JP6597076B2 - 漏電検出器 - Google Patents
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Description
この漏電電流は、太陽電池からの直流電流の成分を含むため、従来の変流器(カレントトランス)を用いた零相変流器では検出ができない。
切欠き部における往復電流による勾配磁界の影響を低減するため、環状の検出コアの内側に、磁束を吸収しやすい円筒状の磁気シールド(以下において、円筒シールドと称することがある)を設けた漏電検出器や、さらに検出コアの上面側および下面側に、磁束を吸収しやすい円盤状の磁気シールド(以下において、円盤シールドと称することがある)を設けた漏電検出器が提供されたが、いずれも、往復電流による勾配磁界を十分に低減することができず、実用化のレベルで、漏電電流に由来する磁界成分を確実に検出することが困難であった。
すなわち、後述するように、切欠き部に段付き部を有する検出コアと、検出コアを貫通する円筒シールドと、検出コアの上面側および下面側に設けられた円盤シールドとを組み合わせることにより、太陽光発電装置のような大きな負荷電流(往復電流)が流れる装置に用いた場合であっても、微小な漏電電流による磁界成分を、往復電流に由来する磁界成分と分離して明確に検出することができる漏電検出器を得るに至ったものである。
図1は、第1の実施形態に係る漏電検出器100の全体構成を示す概略図であり、図2(a)は、図1に示す漏電検出器100を上面視した概略平面図であり、図2(b)は、図1に示す漏電検出器100を側面視した概略平面図である。
図1に示すように、第1の実施形態に係る漏電検出器100は、一組の電流線110と、一組の電流線110の周囲を取り囲むように設けられた円筒シールド120と、円筒シールド120の周囲に配置され、切欠き部150を有する環状の検出コア140(以下において、検出コア140と称することがある)と、検出コア140の上面側および下面側に設けられた一組の円盤シールド130と、を含んでいる。
図3は、図1のAの部分の拡大図であり、検出コア140が有する切欠き部150を示している。図3に示すように、切欠き部150には、検出コア140の端面144から突出する段付き部152が設けられており、段付き部152には、第1磁気センサ部162および第2磁気センサ部164を有する磁気センサ160が設けられている。
図1および図2(a)に示すように、第1の実施形態に係る漏電検出器100を太陽光発電装置などに用いた場合には、往復電流(白抜きの矢印で示す)および漏電電流(黒の矢印で示す)が、電流線110に沿って流れる。
図1に示すように、円筒シールド120は、電流線110の周囲を囲むように設けられている。
円筒シールド120は、例えば、78%Ni系パーマロイ、45%Ni系パーマロイ、珪素鋼板、鉄系アモルファス軟質磁性材料、コバルト系アモルファス軟質磁性材料、ナノ結晶軟質磁性材料などのような、磁束を非常に通しやすい材料、すなわち磁束を集めやすい材料から作られている。そのため、円筒シールド120で電流線110を囲むことにより、電流線110を流れる往復電流から生じる磁束が、円筒シールド120の外部に漏れることを防ぐことができ、検出コア140の切欠き部150に形成される、往復電流に由来する勾配磁界を低減することができ、その結果、漏電電流に由来する磁界成分を、往復電流に由来する磁界と分離して検出する効果を高めることができる。
図12(a)は、図11(a)に示すように、環状の検出コア140に、50Aの往復電流が流れる2本の電流線を貫通させ、検出コア140を貫通する漏電電流を−10mAから+10mAまで変化させた場合における、切欠き部での磁束密度の分布を示す。図12(b)は、図11(b)に示すように、環状の検出コア140の内側に円筒シールド120を設け、円筒シールド120および検出コア140に、50Aの往復電流が流れる2本の電流線を貫通させ、円筒シールド120および検出コア140を貫通する漏電電流を−10mAから+10mAまで変化させた場合における、切欠き部での磁束密度の分布を示す。
一方、図12(b)に示すように、円筒シールド120を設ける場合には、往復電流によって生じる磁束が切欠き部150内に侵入することにより形成される勾配磁界の大きさは、円筒シールド120を設けない場合(図12(a))に形成される勾配磁界の大きさと比較すると、約1/5に低減した。
