JP2012040382A

JP2012040382A - 指定の曲げ弾性率及び硬度を持つ複数層を有するゴルフボール。

Info

Publication number: JP2012040382A
Application number: JP2011176519A
Authority: JP
Inventors: Chen-Tai Liu; チェン‐タイリュウ
Original assignee: Nike International Ltd
Current assignee: Nike International Ltd
Priority date: 2010-08-20
Filing date: 2011-08-12
Publication date: 2012-03-01
Also published as: CN202398044U; CN102371052A; CN102371052B; US8858366B2; CA2748863A1; CA2748863C; KR20120018095A; EP2420299B1; TWI462764B; AU2011101058A4; EP2420299A1; AU2011101058B4; JP2016000358A; KR101161534B1; US20120046128A1; TW201210660A

Abstract

【課題】層状ゴルフボールにおいて、各層の曲げ弾性率及び硬度に基づいて各層間の良好なバランスを実現し、それによって、適切な感触、スピンコントロール、及び距離を実現するゴルフボールを得ること。
【解決手段】ゴルフボールは4層を含む。第1、第3、及び第4層は、熱可塑性材料から製造され、第2層は、熱硬化材料から製造される。第3層はもっとも硬く、第4層よりも少なくとも10ショアD硬い。第3層の曲げ弾性率は、第1層のそれよりも大きく、第1層の曲げ弾性率は、第4層のそれよりも大きい。
【選択図】図２

Description

本開示は、一般に、複数層ゴルフボールに関する。より具体的には、本開示は、それぞれが独自の硬度及び曲げ弾性率特性を持つ4層を有するボールに関する。

ゴルファーは、習いとして、彼又は彼女の好み及び／又はスキルレベルに基づいて、有利な特徴の組み合わせを有するゴルフボールを求める。ゴルフボールデザイナーは、多くの場合、様々なゴルファーの好みをバランスさせ、そうすることによってそのボールを使用するゴルファーにおいて高い満足度を実現しようとする。デザイナーは、各層が一つの所望の特性の実現を支援する、複数層を有するボールを設計することが多い。

例えば、ゴルフボールの圧縮度は、ゴルファーの技量に関連する。ゴルファーのクラブヘッドスピードが高ければ高いほど、ゴルフボール圧縮度の高い方が望ましい場合が多い。ゴルフボールの圧縮度とクラブヘッドスピードとをマッチさせることによって、ゴルファーのドライバー距離を最適とすることが可能である。

別の例では、外方カバーが製造される材料は重要である可能性がある。種々の材料は、異なる様々な硬度及び反撥弾性を有する。これらの差は、ゴルフボールを打つとき、ゴルファーに感じられるゴルフボールの感触に影響する。

しかしながら、デザイナーはさらに、ボール材料を選ぶに当たり、それら複数層の組み合わせ効果も考慮する。多くの場合、ボールの複数層は、ボールが打たれると全てが変形し、それら全ての層が組み合わさって、ボールの飛行軌道及び距離に影響を及ぼす。

ゴルフボールに使用される材料の多くは熱可塑性材料を含む。熱可塑性材料を考慮する場合、多くの場合、その曲げ弾性率、又は、一般に、負荷印加時におけるその撓み傾向に基づいてそのような材料を選択することが望ましい。

さらに、ゴルフボールに一般に使用される材料は硬度がまちまちである。あるゴルフボールは、例えば、耐久性を増すために、比較的硬い材料を最外側層として含む場合がある。

したがって、ある場合には、各層の所望の曲げ弾性率及び所望の硬度に基づいてゴルフボールをデザインすることが望ましい。次に、そのように組み合わされたボールは、多くのゴルファーにおいて、各層の間の良好なバランスを提供するように使用することが可能であり、適切な感触、スピンコントロール、及び距離が実現される。

ボールの反応及び感触が、第1回目の遭遇時と、第2回目の遭遇時とで異なるように構成されるボールが提供される。これは、層状物品において、各層が、他の層に対し特異的材料及び機械的特性を有する層状物品を提供することによって実現される。ゴルフボールにおいて、ドライバーで打たれると第1感触及び反応（距離及び精度）、及び、アイアン又はウェッジで打たれると第2感触及び反応（感触及びスピン賦与性）を呈するゴルフボールが提供される。例えば、種々の熱可塑性及び熱硬化性層を有するゴルフボールが提供される。各熱可塑性層の曲げ弾性率は、表面層が比較的低い曲げ弾性率を有するにも拘わらず、表面近くに最高曲げ弾性率が配置されるように選ばれる。さらに、コアは、単一層であると複数層であるとを問わず、ボール全体のそれよりも高い反撥係数（COR）を有する。

