JP2012046509A - 共役ジエンの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】炭素原子数4以上のモノオレフィンを含む原料ガスと分子状酸素含有ガスとを混合した混合ガスを、触媒を有する反応器に供給し、酸化脱水素反応により対応する共役ジエンを生成し、該共役ジエンを含む生成ガスを得る共役ジエンの製造方法において、下記式(1)で示される該反応器中の触媒の破砕率が0.0重量%以上40.0重量%以下であることを特徴とする共役ジエンの製造方法。
破砕率(重量%)={(反応器中の破砕触媒の重量)/(反応器中の全触媒重量)}×100 …(1)
【選択図】なし
Description
この反応は例えば以下の反応式に従って進行し、水が副生する。
C4H8+1/2O2→C4H6+H2O
n−ブテンの接触酸化脱水素反応によるブタジエンの製造は、工業的にはナフサ分解で副生するC4留分(C4炭化水素混合物。以下、「BB」と称す場合がある。)からのブタジエンの抽出分離プロセスにおいて、抽出蒸留塔でブタジエンを分離して得られた、1−ブテンの他、2−ブテン、ブタン等を含む混合物(以下、この混合物を「BBSS]と称す場合がある。)中に含まれるブテンからブタジエンを製造する方法が提案されている。
[1]炭素原子数4以上のモノオレフィンを含む原料ガスと分子状酸素含有ガスとを混合した混合ガスを、触媒を有する反応器に供給し、酸化脱水素反応により対応する共役ジエンを生成し、該共役ジエンを含む生成ガスを得る共役ジエンの製造方法において、下記式(1)で示される該反応器中の触媒の破砕率が0.0重量%以上40.0重量%以下であることを特徴とする共役ジエンの製造方法。
[2]前記反応器が前記触媒と反応性の無い固形物を更に有することを特徴とする[1]に記載の共役ジエンの製造方法。
[3]前記反応器内の全触媒量に対する前記混合ガスの流量の比(体積比)が500〜5000h-1であることを特徴とする[1]又は[2]に記載の共役ジエンの製造方法。
[5]前記触媒が、下記一般式(2)で表される複合酸化物触媒であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれか1項に記載の共役ジエンの製造方法。
MoaBibCocNidFeeXfYgZhSiiOj (2)
(式中、Xはマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、亜鉛(Zn)、セリウム(Ce)及びサマリウム(Sm)からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、Yはナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、セシウム(Cs)及びタリウム(Tl)からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、Zはホウ素(B)、リン(P)、砒素(As)及びタングステン(W)からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素である。また、a〜jはそれぞれの元素の原子比を表し、a=12のとき、b=0.1〜7、c=0〜10、d=0〜10(但しc+d=1〜10)、e=0.05〜3、f=0〜2、g=0.04〜2、h=0〜3、i=0〜48の範囲にあり、またjは他の元素の酸化状態を満足させる数値である。)
[6]前記原料ガスが、エチレンの2量化により得られる1−ブテン、シス−2−ブテン、トランス−2−ブテン若しくはこれらの混合物を含有するガス、n−ブタンの脱水素若しくは酸化脱水素反応により生成するブテン留分、又は重油留分を流動接触分解する際に得られる炭素原子数が4の炭化水素を多く含むガスであることを特徴とする[1]〜[5]のいずれか1項に記載の共役ジエンの製造方法。
本発明では、炭素原子数4以上のモノオレフィンを含む原料ガスと分子状酸素含有ガスとを触媒層を有する反応器に供給し、酸化脱水素反応により対応する共役ジエンを製造する。
本発明の原料ガスは炭素原子数4以上のモノオレフィンを含むが、炭素原子数4以上のモノオレフィンとしては、ブテン(1−ブテン及び/又は2−ブテン等のn−ブテン、イソブテン)、ペンテン、メチルブテン、ジメチルブテン等の炭素原子数4以上、好ましくは炭素原子数4〜6のモノオレフィンが挙げられ、接触酸化脱水素反応による対応する共役ジエンの製造に有効に適用することができる。この中でも、n−ブテン(1−ブテン及び/又は2−ブテン等のn−ブテン)からのブタジエンの製造に最も好適に用いられる。又、炭素原子数4以上のモノオレフィンを含む原料ガスとしては、単離した炭素原子数4以上のモノオレフィンそのものを使用する必要はなく、必要に応じて任意の混合物の形で用いることができる。