JP2012041244A - ガラス板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】アニール工程におけるガラスリボンの姿勢の乱れを可及的に低減し、ガラスリボンの内部歪や反りを確実に除去する。
【解決手段】ガラス板の製造工程に含まれる徐冷ゾーン3において、ガラスリボンGを幅方向で湾曲させて湾曲部5を形成するとともに、ガラスリボンGの幅方向の少なくとも一部領域の上下で、湾曲部5の表裏方向の凹凸の向きを反転させる。これにより、ガラスリボンGの上下方向及び幅方向における折り曲げ抵抗を大きくする。
【選択図】図2
【解決手段】ガラス板の製造工程に含まれる徐冷ゾーン3において、ガラスリボンGを幅方向で湾曲させて湾曲部5を形成するとともに、ガラスリボンGの幅方向の少なくとも一部領域の上下で、湾曲部5の表裏方向の凹凸の向きを反転させる。これにより、ガラスリボンGの上下方向及び幅方向における折り曲げ抵抗を大きくする。
【選択図】図2
Description
本発明は、ガラス板の製造技術に関し、詳しくは、成形体から溶融ガラスを流下させて成形されるガラスリボンを所定寸法に切断してガラス板を製造するダウンドロー法を利用したガラス板の製造技術の改良に関する。
ガラス板の製造技術としては、成形体から溶融ガラスを流下させてガラスリボンを成形し、そのガラスリボンを所定寸法に切断してガラス板を製造するダウンドロー法が公知となっている。このダウンドロー法の代表的なものとしては、オーバーフローダウンドロー法、リドロー法、スロットダウンドロー法などが挙げられる。
この種のダウンドロー法による成形方法は、ガラス板が製造されるまでの基本的な工程として、所定寸法の板状(帯状)のガラスリボンに成形する成形工程と、ガラスリボンを徐冷して内部歪を除去するアニール工程と、ガラスリボンを室温付近まで冷却する冷却工程と、ガラスリボンを所定寸法に切断する切断工程とを含んでいる。
これら各工程のうち、少なくとも成形工程とアニール工程は、ガラスリボンを下方へと移動させながら行われる。
そして、このうち、アニール工程は、ガラスリボンの内部歪を除去する工程であることからガラス板の製品品質(性能)を決定づける重要な工程となる。すなわち、アニール工程を経たガラスリボンに内部歪が残存していると、このガラスリボンを切断して製造されるガラス板にもそのまま内部歪が残存し、ガラス板の機械的強度が著しく低下したり、或いは、意図しない複屈折が生じるなどの諸特性の不安定化を招くことがある。特に、液晶ディスプレイなどのフラットパネルディスプレイ用のガラス板の場合には、内部歪が残存していると、複屈折などによって画質の著しい悪化を招くので問題が大きくなる。
このような内部歪が残存する問題は、アニール炉内に形成される上昇気流によって、ガラスリボンが振動しながらばたついて、ガラスリボンの姿勢が不安定になった場合に顕著に生じる。これは、アニール炉内において、ガラスリボンの姿勢が不安定になると、ガラスリボンを所期の温度分布をもって徐冷することが困難になるためである。
また、アニール炉内において、ガラスリボンの姿勢が不安定になると、内部歪の問題以外にも、ガラスリボンに不当な反りが生じ、最終製品となるガラス板の平坦度が大きく損なわれるという問題も生じ得る。
そこで、例えば、特許文献1には、アニール炉内に上昇気流を阻止する対流防止板を配置することが開示されているが、対流防止板とガラスリボンとの間の隙間を完全になくすことはできないので、ガラスリボンに対して上昇気流の影響が少なからず生じる。しかも、ガラスリボンと対流防止板とを近接させると、上昇気流によってガラスリボンが振動して姿勢が乱れた場合に、ガラスリボンが対流防止板に接触して破損するという新たな問題も生じ得る。
また、特許文献2には、対流防止板を使用することなくアニール炉内の上昇気流の発生を防止するために、アニール炉の外部雰囲気の気圧を加圧することが開示されているが、このような対策を講じても上昇気流を完全に防止することは難しい。
なお、特許文献3では、上記の上昇気流に直接対処するものではないが、成形体から流下したガラスリボンを幅方向に亘って部分円筒面状に積極的に湾曲させることが開示されている。
