JP5652151B2 - 共役ジエンの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は共役ジエンの製造方法に係り、特にn−ブテン等の炭素原子数4以上のモノオレフィンの接触酸化脱水素反応でブタジエン等の共役ジエンを製造する方法に関する。
n−ブテン等のモノオレフィンを触媒の存在下に酸化脱水素反応させてブタジエン等の共役ジエンを製造する方法は、従来公知である。
この反応は例えば以下の反応式に従って進行し、水が副生する。
48+1/2O2→C46+H2
n−ブテンの接触酸化脱水素反応によるブタジエンの製造は、工業的にはナフサ分解で副生するC4留分(C4炭化水素混合物。以下、「BB」と称す場合がある。)からのブタジエンの抽出分離プロセスにおいて、抽出蒸留塔でブタジエンを分離して得られた、1−ブテンの他、2−ブテン、ブタン等を含む混合物(以下、この混合物を「BBSS]と称す場合がある。)中に含まれるブテンからブタジエンを製造する方法が提案されている。
具体的な方法としては、ブテンを気相接触酸化脱水素してブタジエンを生成させ、ブタジエンを含む生成ガスを冷却して生成ガス中から高沸点副生物を除去した後、生成ガス中のアルデヒド類を除去する工程を経て、生成ガスを圧縮して、圧縮された生成ガスからブタジエンを回収する工程を有するものがある(例えば、特許文献1又は特許文献2)。
一方、特許文献3には、ブテンの酸化脱水素反応によるブタジエンの製造触媒として、モリブデン、鉄、ニッケル又はコバルトの少なくとも一種及びシリカを含む複合酸化物触媒が記載されているが、具体的なブタジエンの製造方法は記載されていない。
特開昭60−115532号公報 特開昭60−126235号公報 特開2003−220335号公報
上記特許文献1〜3の触媒や製造方法でブテンからブタジエンを製造する際に、酸化脱水素反応を行う際に、触媒上でのコーキングが進行し、反応器の差圧が上昇し、運転継続できなくなる、という課題があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、n−ブテン等のモノオレフィンの接触酸化脱水素反応によりブタジエン等の共役ジエンを製造する方法において、反応中にコークのような炭素分が触媒上に蓄積するのを防止し、安定的に運転が継続できる工業的に有利なブタジエンの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、炭素原子数4以上のモノオレフィンを含む原料ガスと分子状酸素含有ガスとを混合し、混合ガスを得て、該混合ガスを触媒と反応性の無い固形物より形成される触媒層を有する反応器に供給し、酸化脱水素反応により対応する共役ジエンを含む生成ガスを得る際に、反応器の生成ガス出口に最も近い触媒層の温度が340℃以上、若しくは、反応器の生成ガス出口に最も近い触媒層の温度と反応器内の最高温度の比が0.915以上であって、且つ、反応器内の触媒量に対する混合ガスの流量の比が1500〜5000h-1とすることにより、触媒上への炭素分の
コーキング進行を緩和し、より安全に運転ができ、更に高い収率で安定的にブタジエンの製造を行うことができることを見出した。
本発明はこのような知見に基いて達成されたものであり、以下の[1]〜[6]を要旨とする。
[1] 炭素原子数4以上のモノオレフィンを含む原料ガスと分子状酸素含有ガスとを混合し、混合ガスを得て、該混合ガスを触媒層を有する反応器に供給し、酸化脱水素反応を行うことにより、対応する共役ジエンを含む生成ガスを得る共役ジエンの製造方法において、該反応器の生成ガス出口に最も近い箇所に設けられる触媒層の温度と反応器内の最高温度との比が0.935以上であって、且つ、該反応器内の触媒量に対する混合ガスの流量の比が1500〜5000h-1であることを特徴とする共役ジエンの製造方法。
[2] 反応温度が339℃以上であることを特徴とする[1]に記載の共役ジエンの製造方法。
[3] 前記触媒層が、触媒と反応性の無い固形物の混合物により形成されることを特徴とする[1]又は[2]のいずれか1項に記載の共役ジエンの製造方法。
[4] 前記反応器内に、希釈率が異なる触媒層が2層以上存在することを特徴とする[1]〜[3]のいずれか1項に記載の共役ジエンの製造方法。
[5] 前記触媒が、少なくともモリブデン、ビスマス、およびコバルトを含有する複合酸化物触媒であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれか1項に記載の共役ジエンの製造方法。
[6] 前記複合酸化物触媒が、下記一般式(1)で表される複合酸化物触媒であること
を特徴とする[5]に記載の共役ジエンの製造方法。
MoaBibCocNidFeefghSiij (1)
(式中、Xはマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、亜鉛(Zn)、セリウム(Ce)及びサマリウム(Sm)からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、Yはナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、セシウム(Cs)及びタリウム(Tl)からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、Zはホウ素(B)、リン(P)、砒素(As)及びタングステン(W)からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素である。また、a〜jはそれぞれの元素の原子比を表し、a=12のとき、b=0.5〜7、c=0〜10(但し、c=0を除く)、d=0〜10(但しc+d=1〜10)、e=0.05〜3、f=0〜2、g=0.04〜2、h=0〜3、i=0〜48の範囲にあり、またjは他の元素の酸化状態を満足させる数値である。)
本発明によれば、反応器内の触媒にコークのような炭素分が蓄積するのを抑制でき、継続的にプラントの安定運転が可能となる。
本発明の共役ジエンの製造方法の実施の形態を示す系統図である。
以下に本発明の共役ジエンの製造方法の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はこれらの内容に限定され
ない。
本発明の共役ジエンの製造方法は、ブテン(1−ブテン及び/又は2−ブテン等のn−ブテン、イソブテン)、ペンテン、メチルブテン、ジメチルブテン等の炭素原子数4以上、好ましくは炭素原子数4〜6のモノオレフィンの接触酸化脱水素反応による対応する共役ジエンの製造に有効に適用することができる。この中でも、ブテン、更には、n−ブテン(1−ブテン及び/又は2−ブテン)からのブタジエンの製造に最も好適に用いられる。
本発明の原料ガスは、炭素原子数4以上のモノオレフィンを含むが、原料ガスとしては、単離した炭素原子数4以上のモノオレフィンそのものを使用する必要はなく、必要に応じて任意の混合物の形で用いることができる。例えばブタジエンを得ようとする場合には高純度のn−ブテン(1−ブテン及び/又は2−ブテン)を原料ガスとすることもできるが、前述のナフサ分解で副生するC4留分(BB)からブタジエン及びi−ブテン(イソ
ブテン)を分離して得られるn−ブテン(1−ブテン及び/又は2−ブテン)を主成分とする留分(BBSS又はBBRR)やn−ブタンの脱水素又は酸化脱水素反応により生成するブテン留分を使用することもできる。また、エチレンの2量化により得られる高純度の1−ブテン、シス−2−ブテン、トランス−2−ブテン又はこれらの混合物を含有するガスを原料ガスとして使用しても差し支えない。尚、このエチレンはエタン脱水素、エタノール脱水、又はナフサ分解などの方法で得られるエチレンを使用することができる。更に、石油精製プラントなどで原油を蒸留した際に得られる重油留分を、流動層状態で粉末状の固体触媒を使って分解し、低沸点の炭化水素に変換する流動接触分解 (Fluid Catalytic Cracking)から得られる炭素原子数4の炭化水素類を多く含むガス(以下、FCC−
C4と略記することがある)をそのまま原料ガスとする、又は、FCC−C4からリンや砒素などの不純物を除去したものを原料ガスとして使用しても差し支えない。ここでいう、主成分とは、原料ガスに対して、通常40体積%以上、好ましくは60体積%以上、より好ましくは75体積%以上、特に好ましくは99体積%以上を示す。
