JP2012046683A - ギヤ油組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 潤滑性と酸化安定性を有するギヤ油組成物を得るようにする。
【解決手段】 基油にポリスルフィド化合物を配合する。ポリスルフィド化合物としてジスルフィド化合物,トリスルフィド化合物,テトラスルフィド化合物,ペンタスルフィド化合物を併用する。各スルフィド化合物の組成比率を、各スルフィド化合物の活性度と、各スルフィド化合物の銅金属に対する銅板の腐食減量とに基づいて定める。これにより、容易かつ簡便にAPIサービス分類におけるGL−5のギヤ油組成物を得ることができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、低粘度でありながら、潤滑性、酸化安定性及び極圧性に優れたギア油組成物に関する。
自動車用ギア油分野では、昨今のエンジンオイルの動向と同じように、ロングドレーン性に加えて省燃費化が大事な要求性能の項目になっている。省燃費化を図るためには、摩擦を下げるための低粘度化が1つのポイントになる。
一般に、低粘度化すると極圧性や耐摩耗性が低下する傾向となるから、これを解決するために、極圧剤の活性を上げるか、或いは極圧剤の量を増やすのが一番効果的であるが、一方では酸化安定性が悪化してしまうこととなる。そして、極圧剤の活性を下げるか、或いは極圧剤の量を減らすと、極圧性や耐摩耗性が下がってしまうという悪循環が見られる。
上記した極圧剤における問題点の根本的な原因は極圧剤の活性、すなわち分解温度によるものと考えられる。活性度が高いとより低温側で分解が始まり、潤滑油の酸化安定性を悪くし、粘度変化、酸価増加、あるいは不溶解分の増加、特に銅腐食傾向の悪化が顕著である。
一方で、活性度を下げると、低温側では分解が起きず、高温側で分解が始まるようになり、熱・酸化安定性が増して前述のような性状の変化が小さいが、耐焼付き性や耐摩耗性が大幅に低下することとなる。従って、活性度のコントロールが非常に難しい。
こうしたことから、先に、出願人らは、適当な極圧性能を得るためにジアルキルトリサルファイドを使用したギヤ油組成物を提供した。(特許文献1)
特開2000−328084号公報
本発明は、硫黄化合物であるポリスルフィド化合物の構造と活性度に着目して、ギヤ油組成物として適切な極圧性と酸化安定性を備えるものを的確に得ようとするものである。
一般に、硫化物であるポリスルフィド化合物は、ジスルフィド、トリスルフィド、テトラスルフィド、ペンタスルフィド、ヘキサスルフィドおよびそれ以上と、硫黄-硫黄結合の数が増えていくにつれて、硫化程度が進み、次第に低温での硫化物の分解が始まり、酸化安定性が悪くなる。
一方では、硫黄-硫黄結合の数が増えていくにつれて、分解が起きやすくなり、金属表面でのしゅう動によって起るミクロでの焼付きによる温度上昇により、効果的にスルフィド化合物が分解して、金属表面に硫化鉄の反応被膜が形成されて焼き付きや摩耗を防ぐことが出来るようになる。
ポリスルフィド化合物のこうした性質から、複数のポリスルフィド化合物の組成比率を、ポリスルフィド化合物の活性度と、ポリスルフィド化合物の銅金属に対する腐食程度に着目して個々のスルフィド化合物による銅板腐食指数とに基づいて採択することにより、API(American Petroleum Institute)サービス分類におけるGL−5の所望の極圧性と潤滑性と酸化安定性を有するギヤ油組成物が容易に得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、鉱油及び/または合成油の基油に、ポリスルフィド化合物を含むギヤ油組成物であって、このポリスルフィド化合物を構成するジスルフィド化合物、トリスルフィド化合物、テトラスルフィド化合物、ペンタスルフィド化合物の各構成比率(S2,S3,S4,S5)(wt%)の合計が
「S2wt%+S3wt%+S4wt%+S5wt%=100wt%」
であり、上記ポリスルフィド化合物の硫黄分の合計がギヤ油組成物中の1.4〜1.8wt%の範囲にする。
そして、上記ジスルフィド化合物、トリスルフィド化合物、テトラスルフィド化合物、ペンタスルフィド化合物の各々についての銅板腐食性試験(JIS K 2513準拠:150℃で8時間)を行ったときの各腐食減量〔腐食減量(mg)=試験前の銅版重量−試験後の銅版重量〕を夫々W2、W3、W4、W5とするときに、「〔(S2×W2)+(S3×W3)+(S4×W4)+(S5×W5)〕/100=12±3」の式が成立するようにして、APIサービス分類のGL−5に相当するギヤ油組成物とするものである。
また、りん酸エステル、亜りん酸エステル、りん酸エステルのアルキルアミン塩、酸性チオリン酸エステル、酸性ジチオリン酸エステル又はこれらのアルキルアミン塩の1種以上から選択されるリン化合物及びチオリン酸エステル化合物の少なくとも一種以上を、ギヤ油組成物中にリン含量として0.08〜0.12wt%含有させるようにするものである。
