以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明するが、この発明は以下の実施の形態に限定されない。また、この発明の実施の形態は発明の好ましい形態を示すものであり、発明の範囲を限定するものではない。
本実施例では、液晶ユニットを内蔵した液晶プロジェクタを例にとって説明する。本実施例では、プロジェクタ100で記録媒体から再生した複数画像データに対応するそれぞれのサムネイル画像を、1画面上に複数設定された表示領域に表示する画像を生成して、投影する場合について説明する。特に、本実施例のプロジェクタ100は、投影画像の台形補正(キーストン補正)をするときに、サムネイル画像を表示する表示領域の配置を変更した画像を生成することで、サムネイル画像が見難くならないようにすることができる。また、投影画像の台形補正(キーストン補正)をするときに、サムネイル画像の表示領域の数を減らした画像を生成することで、サムネイル画像が見難くならないようにすることができる。また、投影画像の台形補正(キーストン補正)をするときに、サムネイル画像の表示領域の大きさを変更した画像を生成することで、サムネイル画像が見難くならないようにすることができる。ここでいう、位置、大きさとは、投影画面上に表示される表示領域の位置、大きさである。
本実施例では、配置された複数の表示領域にサムネイル画像を表示する画像を生成する例について説明する。しかし、配置された複数の表示領域は、サムネイル画像以外の画像を表示してもよい。
以下、図1を用いて、本実施例のプロジェクタ100の主要な構成を説明する。
まず、制御部101は、CPUとメモリまたは、マイコンチップなどからなり、プロジェクタ100の各機能ブロックを制御するものである。また、操作部102は、ユーザの指示を受け付け、制御部101に指示信号を送信するものである。またバス110は、画像データや制御信号などをプロジェクタ100の各ブロックに送るためのものである。
また、記録再生部120は、記録媒体121に記録されている動画データや静止画データ、その他のデータなど再生する。記録再生部120は、記録媒体121に記録されている動画データや静止画データ、その他のデータのヘッダなどに記録されているサムネイルデータを読出すこともできる。ここで、記録媒体121は、動画データ、静止画データ、等を記録することができれば、磁気ディスク、光学式ディスク、半導体メモリなどのあらゆる方式の記録媒体であってよく、着脱可能な記録媒体であっても、内蔵型の記録媒体であってもよい。
画像入力部130は、例えば、カメラやパソコン、携帯電話等の外部装置から画像データを受信するものである。たとえば、RGB端子、映像端子、D端子等、HDMI(High−Definition Multimedia Interface)(登録商標)端子などの、画像を入力するための端子などである。
通信部140は、例えば、カメラやパソコン、携帯電話等の外部装置から制御信号を受信したり、画像データを受信したりするものである。例えば、無線有線LAN、USB、Bluetooth(登録商標)などのあらゆる通信が可能である。また、画像入力部130の端子が、例えばHDMI(High−Definition Multimedia Interface)(登録商標)端子であれば、その端子を介してCEC通信を行うようなものであっても良い。
表示部150は、プロジェクタ100の外装などに取付けられた液晶パネルなどであって、表示制御部151によって操作画面や警告画面などを表示する。表示部150は、画像を表示できればどのようなものであっても良い。例えば、CRTディスプレイ、有機ELディスプレイ、LEDディスプレイであって良い。
また、画像処理部160は、制御部101、記録再生部120、画像入力部130、通信部140、等から送られた動画データ、静止画データの画素数やフレーム数、画像形状を変更するものである。画像処理部160は、ユーザが操作部102を操作して台形補正処理の指示を入力すると、制御部101の制御のものと画像データの形状を変化させる。また、重力方向を検出することができる不図示の重力センサを備え、重力センサにより得られた、装置の傾きから、投影光学系の傾きを演算し、その傾き角に基づいて、台形補正処理による画像データの変形度合いを調整しても良い。