例えばブタジエンを得ようとする場合には高純度のn−ブテン(1−ブテン及び/又は2−ブテン)を原料ガスとすることもできるが、前述のナフサ分解で副生するC4留分(BB)からブタジエン及びi−ブテン(イソブテン)を分離して得られるn−ブテン(1−ブテン及び/又は2−ブテン)を主成分とする留分(BBSS)やn−ブタンの脱水素又は酸化脱水素反応により生成するブテン留分を使用することもできる。また、エチレンの2量化により得られる高純度の1−ブテン、シス−2−ブテン、トランス−2−ブテン又はこれらの混合物を含有するガスを原料ガスとして使用しても差し支えない。尚、このエチレンはエタン脱水素、エタノール脱水、又はナフサ分解などの方法で得られるエチレンを使用することができる。更に、石油精製プラントなどで原油を蒸留した際に得られる重油留分を、流動層状態で粉末状の固体触媒を使って分解し、低沸点の炭化水素に変換する流動接触分解 (Fluid Catalytic Cracking)から得られる炭素原子
数4の炭化水素類を多く含むガス(以下、FCC−C4と略記することがある)をそのまま原料ガスとする、又は、FCC−C4からリンや砒素などの不純物を除去したものを原料ガスとして使用しても差し支えない。なお、ここでいう、主成分とは、原料ガスに対して、通常40体積%以上、好ましくは60体積%以上、より好ましくは75体積%以上、特に好ましくは99体積%以上を示す。
次に、本発明で好適に用いられる酸化脱水素反応触媒について説明する。本発明で用いる酸化脱水素触媒は、少なくともモリブデン、ビスマス及びコバルトを含有する複合酸化物触媒であることが好ましい。そして、この中でも、下記一般式(2)で表される複合酸化物触媒であることがより好ましい。
なお、式中、Xはマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、亜鉛(Zn)、セリウム(Ce)及びサマリウム(Sm)からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素である。Yはナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、セシウム(Cs)及びタリウム(Tl)からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素である。Zはホウ素(B)、リン(P)、砒素(As)及びタングステン(W)からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素である。
また、この複合酸化物触媒は、この複合酸化物触媒を構成する各成分元素の供給源化合物を水系内で一体化して加熱する工程を経て製造する方法がよい。例えば、前記各成分元素の供給源化合物の全部を水系内で一体化して加熱してもよい。
まず、この複合酸化物触媒の製造方法においては、前記前工程で用いられるモリブデンが、モリブデンの全原子比(a)の内の一部の原子比(a1)相当のモリブデンであり、前記後工程で用いられるモリブデンが、モリブデンの全原子比(a)からa1を差し引いた残りの原子比(a2)相当のモリブデンであることが好ましい。そして、前記a1が0.5<a1/(c+d+e)<3を満足する値であることが好ましく、さらに、前記a2が0<a2/b<8を満足する値であることが好ましい。
Moの供給源化合物としては、パラモリブデン酸アンモニウム、三酸化モリブデン、モリブデン酸、リンモリブデン酸アンモニウム、リンモリブデン酸等が挙げられる。
Coの供給源化合物としては、硝酸コバルト、硫酸コバルト、塩化コバルト、炭酸コバルト、酢酸コバルト等が挙げられる。
Niの供給源化合物としては、硝酸ニッケル、硫酸ニッケル、塩化ニッケル、炭酸ニッケル、酢酸ニッケル等が挙げられる。
Biの供給源化合物としては、塩化ビスマス、硝酸ビスマス、酸化ビスマス、次炭酸ビスマス等が挙げられる。また、X成分(Mg,Ca,Zn,Ce,Smの1種又は2種以上)やY成分(Na,K,Rb,Cs,Tlの1種又は2種以上)を固溶させた、BiとX成分やY成分との複合炭酸塩化合物として供給することもできる。
また、BiとX成分との複合炭酸塩化合物は、炭酸アンモニウム又は重炭酸アンモニウムの水溶液等に、硝酸ビスマス及びX成分の硝酸塩等の水溶性化合物からなる水溶液を滴下混合し、得られた沈殿を水洗、乾燥することによって製造することができる。
その他の成分元素の供給源化合物としては、下記のものが挙げられる。
Kの供給源化合物としては、硝酸カリウム、硫酸カリウム、塩化カリウム、炭酸カリウム、酢酸カリウム等を挙げることができる。
Csの供給源化合物としては、硝酸セシウム、硫酸セシウム、塩化セシウム、炭酸セシウム、酢酸セシウム等を挙げることができる。
Tlの供給源化合物としては、硝酸第一タリウム、塩化第一タリウム、炭酸タリウム、酢酸第一タリウム等を挙げることができる。