上記した如く、各ポリスルフィド化合物の活性を示す、銅金属に対する腐食程度に着目し、個々の硫黄化合物の銅版腐食指数を算出し、複数のスルフィド化合物を配合して、その配合比率と銅板腐食指数の積を合計した総合の活性度指数の大小によって、所望の極圧性と酸化安定性を得ることが可能となった。
これにより、低粘度であって、極圧性、耐摩耗性、酸化安定性などを下げずに、良好なバランスの取れたギヤ油組成物を確実かつ容易に得ることができるものである。
本発明における基油には、通常の潤滑油に使用される鉱油、合成油、またはこれらの混合油を使用することができ、特に、API(American Petroleum Institute;米国石油協会)基油カテゴリーでグループ1、グループ2、グループ3、グループ4に属する基油を単独でまたは混合物として使用することができる。
グループ1基油には、例えば、原油を常圧蒸留して得られる潤滑油留分に対して、溶剤精製、水素化精製、脱ろうなどの精製手段を適宜組合せて適用することにより得られるパラフィン系鉱油がある。粘度指数は80〜120未満、好ましくは95〜110がよい。100℃における動粘度は、好ましくは2〜30mm/s、より好ましくは3〜24mm/sである。また全硫黄分は1.5質量%未満、好ましくは1.0質量%未満がよい。全窒素分も50ppm未満、好ましくは25ppm未満がよい。さらにアニリン点は80〜150℃、好ましくは90〜120℃のものを使用するのがよい。
グループ2基油には、例えば、原油を常圧蒸留して得られる潤滑油留分に対して、水素化分解、脱ろうなどの精製手段を適宜組合せて適用することにより得られたパラフィン系鉱油がある。ガルフ社法などの水素化精製法により精製されたグループ2基油は、全硫黄分が10ppm未満、アロマ分が5%以下であり、本発明において好適に用いることができる。これらの基油の粘度は特に制限されないが、粘度指数は80〜120、好ましくは100〜120がよい。100℃における動粘度は、好ましくは2〜30mm/s、より好ましくは3〜24mm/sである。また全硫黄分は300ppm未満、好ましくは50ppm未満、更に好ましくは10ppm未満がよい。全窒素分も10ppm未満、好ましくは1ppm未満がよい。さらにアニリン点は80〜150℃、好ましくは100〜135℃のものを使用するのがよい。
グループ3基油には、例えば、原油を常圧蒸留して得られる潤滑油留分に対して、高度水素化精製により製造されるパラフィン系鉱油や、天然ガスの液体燃料化技術のフィッシャートロプッシュ法により合成されたGTL(ガストゥリキッド)、ワックスおよび脱ろうプロセスにて生成されるワックスをイソパラフィンに変換・脱ろうするISODEWAXプロセスにより精製された基油や、モービルWAX異性化プロセスにより精製された基油などがあり、これらも本発明において好適に用いることができる。これらの基油の粘度は特に制限されないが、粘度指数は100以上、好ましくは100〜140がよい。100℃における動粘度は、好ましくは2〜30mm/s、より好ましくは3〜24mm/sである。また全硫黄分は、100ppm未満、好ましくは10ppm未満がよい。全窒素分も10ppm未満、好ましくは1ppm未満がよい。さらにアニリン点は80〜150℃、好ましくは110〜135℃のものを使用するのがよい。
グループ4基油としては、ポリオレフィンが挙げられる。該ポリオレフィンには、各種オレフィンの重合物、またはこれらの水素化物が含まれる。オレフィンとしては任意のものが用いられるが、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、炭素数5以上のα−オレフィンなどが挙げられる。ポリオレフィンの製造にあたっては、上記オレフィンの1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。特にポリ−α−オレフィン(PAO)と呼ばれているポリオレフィンが好適である。これら合成基油の粘度は特に制限されないが、100℃における動粘度は、好ましくは2〜30mm/s、より好ましくは3〜24mm/sである。
本発明に使用されるポリスルフィド化合物は、下記一般式(1)で示されるものである。
(化1)
A−S−A (1)
上記一般式(1)中、Aは、アルキル基,アルコキシ基,アルコキシアルキル基,アシロキシ基,アシロキシアルキル基,アリーロキシ基,アリーロキシアルキル基などが各々独立して用いられる。具体的には、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、プロペニル基、ブテニル基、ベンジル基、フェニル基、トリル基、ヘキシルフェニル基などがある。xは2〜5の整数である。
こうしたポリスルフィド化合物をとしては、上記の如くジスルフィド化合物、トリスルフィド化合物、テトラスルフィド化合物、ペンタスルフィド化合物があり、例えば、ジイソブチルジスルフィド、ジイソブチルトリスルフィド、ジイソブチルテトラスルフィド、ジイソブチルペンタスルフィド、ジ-t-ブチルジスルフィド、ジ-t-ブチルトリスルフィド、ジ-t-ブチルテトラスルフィド、ジ-t-ブチルペンタスルフィド、ジオクチルポリ(2〜5)スルフィド、ジ−t−ノニルポリ(2〜5)スルフィド、ジ−t−ブチルポリスルフィド、ジ−t−ベンジルポリ(2〜5)スルフィドなどがある。
