JP2012046275A - 紙葉取扱装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】収納時に紙詰まりが起こりにくい紙葉取扱装置を提供する。
【解決手段】紙葉取扱装置100であって、紙葉収納部130と、前記紙葉収納部に設けられた紙葉搬入口131と、前記紙葉収納部の前記紙葉搬入口よりも下部に配置され、前記紙葉収納部に収納された紙幣の量に応じて移動可能な底板180と、前記紙葉搬入口と、前記紙葉収納部に収納された紙葉の最上部との距離が予め定められた範囲内になるように前記底板の移動を制御する制御部150と、前記紙葉収納部に収納する紙葉を識別する識別部120と、を備え、前記制御部は、前記紙幣収納部に1枚の紙葉を収納する毎に、前記底板を下げるとともに、前記収納した紙葉の状態に応じて、前記底板の下げ幅を調整する。
【選択図】図5

Description

本発明は、例えば金融機関などで使用される現金自動取引装置に実装される紙葉取扱装置に関する。
紙葉類集積装置において、紙葉類を外部から搬入するための搬入部を側壁に有し、内部に紙葉類を堆積させて集積するための集積ボックスを有する紙葉類集積装置が知られている(例えば特許文献1)。また、シャッタ上に集積される紙葉類の最上層を検知して、その最上層が一定の位置を越えるとシャッタの位置を下降制御する紙葉類集積装置が知られている(例えば特許文献2)。
特開2009−12968号公報 特開平5−32368号公報
従来の紙葉類集積装置(紙葉取扱装置)では、紙葉(紙幣)の破れなどの破損が有る場合については、十分に考慮されていなかった。また、近年偽造防止のため紙葉に隙間を空ける「立体型部分露出銀線」という技術が一部の紙葉に用いられている(例えば5万ウォン紙幣)。紙葉に破れが生じた場合や、立体型部分露出銀線の隙間がより開き、さらには剥離まで至った時には、紙葉の収納時に紙詰まりが発生するおそれがあった。
本発明は、上記課題の少なくとも1つを解決し、収納時に紙詰まりが起こりにくい紙葉取扱装置を提供するものである。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
紙葉取扱装置であって、紙葉収納部と、前記紙葉収納部に設けられた紙葉搬入口と、前記紙葉収納部の前記紙葉搬入口よりも下部に配置され、前記紙葉収納部に収納された紙幣の量に応じて移動可能な底板と、前記紙葉搬入口と、前記紙葉収納部に収納された紙葉の最上部との距離が予め定められた範囲内になるように前記底板の移動を制御する制御部と、前記紙葉収納部に収納する紙葉を識別する識別部と、を備え、前記制御部は、前記紙幣収納部に1枚の紙葉を収納する毎に、前記底板を下げるとともに、前記収納した紙葉の状態に応じて、前記底板の下げ幅を調整する、紙葉取扱装置。
一般に、紙葉搬入口と、紙葉収納部に収納された紙葉の最上部との距離が予め定められた範囲内に収まっていれば、紙葉の収納時に詰まりにくい。しかし、紙葉収納部の最上部の紙葉に状態によっては、紙葉搬入口と、紙葉収納部に収納された紙葉の最上部との距離が予め定められた範囲内に収まっていても詰まる場合がある。これよりもこの適用例によれば、直前に収納された紙葉の状態により、さらに、底板の下げ幅を調整できるので、直前に収納された紙葉の状態により、次の紙葉の収納時に詰まりやすい恐れがある時には底板の下げ幅を大きくして詰まり難くすることができる。
[適用例2]
適用例1に記載の紙葉取扱装置において、前記紙葉の状態は、前記紙葉の金種の別と、前記紙葉の向きと、前記紙葉の破損状態とを含む、紙葉取扱装置。
紙葉の金種や紙葉の向き、紙葉の破損状態によって、詰まりやすい場合があるが、この適用例によれば、紙葉の金種や紙葉の向き、紙葉の破損状態に基づいて底板の下げ幅を調整するので紙葉の詰まりを抑制し易い。
[適用例3]
適用例2に記載の紙葉取扱装置において、前記制御部は、特定の方向に剥離することがある帯片を有する紙葉を前記紙葉収納部に収納した場合において、剥離した前記帯片の先端が前記紙葉搬入口を向く方向となるような向きで前記紙葉が前記紙葉収納部に収納された場合には、当該紙葉を前記紙葉収納部に収納した直後の前記底板の下げ幅を、予め定めている基準下げ幅よりも大きくする、紙葉取扱装置。