また、本発明の原料ガス中には、本発明の効果を阻害しない範囲で、任意の不純物を含んでいても良い。n−ブテン(1−ブテン及び/又は2−ブテン)からブタジエンを製造する場合、含んでいても良い不純物として、具体的には、イソブテンなどの分岐型モノオレフィン;プロパン、n−ブタン、i−ブタン、ペンタンなどの飽和炭化水素;プロピレン、ペンテンなどのオレフィン;1,2−ブタジエンなどのジエン;メチルアセチレン、ビニルアセチレン、エチルアセチレンなどのアセチレン類等が挙げられる。この不純物の量は、通常40体積%以下、好ましくは20体積%以下、より好ましくは10体積%以下、特に好ましくは1体積%以下である。この量が多すぎると、主原料である1−ブテンや2−ブテンの濃度が下がって反応が遅くなったり、目的生成物の収率が低下する傾向にある。
本発明の分子状酸素含有ガスは、通常、分子状酸素が10体積%以上、好ましくは、15体積%以上、更に好ましくは20体積%以上含まれるガスのことであり、具体的に好ましくは空気である。なお、分子状酸素含有ガスを工業的に用意するために必要なコストという観点から、分子状酸素が、通常50体積%以下、好ましくは、30体積%以下、更に好ましくは25体積%以下である。また、本発明の効果を阻害しない範囲で、分子状酸素含有ガスには、任意の不純物を含んでいても良い。含んでいても良い不純物として、具体的には、窒素、アルゴン、ネオン、ヘリウム、CO、CO、水等が挙げられる。この不純物の量は、窒素の場合、通常90体積%以下、好ましくは85体積%以下、より好ましくは80体積%以下である。窒素以外の成分の場合、通常10体積%以下、好ましくは1体積%以下である。この量が多すぎると、反応に必要な酸素を供給するのが難しくなる傾向にある。
本発明では、反応器に原料ガスを供給するにあたり、原料ガスと分子状酸素含有ガスとを混合し、混合ガスを得て、その混合ガスを反応器に供給するが、混合ガスと共に、窒素ガス、及び水(水蒸気)を反応器に供給してもよい。窒素ガスは、混合ガスが爆鳴気を形成しないように可燃性ガスと酸素の濃度を調整するという理由から、水(水蒸気)は窒素ガスと同様に可燃性ガスと酸素の濃度を調整するという理由と触媒のコーキングを抑制するという理由から、混合ガスに、水(水蒸気)と窒素ガスとを更に混合し反応器に供給するのが好ましい。
また、原料ガス、分子状酸素含有ガス、窒素ガス、及び水(水蒸気)を供給する方法は特に限定されず、別々の配管で供給してもよいが、爆鳴気の形成を確実に回避するために、混合ガスを得る前に、予め原料ガスに窒素ガスを供給しておく、又は、分子状酸素含有ガスに窒素ガスを供給しておき、その状態で、原料ガスと分子状酸素含有ガスとを混合して混合ガスを得ることが好ましい。
本発明の酸化脱水素反応に用いられる反応器は特に限定されないが、具体的には、管型反応器、槽型反応器又は流動床反応器が挙げられ、好ましくは、固定床反応器、より好ましくは固定床の多管式反応器やプレート式反応器であり、最も好ましくは固定床の多管式反応器である。これらの反応器は一般に工業的に用いられているものであり特に制限はない。
本発明では、反応器に水蒸気を前記原料ガスの供給量に対して1.0〜5.0の比率で導入することが好ましい。この比率が大きくなるほど、廃水量が増加する傾向にあり、小さくなるほど、目的生成物であるブタジエンの収率が低下する傾向にある。そのため、水蒸気を前記原料ガスの供給量に対して0.5〜5.0の比率で導入する、好ましくは、0.8〜4.5であり、更に好ましくは、1.0〜4.0である。
反応器に供給する原料ガスは、分子状酸素含有ガスと混合されると、酸素と可燃性ガスの混合物となることから、爆発範囲に入らないように各々のガス(原料ガス、空気、及び必要に応じて窒素ガスと水(水蒸気))を供給する配管に設置された流量計にて流量を監視しながら、反応器入り口の組成制御を行い、例えば、n−ブテン(1−ブテン及び/又は2−ブテン)からブタジエンを製造する場合、後述の混合ガス組成の範囲に調整される。なお、ここでいう爆発範囲とは、酸素と可燃性ガスの混合ガスが何らかの着火源の存在下で着火するような組成を持つ範囲のことである。可燃性ガスの濃度がある値より低いと着火源が存在しても着火しないことが知られており、この濃度を爆発下限界という。また可燃性ガスの濃度がある値より高いとやはり着火源が存在しても着火しないことが知られており、この濃度を爆発上限界という。各々の値は酸素濃度に依存しており、一般に酸素濃度が低いほど両者の値が近づき、酸素濃度がある値になったとき両者が一致する。このときの酸素濃度を限界酸素濃度と言い、酸素濃度がこれより低ければ可燃性ガスの濃度によらず混合ガスは着火しない。
本発明の反応を開始するときは、最初に反応器に供給する分子状酸素含有ガス、窒素、水蒸気の量を調整して反応器入り口の酸素濃度が限界酸素濃度以下になるようにしてから可燃性ガス(主に原料ガス)の供給を開始し、次いで可燃性ガス濃度が爆発上限界よりも濃くなるように可燃性ガス(主に原料ガス)と空気などの分子状酸素含有ガスの供給量を増やしていくのが良い。可燃性ガス(主に原料ガス)と分子状酸素含有ガスの供給量を増やしていくときに窒素および/または水蒸気の供給量を減らして混合ガスの供給量が一定となるようにしても良い。こうすることで、配管および反応器における混合ガスの滞留時間を一定に保ち、圧力の変動を抑えることが出来る。
なお、爆発範囲外であっても、ある温度、圧力条件下で、ある時間保持されると発火す
る場合がある。このときの保持時間を発火遅れ時間という。反応器周りを設計するときは原料配管や生成ガス配管の滞留時間が発火遅れ時間以下になるように設計する必要がある。発火遅れ時間は温度や圧力、組成に依存するので一概には言えないが、混合ガス配管の滞留時間は1000秒以下、生成ガス配管の滞留時間は10秒以下もしくは生成ガスを10秒以内に350℃以下に冷却することが望ましい。
以下に、混合ガスの代表的な組成を示す。
<混合ガス組成>
n−ブテン:C4留分合計に対して50〜100vol%
4留分合計:5〜15vol%
2:C4留分合計に対して40〜120vol/vol%
2:C4留分合計に対して500〜1000vol/vol%
2O:C4留分合計に対して90〜900vol/vol%
また、本発明の混合ガス中の原料ガスの割合について、特に限定されないが、通常、4.2vol%以上であり、好ましくは7.6vol%以上、更に好ましくは9.3vol%以上である。この値が大きくなるほど、反応器のサイズを小さくでき、建設費および運転に要するコストが低減する傾向にある。また、一方、通常20.0vol%以下であり、好ましくは、17.0vol%以下、更に好ましくは、15.0vol%以下である。この値が小さくなるほど、原料ガス中の触媒上へのコーキングの起因物質も低減するため、触媒のコーキングが発生しにくくなる。
本発明の反応器には、後述の酸化脱水素反応触媒が充填されており、その触媒は、原料の炭素原子数4以上のモノオレフィンと酸素から対応する共役ジエンを生成するために用いる固定床反応器に充填されて使用されることが好ましく、n−ブテンが酸素と反応し、ブタジエンと水とを生成するために用いる固定床反応器に充填されて使用されることが更に好ましい。
本発明で使用する反応器中には、触媒層を有しており、これは、主として、ある一定の量の触媒が充填される層であり、反応器の入口から反応器の生成ガス出口の方向に向かって層状に形成される。この触媒層に、原料ガスと分子状酸素含有ガスが供給されると目的生成物である共役ジエンを生成する。
触媒層は、触媒と該触媒と反応性の無い固形物を含む層のみから構成されていても、触媒と該触媒と反応性の無い固形物とを含む層と触媒のみからなる層の複数の層から構成されていてもよい。触媒層が、触媒と該触媒と反応性の無い固形物を含む層を有することで、反応時の発熱による触媒層の急激な温度上昇を抑制できるため、好ましい。また、この際、触媒層の希釈率(触媒層中に含まれる反応性の無い固形物の割合で、具体的には下記式で示される希釈率(体積%))は、特に限定されないが、通常99vol%以下であり、好ましくは90vol%以下、更に好ましくは、80vol%以下である。この値が小さくなるほど、反応器の大きさを小さくすることができ、建設費や運転コストを抑えることができる。一方、通常10vol%以上であり、好ましくは、20vol%以上、更に好ましくは、30vol%以上である。この値が大きくなるほど、触媒層中でのホットスポットの発生を抑えることができる。