Pの供給源化合物としては、リンモリブデン酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、リン酸、五酸化リン等を挙げることができる。
Asの供給源化合物としては、ジアルセノ十八モリブデン酸アンモニウム、ジアルセノ十八タングステン酸アンモニウム等を挙げることができる。
Mgの供給源化合物としては、硝酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、炭酸マグネシウム、酢酸マグネシウム等が挙げられる。
Caの供給源化合物としては、硝酸カルシウム、硫酸カルシウム、塩化カルシウム、炭酸カルシウム、酢酸カルシウム等が挙げられる。
Ceの供給源化合物としては、硝酸セリウム、硫酸セリウム、塩化セリウム、炭酸セリウム、酢酸セリウム等が挙げられる。
Smの供給源化合物としては、硝酸サマリウム、硫酸サマリウム、塩化サマリウム、炭酸サマリウム、酢酸サマリウム等が挙げられる。
この原料化合物の水溶液又は水分散液の調製は、供給源化合物の水性系での一体化により行われる。ここで各成分元素の供給源化合物の水性系での一体化とは、各成分元素の供給源化合物の水溶液あるいは水分散液を一括に、あるいは段階的に混合及び/又は熟成処理を行うことをいう。即ち、(イ)前記の各供給源化合物を一括して混合する方法、(ロ)前記の各供給源化合物を一括して混合し、そして熟成処理する方法、(ハ)前記の各供給源化合物を段階的に混合する方法、(ニ)前記の各供給源化合物を段階的に混合・熟成処理を繰り返す方法、及び(イ)〜(ニ)を組み合わせる方法のいずれもが、各成分元素の供給源化合物の水性系での一体化という概念に含まれる。ここで、熟成とは、工業原料もしくは半製品を、一定時間、一定温度等の特定条件のもとに処理して、必要とする物理性、化学性の取得、上昇あるいは所定反応の進行等を図る操作をいい、一定時間とは、通常10分〜24時間の範囲であり、一定温度とは通常室温〜水溶液又は水分散液の沸点範囲をいう。
この熟成とは、前記触媒前駆体用スラリーを所定温度で所定時間、撹拌することをいう。この熟成により、スラリーの粘度が上昇し、スラリー中の固体成分の沈降を緩和し、とりわけ次の乾燥工程での成分の不均一化を抑制するのに有効となり、得られる最終製品である複合酸化物触媒の原料転化率や選択率等の触媒活性がより良好となる。
前記撹拌方法としては、任意の方法を採用することができ、例えば、撹拌翼を有する撹拌機による方法や、ポンプによる外部循環による方法等が挙げられる。
灼熱減量(%)=[(W0−W1)/W0]×100
・W0:触媒前駆体を150℃で3時間乾燥して付着水分を除いたものの重量(g)
・W1:付着水分を除いた前記触媒前駆体を更に500℃で2時間熱処理した後の重量(g)
前記の後工程では、前記の前工程において得られる触媒前駆体とモリブデン化合物(全原子比aからa1相当を差し引いた残りのa2相当)とビスマス化合物の一体化を、水性溶媒下で行う。この際、アンモニア水を添加するのが好ましい。X、Y、Z成分の添加もこの後工程で行うのが好ましい。また、この発明のビスマス供給源化合物は、水に難溶性ないし不溶性のビスマスである。この化合物は、粉末の形態で使用することが好ましい。触媒製造原料としてのこれら化合物は粉末より大きな粒子のものであってもよいが、その熱拡散を行わせるべき加熱工程を考えれば小さい粒子である方が好ましい。従って、原料としてのこれらの化合物がこのように粒子の小さいものでなかった場合は、加熱工程前に粉砕を行うべきである。
本発明の分子状酸素含有ガスとは、通常、分子状酸素が10体積%以上、好ましくは、15体積%以上、更に好ましくは20体積%以上含まれるガスのことであり、具体的に好ましくは空気である。なお、分子状酸素含有ガスを工業的に用意するのに必要なコストが増加するという観点から、分子状酸素の含有量の上限としては、通常50体積%以下であり、好ましくは、30体積%以下、更に好ましくは25体積%以下である。本発明の分子状酸素含有ガスに含まれうる酸素以外の成分としては、具体的には、窒素、アルゴン、ネオン、ヘリウム、CO、CO2、水等が挙げられる。これら酸素以外の成分の量は、窒素の場合、通常90体積%以下、好ましくは85体積%以下、より好ましくは80体積%以下である。窒素以外の成分の場合、通常10体積%以下、好ましくは1体積%以下である。この量が多すぎると、反応に必要な酸素を供給するのが難しくなる傾向にある。
本発明では、反応器に原料ガスを供給するにあたり、原料ガスと分子状酸素含有ガスとを混合し、その混合されたガス(以下、「混合ガス」呼ぶことがある)を反応器に供給する必要がある。なお、本発明の混合ガス中の、原料ガスの割合としては、通常、4.2vol%以上であり、好ましくは7.6vol%以上、更に好ましくは8.0vol%以上である。この値が大きくなるほど、反応器のサイズを小さくでき、建設費および運転に要するコストが低減する傾向にある。また、一方、上限は、20.0vol%以下であり、
