JP4998631B2 - 磁気コア、当該磁気コアを備えた電流センサ、及び電流測定方法 - Google Patents
磁気コア、当該磁気コアを備えた電流センサ、及び電流測定方法 Download PDFInfo
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Description
本発明は、電流センサの検知感度を高めることが可能な磁気コア、当該磁気コアを備えた電流センサ、及び電流測定方法に関する。
近年、電流センサは、多くの産業分野において利用されており、高感度化等の要求が年々高まっている。そこで、高感度化を実現すべく種々の電流センサが開発されており、その一例が、特許文献1に開示されている。
特許文献1の漏電センサは、リング状の磁性体(磁気コア)からなり磁界の変化を感知する感知器と、感知器に付加され感知器に発生する磁界の変化によってインピーダンスが変化する磁気インピーダンス素子と、磁気インピーダンス素子のインピーダンス変化を検出する検出器とで構成されている。図17は、特許文献1に記載された従来の磁気コアの構造を示す図であり、図17の(a)は、磁気コア100aに切断部101を設け、その切断部101に磁気インピーダンス素子103を載置した様子を示す概略図である。また、図17の(b)は、磁気コア100aに切欠部102を設け、その切欠部102に磁気インピーダンス素子103を載置した様子を示す概略図である。
上記構成により、磁気コア100a(100b)の磁界の変化をより効率的に磁気インピーダンス素子103に伝える電流センサを実現している。
しかしながら、特許文献1の磁気コア100a(100b)には次のような問題がある。
図17の(a)の磁気コア100aは、磁気コア100aを切断する切断部101を設け、その切断部101に磁気インピーダンス素子103を載置している。従って、切断部101の幅を広くせざるを得ず、そのため磁気コア100aの感度が低下する。その結果、図17の(a)の磁気コア100aを備えた漏電センサは、検知感度が低くなるという問題があった。
図17の(b)の磁気コア100bは、磁気コア100bの一部を切り欠く切欠部102が磁気コア100bの外縁に沿って形成され、その切欠部102に磁気インピーダンス素子103が載置されている。しかしながら、その構造では、磁気コア100bから磁束が漏れにくいため、磁気インピーダンス素子103が検出する磁束も微小となる。その結果、図17の(b)の磁気コア100bを備えた漏電センサは、検知感度が低くなるという問題があった。
このように、従来の磁気コア100a(100b)を備えた漏電センサは、いずれも感度が低く、数10mAレベルの電流を測定するときには、検知すべき値がノイズに埋もれてしまうという問題があった。
なお、特許文献2にも高感度化を図った電流センサが開示されている。しかしながら、特許文献2の電流センサは、磁気コアをシールド板でシールドして耐ノイズ性を高めるというものであり、電流センサの大型化・高コスト化という別の問題を招来するという問題があった。
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、電流センサの検知感度を高めることが可能な磁気コア、当該磁気コアを備えた電流センサ、及び電流測定方法を提供することにある。
本発明に係る磁気コアは、上記の課題を解決するために、電流センサに用いられる磁気コアであって、磁電変換素子が保持されるための第1素子保持孔が形成された第1開放端面と、上記磁電変換素子が保持されるための第2素子保持孔が形成された、上記第1開放端面に対向する第2開放端面と、を有することを特徴としている。
本発明に係る磁気コアは、互いに対向する第1開放端面および第2開放端面を有する。そして、第1開放端面には第1素子保持孔が形成され、第2開放端面には第2素子保持孔が形成され、第1素子保持孔および第2素子保持孔に磁電変換素子が保持される。
従って、第1開放端面および第2開放端面が存在することにより、すなわち、第1開放端面と第2開放端面との間に空隙部(以下、「磁束漏入部」と称する。)が存在することにより、その磁束漏入部を介して、第1素子保持孔および第2素子保持孔に対して磁気コアからの磁束が漏れやすくなっており、第1素子保持孔および第2素子保持孔に保持された磁電変換素子がその磁束の漏れを感知することができる。
加えて、磁気コアの感度は、磁束漏入部の磁気抵抗が低い方が良好となるところ、磁束漏入部の幅(第1開放端面と第2開放端面との距離)が狭い方が、磁束漏入部の磁気抵抗は低下する。この点、本発明に係る磁気コアでは、磁電変換素子は、第1開放端面および第2開放端面に形成された第1素子保持孔および第2素子保持孔に保持されている。従って、第1開放端面と第2開放端面との距離は、その間に磁電変換素子が載置されるほどには広くする必要がない。換言すると、素子保持孔が存在するので、第1開放端面と第2開放端面との距離を、磁電変換素子の載置スペースを考慮せずに、狭くすることができる。従って、本発明に係る磁気コアでは、磁束漏入部の幅は狭く、それゆえ磁束漏入部の磁気抵抗も低下するため、当該磁気コアを用いる電流センサの感度を向上させることができる。
このような理由により、本発明に係る磁気コアは、図17の(a)を参照して説明した従来の課題(磁電変換素子を切断部に設けるため、切断部の幅を広くせざるを得ず、それに伴い磁気コアの感度が低下するという課題)を解決することができる。
また、本発明に係る磁気コアでは、第1素子保持孔および第2素子保持孔は、磁気コアから磁束が漏れにくい磁気コアの外縁に沿った位置ではなく、第1開放端面および第2開放端面に形成されている。そして、上記の理由により、本発明に係る磁気コアでは、磁電変換素子は、磁気コアから磁束が漏れやすい第1素子保持孔および第2素子保持孔に保持されており、微小な電流により発生する磁束をより多く磁電変換素子に集めて感度を向上させることができる。
従って、本発明に係る磁気コアは、図17の(b)を参照して説明した従来の課題(磁気コアの外縁に沿って形成された切欠部に磁電変換素子を載置するため、磁気コアから磁束が漏れにくく、磁電変換素子が検知する磁束が微小となり、それによって磁気コアの感度が低下するという課題)を解決することができる。
このように、本発明に係る磁気コアは、上記構成により、電流センサの検知感度を高めることが可能な磁気コアを実現することができる。
加えて、本発明に係る磁気コアは、次のような効果をも奏する。
すなわち、従来の電流センサは、ノイズ耐性を実現する構造(機能)が磁気コア自体にないため、数10mAの電流を測定する際に外部磁界の影響を受け、高い検知感度で電流測定することができなかった。
しかしながら、本発明に係る磁気コアでは、磁束漏入部が、地磁気あるいは外部電流などにより発生する外部磁界に対するシールドとしての役割を果たす。それゆえ、本発明に係る磁気コアは、磁気コアをシールド材で覆うことによって小型化・低コスト化が阻害されるという従来の課題をも解決することができる。
さらに、本発明に係る磁気コアでは、上記第1素子保持孔および上記第2素子保持孔では、上記磁電変換素子は、当該磁電変換素子の感磁方向が上記磁気コアの周方向となるように保持される構成であってよい。
上記構成とすることにより、磁電変換素子の厚み方向(磁気コアの周方向に対して垂直な磁気コアの厚み方向)におけるサイズが小さい磁電変換素子を選択することができ、磁電変換素子を保持する第1素子保持孔および第2素子保持孔の磁気コアの厚み方向における幅を小さくすることができる。そして、上記磁気コアの厚み方向における第1素子保持孔および第2素子保持孔の幅が狭いほど、磁気コアから漏れる磁束が増幅するため、上記構成とすることにより、磁電変換素子の感度を高めることができる。それゆえ、本発明に係る磁気コアは、電流センサの検知感度をさらに高めることが可能な磁気コアを実現することができる。
さらに、本発明に係る磁気コアでは、上記第1素子保持孔および上記第2素子保持孔には、上記磁気コアよりも透磁率の低い低透磁率材料が充填されている構成であってよい。
上記第1素子保持孔および上記第2素子保持孔に低透磁率材料を充填することによって、低透磁率材料の比透磁率と同じ倍率で感度を向上させることができる。
それゆえ、上記構成とすることにより、電流センサの検知感度をさらに高めることが可能な磁気コアを実現することができる。
さらに、本発明に係る磁気コアでは、上記第1開放端面と上記第2開放端面との間には、上記磁気コアよりも透磁率の低い低透磁率材料が充填されている構成であってよい。
上記第1開放端面と上記第2開放端面との間の磁気抵抗は、その値が低いほど、磁気コア全体の感度が高くなる。従って、上記構成とすることにより、電流センサの検知感度をさらに高めることが可能な磁気コアを実現することができる。
さらに、本発明に係る磁気コアでは、上記低透磁率材料は、フェライト含有エポキシ樹脂、磁性流体、あるいは空気であってもよい。
一般的な磁気コア材料として、PBパーマロイ、PCパーマロイ、アモルファス、珪素鋼板などが知られている。本発明に係る磁気コアは、何れの材料を用いることができる。そして、そのような磁気コアよりも透磁率が低い低透磁率材料として、フェライト含有エポキシ樹脂、磁性流体、あるいは空気が挙げられる。
従って、上記第1素子保持孔および上記第2素子保持孔に、フェライト含有エポキシ樹脂、磁性流体、あるいは空気を充填することにより、電流センサの検知感度をさらに高めることが可能な磁気コアを実現することができる。
さらに、本発明に係る磁気コアでは、上記第1素子保持孔を形成する側面のうち、上記第2素子保持孔を形成する側面と対向する側面を第1側面、上記第2素子保持孔を形成する側面のうち、上記第1側面と対向する側面を第2側面としたときに、上記第1素子保持孔および上記第2素子保持孔は、保持する上記磁電変換素子の厚み方向における孔幅が、上記第1側面と上記第2側面との側面間距離の1.75倍以下であることが好ましい。
上記第1開放端面と上記第2開放端面との距離に関わらず、上記孔幅が上記側面間距離の1.75倍より大きいと、第1開放端面と第2開放端面の距離を狭くする効果が無くなることが見出された。
従って、上記構成とすることにより、微小電流によっても多くの磁束を磁電変換素子に集めることができるという効果を奏する。
さらに、本発明に係る磁気コアでは、上記第1開放端面と上記第2開放端面との距離は、2mmよりも小さいことが好ましい。
一般的な磁電変換素子のサイズを考慮すると、上記第1開放端面と上記第2開放端面との距離が2mm以上である場合には、上記第1素子保持孔および上記第2素子保持孔の存在が無くても、磁電変換素子を配置できるスペースがある。
そこで、上記構成とすることにより、上記第1開放端面と上記第2開放端面との距離が2mmより小さい場合でも、上記上記第1素子保持孔および上記第2素子保持孔に磁電変換素子を保持することができ、また、磁電変換素子は、第1素子保持孔および第2素子保持孔に対して磁気コアから漏れる磁束を確実に感知することができるという効果を奏する。
さらに、本発明に係る磁気コアでは、上記第1開放端面および上記第2開放端面は、一部が互いに当接している構成であってよい。