希釈率(体積%)=[(触媒と反応性の無い固形物の体積)/(触媒の体積+触媒と反応性の無い固形物の体積)]×100
本発明で、反応器内に設けられる触媒層は、特に限定されないが、一層以上設けられていればよく、好ましくは、2〜5層である。触媒層の数が多くなるほど、触媒充填作業が煩雑になる傾向にあり、触媒層の数が少なくなるほど、容易という傾向にある。また、反応器内に触媒層が2層以上設ける場合は、各触媒層の希釈率は、反応条件や反応温度によ
って適宜決めることができるが、希釈率が異なる触媒層を設けることが好ましい。また、反応器の原料ガス入口側に最も近くに設けられる触媒層よりも、反応器の生成ガス出口側に向かって、希釈率が小さくなるように触媒層を配置することが更に好ましい。
その理由としては、原料ガスの流れ方向である反応器生成ガス出口側に向かうに従い、反応器に供給される混合ガス中の原料ガスは低下するため、希釈率を小さくすることで原料ガスの反応量を一定に保つことができ、原料ガス中の炭素原子数4以上のモノオレフィンの転化率を上げることができ、更に、反応器の生成ガス出口側の急激な温度低下を抑制できるからである。
また、触媒層の充填長は、充填される触媒の活性(反応性の無い固形物で希釈される場合は、希釈された触媒としての活性)、反応器の大きさ、反応原料ガス温度、反応温度及び反応条件が決まれば、物質収支及び熱収支計算によって求めることができる。
本発明に用いられる反応性の無い固形物は、共役ジエン生成反応条件下で安定であり、触媒や炭素原子数4以上のモノオレフィン等の原料物質、又は共役ジエン等の生成物と反応性がない材質のものであれば、特に限定されない。一般的に、イナートボールとも呼ばれることがある。具体的には、アルミナ、ジルコニア等のセラミック材等が挙げられる。また、その形状は、特に限定されず、球状、円柱状、リング状、不定形のいずれでもよい。また、その大きさは、本発明で使用する触媒と同等の大きさであればよい。
また、本発明では、固定床反応器内に、上記の触媒層以外に、反応性が無い固形物のみで形成される層を有していても良い。通常、反応器の原料ガスの入口一番近い箇所と生成ガス出口側に最も近い箇所の両方、若しくはどちらか一方に、反応性が無い固形物のみで形成される層を設けるのがよい。これら層の大きさは、触媒層の大きさや反応器の大きさ、及び反応条件に応じて、適宜決めることができる。 本発明の酸化脱水素反応は発熱反応であり、通常、反応温度は290〜600℃、好ましくは、300〜500℃、更に好ましくは、339〜450℃の範囲に調整される。この温度が大きくなるほど、触媒活性が急激に低下しやすい傾向にあり、小さくなるほど、目的生成物である共役ジエンの収率が低下する傾向にある。反応温度を一定に制御する熱媒体には、一般的に有機系熱媒体や溶融塩、溶融金属などが挙げられ、好ましくは溶融塩が使用される。なお、ここでいう反応温度は反応管外面に流れる熱媒温度を意味する。反応温度を制御することで、前述した通り、触媒層温度を所望の温度、及び温度分布に制御することができる。尚、触媒層及び触媒に接触する全ての反応管壁、及び希釈剤あるいは触媒層を固定するスプリングなどの冶具を含む、触媒に接触する全ての物体の温度は熱媒温度である反応温度と触媒層温度の間を示す。
また、本発明における反応器内の温度は、特に限定されないが、通常、250〜450℃、好ましくは、280〜400℃、更に好ましくは、320〜395℃である。触媒層の温度が450℃を超えると、反応を継続するに従って、急激に触媒活性が低下する恐れがある傾向にあり、一方、触媒層の温度が250℃を下回ると、目的生成物である共役ジエンの収率が低下する傾向にある。反応器内温度は、反応条件によって決定されるが、触媒層の希釈率や反応温度、混合ガスの流量や組成等で制御することができる。なお、ここでいう反応器内温度とは、反応器出口での生成ガスの温度、又は触媒層を有する反応器の場合は、その触媒層の温度のことである。なお、この触媒層の温度は、反応器内の位置には限定されない。
本発明では、反応器の生成ガス出口に最も近い箇所に設けられる触媒層の温度が、340℃以上であることを特徴とする。好ましくは345℃以上であり、更に好ましくは、350℃以上である。この温度が高くなるほど、この触媒層に含まれる触媒のコーキングを抑制することができる。
本発明の反応器内の最高温度は、反応温度や反応器の生成ガス出口に最も近い箇所に設けられる触媒層の温度によって様々であるが、通常360℃以上であり、好ましくは365℃以上であり、更に好ましくは370℃以上である。この値が大きくなるほど、目的生成物である共役ジエンの収率が高くなる傾向にある。一方、通常420℃以下であり、好ましくは400℃以下である。この値が小さくなるほど、酸化脱水素反応を連続的に行っても、触媒活性の急激な低下を抑えることができる。なお、反応器内の最高温度とは、反応器内に設置された触媒層の中で最も高い温度であり、触媒層の反応器内の位置や触媒層の数に限定されない。
また、本発明では、反応器の生成ガス出口に最も近い触媒層の温度と反応器内の最高温度の比が、0.915以上であることを特徴とする。好ましくは、0.935以上、更に好ましくは、0.950以上である。この比が大きくなるほど、反応器内に含まれる触媒のコーキングを抑制することができる。
本発明の反応器の圧力は、特に限定されないが、通常、0MPaG以上、好ましくは、0.001MPa以上、更に好ましくは、0.01MPaG以上である。この値が大きくなるほど、反応器に反応ガスを多量に供給できるというメリットがある。一方、通常は0.5MPaG以下であり、好ましくは0.3MPaG以下、更に好ましくは、0.1MPaGである。この値が小さくなるほど、爆発範囲が狭くなる傾向にある。
本発明の反応器の滞留時間は、特に限定されないが、下限は、通常0.72秒以上、好ましくは、0.80秒以上、更に好ましくは0.90秒以上である。この値が大きくなるほど、原料ガス中のモノオレフィンの転化率が高くなるというメリットがある。一方、上限は、2.40秒以下であり、好ましくは2.00秒以下、更に好ましくは、1.895秒である。この値が小さくなるほど、反応器が小さくなる傾向にある。
また、本発明の固定床反応器において、反応器内の触媒量に対する混合ガスの流量の比は、下限値は、1500h-1以上であり、好ましくは、1800h-1以上であり、更に好ましくは、1900h-1以上である。この値が大きくなるほど、共役ジエンの収率が下がる傾向にある。また、一方で、上限値は、5000h-1以下であり、好ましくは、4500h-1であり、更に好ましくは、4000h-1以下である。この値が小さくなるほど、連続的に酸化脱水素反応を行っても触媒が劣化しにくくなる傾向にある。
本発明は、反応器の生成ガス出口に最も近い箇所に設けられる触媒層の温度が340℃以上で、且つ該応器内の触媒量に対する混合ガスの流量の比が1500〜5000h-1であること、又は、反応器の生成ガス出口に最も近い箇所に設けられる触媒層の温度と反応器内の最高温度との比が0.915以上で、且つ反応器内の触媒量に対する混合ガスの流量の比が1500〜5000h-1であることを特徴とする。これにより、反応器内の触媒のコーキングの発生を抑制することができる。その理由は必ずしも明確ではないが、以下のようなことが推定される。
すなわち、原料ガス中には触媒のコーキングを発生させる要因となる化合物が存在しており、原料ガスが反応器へ供給されると、その化合物が反応器内で副反応により、炭素分を多く含む物質に変換され、且つ、この物質は反応器内の触媒に付着しやすく、触媒のコーキングが起こりやすい。
一方で、触媒にコーキングされた物質を除去するには、触媒層の温度をできるだけ高くすることで、熱分解によりコーキングされた物質を除去する(以下、「デコーキング」と呼ぶことがある)ことができる。
反応器内の触媒のコーキングの速度とデコーキングの速度を支配する因子が、反応器内の触媒量に対する混合ガスの流量の比、及び、反応器の生成ガス出口に最も近い箇所に設