帯片を有する特定の金種の紙葉については、特定の方向に剥離しやすいが、この適用例によれば、特定の金種の紙葉については、下げ幅を大きくすることにより、紙葉の詰まりを未然に防止できる。
[適用例4]
適用例3に記載の紙葉取扱装置において、前記制御部は、前記底板の下げ幅を大きくした後、紙葉を予め定められた枚数以上前記紙葉収納部に収納した場合には、その後、前記紙葉を予め定められた枚数収納する間、前記底板の下げ幅を前記基準下げ幅よりも小さくする、紙葉取扱装置。
帯片が剥離した場合であっても、その上に紙葉が収納された場合には、その重みで剥離による帯片の浮きが少なくなる。この適用例では、かかる場合に、底板の下げ幅を前記基準下げ幅よりも小さくすることにより、紙葉の詰まりを抑制できる。
[適用例5]
適用例3または適用例4に記載の紙葉取扱装置において、前記制御部は、前記基準下げ幅を、前記識別部が検知した金種に基づいて決定する、紙葉取扱装置。
この適用例によれば、制御部が紙葉の収納時に底板を下げるとき、紙葉の金種の基づいた厚さに応じて下げるので、紙葉搬入口と、紙葉収納部に収納された紙葉の最上部との距離を一定に保ちやすい。
[適用例6]
適用例3または適用例4に記載の紙葉取扱装置において、さらに、紙葉の厚さを測定する厚さ測定部を備え、前記基準下げ幅は、前記厚さ測定部により測定された、前記紙葉収納部に収納された前記紙葉の厚さである、紙葉取扱装置。
この適用例によれば、制御部は、実測した紙葉の厚さに応じて底板を下げるので、紙葉搬入口と、紙葉収納部に収納された紙葉の最上部との距離を一定に保ちやすい。
本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、紙葉取扱装置の他、現金自動取引装置、紙葉取扱装置の制御方法等様々な形態で実現することができる。
現金自動取引装置(Automated teller machineATM)の外観を示す説明図である。 紙葉取扱装置の構成を示す説明図である。 紙葉入出金口及び紙葉一次収納部の近傍の構成を示す説明図である。 紙葉一次収納部の構成の構成を模式的に示す説明図である。 紙葉一次収納部の動作を示すフローチャートである。 紙詰まりを起こす恐れのある紙葉の一例を示す説明図である。 紙葉一次収納部に紙葉を収納したときの状態を示す説明図である。 第2の実施例を説明する説明図である。 第2の実施例の動作を示すフローチャートである。
[第1の実施例]
図1は、現金自動取引装置(Automated teller machine、ATM)の外観を示す説明図である。現金自動取引装置10(以下「ATM10」と呼ぶ。)は、例えば金融機関や小売店、公共施設等に設置され、利用者の操作に従い、金融機関等の提供する現金出納等のサービスを自動で提供する装置である。ATM10は、現金自動預け払い機とも呼ばれることがある。
ATM10は、本体制御部11と、カード処理機構12と、明細書・通帳処理機構13と、入力兼表示部14と、キーパッド15と、紙葉取扱装置100と、を備える。本体制御部11は、CPU(図示せず)とプログラムやデータを記憶するメモリ(図示せず)とを有し、CPUが記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、ATM10における各種処理・取引の制御を行う。カード処理機構12は、自動取引に必要な利用者情報が記録された磁気カードおよびICカードを受入・放出・回収すると共に、情報の読み書き・カード表面の画像取得を行う機能を有する。明細書・通帳処理機構13は、利用者が行った取引の明細書を印字して放出する。また、明細書・通帳処理機構13は、利用者の通帳を受け付けて、通帳の内容を読み取り、通帳への書き込み、あるいは印字を行う。入力兼表示部14は、例えばタッチパネルを用いて構成されており、利用者に取引に必要な情報を表示しあるいは、利用者の操作を受け付ける。キーパッド15は、数字キーを有しており、利用者からの数字の入力を容易にする。紙葉取扱装置100は、ATMに対する紙葉の入出金処理を実行する。紙葉取扱装置100は、ATM10の筐体内に格納されており、紙葉入出金口110のみがATM10の外部より見える。
