JP2012042438A - 電流センサおよび電流センサの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の一態様は、磁性流体を収容した樹脂ケース16を備える磁気コア10を有する電流センサ1において、温度を測定する感温素子34を有し、感温素子34は、磁性流体に接触した状態で樹脂ケース16に設けられていること、を特徴とする。
【選択図】 図2
Description
そこで、感温素子をコアの近くにある基板上に搭載するなどコアに近接して配置させ、感温素子によりコアの周囲の温度を測定し、この感温素子の測定結果をもとに電流センサの出力電流値を補正することが考えられる。しかし、コアの周囲の温度を測定するため、磁性流体自体の温度を正確に測定できない。そのため、温度変化による電流センサの出力電流値の誤差を正確に補正することができず、電流センサの温度特性の向上を図ることができない。
〔電流センサの全体構成に関する説明〕
図1は、電流センサ1の基本構成を模式的に示した図である。図1に示すように、電流センサ1は、磁気コア10と検出コイル12と励磁コイル14などを有する。
磁気コア10は、樹脂ケース16、第1環状磁路18、第2環状磁路20、第1接続磁路22、第2接続磁路24などを備える。なお、図1においては、説明の便宜上、磁気コア10は樹脂ケース16を透過させて内部の各磁路が見えるように示している。また、後述する感温素子34(図2、図4参照)は、説明の便宜上、図1においては省略している。
励磁コイル14は、磁気コア10を励磁する手段であり、第1接続磁路22を巻き込むようにして、磁気コア10の内部にて巻かれている。
次に、感温素子34の配置について説明する。なお、感温素子34は、本発明の「温度測定素子」の一例である。
本発明の磁気コア10では、感温素子34を磁性流体で形成される第1環状磁路18、第2環状磁路20に接触させるようにして樹脂ケース16に設けている。
まず、感温素子34の配置に関する実施例1について説明する。
図2は実施例1における磁気コア10の断面図であり、図3は図2のA−A断面図である。実施例1では感温素子34を樹脂ケース16に接合している。図2と図3に示すように、磁気コア10は、樹脂ケース16、第1環状磁路18、第2環状磁路20、第1接続磁路22、第2接続磁路24、感温素子34などを備える。なお、図2と図3では省略しているが、第1接続磁路22の外周面の外側に、励磁コイル14(図1参照)が巻かれている。
実施例1では、感温素子34を樹脂ケース16に設けられた注入穴52に配置することにより磁性流体に接触させて、この感温素子34により磁性流体の温度を測定する。そのため、感温素子34により磁性流体の温度を正確に測定できる。なお、感温素子34は、例えばサーミスタなどが考えられる。注入穴52は、樹脂ケース16の内部に磁性流体を注入するための穴である。
まず、容器本体36の上下の開放面を塞ぐように第1蓋体38と第2蓋体40とを取り付けて樹脂ケース16を形成する。なお、図2と図3には図示していないが、容器本体36の第1穴48の外側には、励磁コイル14が設けられている。
次に、不図示の電子回路基板と接合され樹脂54と一体化された感温素子34を、樹脂ケース16の注入穴52に接着等で接合する。このようにして、図2に示すように、感温素子34を磁性流体によって形成された第1環状磁路18と第2環状磁路20に接触させた状態で樹脂ケース16に設けられた注入穴52に配置する。これにより、磁気コア10が形成される。また、注入穴52は感温素子34により塞ぐことができるので、注入穴52を塞ぐための蓋体を別途用意して取り付ける必要がなくなり、注入穴52を塞ぐための蓋体の部品代と取り付け工程とを削減でき、製造コストを低減することができる。
このようにして、図1に示すような電流センサ1を製造する。
次に、感温素子34の配置に関する実施例2について説明する。以下の説明では、実施例1と同等の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略し、異なった点を中心に述べる。
図4は、実施例2の磁気コア10の断面図であり、実施例2では実施例1と異なり、感温素子34を樹脂ケース16の第1蓋体38にインサート成形により一体化させている。そして、感温素子34を磁性流体(第1環状磁路18)に接触させて、この感温素子34により磁性流体の温度を測定する。そのため、感温素子34により磁性流体の温度を正確に測定できる。
まず、感温素子34を第1蓋体38にインサート成形により一体化させる。
次に、容器本体36の上下の開放面を塞ぐように第1蓋体38と第2蓋体40とを取り付けて、樹脂ケース16を形成する。このとき、第1蓋体38に一体化された感温素子34は、容器本体36と第1蓋体38にて形成される空間に面する。なお、図4には図示していないが、容器本体36の第1穴48の外側には、励磁コイル14が設けられている。