好ましくは、17.0vol%以下、更に好ましくは、15.0vol%以下である。この値が小さくなるほど、原料ガス中の触媒上へのコーキングの起因物質も低減するため、触媒のコーキングが発生しにくく好ましい。
また、混合ガスと共に、窒素ガス、及び水(水蒸気)を反応器に供給してもよい。窒素ガスは、混合ガスが爆鳴気を形成しないように可燃性ガスと酸素の濃度を調整するという理由から、水(水蒸気)は窒素ガスと同様に可燃性ガスと酸素の濃度を調整するという理由と触媒のコーキングを抑制するという理由から、混合ガスに、水(水蒸気)と窒素ガスとを更に混合し反応器に供給するのが好ましい。
[混合ガス組成]
・n−ブテン:C4留分合計に対して50〜100vol%
・C4留分合計:5〜15vol%
・O2:C4留分合計に対して40〜120vol/vol%
・N2:C4留分合計に対して500〜1000vol/vol%
・H2O:C4留分合計に対して90〜900vol/vol%
反応器に供給する原料ガスは、分子状酸素含有ガスと混合されると、酸素と可燃性ガスの混合物となることから、爆発範囲に入らないように各々のガス(原料ガス、空気、及び必要に応じて窒素ガスと水(水蒸気))を供給する配管に設置された流量計にて流量を監視しながら、反応器入り口の組成制御を行い、例えば、n−ブテン(1−ブテン及び/又は2−ブテン)からブタジエンを製造する場合、後述の混合ガス組成の範囲に調整される。なお、ここでいう爆発範囲とは、酸素と可燃性ガスの混合ガスが何らかの着火源の存在下で着火するような組成を持つ範囲のことである。可燃性ガスの濃度がある値より低いと着火源が存在しても着火しないことが知られており、この濃度を爆発下限界という。また可燃性ガスの濃度がある値より高いとやはり着火源が存在しても着火しないことが知られており、この濃度を爆発上限界という。各々の値は酸素濃度に依存しており、一般に酸素濃度が低いほど両者の値が近づき、酸素濃度がある値になったとき両者が一致する。このときの酸素濃度を限界酸素濃度と言い、酸素濃度がこれより低ければ可燃性ガスの濃度によらず混合ガスは着火しない。
本発明の酸化脱水素反応に用いられる反応器は特に限定されないが、具体的には、管型反応器、槽型反応器、又は流動床反応器が挙げられ、好ましくは、固定床反応器、より好ましくは固定床の多管式反応器やプレート式反応器であり、最も好ましくは固定床の多管式反応器である。これらの反応器は一般に工業的に用いられているものであり特に制限はない。
応性の無い固形物の体積)]×100 ・・・(3)
尚、上述の通り、反応器内に設けられる触媒層は、単層でも2層以上でもよいが、好ましくは、2〜5層である。触媒層の数が多くなるほど、触媒充填作業が煩雑になる傾向にあり、触媒層の数が少なくなるほど、容易という傾向にある。また、反応器内に触媒層を2層以上設ける場合は、各触媒層の希釈率は、反応条件や反応温度によって適宜決めることができるが、希釈率が異なる触媒層を設けることが好ましい。
破砕率(重量%)={(反応器中の破砕触媒の重量)/(反応器中の全触媒重量)}×100 …(1)
上記式において破砕触媒とは、反応器内で使用される触媒が製造された当初の形状、又は反応器に充填する際の形状に対して、それらの形状と同等の形状ではないものを指す。具体的には、反応器内で触媒が割れたり、或いは粉化したりする際に発生する触媒である。通常、破砕触媒は、その大きさとしては、触媒の製造時、又は反応器に充填する際の大きさに比べて、小さいものが多い。破砕触媒の特定は、酸化脱水素反応停止後に反応器を開放して、反応器内の内容物を抜き出した後、それらを目視にて選別する、又は篩にかけることで特定できる。反応器内の内容物を反応器から抜き出す際は、内容物が破壊されないように抜き出すことが好ましい。反応器から抜き出した内容物を篩にかける際は、篩の目開きは、使用する固体触媒の大きさによって異なるが、目開き4.5mm〜4.9mmの篩を使用することで、割れた触媒や粉化した触媒を分離回収することが可能である。なお、反応器内に反応性の無い固形物が存在する場合は、破砕触媒を特定する前に、予め除いておくことが好ましい。
反応器が固定床の多管式反応器の場合、即ち、反応器内に同じ種類の触媒と重量が同じ触媒が充填され、且つ同じ長さと管径を持つ反応管が複数存在する際は、全ての反応管について、破砕触媒の特定を行い、破砕触媒の重量を測定してもよいが、複数の反応管の中から少なくとも1本以上の反応管を選定して、破砕触媒の特定とその重量の測定を行い、それら反応管で得られた破砕触媒の重量の平均値を、反応器中の破砕触媒の重量として破砕率を求めてもよい。なお、この際、反応器中の全触媒重量は、上記で選定された反応管の触媒の全重量となる。