図2は、紙葉取扱装置の構成を示す説明図である。紙葉取扱装置100は、紙葉入出金口110の他に、紙葉識別部120と、紙葉一次収納部130と、紙葉搬送機構140と、制御部150と、金種別カートリッジ160〜162と、リジェクト庫165と、を備える。紙葉入出金口110は、利用者からの入金紙葉を受け付けると共に、利用者への出金紙葉を排出する。紙葉識別部120は、紙葉の金種、向き、破損状態、厚さを測定する。紙葉一次収納部130は、利用者から入金された紙葉あるいは、利用者に出金する紙葉を一次的に収納する。
紙葉搬送機構140は、ローラー(図示せず)や、搬送経路142を切り替えるゲート144を有しており、紙葉入出金口110と、紙葉識別部120と、紙葉一次収納部130と、金種別カートリッジ160〜162と、リジェクト庫165との間を結んでおり、これらに間で紙葉の搬送を行う。図2に示すように搬送路は、環状の搬送経路CRを形成する環状部分を有する。制御部150は、紙葉取扱装置の動作を制御する。金種別カートリッジ160〜162は利用者から入金された紙葉、利用者に出金する紙葉を収納する。なお、各金種別カートリッジ160〜162は、それぞれ単一の金種のみを収納する。リジェクト庫165は、利用者が取り忘れた紙葉や出金に使用しない(または出金に適さない)紙葉を回収する。出金に使用しない(または出金に適さない)紙葉には、金種により出金に用いられない紙葉や、破損状態がひどい紙葉が含まれる。金種別カートリッジ160〜162およびリジェクト庫165は、紙葉取扱装置100から取り外し可能な構造となっていてもよい。
以下、紙葉取扱装置100の動作を説明する。入金時には、紙葉入出金口110に投入された紙葉は、紙葉搬送機構140により紙葉識別部120に搬送され、紙葉の金種、向き、破損状態、厚さが測定されたのち、紙葉一次収納部130に収納される。紙葉一次収納部130への収納については、後で詳しく説明する。入力兼表示部14には、計数された額が表示される。利用者は、この額を見て、以後の処理を決定する。利用者が入金すると決定し、その旨が入力兼表示部14に入力された場合には、紙葉一次収納部130に収納された紙葉は、紙葉搬送機構140により紙葉識別部120に搬送され、もう一度紙葉の金種、向き、破損状態、厚さが測定されたのち、額面や破損状態に応じて、金種別カートリッジ160〜162あるいはリジェクト庫165に搬送される。一方、利用者が入金しないと決定した場合には、紙葉一次収納部130に収納された紙葉は、紙葉入出金口110に搬送され、利用者に返金される。
出金時には、金種別カートリッジ160〜162から紙葉搬送機構140により紙葉識別部120に搬送され、紙葉の金種、向き、破損状態、厚さが測定されたのち、紙葉一次収納部130に収納される。その後、紙葉一次収納部130に収納された紙葉は、紙葉搬送機構140により紙葉識別部120に搬送され、もう一度紙葉の金種、向き、破損状態、厚さが測定された後、紙葉入出金口110に搬送され、利用者に出金される。
図3は、紙葉入出金口及び紙葉一次収納部の近傍の構成を示す説明図である。本実施例では、紙葉入出金口110及び紙葉一次収納部130とは一体のケースとなっている。紙葉入出金口110と紙葉一次収納部130とは、移動可能な底板180により分けられている。紙葉入出金口110は、押圧板111を有する。紙葉入出金部の下方には、紙葉入出金口110内の紙葉を紙葉搬送機構140に送り出すためのローラー112〜115が配置されている。紙葉一次収納部130の左上部には紙葉一次収納部130の入出金口131が設けられており、入出金口131の近傍には、ピックアップローラー184及びローラー185〜188が配置されている。ピックアップローラー184は、紙葉一次収納部130から紙葉を繰り出すときに、1枚ずつ分離して繰り出す。ローラー185〜188は、繰り出された紙葉を紙葉搬送機構140に送る、あるいは、紙葉搬送機構140から送られてきた紙葉を入出金口131を通して、紙葉一次収納部130の中に送る。
以下、入金時の動作を説明する。押圧板111より下方(底板180と反対側)に、利用者からの紙葉が投入される。次に、押圧板111が下方に移動すると、紙葉入出金口110に投入された紙葉は、ローラー112〜115により、1枚ずつ繰り出され、紙葉搬送機構140に向かって搬出される。紙葉は、紙葉識別部120にて紙葉の金種、向き、破損状態、厚さが測定されたのち、紙葉搬送機構140により、ローラー185〜188まで送られる。ローラー185〜188は、紙葉を入出金口131を通して、紙葉一次収納部130の中に送る。次に、利用者からの入金指示がされると、底板180が上方向(入出金口131方向)に移動する。ピックアップローラー184は回転しており(図3では時計回り)紙葉一次収納部130の中の紙葉は、ピックアップローラー184に接触すると、1枚ずつピックアップローラー184によりローラー185〜188に送り出され、さらに、ローラー185〜188により紙葉搬送機構140に送り出される。