図1に示すように、漏電検出器100は、検出コア140の上面側および下面側に設けられた一組の円盤シールド130を有する。円盤シールド130は、例えば、78%Ni系パーマロイ、45%Ni系パーマロイ、珪素鋼板、鉄系アモルファス軟質磁性材料、コバルト系アモルファス軟質磁性材料、ナノ結晶軟質磁性材料などのような、磁束を非常に通しやすい材料、すなわち磁束を集めやすい材料から作られている。そのため、電流線110を流れる往復電流から発生する磁束および地磁気などの外部磁束は、円盤シールド130に集められ、検出コア140に侵入するこれらの磁束を低減することができる。
円盤シールド130は空洞部を有しており、1組の電流線110および円筒シールド120は当該空洞部を貫通している。第1の実施形態に係る漏電検出器100では、一組の円盤シールド130は、上面視または下面視して、検出コア140の上面146および下面148を覆うように設けられている。このような形態にすることにより、一組の電流線110を流れる往復電流が作る磁束を、円盤シールド130により低減することができ、そのため、漏電電流に由来する磁界成分を分離して検出する効果を高めることができる。また、円盤シールド130を設けることにより、地磁気などの外部磁束が検出コア140の切欠き部150に侵入することを防止することができ、漏電電流に由来する磁界成分を分離して検出する効果を高めることができる。
図1に示すように、第1の実施形態に係る漏電検出器100の環状の検出コア140は、一組の電流線110および円筒シールド120を取り囲むように設けられており、その一部が切り欠かれた切欠き部150を有する。図3に示すように、第1の実施形態に係る漏電検出器100の切欠き部150は、第1端面142と第2端面144とを有する。切欠き部150には、第1磁気センサ部162および第2磁気センサ部164を有する磁気センサ160が設けられている。
後述するように、第1の実施形態に係る漏電検出器100は、検出コア140の切欠き部150において、第1磁気センサ部162で検出される磁界と第2磁気センサ部164で検出される磁界との差分を検出することにより、漏電電流に由来する磁界成分を、往復電流に由来する磁界成分と分離して明確に検出することができる。
ここで、検出ギャップ部156の寸法は、段付き部152の寸法およびエアギャップ部154の寸法よりも大きい。「段付き部152の寸法」、「エアギャップ部154の寸法」および「検出ギャップ部156の寸法」とは、当該部の、検出コア140の円周方向、すなわち、第1端面142から第2端面144に向かう方向における寸法をいう。
従って、例えば、図3に示すように、第1磁気センサ部162を、エアギャップ部154の直上に配置し、かつ第2磁気センサ部164を段付き部152の直上に配置することにより、第1磁気センサ部162および第2磁気センサ部164により検出される磁界の差を検出することができ、より明確に漏電電流成分が作る磁界を検出することができる。
図3に示すように、第1磁気センサ部162は、上面視してその全部がエアギャップ部154の上に配置されることが好ましい。このような形態であれば、第1磁気センサ部162で検出される漏電電流に由来する磁界がより強くなるので、漏電電流に由来する磁界を往復電流に由来する磁界成分と分離してより明確に検出することができる。
例えば、側面視して、第1磁気センサ部162の全部が段付き部152の上面よりも下方であるエアギャップ部154内に配置され、第2磁気センサ部164が段付き部152上に配置されてもよい。このような形態であっても、エアギャップ部154内で生じる漏電電流に由来する磁界は、段付き部152上で生じる漏電電流に由来する磁界よりも強いため、第1磁気センサ部162においては、第2磁気センサ部164で検出される磁界との差分を演算することにより、漏電電流に由来する磁界成分を往復電流に由来する磁界成分と分離して明確に検出することができる。
図8(a)〜(c)はそれぞれ、検出コア140の厚さ寸法(t)に対する検出ギャップ部156の円周方向の寸法(d)の比(d/t)が、好ましい範囲にある場合、好ましい範囲より小さい場合、好ましい範囲より大きい場合に、検出コア140に侵入する、外部磁束の流れを示す概略平面図であり、図8(d)は、図8(c)の検出コア140を側面視した図である。
図8(a)に示すように、d/tが好ましい範囲にある場合には、検出コア140の上部から侵入した外部磁束の多くは、検出ギャップ部156を貫通することなく、検出コア140の貫通部を迂回して検出コア140の下部から抜け出る。そのため、検出ギャップ部156に配置された磁気センサに160により検出される磁界における、外部磁界の成分を小さくすることができる。
図8(b)に示すように、d/tが好ましい範囲より小さい場合には、検出コア140の上部から侵入した外部磁束のうち、検出ギャップ部156を貫通する磁束(図8(b)に示す点線の矢印)が増加し、検出ギャップ部156に配置された磁気センサ160により検出される磁界における外部磁界成分が増加する。