特に好ましいものとしては、ジ-t-ブチルジスルフィド、ジ-t-ブチルトリスルフィド、ジ-t-ブチルテトラスルフィド及びジ-t-ブチルペンタスルフィドがある。
本発明においては、上記ポリスルフィド化合物であるジスルフィド化合物、トリスルフィド化合物、テトラスルフィド化合物、ペンタスルフィド化合物を併用するものであって、ジスルフィド化合物の構成比率をS2wt%とし、トリスルフィド化合物の構成比率をS3wt%とし、テトラスルフィド化合物の構成比率をS4wt%とし、ペンタスルフィド化合物の構成比率をS5wt%としたときに、
S2wt%+S3wt%+S4wt%+S5wt%=100wt%
の式が成立するように構成比率を決めるものである。なお、上記各構成比率の2つ以下
が0wt%の場合があってもよい。
そして、上記ポリスルフィド化合物に基づく硫黄分は、その合計量がギヤ油組成物中において1.4〜1.8wt%の範囲に入るようにする。
上記ポリスルフィド化合物の構成比率を決定する因子として、ジスルフィド化合物、トリスルフィド化合物、テトラスルフィド化合物、ペンタスルフィド化合物の各々の化合物における銅板腐食性試験における腐食減量(mg)の数値がある。
銅板腐食性試験は、硫黄による銅系金属への腐食傾向を見るために行われる試験であって、JIS K 2513(石油製品−銅板腐食試験方法)に準拠して行ったものである。
試験用のよく磨いた銅板を試験管に30ml採った各ポリスルフィド化合物の硫黄分を1.4〜1.8wt%になるように基油に添加した試料中に完全に浸漬し、試験温度を150±1℃とし、試験時間を8時間±5分として恒温槽中に保持した後に、以下の処理を行う。
上記試験管を恒温槽から取り出し、試験管内の試料と銅板をビーカーに静かに移す。直ちに銅板をステンレス鋼製のピンセットでつまみ出し、新しい試料中に浸した後、洗浄用溶剤に浸して、銅板に付着した試料を洗い落とす。次に適当量の洗浄用溶剤を入れた試験管内に銅板を入れ、超音波洗浄器(出力200W 発振周波数39kHz以上のもの)により15分間洗浄する。この超音波洗浄を5回繰り返す。超音波洗浄終了後の銅板をろ紙で挟み、わずかに洗浄用溶剤で湿らした脱脂綿で強くこすり、新しい脱脂綿に汚れがつかなくなるまで全面をこする。その後、乾いた脱脂綿で銅板全面を軽くふき取り、直ちに重量測定を行う。
銅版の腐食減量(mg)は、次の式によって求める。
腐食減量(mg)=試験前の銅板重量−試験後の銅板重量

ジスルフィド化合物の腐食減量をW2、トリスルフィド化合物の腐食減量をW3、テトラスルフィド化合物の腐食減量をW4、ペンタスルフィド化合物の腐食減量をW5とする。
この腐食減量の数値は、ジスルフィド化合物からペンタスルフィド化合物へと、硫黄の数が増すに従って大きな数値となって表れる。
本発明においては、上記ポリスルフィド化合物を各構成比率(wt%)であるS2、S3、S4、S5の数値及び、上記銅版の腐食減量の数値(mg)であるW2、W3、W4、W5によって、以下の式が成立つように構成される。
〔(S2×W2)+(S3×W3)+(S4×W4)+(S5×W5)〕/100
=12±3
すなわち、この式が成立つように、ジスルフィド化合物、トリスルフィド化合物、テトラスルフィド化合物、ペンタスルフィド化合物を配合して使用することとなる。
本発明においては、リン系化合物であるリン系極圧剤を更に使用することができる。こうしたリン系極圧剤としては、リン酸エステル、亜リン酸エステル、チオリン酸エステル、ジチオリン酸エステルなどであり、具体的には、リン酸モノオクチル、リン酸ジオクチル、リン酸トリオクチル、亜リン酸ジオクチル、亜リン酸トリオクチル、チオリン酸ジオクチル、チオリン酸トリオクチル、リン酸ジデシル、亜リン酸ジデシル、リン酸ジドデシル、リン酸トリドデシル、亜リン酸ジドデシル、亜リン酸トリドデシル、チオリン酸トリドデシル、リン酸トリヘキサドデシル、亜リン酸トリヘキサドデシル、チオリン酸トリヘキサドデシル、リン酸トリオクタデセニル、亜リン酸トリオクタデセニル、チオリン酸トリオクタデセニル、リン酸トリ(オクチルフェニル)、リン酸トリ(オクチルシクロヘキシル)、ジチオリン酸トリデシル、酸性リン酸エステル、酸性チオリン酸エステル、酸性ジチオリン酸エステルなどが挙げられる。更に、上記化合物のうち、部分エステルになっているもののアルキルアミン塩等も挙げられる。これらのリン系極圧剤は、単独で用いることも、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
また、本発明のギヤ油組成物には、上記に述べたポリスルフィド化合物をやリン化合物に加えて、必要に応じて、酸化防止剤、無灰分散剤、金属清浄剤、摩擦調整剤、防錆剤、腐食防止剤、消泡剤などを含むことが出来る。