図4は、紙葉一次収納部の構成の構成を模式的に示す説明図である。紙葉一次収納部130は、底板180、ピックアップローラー184、ローラー185、186の他に、パルスモーター181と、駆動ベルト182と、連結ギア183と、光学式センサ170、171と、上端位置検知機構172と、を備える。底板180は、駆動ベルト182に接続されている。駆動ベルト182は、連結ギア183を介してパルスモーター181に接続されている。制御部150は、パルスモーター181の動作を制御することにより、底板180の位置を制御する。光学式センサ170は、紙葉192の通過を検知する。制御部150は、紙葉192が光学式センサ170を通過したことを検知すると、距離132が一定の範囲内の収まるように、底板180を下げる。ここで、距離132は、入出金口131から、一番上の紙葉までの距離である。光学式センサ171と、上端位置検知機構172とは、底板180の上端位置を決定するために用いられる。
図5は、紙葉一次収納部の動作を示すフローチャートである。ステップS500では、制御部150(図2)は、底板180を最上位位置に移動する。具体的には、以下に示す動作を実行する。制御部150は、底板180を上昇させると、底板180は、ピックアップローラー184に接触する。さらに底板180を上昇させると、ピップアップローラー184と一体となっている上端位置検知機構172が光学式センサ171を横切る。制御部150は、上端位置検知機構172が光学式センサ171を横切った点で底板180の上昇を停止する。この点が、底板180の上端位置である。ステップS510では、制御部150は、上端位置から底板180を予め定められた量だけ下げる。この位置は、その後の紙葉の収納開始位置である。
ステップS520では、制御部150は、紙葉が光学式センサ170を通過したことを検知すると、底板180を予め定められた基準量下げる。この基準量は予め一定としていても良く、紙葉の額面に応じて定めてもよい。ステップS530では、制御部150は、光学式センサ170を通過した紙葉の金種、向き、破損状態に基づいて、収納不良(紙詰まり)を起こしやすいか否かを判断する。
図6は、紙詰まりを起こす恐れのある紙葉の一例を示す説明図である。図6(A)は、近年、偽造防止のために用いられはじめている「立体型部分露出銀線」という技術を適用した紙葉である。この技術は、例えば、大韓民国の5万ウォン紙幣に用いられている。この技術では、紙葉192の表面に帯状に特殊なフィルム194(「帯片194」とも呼ぶ。)を貼り付けてあり、紙葉192を動かすことにより、このフィルム194の模様が変化するという先端機能を有している。しかし、このフィルム194は、所定の方向に剥離する場合があり、剥離すると、収納時に剥離部分に引っかかり、詰まる恐れがあった。図6(B)は、紙葉192が破れ195を有している場合である。
制御部150は、光学式センサ170を通過した紙葉が詰まりやすい紙葉である場合には、処理をステップS540に移行し、底板180の下げ量を大きくする。図7は、紙葉一次収納部に紙葉を収納したときの状態を示す説明図である。図7(A)は、底板180の下げ量を大きくした場合を示し、図7(B)は、底板180の下げ量を基準量のまま変えなかった場合を示している。図7(A)、(B)では、帯片194の左側が開いている。図7(B)に示すように、底板180の下げ量を基準量のまま変えなかった場合には、剥離した帯片194に、次の紙葉196が引っかかり、紙詰まりを引き起こす恐れがある。図7(A)に示す場合には、図7(B)に示す場合よりも、底板180がhaだけ余分に下げられている。そのため、剥離した帯片194に、次の紙葉196が引っかかり難く、紙詰まりを引き起こし難い。なお、底板180を余分に引き下げる引き下げ量haは、例えば、実験により予め求めておき、制御部150に格納しておくことが出来る。