一実施態様では、ボールが提供される。このゴルフボールは、内方コア層であってもよい第1層を含んでもよい。第1層は、第1曲げ弾性率を有してもよい。第2層は、外方コア層であって、放射方向に第1層の外方にあってもよい。第3層は内方カバー層であってもよい。第3層は、放射方向に第2層の外方にあって、第2曲げ弾性率を有してもよい。第4層は、外方カバー層であってもよい。第4層は、放射方向に第3層の外方にあって、第3曲げ弾性率を有してもよい。第2曲げ弾性率は、第1曲げ弾性率より大きくともよい。第1曲げ弾性率は、第3曲げ弾性率より大きくともよい。

第2曲げ弾性率は、第1曲げ弾性率の少なくとも3倍であってもよい。第1層は、第1反撥係数を有してもよく、ボールは、第2反撥係数を有してもよく、且つ、第1反撥係数は、第2反撥係数より大きくともよい。第1層と第2層の間にマントル層が配置されてもよい。

別の実施態様では、ゴルフボールが提供される。このゴルフボールは、内方コア層であってもよい第1層を含んでもよい。第1層は第1硬度を有してもよい。第2層は、外方コア層であって、放射方向に第1層の外方にあってもよい。第2層は、第2硬度を有してもよい。第3層は内方カバー層であってもよい。第3層は、放射方向に第2層の外方にあって、第3硬度を有してもよい。第4層は外方カバー層であってもよい。第4層は、放射方向に第3層の外方にあって、第4硬度を有してもよい。第3硬度は、第1硬度より大きくともよい。第3硬度は、第2硬度より大きくともよい。第3硬度は、第4硬度よりも少なくとも10ショアＤだけ大きくともよい。

第1層は、第1反撥係数を有し、ボールは、第2反撥係数を有し、且つ、第1反撥係数は、第2反撥係数より大きくともよい。第1層と第4層の間にマントル層が配置されてもよい。

別の実施態様では、層状物品が提供される。この層状物品は、内方コア層であってもよい第1層を含んでもよい。第1層は、第1曲げ弾性率及び第1硬度を有してもよい。第2層は、外方コア層であって、放射方向に第1層の外方にあってもよい。第2層は、第2硬度を有してもよい。第3層は内方カバー層であってもよい。第3層は、放射方向に第2層の外方にあって、第2曲げ弾性率及び第3硬度を有してもよい。第4層は外方カバー層であってもよい。第4層は、放射方向に第3層の外方にあって、第3曲げ弾性率及び第4硬度を有してもよい。第2曲げ弾性率は、第1曲げ弾性率より大きくともよい。第1曲げ弾性率は、第3曲げ弾性率より大きくともよい。第3硬度は、第1硬度より大きくともよい。第3硬度は、第2硬度より大きくともよい。第3硬度は、第4硬度よりも少なくとも10ショアＤ単位だけ大きくともよい。

第2曲げ弾性率は、第1曲げ弾性率の少なくとも3倍であってもよい。第1層は第1反撥係数を有し、ボールは第2反撥係数を有し、第1反撥係数は第2反撥係数より大きくともよい。第1層と第2層の間にマントル層が配置されてもよい。

本実施態様に関する、他のシステム、方法、特色、及び利点は、当業者には明白であろうし、或いは、下記の図面及び詳細な説明を精査することによって明白となろう。そのような追加のシステム、方法、特色、及び利点は全て、本明細書及び本概要の範囲に含まれ、本開示の範囲に納められ、かつ、下記の特許請求項によって保護されることが意図される。

本発明は、下記の図面及び説明を参照することによってさらによく理解することが可能である。図面の成分は必ずしも実尺に合致するものではなく、強調はむしろ本発明の原理の具体的説明に置かれる。さらに、図面において、同じ参照数字は、種々の投影図を通じて対応する部品を表示する。

本開示によるゴルフボールの側面図である。直線2-2にそって得られる、図1のゴルフボールの断面図である。

図1は、本明細書に開示される技法にしたがって使用されるボール100の側面図である。本明細書において論じられる実施態様はゴルフボールに限定されるけれども、本発明は、そのように限定されることを意図するものではない。本明細書に記載される技法は、層状のものであればいずれの物品に対しても、特に、発射物、ボール、レクリエーションデバイス、又はそれらの成分に対して適用することが可能である。本明細書では、特異的処方が、好ましいものとして開示される。しかしながら、他の特色及び処方も、ここに開示される実施態様と組み合わせて使用することが可能である。特に、米国特許出願第12/627,992号は、上記に代わる処方及び他の説明を開示する。なお、引用によりこの文書を本明細書に含める。図1及び2は、ボール100の外表面102に印加される一般的ディンプルパターンを示す。ボール100におけるディンプルパターンは、ボール100の飛行軌道に影響を及ぼす場合があるが、いずれの特異的ディンプルパターンも、開示の実施態様の使用効果を左右するほど重要ではない。デザイナーは、ボール100に印加するに際し適切なものであるならば、いずれのディンプルパターンから選んでもよい。