また、液晶制御部170は、画像処理部160で処理された動画データ、静止画データに基づいて、液晶ユニット171に画像を形成させるものである。動画データの場合には、画像処理部160から送信される1フレームの画像を受信する度に液晶ユニット171に画像を形成させる。静止画データの場合には、画像処理部160から送信された画像を液晶ユニット171に表示させ続けても良いし、画像処理部160が例えば、60フレーム/秒で同じ画像データを送信しつづけてもよい。ここで液晶ユニット171は、単数の液晶パネルまたは複数の液晶パネル、色フィルタ(または分光器、ダイクロックミラー)、偏光板などによって構成されている。そして、この液晶パネルに液晶制御部170によって表示画像用の制御がされた電圧が印可されることによって、画像を形成することができる。
光源制御部180は、光源181の光量制御、オンオフ制御などをおこなう。光源181は、例えば、高圧水銀ランプ、ハロゲンランプ、LED等によって構成されている。光源181からの光束は、液晶ユニット171の液晶パネル、偏光板、色フィルタなどを通過して、投影部190に導かれる。
投影部190は、液晶ユニット171を通過して来た光を不図示のスクリーンに投影するレンズ群からなっている。レンズは複数であっても単数であってもよい。
本実施例の表示制御部151、画像処理部160、液晶制御部170、光源制御部180は、同様の処理を行うことのできる単数または複数のチップであっても良い。または、制御部101の機能を実現するマイクロコントローラなどによって同様の処理をさせて田ものであっても良い
ここで、本実施例のプロジェクタ100の通常の動作について説明する。
操作部102や不図示のリモコンによりユーザがプロジェクタ100の電源を入れると、不図示の電源部からプロジェクタ100の各部に電源が供給される。次に、操作部102や不図示のリモコンによりユーザが記録媒体121から静止画データや動画データ(画像データ)を読出して投影する指示をすると、制御部101は、記録再生部120に記録媒体から指定された画像データを記録媒体121から再生させる。再生された画像データは、制御部101の制御のもと、画像処理部160に送信される。また、画像入力部130、通信部140に入力された画像データに関しても、制御部101の制御のもと、画像処理部160に送信される。また、制御部101によって生成された画像データについても、画像処理部160に送信される。
そして、画像処理部160は、画像データの画素数やフレーム数、形状などを調整し、制御部101の制御のもと、液晶制御部170に処理された画像を送信する。液晶制御部170は、受信した画像に基づいて、液晶ユニット171の液晶パネルに印加する電圧を調整し、液晶ユニット171の液晶パネルに画像を形成させる。そして、光源制御部180は、制御部101の制御のもと光源181への電源供給を開始し、光源181を発光させる。光源181からの光束は、液晶パネルに形成された画像によって光量が制御されて、投影部190に入力される。投影部190は、その入力された光束を不図示のスクリーンに投影する。
この様にして、記録媒体121に記録された画像データは、スクリーンに投影されるのである。
また、ここで、複数の静止画データ及び/または複数の動画データが記録媒体121に記録されている場合には、制御部101は、複数の静止画データ及び/または複数の動画データのサムネイル画像を生成して表示させることができる。このときには、制御部101は、各動画データまたは静止画データのヘッダからサムネイル画像を読出すように記録再生部120を制御してもよいし、各動画データまたは静止画データの縮小画像を画像処理部160において生成しても良い。
本実施例において、画像処理部160は、制御部101の制御のものと入力された画像データの形状を変化させる。プロジェクタ100は、通常、入力された画像の形状(アスペクト比等であってもよい)のまま、拡大または縮小した画像を投影している。長方形画像が入力されている場合には、長方形の画像を液晶制御部170に送信し、液晶ユニット171上には長方形の画像が表示されている。ここで、制御部101からの指示によって、台形補正(キーストン補正)が入力されると、後述するように、画像の一部を間引いた画像データを生成して、液晶制御部170に送信する。すなわち、長方形の画像を長辺が下になるような台形の画像に変形させたり、長辺が上になるような台形の画像に変形させたりする。本発明では具体的に説明はしないが、左右方向についても同様に台形補正を行うことができる。