図7(C)、図7(D)は、収納した紙葉に帯片194があっても、次の紙葉が引っかかりにくい場合を示す。図7(C)では、帯片194は、図7(B)と反対側(右側)が開くように剥離している。この場合、帯片194が剥離していても、次の紙葉196は、帯片194に引っかかりにくい。したがって、底板180を余分に引き下げることは必要ない。図7(D)は、帯片194が、紙葉の下側に有る場合である。この場合でも、次の紙葉196は、帯片194に引っかかりにくい。なお、図7(C)、図7(D)に示す場合、帯片194の開いた厚さ分だけ紙葉の厚さが見かけ上厚くなるので、底板180を余分に引き下げてもよい。
図5のステップS550では、制御部150は、紙葉一次収納部130への紙葉に収納が完了したか否かを判断する。収納が完了していない場合には、制御部150は、処理をステップS520に移行する。
以上、第1の実施例によれば、制御部150は、紙葉一次収納部130に直前に収納した紙葉192の状態に応じて、直前に収納した紙葉192を収納した後に下げる底板180の下げ幅を調整するので、次に収納する紙葉191が帯片194に引っかかることを、抑制し易くできる。
また、制御部は、紙葉192の金種の別と、向きと、破損状態に基づいて、底板180の下げ幅を調整してもよい。また、制御部150は、金種の別と、向きにより、帯片194の剥離する向きを考慮し、底板180の下げ幅を調整してもよい。すなわち、帯片194の剥離の向きによっては、引っかかり難い向きもあるので、かかる場合には、底板180の下げ幅を調整しなくてもよい。
また、制御部150は、底板180の引き下げの基準量を、金種に応じて、あるいは、実際の測定結果に基づいて1枚毎に変化させてもよい。
[第2の実施例]
図8は、第2の実施例を説明する説明図である。第2の実施例は、剥離した帯片194の剥離(浮き)の大きさが変化する場合の実施例である。図8(A)は、紙葉192が収納された直後の状態を示している。紙葉192に帯片194の剥離の大きさは、h1である。図8(B)は、図8(A)の状態から紙葉192の上に紙葉198がさらに収納された場合を示す。このときの帯片194の剥離の大きさは、h2である。このとき、帯片194の剥離は、紙葉198の重さにより小さくなる。そのため、h1>h2となる。一方、入出金口131と最上部の紙葉との距離132a、132bは、132a<132bである。ここで、距離132bが大きすぎると、図8(C)に示すように、紙葉191が、すでに収納された紙葉192、198、紙葉一次収納部130との壁と、の隙間にはまりこみ、紙詰まりを引き起こす恐れがある。かかる紙詰まりを抑制するために、図8(A)の状態から紙葉192の上に紙葉198がさらに収納された場合には、底板180の移動量をゼロあるいは、基準量よりも小さくする。これにより、距離132bが大きくなりすぎることを抑制する。
図9は、第2の実施例の動作を示すフローチャートである。これらのステップは、図5のステップS520からステップS550に代わって実行される。なお、図5と同じステップ番号を付している処理では、図5と同じ処理が実行される。
ステップS900では、制御部150は、図5(図9)のステップS540の処理を実行したとみなす紙葉が存在しているか、否かを判断する。制御部150は、ステップS540の処理を実行していない場合には、処理をステップS520に移行し、実行している場合には処理をステップS910に移行する。
ステップS910では、制御部150は、ステップS540の処理を実行してからX枚の紙葉を収納したか否かを判断する。制御部150は、ステップS540の処理を実行してからX枚の紙葉を収納していない場合には、処理をステップS520に移行し、収納している場合には、処理をステップS920に移行する。
ステップS920では、制御部150は、紙葉を収納した場合でも、その後の底板180の下降を実行しない。X枚の紙葉の収納により、帯片194の剥離部分の浮きがつぶれ、その部分の剥離の浮きが少なくなっていると考えられるからである。なお、制御部150は、底板180の下降を実行しないではなく、下降量を基準量よりも小さくしてもよい。
なお、上述したステップS900では、対応する紙葉について、ステップS920の処理を実行している場合には、ステップS540の処理を実行していないとみなしてもよい。