図2は、図1の直線2-2にそって得られるボール100の断面図である。図2に示すように、ボール100は4層を有する。第1層204は、内方コア層であってもよい。第2層206は、外方コア層であって、放射方向に第1層204の外方に配置されてもよい。第3層208は、内方カバー層であって、放射方向に第2層206の外方に配置されてもよい。第4層210は、外方カバー層であって、放射方向に第3層208の外方に配置されてもよい。第1又は内方コア層204、及び、第2又は外方コア層206は、一緒と考えて、コア212と呼んでもよい。第3又は内方カバー層208、及び、第4又は外方カバー層210は、一緒と考えて、カバー214と呼んでもよい。ある任意の層があるとき、これは、その層よりも放射方向に内方に配置される任意の層を包囲又は事実上包囲してもよい。例えば、第2層206は、第1層204を、包囲又は事実上包囲してもよい。

本発明の開示及び図面において、ボール100は、4層を有するものとして記載され、図示されてきた。ある実施態様では、追加の一層が付加されてもよい。例えば、ある実施態様では、コア212とカバー214の間にマントル層が付加されてもよい。別の実施態様では、内方カバー208と外方カバー210の間に中間カバー層が挿入されてもよい。別の実施態様では、内方コア204と外方コア206の間に中間コア層が挿入されてもよい。

ボール100のこれらの層は、当該技術分野において公知の任意の材料で製造されてよい。第1層204は、主に又は全て第1熱可塑性材料から製造されてもよい。第3層208は、主に又は全て第2熱可塑性材料から製造されてもよい。第4層210は、主に又は全て第3熱可塑性材料から製造されてもよい。第1熱可塑性材料、第2熱可塑性材料、及び第3熱可塑性材料は、それぞれ、各種の通例の熱可塑性材料の内から選ばれてもよい。より具体的には、第1熱可塑性材料、第2熱可塑性材料、及び第3熱可塑性材料は、それぞれ、下記の材料、すなわち：アイオノマー樹脂、高度に中和される酸性ポリマー組成物、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、及び、これらの材料の二つ以上の組み合わせの内から選ばれてもよい。本実施態様における使用が望ましいと考えられるアイオノマー樹脂の例としては、E. I. Dupont de Nemours and Companyから市販されるSURLYN（登録商標）、及び、Exxon Corporationから市販されるIOTEK（登録商標）が挙げられる。高度に中和される酸性ポリマー組成物の例としては、HPF樹脂、例えば、E. I. Dupont de Nemours and Companyから市販されるHPF 1000、HPF 2000、AD 1035、及びAD 1040が挙げられる。第1熱可塑性材料、第2熱可塑性材料、及び第3熱可塑性材料は、それぞれ、同じか、又は異なるタイプの熱可塑性材料から選ばれてもよい。ある実施態様では、第2熱可塑性材料は、非アイオノマー材料を含んでもよく、第3熱可塑性材料は、非アイオノマー材料を含んでもよい。ある実施態様では、例えば、第1熱可塑性材料は、高度に中和されるポリマー組成物を含んでもよく、第2熱可塑性材料は、ポリウレタン樹脂を含んでもよく、第3熱可塑性材料は、ポリウレタン樹脂を含んでもよい。第2熱可塑性材料と、第3材料とが同じタイプの熱可塑性材料を含む場合、第3層208と第4層210の間に良好な接着性が促進される可能性がある。