例えば、本発明のギヤ油組成物には、良く知られた各種の酸化防止剤を配合することにより酸化安定性は多少改善できるが、上記したようにポリスルフィド化合物を配合しているので、酸化防止剤の効果に限界があることは注意すべきことである。酸化防止剤としては、アルキル化ジフェニルアミン、アルキル化フェニル−α−ナフチルアミンおよびヒンダードフェノール類から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
アルキル化ジフェニルアミンは、例えば以下の一般式(2)を有するものが挙げられる。
Figure 2012046683
上記式2中、R1およびR2は、水素原子、または炭素数1〜16の直鎖もしくは分枝鎖のアルキル基である。このR1およびR2は、好ましくは炭素数3〜9の直鎖または分枝鎖のアルキル基であり、特に好ましくは水素原子または炭素数4〜8の直鎖若しくは分枝鎖のアルキル基である。
アルキル基の炭素数が16を越えると油への溶解性が低下することがある。また、R1およびR2は、同一であっても、異なっても良い。
上記の直鎖または分枝鎖のアルキル基の具体例としては、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、t−ペンチル、2−メチルブチル、n−ヘキシル、イソヘキシル、3−メチルペンチル、エチルブチル、n−ヘプチル、2−メチルヘキシル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、3−メチルヘプチル、n−ノニル、メチルオクチル、エチルペプチル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、n−テトラデシルなどが挙げられる。
アルキル化ジフェニルアミンの好適な具体例としては、例えばジフェニルアミン、ブチルジフェニルアミン、オクチルジフェニルアミン、ジブチルジフェニルアミン、オクチルブチルジフェニルアミン、ジオクチルジフェニルアミンなどが挙げられる。アルキル化ジフェニルアミンは、1種単独で使用しても良いし、2種以上を組み合わせて使用しても良い。
アルキル化ジフェニルアミンの含有割合は、ギア油組成物中に、0.05〜2質量%であり、好ましくは0.1〜1.5質量%、より好ましくは0.1〜1質量%である。含有割合が0.05質量%未満であると十分な酸化防止能が得られないことがあり、2質量%を越えると効果が飽和し、経済的に不利になることがある。
アルキル化フェニル−α−ナフチルアミンとしては、一般式(3)で表される構造を有するものが挙げられる。
Figure 2012046683
上記式3中、R3は、炭素数1〜16の直鎖または分枝鎖のアルキル基であり、好ましくは炭素数4〜8の直鎖または分枝鎖のアルキル基である。
R3の具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、t−ペンチル、2−メチルブチル、n−ヘキシル、イソヘキシル、3−メチルペンチル、エチルブチル、n−ヘプチル、2−メチルヘキシル、n−オクチル、イソオクチル、tert−オクチル、2−エチルヘキシル、3−メチルヘプチル、n−ノニル、イソノニル、1−メチルオクチル、エチルヘプチル、n−デシル、1−メチルノニル、n−ウンデシル、1,1−ジメチルノニル、n−ドデシル、n−テトラデシルなどが挙げられる。
上記アルキル化フェニル−α−ナフチルアミンの具体例としては、n−ペンチル化フェニル−α−ナフチルアミン、2−メチルブチル化フェニル−α−ナフチルアミン、2−エチルヘキシル化フェニル−α−ナフチルアミン、n−オクチル化フェニル−α−ナフチルアミン、n−ノニル化フェニル−α−ナフチルアミン、1−メチルオクチル化フェニル−α−ナフチルアミン、n−ウンデシル化フェニル−α−ナフチルアミン、n−ドデシル化フェニル−α−ナフチルアミンが挙げられる。
アルキル化フェニル−α−ナフチルアミンは、1種を単独で使用しても良いし、2種以上を組み合わせて使用しても良い。
アルキル化フェニル−α−ナフチルアミンの含有割合は、ギア油組成物中に0.05〜2質量%であり、好ましくは0.1〜1.5質量%、より好ましくは0.1〜1質量%である。含有割合が0.05質量%未満であると十分な酸化防止能が得られないことがあり、2質量%を越えると効果が飽和し、経済的に不利になることがある。
ヒンダードフェノール類としては、一般式(4)、一般式(5)および一般式(6)で表される構造を有するものが好ましい。
Figure 2012046683
Figure 2012046683
Figure 2012046683
上記式4における、R4、R5、R7およびR8は、それぞれ水素原子または炭素数1〜12の直鎖もしくは分枝鎖のアルキル基を示す。好ましくは、水素原子または炭素数4〜8の直鎖もしくは分枝鎖のアルキル基である。R4、R5、R7およびR8は、同一であっても、異なっても良い。
また、R6は、炭素数1〜5のアルキレン基であり、好ましくは、炭素数1〜4のアルキレン基である。
上記式5におけるR9およびR10は、それぞれ水素原子または炭素数1〜12の直鎖もしくは分枝鎖のアルキル基を示す。好ましくは、水素原子または炭素数4〜8の直鎖もしくは分枝鎖のアルキル基である。R9およびR10は、同一であっても、異なっても良い。