けられる触媒層の温度、若しくは反応器の生成ガス出口に最も近い箇所に設けられる触媒層の温度と反応器内の最高温度との比であり、それぞれの因子を本発明の数値範囲内とすれば、反応器内の触媒のコーキング速度とデコーキング速度がほぼ同じとなり、原料ガス中に含まれる炭素原子数4以上のモノオレフィンの転化率、及び目的生成物である共役ジエンの選択率を下げることなく、触媒のコーキングを抑制することができる。
生成ガス中に含まれる原料ガス中のモノオレフィンに対応する共役ジエンの濃度は、原料ガス中に含まれるモノオレフィンの濃度にも依存するが、通常1〜15vol%、好ましくは、5〜13vol%、更に好ましくは9〜11vol%である。共役ジエンの濃度が大きいほど、回収コストが低いというメリットがあり、小さいほど次工程で圧縮したときに重合などの副反応が起き難いというメリットがある。また、生成ガス中には未反応のモノオレフィンも含まれていてもよく、その濃度は、通常0〜7vol%、好ましくは、0〜4vol%、更に好ましくは0〜2vol%である。
反応器の入口と出口との流量差としては、原料ガスの反応器入口での流量、及び生成ガスの反応器出口での流量に依存するが、通常、入口流量に対する出口の流量の比率が100〜110vol%、好ましくは、102〜107vol%、更に好ましくは103〜105vol%である。出口流量が増えるのはブテンが酸化脱水素されてブタジエンと水が生成する反応や副反応でCOやCO2が生成する反応において化学量論的に分子数が増え
るためである。出口流量の増加が少ないと反応が進行していないので好ましくなく、出口流量が増えすぎると副反応でCOやCO2が増加しているため好ましくない。
本発明では、反応器から得られる共役ジエンを含む生成ガスを冷却する冷却工程を有していてもよい。冷却工程については、反応器出口から得られる生成ガスを冷却できる工程であれば、特に限定されないが、好適には、冷却溶媒と生成ガスとを直接接触させて冷却させる方法が用いられる。冷却溶媒としては、特に限定されないが、好ましくは水やアルカリ水溶液であり、最も好ましくは水である。
また、生成ガスの冷却温度は、反応器出口から得られる生成ガス温度や冷却溶媒の種類などによって異なるが、通常、5〜100℃、好ましくは、10〜50℃、更に好ましくは、15〜40℃に冷却される。冷却される温度が高くなるほど、建設費と運転に要するコストを下げられる傾向にあり、低くなるほど、生成ガスを圧縮する工程の負荷を下げられる傾向にある。
また、本発明では、反応器から排出される生成ガスに含まれる水分を除去する脱水工程を有していても良い。脱水工程を設けることにより、後段のプロセスにおける各工程における水分による機器腐食や、後述する溶媒吸収工程や溶媒分離工程で使用する溶媒への不純物の蓄積を防止することができるため、好ましい。
本発明の脱水工程については、生成ガスに含まれる水分を除去できる工程であれば、特に限定されない。脱水工程は反応器の後段の工程であれば、どこで行ってもよいが、上述の冷却工程の後に脱水工程を行うことが好ましい。通常、反応器から排出される生成ガス中に含まれる水分量は、原料ガスの種類や分子状酸素含有ガスの量、更には、原料ガスと共に混合される水蒸気等により異なるが、通常は、4〜35vol%、好ましくは10〜30vol%の水分が含有されている。脱水工程では、生成ガス中の水分量をある一定の量まで低減するが、通常は、100volppm〜2.0vol%の水分含有量、好ましくは、200volppm〜1.0vol%の水分含有量である。また、露点として、0〜100℃、好ましくは、10〜80℃である。
生成ガスから水分を脱水する手段としては、特に限定されないが、酸化カルシウム、塩化カルシウム、モレキュラーシーブ等の乾燥剤(水分吸着剤)を利用することができる。
この中でも、再生の容易さ、取り扱いの容易さという観点から、モレキュラーシーブ等の乾燥剤(水分吸着剤)が好ましく利用される。
脱水工程にモレキュラーシーブ等の乾燥剤を利用する場合は、水以外にも生成ガス中にに含まれる高沸点副生物が吸着除去される。ここで除去される高沸点副生物は、アントラキノン、フルオレノン、フタル酸などのことである。
脱水工程を経て得られる生成ガス中の水分含有量は、通常は10〜10000volppm、好ましくは、20〜1000volppmであり、露点としては、−60〜80℃、好ましくは、−50〜20℃である。この生成ガス中の水分含有量が多くなるほど、溶媒吸収塔や溶媒分離塔のリボイラーの汚れが増加する傾向にあり、一方で、少なくなると、脱水工程で使用する用役コストが増加する傾向にある。
本発明では、反応器出口から排出される生成ガスを回収する回収工程を有していてもよい。分離に要するエネルギーコストの低減という観点から、生成ガスを溶媒に吸収させて回収することが好ましい。回収工程については、生成ガスを溶媒に吸収させて回収できる工程であれば、特に限定されない。回収工程は反応器の後段の工程であれば、どこで行っても良いが、上述の脱水工程の後に回収工程を行うことが好ましい。
回収工程で生成ガスを溶媒に吸収させる具体的な方法としては、例えば吸収塔を用いる方法が好ましい。吸収塔の種類としては、充填塔、濡れ壁塔、噴霧塔、サイクロンスクラバー、気泡塔、気泡攪拌槽、段塔(泡鐘塔、多孔板塔)、泡沫分離塔などが使用可能である。好ましくは、噴霧塔、泡鐘塔、多孔板塔である。
吸収塔を用いる場合、通常は、吸収溶媒と生成ガスとを向流接触させることで、生成ガス中の共役ジエンと未反応の炭素原子数4以上のモノオレフィン並びに炭素原子数3以下の炭化水素化合物が溶媒に吸収される。炭素原子数3以下の炭化水素化合物としては、例えば、メタン、アセチレン、エチレン、エタン、メチルアセチレン、プロピレン、プロパン、又はアレンなどが挙げられる。
回収工程において、吸収塔を用いて生成ガスを回収する場合、吸収塔内の圧力は、特に限定されないが、通常、0.1〜2.0MPaG,好ましくは、0.2〜1.5MPaG、更に好ましくは0.25〜1.0MPaGである。この圧力が大きいほど、吸収効率が良くなるというメリットがあり、小さいほど吸収塔へのガス導入時の昇圧に要するエネルギーを削減でき、さらに液中の溶存酸素量を低減できるというメリットがある。
また、吸収塔内の温度は、特に限定されないが、通常0〜50℃、好ましくは、10〜40℃、更に好ましくは20〜30℃である。この温度が大きいほど、酸素や窒素などが溶媒に吸収されにくいというメリットがあり、小さいほど共役ジエンなどの炭化水素の吸収効率が良くなるというメリットがある。
本発明の回収工程で使用させる吸収溶媒としては、特に限定されないが、C6〜C10
飽和炭化水素やC6〜C8の芳香族炭化水素、アミド化合物などが用いられる。具体的には、例えばジメチルホルムアミド(DMF)、トルエン、キシレン、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)等を用いることができる。これらの中でも、好ましくは、無機ガスを溶解しにくいことからC6〜C8の芳香族炭化水素が好ましく、特にトルエンが好ましい。
吸収溶媒の使用量には特に制限はないが、回収工程に供給される目的生成物の流量に対して、通常、1〜100重量倍、好ましくは、2〜50重量倍である。吸収溶媒の使用量が多くなるほど、不経済となる傾向にあり、少なくなるほど、共役ジエンの回収効率が低下する傾向にある。
回収工程で得られる生成ガスが吸収された溶媒(以下、「溶媒吸収液」と呼ぶことがある)中には、主として目的生成物である共役ジエンが含まれており、その共役ジエンの溶
媒吸収液中の濃度としては、通常は1〜20重量%であり、好ましくは3〜10重量%である。溶媒吸収液中の共役ジエンの濃度が高いほど、共役ジエンの重合あるいは揮発による消失分が多くなる傾向にあり、低いほど、同じ生産量での溶媒の循環必要量が増加する為に、運転に要するエネルギーコストが大きくなる傾向にある。
本発明では、回収工程で得られる溶媒吸収液に、若干量の窒素、酸素も吸収されているため、溶媒吸収液中に溶存する窒素や酸素をガス化して除去する脱気工程を有していても良い。脱気工程では、溶媒吸収液中に溶存する窒素や酸素をガス化して除去できる工程であれば、特に限定されない。