また、本実施例において、制御部101は、記録媒体121から再生させた動画データや静止画データなどの、複数画像データに対応するそれぞれのサムネイル画像を、1画面上に複数配置された表示領域に表示する画像を生成することができる。すなわち、後述する図4(a)のような画像を生成することができる。本実施例では具体的な説明を行わないが、サムネイル画像同様、画像入力部130、通信部140から入力される複数の画像データをそれぞれ、1画面上に複数配置された表示領域に表示する画像を生成することもできる。
そして、制御部101は、画像処理部160において、投影画像の台形補正(キーストン補正)をするときに、サムネイル画像の表示された表示領域の配置する位置を変更した画像を生成する。または、表示領域の数を減らした画像を生成する。または、表示領域の大きさを変更した画像を生成する。または、後述する図8で説明するように、台形補正の割合(変形率、台形補正値)に応じて、表示領域の位置変更、数変更、大きさの変更を任意に組み合わせた変更をした画像を生成してもよい。
具体的には後述するが、台形補正により、画素の間引かれる量の多い位置から画素の間引かれる量の少ない位置に、複数の表示領域のうち少なくとも一部を移動させるような、表示領域の配置の変更をした画像を生成する。または、台形補正により、画素の間引かれる量の多い位置の表示領域を無くして、表示領域の数を減らした画像を生成する。または、台形補正により、画素の間引かれる量の多い位置の表示領域の大きさを拡大した画像を生成する。
この様に制御することによって、複数の表示領域に表示されたサムネイル画像が見難くならないようにすることができる。また、前述したように、本実施例では、配置された複数の表示領域にサムネイル画像を表示する画像を生成する例について説明する。しかし、配置された複数の表示領域は、サムネイル画像以外の画像を表示してもよい。すなわち、画像入力部130、通信部140に入力された複数の画像データを前述した複数の表示領域に表示させるようにしても良い。
次に、本実施例のプロジェクタ100の台形補正処理について説明する。本実施例では、手動で台形補正を行う場合について説明する。本実施例では、プロジェクタ100が水平から約10度の上向きに投影している場合について説明する。
図2は、台形補正について説明するための図であり、台形補正が施されていないときの、スクリーン投影画像と、液晶ユニット171の液晶パネルに形成された画像を並べて示した図である。201は、スクリーンに投影されている画像を示している。202は、液晶ユニット171の液晶パネルに形成された画像を示している。
例えば、プロジェクタ100が水平から上向きに投影している場合、投影面の上端と下端とでは光学系107とスクリーンとの距離が異なる。そのため、画像の上の部分が引き延ばされてしまうことになり、スクリーン上には、投影画像201に示すような画像が投影されることになる。この時、液晶パネルに形成された画像251は、通常の縦横比の長方形の画像を出力している。
そこで、ユーザは画面を確認しながら、操作部102を操作し、台形補正を行うことになる。即ち、制御部101は、操作部102によって設定された台形補正値に応じて、画像処理部160に入力されている画像を変形するように画像処理部160を制御し、液晶パネルに形成される画像の形状を変える。たとえば、補正量を+15〜−15で表し、+は上部が、−は下部が、それぞれ短くなるような台形補正処理であるとする。例えば、本実施例では、補正値を大きくするほど、画面の下端に比べて上端が短くなるように台形補正処理を行う。具体的には、台形補正値を+5とすると、制御部101は、液晶パネルに形成される画像252の画像を台形に変形させるように画像処理部160を制御する。このような補正を行うことにより、投影画像202は、台形の歪みが少なくなる。実際は、プロジェクタと投影距離に応じて適宜選択されることになる。
すなわち、ユーザは、画面を確認し、まだ歪んでいることを確認すると、更に操作部102を操作し、台形補正を行うことになる。例えば、台形補正値を+10とすると、制御部101は、液晶パネルに形成される画像253の画像を更に変形させるよう画像処理部160を制御する。この様な補正を行うことにより、投影画像203は台形状歪みがほぼなくなり、通常のアスペクト比の投影画像を表示することができるようになる。
