JP2012041224A - チタンおよびジルコニウムの複合酸化物の調製法 - Google Patents

チタンおよびジルコニウムの複合酸化物の調製法 Download PDF

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Abstract

【課題】ゾルゲル法を用いたチタンやジルコニウムと、リンやホウ素や硫黄との複合酸化物の調製方法を提供する。
【解決手段】ゾルゲル法によりチタンとジルコニウムの少なくとも一方のアルコキシドから、チタン又は/及びジルコニウムとリン、ホウ素、イオウの複合酸化物を調製する方法であって、加水分解により加える水の量を、
(加える水の量のモル数)=2(A+B)−1.5(C+D)−E
とする。但し、A:チタンアルコキシドのモル数、B:ジルコニウムアルコキシドのモル数、C:リンのモル数、D:ホウ素のモル数、E:イオウのモル数
【選択図】図1

Description

本発明は、ゾルゲル法を用いたチタンやジルコニウムと、リンやホウ素や硫黄との複合酸化物の調製方法に関する。
チタンやジルコニウムとリンやホウ素や硫黄の複合酸化物は、その表面にブレンステッド酸を生じ、酸性を示す。従って、例えば、固体表面の酸性を利用した酸触媒、あるいは触媒の担体として使用することができる。また、固体酸性を利用して、塩基性の有害物質の吸着による除去に用いることもできる。このように様々な用途が考えられる有用な材料である。
チタンやジルコニウムとリンやホウ素やイオウとの複合酸化物化は、それぞれのチタンやジルコニウムの酸化物や塩(例えば硝酸チタン、酢酸ジルコニウムなど)とリン酸、ホウ酸、硫酸の混合物を混合し焼成することにより、固相反応法により調製することができる。また、チタンやジルコニウムのアルコキシドに、リン酸やホウ酸、硫酸の水溶液を加えることで目的物を沈殿として得る方法、いわゆるゾルゲル法、によっても調製できる。ゾルゲル法によれば、ナノ粒子の調製が可能であるという利点があり、触媒などの表面を用いる用途に特に有用である。
ゾルゲル法によるチタンやジルコニウムの複合酸化物の製造方法に関しては、例えば特許文献1に水素製造用触媒の製造方法が開示されている。これは、チタニウム及びジルコニウムの金属アルコキシドを溶媒とともに混合し、混合液に加える全水量の40質量%以下の水を硝酸、塩酸、酢酸、硫酸などの加水分解用触媒とともに添加して、混合液を加水分解させて前駆体ゾル(A)に調製する。次いで、前駆体ゾル(A)に水素製造用触媒活性成分となる金属塩を添加し、残り分の水を添加して加水分解を行って前駆体ゾル(B)に調製する。さらに、前駆体ゾル(B)を乾燥した後、酸化性雰囲気中にて熱処理し、還元性雰囲気下で熱処理することにより、目的の水素製造用触媒を得るものである。
特開2007−136445号公報
ゾルゲル法によるチタン又はジルコニウムのアルコキシドの加水分解反応は、次式で表される。
Ti(OR)
4+2H2O→TiO2+4ROH ・・・・(1a)
Zr(OR)4+2H2O→ZrO2+4ROH ・・・・(1b)
ここでRは典型的にはアルキル基である。また、チタンのアルコキシドとジルコニウムのアルコキシドの混合物の加水分解によっては、チタンとジルコニウムの複合酸化物を調製することができる。
xTi(OR)4+(1-x)Zr(OR)4+2H2O→TixZr1-xO2+4ROH・・・・(2)
上記(1a)、(1b)、(2)の反応が起きる理由は、チタンやジルコニウムのアルコキシドと水の共存する状態がエネルギー的に不安定であり、加水分解して酸化物を形成した方が安定であることによる。これらの反応において必要な水は、チタンおよびジルコニウムのアルコキシドの物質量の合計の2倍であるが、反応を完結させるために過剰の水を加えることがもっぱらである。
一方、チタンやジルコニウムの酸化物にさらに、リンやホウ素、イオウを複合化させることができれば、上述のように触媒やイオン伝導など、様々な機能の発現が期待できる。そして、このような複合酸化物は、アルコキシドの加水分解時に、水ではなく、リン酸やホウ酸、硫酸の水溶液を加えることによって調製できることが推測される。
しかし、通常行われるように過剰の水にリン酸やホウ酸、硫酸を溶解させて加えた場合には、リンやホウ素、イオウは酸化物相ではなく水相に残ることが容易に予想される。なぜなら、(1a)などの反応はアルコキシドが水に接した状態で安定に存在しないことにより生じるのに対して、リン酸やホウ酸、硫酸は、水の中で安定に存在できるからである。
