム125とカムフォロア131との当接部が,可動プーリ62と該可動プーリ62が取り付けられるプーリ軸51を支持する軸受部31bとの間において該軸受部31bに隣接して配置されているので,カムとカムフォロアとの当接により可動プーリ62がスライドする際に,プーリ軸51に対し,該プーリ軸51と直交する方向の力が作用したとしても,プーリ軸51が撓みにくくなって可動プーリ51が円滑にスライドしやすくなる。
図7は他の実施の形態の要部を示す平断面図である。
この実施の形態が,上述した実施の形態と異なる点は,支持軸121の取付用雌ネジ穴32sを変速機ケース40(右ケース40R)に設けた点にあり,その他の点に変わりはない。
この実施の形態によると,支持軸121の取付用雌ネジ穴32s,プーリ軸51の支持穴51h,シール51sの支持穴51f,およびガイドピン134の支持穴134aを同一部材に平行に配置することで,これらの穴の加工精度を向上させることができ,可動プーリ62をスライドさせる際にプーリ軸51の倒れ方向への力が作用することを一層軽減させることができる。したがって,可動プーリ62のスライドをより円滑にし,モータMの負荷を一層軽減することができる。
以上,本発明の実施の形態について説明したが,本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく,本発明の要旨の範囲内において適宜変形実施可能である。
31b 軸受部,40 変速機ケース,50 Vベルト式無段変速機,51 クランク軸,52 従動軸,53 Vベルト,60 駆動プーリ,62 可動プーリ,70 従動プーリ,80 溝幅可変機構,90 駆動ユニット,91 出力軸,100 動力伝達部,120 回動部材,121 支持軸,125 カム125,131 コロ(カムフォロア)。

Claims (1)

  1. 第1のプーリ軸であるプライマリ軸に支持された駆動プーリと,第2のプーリ軸であるセカンダリ軸に支持された従動プーリと,これら駆動プーリと従動プーリとの間に架け渡されたVベルトと,前記駆動プーリおよび/または従動プーリにおける可動プーリを該可動プーリの軸線方向へスライドさせることでプーリの溝幅を変更する溝幅可変機構と,この溝幅可変機構を作動させる駆動ユニットと,この駆動ユニットの動力を前記溝幅可変機構へ伝達する動力伝達部とを備えたVベルト式無段変速機であって,
    前記駆動ユニットは,進退動する出力軸を備え,
    前記動力伝達部は,前記プーリ軸と平行で別な支持軸によって回動可能に支持され,前記出力軸と連動して回動することで前記可動プーリをスライドさせる回動部材を有するとともに、
    前記動力伝達部は,前記回動部材と前記可動プーリのうち回動部材に設けられたカムと,該カムと当接する,可動プーリに設けられたカムフォロアとを有し,カムとカムフォロアとの当接部が,前記可動プーリと該可動プーリが取り付けられるプーリ軸を支持する軸受部との間において該軸受部に隣接して配置され、
    前記駆動ユニットは、モータと、該モータの動力を前記出力軸へ伝達する減速ギア列とを有し、モータの軸線および減速ギア列におけるギアの軸線がいずれも前記プーリ軸と直交方向に配置され、前記駆動ユニットは前記回動部材とともに前記可動プーリに隣接して配置されていることを特徴とするVベルト式無段変速機。
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