このようにして得られた共役ジエンの溶媒吸収液から粗共役ジエンの分離を行う分離工程を経て粗共役ジエンを得ることができる。分離工程としては、共役ジエンの溶媒吸収液から粗共役ジエンを分離できる工程であれば、特に限定されないが、通常、蒸留分離により粗共役ジエンを分離することができる。具体的には、例えば、リボイラーとコンデンサーにより共役ジエンの蒸留分離が行われ、塔頂付近より共役ジエン留分が抜き出される。分離された吸収溶媒は塔底から抜き出され、前段工程に溶媒を使用する回収工程を有する場合は、その回収工程で吸収溶媒として循環使用される。溶媒は循環使用するうち不純物が蓄積する場合があり、一部を抜き出して蒸留やデカンテーション、沈降、吸着剤やイオン交換樹脂などとの接触処理などの公知の精製方法により不純物を除去することが望ましい。
分離工程で使用する蒸留塔の蒸留時の圧力は任意に設定することができるが、通常は、塔頂圧力を0.05〜2.0MPaGとすることが好ましい。より好ましくは塔頂圧力が0.1〜1.0MPaGであり、特に好ましくは0.15〜0.8MPaGの範囲である。この塔頂圧力が低すぎると、留出した共役ジエンを低温で凝縮するために多大なコストが必要となり、また高すぎると蒸留塔の塔底部の温度が高くなり、蒸気コストの増大となってしまう。
塔底温度は通常50〜200℃であり、好ましくは80〜180℃、より好ましくは100〜160℃である。塔底温度が低すぎると共役ジエンを塔頂から留出させるのが困難となる。また温度が高すぎると、溶媒も塔頂から留出してしまう。還流比は1〜10で差し支えなく、好ましくは2〜4である。
蒸留塔としては充填塔、棚段塔のいずれもが使用できるが、多段蒸留が好ましい。共役ジエンと溶媒を分離するには、蒸留塔理論段を5段以上、特に10段〜20段とするのが好ましい。50段を越える蒸留塔は、蒸留塔建設の経済性、運転難易度、及び安全管理のためには好ましくない。また段数が小さすぎると分離が困難となる。
前記共役ジエンの分離工程で粗共役ジエンが得られるが、この粗共役ジエンを蒸留精製等により、更に精製された共役ジエンとすることができる。ここで使用する蒸留塔の蒸留時の圧力は任意に設定することができるが、通常は、塔頂圧力を0.05〜0.4MPaGとすることが好ましい。より好ましくは塔頂圧力が0.1〜0.3MPaGであり、特に好ましくは0.15〜0.2MPaGの範囲である。この塔頂圧力が低すぎると、留出した共役ジエンを低温で凝縮するために多大なコストが必要となり、また高すぎると蒸留塔の塔底部の温度が高くなり、蒸気コストの増大となってしまう。
塔底温度は通常30〜100℃であり、好ましくは40〜80℃、より好ましくは50〜60℃である。塔底温度が低すぎると共役ジエンを塔頂から留出させるのが困難となる。また温度が高すぎると、塔頂で凝縮させる量が増えてコストが増大してしまう。また、還流比は1〜10で差し支えなく、好ましくは2〜4である。
蒸留塔としては充填塔、棚段塔のいずれもが使用できるが、多段蒸留が好ましい。共役ジエンとフランなどの不純物を分離するには、蒸留塔理論段を5段以上、特に10段〜2
0段とするのが好ましい。50段を越える蒸留塔は、蒸留塔建設の経済性、運転難易度、及び安全管理のためには好ましくない。また段数が小さすぎると分離が困難となる。このようにして得られる精製された共役ジエンは、純度が99.0〜99.9%の共役ジエンである。
[酸化脱水素反応触媒]
以下に、本発明で好適に用いられる酸化脱水素反応触媒について説明する。本発明で用いる酸化脱水素反応の触媒は、炭素原子数4以上のモノオレフィンと酸素を原料として、対応する共役ジエンを生成することができる触媒であれば、特に限定されないが、固体触媒であって、少なくともモリブデン、ビスマス、及びコバルトを含有する複合酸化物触媒であることが好ましい。
そして、この中でも下記一般式(1)で表される複合酸化物触媒であることがより好ましい。
MoaBibCocNidFeefghSiij (1)
(式中、Xはマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、亜鉛(Zn)、セリウム(Ce)及びサマリウム(Sm)からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、Yはナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、セシウム(Cs)及びタリウム(Tl)からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、Zはホウ素(B)、リン(P)、砒素(As)及びタングステン(W)からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素である。また、a〜jはそれぞれの元素の原子比を表し、a=12のとき、b=0.5〜7、c=0〜10、d=0〜10(但しc+d=1〜10)、e=0.05〜3、f=0〜2、g=0.04〜2、h=0〜3、i=0〜48の範囲にあり、またjは他の元素の酸化状態を満足させる数値である。)
また、この複合酸化物触媒は、この複合酸化物触媒を構成する各成分元素の供給源化合物を水系内で一体化して加熱する工程を経て製造する方法であって、モリブデン化合物、鉄化合物、ニッケル化合物及びコバルト化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種とシリカとを含む原料化合物水溶液又はこれを乾燥して得た乾燥物を加熱処理して触媒前駆体を製造する前工程と、該触媒前駆体、モリブデン化合物及びビスマス化合物を水性溶媒とともに一体化し、乾燥、焼成する後工程とを有する方法で製造されたものであることが好ましく、このような方法で製造された複合酸化物触媒であれば、その高い触媒活性で高収率でブタジエン等の共役ジエンを製造することができ、アルデヒド類含有量の少ない反応生成ガスを得ることができる。
次に、に本発明に好適な複合酸化物触媒の製造方法について説明する。
この複合酸化物触媒の製造方法においては、前記前工程で用いられるモリブデンが、モリブデンの全原子比(a)の内の一部の原子比(a1)相当のモリブデンであり、前記後
工程で用いられるモリブデンが、モリブデンの全原子比(a)からa1を差し引いた残り
の原子比(a2)相当のモリブデンであることが好ましい。また、前記a1が1<a1/(
c+d+e)<3を満足する値であることが好ましい。さらに、前記a2が0<a2/b<8を満足する値であることが好ましい。
上記成分元素の供給源化合物としては、成分元素の酸化物、硝酸塩、炭酸塩、アンモニウム塩、水酸化物、カルボン酸塩、カルボン酸アンモニウム塩、ハロゲン化アンモニウム塩、水素酸、アセチルアセトナート、アルコキシド等が挙げられ、その具体例としては、下記のようなものが挙げられる。
Moの供給源化合物としては、パラモリブデン酸アンモニウム、三酸化モリブデン、モリブデン酸、リンモリブデン酸アンモニウム、リンモリブデン酸等が挙げられる。
Feの供給源化合物としては、硝酸第二鉄、硫酸第二鉄、塩化第二鉄、酢酸第二鉄等が
挙げられる。
Coの供給源化合物としては、硝酸コバルト、硫酸コバルト、塩化コバルト、炭酸コバルト、酢酸コバルト等が挙げられる。
Niの供給源化合物としては、硝酸ニッケル、硫酸ニッケル、塩化ニッケル、炭酸ニッケル、酢酸ニッケル等が挙げられる。
Siの供給源化合物としては、シリカ、粒状シリカ、コロイダルシリカ、ヒュームドシリカ等が挙げられる。
Biの供給源化合物としては、塩化ビスマス、硝酸ビスマス、酸化ビスマス、次炭酸ビスマス等が挙げられる。また、X成分(Mg,Ca,Zn,Ce,Smの1種又は2種以上)やY成分(Na,K,Rb,Cs,Tlの1種又は2種以上)を固溶させた、BiとX成分やY成分との複合炭酸塩化合物として供給することもできる。
例えば、Y成分としてNaを用いた場合、BiとNaとの複合炭酸塩化合物は、炭酸ナトリウム又は重炭酸ナトリウムの水溶液等に、硝酸ビスマス等の水溶性ビスマス化合物の水溶液を滴下混合し、得られた沈殿を水洗、乾燥することによって製造することができる。
また、BiとX成分との複合炭酸塩化合物は、炭酸アンモニウム又は重炭酸アンモニウムの水溶液等に、硝酸ビスマス及びX成分の硝酸塩等の水溶性化合物からなる水溶液を滴下混合し、得られた沈殿を水洗、乾燥することによって製造することができる。
上記炭酸アンモニウム又は重炭酸アンモニウムの代わりに、炭酸ナトリウム又は重炭酸ナトリウムを用いると、Bi、Na及びX成分との複合炭酸塩化合物を製造することができる。
その他の成分元素の供給源化合物としては、下記のものが挙げられる。