以上の説明では、台形補正値を正の値に設定して、液晶パネルに形成される画像の形状の上の部分を縮小していた。逆に、台形補正値を負の値に設定すると、液晶パネルに形成される画像の形状の下の部分を縮小する。例えば、図3(a)に示すように、台形補正値をプラス方向に増やしていくほど、液晶パネルに形成される画像の上の部分を縮小する。そして、図3(b)のように、台形補正値をマイナス方向に増やしていくほど、液晶パネルに形成される画像の下の部分を縮小する。すなわち、制御部101は、台形補正値が大きくなるほど画像の歪みが大きくなるように画像処理部160を制御する。
ここで、図4を用いて、画像処理部160において、台形補正を実行したときの制御部101にて生成される、複数の表示領域を1画面上に配置した画像の形態の関係について説明する。本実施例のプロジェクタ100では、記録媒体121から再生させた複数の静止画データ及び/または複数の動画データなどの、複数画像データに対応するそれぞれのサムネイル画像を、1画面上に複数配置された表示領域に表示することができる。このとき、制御部101は、各動画データまたは静止画データのヘッダからサムネイル画像を読出すように記録再生部120を制御してもよいし、各動画データまたは静止画データの縮小画像を画像処理部160に生成させても良い。
ここでは、静止画データのサムネイルを表示させる例について説明するが、動画データのサムネイルを表示させる場合であっても同様の動作とすることができる。また、動画データと静止画データのサムネイルを同じ画面上に表示することもできる。また、動画データの各フレームを本実施例のサムネイルと同様の配置で表示することができる。
ユーザが操作部102を操作し、記録媒体121から静止画データを読出す指示をすると、制御部101は、記録媒体121から静止画データを読出すよう記録再生部120を制御する。そして、制御部101は、読出された静止画データを縮小したサムネイル画像を生成し、1画面中の複数の表示領域にそれぞれサムネイル画像を表示させた画像を生成し、画像処理部160に送信する。
一方で、制御部101は、前述した台形補正値を画像処理部160に送信している。このとき、制御部101は、図3、図4に示すように、1画面内の表示領域の配置、大きさ、数などを台形補正値によって異ならせている。
ここで、図4は、制御部101にて生成される、複数の表示領域からなる1画面の画像を示している。本実施例のプロジェクタ100の制御部101は、台形補正値が+5〜−5の範囲では、図3に示すように液晶パネル上で画素数が大きく削減されるような変形ではないので、図4(a)のように1つの画面を構成する複数の表示領域を画面上にほぼ均等に配置した画像を生成する。本実施例ではこの様な配置を「通常配置」とする。
次に、台形補正値が+6〜+10の範囲では、図3(a)に示すように液晶パネル上で特に上部に行くに従って間引かれる画素数が大きくなる変形が行われることになる。そのため、制御部101は、図4(b)のように1画面を構成する複数の表示領域を上の方に表示しないように表示領域を配置する位置を「通常配置」に比べて下に移動させた画像を生成する。逆に、台形補正値が−6〜−10の範囲では、図3(b)に示すように、液晶パネル上で特に下部に行くに従って間引かれる画素数が大きくなる変形が行われることになる。そのため、画像処理部160は、図4(b’)のように、1画面を構成する複数の表示領域を下の方に表示しないように表示領域を配置する位置を「通常配置」に比べて上に移動させた画像を生成する。
すなわち、制御部101は、台形補正によって画像が変形されると、1画面を構成する複数の表示領域の配置を変更するようにしている。
次に、台形補正値が+11〜+15の範囲では、図3(a)に示すように液晶パネル上で特に上部に行くに従って間引かれる画素数がさらに大きくなる変形が行われることになる。そうすると、制御部101は、図4(c)のように、1画面を構成する複数の表示領域を配置する位置変更するだけではなく、表示領域の数を少なくすると共に、間引かれる画素数の多い位置の表示領域の大きさを拡大した画像を生成する。逆に、台形補正値が+11〜+15の範囲では、図3(b)に示すように液晶パネル上で特に下部に行くに従って間引かれる画素数がさらに、大きくなる変形が行われることになる。そのため、制御部101は、図4(c’)のように、1画面を構成する複数の表示領域を配置する位置変更するだけではなく、表示領域の数を少なくすると共に、間引かれる画素数の多い位置の表示領域の大きさを拡大した画像を生成する。