一般的な磁気コアの構造として、一体型、積層型、ドッキング型などの種々のタイプが知られており、本発明に係る磁気コアは、何れのタイプにも適用可能である。ただし、何れのタイプの磁気コアであっても、上記第1開放端面および上記第2開放端面を一切接触させずに製造・加工することが現実的に困難な場合がある。
この点、本発明に係る磁気コアでは、たとえ上記第1開放端面および上記第2開放端面の一部が互いに当接していたとしても、磁束漏入部を介して、第1素子保持孔および第2素子保持孔へ磁気コアから磁束が漏れるため、磁電変換素子は、その磁束の漏れを感知することができる。それゆえ、上記第1開放端面および上記第2開放端面を一切接触させずに製造・加工することが困難な場合には、そのまま使用することができる。これにより、電流センサの検知感度を高めることが可能な磁気コアを実現するとともに、製造・加工上の追加的な工程を不要とし、かつ低価格化をも実現することができる。
上記第1素子保持孔および上記第2素子保持孔はそれぞれ、上記第1開放端面および上記第2開放端面において、上記磁気コアの厚み方向と平行な方向に沿って延設されている構成であってよい。
また、本発明に係る磁気コアでは、上記第1素子保持孔および上記第2素子保持孔はそれぞれ、上記第1開放端面および上記第2開放端面において、上記磁気コアの厚み方向と垂直な方向に沿って延設されている構成であってよい。
上述したように、一般的な磁気コアの構造として、一体型、積層型、ドッキング型などの種々のタイプが知られている。
従って、たとえば積層型の磁気コアを作製するときには、同一箇所に第1素子保持孔および第2素子保持孔が形成された層を複数準備して、それらを順次積層することにより、本発明に係る磁気コアを簡易かつ低コストで作製することができる。そして、一体型あるいはドッキング型で磁気コアを作製する場合にも、上記構成とすることにより、簡易かつ低コストで磁気コアを作製することができる。これにより、大量生産に好適な磁気コアを実現することができる。
さらに、本発明に係る電流センサは、上記磁気コアを備える構成であることが好ましい。
上記構成とすることにより、高感度の測定を可能とする電流センサを実現することができる。
さらに、本発明に係る電流測定方法は、上記磁気コアを備える電流センサによって、被測定電線に流れる電流の電流値を測定することが好ましい。
上記構成とすることにより、高感度の測定を可能とする電流測定方法を実現することができる。
本発明に係る磁気コアは、以上のように、磁電変換素子が保持されるための第1素子保持孔が形成された第1開放端面と、上記磁電変換素子が保持されるための第2素子保持孔が形成された、上記第1開放端面に対向する第2開放端面と、を有する構成である。
それゆえ、電流センサの検知感度を高めることが可能な磁気コアを実現することができる。
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照しながら説明する。説明の便宜上、図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
〔1.磁気コア1について〕
〔1-1.磁気コア1の概略構造〕
以下、本実施形態に係る磁気コア1の概略構造を説明する。なお、理解の容易のため、最初に磁気コア1を備えた電流センサについて説明し、次に磁気コア1の概略構造を説明する。
〔1.磁気コア1について〕
〔1-1.磁気コア1の概略構造〕
以下、本実施形態に係る磁気コア1の概略構造を説明する。なお、理解の容易のため、最初に磁気コア1を備えた電流センサについて説明し、次に磁気コア1の概略構造を説明する。
まず、電流センサの基本原理を説明すると次のとおりである。磁性体で形成された磁気コアが、被測定電線の電流から発生する磁界を増幅する。次に、磁電変換素子が、増幅された磁界の磁束密度を検知して電気信号に変換する。その後、その電気信号が出力信号処理回路で処理され、被測定電線の電流値が測定される。
なお、磁気コア1は、電流センサの磁気コアに係るものであり、電流センサの用途の1つとして漏電センサを挙げることができる。
また、本実施形態に係る電流センサは、例えば、太陽電池・燃料電池などのパワーコンディショナーの漏電検知、ハイブリッドカーやプラグインハイブリッドカー等に車載されるバッテリー監視、あるいはデータセンタUPSのバッテリー監視など、幅広い分野に利用可能である。
以下、磁気コア1の概略構造を図1により説明する。図1は、磁気コア1の概略構造を示す図であり、図1の(a)は磁気コア1の上面図を、図1の(b)は磁気コア1の斜視図を、図1の(c)は、磁気コア1の特徴部拡大図をそれぞれ示す図である。
図1の(a)、及び図1の(b)に示すとおり、磁気コア1は、被測定電線Pにおける電流の流れ方向を軸とした軸周りを囲むように環状に配置されている。そして、図1の(c)に示すとおり、磁気コア1は、第1素子保持孔5aが形成された第1開放端面3aと、第2素子保持孔5bが形成された、第1開放端面3aに対向する第2開放端面3bとを有し、第1開放端面3aおよび第2開放端面3bは、被測定電線Pにおける電流の流れ方向に平行に形成されている。
図1の(c)に示すとおり、第1素子保持孔5aは、磁気コア1の厚み方向(被測定電線Pの電流の流れ方向)と平行に、第1開放端面3aに形成されている。同様に、第2素子保持孔5bは、磁気コア1の厚み方向と平行に、第2開放端面3bに形成されている。そして、第1素子保持孔5aおよび第2素子保持孔5bは、直方形の溝状に、かつ、互いに対向する位置に形成されている。なお、不図示であるが、第1素子保持孔5aおよび第2素子保持孔5bには、磁気コア1が発生する磁束を電気信号に変換する磁電変換素子が保持される。
以上、磁気コア1の概略構成を説明した。以降の説明では、第1開放端面3aと第2開放端面3bとの間の空隙部を「磁束漏入部3」と称する。また、第1素子保持孔5aと第2素子保持孔5bとを区別しないときは、単に「素子保持孔5」と称する。
〔1-2.他の実施例〕
次に、磁気コア1の他の実施例を図2、図3により説明する。なお、図1を参照して説明した内容については、その説明を省略する。
次に、磁気コア1の他の実施例を図2、図3により説明する。なお、図1を参照して説明した内容については、その説明を省略する。
図2は、磁気コア1の他の実施例を説明するための図である。同図に示す磁気コア1では、素子保持孔5は、磁気コア1の厚み方向に対して垂直な方向に形成されている。さらに、不図示であるが、素子保持孔5は、磁気コア1の厚み方向に対して、平行および垂直な方向ではなく、斜め方向に形成されてもよい。ただし、磁気コア1の製造・加工上の手間、またはコスト等を考慮すると、図1、図2に示す構造により磁気コア1を作製することが好ましい。
図3は、磁気コア1のさらに他の実施例を説明するための図であり、図3の(a)は、図1の素子保持孔5の第1の変形例を、図3の(b)は、図1の素子保持孔5の第2の変形例をそれぞれ示す図である。
図示するとおり、図3の(a)の素子保持孔5は、図1の素子保持孔5の下側(図面下側)が存在しない構成で実現されている。また、図3の(b)の素子保持孔5は、図1の素子保持孔5の上側(図面上側)および下側(図面下側)が存在せず、中央付近にのみ存在する構成で実現されている。このような構成で実現された磁気コアであっても、後述の効果を奏することができるため、本実施形態の範疇に含まれる。
〔1-3.磁気コア1の形成方法等〕
次に、磁気コア1の形成方法を図4、及び図5により説明する。図4は、磁気コア1の形成方法を説明するための図であり、図4の(a)は、磁気コア1の上面図を、図4の(b)及び図4の(c)は、図4の(a)におけるA−A’断面図を示す。図4の(b)及び図4の(c)に示すように、磁気コア1は、単層で形成されても、あるいは、複数の層が積層されてなるものであってもよい。
次に、磁気コア1の形成方法を図4、及び図5により説明する。図4は、磁気コア1の形成方法を説明するための図であり、図4の(a)は、磁気コア1の上面図を、図4の(b)及び図4の(c)は、図4の(a)におけるA−A’断面図を示す。図4の(b)及び図4の(c)に示すように、磁気コア1は、単層で形成されても、あるいは、複数の層が積層されてなるものであってもよい。
図5は、磁気コア1の形成方法を説明するための図であり、図5の(a)は一体型磁気コアを、図5の(b)はドッキング型磁気コアを、図5の(c)は他のドッキング型磁気コアを説明するための図である。図5に示すように、磁気コア1は、種々のタイプで実現されうる。
図6は、磁気コア1の形状を説明するための図であり、図6の(a)は環状磁気コアを、図6の(b)は四角形状磁気コアを説明するための図である。図6に示すように、磁気コア1は、種々の形状で実現されうる。
このように、磁気コア1は、種々の構造、形状で実現することができ、たとえば図1等を参照して説明した環状磁気コアを四角形状磁気コアとするなど、適宜変更することが可能である。
さらに、磁気コア1は、次のような構成で実現されてもよい。
具体的には、上記および図1等では、第1開放端面3aおよび第2開放端面3bは平行に保持され、両端面は接触しないものとして説明している(以下、この構造を「ギャップ構造」と称する場合もある。)。しかしながら、第1開放端面3aおよび第2開放端面3bは、その一部が互いに当接する場合もある(以下、この構成を「突き当て構造」と称する場合もある。)。なぜならば、磁気コアの製造上・加工上の実情として、第1開放端面3aおよび第2開放端面3bが完全に平行にならず、また、第1開放端面3aおよび第2開放端面3bの一部が互いに接触する場合がありえるためである。そして、磁気コア1が突き当て構造であっても、ギャップ構造と同様の効果(詳細は後述)を奏するため、突き当て構造の磁気コア1も本実施形態の範疇に含まれる。
〔2.磁気コア1に関する種々の測定結果〕
次に、磁気コア1に関する種々の測定結果を説明する。
〔2.磁気コア1に関する種々の測定結果〕
次に、磁気コア1に関する種々の測定結果を説明する。
〔2-1.感度向上に関するデータ(1)〕
まず、磁気コア1により磁束密度の測定感度が向上することを図7により説明する。図7は、公知の磁気コアおよび磁気コア1を用いた磁束密度の測定結果を示す図であり、同図の(a)は、図17の(a)の公知の磁気コアを用いた測定結果を、同図の(b)は、図17の(b)の公知の磁気コアを用いた測定結果を、同図の(c)は、同図の(b)の磁気コアに、さらに空隙部(本実施形態の磁束漏入部3に相当)が設けられた磁気コアによる測定結果を、それぞれ示す。また、同図の(d)は、素子保持孔5が被測定電線と平行に形成されている場合の磁気コア1による測定結果を、同図(e)は、素子保持孔5が被測定電線に対して垂直な方向に形成されている場合の磁気コア1による測定結果を、それぞれ示す図である。