本発明の酸化脱水素反応は発熱反応であり、反応により温度が上昇するが、本発明では、通常、反応温度は250〜450℃、好ましくは、280〜400℃の範囲に調整される。この温度が大きくなるほど、触媒活性が急激に低下しやすい傾向にあり、小さくなるほど、目的生成物である共役ジエンの収率が低下する傾向にある。反応温度は、熱媒体(例えば、ジベンジルトルエンや亜硝酸塩など)を使用して制御することができる。なお、ここでいう反応温度は熱媒体の温度のことのことである。
本発明の共役ジエンの製造方法においては、共役ジエンを含有する生成ガスから共役ジエンを分離するために、更に、冷却工程、脱水工程、溶媒吸収工程、分離工程、精製工程等を有していてもよい。なお、反応器から得られる生成ガスは、脱水工程で、圧縮ガス、脱水ガスとなる。しかし、これらのガスは、水以外の含有割合は同一であり、また、含まれる水のほとんどは液状なので、各ガスの気体部分の成分割合は、同一と考えてよい。このため、以下において、生成ガス、圧縮ガス、及び脱水ガスについて、単に「生成ガス」と称する場合がある。
本発明では、共役ジエンを含む生成ガスを冷却する冷却工程を有していてもよい。冷却工程については、反応器出口から抜き出される生成ガスを冷却できる工程であれば、特に限定されないが、好適には、冷却溶媒と生成ガスとを直接接触させて冷却させる方法が用いられる。冷却溶媒としては、特に限定されないが、好ましくは水やアルカリ水溶液であり、最も好ましくは水である。
尚、冷却塔を使って冷却する場合、生成ガス中に高沸点副生物が多く含まれていると、高沸点副生物同士の重合や、工程内での高沸点副生物に起因する固形析出物の堆積が起きやすくなる。また、冷却塔で使用される冷却溶媒は、循環使用されることが多いため、共役ジエンの製造を連続的に継続すると、固形析出物での閉塞が起きることがある。
(脱水工程)
また、本発明では、反応器から排出される生成ガスに含まれる水分を除去する脱水工程を有していても良い。脱水工程を設けることにより、後段のプロセスにおける各工程における水分による機器腐食や、後述する溶媒吸収工程や溶媒分離工程で使用する溶媒への不純物の蓄積を防止することができるため、好ましい。
脱水工程にモレキュラーシーブ等の乾燥剤を利用する場合は、水以外にも生成ガス中に含まれる高沸点副生物が吸着除去される。ここで除去される高沸点副生物は、アントラキノン、フルオレノン、フタル酸などのことである。
本発明では、生成ガスを吸収溶媒と接触させてオレフィンや共役ジエンなどの炭化水素を吸収溶媒に吸収させ共役ジエンを含む溶媒を得る溶媒吸収工程を有することが好ましい。好ましい理由としては、共役ジエンの分離に要するエネルギーコストの低減という観点から、生成ガスを溶媒に吸収させて共役ジエンの回収することが好ましい。溶媒吸収工程については、反応後の工程であれば、特に限定されないが、上述の脱水工程の後に設けることが好ましい。
吸収塔を用いる場合、通常は、吸収溶媒と生成ガスとを向流接触させることで、生成ガス中の共役ジエンと未反応の炭素原子数4以上のモノオレフィン並びに炭素原子数3以下の炭化水素化合物が溶媒に吸収される。炭素原子数3以下の炭化水素化合物としては、例えば、メタン、アセチレン、エチレン、エタン、メチルアセチレン、プロピレン、プロパン、又はアレンなどが挙げられる。
が溶媒に吸収されにくいというメリットがあり、低いほど共役ジエンなどの炭化水素の吸収効率が良くなるというメリットがある。
本発明の溶媒吸収工程で使用する有機溶媒としては、特に限定されないが、C6〜C10の飽和炭化水素やC6〜C8の芳香族炭化水素、アミド化合物などが用いられる。具体的には、例えばジメチルホルムアミド(DMF)、トルエン、キシレン、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)等を用いることができる。これらの中でも、好ましくは、無機ガスを溶解しにくいことからC6〜C8の芳香族炭化水素が好ましく、特にトルエンが好ましい。
溶媒吸収工程で得られる共役ジエンを含む溶媒中には、主として目的生成物である共役ジエンが含まれており、その共役ジエンの溶媒吸収液中の濃度としては、通常は1〜20重量%であり、好ましくは3〜10重量%である。この溶媒中の共役ジエンの濃度が高いほど、共役ジエンの重合あるいは揮発による消失分が多くなる傾向にあり、低いほど、同じ生産量での溶媒の循環必要量が増加する為に、運転に要するエネルギーコストが大きくなる傾向にある。
(分離工程)