また、nは、1〜4の整数であり、好ましくは、1〜3である。
上記式6におけるR11、R12およびR13は、それぞれ水素原子または炭素数1〜12の直鎖もしくは分枝鎖のアルキル基を示す。好ましくは、R11およびR12は、水素原子または炭素数4〜8の直鎖もしくは分枝鎖のアルキル基であり、R13は、水素原子または炭素数1〜4の直鎖もしくは分枝鎖のアルキル基である。R11、R12およびR13は、同一であっても、異なっても良い。
上記のヒンダードフェノール類は、1種を単独で使用しても良いし、2種以上を組み合わせて使用しても良い。
ヒンダードフェノール類の含有割合は、ギア油組成物中に、0.05〜2質量%であり、好ましくは0.1〜1.5質量%、より好ましくは0.1〜1質量%である。含有割合が0.05質量%未満であると十分な酸化防止能が得られないことがあり、2質量%を越えると効果が飽和し、経済的に不利になることがある。
また本発明のギヤ油組成物は、スラッジなどの分散性を改善するために無灰系分散剤を含むことが出来る。無灰分散剤として、ホウ素を含まないビスタイプコハク酸イミド系無灰分散剤としては、イミド化に際してポリアミンの両端に無水コハク酸が付加した一般式(7)で表されるビスタイプコハク酸イミドが挙げられる。
また、ホウ素変性コハク酸イミド系無灰分散剤としては、イミド化に際してポリアミンの一端に無水コハク酸が付加したモノタイプコハク酸イミドおよび/またはポリアミンの両端に無水コハク酸が付加したビスタイプコハク酸イミドを、ホウ素変性させたコハク酸イミドが挙げられる。
Figure 2012046683
式7中、R14、R15は、それぞれ独立に炭素数40〜400、好ましくは炭素数60〜350の、直鎖もしくは分枝状のアルキル基またはアルケニル基を示す。aは1〜10、好ましくは2〜5の整数を示す。
ホウ素を含まないビスタイプコハク酸イミド系無灰分散剤およびホウ素変性コハク酸イミド系無灰分散剤は摩耗防止性の向上の面で、そのアルキル基またはアルケニル基の数平均分子量は500〜5600が好ましく、800〜4900がより好ましい。このために、上記式7中のR14、R15のアルキル基またはアルケニル基は、その炭素数が上記重量平均分子量の範囲になるように選定することが好ましい。
上記コハク酸イミドの製法は特に制限はなく、例えば、炭素数40〜400のアルキル基またはアルケニル基を有する化合物を、無水マレイン酸と100〜200℃で反応させて得たアルキルコハク酸またはアルケニルコハク酸をポリアミンと反応させることにより得られる。ポリアミンとしては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミンが例示できる。
ホウ素変性コハク酸イミド系無灰分散剤は、上記式7で示されるコハク酸イミドに、ホウ酸、ホウ酸塩またはホウ酸エステル等のホウ素化合物を作用させることにより得ることができる。ホウ酸としては、例えば、オルトホウ酸、メタホウ酸またはテトラホウ酸が挙げられる。
窒素/ホウ素(N/B)質量比が2〜4のホウ素変成コハク酸イミドと、N/B質量比が0.5〜1.5のホウ素変成コハク酸イミドとの混合物が好ましい。このような混合物として配合する場合のホウ素変成コハク酸イミドの含有割合は、組成物全量基準で0.5〜4質量%が好ましい。一方、ホウ素変成コハク酸イミドの含有割合は、ギア油組成物中に0.5〜6質量%が好ましい。
本発明において、ホウ素を含まないビスタイプコハク酸イミド系無灰分散剤の含有割合は、摩耗防止性を向上させるために、ギア油組成物中に1〜10質量%、好ましくは2〜5質量%、より好ましくは1〜3質量%であり、さらに詳しくは、窒素含有量基準での含有割合は、0.01〜0.2質量%、好ましくは0.02〜0.1質量%、より好ましくは0.03〜0.06質量%である。
本発明において、ホウ素変性ビスタイプコハク酸イミド系無灰分散剤の含有割合は、摩耗防止性を向上させるために、ギア油組成物中に2〜10質量%、好ましくは3〜8質量%、より好ましくは4〜7質量%であり、さらに詳しくは、窒素含有量基準での含有割合は、0.03〜0.15質量%、好ましくは0.05〜0.12質量%、より好ましくは0.07〜0.11質量%である。
また、本発明のギア油組成物は、上記の硫黄化合物に加えて、自動車用の潤滑油および工業用の潤滑油として、清浄性を上げる金属清浄剤として、例えば、分子内にアルカリ土類金属またはアルカリ金属を有する、サリシレート、カルボキシレート、スルホネート、フェネートまたはフォスフォネートを使用することができる。具体的には、アルキルサリチル酸のアルカリ土類金属塩、アルキル等の置換基を有するナフテン酸またはフタール酸のアルカリ土類金属塩、石油スルホン酸またはアルキルベンゼンやアルキルナフタレンのスルホン酸のアルカリ土類金属塩、硫化アルキルフェノールのアルカリ土類金属塩、または炭化水素基を有するチオフォスフォン酸やフォスフォン酸のアルカリ土類金属塩が挙げられ、また、アルカリ金属のサリシレート、カルボキシレート、スルホネート、フェネートまたはフォスフォネートも挙げられる。