まず、磁気コア1により磁束密度の測定感度が向上することを図7により説明する。図7は、公知の磁気コアおよび磁気コア1を用いた磁束密度の測定結果を示す図であり、同図の(a)は、図17の(a)の公知の磁気コアを用いた測定結果を、同図の(b)は、図17の(b)の公知の磁気コアを用いた測定結果を、同図の(c)は、同図の(b)の磁気コアに、さらに空隙部(本実施形態の磁束漏入部3に相当)が設けられた磁気コアによる測定結果を、それぞれ示す。また、同図の(d)は、素子保持孔5が被測定電線と平行に形成されている場合の磁気コア1による測定結果を、同図(e)は、素子保持孔5が被測定電線に対して垂直な方向に形成されている場合の磁気コア1による測定結果を、それぞれ示す図である。
なお、各図に示される×印は、磁束密度の測定ポイントを示す。
また、各図に示される磁気コアを用いた測定条件は、特徴となる磁気コアの形状を除き、磁気コアのサイズ、または被測定電線に流れる電流値(30mA)など同一にしている。さらに、図中矢印で示される、同図の(a)の磁気コアに設けられた切断部の幅、および同図の(b)・同図の(c)の磁気コアに設けられた切欠部の幅は、同図の(d)・同図(e)の磁気コアに設けられた素子保持孔5の幅と同一にしている。
このような条件のもと、各図の磁気コアによる測定結果は、同図の(a)の磁気コアでは0.018mT、同図の(b)の磁気コアでは0.0015mT、同図の(c)の磁気コアでは0.046mT、同図の(d)の磁気コアでは0.073mT、同図(e)の磁気コアでは0.073mTとなった。つまり、同図の(d)および同図(e)の磁気コア1は、同図の(a)の磁気コアの約4倍、同図の(b)の磁気コアの約48倍、同図の(c)の磁気コアの約1.6倍の測定感度を、それぞれ実現している。このことからも、磁気コア1は、公知の磁気コアに比べて、磁束密度の測定感度が著しく向上していることが分かる。
なお、ここで説明した測定結果、および後述の図面を用いて説明する測定結果は、いずれもシミュレーションによって得られた結果である。実測値とシミュレーション値との間に殆ど差異が認められないことから、従来の磁気コアに対する磁気コア1の種々の効果等を確認するうえで、シミュレーションは好適であると考えられる。
〔2-2.感度向上の仕組み〕
上記のとおり、磁気コア1は、公知の磁気コアに比べて、磁束密度の測定感度が著しく向上する。そこで、その理由を図8により説明する。図8は、磁気コア1によって磁束密度の測定感度が向上することを説明するための図であって、磁束漏入部3に対する磁電変換素子20の位置関係を示す図である。
上記のとおり、磁気コア1は、公知の磁気コアに比べて、磁束密度の測定感度が著しく向上する。そこで、その理由を図8により説明する。図8は、磁気コア1によって磁束密度の測定感度が向上することを説明するための図であって、磁束漏入部3に対する磁電変換素子20の位置関係を示す図である。
同図に示すように、磁気コア1の厚み方向に対して垂直な方向に素子保持孔5が設けられており、その素子保持孔5には磁電変換素子20が保持されている。
磁電変換素子20は、おもに、基板22、センサ膜24、ワイヤボンディング26、及びモールド剤28を有する。板状の基板22の上部にセンサ膜24が配設され、基板22およびセンサ膜24がワイヤボンディング26によって固定されている。そして、基板22、センサ膜24、およびワイヤボンディング26がモールド剤28で覆われている。その磁電変換素子20は、磁束漏入部3を横断するように素子保持孔5に保持されている。
磁気コア1では、上記のように磁束漏入部3に対する磁電変換素子20の位置関係が定められている。従って、磁束漏入部3を介して、磁気コア1から素子保持孔5に磁束が漏れやすくなっており、素子保持孔5に保持されている磁電変換素子20は、上下方向(磁気コア1の厚み方向)からの磁束の漏れを感知することができる。
さらに、磁気コアの感度は、磁束漏入部3の磁気抵抗がある程度低い方が良好となる。そして、磁束漏入部3の幅(第1開放端面3aと第2開放端面3bとの距離)が狭い方が、磁束漏入部3の磁気抵抗は低下する。この点、磁気コア1では、磁電変換素子20は、第1開放端面3aおよび第2開放端面3bに形成された第1素子保持孔5aおよび第2素子保持孔5bに保持される。従って、第1開放端面3aと第2開放端面3bとの距離は、その中に磁電変換素子20を設けることができる程度には広くする必要がない。換言すると、素子保持孔5が存在するので、第1開放端面3aと第2開放端面3bとの距離を、磁電変換素子20のサイズを考慮せずに、狭くすることができる。従って、磁気コア1では、磁束漏入部3の幅は狭く、それゆえ磁束漏入部3の磁気抵抗も低下する。
このような理由により、磁気コア1は、公知の磁気コアに比べて、磁束密度の測定感度を著しく向上させることができる。
なお、磁気コアに磁束漏入部が存在しない場合には、磁気コアと素子保持孔との磁気抵抗差が大きくなりすぎ(104倍程度)、磁束が素子保持孔に漏れることは殆どなく、磁電変換素子が磁束を感知することもない。
また、磁電変換素子20は、GMR(Giant Magneto-Resistance)・AMR(Anisotropic Magnetoresistive)等のMR(magneto-resistive)素子、または、MI(magneto-impedance)素子、フラックスゲート素子、ホール素子などを用いることができる。
さらに、図8では、磁気コア1の厚み方向に対して垂直な方向に素子保持孔5が設けられているものとして説明した。しかしながら、磁気コア1の幅方向(磁気コア1の厚み方向に対して垂直な方向)に対して垂直な方向に素子保持孔5が設けられ、その素子保持孔5に磁電変換素子20が保持されている場合であっても、上記と同様の効果を奏しうる。
〔2-3.感度向上に関するデータ(2)〕
さらに、磁束漏入部3の幅(第1開放端面3aと第2開放端面3bとの距離)、素子保持孔5のサイズ等によって、磁気コア1による磁束密度の測定感度が影響を受けることを図9を用いて説明する。図9は、磁気コア1を用いた磁束密度の測定結果を示す図であり、同図の(a)は、各記号の定義を示すための図であり、同図の(b)は、L2を変化させたときの磁束密度を、同図の(c)は、L1を変化させたときの磁束密度を示すグラフである。
さらに、磁束漏入部3の幅(第1開放端面3aと第2開放端面3bとの距離)、素子保持孔5のサイズ等によって、磁気コア1による磁束密度の測定感度が影響を受けることを図9を用いて説明する。図9は、磁気コア1を用いた磁束密度の測定結果を示す図であり、同図の(a)は、各記号の定義を示すための図であり、同図の(b)は、L2を変化させたときの磁束密度を、同図の(c)は、L1を変化させたときの磁束密度を示すグラフである。
まず、同図の(a)を用いて、後出の各記号の定義を説明する。なお、同図の(a)は、図8から磁電変換素子20を消去した図に相当するものと考えてよい。
図9の(a)に示すように、Wは、磁束漏入部3の幅(第1開放端面3aと第2開放端面3bとの距離)を表す。
L1は、第1素子保持孔5aを形成する側面のうち、第2素子保持孔5bを形成する側面と対向する側面を側面(第1側面)16、第2素子保持孔5bを形成する側面のうち、側面16と対向する側面を側面(第2側面)17としたときの、側面16と側面17との距離を表す。
L2は、第1素子保持孔5aを形成する側面のうち、側面16を除く側面を側面18a、側面18bとしたときの、側面18aと側面18bとの距離を表す。なお、L2は、第2素子保持孔5bを形成する側面のうち、側面17を除く側面を側面19a、側面19bとしたときの、側面19aと側面19bとの距離でもある。
このようにW、L1、L2が定義される。次に、図9の(b)の測定結果を説明する。同図の(b)は、L1を1mmに固定したうえで、L2を0.3mm、0.5mm、0.8mm、1.0mm、1.5mm、2.0mmと変化させ、かつ、Wを0〜1mmの範囲で変化させたときの磁束密度を示す。
このとき、同図の(b)に示すように、L2が小さいほど、測定される磁束密度は大きくなる、つまり、測定感度が向上することが分かる。このことから、次のことが言える。つまり、第1素子保持孔5aおよび第2素子保持孔5bは、磁電変換素子20を、磁電変換素子20の感磁方向が磁気コア1の周方向となるように保持することが好ましい。これにより、磁電変換素子20の厚み方向におけるサイズが小さい磁電変換素子20を、図面上下方向に相当する側面18aから側面18bへ向かう方向(あるいは、側面19aから側面19bへ向かう方向)に合わせることができ、それによりL2を小さくすることができる。つまり、磁電変換素子20は、その厚み方向が長手方向よりも短い。そこで、その厚み方向を図面上下方向に相当する側面18aから側面18bへ向かう方向(あるいは、側面19aから側面19bへ向かう方向)に合わせることにより、L2を小さくすることができる。その結果、磁気コア1の測定感度を向上させることができる。
また、同図の(b)に示すように、Wが小さいほど、測定される磁束密度は大きくなる、つまり、測定感度が向上することも分かる。従って、磁気コア1では、Wを小さくすることにより、磁気コア1を用いた電流センサの測定感度を向上させることができる。
次に、同図の(c)について説明する。同図の(c)では、Wを0.1mmに固定した上で、L1を1.0mm、1.2mm、1.5mm、2.0mmと変化させ、かつ、L2を0〜1.5mmの範囲で変化させたときの磁束密度を示す。
このとき、同図の(c)に示すように、L2が小さいほど、測定される磁束密度は大きくなる、つまり、測定感度が向上することが分かる。このことからも、上記と同様の理由により、第1素子保持孔5aおよび第2素子保持孔5bは、磁電変換素子20を、磁電変換素子20の感磁方向が磁気コア1の周方向となるように保持することが好ましいことと言える。
なお、L1を1.0mm、1.2mm、1.5mm、2.0mmと変化させたときに、L1が小さい方が、測定される磁束密度は大きくなる、つまり、測定感度は向上する。しかしながら、その差は僅かであるため、L1を変化させることによる顕著な効果は認められなかった。
〔2-4.突き当て構造に関するデータ(3)〕
上述したように、製造上・加工上の理由により、磁気コア1が突き当て構造となる場合がある。そのような場合にも、磁気コア1は、ギャップ構造の場合と同様の効果を有する。このことを図10を用いて説明する。
上述したように、製造上・加工上の理由により、磁気コア1が突き当て構造となる場合がある。そのような場合にも、磁気コア1は、ギャップ構造の場合と同様の効果を有する。このことを図10を用いて説明する。
図10は、ギャップ構造およびの磁気コア1を示す図であり、同図の(a)は、ギャップ構造の磁気コア1を、同図の(b)は、第1開放端面3aおよび第2開放端面3bが2箇所で接触している突き当て構造の磁気コア1を、同図の(c)は、第1開放端面3aおよび第2開放端面3bが16箇所で接触している突き当て構造の磁気コア1を、それぞれ示す図である。
なお、何れの磁気コア1も磁束漏入部3の幅は30μmに保たれている。また、同図の(b)および同図の(c)において、第1開放端面3aおよび第2開放端面3bが互いに接触している点を接触点7としている。