このようにして得られた共役ジエンを含む溶媒から粗共役ジエンの分離を行う分離工程を有していてもよく、この工程により粗共役ジエンを得ることができる。分離工程としては、共役ジエンの溶媒吸収液から粗共役ジエンを分離できる工程であれば、特に限定されないが、通常、蒸留分離により粗共役ジエンを分離することができる。具体的には、例えば、リボイラーとコンデンサーにより共役ジエンの蒸留分離が行われ、塔頂付近より共役ジエン留分が抜き出される。分離された吸収溶媒は塔底から抜き出され、前段工程に溶媒を使用する回収工程を有する場合は、その回収工程で吸収溶媒として循環使用される。溶媒は循環使用するうち不純物が蓄積する場合があり、一部を抜き出して蒸留やデカンテーション、沈降、吸着剤やイオン交換樹脂などとの接触処理などの公知の精製方法により不純物を除去することが望ましい。
蒸留塔としては充填塔、棚段塔のいずれもが使用できるが、多段蒸留が好ましい。共役ジエンと溶媒を分離するには、蒸留塔理論段を5段以上、特に10段〜20段とするのが好ましい。50段を越える蒸留塔は、蒸留塔建設の経済性、運転難易度、及び安全管理の
ためには好ましくない。また段数が小さすぎると分離が困難となる。
前記共役ジエンの分離工程で粗共役ジエンが得られるが、この粗共役ジエンを蒸留精製等により、更に精製された高純度の共役ジエンとする精製工程を有していてもよい。ここで使用する蒸留塔の蒸留時の圧力は任意に設定することができるが、通常は、塔頂圧力を0.05〜0.4MPaGとすることが好ましい。より好ましくは塔頂圧力が0.1〜0.3MPaGであり、特に好ましくは0.15〜0.2MPaGの範囲である。この塔頂圧力が低すぎると、留出した共役ジエンを低温で凝縮するために多大なコストが必要となり、また高すぎると蒸留塔の塔底部の温度が高くなり、蒸気コストの増大となってしまう。
蒸留塔としては充填塔、棚段塔のいずれもが使用できるが、多段蒸留が好ましい。共役ジエンとフランなどの不純物を分離するには、蒸留塔理論段を5段以上、特に10段〜20段とするのが好ましい。50段を越える蒸留塔は、蒸留塔建設の経済性、運転難易度、及び安全管理のためには好ましくない。また段数が小さすぎると分離が困難となる。このようにして得られる精製された共役ジエンは、純度が99.0〜99.9%の共役ジエンである。
以下に、図面を参照して、本発明の共役ジエンの製造方法に関するプロセスの実施形態について、ブタジエンを製造する例を挙げて説明する。
図1は本発明プロセスの実施の態様の一つである。
図1において、1は反応器、2はクエンチ塔、3,6,13は冷却器(熱交換器)、4,7,14はドレンポット、8A,8Bは脱水塔、9は加熱器(熱交換器)、10は溶媒吸収塔、11は脱気塔、12は溶媒分離塔を示し、符号100〜126は配管を示す。原料となるn−ブテン或いは前述のBBSS等のn−ブテンを含む混合物を、気化器(図示せず)でガス化して、配管101より導入すると共に、配管102、103、104より、窒素ガス、空気(分子状酸素含有ガス)、及び水(水蒸気)をそれぞれ導入し、これらの混合ガスを予熱器(図示せず)で150〜400℃程度に加熱した後、配管100より触
媒が充填された多管式の反応器1(酸化脱水素反応器)に供給する。反応器1からの反応
生成ガスは、配管105よりクエンチ塔2に送給され、20〜99℃程度に冷却される。クエンチ塔2には、配管106より冷却水が導入され、生成ガスと向流接触する。そして、この向流接触で生成ガスを冷却した水は、配管107より排出される。なお、この冷却排水は、熱交換器(図示せず)で冷却されて再度クエンチ塔2において循環使用される。クエンチ塔2で冷却された生成ガスは、塔頂から留出され、次いで配管108より冷却器3を経て室温に冷却される。冷却により発生した凝縮水は配管109よりドレンポット4に分離される。水分離後のガスは更に配管110を経て圧縮機5で0.1〜0.5MPa程度に昇圧され、昇圧ガスは配管111を経て冷却器6で再度10〜30℃程度に冷却される。冷却により発生した凝縮水は配管112よりドレンポット7に分離される。水分離後の圧縮ガスは、モレキュラーシーブ等の乾燥剤が充填された脱水塔8A,8Bに導入され脱水処理される。脱水塔8A,8Bは圧縮ガスの脱水と乾燥剤の加熱乾燥による再生とが交互に行われる。即ち、圧縮ガスは、まず、配管113,113aを経て脱水塔8Aに導入されて脱水処理され、配管114a,114を経て溶媒吸収塔10に送給される。この間に、脱水塔8Bには、配管122、加熱器9、配管123,123a,123bを経て150〜250℃程度に加熱された窒素ガスが導入され、乾燥剤の加熱による水分の脱
着が行われる。脱着した水分を含む窒素ガスは、配管124a,124b、124を経て冷却器13で室温まで冷却され、凝縮水が配管125よりドレンポット14に分離された後、配管126より排出される。
脱水工程における脱水塔内の乾燥剤の再生時間は、特に限定されないが、通常6〜48時間、好ましくは、12〜36時間、更に好ましくは18〜30時間である。