特に最近では、アルカリ土類金属サリシレート系清浄剤としてはカルシウムサリシレート系清浄剤、マグネシウムサリシレート系清浄剤またはこれらの混合物が好適に使用される。また保持するアルカリ価の違いで、中性アルカリ土類金属サリシレートまたは過塩基性アルカリ土類金属サリシレートに分類できる。ここでいう中性アルカリ土類金属サリシレートとは、炭化水素基置換サリチル酸を当量のアルカリ土類金属水酸化物で中和した塩をいい、一般式(8)で表されるものが挙げられる。
Figure 2012046683
式8中、R16は炭素数12〜30、好ましくは14〜18のアルキル基などの炭化水素基を、Mはカルシウムまたはマグネシウムを示す。
また、過塩基性アルカリ土類金属サリシレートとは、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどのアルカリ土類金属炭酸塩やホウ酸カルシウム、ホウ酸マグネシウムなどのアルカリ土類金属ホウ酸塩によって中性アルカリ土類金属サリシレートを過塩基化することによって得られるものである。この成分の塩基価(JIS K 2501過塩素酸法)に特に制限はないが、60〜350mgKOH/g、好ましくは150〜350mgKOH/gであることが望ましい。金属清浄剤の配合割合は、ギア油組成物中に、通常0.1〜10質量%である。
さらに、本発明のギア油組成物には必要に応じて、良く知られた各種の防錆剤を使用することが出来る。
防錆剤としては、例えば、ドデセニルコハク酸ハーフエステル、オクタデセニルコハク酸無水物、ドデセニルコハク酸アミドなどのアルキルまたはアルケニルコハク酸誘導体、ソルビタンモノオレエート、グリセリンモノオレエート、ペンタエリスリトールモノオレエートなどの多価アルコール部分エステル、Ca−石油スルフォネート、Ca−アルキルベンゼンスルフォネート、Ba−アルキルベンゼンスルフォネート、Mg−アルキルベンゼンスルフォネート、Na−アルキルベンゼンスルフォネート、Zn−アルキルベンゼンスルフォネート、Ca−アルキルナフタレンスルフォネートなどの金属スルフォネート、ロジンアミン、N−オレイルザルコシンなどのアミン類、ジアルキルホスファイトアミン塩等が使用可能である。
これら防錆剤の好ましい配合量は、ギア油組成物中に0.01〜5質量%の範囲であり、0.05〜2質量%の範囲が特に好ましい。
また、腐食防止剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系、トリルトリアゾール系、チアジアゾール系、またはイミダゾール系化合物が挙げられる。
金属不活性化剤としては、例えば、イミダゾリン、ピリミジン誘導体、アルキルチアジアゾール、メルカプトベンゾチアゾール、ベンゾトリアゾールまたはその誘導体、1,3,4−チアジアゾールポリスルフィド、1,3,4−チアジアゾリル−2,5−ビスジアルキルジチオカーバメート、2−(アルキルジチオ)ベンゾイミダゾール、またはβ−(o−カルボキシベンジルチオ)プロピオンニトリルが挙げられる。
消泡剤としては、例えば、シリコーン、フルオロシリコール、またはフルオロアルキルエーテルが挙げられる。
更に、抗乳化剤としてアルキルフェノールと酸化エチレンの付加物、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、およびポリオキシエチレンソルビタンエステルなど、摩擦調整剤として脂肪アルコール、脂肪酸(ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸およびその他の脂肪酸もしくはそれらの塩)、アミン、ホウ酸化エステル、その他のエステル、リン酸エステル、三及び二炭化水素亜リン酸エステル以外の亜リン酸エステル、およびホスホン酸エステルなどの各種エステル類、アミン化合物やチオカルボン酸類など、耐摩耗剤としてリン酸エステル化合物やチオリン酸エステル類、粘度指数向上剤として、ポリメタクリレート型重合体、エチレン−プロピレン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、水和スチレン−イソプレン共重合体、ポリイソブチレン、および分散型粘度指数向上剤、多機能添加剤として硫化オキシモリブデンジチオカルバメート、硫化オキシモリブデンオルガノリンジチオエート、オキシモリブデンモノグリセリド、オキシモリブデンジエチレートアミド、アミン−モリブデン錯化合物、および硫黄含有モリブデン錯化合物が必要に応じて使用できる。
これらの添加剤成分は、本発明に好ましく用いることができる成分の幾つかの例である。これら添加剤の例は、本発明を説明するために記されるのであって、本発明を限定しようとするものではない。
上記に述べてきたように、ポリスルフィド化合物におけるジスルフィド化合物、トリスルフィド化合物、テトラスルフィド化合物およびペンタスルフィド化合物の構成比率を変えることによって、活性度を制御することが可能になる。