図8(c)に示すように、d/tが好ましい範囲より大きい場合には、検出コア140の上部から侵入した外部磁束のうち、検出ギャップ部156を貫通する磁束は減少するが、図8(d)に示すように、検出コア140の上面側および下面側から検出ギャップ部156に侵入する磁束が増加する。そのため検出ギャップ部156に配置された磁気センサ160により検出される磁界における外部磁界成分が増加する。
また、検出コア140の厚さ寸法に対する検出ギャップ部156の円周方向の寸法の比(d/t)は、0.3以上1.0以下であることがより好ましい。検出コア140の厚さ寸法tと検出ギャップ部156の円周方向の寸法dの比をこのような範囲にすることで、検出ギャップ部156に侵入する地磁気等の外部からの磁束をおよそ1/100まで低減することができ、磁気センサ160により検出される外部磁界成分を減少させることができ、漏電電流に由来する磁界成分をより精度良く検出することができる。
図10(a)は、検出コア140の厚さ寸法tが5mmで、段付き部152の厚さt1が1mmである検出コア140、すなわち、検出コア140の厚さ寸法tに対する段付き部152の厚さt1の比(t1/t)は0.2である検出コア140を示す。この場合には、図13(a)に示すように、往復電流が作るエアギャップ部154における勾配磁界は、7×10−6[T]程度となる。
図10(b)は、検出コア140の厚さ寸法tが5mmで、段付き部152の厚さt1が2mmである検出コア140、すなわち、検出コア140の厚さ寸法tに対する段付き部152の厚さt1の比(t1/t)は0.4である検出コア140を示す。この場合には、図13(b)に示すように、往復電流が作るエアギャップ部154における勾配磁界は、7×10−6[T]程度となり、図10(a)に示す検出コア140における勾配磁界と同程度の値となる。
図10(c)は、検出コア140の厚さ寸法tが5mmで、段付き部152の厚さt1が3mmである検出コア140、すなわち、検出コア140の厚さ寸法tに対する段付き部152の厚さt1の比(t1/t)は0.6である検出コア140を示す。この場合には、図13(c)に示すように、往復電流が作るエアギャップ部154における勾配磁界は、9×10−6[T]程度となり、図10(a)および(b)における検出コア140よりも勾配磁界は大きくなる。
図10(d)は、検出コア140の厚さ寸法tが5mmで、段付き部152の厚さt1が4mmである検出コア140、すなわち、検出コア140の厚さ寸法tに対する段付き部152の厚さt1の比(t1/t)は0.8である検出コア140を示す。この場合には、図13(d)に示すように、往復電流が作るエアギャップ部154における勾配磁界は、1.3×10−5[T]程度となり、図10(a)〜(c)に示す検出コア140よりも、往復電流に由来するエアギャップ部154における勾配磁界が大きくなる。
このように、検出コア140の厚さ寸法tに対する段付き部152の厚さt1の比(t1/t)が大きくなるにつれ、往復電流に由来するエアギャップ部154における勾配磁界が大きくなるため、磁気センサ160により検出される磁界における、漏電電流に由来する磁界成分の検出が困難になる。
そのため、検出コア140の厚さ寸法tに対する段付き部152の厚さt1の比(t1/t)は0.5以下とするのが好ましい。検出コア140の厚さ寸法tに対する段付き部152の厚さt1の比(t1/t)がこのような範囲であれば、往復電流により発生した勾配磁界が、円筒シールド120および円盤シールド130を迂回して検出ギャップ部156に侵入しても、検出ギャップ部156の下部に侵入する勾配磁界の大きさを小さくすることができ、段付き部152の上面に配置した磁気センサ160が受ける、往復電流による勾配磁界の影響を低減することができる。一方、検出コア140の厚さ寸法tに対する段付き部152の厚さt1の比(t1/t)が0.5を超えると、検出ギャップ部156の下部に侵入する往復電流に起因する勾配磁界が大きくなり、段付き部152の上面に配置した磁気センサ160が受ける、往復電流による勾配磁界の影響を無視できなくなる。
このため、t1/tを0.5以下にすることにより、漏電電流に由来する磁界成分を明確に検出できる程度に、往復電流に由来する勾配磁界を小さくすることができる。検出コア140の厚さ寸法tに対する段付き部152の厚さt1の比(t1/t)は、0.3以下であればより好ましい。