ところで、特許文献3に開示のように、ガラスリボンを予め幅方向に亘って部分円筒面状に湾曲させた場合、完全に平坦なガラスリボンよりも変形が生じ難い。そのため、アニール炉内に形成される上昇気流によって、ガラスリボンの姿勢が不安定になるという事態を低減する上でも、ある程度の効果が期待できる。
しかしながら、ガラスリボンを幅方向に亘って部分円筒面状に湾曲させた場合、その湾曲によってガラスリボンは上下方向に折れ曲がり難いが、幅方向には依然として折れ曲がり易い状態にある。その結果、当該湾曲を有するガラスリボンに対して上昇気流が作用したとき、ガラスリボンが幅方向に変形を繰り返しながら振動し、ガラスリボンの姿勢が乱れるおそれがある。
また、部分円筒面状に湾曲させたガラスリボンは、平面状に容易に展開可能であることから、上昇気流の影響を受けて平面状に戻るおそれもある。このような事態が生じれば、ガラスリボンは、再び上昇気流の影響を受け易くなり、姿勢の乱れは顕著になる。
本発明は、以上の実情に鑑み、アニール工程におけるガラスリボンの姿勢の乱れを可及的に低減し、ガラスリボンの内部歪や反りを確実に除去することを技術的課題とする。
上記課題を解決するために創案された本発明は、板状のガラスリボンに成形する成形工程と、ガラスリボンを徐冷してその内部歪を除去するアニール工程と、ガラスリボンを室温付近まで冷却する冷却工程と、ガラスリボンを所定寸法に切断する切断工程とを含み、少なくとも前記成形工程と前記アニール工程をガラスリボンの下方への移動を伴いながら行うガラス板の製造方法において、前記アニール工程で、ガラスリボンを幅方向で湾曲させて湾曲部を形成するとともに、ガラスリボンの幅方向の少なくとも一部領域の上下で、前記湾曲部の表裏方向の凹凸の向きを反転させることにより、ガラスリボンの上下方向及び幅方向における折り曲げ抵抗を大きくしたことに特徴づけられる。
このような方法によれば、ガラスリボンを徐冷してその内部歪を除去するアニール工程において、ガラスリボンは、幅方向に湾曲した湾曲部を有すると共に、その幅方向の少なくとも一部領域の上下で、湾曲部の表裏方向の凹凸の向きが反転する。これにより、ガラスリボンの上下方向及び幅方向における折り曲げ抵抗が大きくなる。したがって、アニール工程でガラスリボンに対して上昇気流が作用したとしても、折り曲げ抵抗が大きくなったガラスリボンは変形し難く、安定した姿勢を維持することが可能となる。
上記の方法において、ガラスリボンの幅方向で、前記湾曲部の表裏方向の凹凸の向きを反転させることが好ましい。
このようにすれば、ガラスリボンの上下方向及び幅方向の折り曲げ抵抗がより大きくなるので、上昇気流によるガラスリボンの姿勢の乱れが生じ難くなる。
上記の方法において、ガラスリボンの幅方向両端部を結ぶ仮想直線を湾曲量零の基準位置とし、該仮想直線からの垂直離間距離で湾曲量を表した場合に、前記湾曲部の最大湾曲量が、1〜50mmであることが好ましく、5〜30mmであることがより好ましく、10〜20mmであることが更に好ましい。
すなわち、湾曲部の最大湾曲量が1mm未満であると、ガラスリボンが平坦に近づいて、折り曲げ抵抗の向上効果が十分に得られないおそれがある。一方、湾曲部の最大湾曲量が50mmを越えると、ガラスリボンの湾曲が大きくなって、折り曲げ抵抗の向上効果が確実に得られるものの、ガラスリボンを切断して製造されるガラス板に残存する湾曲が大きくなりすぎるおそれがある。そこで、ガラスリボンの湾曲部の最大湾曲量は、上記の数値範囲内であることが好ましく、この範囲内であれば、ガラスリボンの折り曲げ抵抗を十分大きく保ちつつ、製造されるガラス板に残存する湾曲も製品として問題のないレベルに抑えることができる。
上記の方法において、前記湾曲部を、ガラスリボンに機械的な外力を加えることで形成してもよいし、前記湾曲部は、ガラスリボンの表面側と裏面側の徐冷温度を異ならせることで形成してもよい。
以上の方法において、ガラスリボンの肉厚は、2mm以下であることが好ましく、1mm以下であることがより好ましく、700μm以下であることが更に好ましい。