脱水塔8A,8Bからの脱水ガスは、必要に応じて冷却器(図示せず)で10〜30℃程度に冷却された後、溶媒吸収塔10に送給され、配管115からの溶媒(吸収溶媒)と向流接触される。これにより、脱水ガス中の共役ジエンや未反応の原料ガスが吸収溶媒に吸収される。吸収溶媒に吸収されなかった成分(offガス)は、溶媒吸収塔10の塔頂より配管117を経て排出され燃焼廃棄される。このとき、吸収溶媒として、トルエンのような比較的沸点の低い溶媒を用いると経済的に無視できない量の溶媒が配管117を経て揮散することがある。このような場合はより沸点の高い溶媒を用いて沸点の低い溶媒を回収する工程を配管117の先に設けてもよい。この溶媒吸収塔10で、ブタジエンや未反応の原料ガスを吸収溶媒に吸収した溶媒吸収液は、溶媒吸収塔10の塔底より抜き出され、配管116より脱気塔11に送給される。溶媒吸収塔10で得られるブタジエンの溶媒吸収液には、若干量の窒素、酸素も吸収されているため、次いでこの溶媒吸収液を脱気塔11に供給して加熱することにより、液中に溶存する窒素や酸素をガス化して除去する。この際、ブタジエンや原料ガス、溶媒の中には、その一部がガス化することがあるため、この脱気塔11の塔頂に設けたコンデンサ(図示せず)でこれを液化して溶媒吸収液中に回収する。凝縮しなかった原料ガス、ブタジエン等は窒素、酸素の混合ガスとして配管118より抜き出され、共役ジエンの回収率を高めるために圧縮機5の入口側へ循環され再度処理が行われる。一方、溶媒吸収液を脱気した脱気処理液は配管119より溶媒分離塔12へ送給される。
[製造例1:複合酸化物触媒の調製]
パラモリブデン酸アンモニウム54gを純水250mlに70℃に加温して溶解させた。次に、硝酸第二鉄7.18g、硝酸コバルト31.8g及び硝酸ニッケル31.8gを純水60mlに70℃に加温して溶解させた。これらの溶液を、充分に攪拌しながら徐々に混合した。
得られた触媒前駆体の粒状固体(灼熱減量:1.4重量%)を粉砕し、パラモリブデン酸アンモニウム40.1gを純水150mlにアンモニア水10mlを加え溶解した溶液に分散した。次に、純水40mlにホウ砂0.85g及び硝酸カリウム0.36gを25℃の加温下に溶解させて、上記スラリーを加えた。
媒を得た。仕込み原料から計算される触媒は、次の原子比を有する複合酸化物であった。
Mo:Bi:Co:Ni:Fe:Na:B:K:Si=12:5:2.5:2.5:0.4:0.35:0.2:0.08:24
なお、触媒調製の際のモリブデンの原子比a1とa2は、それぞれ6.9と5.1であった。
内径23.0mm、高さ500mmのステンレス製反応管に、予めイナートボール(1
粒あたりの大きさ:約0.065mm3)を27ml充填(充填層長:201mm)しておき、そのイナートボールの充填層の上に、製造例1で製造された複合酸化物触媒8.6mlとイナートボール(1粒あたりの大きさ:約0.065mm3)2.9mlとを混合
して充填し、第1の触媒層を形成した(以下、「触媒層1」とする)。この触媒層1の充填層長は32mmで、触媒希釈率は25%であった。次に、触媒層1の上に、製造例1で製造された複合酸化物触媒2.9mlとイナートボール(1粒あたりの大きさ:約0.0
65mm3)8.6mlと混合して充填し、第2の触媒層を形成した(以下、「触媒層2
」とする)。この触媒層2の充填層長は31mmで、触媒希釈率は75%であった。尚、反応器へ充填した触媒量合計は11.5ml(充填した触媒の全重量:7.51g)であった。
そして、予め窒素を1.8L/hr、空気を11.8L/hr、及び水蒸気を5.5L/hrで予熱器に供給しておき、その後、表1に示す組成の原料ガスを2.8L/hr供給し、予熱器内で混合して混合ガスとして350℃に昇温した(反応器導入ガス組成=窒素:8.1vol%、空気:53.9vol%、水蒸気:25.0vol%、原料ガス:13.0vol%)。原料ガスに含まれる代表的な成分の組成(mol%)を表1に示す。この際、触媒量11.5mlに対して、合計ガス流量は21.9ml/hであり、上記式(3)で算出したSVは1900h−1であった。
果を表−1に示す。
実施例1において、予め製造例1で製造された複合酸化物触媒9.8mlを、全てその粒径が半分以下になるように粉砕し(触媒重量:6.57g)、イナートボール(1粒あ
たりの大きさ:約0.065mm3)3.2mlとを混合して充填されたものを触媒層1とし、触媒層1の上に、予め製造例1で製造された複合酸化物触媒3.2mlを、全てその粒径が半分以下になるように粉砕し(触媒重量:2.14g)とイナートボール(1粒
あたりの大きさ:約0.065mm3)7.7mlと混合して充填されたものを触媒層2として(充填した触媒の全重量:8.71g)、窒素と水蒸気の供給量を、それぞれ3.9L/hr、6.2L/hrに変更し、合計ガス流量を24.7L/hr と変更した以外は、同様の方法で、酸化脱水素反応を行った。
素濃度は、10.8wt%であった。結果を表−1に示す。
