JP2012044893A - 芋液体麹の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】サツマイモを15〜60%(w/vol)の量で含有する液体培地を用いて、麹菌を培養する工程を包含する芋液体麹の製造方法。
【選択図】なし
Description
本発明の方法で用いる液体培地は、麹菌が生育及び増殖するのに必要な栄養又は該栄養を含む培養原料を水中に溶解又は懸濁させた液体である。かかる栄養には、例えば、炭素源、窒素源、無機塩類などが含まれる。
本発明に用いる液体培地には、炭素源又は窒素源の他に、硫酸塩及びリン酸塩を添加し含有させることができる。これらの無機塩類を併用することにより、酵素活性が増強される。
滅菌した液体培地を培養温度まで冷却後、麹菌を液体培地に接種する。培地に接種する麹菌の形態は任意であり、胞子又は菌糸を用いることができる。
本発明の製造方法で得られた芋液体麹は、焼酎、清酒、しょうゆ、味噌、みりん及び甘酒等の発酵飲食品を製造するための酵素源として固体麹と同様に用いることができる。本発明の製造方法で得られた芋液体麹を芋焼酎を製造するための酵素源として使用すると純芋焼酎が製造されるため、特に好ましい。
芋焼酎の製造は、一般的な米(固体)麹を用いた芋焼酎の製造とほぼ同様の方法で行うことができ、もろみ仕込み段階において、米麹の代わりに芋液体麹を用いればよい。
1.麹菌
菌株として、白麹菌に関する標準株であるアスペルギルス・カワチ(NBRC4308株)を準備した。
65%精白大麦8%(w/vol)、KNO30.2%(w/vol)、KH2PO40.3%(w/vol)の組成を有する前培養培地100mlを、容量500mlのバッフル付三角フラスコに入れ、121℃、15分間オートクレーブ滅菌し、室温冷却後、麹菌の胞子1白金耳を接種した。その後、温度37℃、100rpmにて24時間回転振盪培養を行った。
生のコガネセンガンの全長の約15%分だけ両端(末端部)を切り落とした。残された肉質部の外皮を剥き、適当な大きさに切り分け、液体培地のサツマイモ濃度に応じて必要な量を収集した。収集した肉質部の量は、各液体培地毎に、5g、10g、15g、20g、30g、40g、50g、60g及び80gとした。
本培養を行った培養液から遠心分離により得た培養上清液を芋液体麹として、酵素活性を測定した。測定方法は次の通りである。
培養上清液1.0mlに100mM酢酸緩衝液(pH3.0)9.0mlを添加して37℃で1時間酸処理を行なった後に、α−アミラーゼ測定キット(キッコーマン製)を用いて測定した。
国税庁所定分析法に従い測定した。具体的には、デンプン溶液1.0mlに200mM酢酸緩衝液(pH5.0)0.2mlを加え、40℃で5分間予熱した。これに培養上清液0.1mlを加え、40℃で20分間反応させ、1N水酸化ナトリウム溶液0.1mlを添加して反応を停止させた。その後30分間放置し、1N塩酸溶液0.1mlを加えて中和した。別に対照として、デンプン溶液1mlに0.2M酢酸緩衝液0.2mlを加え、40℃で5分間予熱し、1N水酸化ナトリウム溶液0.1mlを加えた後に培養上清液0.1mlを添加し、以下上記と同様に操作した。反応液中に生成したグルコース量はグルコースCII-テストワコー(和光純薬製)を用いて測定した。
それぞれの培養原料を使用して得られた芋液体麹のASAA活性及びGA活性の測定結果を表1及び図1に示す。
1.芋液体麹の製造
培養原料として使用するサツマイモの部位及び量を次のように変更すること以外は実施例1と同様にして芋液体麹を製造した。
得られた芋液体麹の酵素活性を測定した。測定方法は、ASAA活性及びGA活性については実施例1と同様にして行い、β−グルコシダーゼ(BGL)活性については次のように行った。測定結果を表2に示す。
4mM p−ニトロフェニル−β−D−グルコピラノシド溶液0.25mlに50mM酢酸緩衝液(pH5.0)0.5mlの混合溶液を37℃で約5分間予備加温した後、培養上清0.25mlを加え、よく混合して反応を開始した。37℃で正確に15分間反応させた後、200mM炭酸ナトリウム溶液2.0mlを加えてよく混合し、反応を停止させた。この反応終了液を吸光度測定用セルに入れ、波長410nmで吸光度を測定した。ブランク値の測定として、上記反応液を37℃で20分間加熱し、200mM炭酸ナトリウム溶液2.0mlを加えた後に、培養上清を加えてよく混合した液の吸光度を測定した。予め準備した検量線をもとに、遊離生成したp-ニトロフェノール量を算出する。