すなわち、ガラスリボンの肉厚が厚くなるに連れて、ガラスリボン自体に変形が生じ難くなるので、アニール工程で形成される上昇気流による姿勢の乱れは小さくなる。換言すれば、ガラスリボンの肉厚が薄くなるに連れて、アニール工程での徐冷温度の乱れの影響を受けて、ガラスリボンに内部歪や反りの問題が生じ易くなる。そして、このような問題は、ガラスリボンの肉厚が、上記数値範囲である場合に特に生じ易く、本願発明の有用性が増すことになる。更に、上記数値範囲までガラスリボンの肉厚が薄いと、凹凸の向きを無理なく反転させることができるという利点もある。
以上のように本発明によれば、アニール工程で、ガラスリボンを幅方向で湾曲させて湾曲部を形成し、且つ、ガラスリボンの幅方向の少なくとも一部領域の上下で、湾曲部の表裏方向の凹凸の向きを反転させることで、ガラスリボンの上下方向及び幅方向における折り曲げ抵抗を大きくすることができる。そのため、当該曲げ抵抗の向上により、アニール工程におけるガラスリボンの姿勢の乱れを可及的に低減することができる。したがって、アニール工程において、ガラスリボンに対して安定した温度条件でもって徐冷を施すことが可能となり、ガラスリボンの内部歪や反りを確実に除去することができる。
以下、本発明の一実施形態を添付図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係るガラス板の製造方法を体現するための製造装置の要部を示す縦断面図である。この製造装置は、オーバーフローダウンドロー法によって、炉1内で、ガラス板の元となる板状のガラスリボンGを成形するものである。なお、ガラスリボンGの肉厚は、2mm(好ましくは1mm、より好ましくは700μm)以下であって、このガラスリボンGを切断して製作されるガラス板は、例えば、液晶ディスプレイ・プラズマディスプレイ・有機ELディスプレイなどのフラットパネルディスプレイ、太陽電池、リチウムイオン電池、デジタルサイネージ、タッチパネル、電子ペーパーなどのデバイスのガラス基板や、有機EL照明などのカバーガラス、医薬品のガラス容器、窓板ガラス、積層軽量窓ガラスなどに利用される。
詳細には、炉1内には、上方から順に、成形工程を行う成形ゾーン2、アニール工程を行う徐冷(アニール)ゾーン3、冷却工程を行う冷却ゾーン4が設けられており、図外に切断工程を行う切断ゾーンが設けられている。
成形ゾーン2では、楔状の断面形状を有する成形体21に溶融ガラスGmを供給するとともに、この成形体21の頂部から溢れ出た溶融ガラスGmをその下端部で融合させて流下させることで、溶融ガラスGmから板状のガラスリボンGを成形する。徐冷ゾーン3では、成形ゾーン2で成形されたガラスリボンGを徐冷しながらその内部歪を除去する。冷却ゾーン4では、徐冷ゾーン3で徐冷されたガラスリボンGを室温付近まで冷却する。そして、このように冷却されたガラスリボンGが図外の切断ゾーンにて、所定の大きさに切断され、ガラス板が連続的に製作される。
なお、徐冷ゾーン3と冷却ゾーン4において、ガラスリボンGの搬送経路の上流側から下流側に至る複数個所に、図中の矢印方向に回転する一対のローラRを有するローラ群が配置されている。個々のローラ群は、図2に示すように、ガラスリボンGの幅方向両端部をそれぞれ挟持する2対のローラRによって構成され、この実施形態では、ガラスリボンGの一方側に存する2個のローラRと、他方側に存する2個のローラRとがそれぞれ、2本のローラ軸Raに連結固定されている。勿論、一方側のローラRと、他方側のローラRとを、ローラ軸Raで相互に連結固定せず、個々のローラRをローラ軸で片持支持するようにしてもよい。
ここで、炉1内には、いわゆる煙突効果によって炉1の下端開口から外気が吸引され、上昇気流が少なからず形成されてしまう。この上昇気流を防止するために、炉1の外側の圧力を炉1の内側の圧力よりも高めるなど、従来から種々の対策が講じられているが、このような対策を講じても上昇気流を完全に防止することは難しい。そして、このような上昇気流が生じると、炉1内のガラスリボンGは、ばたつきながら振動して姿勢を乱すおそれがある。仮に、徐冷ゾーン3でガラスリボンGの姿勢が乱れると、ガラスリボンGの徐冷不良が生じ、このガラスリボンGを冷却後、切断することよって製作されるガラス板の性能に悪影響を及ぼすおそれがある。
そこで、本実施形態では、図2に示すように、徐冷ゾーン3において、ガラスリボンGを平坦ではなく多少湾曲させ、上記の上昇気流によってガラスリボンGの姿勢が乱されるのを防止するようにしている。