Kの供給源化合物としては、硝酸カリウム、硫酸カリウム、塩化カリウム、炭酸カリウム、酢酸カリウム等を挙げることができる。
Rbの供給源化合物としては、硝酸ルビジウム、硫酸ルビジウム、塩化ルビジウム、炭酸ルビジウム、酢酸ルビジウム等を挙げることができる。
Csの供給源化合物としては、硝酸セシウム、硫酸セシウム、塩化セシウム、炭酸セシウム、酢酸セシウム等を挙げることができる。
Tlの供給源化合物としては、硝酸第一タリウム、塩化第一タリウム、炭酸タリウム、酢酸第一タリウム等を挙げることができる。
Bの供給源化合物としては、ホウ砂、ホウ酸アンモニウム、ホウ酸等を挙げることができる。
Pの供給源化合物としては、リンモリブデン酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、リン酸、五酸化リン等を挙げることができる。
Asの供給源化合物としては、ジアルセノ十八モリブデン酸アンモニウム、ジアルセノ十八タングステン酸アンモニウム等を挙げることができる。
Wの供給源化合物としては、パラタングステン酸アンモニウム、三酸化タングステン、タングステン酸、リンタングステン酸等を挙げることができる。
Mgの供給源化合物としては、硝酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、炭酸マグネシウム、酢酸マグネシウム等が挙げられる。
Caの供給源化合物としては、硝酸カルシウム、硫酸カルシウム、塩化カルシウム、炭酸カルシウム、酢酸カルシウム等が挙げられる。
Znの供給源化合物としては、硝酸亜鉛、硫酸亜鉛、塩化亜鉛、炭酸亜鉛、酢酸亜鉛等
が挙げられる。
Ceの供給源化合物としては、硝酸セリウム、硫酸セリウム、塩化セリウム、炭酸セリウム、酢酸セリウム等が挙げられる。
Smの供給源化合物としては、硝酸サマリウム、硫酸サマリウム、塩化サマリウム、炭酸サマリウム、酢酸サマリウム等が挙げられる。
前工程において用いる原料化合物水溶液は、触媒成分として少なくともモリブデン(全原子比aの内のa1相当)、鉄、ニッケル又はコバルトの少なくとも一方、及びシリカを
含む水溶液、水スラリー又はケーキである。
この原料化合物水溶液の調製は、供給源化合物の水性系での一体化により行われる。ここで各成分元素の供給源化合物の水性系での一体化とは、各成分元素の供給源化合物の水溶液あるいは水分散液を一括に、あるいは段階的に混合及び/又は熟成処理を行うことをいう。即ち、(イ)上記の各供給源化合物を一括して混合する方法、(ロ)上記の各供給源化合物を一括して混合し、そして熟成処理する方法、(ハ)上記の各供給源化合物を段階的に混合する方法、(ニ)上記の各供給源化合物を段階的に混合・熟成処理を繰り返す方法、及び(イ)〜(ニ)を組み合わせる方法のいずれもが、各成分元素の供給源化合物の水性系での一体化という概念に含まれる。ここで、熟成とは、工業原料もしくは半製品を、一定時間、一定温度等の特定条件のもとに処理して、必要とする物理性、化学性の取得、上昇あるいは所定反応の進行等を図る操作をいい、一定時間とは、通常10分〜24時間の範囲であり、一定温度とは通常室温〜水溶液又は水分散液の沸点範囲をいう。
上記の一体化の具体的な方法としては、例えば、触媒成分から選ばれた酸性塩を混合して得られた溶液と、触媒成分から選ばれた塩基性塩を混合して得られた溶液とを混合する方法等が挙げられ、具体例としてモリブデン化合物の水溶液に、鉄化合物とニッケル化合物及び/又はコバルト化合物との混合物を加温下添加し、シリカを混合する方法等が挙げられる。
このようにして得られたシリカを含む原料化合物水溶液(スラリー)を60〜90℃に加温し、熟成する。
この熟成とは、上記触媒前駆体用スラリーを所定温度で所定時間、撹拌することをいう。この熟成により、スラリーの粘度が上昇し、スラリー中の固体成分の沈降を緩和し、とりわけ次の乾燥工程での成分の不均一化を抑制するのに有効となり、得られる最終製品である複合酸化物触媒の原料転化率や選択率等の触媒活性がより良好となる。
上記熟成における温度は、60〜90℃が好ましく、70〜85℃がより好ましい。熟成温度が60℃未満では、熟成の効果が十分ではなく、良好な活性を得られない場合がある。一方、90℃を超えると、熟成時間中の水の蒸発が多く、工業的な実施には不利である。更に100℃を超えると、溶解槽に耐圧容器が必要となり、また、ハンドリングも複雑になり、経済性及び操作性の面で著しく不利となる。
上記熟成にかける時間は、2〜12時間がよく、3〜8時間が好ましい。熟成時間が2時間未満では、触媒の活性及び選択性が十分に発現しない場合がある。一方、12時間を超えても熟成効果が増大することはなく、工業的な実施には不利である。
上記撹拌方法としては、任意の方法を採用することができ、例えば、撹拌翼を有する撹拌機による方法や、ポンプによる外部循環による方法等が挙げられる。
熟成されたスラリーは、そのままで、又は乾燥した後、加熱処理を行う。乾燥する場合の乾燥方法及び得られる乾燥物の状態については特に限定はなく、例えば、通常のスプレードライヤー、スラリードライヤー、ドラムドライヤー等を用いて粉体状の乾燥物を得てもよいし、また、通常の箱型乾燥器、トンネル型焼成炉を用いてブロック状又はフレーク
状の乾燥物を得てもよい。
上記の原料塩水溶液又はこれを乾燥して得た顆粒あるいはケーキ状のものは空気中で200〜400℃、好ましくは250〜350℃の温度域で短時間の熱処理を行う。その際の炉の形式及びその方法については特に限定はなく、例えば、通常の箱型加熱炉、トンネル型加熱炉等を用いて乾燥物を固定した状態で加熱してもよいし、また、ロータリーキルン等を用いて乾燥物を流動させながら加熱してもよい。
加熱処理後に得られた触媒前駆体の灼熱減量は、0.5〜5重量%であることが好ましく、1〜3重量%であるのがより好ましい。灼熱減量をこの範囲とすることで、原料転化率や選択率が高い触媒を得ることができる。なお、灼熱減量は、前記のように、次式により与えられる値である。
灼熱減量(%)=[(W0−W1)/W0]×100
0:触媒前駆体を150℃で3時間乾燥して付着水分を除いたものの重量(g)
1:付着水分を除いた前記触媒前駆体を更に500℃で2時間熱処理した後の重
量(g)
前記の後工程では、上記の前工程において得られる触媒前駆体とモリブデン化合物(全原子比aからa1相当を差し引いた残りのa2相当)とビスマス化合物の一体化を、水性溶媒下で行う。この際、アンモニア水を添加するのが好ましい。X、Y、Z成分の添加もこの後工程で行うのが好ましい。また、この発明のビスマス供給源化合物は、水に難溶性ないし不溶性のビスマスである。この化合物は、粉末の形態で使用することが好ましい。触媒製造原料としてのこれら化合物は粉末より大きな粒子のものであってもよいが、その熱拡散を行わせるべき加熱工程を考えれば小さい粒子である方が好ましい。従って、原料としてのこれらの化合物がこのように粒子の小さいものでなかった場合は、加熱工程前に粉砕を行うべきである。
次に、得られたスラリーを充分に撹拌した後、乾燥する。このようにして得られた乾燥品を、押出し成型、打錠成型、あるいは担持成型等の方法により任意の形状に賦形する。次に、このものを、好ましくは450〜650℃の温度条件にて1〜16時間程度の最終熱処理に付す。以上のようにして、高活性で、かつ目的とする酸化生成物を高い収率で与える複合酸化物触媒が得られる。
[プロセスの実施形態]
以下に、図面を参照して、本発明の共役ジエンの製造方法に関するプロセスの実施形態について、ブタジエンを製造する例を挙げて説明する。
図1は本発明プロセスの実施の態様の一つである。
図1において、1は反応器、2はクエンチ塔、3,6,13は冷却器(熱交換器)、4,7,14はドレンポット、8A,8Bは脱水塔、9は加熱器(熱交換器)、10は溶媒吸収塔、11は脱気塔、12は溶媒分離塔を示し、符号100〜126は配管を示す。
原料となるn−ブテン或いは前述のBBSS等のn−ブテンを含む混合物を、気化器(図示せず)でガス化して、配管101より導入すると共に、配管102、103、104より、窒素ガス、空気(分子状酸素含有ガス)、及び水(水蒸気)をそれぞれ導入し、これらの混合ガスを予熱器(図示せず)で150〜400℃程度に加熱した後、配管100よ
り触媒が充填された多管式の反応器1(酸化脱水素反応器)に供給する。反応器1からの