次に、樹脂ケース16の注入穴52を不図示の蓋体により閉じる。これにより、磁気コア10が形成される。
次に、磁気コア10に検出コイル12(図1参照)を巻き付ける。
このようにして、図1に示すような電流センサ1を製造する。
本発明では、前記の実施例1,2のように感温素子34を磁性流体に接触させて測定した正確な磁性流体の温度の測定値をもとに、電流センサ1により計測された電流値を、一例として以下の数式で表わされる補正式を用いて補正する。これにより、電流センサ1の温度変化による出力電流値の誤差を小さくすることができる。
なお、補正式は、磁性流体の種類(組成)によって変化する。
図5は、評価結果を示す図である。図5では、横軸を温度(℃)とし縦軸を出力誤差(%)として示している。そして、本発明の評価結果を実線で示し、磁気コアの外部にある不図示の基板に感温素子を実装した場合の評価結果を破線で示す。
図5に示すように、温度変化による電流センサの出力電流値の誤差の絶対値は、基板に感温素子を実装した場合に比べて本発明の場合のほうが小さくなっている。例えば、温度が−20℃において、基板に感温素子を実装した場合の出力誤差は約9.5%であったのに対して、本発明の場合の出力誤差は約5.5%となっている。また、温度が70℃において、基板に感温素子を実装した場合の出力誤差は約−26.0%であったのに対して、本発明の場合の出力誤差は約−25.5%になっている。
以上のように、本発明の電流センサ1によれば、感温素子34は磁性流体により形成された第1環状磁路18に接触した状態で樹脂ケース16に設けられているので、磁性流体自体の温度を測定でき、磁性流体の温度を正確に測定できる。そのため、測定された磁性流体の正確な温度をもとに電流センサ1の出力電流値を調整することができるので、電流センサ1の温度特性の向上を図ることができる。
また、本発明は図6に示すような他の電流センサ2へも適用できる。図6は、他の電流センサ2を示す図である。図6に示すように、電流センサ2は、磁気コア56とホール素子58などを有する。そして、磁気コア56は、樹脂ケース60と環状磁路62などを備える。なお、図6においては、説明の便宜上、磁気コア56は樹脂ケース60を透過させて内部の環状磁路62が見えるように示している。
2 電流センサ
10 磁気コア
12 検出コイル
14 励磁コイル
16 樹脂ケース
18 第1環状磁路
20 第2環状磁路
22 第1接続磁路
24 第2接続磁路
34 感温素子
36 容器本体
38 第1蓋体
40 第2蓋体
46 仕切中底
52 注入穴
56 磁気コア
58 ホール素子
60 樹脂ケース
62 環状磁路
Claims (8)
- 磁性流体を収容したケースを備えるコアを有する電流センサにおいて、
温度を測定する温度測定素子を有し、
前記温度測定素子は、前記磁性流体に接触した状態で前記ケースに設けられていること、
を特徴とする電流センサ。 - 請求項1の電流センサにおいて、
前記温度測定素子は、前記ケースに設けられた穴に配置されていること、
を特徴とする電流センサ。 - 請求項2の電流センサにおいて、
前記穴は、前記ケースの内部に前記磁気流体を注入するための注入穴であること、
を特徴とする電流センサ。 - 請求項1の電流センサにおいて、
前記ケースは、複数のケース片を接合したものであり、前記複数のケース片のうちの1つに前記温度測定素子が一体成形されていること、
を特徴とする電流センサ。 - 請求項1乃至4のいずれか1つの電流センサにおいて、
前記電流センサの出力は、前記温度測定素子の測定値をもとに補正されること、
を特徴とする電流センサ。 - 請求項1乃至5のいずれか1つの電流センサにおいて、
前記コアには、励磁コイルと検出コイルとが巻かれていること、
を特徴とする電流センサ。 - 請求項1乃至5のいずれか1つの電流センサにおいて、
前記コアにはギャップが設けられており、前記ギャップにホール素子が配置されていること、
を特徴とする電流センサ。 - 磁性流体を収容したケースを備えるコアを有する電流センサの製造方法において、
温度を測定する温度測定素子を前記磁性流体に接触させた状態で前記ケースに設けること、
を特徴とする電流センサの製造方法。
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2010
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CN106990278B (zh) * | 2015-03-18 | 2019-06-07 | 深圳供电局有限公司 | 电流测量仪的高压电路测量方法 |
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