また、検出コア140の厚さ寸法tに対する段付き部152の厚さt1の比(t1/t)が0.05以上であることが好ましい。検出コア140の厚さ寸法tに対する段付き部152の厚さt1の比(t1/t)が小さくなると、過大な漏電電流や大きな負荷電流が電流線110に印加されたとき、段付き部152が磁気飽和しやすくなる。段付き部152が磁気飽和すると、エアギャップ部154において、漏電電流に比例した磁束密度が得られなくなる。検出コア140の厚さ寸法tに対する段付き部152の厚さt1の比(t1/t)が0.05以上であれば、段付き部152の磁気飽和を防ぐことができる。
本発明に係る漏電検出器100において、第1磁気センサ部162および第2磁気センサ部164としては、磁界の強度に応じて電気信号を出力できるものであれば、如何なる磁気センサを使用してもよく、現在知られている公知の磁気センサを使用することができる。本願に係る発明では、垂直方向を検出することができる磁気センサとして、薄膜で形成できる異方性磁気抵抗効果(以下、AMRと称することもある)素子、多層巨大磁気抵抗効果(以下、GMRと称することもある)素子、スピンバルブ型巨大磁気抵抗効果(以下、SVGMRと称する)素子、トンネル磁気抵抗効果(以下、トンネル磁気抵抗効果をTMRと称することもある)素子、ホール素子、磁気インピーダンス素子、磁気誘導素子、フラックスゲート素子等を用いることができる。例えば、巨大磁気抵抗効果素子を用いて、前記素子の位置にバイアス磁界がかかるようにコイル等を配することで、バイアス磁界に対して垂直な方向に感磁軸を設定し、感磁軸方向の磁界成分に対して比例する電圧を出力する磁気比例方式の磁気センサや、さらに前記感磁軸方向の磁界成分に対応して、反対方向に同じ強度の磁界をかけるためのコイルを配置し、前記素子にフィードバックをかけて、そのときにコイルにかけた電圧を出力する磁気平衡方式の磁気センサなどを用いることができる。その際、前記素子は固定層の方向を考慮してブリッジ接続することで、検出可能な磁界範囲を広く構成することも可能である。
また、本発明の第1の実施に係る磁気センサ160において、電源端子(Vcc)に接続された少なくとも2つの素子171、173、及び、接地端子(GND)に接続された少なくとも2つの素子172、174、すなわち、ブリッジ回路170を構成する4つの素子171、172、173、174の全てが同時に成膜されていてもよい。
このように、ブリッジ回路170を構成する4つの素子171、172、173、174を同時に成膜することにより、一対ずつ別々に成膜する場合に比して、ハーフブリッジ内の回路構成を同一にすることができ、したがって、オフセットの温度特性差を低減することができ、極めて高性能の磁気センサを得ることができる。
ここで、「同時成膜」とは、同一のバッチでスパッタやめっきなどの成膜処理を行い、形成されていることを示しており、複数の層を形成する場合は、それぞれの層において同一のバッチで形成していることを示す。同一のバッチで成膜することで、膜の厚さや組織などのばらつきを小さくできる。
2つの素子が「同時成膜」されたものであるか否かは、膜の断面を観察し、厚さと幅から面積を比較したり、形状を比較したり、EDX(エネルギー分散型X線分析)などによる組成分析、さらにTEM(透過型電子顕微鏡)による組織観察などにより判断可能である。
以下に、第2の実施形態に係る漏電検出器200について、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。第2の実施形態に係る漏電検出器200の各要素について、特段の説明の無いものについては、第1の実施形態の対応する要素と同じ構成を有してもよい。
図4は、第2の実施形態に係る漏電検出器200の全体構成を示す概略断面図であり、図5は図4のB部の拡大図であり、切欠き部250を示す概略図である。図4および図5に示すように、第2の実施形態に係る漏電検出器200の切欠き部250は、第2端面244の一部であって、検出コア240の内周側の部分が、第1端面242の方向に突出した段付き部252と、段付き部252の端面と第1端面242との間に形成されるエアギャップ部254と、第1端面242と第2端面244との間に形成される検出ギャップ部256とを有する。
ここで、検出ギャップ部256の寸法は、段付き部252の寸法およびエアギャップ部254の寸法よりも大きく、段付き部252の寸法とエアギャップ部254の寸法の合計と等しい。「段付き部252の寸法」、「エアギャップ部254の寸法」および「検出ギャップ部256の寸法」とは、当該部の、検出コア240の円周方向、すなわち、第1端面242から第2端面244に向かう方向における寸法をいう。また、「段付き部252の厚さ寸法」とは、段付き部252の先端における、円周方向に垂直な方向の寸法であって、検出コア240の半径方向の寸法をいう。