また、接触点7の接触面積は、第1開放端面3aまたは第2開放端面3bの断面積よりも十分に小さい3μm2としている。これは、実際に突き当て構造の磁気コアが作製・加工されるときに、接触点7の接触面積は、第1開放端面3aまたは第2開放端面3bの断面積よりも十分に小さいという事実を反映したものである。
このような条件のもと、各図の磁気コア1による磁束密度の測定結果は、いずれも2.5mTであった。このことから、磁気コア1は、たとえ突き当て構造であったとしても、測定感度に変化がないと言える。それゆえ、第1開放端面3aおよび第2開放端面3bを一切接触させずに製造・加工することが困難な場合には、突き当て構造のままで使用することができる。これにより、電流センサの検知感度を高めることが可能な磁気コア1を実現するとともに、製造・加工上の追加的な工程を不要とし、かつ低価格化をも実現することができる。
〔2-5.素子保持孔5のサイズ、磁束漏入部3の幅の影響に関するデータ〕
さらに、素子保持孔5のサイズ(L1、L2)、及び磁束漏入部3の幅(W)が測定結果に与える影響について図11を参照して説明する。図11は、磁気コア1を用いた磁束密度の測定結果を示す図であり、同図の(a)は、各記号の定義を示すための図であり、同図の(b)は、L1を1mmとしたときの磁束密度を、同図の(c)は、L1を1.5mmとしたときの磁束密度を、同図の(d)は、L1を2mmとしたときの磁束密度を示すグラフである。なお、図11は、下記の表1をグラフ化したものである。
さらに、素子保持孔5のサイズ(L1、L2)、及び磁束漏入部3の幅(W)が測定結果に与える影響について図11を参照して説明する。図11は、磁気コア1を用いた磁束密度の測定結果を示す図であり、同図の(a)は、各記号の定義を示すための図であり、同図の(b)は、L1を1mmとしたときの磁束密度を、同図の(c)は、L1を1.5mmとしたときの磁束密度を、同図の(d)は、L1を2mmとしたときの磁束密度を示すグラフである。なお、図11は、下記の表1をグラフ化したものである。
表1および図11から得られる考察として次のことが言える。
まず、L1=1mm、1.5mm、2mmの何れの場合においても、L2がL1の1.75倍よりも大きいと、磁束漏入部3の幅(W)に関係なく磁束密度に変化がなくなる。例えば、L1=1mmのとき、L2=1.75mmにおいて、W=0.02mmのときには1.26mTとなり、W=0.1mm、0.2mmのときには1.27mTとなり、W=1mmのときには1.25mTとなり、磁束密度には多少の変化が認められる。しかしながら、L2=2mmのとき、Wの値に関係なく、すべての磁束密度は1.25mTとなる。同様のことが、L1=1.5mm、2mmの場合にも言える。つまり、L2がL1の1.75倍よりも大きいと、磁束漏入部3の幅(W)に関係なく磁束密度に変化がなくなるため、磁気コア1では、L2をL1の1.75倍以下とする必要がある。
さらに、L1とWが同一となると、L2の値に関係なく、磁束密度の値が一定の値に収束する。それゆえ、磁気コア1では、L1>Wとする必要がある。
〔2-6.磁気コア1よりも透磁率の低い磁性剤を磁束漏入部3に封入〕
上記〔2-2.感度向上の仕組み〕において、磁気コアの感度は、磁束漏入部3の磁気抵抗がある程度低い方が良好となること、そのためには、磁束漏入部3の幅(W)が狭い方が、磁束漏入部3の磁気抵抗が低下することを述べた。ここでは、磁束漏入部3の磁気抵抗を下げる他の方法を図12により説明する。
上記〔2-2.感度向上の仕組み〕において、磁気コアの感度は、磁束漏入部3の磁気抵抗がある程度低い方が良好となること、そのためには、磁束漏入部3の幅(W)が狭い方が、磁束漏入部3の磁気抵抗が低下することを述べた。ここでは、磁束漏入部3の磁気抵抗を下げる他の方法を図12により説明する。
図12は、磁性剤(低透磁率材料)の有無によって、磁気コア1による磁束密度の測定感度が影響を受けることを説明するための図であり、同図の(a)は、磁束漏入部3および素子保持孔5の何れにも磁性剤が封入されていないケースを、同図の(b)は、磁束漏入部3にのみ磁性剤が封入されているケースを、同図の(c)は、素子保持孔5にのみ磁性剤が封入されているケースを、同図の(d)は、磁束漏入部3および素子保持孔5の何れにも磁性剤が封入されているケースを、それぞれ示す図である。
なお、磁性剤は、比透磁率20であって、磁気コア1本体よりも比透磁率が低い材料である。また、各図に示される×印は、磁束密度の測定ポイントを示す。
このような条件のもと、各図の磁気コアによる磁束密度の測定結果は、同図の(a)の磁気コア1では2.44mT、同図の(b)の磁気コア1では2.90mT、同図の(c)の磁気コア1では48.68mT、同図の(d)の磁気コア1では48.14mTであった。このことから、とくに素子保持孔5に磁性剤を封入することにより、磁束密度の測定感度が著しく向上することが分かった。また、素子保持孔5に磁性剤を封入すると、磁性剤の比透磁率と同じ倍率で感度が向上することが分かった。
それゆえ、素子保持孔5(または、磁束漏入部3および素子保持孔5)に磁気コアよりも比透磁率の低い材料を封入することにより、磁束漏入部3の磁気抵抗が低下すること、それにより磁気コア1の感度が向上することが示された。
なお、そのような磁性剤(物質)として、フェライト含有エポキシ樹脂、磁性流体、空気などを用いることができる。
〔2-7.ノイズ耐性について〕
次に、磁気コア1によってノイズ耐性が向上することを図13を用いて説明する。図13は、公知の磁気コアおよび磁気コア1を用いたノイズ耐性の測定結果を示す図であり、同図の(a)は、図17の(a)の公知の磁気コアを用いた測定結果を、同図の(b)は、図17の(b)の公知の磁気コアを用いた測定結果を、同図の(c)は、同図の(b)の磁気コアに、さらに空隙部(本実施形態の磁束漏入部3に相当)が設けられた磁気コアによる測定結果を、同図の(d)は、磁気コア1を用いた測定結果をそれぞれ示す。
次に、磁気コア1によってノイズ耐性が向上することを図13を用いて説明する。図13は、公知の磁気コアおよび磁気コア1を用いたノイズ耐性の測定結果を示す図であり、同図の(a)は、図17の(a)の公知の磁気コアを用いた測定結果を、同図の(b)は、図17の(b)の公知の磁気コアを用いた測定結果を、同図の(c)は、同図の(b)の磁気コアに、さらに空隙部(本実施形態の磁束漏入部3に相当)が設けられた磁気コアによる測定結果を、同図の(d)は、磁気コア1を用いた測定結果をそれぞれ示す。
なお、各図において、Pは被測定電線を、Qは外部電線を示し、PとQとの距離を20mmとしている。また、ノイズ耐性の判定方法としては、被測定電線Pに30mAの電流を流し、そのときの磁束密度を測定する。さらに、外部磁界としての影響を与えるため、被測定電線Pに30mAの電流を流しつつ、外部電線Qに20Aの電流を流し、そのときの磁束密度を測定する。そのうえで、測定された2つの磁束密度にどの程度の測定誤差が生じるかを算出する。そして、測定誤差が小さいほどノイズ耐性が高く、誤差が大きいほどノイズ耐性が低いと判定する、というものである。
このような条件のもと、各図の磁気コアによる測定誤差は、同図の(a)の磁気コアでは11.3%、同図の(b)の磁気コアでは52%、同図の(c)の磁気コアでは73%、同図の(d)の磁気コアでは8.4%であった。このことからも、磁気コア1は、公知の磁気コアに比べて、ノイズ耐性が高いことが分かる。その理由を図14を用いて説明する。図14は、磁気コア1のノイズ耐性が高いことを説明するための図である。
そもそも、従来の電流センサは、磁気コア自体にノイズ耐性がないため、数10mAの電流を測定する際に外部磁界の影響を受け、検知すべき値がノイズに埋もれてしまうという問題があった。
この点、磁気コア1では、図中の破線で囲った磁束漏入部3が、地磁気あるいは外部電流などにより発生する外部磁界に対してシールドの役目を果たし、そのシールド効果により、素子保持孔5に保持された磁電変換素子20が外部磁界から受ける影響を軽減しているものと考えられる。
さらに、磁束漏入部3がシールドとしての役割を果たすことにより、従来技術の課題、つまり、磁気コアをシールド材で覆うことによって小型化・低コスト化が阻害されるという課題も併せて解決することができる。
次に、磁気コアの厚さがノイズ耐性に与える影響を図15により説明する。図15は、磁気コア厚さと測定誤差との関係を示すグラフである。
同図に示すグラフでは、横軸が磁気コア厚さ(mm)、縦軸が測定誤差(%)を示す。なお、測定条件は、図13の(d)を参照して説明した条件と同一である。
同図に示すように、磁気コアが厚いほど、測定誤差は低下する。つまり、磁気コアが厚いほど、ノイズ耐性は向上する。これは、磁気コアが厚いほど磁束漏入部3が大きくなり、それに伴い磁束漏入部3のシールド効果が大きくなることによる。それゆえ、磁気コアの厚みを適宜調節することにより、電流センサの小型化と測定精度の向上を両立させることができる。
〔3.磁気コア1によって得られる効果〕
以下、磁気コア1によって得られる効果を説明する。
〔3.磁気コア1によって得られる効果〕
以下、磁気コア1によって得られる効果を説明する。
図1の(c)等を参照して、磁気コア1は、電流センサに用いられる磁気コアであって、磁電変換素子20が保持されるための第1素子保持孔5aが形成された第1開放端面3aと、磁電変換素子20が保持されための第2素子保持孔5bが形成された、第1開放端面3aに対向する第2開放端面3bと、を有することを特徴としている。
磁気コア1は、互いに対向する第1開放端面3aおよび第2開放端面3bを有する。そして、第1開放端面3aには第1素子保持孔5aが形成され、第2開放端面3bには第2素子保持孔5bが形成され、第1素子保持孔5aおよび第2素子保持孔5bに磁電変換素子20が保持される。
従って、第1開放端面3aおよび第2開放端面3bが存在することにより、すなわち、第1開放端面3aと第2開放端面3bとの間に空隙部(以下、「磁束漏入部3」と称する。)が存在することにより、その磁束漏入部3を介して、第1素子保持孔5aおよび第2素子保持孔5bに対して磁気コア1からの磁束が漏れやすくなっており、第1素子保持孔5aおよび第2素子保持孔5bに保持された磁電変換素子20がその磁束の漏れを感知することができる。
加えて、磁気コア1の感度は、磁束漏入部3の磁気抵抗が低い方が良好となるところ、磁束漏入部3の幅(第1開放端面3aと第2開放端面3bとの距離)が狭い方が、磁束漏入部3の磁気抵抗は低下する。この点、磁気コア1では、磁電変換素子20は、第1開放端面3aおよび第2開放端面3bに形成された第1素子保持孔5aおよび第2素子保持孔5bに保持されている。従って、第1開放端面3aと第2開放端面3bとの距離は、その間に磁電変換素子20が載置されるほどには広くする必要がない。換言すると、素子保持孔5が存在するので、第1開放端面3aと第2開放端面3bとの距離を、磁電変換素子20の載置スペースを考慮せずに、狭くすることができる。従って、磁気コア1では、磁束漏入部3の幅は狭く、それゆえ磁束漏入部3の磁気抵抗も低下するため、当該磁気コア1を用いる電流センサの感度を向上させることができる。