詳細には、ガラスリボンGを幅方向で湾曲させて湾曲部5を形成するとともに、ガラスリボンGの幅方向の少なくとも一部の上下で湾曲部5の表裏方向の凹凸の向きを反転させている。
この実施形態では、徐冷ゾーン3の上流側に位置する湾曲部5は、図3に示すように、ガラスリボンGの幅方向中央部を一方側の面(以下、裏面という)側に凸となるように湾曲させて形成されている。この上流側の湾曲部5の最大湾曲量D1は、ガラスリボンGの幅方向両端部を結ぶ仮想直線L1を湾曲量零の基準位置とし、且つ、その仮想直線L1からの垂直離間距離で表した場合に、1〜50mm(好ましくは5〜30mm、より好ましくは10〜20mm)となる。なお、図中の一点鎖線(L1,L2)は、湾曲部5を形成しない場合のガラスリボンGの状態、すなわち、平坦なガラスリボンGの状態を示す。これは、図4〜図7においても同様とする。
一方、徐冷ゾーン3の下流側に位置する湾曲部5は、図4に示すように、ガラスリボンGの幅方向中央部を他方側の面(以下、表面という)側に凸となるように湾曲させて形成されている。この下流側の湾曲部5の最大湾曲量D2も、ガラスリボンGの幅方向両端部を結ぶ仮想直線L2を湾曲量零の基準位置とし、且つ、その仮想直線L2からの垂直離間距離で表した場合に、1〜50mm(好ましくは5〜30mm、より好ましくは10〜20mm)となる。
そして、この上流側と下流側のそれぞれの湾曲部5は、図3及び図4に示すように、上流側ではガラスリボンGの裏面側に凸となり、下流側ではガラスリボンGの表面側に凸となるように、上流側と下流側で凸となる向きが反転するようになっている。すなわち、このようにすることで、図5に示すように、ガラスリボンGは上下方向にも湾曲することになり、上流側と下流側のそれぞれの湾曲部5の凸となる側の向きが、反転部6を境界に裏面側から表面側に反転するようになっている。
そのため、ガラスリボンGの上下方向及び幅方向における折り曲げ抵抗が、ガラスリボンGが平坦である場合や、幅方向にのみ湾曲(例えば、部分円筒面状)している場合に比べて、相対的に大きくなる。これは次の理由による。すなわち、ガラスリボンGの湾曲部5における幅方向に亘る湾曲によって、ガラスリボンGの上下方向の曲げ変形を阻止する抵抗として機能するので、上下方向の折り曲げ抵抗が大きくなる。また、ガラスリボンGの上下で、湾曲部5の凸となる側の向きを反転させたことによって、その反転部6がガラスリボンGの幅方向の曲げ変形を阻止する抵抗として機能するので、幅方向の折り曲げ抵抗も大きくなる。そのため、徐冷ゾーン3におけるガラスリボンGの形状が略固定された状態で変形が生じ難くなる。したがって、徐冷ゾーン3で、仮に上昇気流が生じたとしても、その上昇気流によってガラスリボンGが姿勢を乱すという不具合を確実に低減することができる。その結果、徐冷ゾーン3において、ガラスリボンGに対して安定した温度条件でもって徐冷を施すことが可能となることから、ガラスリボンGの内部歪を確実に除去することができる。
ここで、図2に示すように、湾曲部5が形成されたガラスリボンGは、順次下方へと移動していくので、徐冷ゾーン3では、成形ゾーン2から連続的に供給されるガラスリボンGに対して順次湾曲部5を形成する必要がある。ガラスリボンGに湾曲部5(反転部6を含む)を形成する方法としては、例えば、次のようなものが挙げられる。
すなわち、湾曲部5は、機械的な外力によりガラスリボンGを図2に示した形状に変形させることで形成してもよい。具体的には、例えば、ガラスリボンGに図示しない接触子を突き当てて、その接触子によってガラスリボンGを強制的に変形させて湾曲部5を形成してもよい。また、徐冷ゾーン3に配置されたローラ群の一部を、他のローラ群が配列されている直線上からガラスリボンGの表裏方向のいずれか一方側に偏倚させて配置してガラスリボンGを蛇行誘導することで、湾曲部5を形成してもよい。さらに、上流側のローラ群による引張速度よりも、下流側のローラ群による引張速度を一時的に遅くし、上流側のローラ群と下流側のローラ群との間で、ガラスリボンGを撓ませて、湾曲部5を形成してもよい。