ここで説明した、制御部101にて生成される1画面の表示領域の配置の変更、大きさの変更、数の変更は一例であり、様々な変更方法があって良い。例えば、図8に示すように様々なパターンの表示領域の変更方法がある。図8においては、台形補正値が+側のときのパターンであるが、−側の補正値であっても同様である。前述した例では、図8のパターン(1)−4に該当する表示領域の変更方法である。
図8によれば、制御部101では、台形補正値の変更によって、表示領域の大きさまたは位置または数を変更した画像を生成する。また、台形補正値が更に大きくなると表示領域の変更方法を組み合わせて画像を生成している。
次に本実施例のプロジェクタ100における動作シーケンスについて図6のフローチャートを用いて説明する。図6において、各動作は、制御部101によって制御されている。
まず、プロジェクタ100の操作部102の電源ボタンが操作され、電源が投入されると、前述したように、プロジェクタ100の各ブロックに電源が供給される。次に、制御部101は、操作部102からの入力により、ユーザが記録媒体121に記録された画像データを再生させるモードに移行するか否かを確認する(S610)。このとき、制御部101は、表示部150やスクリーンに投影している画面にユーザが、再生モードを選択するのに必要な画面を出力しても良い。
ユーザにより記録媒体121に記録された画像データを再生させるモードが選択されると(S610でYes)、次に、制御部101は、設定されている台形補正値に対応するサムネイル画面を形成してを投影させる(S620)。すなわち、図4、図8で説明したように、台形補正値に応じて、1画面のを構成する表示領域の配置、大きさ、数などを調整した画像を生成して、画像処理部160に送信する。
次に、制御部101は、台形補正操作が有ったか否かを判定し、台形補正操作があった場合には、投影される画像を台形補正値を画像処理部160に送信し、画像処理部160は入力された画像を縮小したり台形補正のための変形をさせる(S640)。そして、S620同様に、制御部101は、設定されている台形補正値に対応するサムネイル画面を形成してを投影させる(S650)。すなわち、図4、図8で説明したように、台形補正値に応じて、1画面のを構成する表示領域の配置、大きさ、数などを調整した画像を生成して、画像処理部160に送信する。つまり、制御部101は、台形補値が変更すると、図4(a)から(b)のように、1画面を構成する複数の表示領域の配置を変更した画像を生成する。また、図4(b)から(c)のように、台形補値が変更すると、1画面を構成する複数の表示領域の数、大きさを変更した画像を生成する。
次に、制御部101は、投影終了の指示が入力されたか否かを判別し(S660)、投影終了の指示が入力されていれば、プロジェクタ100の投影に必要なシステムの電源を落として投影を終了する(S660でYes)。投影終了の指示が入力されていない場合は、S610に戻り、制御を継続する(S660でNo)。
S630で、台形補正を行わない場合には、S660で、投影終了の指示が入力されたか否かを判別する。また、S610で、ユーザにより記録媒体121に記録された画像データを再生させるモードが選択されないと、制御部101は、画像入力部130や通信部140等から受信した画像を投影するモードに移行し、投影を開始する(S670)。このとき、台形補正の指示があれば、投影画像の台形補正処理は実行されるが、サムネイル画像を投影しているわけではないので、サムネイル画像の配置を変更するなどの処理は行わない。すなわち、制御部101では、1画面を複数の表示領域とした画像を生成していないので、配置の変更などは行わないのである。
この様に本実施例のプロジェクタ100の制御部101は、投影画像の台形補正(キーストン補正)をするときに、1画面を構成する複数の表示領域の配置する位置を変更した画像を生成する。または、表示領域の数を減らした画像を生成する。または、表示領域の大きさを変更した画像を生成する。または、後述する図8で説明するように、台形補正の割合(変形率、台形補正値)に応じて、表示領域の位置変更、数変更、大きさの変更を任意に組み合わせた変更をした画像を生成してもよい。