1.芋液体麹の製造
培養原料として、外皮を剥いていない生のコガネセンガンの肉質部及び外皮を剥いた生のコガネセンガンの肉質部をそれぞれ20g使用すること以外は実施例1と同様にして芋液体麹を製造した。
実施例2と同様にして得られた芋液体麹の酵素活性を測定した。測定結果を表3に示す。
1.芋液体麹の製造
培養原料として、大きさ及び個数が相違する生のコガネセンガンの肉質部(外皮なし)を30g使用すること以外は実施例1と同様にして芋液体麹を製造した。
実施例2と同様にして得られた芋液体麹の酵素活性を測定した。測定結果を表4に示す。
1.芋液体麹の製造
培養原料として、品種が相違する生のサツマイモの肉質部(外皮なし)を20g及び30g使用すること以外は実施例1と同様にして芋液体麹を製造した。
実施例2と同様にして得られた芋液体麹の酵素活性を測定した。測定結果を表5に示す。
1.芋液体麹の製造
アスペルギルス・カワチの代わりに、黒麹菌に関する標準株であるアスペルギルス・アワモリ(NBRC4388株)を用い、本培養時に生のコガネセンガン(外皮なし)を20g使用すること以外は実施例1と同様にして芋液体麹を製造した。
実施例2と同様にして得られた芋液体麹の酵素活性を測定した。測定結果を表6に示す。
1.芋液体麹の製造
アスペルギルス・カワチの代わりに、黄麹菌に関する標準株であるアスペルギルス・オリゼ(RIB40株)を用い、本培養時に生のコガネセンガン(外皮なし)を20g使用すること以外は実施例1と同様にして芋液体麹を製造した。
得られた芋液体麹のα−アミラーゼ(AA)活性を測定した。測定方法は、次の通りである。測定結果を表7に示す。
α−アミラーゼ測定キット(キッコーマン製)を用いて測定した。
1.芋液体麹の製造
培養原料として、外皮を剥いた蒸煮したコガネセンガンの肉質部及び外皮を剥いた生のコガネセンガンの肉質部をそれぞれ30g使用すること以外は実施例1と同様にして芋液体麹を製造した。
実施例1と同様にして得られた芋液体麹の酵素活性を測定した。測定結果を表8に示す。
Claims (10)
- サツマイモを15〜60%(w/vol)の濃度で含有する液体培地を用いて、麹菌を培養する工程を包含する芋液体麹の製造方法。
- 前記サツマイモがサツマイモの肉質部からなる請求項1に記載の芋液体麹の製造方法。
- 前記サツマイモの肉質部が、サツマイモの全長を基準にして両端を端から10〜20%の長さ分除去して得られたものである請求項2に記載の芋液体麹の製造方法。
- 前記サツマイモがコガネセンガン、アケムラサキ、高系14号、シロサツマ、シロユタカ、ジョイホワイト、種子島ゴールド、ベニハヤト、種子島ろまん、安納紅、安納こがね、ベニサツマ、ベニオトメ、ベニアズマ、アヤムラサキ及びジョイレッドからなる群から選択される少なくとも一種である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の芋液体麹の製造方法。
- 前記麹菌が白麹菌、黒麹菌又は黄麹菌である請求項1〜4のいずれか一項に記載の芋液体麹の製造方法。
- 得られる芋液体麹は糖加水分解酵素活性が増強され、β−グルコシダーゼ活性が抑制されたものである請求項1〜5のいずれか一項に記載の芋液体麹の製造方法。
- 前記β−グルコシダーゼ活性が20U/ml以下である請求項6に記載の芋液体麹の製造方法。
- 前記糖加水分解酵素活性が少なくとも耐酸性α−アミラーゼ活性、α−アミラーゼ活性又はグルコアミラーゼ活性である請求項6又は7に記載の芋液体麹の製造方法。
- 前記耐酸性α−アミラーゼ活性が15U/ml以上であり、前記グルコアミラーゼ活性が55U/ml以上である請求項8に記載の芋液体麹の製造方法。
- 請求項1〜9のいずれか一項に記載の芋液体麹の製造方法によって得られる芋液体麹。
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