このような理由により、磁気コア1は、図17の(a)を参照して説明した従来の課題(磁電変換素子20を切断部に設けるため、切断部の幅を広くせざるを得ず、それに伴い磁気コア1の感度が低下するという課題)を解決することができる。
また、磁気コア1では、第1素子保持孔5aおよび第2素子保持孔5bは、磁気コア1から磁束が漏れにくい磁気コア1の外縁に沿った位置ではなく、第1開放端面3aおよび第2開放端面3bに形成されている。そして、上記の理由により、磁気コア1では、磁電変換素子20は、磁気コア1から磁束が漏れやすい第1素子保持孔5aおよび第2素子保持孔5bに保持されており、微小な電流により発生する磁束をより多く磁電変換素子に集めて感度を向上させることができる。
従って、磁気コア1は、図17の(b)を参照して説明した従来の課題(磁気コアの外縁に沿って形成された切欠部に磁電変換素子20を載置するため、磁気コアから磁束が漏れにくく、磁電変換素子20が検知する磁束が微小となり、それによって磁気コアの感度が低下するという課題)を解決することができる。
このように、磁気コア1は、構成により、電流センサの検知感度を高めることが可能な磁気コアを実現することができる。
加えて、磁気コア1は、次のような効果をも奏する。
すなわち、従来の電流センサは、ノイズ耐性を実現する構造(機能)が磁気コア自体にないため、数10mAの電流を測定する際に外部磁界の影響を受け、高い検知感度で電流測定することができなかった。
しかしながら、磁気コア1では、磁束漏入部3が、地磁気あるいは外部電流などにより発生する外部磁界に対するシールドとしての役割を果たす。それゆえ、磁気コア1は、磁気コアをシールド材で覆うことによって小型化・低コスト化が阻害されるという従来の課題をも解決することができる。
さらに、図9の(a)〜図9の(c)等を参照して、磁気コア1では、第1素子保持孔5aおよび第2素子保持孔5bでは、磁電変換素子20は、当該磁電変換素子20の感磁方向が磁気コア1の周方向となるように保持される構成であってよい。
上記構成とすることにより、磁電変換素子20の厚み方向(磁気コア1の周方向に対して垂直な磁気コア1の厚み方向)における、サイズが小さい磁電変換素子20を選択することができ、磁電変換素子20を保持する第1素子保持孔5aおよび第2素子保持孔5bの磁気コアの厚み方向における幅を小さくすることができる。そして、磁気コア1の厚み方向における第1素子保持孔5aおよび第2素子保持孔5bの幅が狭いほど、磁気コア1から漏れる磁束が増幅するため、上記構成とすることにより、磁電変換素子20の感度を高めることができる。それゆえ、磁気コア1は、電流センサの検知感度をさらに高めることが可能な磁気コアを実現することができる。
さらに、図12等を参照して、磁気コア1では、第1素子保持孔5aおよび第2素子保持孔5bには、磁気コア1よりも透磁率が低い低透磁率材料が充填されている構成であってよい。
第1素子保持孔5aおよび第2素子保持孔5bに低透磁率材料を充填することによって、低透磁率材料の比透磁率と同じ倍率で感度を向上させることができる。
それゆえ、上記構成とすることにより、電流センサの検知感度をさらに高めることが可能な磁気コアを実現することができる。
さらに、図12等を参照して、磁気コア1では、第1開放端面3aと第2開放端面3bとの間には、磁気コア1よりも透磁率が低い低透磁率材料が充填されている構成であってよい。
第1開放端面3aと第2開放端面3bとの間の磁気抵抗は、その値が低いほど、磁気コア1全体の感度が高くなる。従って、上記構成とすることにより、電流センサの検知感度をさらに高めることが可能な磁気コアを実現することができる。
さらに、磁気コア1では、
低透磁率材料は、フェライト含有エポキシ樹脂、磁性流体、あるいは空気であってもよい。
低透磁率材料は、フェライト含有エポキシ樹脂、磁性流体、あるいは空気であってもよい。
一般的な磁気コア材料として、PBパーマロイ、PCパーマロイ、アモルファス、珪素鋼板などが知られている。磁気コア1は、何れの材料を用いることができる。そして、そのような磁気コアよりも透磁率が低い低透磁率材料として、フェライト含有エポキシ樹脂、磁性流体、あるいは空気が挙げられる。
従って、第1素子保持孔5aおよび第2素子保持孔5bに、フェライト含有エポキシ樹脂、磁性流体、あるいは空気を充填することにより、電流センサの検知感度をさらに高めることが可能な磁気コアを実現することができる。
さらに、図11等を参照して、磁気コア1では、第1素子保持孔5aを形成する側面のうち、第2素子保持孔5bを形成する側面と対向する側面を第1側面、第2素子保持孔5bを形成する側面のうち、第1側面と対向する側面を第2側面としたときに、第1素子保持孔5aおよび第2素子保持孔5bは、保持する磁電変換素子20の厚み方向における孔幅が、第1側面と第2側面との側面間距離の1.75倍以下であることが好ましい。
第1開放端面3aと第2開放端面3bとの距離に関わらず、孔幅が側面間距離の1.75倍より大きいと、第1開放端面と第2開放端面の距離を狭くする効果が無くなることが見出された。
従って、上記構成とすることにより、微小電流によっても多くの磁束を磁電変換素子20に集めることができるという効果を奏する。
さらに、磁気コア1では、第1開放端面3aと第2開放端面3bとの距離は、2mmよりも小さいことが好ましい。
一般的な磁電変換素子20のサイズを考慮すると、第1開放端面3aと第2開放端面3bとの距離が2mm以上である場合には、第1素子保持孔5aおよび第2素子保持孔5bの存在が無くても、に磁電変換素子20を配置するスペースがある。
そこで、上記構成とすることにより、第1開放端面3aと第2開放端面3bとの距離が2mmより小さい場合でも、第1素子保持孔5aおよび第2素子保持孔5bに磁電変換素子20を保持することができ、また、磁電変換素子20は、第1素子保持孔5aおよび第2素子保持孔5bに対して磁気コア1から漏れる磁束を確実に感知することができるという効果を奏する。
さらに、図10等を参照して、磁気コア1では、第1開放端面3aおよび第2開放端面3bは、一部が互いに当接している構成であってよい。
一般的な磁気コアの構造として、一体型、積層型、ドッキング型などの種々のタイプが知られており、磁気コア1は、何れのタイプにも適用可能である。ただし、何れのタイプの磁気コアであっても、第1開放端面3aおよび第2開放端面3bを一切接触させずに製造・加工することが現実的に困難な場合がある。
この点、磁気コア1では、たとえ第1開放端面3aおよび第2開放端面3bの一部が互いに当接していたとしても、磁束漏入部3を介して、第1素子保持孔5aおよび第2素子保持孔5bへ磁気コア1から磁束が漏れるため、磁電変換素子20は、その磁束の漏れを感知することができる。それゆえ、第1開放端面3aおよび第2開放端面3bを一切接触させずに製造・加工することが困難な場合には、そのまま使用することができる。これにより、電流センサの検知感度を高めることが可能な磁気コアを実現するとともに、製造・加工上の追加的な工程を不要とし、かつ低価格化をも実現することができる。
図3等を参照して、第1素子保持孔5aおよび第2素子保持孔5bはそれぞれ、第1開放端面3aおよび第2開放端面3bにおいて、磁気コア1の厚み方向と平行な方向に沿って延設されている構成であってよい。
また、図2等を参照して、磁気コア1では、第1素子保持孔5aおよび第2素子保持孔5bはそれぞれ、第1開放端面3aおよび第2開放端面3bにおいて、磁気コア1の厚み方向と垂直な方向に沿って延設されている構成であってよい。
上述したように、一般的な磁気コアの構造として、一体型、積層型、ドッキング型などの種々のタイプが知られている。
従って、たとえば積層型の磁気コアを作製するときには、同一箇所に第1素子保持孔5aおよび第2素子保持孔5bが形成された層を複数準備して、それらを順次積層することにより、磁気コア1を簡易かつ低コストで作製することができる。そして、一体型あるいはドッキング型で磁気コア1を作製する場合にも、上記構成とすることにより、簡易かつ低コストで磁気コア1を作製することができる。これにより、大量生産に好適な磁気コア1を実現することができる。
さらに、図16等を参照して、本発明に係る電流センサは、磁気コア1を備える構成であることが好ましい。
上記構成とすることにより、高感度の測定を可能とする電流センサを実現することができる。
さらに、本発明に係る電流測定方法は、
磁気コア1を備える電流センサによって、被測定電線に流れる電流の電流値を測定することが好ましい。
磁気コア1を備える電流センサによって、被測定電線に流れる電流の電流値を測定することが好ましい。
上記構成とすることにより、高感度の測定を可能とする電流測定方法を実現することができる。
〔4.磁気コア1の一適用事例〕
磁気コア1を備えた電流センサは、種々の用途に適用することができ、例えば、太陽電池・燃料電池などのパワーコンディショナーの漏電検知、ハイブリッドカーやプラグインハイブリッドカー等に車載されるバッテリー監視、あるいは、データセンタUPSのバッテリー監視など、幅広い分野において利用可能である。
〔4.磁気コア1の一適用事例〕
磁気コア1を備えた電流センサは、種々の用途に適用することができ、例えば、太陽電池・燃料電池などのパワーコンディショナーの漏電検知、ハイブリッドカーやプラグインハイブリッドカー等に車載されるバッテリー監視、あるいは、データセンタUPSのバッテリー監視など、幅広い分野において利用可能である。
そこで、磁気コア1を備えた電流センサの一適用事例を図16により説明する。図16は、磁気コア1を備えた電流センサを太陽電池用パワーコンディショナーの漏電検知に利用したときの図である。
同図に示すように、ソーラーパネルから出力された交流電流は、コンバータで整流され、インタバータで直流電流に変換される。そして、磁気コア1は、同図の矢印で示される2本の被測定電線の電流から発生する磁界を増幅する。
ここで、上記2本の被測定電線における電流は、行きと帰りの電流に該当し、トータルの電流値は0Aとなる。従って、漏電が発生している場合には、トータルの電流値は0Aとはならない。それゆえ、磁気コア1を備えた電流センサは、トータルの電流値を測定することにより、漏電の有無を検知することができる。
なお、図16では、被測定電線は、行きと帰りの2本の電線が測定されている。しかしながら、当然に、磁気コア1、および磁気コア1を備えた電流センサは、1本の被測定電線について、電流検知することもできる。
また、同図に示す例では、磁気コア1を備えた漏電センサは、国際規格によって定められた30mA、50mA、100mA、150mAの電流値を測定する。しかしながら、他の用途に利用される場合には、磁気コア1は、当然に、種々の電流値を測定することができる。
以上、一適用事例として、磁気コア1が太陽電池用パワーコンディショナーの漏電検知に利用されるケースを挙げて説明した。しかしながら、ここで説明した実施例はあくまで一適用事例であって、その用途に限定されることはない。
〔5. 磁気コアを備えた電流センサ〕
次に、磁気コア1を備えた電流センサ30を図18から図24により説明する。なお、図1等を参照して説明した内容については、その説明を省略する。