本実施例において、プロジェクタ100において、台形補正の指示がなければ、台形補正値は、起動直後以降送信されないので、一画面を構成する表示領域の配置、数、大きさが変わることはない。
このように、本実施例では、台形補正レベル(台形補正値)によって、1画面を構成する複数の表示領域の配置、数、大きさを変更するようにすることで、台形補正処理によって各表示領域の画像が見難くなる可能性を低減することができる。すなわち、投影画面上の複数の表示領域に画像などを分けて表示する場合、台形補正をしても画像が見づらくなってしまう可能性を低減することができる。また、本実施例では、複数の画像領域に分けて表示した場合について説明したが、複数の画像領域にわけない場合にも、台形補正レベルによって、表示領域の位置や大きさを変更することで、画像が見づらくなってしまう可能性を低減することができる。
また、上述の説明ではサムネイル画像を表示する例について説明したが、本実施例の表示領域には、例えば、記録媒体121に記録されている静止画データ、動画データを表示しても良いし、画像入力部130から受信した外部装置の画面を表示しても良い。また、通信部140から受信した外部装置から送信された静止画データや動画データ、外部装置の画面を示す画像データが表示されても良い。
本実施例では、液晶素子に形成された画像を投影する投影装置について説明したが、台形補正やキーストンといった画面の歪み補正を備えた投影装置であればどのようなものであっても良い。例えば、液晶素子を用いたものでなくとも、DLPプロジェクタ、レーザプロジェクタ等であってもかまわない。
また、投影中に台形補正を指示し、1画面を構成する表示領域の配置、数、大きさ等が変更される場合には、その旨を表示しても良い。特に、表示領域の数を減少させる場合には、減少する表示領域を投影画面上で識別できるように、表示するように警告するようにしても良い。
本実施例では、プロジェクタ100と、外部の再生装置500とを接続した投影システムを例にとって説明する。実施例1と異なる点は、プロジェクタ100側では、複数の表示領域を特に用意せず、再生装置500から受信した画像を表示し、台形補正値を接続された再生装置500に送信する。そして、再生装置500は、プロジェクタ100から送られた台形補正値に基づいて、実施例1の図3、図4、図8で説明したように、1画面を構成する複数の表示領域の配置、数、大きさを変更するようにしている。本実施例では、台形補正値がプロジェクタ100から再生装置500に送信する例について説明するが、表示領域の配置、数、大きさを変更するための指示が、プロジェクタ100から送信されるようにしてもよい。本実施例においても、1画面を構成する複数の表示領域にはサムネイル画像を表示する例について説明するが、実施例1と同様にサムネイル画像以外の画像を表示しても良い。
以下、本実施例の投影システムについて説明する。
本実施例の投影システムは、プロジェクタ100と再生装置500を接続し、再生装置500からプロジェクタ100に画像データを送信し、プロジェクタ100において、画像を投影させるシステムである。本実施例において、プロジェクタ100の構成は図1と同様の構成であるため説明を省略する。
まず、プロジェクタ100に画像を送信する再生装置500のについて、図5を用いて説明する。ここで再生装置500は、例えば、パソコンなどであるが、複数の画像データのサムネイルからなる画面をプロジェクタ100の通信部140に対して送信する機能と、サムネイル画面の構成を変更することができればよい。すなわち、デジタルカメラ、DVDプレイヤー、携帯電話等であっても良い。
再生装置500において、制御部501は、CPUとメモリ、マイコンチップなどからなり、再生装置500の各機能ブロックを制御するものである。また、操作部502は、ユーザの指示を受け付け、制御部501に指示信号を送信するものである。また、バス510は、画像データや制御信号などを再生装置500の各ブロックに送るためのものである。