以上のように、複合酸化物の調製に際しては、水の量のコントロールが重要となるが、従来、上述の特許文献1を含めて最適な水の量の制御に関しては開示がない。
本願発明者は鋭意研究の結果、水の量の制御により、チタンやジルコニウムとリン酸、ホウ酸又は硫酸の複合化反応を最適に進行させることができるという考えに基づき、試験により確認して以下の発明を完成した。すなわち、
本発明に係るチタン又は/及びジルコニウムとリン、ホウ素、イオウの複合酸化物の調製方法は、
ゾルゲル法によりチタンとジルコニウムの少なくとも一方のアルコキシドから、チタン又は/及びジルコニウムとリン、ホウ素、イオウの複合酸化物を調製する方法であって、
加水分解により加える水の量を、
(加える水の量のモル数)=2(A+B)−1.5(C+D)−E・・・・(※)
とすることを特徴とする。
但し、A:チタンアルコキシドのモル数、B:ジルコニウムアルコキシドのモル数、
C:リンのモル数、D:ホウ素のモル数、E:イオウのモル数
上記(1a)、(1b)の反応機構を考える。TiやZrをMと表記すると、これらの反応は、M−OR結合の加水分解によるM−OH結合の生成と、M−OH結合の脱水縮合によるM−O−M結合の生成により進行すると考えられる。
M−OR+H2O→M−OH+R−OH・・・・(3)
2M−OH→M−O−M+H2O・・・・(4)
一方、これらの反応にリン酸やホウ酸、硫酸が共存する、すなわち、アルコキシドに水を加える代わりにリン酸やホウ酸、硫酸の水溶液を加えると、(4)式の代わりに以下の反応が起こりうる。PやBやSを代表してAで表すと、
M−OH+A−OH→M−O−A+HO・・・・(5)
従って、(4)に加えて(5)の反応が起きれば、MとAの複合酸化物が生成する。相対的に(4)式に比べて(5)式の反応の割合が増えるほど、A/Mの比は大きくなり、リンやホウ素、イオウを多く含むチタンやジルコニウムの複合酸化物の割合が高くなることになる。
しかしながら、(4)と(5)の反応の起こりやすさを比較すると、M−OH結合は不安定であり、速やかに脱水縮合が起きて(5)式に進もうとするのに対して、(5)式の場合にはA−OH結合は、酸の分子を構成する結合そのものであるので、水の中で安定である。したがって、水が過剰に存在すれば(3)式と(4)式が連鎖的に起こり、(5)式が起きる頻度は相対的に低くなるはずである。逆に言えば、水が十分に存在しなければ(3)式は進まないので、(4)式によるM−O−Mの結合も進行しない。
一方、アルコキシドがリン酸やホウ酸、硫酸が共存すると、(5)式の他に(6)式の反応が起こりうる。
M−OR+A−OH→M−O−A+ROH・・・・(6)
この反応は水が介在せず、従って、水が存在しないところでも起こりうる。
したがって、アルコキシドに水と酸の溶液を加えると、(3)式と(4)式の連鎖反応によっては、M−O−Mの単純な結合ができる反応が進む一方、(5)式や(6)式によっては、M−O−Aの複合的な結合が生成する。また、(6)式の反応だけは水が存在しなくても進行しうる。
以上を考え合わせると、水の量によってMとAの複合化をコントロールできるという仮説に到達する。具体的には、仮想的に以下の反応を考える。
3PO4−1.5H2O→PO2.5・・・・(7)
3BO3−1.5H2O→BO1.5・・・・(8)
2SO4−H2O→SO3・・・・(9)
(1)、(2)式、および、(7)〜(9)式の反応が、A:B:C:D:Eの割合で進行させることを考えると、
ATi(OR)4+BZr(OR)4+CH3PO4+DH3BO3+EH2SO4
+[2(A+B)−1.5(C+D)−E]H2
→TiAZrBCDEx+YROH・・・・(10)
ここで、XやYは量論を満たす変数である。以上のように考えると、加える水の量を
[2(A+B)−1.5(C+D)−E]モルに制御することで、複合酸化物を得られることがわかる。
本発明によれば、従来のゾルゲル法による過剰な水を加える方法と比較して、高収率で複合酸化物を得ることができ、構成元素の複合化を首尾良く行うことができる。
本発明方法により調製した複合酸化物のX線回折測定結果を示すグラフである。
チタンとリンおよびジルコニウムとリンの複合酸化物を調製する際の水の添加量の効果を確認するために、以下の実験を行った。
チタンイソプロポキシド、または、ジルコニウムブトキシドをイソプロパノールに溶解し、ビーカーにて撹拌した状態で、リン酸と水とイソプロパノールの混合液をビーカーに滴下し、ビーカーの溶液中に白沈を得た。このときのチタン、または、ジルコニウムとリンとの物質量の比は1:0.5であった。すなわち