第2層206は、主に又は全て熱硬化材料から製造されてもよい。熱硬化材料は、ゴム合成物を含んでもよい。この熱硬化材料がゴム合成物である場合、基質ゴムを使用してもよい。この基質ゴムは、下記：1,4-シス-ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン-ブタジエンコポリマー、天然ゴム、及び、それらの材料の二つ以上の組み合わせの内の、少なくとも一つを含んでもよい。ある実施態様では、1,4-シス-ポリブタジエン単独を基質ゴムとして使用してよく、所望の反撥弾性を実現することが可能である。別の実施態様では、1,4-シス-ポリブタジエンは、基質ゴムとして使用し、他の成分と混ぜ合わせてもよい。ある実施態様では、1,4-シス-ポリブタジエンの量は、ゴム合成物の100重量部に対し少なくとも50重量部であってもよい。この基質ゴムに対し種々の添加物を添加して合成物を形成してよい。添加物は、架橋剤及び充填剤を含んでもよい。ある実施態様では、架橋結合剤は、ジアクリル酸亜鉛、アクリル酸マグネシウム、メタクリル酸亜鉛、又はメタクリル酸マグネシウムであってもよい。ある実施態様では、ジアクリル酸亜鉛は、有利な反撥弾性特性を実現する可能性がある。材料の比重を増すために充填剤を使用してもよい。充填剤としては、酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、又は炭酸マグネシウムが挙げられる。ある実施態様では、その有利な特性のために酸化亜鉛が選ばれてもよい。それとは別に、所望の比重を実現するために、充填剤としてタングステンなどの金属粉を使用してもよい。当業者であれば、ボール100の第2層206に使用される熱硬化材料の適切な比重を決定することが可能である。ある実施態様では、熱硬化材料の比重は、約1.10 g/mm²と約1.14 g/mm²に間にあってよい。ある実施態様では、比重は、1.12 g/mm²であってもよい。

ボール100の複数層を製造するのに使用される材料は、全体としてのボールにプレイ特徴を賦与するよう相互に関連される。ボール100の製造に使用される材料は、曲げ弾性率及び硬度において異なっていてもよい。指定の範囲内の材料、及び、材料同士及び層同士の間に指定の関係を有する材料を選択することによって、ゴルファーにとって望ましい結果が得られる場合がある。多くのゴルファーにとって、短いショットの場合は、ボールの感触及びスピンコントロールが良いこと、一方、ティーショット及びロングアイアンショットの場合には、距離が維持されることが望ましい。材料及び特性は、これらの結果を最適とするように選ばれてもよい。外方カバーに低い曲げ弾性率を持つ材料を用いると、短いショット又はパッティングの場合に良い感触を得ることが可能である。さらに、外方カバーのための低い曲げ弾性率材料は、ショートアイアンにおいて優れたスピン性能を発揮する場合がある。内方カバー層に比較的高い曲げ弾性率を持つ材料を用いると、スピン率が下がるので、ロングアイアン又はドライバーショットにとって有利となる可能性がある。外方カバー材料の曲げ弾性率と内方カバー材料の曲げ弾性率の間の曲げ弾性率を持つ材料は、適切な圧縮変形をもたらすことが可能であり、これによってより優れた感触が得られる。したがって、これら全ての曲げ弾性率の組み合わせは、ロングショット及びショートショットの両方においてプレイヤーに有利となる可能性がある。

第1層204、第3層208、及び第4層210を製造するために使用される熱可塑性材料は、それぞれの曲げ弾性率に関して指定の関係を有する。各熱可塑性材料の曲げ弾性率は、ASTM D790に記載される試験法を用いて決定されてもよい。第1層204を形成するために使用される第1熱可塑性材料は、第1曲げ弾性率を有する。第1曲げ弾性率は、約5000 PSIと約40000 PSIの間にあってもよい。第3層208を形成するために使用される第2熱可塑性材料は、第2曲げ弾性率を有する。第2曲げ弾性率は、約20000 PSIと約100000 PSIの間にあってもよい。第4層210を形成するために使用される第3熱可塑性材料は、第3曲げ弾性率を有する。第3曲げ弾性率は、約1000 PSIと約10000 PSIの間にあってもよい。これらの曲げ弾性率の範囲は重複するが、ある実施態様では、これらの材料の曲げ弾性率は指定の関係を有することが望ましい。ある実施態様では、第2熱可塑性材料の第2曲げ弾性率は、第1熱可塑性材料の第1曲げ弾性率よりも大きいことが望ましい。さらに、第1熱可塑性材料の第1曲げ弾性率は、第3熱可塑性材料の第3曲げ弾性率よりも大きいことが望ましい場合がある。ある実施態様では、第2曲げ弾性率は、第1曲げ弾性率の少なくとも3倍であることが望ましい場合がある。