また、記録再生部520は、記録媒体521に記録されている動画データや静止画データ、その他のデータなど再生する。記録再生部520は、記録媒体521に記録されている動画データや静止画データ、その他のデータのヘッダなどに記録されているサムネイルデータを読出すこともできる。ここで、記録媒体521は、動画データ、静止画データ、等を記録することができれば、磁気ディスク、光学式ディスク、半導体メモリなどのあらゆる方式の記録媒体であってよく、着脱可能な記録媒体であっても、内蔵型の記録媒体であってもよい。
また、画像出力部530は、プロジェクタ100の画像入力部130に画像を送信するためのものであり、たとえば、RGB端子、映像端子、D端子等、画像を入力するための端子などである。画像出力部530は、プロジェクタ100以外にも画像を送信することができる。
通信部540は、プロジェクタ100の通信部140と通信を行うためのものである。本実施例では、記録再生部520で再生された画像データや、制御部501により生成された複数の画像データのサムネイルを表示した画面をプロジェクタ100に送信したり、プロジェクタ100からの制御信号を樹脂したりするためのもである。通信部540は、その他の外部装置からの制御信号を受信したり、画像データを受信したりすることもできる。例えば、無線有線LAN、USB、Bluetooth(登録商標)などのあらゆる通信が可能である。また、画像入力部130の端子が、例えばHDMI(High−Definition Multimedia Interface)(登録商標)端子であれば、その端子を介してCEC通信を行うようなものであっても良い。また、画像データを送信する通信部と、制御信号を送受信する通信部とを個別に設けても良い。
表示部550は、パソコン500に内蔵または接続されたディスプレイなどであって、再生装置500の操作に必要なグラフィックユーザインタフェースなどを表示させるものである。
本実施例の再生装置500の制御部501は、複数の表示領域からなる一画面の画像を生成し、プロジェクタ100の画像入力部130や通信部140に、画像出力部530、通信部540から送信させることができる。また、制御部501は、一画面を構成する複数の表示領域に、記録再生部520によって再生された記録媒体521に記録された複数の静止画データ及び/または複数の動画データのサムネイル画像を表示させた画像を生成することができる。
制御部501は、各動画データまたは静止画データのヘッダからサムネイル画像を読出すように記録再生部520を制御してもよいし、各動画データまたは静止画データの縮小画像を生成したものをサムネイル画像としても良い。
本実施例におけるプロジェクタ100の台形補正処理については、実施例1と同様の動作であるため、図2のように台形補正処理をするが、説明を省略する。
本実施例においては、実施例1と同様に、一画面を構成する複数の表示領域の配置、数、大きさを、台形補正値に応じて変更するようにしている。ここで、実施例1と異なるのは、プロジェクタ100から台形補正値が再生装置500に送信され、再生装置500において、一画面を構成する複数の表示領域の配置、数、大きさを変更した画像を生成して、プロジェクタ100に送信することにある。
次に本実施例の投影システムの動作シーケンスについて、図7のフローチャートを用いて説明する。図7のフローチャートにおけるプロジェクタ100、再生装置500の制御は、それぞれ、制御部101、制御部501によって行われる。
まず、プロジェクタ100、再生装置500をそれぞれ起動すると、プロジェクタ100、再生装置500の各ブロックに電力供給が開始される。
再生装置500では、制御部501は、記録媒体521に記録された複数の静止画データ及び/または複数の動画データを再生するように、記録再生部520を制御する(S750)。そして、サムネイル画像を読出すかまたは生成する。
プロジェクタ100では、制御部101は、プロジェクタ100の通信部140と再生装置500の通信部540が接続されていることを確認すると、現在の台形補正値を再生装置500に通信部140を用いて送信する(S700)。
再生装置500では、制御部501は、通信部540により受信した台形補正値に基づいて、図4、図8に示したように、台形補正値に対応する一画面を構成する表示領域の配置、数、大きさとした画像を生成する(S751)。そして、制御部501は、生成した一画面の画像を画像出力部530を通してプロジェクタ100の画像入力部130に送信させる(S752)。