また、湾曲部5は、徐冷ゾーン3の温度分布をガラスリボンGの表面側と裏面側で異ならせることで形成してもよい。具体的には、徐冷ゾーン3におけるガラスリボンGの表面側と裏面側に対応した位置にそれぞれヒータを配置し、表面側のヒータと裏面側のヒータの加熱温度を僅かに異ならせることで、熱変形(膨張・収縮)に差を生じさせ、湾曲部5を形成してもよい。具体的には、湾曲部5の湾曲が凸となる側の面の徐冷温度を、反対側の凹となる側の面の徐冷温度よりも、例えば1〜50℃低く設定する。
なお、このようにガラスリボンGに湾曲部5は、少なくともアニールゾーン3で形成されていればよく、アニールゾーン3以降の冷却ゾーン4や切断ゾーンなどでは、湾曲部5は解除されていてもよい。また、仮に、湾曲部5が残存している場合でも、ガラスリボンGを切断して製作されるガラス板の湾曲量は、ガラスリボンGの状態での湾曲量よりも小さくなるため、実用上問題とならない。
本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々の形態で実施することができる。例えば、上記の実施形態では、図3及び図4に示したように、上下方向の同一位置でガラスリボンGを幅方向に1回のみ湾曲させた場合を説明したが、図6(a),(b)に示すように、上下方向の同一位置でガラスリボンGを幅方向に複数回湾曲させ、幅方向においても湾曲部5の凸(凹)となる側の向きを1又は複数回反転させてもよい。この場合、ガラスリボンGの裏面側に凸(凹)となる湾曲部5と、表面側に凸(凹)となる湾曲部5の最大湾曲量を、同図(a)に示すように、互いに異ならせてもよいし、同図(b)に示すように、互いに同程度にしてもよい。また、上流側の湾曲部5と、下流側の湾曲部5とで幅方向の湾曲回数を異ならせてもよい。
また、上記の実施形態では、図5に示したように、幅方向の同一位置でガラスリボンGを上下方向に1回のみ湾曲させて、反転部6を1箇所形成した場合を説明したが、図7に示すように、幅方向の同一位置でガラスリボンGを上下方向に複数回湾曲させて、反転部6を複数個所に形成してもよい。
また、上記の実施形態では、オーバーフローダウンドロー法によりガラスリボンを成形する場合を説明したが、例えば、スロットダウンドロー法やリドロー法などの他のダウンドロー法によりガラスリボンを成形するようにしてもよい。
1 炉
2 成形ゾーン
3 徐冷ゾーン
4 冷却ゾーン
5 湾曲部
6 反転部
G ガラスリボン
2 成形ゾーン
3 徐冷ゾーン
4 冷却ゾーン
5 湾曲部
6 反転部
G ガラスリボン
Claims (6)
- 板状のガラスリボンに成形する成形工程と、ガラスリボンを徐冷してその内部歪を除去するアニール工程と、ガラスリボンを室温付近まで冷却する冷却工程と、ガラスリボンを所定寸法に切断する切断工程とを含み、少なくとも前記成形工程と前記アニール工程をガラスリボンの下方への移動を伴いながら行うガラス板の製造方法において、
前記アニール工程で、ガラスリボンを幅方向で湾曲させて湾曲部を形成するとともに、ガラスリボンの幅方向の少なくとも一部領域の上下で、前記湾曲部の表裏方向の凹凸の向きを反転させることにより、ガラスリボンの上下方向及び幅方向における折り曲げ抵抗を大きくしたことを特徴とするガラス板の製造方法。 - ガラスリボンの幅方向で、前記湾曲部の表裏方向の凹凸の向きを反転させることを特徴とする請求項1に記載のガラス板の製造方法。
- ガラスリボンの幅方向両端部を結ぶ仮想直線を湾曲量零の基準位置とし、該仮想直線からの垂直離間距離で湾曲量を表した場合に、前記湾曲部の最大湾曲量が、1〜50mmであることを特徴とする請求項1又は2に記載のガラス板の製造方法。
- 前記湾曲部は、ガラスリボンに機械的な外力を加えることで形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のガラス板の製造方法。
- 前記湾曲部は、ガラスリボンの表面側と裏面側の徐冷温度を異ならせることで形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のガラス板の製造方法。
- ガラスリボンの肉厚が、2mm以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のガラス板の製造方法。
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