反応生成ガスは、配管105よりクエンチ塔2に送給され、20〜99℃程度に冷却される。クエンチ塔2には、配管106より冷却水が導入され、生成ガスと向流接触する。そして、この向流接触で生成ガスを冷却した水は、配管107より排出される。なお、この冷却排水は、熱交換器(図示せず)で冷却されて再度クエンチ塔2において循環使用される。クエンチ塔2で冷却された生成ガスは、塔頂から留出され、次いで配管108より冷
却器3を経て室温に冷却される。冷却により発生した凝縮水は配管109よりドレンポット4に分離される。水分離後のガスは更に配管110を経て圧縮機5で0.1〜0.5MPa程度に昇圧され、昇圧ガスは配管111を経て冷却器6で再度10〜30℃程度に冷却される。冷却により発生した凝縮水は配管112よりドレンポット7に分離される。水分離後の圧縮ガスは、モレキュラーシーブ等の乾燥剤が充填された脱水塔8A,8Bに導入され脱水処理される。脱水塔8A,8Bは圧縮ガスの脱水と乾燥剤の加熱乾燥による再生とが交互に行われる。即ち、圧縮ガスは、まず、配管113,113aを経て脱水塔8Aに導入されて脱水処理され、配管114a,114を経て溶媒吸収塔10に送給される。この間に、脱水塔8Bには、配管122、加熱器9、配管123,123a,123bを経て150〜250℃程度に加熱された窒素ガスが導入され、乾燥剤の加熱による水分の脱着が行われる。脱着した水分を含む窒素ガスは、配管124a,124b、124を経て冷却器13で室温まで冷却され、凝縮水が配管125よりドレンポット14に分離された後、配管126より排出される。
脱水塔8Aの乾燥剤が飽和に達したら、ガス流路を切り換え、脱水塔8Bで圧縮ガスの脱水処理を行い、脱水塔8A内の乾燥剤の再生を行う。
脱水工程における脱水塔内の乾燥剤の再生時間は、特に限定されないが、通常6〜48時間、好ましくは、12〜36時間、更に好ましくは18〜30時間である。
脱水塔8A,8Bからの脱水ガスは、必要に応じて冷却器(図示せず)で10〜30℃程度に冷却された後、溶媒吸収塔10に送給され、配管115からの溶媒(吸収溶媒)と向流接触される。これにより、脱水ガス中の共役ジエンや未反応の原料ガスが吸収溶媒に吸収される。吸収溶媒に吸収されなかった成分(offガス)は、溶媒吸収塔10の塔頂より配管117を経て排出され燃焼廃棄される。このとき、吸収溶媒として、トルエンのような比較的沸点の低い溶媒を用いると経済的に無視できない量の溶媒が配管117を経て揮散することがある。このような場合はより沸点の高い溶媒を用いて沸点の低い溶媒を回収する工程を配管117の先に設けてもよい。この溶媒吸収塔10で、ブタジエンや未反応の原料ガスを吸収溶媒に吸収した溶媒吸収液は、溶媒吸収塔10の塔底より抜き出され、配管116より脱気塔11に送給される。溶媒吸収塔10で得られるブタジエンの溶媒吸収液には、若干量の窒素、酸素も吸収されているため、次いでこの溶媒吸収液を脱気塔11に供給して加熱することにより、液中に溶存する窒素や酸素をガス化して除去する。この際、ブタジエンや原料ガス、溶媒の中には、その一部がガス化することがあるため、この脱気塔11の塔頂に設けたコンデンサ(図示せず)でこれを液化して溶媒吸収液中に回収する。凝縮しなかった原料ガス、ブタジエン等は窒素、酸素の混合ガスとして配管118より抜き出され、共役ジエンの回収率を高めるために圧縮機5の入口側へ循環され再度処理が行われる。一方、溶媒吸収液を脱気した脱気処理液は配管119より溶媒分離塔12へ送給される。
溶媒分離塔12では、リボイラとコンデンサにより共役ジエンの蒸留分離が行われ、塔頂より配管120を経て粗ブタジエン留分が抜き出される。分離された吸収溶媒は塔底より配管121を経て抜き出され、溶媒吸収塔10の吸収溶媒として循環使用される。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
[製造例1:複合酸化物触媒の調製]
パラモリブデン酸アンモニウム54gを純水250mlに70℃に加温して溶解させた。次に、硝酸第二鉄7.18g、硝酸コバルト31.8g及び硝酸ニッケル31.8gを純水60mlに70℃に加温して溶解させた。これらの溶液を、充分に攪拌しながら徐々に混合した。
次に、シリカ64gを加えて、充分に攪拌した。このスラリーを75℃に加温し、5時
間熟成した。その後、このスラリーを加熱乾燥した後、空気雰囲気で300℃、1時間の熱処理に付した。
得られた触媒前駆体の粒状固体(灼熱減量:1.4重量%)を粉砕し、パラモリブデン酸アンモニウム40.1gを純水150mlにアンモニア水10mlを加え溶解した溶液に分散した。次に、純水40mlにホウ砂0.85g及び硝酸カリウム0.36gを25℃の加温下に溶解させて、上記スラリーを加えた。
次に、Naを0.45%固溶した次炭酸ビスマス58.1gを加えて、攪拌混合した。このスラリーを130℃、12時間加熱乾燥した後、得られた粒状固体を、小型成型機にて径5mm、高さ4mmの錠剤に打錠成型し、次に500℃、4時間の焼成を行って、触媒を得た。仕込み原料から計算される触媒は、次の原子比を有する複合酸化物であった。
Mo:Bi:Co:Ni:Fe:Na:B:K:Si=12:5:2.5:2.5:0.4:0.35:0.2:0.08:24
上記原子比から、製造例1で得られた複合酸化物触媒は、上記式(1)のa〜jは、それぞれ、a=12、b=5、c=2.5、d=2.5、e=0.4、f=0、g=0.35(Yがナトリウム)、g=0.08(Yがカリウム)、h=0.2、i=24、であった。
なお、触媒調製の際のモリブデンの原子比a1とa2は、それぞれ6.9と5.1であった。
また、反応に使用する前の触媒の平均炭素濃度は、1.0wt%であった。なお、触媒の炭素濃度は、触媒粒子1個の重量に対して、触媒粒子に付着している炭素分の重量の割合を測定した(測定装置:LECO社製 炭素硫黄分析装置 型番CS600)ものであり、5個の触媒粒子について、触媒の炭素濃度を測定したものを平均した値である。
[実施例1]
内径23.0mm、高さ500mmのステンレス製反応管に、予めイナートボール(1
粒あたりの大きさ:約0.065mm3)を23ml充填(充填層長:175mm)して
おき、そのイナートボールの充填層の上に、製造例1で製造された複合酸化物触媒12.1mlとイナートボール(1粒あたりの大きさ:約0.065mm3)4.0mlとを混合して充填し、第1の触媒層を形成した(以下、「触媒層1」とする)。この触媒層1の充填層長は45mmで、触媒希釈率は25%であった。次に、触媒層1の上に、製造例1で製造された複合酸化物触媒4.0mlとイナートボール(1粒あたりの大きさ:約0.0
65mm3)12.1mlと混合して充填し、第2の触媒層を形成した(以下、「触媒層2」とする)。この触媒層2の充填層長は40mmで、触媒希釈率は75%であった。尚、反応器へ充填した触媒量合計は16.1mlであった。
なお、反応管には外径2.0mmの挿入管を設置し、挿入管の中にシース型熱電対(タカハシサーモセンサー社製)を入れ、反応器内の温度(触媒層出口温度、触媒層最高温度)を測定した。なお、熱媒体としては電気炉を使用した。
予め窒素を6.5L/hr、空気を13.6L/hr、及び水蒸気を7.7L/hrで予熱器に供給しておき、その後、原料ガスであるBBSSを2.8L/hrで供給し、予熱器内で混合して混合ガスとして345℃に昇温した。原料ガスに含まれる代表的な組成(mol%)を表1に示す。
その後、この混合ガスを30.6L/hrで上記反応管の頂部から連続的に供給し、酸化脱水素反応を行い、生成ガスを反応管の底部から抜き出した。反応管内の触媒量と混合ガス流量の比は1900h-1であった。また、水蒸気/BBSSの比は2.75であった。
反応管内の触媒層(触媒層1)出口温度は360℃で、圧力はゲージ圧で2kPaであ
った。また、反応管内の最高温度は、373℃であった。反応器出口からの生成ガスはフィルターを設置した冷却管にて冷却した後、水と接触させて更に冷却しガスクロマトグラフィー(GL Sciences社製 型番:GC4000)で分析した。
n−ブテン転化率(1−ブテン、シス−2−ブテン、トランス−2−ブテンの合計での転化率)は89.3mol%、ブタジエン選択率は93.5mol%であった。原料ガスであるBBSSを供給してから200時間後に反応を停止し、反応管から全触媒を抜き出した。抜き出した触媒の中から、目視で明らかに黒色化している触媒粒子の数個取り出し、触媒の炭素濃度を測定した(測定装置:LECO社製 炭素硫黄分析装置 型番CS600)