プロジェクタ100では、制御部101は、画像入力部130で受信したサムネイル画像の表示された一画面の画像をスクリーンに投影させるように、プロジェクタ100の各ブロックを制御する(S701)。ここで、制御部101は、台形補正の指示が入力されたか否かを判定する(S702)。台形補正の指示が入力されていなければ引き続き受信した画像を表示させる(S702でNo)。台形補正の指示が入力されると(S702でYes)、図2で説明したように投影画像の台形補正処理を画像処理部160に実行させる(S703)。そして、制御部101は、台形補正処理によって、入力された台形補正値を、通信部140から再生装置500の通信部540に送信させる(S704)。
再生装置500では、制御部501は、台形補正値を受信したか否かを判定する(S753)。そして、制御部501は、台形補正値を受信していなければ(S753でNo)、引き続き前回受信した台形補正値に対応するように、一画面を構成する複数の表示領域の配置、数、大きさを変更せずに一画面の画像を生成して、プロジェクタ100に送信する。台形補正値を受信していれば(S753でYes)、通信部540により受信した台形補正値に基づいて、図4に示したように、台形補正値に対応する表示領域の配置、数、大きさとした一画面の画像を生成する(S754)。そして、制御部501は、生成した一画面の画像を画像出力部530を通してプロジェクタ100の画像入力部130に送信させる(S755)。再生装置500では、制御部501は、この後、終了の指示がされるまでは、S752からS755の処理を繰り返す(S756)。
プロジェクタ100では、制御部101は、画像入力部130で受信したサムネイル画像の表示された一画面の画像をスクリーンに投影させる(S705)。プロジェクタ100では、制御部101は、投影終了の指示がされるまでは、S701からS705の処理を繰り返す(S706)。
この様に本実施例においては、プロジェクタ100の制御部101は、台形補正値を再生装置500に送信することで、再生装置500の制御部501によって生成される一画面の画像の、複数の表示領域の配置、数、大きさを変更することができるのである。
このように、本実施例では、台形補正レベル(台形補正値)によって、一画面を構成する複数の表示領域の配置、数、大きさを変更することによって、台形補正処理によって各表示領域の画像が見難くなる可能性を低減することができる。
上述の説明では、台形補正値をプロジェクタ100から、再生装置500に送信する例について説明した。しかし、プロジェクタ100から、一画面を構成する複数の表示領域の配置、数、大きさに関する情報を送信し、その情報に従って、再生装置500の制御部501が位置替え面の画像を生成するようにしても良い。
また、上述の説明では、一画面を構成する複数の表示領域にサムネイル画像を表示する例について説明したが、他の画像を表示するようにしても良い。
本実施例では、液晶素子に形成された画像を投影する投影装置について説明したが、台形補正やキーストンといった画面の歪み補正を備えた投影装置であればどのようなものであっても良い。例えば、液晶素子を用いたものでなくとも、DLPプロジェクタ、レーザプロジェクタ等であってもかまわない。
また、投影中に台形補正を指示し、1画面を構成する表示領域の配置、数、大きさ等が変更される場合には、その旨を表示しても良い。特に、表示領域の数を減少させる場合には、減少する表示領域を投影画面上で識別できるように、表示するように警告するようにしても良い。この警告画面は、再生装置500側で生成される。
[その他の実施例] また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。特に、実施例2における、再生装置500における処理をコンピュータに実行させるためのプログラムによっても、本発明が実現される。
また、実施例1、実施例2の機能は同時に備えられていても良い。また、各実施例を適宜組み合わせて使用しても良い。
また、実施例1、実施例2における、複数の表示領域の配置や大きさは、表示スクリーン上における画像の配置や大きさである。すなわち、図4に示すように、表示画面上における表示位置や大きさが変更されるように液晶パネル上に形成される画像の表示形態を変更するのである。