〔5. 磁気コアを備えた電流センサ〕
次に、磁気コア1を備えた電流センサ30を図18から図24により説明する。なお、図1等を参照して説明した内容については、その説明を省略する。
図18は、電流センサ30の外観図である。電流センサ30は、その外観がケース31によって形成されている。ケース31には、図の上下方向に貫通孔が設けられており、その貫通孔に被測定電線Pが配置されている。そして、電流センサ30は、被測定電線Pの電流から発生する磁界を検知することにより、その被測定電線P内を流れる電流の電流値を測定する。
次に、電流センサ30の内部構造を図19から図21により説明する。図19は、電流センサ30の内部構造の斜視図である。図20は、図19の水平方向(図の左右方向)における、電流センサ30の内部構造の一断面図である。図21は、電流センサ30の組立分解図である。
図19に示すように、電流センサ30は、ケース31の内部に、磁気コア1a・1bと、磁束漏入部3と、素子保持孔5と、磁電変換素子20と、出力信号処理回路32と、留め具33a・33bとを備える。また、電流センサ30は、入出力端子33を介して、外部装置と電気的に接続される。
ケース31は、図21に示すように、ケース31aとケース31bとが係合されてなり、それにより、図20に示すように、ケース31aが外側ケースとして、ケース31bが内側ケースとしての役割を果たす。つまり、ケース31aは電流センサ30の外観を形成し、ケース31bは、被測定電線Pが配置される、上記貫通孔の壁面を形成する。そして、図20に示すように、ケース31aとケース31bとの間に、磁気コア1a・1bと、磁束漏入部3と、素子保持孔5と、磁電変換素子20と、出力信号処理回路32と、留め具33a・33bとが配設される。
磁気コア1は、磁気コア1aと磁気コア1bとからなる2分割可能なドッキング型である(詳細は、図25等を参照して説明)。磁気コア1a・1bは、留め具33a・33bに挿入されることで四角形状が保持される。このうち、留め具33a側において、磁気コア1には磁束漏入部3および素子保持孔5が形成され、留め具33b側において、磁気コア1a・1bが密着した状態が形成される。その様子が図19等に示されている。
留め具33aは、磁気コア1aおよび磁気コア1bの留め具として機能する一方で、板状の出力信号処理回路32に連結・支持されている。出力信号処理回路32は、入出力端子33と電気的に接続されており、磁電変換素子20から出力された電圧を処理して、被測定電線Pの電流値に対応した電圧を、入出力端子33を介して外部装置に出力する。出力信号処理回路32にはT字型の小基板が立設されており、また、小基板には磁電変換素子20が固定されている。その磁電変換素子20は、素子保持孔5に保持されるように位置決めされている。つまり、図19から図21における電流センサ30では、磁電変換素子20は、出力信号処理回路32に固定されており、素子保持孔5とは非接触な状態を保ちつつ、素子保持孔5内に保持されている。
なお、磁電変換素子20は、素子保持孔5と接触した状態を保ちつつ素子保持孔5内に保持されてもよい。したがって、磁電変換素子20は、素子保持孔5と接触および/または非接触の状態を保ちつつ、素子保持孔5内に保持される構成で実現される。
なお、磁電変換素子を保持、固定する方法は、ここで説明する実施例に限られない。
次に、電流センサ30が被測定電線P内を流れる電流を測定する動作を図22により説明する。図22は、電流センサ30の動作を説明するためのブロック図である。
まず、被測定電線P内に電流Iが流れ、その電流Iによって磁界Hが発生する。そして、その磁界Hによって、磁気コア1に磁束Φが発生する。次に、その磁気コア1に発生した磁束Φが磁束漏入部3に漏入する。ここで、磁束漏入部3に漏入した磁束を磁束ΦHとすると、その磁束ΦHが磁電変換素子20により検知される。磁電変換素子20は、その検知した磁束ΦHを電圧に変換し、その変換した電圧VMを出力信号処理回路32に出力する。そして、出力信号処理回路32は、電圧VMを処理して、被測定電線Pに流れた電流値に対応する電圧(V0)を入出力端子33に出力する。このようにして、電流センサ30は、被測定電線P内を流れる電流を測定する。
このようにして、電流センサ30は、被測定電線P内を流れる電流の電流値Iを測定することができる。ただし、電流センサ30は、電流値を測定するだけではなく、例えば漏電検知、及び漏電量の測定にも用いることができる。そのことを、図23、図24により説明する。
図23は、漏電検知、及び漏電量の測定に用いられる電流センサの外観図である。図示するように、電流センサ30に設けられた貫通孔には、被測定電線P1・P2が配置されている。その2本の被測定電線P1・P2における電流は、行きと帰りの電流に該当し、漏電がなければトータルの電流値は0Aとなる。逆に言えば、漏電が発生している場合には、トータルの電流値は0Aとはならない。この原理を利用して、電流センサ30は、漏電の有無、そして漏電がある場合にはその漏電量を検知する。
図24は、電流センサが漏電検知に用いられる場合の、電流センサの動作を説明するためのブロック図を示す。この図24を用いて、電流センサが漏電検知に用いられる場合の電流センサの動作を説明する。
まず、被測定電線1(P1)内に電流I0が流れ、被測定電線2(P2)内に電流−(I0−IL)が流れるケース、つまり、ILの電流が漏電しているケースを考える。このとき、被測定電線P1内に電流I0が流れ、その電流I0によって磁界H0が発生する。また、被測定電線P2内に電流−(I0−IL)が流れ、その電流−(I0−IL)によって磁界(−H0+HL)が発生する。そして、その2つの磁界H0および(−H0+HL)によって、磁気コア1に磁束ΦLが発生する。つまり、磁束ΦLは、磁気コア1への入力磁界の総和により発生した磁束量を表す。次に、その磁気コア1に発生した磁束ΦLが磁束漏入部3に漏入する。ここで、磁束漏入部3に漏入した磁束を磁束ΦHLとすると、その磁束ΦHLが磁電変換素子20により検知される。磁電変換素子20は、その検知した磁束ΦHLを電圧に変換し、その変換した電圧VMLを出力信号処理回路32に出力する。そして、出力信号処理回路32は、電圧VMLを処理して、漏電した電流の電流値に対応する電圧(V0L)を入出力端子33に出力する。このようにして、電流センサ30は、漏電検知、及び漏電量を測定する。
〔6. 磁気コアのバリエーション〕
次に、磁気コアの種々の形状を図25から図48により説明する。ただし、ここで説明する磁気コアの形状はあくまで一例であって、これらに限られるものではない。
〔6. 磁気コアのバリエーション〕
次に、磁気コアの種々の形状を図25から図48により説明する。ただし、ここで説明する磁気コアの形状はあくまで一例であって、これらに限られるものではない。
まず、磁気コアの一形状を図25および図26により説明する。図25は、磁気コアの一形状を示し、図25の(a)は上面図を、図25の(b)は正面図を示す。また、図26は、図25の磁気コア40を示し、図26の(a)は斜視図を、図26の(b)は磁束漏入部3および素子保持孔5の拡大図を示す。
図25を参照して、磁気コア40の形状は、上面から見ると四角形状をなし、正面から見ると矩形をなす。また、磁気コア40は、ともにコの字型の第1コア部40aおよび第2コア部40bがドッキングしてなる単層型である。その第1コア部40aおよび第2コア部40bは、四角形状の一面を構成する面(図25の(a)の図面上側の面)において密着している。そして、その面と対向する面(図25の(a)の図面下側の面)において、第1コア部40aおよび第2コア部40bは、磁束漏入部3および素子保持孔5を形成している。ここで、第1コア部40aの第1開放端面および第2コア部40bの第2開放端面は離間し、それにより磁束漏入部3が形成されている(図25の(b))。そして、素子保持孔5は、第1開放端面に設けられた第1素子保持孔と第2開放端面に設けられた第2素子保持孔とによって形成されている。その素子保持孔5は、被測定電線(不図示)を流れる電流に対して放射方向に形成されており、かつ、第1コア部40aおよび第2コア部40bを貫通している(図26)。
図27は、磁気コアの一形状を示し、図27の(a)は上面図を、図27の(b)は斜視図を示す。
磁気コア41は、上面から見ると四角形状をなす単層一体型で構成されている。磁気コア41では、素子保持孔5は、被測定電線(不図示)を流れる電流に対して平行に形成されており、かつ、第1コア部41aおよび第2コア部41bを貫通している。また、第1開放端面および第2開放端面は、離間しており、接していない。
図27と図25とを比べて分かるように、素子保持孔は、被測定電線(不図示)を流れる電流に対して放射方向および平行の何れの方向で形成されていてもよい。また、磁気コアを上面から見たときに、磁気コアの厚みは、厚くても薄くてもよい。このように、磁気コアは、その形状が特定の形状に限定されるものではなく、種々の形状とすることができる。したがって、装置の設計や電流センサ内部のレイアウト等に従って、磁気コアの形状を適宜変更することができる。
次に、他の実施例を説明する。図28から図30は、磁気コアの形状が同一であるときに、その磁気コア中の素子保持孔の存在範囲が異なる様子を示す図である。以下、図28から順次説明する。
図28は、磁気コアの一形状を示し、図28の(a)は立面図を、図28の(b)は上面図を、図28の(c)は斜視図を示す。
磁気コア42は、上面から見ると四角形状をなす単層一体型で構成されている。磁気コア42では、素子保持孔5は、被測定電線(不図示)を流れる電流に対して放射方向に形成されており、かつ、磁気コア42を貫通している。ここで、図28の(b)中の斜線で示される領域は磁気コアを、それ以外の領域は素子保持孔5を示している。このことは、図29以降でも同様である。なお、図示するように、第1開放端面および第2開放端面は、離間しており、接していない。
図29は、磁気コアの一形状を示し、図29の(a)は立面図を、図29の(b)は上面図を、図29の(c)は斜視図を示す。
磁気コア43は、図28の磁気コア42と次の点で相違する。すなわち、素子保持孔5は、磁気コア42を貫通することなく、被測定電線(不図示)の側が閉じられており、被測定電線とは反対の側が開放されている。つまり、素子保持孔5は、被測定電線を流れる電流に対して放射方向において、一方の側のみが開放されている。
図30は、磁気コアの一形状を示し、図30の(a)は立面図を、図30の(b)は上面図を、図30の(c)は斜視図を示す。
磁気コア44は、図29の磁気コア43と次の点で相違する。すなわち、素子保持孔5は、被測定電線を流れる電流に対して放射方向において両方の側が閉じられている。したがって、素子保持孔5は磁気コア44の内部に閉じ込められ、磁束漏入部3のみを介して外部と連通している。
以上、図28から図30を用いて、磁気コアの形状が同一であるときに、その磁気コア中の素子保持孔の存在範囲が異なりうる例を説明した。同様に、図31から図33を用いて、磁気コアの形状が同一であるときに、その磁気コア中の素子保持孔の存在範囲が異なりうる例を説明する。