最近では、自動車の高性能化によって高速化、低騒音化による自動車の駆動系各部のパック化によって、冷却効率が低下してトランスミッション油やハイポイドギア油の運転油温が上昇し、ギア油の熱・酸化安定性が不足して、様々なトラブルが発生するために、極圧性能と同時に高い熱・酸化安定性が要求されるようになっているが、本発明によってギア油の中でも、最も高い極圧性を必要とする、APIサービス分類のGL-5のハイポイドギア油に使用することが可能となる。
以下、本発明について、実施例及び比較例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
実施例及び比較例の調製にあたり、下記の組成材料を用意した。
1.基油
(1−1)基油A: グループ1の鉱油(特性値:40℃動粘度;464.9mm/s、100℃動粘度;31.19mm/s、粘度指数;97、硫黄分;1.08wt%)
(1−2)基油B: グループ3の鉱油(特性値:40℃動粘度;23.65mm/s、100℃動粘度;5.04mm/s、粘度指数;146、硫黄分;0.0067wt%)
2.ポリスルフィド化合物
(2−1)ジスルフィド化合物: ジ・t−ブチルジスルフィド
(2−1)トリスルフィド化合物: ジ・t−ブチルトリスルフィド
(2−1)テトラスルフィド化合物: ジ・t−ブチルテトラスルフィド
(2−1)ペンタスルフィド化合物: ジ・t−ブチルペンタスルフィド
3.リン酸化合物
(3−1)リン酸エステルA: 2−エチルヘキシル酸性リン酸エステルの2−エチルヘキシルアミン(P含量;7.1wt%)
(3−1)リン酸エステルB: 2−エチルヘキシル酸性リン酸エステルのオレイルアミン塩(P含量;5.44wt%)
(3−3)チオリン酸エステルA: アルキルジ−2−エチルヘキシルジチオリン酸エステル(P含量;10.5wt%、S含量;21.3wt%)
(3−4)チオリン酸エステルB: アルケニルジ−2−エチルヘキシルジチオリン酸エステル(P含量;10.6wt%、S含量;22.0wt%)
4.コハク酸イミド: アルケニルコハク酸イミド誘導体
5.消泡剤: ジメチルシロキサン
(実施例1〜3、比較例1〜4)
上記した組成材料を用いて、表1に示す組成により実施例1〜3、比較例1〜4のギヤ油組成物を調製した。
そしてこのポリスルフィド化合物の各スルフィド化合物を含んだギア油組成物について、次のように150℃で8時間の銅腐食を行って各スルフィド化合物の腐食減量を測定した。
ジ-t-ブチルジスルフィド、ジ-t-ブチルトリスルフィド、ジ-t-ブチルテトラスルフィド及びジ-t-ブチルペンタスルフィドについて、各々の硫黄分が1.4wt%になるように基油Aと基油Bを混合した混合基油に添加して溶解したサンプルを用いて、150℃、8時間での試験を行ったところ、上記各スルフィド化合物の腐食減量は、ジ-t-ブチルジスルフィドが0.01mg、ジ-t-ブチルトリスルフィドが4.6mg、ジ-t-ブチルテトラスルフィドが12mg、ジ-t-ブチルペンタスルフィドが144mgとなった。
(ポリスルフィド化合物の活性度指数の計算)
上記したポリスルフィド化合物のジスルフィド化合物、トリスルフィド化合物、テトラスルフィド化合物、ペンタスルフィド化合物の各試料について、上記した銅板腐食性試験によって求めた各腐食減量(W2,W3,W4,W5)と、ポリスルフィド化合物の各試料の構成比率(S2,S3,S4,S5)によって、次式によりポリスルフィド化合物の活性度指数を計算した。
〔(S2×W2)+(S3×W3)+(S4×W4)+(S5×W5)〕/100=

評価基準: 12±3の範囲・・・・・○
12±3の範囲外・・・・×
(物性測定)
上記実施例1〜3及び比較例1〜4の各ギヤ油組成物について、40℃動粘度(mm/s)、100℃動粘度(mm/s)、リン含量(wt%)、全酸度(mgKOH/g)、基油の合計硫黄分(wt%)、ポリスルフィド化合物の合計硫黄分(計算値)(wt%)、基油+添加剤の合計硫黄分(wt%)を求めた。
ポリスルフィド化合物の合計硫黄分の評価基準:
GL−5のギア油組成物として潤滑性を発揮するためには、市販ギア油においてシェル4球摩耗試験からSAE90の動粘度で、摩耗痕径が0.4mm以下になる必要があり、そのためにはギア油組成物中にポリスルフィド化合物の硫黄分として1.4〜1.8wt%が必要とされる。従って、
1.4〜1.8wt%の範囲・・・・・・○
1.4〜1.8wt%の範囲外・・・・・×
(試験)
上記実施例1〜3及び比較例1〜4の各ギヤ油組成物について、その性能を見るために以下の試験を行った。
(耐圧特性試験:シェル四球EP試験)
試験機器及び試験方法等は、ASTM D 2783に準拠し、融着荷重(WL)は10kgf刻み、最大非焼き付き荷重(LNL)は5kgf刻みで荷重を上昇させて、融着荷重(WL)および最大非焼付き荷重(LNL)を求めた。
(酸化安定度試験(ISOT粘度増加率))
試験機器および試験方法はJIS K 2514に準拠し、試料中に触媒を浸し、150±0.5℃で240±0.1時間、かき混ぜ棒で試料をかき混ぜて酸化させた後、未酸化油の性状と比較し、100℃粘度増加率(%)を以下の式により求める。