以上、第2の実施例によれば、ステップS540により、底板180の下降量を増大した場合でも、その後、一定量の紙葉が収納された場合には、底板180の下降を停止あるいは、下げ幅を基準量よりも小さくするので、図8(C)に示すように、紙葉191が、すでに収納された紙葉192、198、紙葉一次収納部130との壁と、の隙間にはまりこみ、紙詰まりを引き起こすことを抑制できる。
上記各実施例では、紙葉の厚さは、紙葉識別部120で測定していたが、例えば、ローラー112と113の間隔、ローラー114と115の間隔(図3)等、紙葉を挟む2つのローラーの間隔を測定するようにしてもよい。
上記実施例では、紙葉一次収納部130に紙葉が収納される場合を例にとり説明したが、本実施例で説明した技術は、他の収納部にも適用可能である。例えば、紙葉を金種別カートリッジ160〜162や、リジェクト庫165に収納する場合にも適用することができる。また、紙葉を利用者に返却するために、紙葉入出金口110に戻す場合にも適用可能である。
以上、いくつかの実施例に基づいて本発明の実施の形態について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。
10…現金自動取引装置
11…本体制御部
12…カード処理機構
13…通帳処理機構
14…入力兼表示部
15…キーパッド
100…紙葉取扱装置
110…紙葉入出金口
111…押圧板
112…ローラー
120…紙葉識別部
130…紙葉一次収納部
131…入出金口
132、132a、132b…距離
140…紙葉搬送機構
142…搬送経路
144…ゲート
150…制御部
160〜162…金種別カートリッジ
165…リジェクト庫
170…光学式センサ
171…光学式センサ
172…上端位置検知機構
180…底板
181…パルスモーター
182…駆動ベルト
183…連結ギア
184…ピックアップローラー
185…ローラー
191、192、196、198…紙葉
194…フィルム(帯片)

Claims (6)

  1. 紙葉取扱装置であって、
    紙葉収納部と、
    前記紙葉収納部に設けられた紙葉搬入口と、
    前記紙葉収納部の前記紙葉搬入口よりも下部に配置され、前記紙葉収納部に収納された紙幣の量に応じて移動可能な底板と、
    前記紙葉搬入口と、前記紙葉収納部に収納された紙葉の最上部との距離が予め定められた範囲内になるように前記底板の移動を制御する制御部と、
    前記紙葉収納部に収納する紙葉を識別する識別部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記紙幣収納部に1枚の紙葉を収納する毎に、前記底板を下げるとともに、前記収納した紙葉の状態に応じて、前記底板の下げ幅を調整する、紙葉取扱装置。
  2. 請求項1に記載の紙葉取扱装置において、
    前記紙葉の状態は、前記紙葉の金種の別と、前記紙葉の向きと、前記紙葉の破損状態とを含む、紙葉取扱装置。
  3. 請求項2に記載の紙葉取扱装置において、
    前記制御部は、特定の方向に剥離することがある帯片を有する紙葉を前記紙葉収納部に収納した場合において、
    剥離した前記帯片の先端が前記紙葉搬入口を向く方向となるような向きで前記紙葉が前記紙葉収納部に収納された場合には、当該紙葉を前記紙葉収納部に収納した直後の前記底板の下げ幅を、予め定めている基準下げ幅よりも大きくする、紙葉取扱装置。
  4. 請求項3に記載の紙葉取扱装置において、
    前記制御部は、前記底板の下げ幅を大きくした後、紙葉を予め定められた枚数以上前記紙葉収納部に収納した場合には、その後、前記紙葉を予め定められた枚数収納する間、前記底板の下げ幅を前記基準下げ幅よりも小さくする、紙葉取扱装置。
  5. 請求項3または請求項4に記載の紙葉取扱装置において、
    前記制御部は、前記基準下げ幅を、前記識別部が検知した金種に基づいて決定する、紙葉取扱装置。
  6. 請求項3または請求項4に記載の紙葉取扱装置において、さらに、
    紙葉の厚さを測定する厚さ測定部を備え、
    前記基準下げ幅は、前記厚さ測定部により測定された、前記紙葉収納部に収納された前記紙葉の厚さである、紙葉取扱装置。
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