図31は、磁気コアの一形状を示し、図31の(a)は上面図を、図31の(b)は立面図を示す。
磁気コア45は、上面から見ると四角形状をなす単層一体型で構成されている。磁気コア45では、素子保持孔5は、被測定電線(不図示)を流れる電流に対して平行に形成されており、かつ、磁気コア42を貫通している。なお、第1開放端面および第2開放端面は、離間しており、接していない。
図32は、磁気コアの一形状を示し、図32の(a)は上面図を、図32の(b)は立面図を示す。
磁気コア46は、図31の磁気コア45と次の点で相違する。すなわち、素子保持孔5は、磁気コア46を貫通することなく、図32の(b)の図面下側が閉じられており、図32の(b)の上側は開放されている。つまり、素子保持孔5は、被測定電線を流れる電流に対して平行な方向において、一方の側のみが開放されている。
図33は、磁気コア47の一形状を示し、図33の(a)は上面図を、図33の(b)は立面図を示す。
磁気コア47は、図32の磁気コア46と次の点で相違する。すなわち、素子保持孔5は、被測定電線を流れる電流に対して平行な方向において図面上下の両側が閉じられている。したがって、素子保持孔5は磁気コア47の内部に閉じ込められ、磁束漏入部3を介して外部と連通している。
以上、図31から図33を用いて、磁気コアの形状が同一であるときに、その磁気コア中の素子保持孔の存在範囲が異なりうる例を説明した。次に、他の実施例として、磁気コアが単層型または積層型である例を図34、図35により説明する。
図34は、磁気コアの一形状を示し、図34の(a)は斜視図を、図34の(b)は上面図を示す。
磁気コア48は、上面から見ると四角形状をなす単層一体型で構成されている。磁気コア48では、素子保持孔5は、被測定電線(不図示)を流れる電流に対して放射方向に形成されており、かつ、磁気コア48を貫通している。なお、第1開放端面および第2開放端面は、離間しており、接していない。
図35は、磁気コアの一形状を示し、図35の(a)は斜視図を、図35の(b)は上面図を示す。
磁気コア49は、図34の磁気コア48と次の点で相違する。すなわち、磁気コア49は、上面から見ると四角形状をなすものの、積層型で構成されている。より具体的には、磁気コア49は、磁気コア49a、磁気コア49b、磁気コア49c、及び磁気コア49dがその順に、被測定電線(不図示)の方向に向かって積層されてなる。
つまり、本実施の形態に係る磁気コアは、単層一体型のみならず、積層型によっても実現することができる。なお、磁気コア49は、磁気コア49a〜磁気コア49dの四層構造で構成されているが、2層、3層、または5層以上の構造で構成されてもよい。
次に、さらに他の実施例として、磁気コアが単層型または積層型である例を図36から図38により説明する。
図36は、磁気コアの一形状を示し、図36の(a)は上面図を、図36の(b)は立面図を示す。
磁気コア50は、上面から見ると四角形状をなす単層一体型で構成されている。磁気コア50では、素子保持孔5は、被測定電線(不図示)を流れる電流に対して平行に形成されており、かつ、磁気コア50を貫通している。なお、第1開放端面および第2開放端面は、離間しており、接していない。
図37は、磁気コアの一形状を示し、図37の(a)は上面図を、図37の(b)は立面図を示す。
磁気コア51は、図36の磁気コア50と次の点で相違する。すなわち、磁気コア51は、図37の(b)に示すように、磁気コア51a、磁気コア51b、磁気コア51c、及び磁気コア15dがその順に、被測定電線に対して平行に積層されてなる。
つまり、本実施の形態に係る磁気コアは、単層一体型のみならず、積層型によっても実現することができる。なお、磁気コア51は、磁気コア51a〜磁気コア51dの四層構造で構成されているが、2層、3層、または5層以上の構造で構成されてもよい。
図38は、磁気コアの一形状を示し、図38の(a)は図36の磁気コア50の斜視図を、図38の(b)は図37の磁気コア51の斜視図を示す。
同図から分かるように、磁気コア50は一体型で形成されているのに対して、磁気コア51は、被測定電線に対して平行に複数の磁気コアが積層された積層構造となっている。このように、磁気コアは、その形状が特定の形状に限定されるものではなく、種々の形状とすることができる。したがって、装置の設計や電流センサ内部のレイアウト等に従って、磁気コアの形状を適宜変更することができる。
次に、他の実施例を図39、図40により説明する。
図39は、磁気コアの一形状を示し、図39の(a)は上面図を、図39の(b)は斜視図を示す。
磁気コア53の形状は、上面から見ると略四角形状をなす。より具体的に、磁気コア53は、ともにコの字型の第1コア部53aおよび第2コア部53bがドッキングしてなる単層型である。その第1コア部53aおよび第2コア部53bは、四角形状の一面を構成する面(図面上側の面)において密着している。そして、その面と対向する面(図面下側の面)において、第1コア部53aおよび第2コア部53bは、磁束漏入部3および素子保持孔5を形成している。ここで、第1コア部53aの第1開放端面および第2コア部53bの第2開放端面は離間し、それにより磁束漏入部3が形成されている。そして、素子保持孔5は、第1開放端面に設けられた第1素子保持孔と第2開放端面に設けられた第2素子保持孔とによって形成されている。その素子保持孔5は、被測定電線(不図示)を流れる電流に対して放射方向に形成されており、かつ、第1コア部53aおよび第2コア部53bを貫通している。
図40は、磁気コアの一形状を示し、図40の(a)は上面図を、図40の(b)は斜視図を示す。
磁気コア54は、上面から見ると四角形状をなす単層一体型で構成されている。磁気コア54では、素子保持孔5は、被測定電線(不図示)を流れる電流に対して放射方向に形成され、かつ、磁気コア54を貫通している。なお、第1開放端面および第2開放端面は離間しており、接していない。
このように、磁気コアは、ドッキング型又は一体型の何れでも実現することができる。
次に、他の実施例を図41、図42により説明する。
図41は、磁気コアの一形状を示し、図41の(a)は上面図を、図41の(b)は斜視図を示す。
磁気コア55の形状は、上面から見ると略四角形状をなす。より具体的に、磁気コア55は、ともにコの字型の第1コア部55aおよび第2コア部55bがドッキングしてなる単層型である。その第1コア部55aおよび第2コア部55bは、四角形状の一面を構成する面(図面上側の面)において密着している。そして、その面と対向する面(図面下側の面)において、第1コア部55aおよび第2コア部55bは、磁束漏入部3および素子保持孔5を形成している。ここで、第1コア部55aの第1開放端面および第2コア部55bの第2開放端面は離間し、それにより磁束漏入部3が形成されている。そして、素子保持孔5は、第1開放端面に設けられた第1素子保持孔と第2開放端面に設けられた第2素子保持孔とによって形成されている。その素子保持孔5は、被測定電線(不図示)を流れる電流に対して平行に形成されており、かつ、第1コア部55aおよび第2コア部55bを貫通している。
図42は、磁気コアの一形状を示し、図42の(a)は上面図を、図42の(b)は斜視図を示す。
磁気コア56は、上面から見ると四角形状をなす単層一体型で構成されている。磁気コア56では、素子保持孔5は、被測定電線(不図示)を流れる電流に対して平行に形成されており、かつ、磁気コア56を貫通している。なお、第1開放端面および第2開放端面は、離間しており、接していない。
このように、本実施の形態に係る磁気コアは、ドッキング型および一体型の何れでも実現することができる。
次に、他の実施例を図43、図44により説明する。
図43は、磁気コアの一形状を示し、図43の(a)は上面図を、図43の(b)は斜視図を示す。
磁気コア57は、上面から見ると四角形状をなす単層一体型で構成されている。磁気コア57では、素子保持孔5は、被測定電線(不図示)を流れる電流に対して放射方向に形成されており、かつ、磁気コア57を貫通している。なお、第1開放端面および第2開放端面は、離間しており、接していない。
図44は、磁気コアの一形状を示し、図44の(a)は上面図を、図44の(b)は斜視図を示す。
磁気コア58は、上面から見ると環状をなす単層一体型で構成されている。磁気コア58では、素子保持孔5は、被測定電線(不図示)を流れる電流に対して放射方向に形成されており、かつ、磁気コア58を貫通している。なお、第1開放端面および第2開放端面は、離間しており、接していない。
このように、本実施の形態に係る磁気コアは、四角形状、環状、あるいは、ここでは説明をしていないが、他の形状で実現することができる。
次に、他の実施例を図45、図46により説明する。
図45は、磁気コアの一形状を示し、図45の(a)は上面図を、図45の(b)は斜視図を示す。
磁気コア59は、上面から見ると四角形状をなす単層一体型で構成されている。磁気コア59では、素子保持孔5は、被測定電線(不図示)を流れる電流に対して平行に形成されており、かつ、磁気コア59を貫通している。なお、第1開放端面および第2開放端面は、離間しており、接していない。
図46は、磁気コアの一形状を示し、図46の(a)は上面図を、図46の(b)は斜視図を示す。
磁気コア60は、上面から見ると環状をなす単層一体型で構成されている。磁気コア60では、素子保持孔5は、被測定電線(不図示)を流れる電流に対して平行に形成されており、かつ、磁気コア60を貫通している。なお、第1開放端面および第2開放端面は、離間しており、接していない。
このように、本実施の形態に係る磁気コアは、四角形状、環状、あるいは、ここでは説明をしていないが、他の形状で実現することができる。
次に、他の実施例を図47、図48により説明する。
図47は、磁気コアの一形状を示し、図47の(a)は斜視図を、図47の(b)は磁束漏入部3および素子保持孔5の拡大図を示す。
磁気コア61の形状は、上方から見ると四角形状をなす。より具体的に、磁気コア61は、ともにコの字型の第1コア部61aおよび第2コア部61bがドッキングしてなる単層型である。その第1コア部61aおよび第2コア部61bは、四角形状の一面を構成する面(図面上側の面)において密着している。そして、その面と対向する面(図面下側の面)において、第1コア部61aおよび第2コア部61bは、磁束漏入部3および素子保持孔5を形成している。ここで、第1コア部61aの第1開放端面および第2コア部61bの第2開放端面は離間し、それにより磁束漏入部3が形成されている。そして、素子保持孔5は、第1開放端面に設けられた第1素子保持孔と第2開放端面に設けられた第2素子保持孔とによって形成されている。その素子保持孔5は、被測定電線(不図示)を流れる電流に対して放射方向に形成されており、かつ、第1コア部61aおよび第2コア部61bを貫通している。
図48は、磁気コアの一形状を示し、図48の(a)は斜視図を、図48の(b)は磁束漏入部3および素子保持孔5の拡大図を示す。