100℃粘度増加率%=
100×(100℃の試験後の劣化油動粘度−試験前の動粘度)/(100℃の試験前の動粘度)
(結果)
上記ポリスルフィド化合物の活性度指数、各物性測定、各試験の結果を表1に示す。
(考察)
実施例1〜3においては、上記ポリスルフィド化合物の各スルフィド化合物の合計量が100wt%になるよう配合にし、更にりん酸エステルや亜りん酸エステルやりん酸エステルのアルキルアミン塩、酸性チオリン酸エステル、酸性ジチオリン酸エステル又はこれらのアルキルアミン塩などのリン化合物をリン量で0.1wt%になるようにしている。
実施例1〜3は、シェル四球EP試験における融着荷重(WL)は250kgf以上であり、最大非焼き付き荷重(LNL)は100kgf以上であり、更にISOT粘度増加率(100℃)は11.4〜19.4%であって、良好な結果が得られている。
こうした良好な結果が得られている実施例1〜3におけるポリスルフィド化合物の合計硫黄分は1.457〜1.510wt%であって、1.4〜1.8wt%の範囲に入っており、また、ポリスルフィド化合物の活性度指数が9.078〜14.950であって、12±3の範囲に入っていることが判る。
これに対して、比較例1〜4のものは、ポリスルフィド化合物の活性度指数が8.350〜104.400であって12±3の範囲に入っていないものであり、比較例3ではポリスルフィド化合物の合計硫黄分は1.216wt%であって、1.4〜1.8wt%の範囲に入っていない。こうした比較例1〜3のものは、シェル四球EP試験における融着荷重(WL)は250kgf以上であって満足しているが、最大非焼き付き荷重(LNL)は90kgf以下であるし、ISOT粘度増加率(100℃)も25.1〜37.2と20%を超えており、好ましくないことが判る。また、比較例4は、ISOT粘度増加率(100℃)は13.5%で、シェル四球EP試験における最大非焼き付き荷重(LNL)は100kgfであって満足しているが、シェル四球EP試験における融着荷重(WL)は230kgfと劣っており、好ましく結果が得られていないことが判る。
Figure 2012046683

Claims (5)

  1. 鉱油及び/または合成油の基油に、一般式(1)で表されるポリスルフィド化合物を含むギヤ油組成物であって、
    (化1)
    A−Sx−A (1)
    (Aは各々独立してアルキル基,アルコキシ基,アルコキシアルキル基,アシロキシ基,アシロキシアルキル基,アリーロキシ基,アリーロキシアルキル基であり、xは2〜5の整数である。)
    上記ポリスルフィド化合物を構成するジスルフィド化合物、トリスルフィド化合物、テトラスルフィド化合物、ペンタスルフィド化合物の各構成比率をS2wt%、S3wt%、S4wt%、S5wt%とするとき、下記式(2)が成立し、
    S2wt%+S3wt%+S4wt%+S5wt%=100wt% (2)
    (但し、S2wt%、S3wt%、S4wt%、S5wt%の2つ以下が0wt%であるものを含む。)
    上記ポリスルフィド化合物の硫黄分の合計がギヤ油組成物中の1.4〜1.8wt%であり、
    上記ジスルフィド化合物、トリスルフィド化合物、テトラスルフィド化合物、ペンタスルフィド化合物の各々について銅板腐食性試験(JIS K 2513準拠:150℃で8時間)を行ったときの各腐食減量〔腐食減量(mg)=試験前の銅版重量−試験後の銅版重量〕をW2、W3、W4、W5とするときに、下記式(3)
    〔(S2×W2)+(S3×W3)+(S4×W4)+(S5×W5)〕/100
    =12±3 (3)
    が成立することを特徴とするAPIサービス分類のGL−5に相当するギヤ油組成物。
  2. りん酸エステル、亜りん酸エステル、りん酸エステルのアルキルアミン塩、酸性チオリン酸エステル、酸性ジチオリン酸エステル又はこれらのアルキルアミン塩の1種以上から選択されるリン化合物及びチオリン酸エステル化合物の少なくとも一種以上を、ギヤ油組成物中にリン含量として0.08〜0.12wt%を更に含有する請求項1に記載のギヤ油組成物。
  3. 上記一般式(1)で表されるポリスルフィド化合物の「A」がいずれもt−ブチル基である請求項1または2に記載のギヤ油組成物。
  4. 酸化安定度試験(JIS K 2514;150℃で240時間)による100℃粘度増加率が20%以下である請求項1〜3のいずれかに記載のギヤ油組成物。
  5. 極圧特性試験(ASTM D 2783:Measurement of Extreme-Pressure Properties of Lubricating Fluids)に準拠した試験による、5kgf単位で計測したときの最大非焼付き荷重値(LNL)が100kgf以上であり、10kgf単位で計測した融着荷重値(WL)が250kgf以上である請求項1〜4のいずれかに記載のギヤ油組成物。
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