(チタンイソプロポキシドのmol数):(リン酸のmol数)=1:0.5
(ジルコニウムブトキシドのmol数):(リン酸のmol数)=1:0.5
式(※)に従えば、加える水の量は1.25molとなる。チタンおよびジルコニウムのそれぞれについて、加える水を4倍の5.0molに増加させた実験を行った。すなわち、以下のような物質量比となる、4種類の試料を調製した。
(a)チタン:リン:水=1:0.5:1.25
(b)チタン:リン:水=1:0.5:5.0
(c)ジルコニウム:リン:水=1:0.5:1.25
(d)ジルコニウム:リン:水=1:0.5:5.0
水が1.25molの場合と5.0molの場合の上記(a)〜(d)について、下記の通り洗浄液のpH、及び、得られた試料の組成比を比較した。
実験では、チタンイソプロポキシド、または、ジルコニウムブトキシドの10gを100mLのイソプロパノールに溶解した。これに上記のモル比となるようにリン酸と水を混合した溶液を50mLのイソプロパノールに溶解し、これを先のビーカー中の溶液に滴下した。
上記操作により得た白沈を、細孔径0.1μmのメンブレンフィルターを通して吸引濾過により分離した後、100mLの水で洗浄し、再び吸引濾過を行って試料を得た。このとき洗浄し濾別した液体のpHを測定した。また、得られた試料のチタンとリン、または、ジルコニウムとリンの組成比をエネルギー分散型X線分析により測定した。
表1に結果を示す。
Figure 2012041224
まず、洗浄液のpHは酸性の度合い(値が小さいほど酸性が強い)、言い換えれば、リン酸の洗浄液への溶出量(pHの値が小さいほど溶出量が大きい)を表す。したがって、pHが大きいほどリンがチタンやジルコニウムとの複合酸化物中に効率よく取り込まれていることを意味する。同表より、チタン系およびジルコニウム系のどちらにおいても、水を1.25molとした方がpH値が高い。したがって、加える水の量を式(※)により制御することにより、リンが複合酸化物中により多く取り込まれることがわかる。
また、試料中のチタン、あるいは、ジルコニウムとリンの組成比を見ると、チタン系およびジルコニウム系のいずれについても、水を1.25molとした方がリンの比率が高いことがわかる。
以上pH値及び組成比の比較分析結果より、加える水の量を式(※)に従い制御することにより、リンがより多く複合酸化物中に取り込まれることがわかる。
次に、本発明に従って調製して得られたるチタンとリンの複合酸化物について、熱処理の効果を検討した。調製の方法は実施例1と同様である。チタンイソプロポキシドに加えるリン酸の量として、以下の2条件で調製を行った。
(a)(チタンイソプロポキシドのmol数):(リン酸のmol数)=1:0.1
(b)(チタンイソプロポキシドのmol数):(リン酸のmol数)=1:1
得られた試料を所定の温度で熱処理し、粉末X線回折の測定を行った。
結果を図1に示す((a)および(b)の粉末X線回折パターンのX線源にはCu-Kα線を用いた)。
(a)の条件では、チタンに対してリンの量が少ないために、500℃の熱処理により酸化チタンの結晶多系の一つであるアナターゼ相が析出した。
これに対して、(b)の条件では、600℃まで結晶相の生成を示すピークが観測されず、アモルファス(非晶質)であることがわかる。これは、チタンとリンが効率よく複合化することにより、チタンの結晶化を妨げた結果と言え、本方法がチタンとリンの複合化に適することを示している。
本発明による複合酸化物の調製方法は、チタン、ジルコニウムの複合酸化物調製のみならず、ケイ素やアルミニウムとリンやホウ素、硫黄との複合酸化物、あるいは、金属アルコキシドを出発原料とするゾルゲル法による複合酸化物の調製方法等に広く応用可能である

Claims (1)

  1. ゾルゲル法によりチタンとジルコニウムの少なくとも一方のアルコキシドから、チタン又は/及びジルコニウムとリン、ホウ素、イオウとの複合酸化物を調製する方法であって、
    加水分解により加える水の量を、
    (加える水の量のモル数)=2(A+B)−1.5(C+D)−E
    とすることを特徴とするチタン又は/及びジルコニウムとリン、ホウ素、イオウとの複合酸化物の調製方法。
    但し、A:チタンアルコキシドのモル数、B:ジルコニウムアルコキシドのモル数、
    C:リンのモル数、D:ホウ素のモル数、E:イオウのモル数
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