磁気コア62は、ともにコの字型の第1コア部61aおよび第2コア部61bがドッキングしてなる単層型である点において、図47の磁気コア61と共通する。しかしながら、磁気コア62では、第1コア部62aに係る第1開放端面と第2コア部62bに係る第2開放端面とは離間しておらず、互いに接している。つまり、磁気コア62は、突き当て構造で形成されている。そして、図10を参照して説明したように、たとえ突き当て構造であっても、磁気コア62は、ギャップ構造の磁気コアと同様の効果を得ることができる。
以上、本実施の形態に係る磁気コアの種々の形状を図25から図48により説明した。これらの形状は、本実施の形態の一例を示すものであって、ここで説明した以外の形状を、装置の設計や電流センサ内部のレイアウト等に従って当然に採用することができる。
次に、被測定電線を流れる電流に対して放射方向における磁気コアの厚みが、当該磁気コアを備える電流センサ全体としての感度に影響を与えるものではないことを説明する。
一例として、図1の(a)および図39の(a)において、上方から見たときの磁気コアの厚みを比較する。このとき、その厚みは、図39の(a)の磁気コア53の方が、図1の(a)の磁気コア1よりも小さいことが分かる。しかしながら、このことは、磁気コア53が磁気コア1よりも感度が低くなることを示すわけではない。
図49は、図39の磁気コア53を参照して、磁気コアの厚みが小さくとも、当該磁気コアを備える電流センサの感度が低下しないことを説明するための図であり、図49の(a)は斜視図を、図49の(b)は断面図を示す。なお、図49の(a)では、被測定電線(不図示)を流れる電流に対して放射方向をx方向、そのx方向における磁気コアの厚みをtとしている。
このとき、図49の(b)に示すように、磁気コア53の厚みtは、磁電変換素子20の感磁部分の幅よりも大きく形成されている。そして、素子保持孔5内の磁束の大きさは、x方向においてほぼ一定である。したがって、磁気コア53を備える電流センサ全体の感度は、たとえtが小さくとも低下することはない。
つまり、素子保持孔内の磁束の大きさはx方向においてほぼ一定であることから、厚みtが磁電変換素子20の感磁部分の幅よりも大きければ、当該磁気コアを備える電流センサ全体の感度は低下しない。それゆえ、上述したように、磁気コア53の方が磁気コア1よりも厚みtが小さいものの、そのことが、磁気コア53を備える電流センサ全体の感度に影響を与えることを意味するわけではない。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
〔補足〕
なお、本願発明は、以下の構成によって実現されてもよい。
〔補足〕
なお、本願発明は、以下の構成によって実現されてもよい。
本発明に係る磁気コアは、電流センサに用いられる磁気コアであって、磁電変換素子を保持するための第1素子保持孔が形成された第1開放端面と、上記磁電変換素子を保持するための第2素子保持孔が形成された、上記第1開放端面に対向する第2開放端面と、を有する構成であってもよい。
本発明に係る磁気コアは、互いに対向する第1開放端面および第2開放端面を有する。そして、第1開放端面には第1素子保持孔が形成され、第2開放端面には第2素子保持孔が形成され、第1素子保持孔および第2素子保持孔によって磁電変換素子が保持される。
従って、第1開放端面および第2開放端面が存在することにより、すなわち、第1開放端面と第2開放端面との間に空隙部(以下、「磁束漏入部」と称する。)が存在することにより、その磁束漏入部を介して、第1素子保持孔および第2素子保持孔に対して磁気コアからの磁束が漏れやすくなっており、第1素子保持孔および第2素子保持孔に保持された磁電変換素子がその磁束の漏れを感知することができる。
加えて、磁気コアの感度は、磁束漏入部の磁気抵抗が低い方が良好となるところ、磁束漏入部の幅(第1開放端面と第2開放端面との距離)が狭い方が、磁束漏入部の磁気抵抗は低下する。この点、本発明に係る磁気コアでは、磁電変換素子は、第1開放端面および第2開放端面に形成された第1素子保持孔および第2素子保持孔によって保持されている。従って、第1開放端面と第2開放端面との距離は、その間に磁電変換素子が載置されるほどには広くならない。換言すると、第1開放端面と第2開放端面との距離は自と狭くなる。従って、本発明に係る磁気コアでは、磁束漏入部の幅は狭く、それゆえ磁束漏入部の磁気抵抗も低下するため、当該磁気コアを用いる電流センサの感度を向上させることができる。
このような理由により、本発明に係る磁気コアは、図17の(a)を参照して説明した従来の課題(磁電変換素子を切断部に設けるため、切断部の幅を広くせざるを得ず、それに伴い磁気コアの感度が低下するという課題)を解決することができる。
また、本発明に係る磁気コアでは、第1素子保持孔および第2素子保持孔は、磁気コアから磁束が漏れにくい磁気コアの外縁に沿った位置ではなく、第1開放端面および第2開放端面に形成されている。そして、上記の理由により、本発明に係る磁気コアでは、磁電変換素子は、磁気コアから磁束が漏れやすい第1素子保持孔および第2素子保持孔に保持されており、微小な電流により発生する磁束をより多く磁電変換素子に集めて感度を向上させることができる。
従って、本発明に係る磁気コアは、図17の(b)を参照して説明した従来の課題(磁気コアの外縁に沿って形成された切欠部に磁電変換素子を載置するため、磁気コアから磁束が漏れにくく、磁電変換素子が検知する磁束が微小となり、それによって磁気コアの感度が低下するという課題)を解決することができる。
このように、本発明に係る磁気コアは、上記構成により、電流センサの検知感度を高めることが可能な磁気コアを実現することができる。
また、本発明に係る磁気コアでは、上記第1素子保持孔および上記第2素子保持孔は、上記磁電変換素子を、当該磁電変換素子の感磁方向が上記磁気コアの周方向となるように保持する構成であってよい。
上記構成とすることにより、磁電変換素子の厚み方向(磁気コアの周方向に対して垂直な磁気コアの厚み方向)における、磁電変換素子を保持する第1素子保持孔および第2素子保持孔を小さくすることができる。そして、上記磁気コアの厚み方向における第1素子保持孔および第2素子保持孔の幅が狭いほど、磁気コアから漏れる磁束が増幅するため、上記構成とすることにより、磁電変換素子の感度を高めることができる。それゆえ、本発明に係る磁気コアは、電流センサの検知感度をさらに高めることが可能な磁気コアを実現することができる。
さらに、本発明に係る磁気コアでは、上記第1開放端面と上記第2開放端面との距離は、2mmよりも小さいことが好ましい。
一般的な磁電変換素子のサイズを考慮すると、上記第1開放端面と上記第2開放端面との距離が2mm以上であると、上記第1素子保持孔および上記第2素子保持孔に磁電変換素子を保持することができなくなる。
そこで、上記構成とすることにより、上記第1素子保持孔および上記第2素子保持孔に磁電変換素子を保持することができ、また、磁電変換素子は、第1素子保持孔および第2素子保持孔に対して磁気コアから漏れる磁束を確実に感知することができるという効果を奏する。
また、第1素子保持孔5aの底面を第1底面(図9の参照番号16)、第2素子保持孔5bの底面を第2底面(図9の参照番号17)としたときに、第1素子保持孔5aおよび第2素子保持孔5bは、保持する磁電変換素子20の厚み方向における孔幅(L2)が、第1底面16と第2底面17との側面間距離(L1)の1.75倍以下であってよい。
また、素子保持孔に関して、「孔」という表現を用いて説明している。この「孔」という表現については、いわゆる「溝」と同義に用いることもできるが、本明細書中では統一的な表現として「孔」を用いている。
また、保持孔という語は、磁電変換素子を配置、格納等するために必要な空間の意味で用いている。
本発明は、電流センサの検知感度を高めることが可能な磁気コア、当該磁気コアを備えた電流センサ、及び上記磁気コアを備えた電流センサを用いた電流測定方法に適用することができる。
1 磁気コア
3 磁束漏入部
3a 第1開放端面
3b 第2開放端面
5 素子保持孔
5a 第1素子保持孔
5b 第2素子保持孔
7 接触点
16 側面(第1側面)
17 側面(第2側面)
20 磁電変換素子
3 磁束漏入部
3a 第1開放端面
3b 第2開放端面
5 素子保持孔
5a 第1素子保持孔
5b 第2素子保持孔
7 接触点
16 側面(第1側面)
17 側面(第2側面)
20 磁電変換素子
Claims (12)
- 電流センサに用いられる磁気コアであって、
磁電変換素子が保持されるための第1素子保持孔が形成された第1開放端面と、
上記磁電変換素子が保持されるための第2素子保持孔が形成された、上記第1開放端面に対向する第2開放端面と、を有し、
上記第1素子保持孔を形成する側面のうち、上記第2素子保持孔を形成する側面と対向する側面を第1側面、上記第2素子保持孔を形成する側面のうち、上記第1側面と対向する側面を第2側面としたときに、
上記第1素子保持孔および上記第2素子保持孔は、保持する上記磁電変換素子の厚み方向における孔幅が、上記第1側面と上記第2側面との側面間距離の1.75倍以下であることを特徴とする磁気コア。 - 上記第1素子保持孔および上記第2素子保持孔では、上記磁電変換素子は、当該磁電変換素子の感磁方向が上記磁気コアの周方向となるように保持されることを特徴とする請求項1に記載の磁気コア。
- 上記第1素子保持孔および上記第2素子保持孔には、上記磁気コアよりも透磁率の低い低透磁率材料が充填されていることを特徴とする請求項1に記載の磁気コア。
- 上記第1開放端面と上記第2開放端面との間には、上記磁気コアよりも透磁率の低い低透磁率材料が充填されていることを特徴とする請求項3に記載の磁気コア。
- 上記低透磁率材料は、フェライト含有エポキシ樹脂、磁性流体、あるいは空気であることを特徴とする請求項3に記載の磁気コア。
- 上記低透磁率材料は、フェライト含有エポキシ樹脂、磁性流体、あるいは空気であることを特徴とする請求項4に記載の磁気コア。
- 上記第1開放端面と上記第2開放端面との距離は、2mmよりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の磁気コア。
- 上記第1開放端面および上記第2開放端面は、一部が互いに当接していることを特徴とする請求項1に記載の磁気コア。
- 上記第1素子保持孔および上記第2素子保持孔はそれぞれ、上記第1開放端面および上記第2開放端面において、上記磁気コアの厚み方向と平行な方向に沿って延設されていることを特徴とする請求項1に記載の磁気コア。
- 上記第1素子保持孔および上記第2素子保持孔はそれぞれ、上記第1開放端面および上記第2開放端面において、上記磁気コアの厚み方向と垂直な方向に沿って延設されていることを特徴とする請求項1に記載の磁気コア。
- 請求項1から10の何れか1項に記載の磁気コアを備えることを特徴とする電流センサ。
- 請求項1に記載の磁気コアを備える電流センサによって、被測定電線に流れる電流の電流値を測定することを特徴とする電流測定方法。
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