従って、例えば、図5に示すように、第1磁気センサ部262を、エアギャップ部254の外側に配置し、かつ第2磁気センサ部264を段付き部252の外側に配置することにより、第1磁気センサ部262および第2磁気センサ部264により検出される磁界の差を検出することができ、より明確に漏電電流成分が作る磁界を検出することができる。
図5に示すように、第1磁気センサ部262は、上面視してその全部がエアギャップ部254の外側に配置されることが好ましい。このような形態であれば、第1磁気センサ部262で検出される漏電電流に由来する磁界がより強くなるので、漏電電流に由来する磁界を往復電流に由来する磁界成分と分離してより明確に検出することができる。
以下に、第3の実施形態に係る漏電検出器300について、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。第3の実施形態に係る漏電検出器300の各要素について、特段の説明の無いものについては、第1の実施形態の対応する要素と同じ構成を有してもよい。
図6は、第3の実施形態に係る漏電検出器300の全体構成を示す概略断面図であり、図7は図6のC部の拡大図であり、切欠き部350を示す概略図である。図6および図7に示すように、第3の実施形態に係る漏電検出器300の切欠き部350は、第1端面342の一部であって検出コア340の内周側の部分が、第2端面344の方向に突出した第1段付き部352と、第2端面344の一部であって検出コア340の内周側の部分が、第1端面342の方向に突出した第2段付き部353と、第1段付き部352の端面と第2段付き部353の端面との間に形成されるエアギャップ部354と、第1端面342と第2端面344との間に形成される検出ギャップ部356とを有する。
ここで、検出ギャップ部356の寸法は、第1段付き部352の寸法、第2段付き部353の寸法およびエアギャップ部354の寸法よりも大きい。「第1段付き部352の寸法」、「第2段付き部353の寸法」および「エアギャップ部354の寸法」および「検出ギャップ部356の寸法」とは、当該部の、検出コア340の円周方向、すなわち、第1端面342から第2端面344に向かう方向における寸法をいう。また、「第1段付き部352(または第2段付き部353)の厚さ寸法」とは、第1段付き部352(または第2段付き部353)の先端における、円周方向に垂直な方向の寸法であって、検出コア340の半径方向の寸法をいう。
実際の製品では、磁気センサ360は、磁気センサの素子をパッケージングすることで大きくなる。そのため、磁気センサ360を切欠き部350に容易に配置するため、特に円周方向の寸法が短いエアギャップ部354の上に、第1磁気センサ部362を合わせて配置するためには、ある程度の空間があるほうが好ましい。
上述したように、第3の実施形態に係る検出コア340では、第1端面342および第2端面344の両方から、それぞれ第1段付き部352および第2段付き部353が対向する端面に向かって付き出している。そのため、第1段付き部352の寸法および第2段付き部353の寸法を調整することにより、エアギャップ部354の寸法を一定に保ちながら、切欠き部350内の円周方向におけるエアギャップ部354の形成位置を調整することができる。
これにより、例えば、第2端面344側の第2磁気センサ部364の端部から第1端面342側の第1磁気センサ部362までの距離が、第2段付き部353の寸法より大きく、かつ第2段付き部353の寸法とエアギャップ部354の寸法の合計より小さくなるように、第1段付き部352および第2段付き部353の寸法を予め設定しておけば、磁気センサ360を切欠き部350内に容易に設置することができる。すなわち、このような形態にすることで、磁気センサ360の端部が第2端面344に接触するように磁気センサ360を設置すれば、第1磁気センサ部362は、エアギャップ部354の上に自動的に配置されるため、位置合わせが容易となり、さらには、磁気センサ360が精度良く配置されることにより、漏電電流から生じる磁界成分をより精度良く検出することができる。
また、図7に示すように、第3の実施形態に係る検出コア340は、エアギャップ部354を介して、第1段付き部352および第2段付き部353の両方を有している。そのため、検出コア340は、エアギャップ部354から、第1端面342の方向および第2端面344の方向のどちらの方向にも、磁気センサ360を設けるための十分に広い空間を有することができる。そのため、パッケージングにより磁気センサ360が大きくなった場合であっても、磁気センサ360を設置する位置を調整することにより、第1磁気センサ部362をエアギャップ部354の上に配置することができ、漏電電流を精度良く検出することができる。