比較例1において、予め製造例1で製造された複合酸化物触媒2.6mlを、全てその粒径が半分以下になるように粉砕し(触媒重量:1.74g)、この粉砕した触媒と、予め製造例1で製造された複合酸化物触媒7.2ml(触媒重量:4.82g)と、イナートボール(1粒あたりの大きさ:約0.065mm3)3.3mlとを混合して充填されたものを触媒層1とし、触媒層1の上に、予め製造例1で製造された複合酸化物触媒3.3ml(触媒重量:2.21g)とイナートボール(1粒あたりの大きさ:約0.065mm3)9.8mlと混合して充填されたものを触媒層2とした(充填した触媒の全重量:8.77g)以外は、比較例1と同様の方法で、酸化脱水素反応を行った。
度は、3.9wt%であった。結果を表−1に示す。
実施例2において、予め製造例1で製造された複合酸化物触媒6.5mlを、全てその粒径が半分以下になるように粉砕し(触媒重量:4.36g)、この粉砕した触媒と、予め製造例1で製造された複合酸化物触媒3.3ml(触媒重量:2.21g)と、イナートボール(1粒あたりの大きさ:約0.065mm3)3.3mlとを混合して充填されたものを触媒層1とし、触媒層1の上に、予め製造例1で製造された複合酸化物触媒3.3ml(触媒重量:2.21g)とイナートボール(1粒あたりの大きさ:約0.065mm3)9.8mlと混合して充填されたものを触媒層2とした(充填した触媒の全重量:8.78g)以外は、実施例2と同様の方法で、酸化脱水素反応を行った。
度は、12.8wt%であった。結果を表−1に示す。
2 クエンチ塔
3,6,13 冷却器
4,7,14 ドレンポット
8A,8B 脱水器
9 加熱器
10 溶媒吸収塔
11 脱気塔
12 溶媒分離塔
101〜121 配管
Claims (6)
- 炭素原子数4以上のモノオレフィンを含む原料ガスと分子状酸素含有ガスとを混合した混合ガスを、触媒を有する反応器に供給し、酸化脱水素反応により対応する共役ジエンを生成し、該共役ジエンを含む生成ガスを得る共役ジエンの製造方法において、下記式(1)で示される該反応器中の触媒の破砕率が0.0重量%以上40.0重量%以下であることを特徴とする共役ジエンの製造方法。
破砕率(重量%)={(反応器中の破砕触媒の重量)/(反応器中の全触媒重量)}×100 …(1) - 前記反応器が前記触媒と反応性の無い固形物を更に有することを特徴とする請求項1に記載の共役ジエンの製造方法。
- 前記反応器内の全触媒量に対する前記混合ガスの流量の比(体積比)が500〜5000h-1であることを特徴とする請求項1又は2に記載の共役ジエンの製造方法。
- 前記触媒が、少なくともモリブデン及びビスマスを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の共役ジエンの製造方法。
- 前記触媒が、下記一般式(2)で表される複合酸化物触媒であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の共役ジエンの製造方法。
MoaBibCocNidFeeXfYgZhSiiOj (2)
(式中、Xはマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、亜鉛(Zn)、セリウム(Ce)及びサマリウム(Sm)からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、Yはナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、セシウム(Cs)及びタリウム(Tl)からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、Zはホウ素(B)、リン(P)、砒素(As)及びタングステン(W)からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素である。また、a〜jはそれぞれの元素の原子比を表し、a=12のとき、b=0.1〜7、c=0〜10、d=0〜10(但しc+d=1〜10)、e=0.05〜3、f=0〜2、g=0.04〜2、h=0〜3、i=0〜48の範囲にあり、またjは他の元素の酸化状態を満足させる数値である。) - 前記原料ガスが、エチレンの2量化により得られる1−ブテン、シス−2−ブテン、トランス−2−ブテン若しくはこれらの混合物を含有するガス、n−ブタンの脱水素若しくは酸化脱水素反応により生成するブテン留分、又は重油留分を流動接触分解する際に得られる炭素原子数が4の炭化水素を多く含むガスであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の共役ジエンの製造方法。
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