。測定した触媒粒子の中で炭素濃度が最大のものが、1.7wt%(反応前後での触媒粒子に付着した炭素濃度の増加量:0.7wt%)であった。結果を表1に示す。
[実施例2]
実施例1において、製造例1で製造された複合酸化物触媒15.3mlを、イナートボールを混合せずに充填し触媒層(充填層長:40mm、触媒希釈率:0%)を形成し、窒素の供給量を8.9L/hr、空気の供給量を15.0L/hr、水蒸気の供給量を5.5L/hr、及び混合ガスの流量を32.2L/hrとし、予熱器内の混合ガスの温度を350℃、触媒層出口温度を380℃、及び反応管内の最高温度を395℃とした以外は全て実施例1と同様に酸化脱水素反応を行った。この際、触媒量15.3mlに対して、混合ガス流量は32.2L/hrであり、反応管内の触媒量と混合ガス流量の比は2098h-1であった。また、水蒸気/BBSSの比は1.96であった。
n−ブテン転化率(1−ブテン、シス−2−ブテン、トランス−2−ブテンの合計での転化率)は85.2mol%、ブタジエン選択率は90.7mol%であった。実施例1と同様に、200時間後に反応を停止し、抜き出し触媒の炭素濃度を測定した結果、触媒中の炭素濃度は1.9wt%(反応前後での触媒粒子に付着した炭素濃度の増加量:0.9wt%)であった。結果を表1に示す。
比較例3]
実施例1において、反応器内の触媒層を製造例1で製造された複合酸化物触媒16.1mlをイナートボール(チップトン製)16.1mlと混合して充填し触媒層(充填層長:90mm、触媒希釈率:50%)を形成し、予熱器内で混合して混合ガスとして339℃、触媒層出口温度を339℃、及び反応管内の最高温度を369℃とした以外は全て実施例1と同様に酸化脱水素反応を行った。この際、触媒量16.1mlに対して、混合ガス流量は30.6L/hrであり、反応管内の触媒量と混合ガス流量の比は1900h-1であった。また、水蒸気/BBSSの比は2.75であった。
n−ブテン転化率(1−ブテン、シス−2−ブテン、トランス−2−ブテンの合計での転化率)は84.1mol%、ブタジエン選択率は99.0mol%であった。実施例1と同様に、200時間後に反応を停止し、抜き出し触媒の炭素濃度を測定した結果、触媒中の炭素濃度は2.7wt%(反応前後での触媒粒子に付着した炭素濃度の増加量:1.7wt%)であった。結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例1において、反応管内の触媒層を製造例1で製造された複合酸化物触媒20.0mlを、イナートボールを混合せずに充填し触媒層(充填層長:57mm、触媒希釈率:0%)を形成し、窒素の供給量を7.8L/hr、空気の供給量を13.1L/hr、水蒸気の供給量を4.9L/hr、原料ガスであるBBSSの供給量を2.5L/hr、及び混合ガスの流量を28.3L/hrとし、予熱器内の混合ガスの温度を335℃、触媒層出口温度を355℃、及び反応管内の最高温度を387℃とした以外は全て実施例1と
同様に酸化脱水素反応を行った。この際、触媒量20.0mlに対して、混合ガス流量は28.3L/hrであり、反応管内の触媒量と混合ガス流量の比は1400h-1であった。また、水蒸気/BBSSの比は1.96であった。
n−ブテン転化率(1−ブテン、シス−2−ブテン、トランス−2−ブテンの合計での転化率)は91.4mol%、ブタジエン選択率は99.0mol%であった。実施例1と同様に、200時間後に反応を停止し、抜き出し触媒の炭素濃度を測定した結果、触媒中の炭素濃度は3.5wt%(反応前後での触媒粒子に付着した炭素濃度の増加量:2.5wt%)であった。結果を表1に示す。
[比較例2]
比較例1において、反応管内の触媒層を製造例1で製造された複合酸化物触媒40.0mlをイナートボールを混合せずに充填し触媒層(充填層長:117mm、触媒希釈率:0%)を形成し、予熱器内の混合ガスの温度を323℃、触媒層出口温度を334℃、及び反応管内の最高温度を367℃とした以外は全て実施例1と同様に酸化脱水素反応を行った。この際、触媒量40.0mlに対して、混合ガス流量は28.3L/hrであり、反応管内の触媒量と混合ガス流量の比は700h-1であった。また、水蒸気/BBSSの比は1.96であった。
n−ブテン転化率(1−ブテン、シス−2−ブテン、トランス−2−ブテンの合計での転化率)は92.3mol%、ブタジエン選択率は90.5mol%であった。比較例1と同様に、200時間後に反応を停止し、抜き出し触媒の炭素濃度を測定した結果、触媒中の炭素濃度は4.7wt%(反応前後での触媒粒子に付着した炭素濃度の増加量:3.7wt%)であった。結果を表1に示す。
Figure 0005652151
実施例1〜3と比較例1、2とを対比すると、実施例1〜3の抜き出し触媒炭素組成が比較例1と2の抜き出し触媒炭素組成よりも小さいことから、実施例1〜3では、n−ブテンからブタジエンを製造した際、反応器中の触媒にコークなどの炭素分が付着するのを抑制できていることがわかる。
1 反応器
2 クエンチ塔
3,6,13 冷却器
4,7,14 ドレンポット
5 圧縮機
8A,8B 脱水塔
9 加熱器(熱交換器)
10 溶媒吸収塔
11 脱気塔
12 溶媒分離塔
100〜126 配管

Claims (6)

  1. 炭素原子数4以上のモノオレフィンを含む原料ガスと分子状酸素含有ガスとを混合し、混合ガスを得て、該混合ガスを触媒層を有する反応器に供給し、酸化脱水素反応を行うことにより、対応する共役ジエンを含む生成ガスを得る共役ジエンの製造方法において、該反応器の生成ガス出口に最も近い箇所に設けられる触媒層の温度と反応器内の最高温度との比が0.935以上であって、且つ、該反応器内の触媒量に対する混合ガスの流量の比が1500〜5000h-1であることを特徴とする共役ジエンの製造方法。
  2. 反応温度が339℃以上であることを特徴とする請求項1に記載の共役ジエンの製造方法。
  3. 前記触媒層が、触媒と該触媒と反応性の無い固形物とを含む層を有することを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載の共役ジエンの製造方法。
  4. 前記反応器内に、希釈率が異なる触媒層が2層以上存在することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の共役ジエンの製造方法。
  5. 前記触媒が、少なくともモリブデン、ビスマス、およびコバルトを含有する複合酸化物触媒であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の共役ジエンの製造方法
  6. 前記複合酸化物触媒が、下記一般式(1)で表される複合酸化物触媒であることを特徴とする請求項5に記載の共役ジエンの製造方法。
    MoaBibCocNidFeefghSiij (1)
    (式中、Xはマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、亜鉛(Zn)、セリウム(Ce)及びサマリウム(Sm)からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、Yはナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、セシウム(Cs)及びタリウム(Tl)からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、Zはホウ素(B)、リン(P)、砒素(As)及びタングステン(W)からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素である。また、a〜jはそれぞれの元素の原子比を表し、a=12のとき、b=0.5〜7、c=0〜10(但し、c=0を除く)、d=0〜10(但しc+d=1〜10)、e=0.05〜3、f=0〜2、g=0.04〜2、h=0〜3、i=0〜48の範囲にあり、またjは他の元素の酸化状態を満足させる数値である。)
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