またこのように、磁気センサ360を設けるための十分に広い空間を有することにより、エアギャップ部354の寸法を小さくした場合であっても、磁気センサ360を設置する位置を調整することにより、第1磁気センサ部362をエアギャップ部354の上に配置することができる。そのため、エアギャップ部354の寸法を小さくして、切欠き部350における漏電電流に起因する磁束密度を高めた場合であっても、第1磁気センサ部362をエアギャップ部354の上に配置することができるので、漏電電流が微小であっても、精度よくかつ高感度で検出することができる。
従って、例えば、図7に示すように、第1磁気センサ部362を、エアギャップ部354の外側に配置し、かつ第2磁気センサ部364を第2段付き部353の外側に配置することにより、第1磁気センサ部362および第2磁気センサ部364により検出される磁界の差を検出することができ、より明確に漏電電流成分が作る磁界を検出することができる。第1磁気センサ部362および第2磁気センサ部364の配置は、この形態に限定されず、第1磁気センサ部362が第1段付き部352の外側に配置され、第2磁気センサ部364がエアギャップ部354の外側に配置されてもよい。
図7に示すように、第1磁気センサ部362は、上面視してその全部がエアギャップ部354の外側に配置されることが好ましい。このような形態であれば、第1磁気センサ部362で検出される漏電電流に由来する磁界がより強くなるので、漏電電流に由来する磁界を往復電流に由来する磁界成分と分離してより明確に検出することができる。
110、210、310、410:電流線
120、220、320、420:円筒シールド
130、230、330、430:円盤シールド
140、240、340、440:検出コア
142、242、342:第1端面
144、244、344:第2端面
150、250、350:切欠き部
152、252、352、353:段付き部
154、254、354:エアギャップ部
156、256、356、456:検出ギャップ部
160、260、360:磁気センサ
162、262、362:第1磁気センサ部
164、264、364:第2磁気センサ部
166、266、366:基板
170、270、370:回路
171、271、371:素子
172、272、372:素子
173、273、373:素子
174、274、374:素子
Claims (4)
- 少なくとも一組の電流線と、
前記一組の電流線の周囲に設けられた円筒シールドと、
前記円筒シールドおよび前記一組の電流線が貫通する空洞部と、切欠き部とを有する環状の検出コアと、
前記検出コアの上面側および下面側に設けられ、前記円筒シールドおよび前記一組の電流線が貫通する空洞部を有する一組の円盤シールドと、
前記切欠き部に設けられた第1磁気センサ部および第2磁気センサ部と、
を含み、
前記切欠き部は、第1端面および第2端面を有しており、前記第1端面または前記第2端面の少なくとも一方の一部が突出した段付き部と、前記段付き部の端面と対向する前記切欠き部の端面との間に形成されるエアギャップ部と、前記第1端面と前記第2端面との間に形成される検出ギャップ部とを有し、
第1端面から第2端面への方向における、前記エアギャップ部の寸法は、前記検出ギャップ部の寸法よりも小さく、
上面視または側面視して、前記第1磁気センサ部の少なくとも一部がエアギャップ部に配置され、前記第2磁気センサ部が段付き部に配置されており、
前記第1磁気センサ部および前記第2磁気センサ部は、同一の基板上に配置され、固定層の磁化方向が同じであるスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子を有しており、ブリッジ回路を形成するように構成されており、
前記第1磁気センサ部で検出される磁界と前記第2磁気センサ部で検出される磁界との差分を検出又は演算することにより、漏電電流に由来する磁界成分を検出することを特徴とする漏電検出器。 - 前記検出ギャップ部の円周方向の寸法は、前記検出コアの厚さの0.2倍以上1.5倍以下であることを特徴とする請求項1に記載の漏電検出器。
- 前記段付き部の円周方向に垂直な方向の寸法と前記検出コアの厚さの比が、0.05以上0.5以下である請求項1または2に記載の漏電検出器。
- 前記検出コア、前記円筒シールドおよび前記円盤シールドは、それぞれが磁気的に独立している、請求項1から3のいずれか1項に記載の漏電検出器。
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