さらに、各種ボール層は硬度関係を有する。各材料の硬度は、その曲面において（ディンプル凹面ではなくボール上において）、ASTM D2240などの標準的試験プロトコールを用いて測定してもよい。本開示において硬度が参照される場合、その測定のために、上記のような試験プロトコールが使用されると理解しなければならない。第1層204は第1硬度を有する。第2層206は第2硬度を有する。第3層208は第3硬度を有する。第4層210は第4硬度を有する。ある実施態様では、第3硬度は第1硬度よりも大きく、第3硬度は第2硬度よりも大きく、且つ、第3硬度は第4硬度よりも大きい。ある実施態様では、第3硬度は、第4硬度よりも少なくとも10ショアＤ単位硬い。ある実施態様では、第3硬度は、少なくとも60ショアＤ硬度であってもよい。もっとも硬い層である内方カバー層208、特に、外方カバー層210よりも少なくとも10ショアＤ単位高い硬度を有する内方カバー層208を有するボールの使用は、比較的大きなスピンコントロールを可能としながら、その一方で、ボールの軟らかい感触を維持する。

ボールの各種層は、それぞれの反撥係数（COR）に基づいて特徴づけられてもよい。ある対象物のCORを測定するために、該対象物を、空気砲によって1秒当たり約40メートルの初速で発射する。対象物は、仕上げ済みボールの一部であってもよいし、完成ボールであってもよい。スティール板が、空気砲から約1.2メートルの所に配置され、スピード監視デバイスが、該空気砲から約0.6から約0.9メートルの距離に置かれる。対象物は空気砲から発射され、スピード監視デバイスを通過し、初速が決定される。次に、この対象物は、スティール板に当たり、跳ね返り、スピード監視デバイスを通過し、戻り速度が決定される。CORは、戻り速度の初速に対する比である。ある実施態様では、第1層204は、約0.79と0.92の間の第1CORを有することが望ましい場合がある。ある実施態様では、第1 CORは、約0.808であることが望ましい場合がある。コア212は、第2 CORを有する。ボール100は、第3 CORを有する。ある実施態様では、第1 CORは、第2 CORよりも高い方が望ましい場合がある。ある実施態様では、第1 CORは、第3 CORよりも高い方が望ましい場合がある。ある実施態様では、第3 CORは約0.77であると望ましい場合がある。ある実施態様では、第1 CORは、第3 CORよりも約0.38高い方が望ましい場合がある。このようなCOR特性を用いることによって、ボールの飛距離及び感触を最適とすることが可能となる場合がある。

ボール100にとって他の特性が望ましい場合がある。ある実施態様では、ボール100は、約80 g/cm³と90 g/cm³の間の慣性モーメントを有することが望ましい場合がある。このような慣性モーメントは、特にボール100をドライバーで打つ場合、望ましい距離及び軌道を生む場合がある。

さらに、第1層204の圧縮変形は、所望の範囲に納まるように設計されてもよい。コア212の圧縮変形又は偏向は、標準的試験法で測定してよい。具体的には、コア212に対し10 kgの初期力から130 kgの最終力を課す。130 kg力と10 kg力による変形量の差を、圧縮変形と見なす。ある実施態様では、コア212は、約2.2 mmと4.0 mmの間の圧縮変形を有することが望ましい場合がある。本開示において圧縮変形が言及される場合、その圧縮変形を決定するために、上記のような試験プロトコールが使用されることを理解しなければならない。

一例示実施態様では、第1層204は、約19 mmから約32 mmの第1厚み又は第1直径を有してもよく、ある実施態様では、約24.5 mmの直径を有してもよい。第1層204は、約8.30 gの第1重量を有してもよい。第1層204は、約3.68 mmの第1圧縮変形を有してもよい。第1層204は、約49ショアＤの第1硬度を有してもよい。第2層206は、約3.4 mmから約9.90
mmの第2厚みを有してもよく、ある実施態様では、約7.05
mmの第2厚みを有してもよい。第2層206は、約25.4 gの第2重量を有してもよい。第2層206は、約58ショアＤの第2硬度を有してもよい。コア212は、約2.2から約4.0 mmの第2圧縮変形を有してもよく、ある実施態様では、約3.05 mmの第2圧縮変形を有してもよい。第3層208は、約0.6 mmから約1.2 mmの第3厚みを有してもよく、ある実施態様では、約0.94 mmの第3厚みを有してもよい。第3層208は、約5.2 gの第3重量を有してもよい。第3層208は、約68ショアＤの第3硬度を有してもよい。組み合わせコア212、及び第3層208は、約2.75 mmの第3圧縮変形を有してもよい。第4層210は、約1.10 mmの第4厚みを有してもよく、ある実施態様では、第3層208の第3厚みよりも大きな第4厚みを有してもよい。第4層210は、約6.5 gの第4重量を有してもよい。第4層210は、約51ショアＤの第4硬度を有してもよい。第3厚と第4厚の結合厚は、少なくとも約1.93 mmであってもよい。ボール100は、少なくとも42.67 mmの合計直径を有してもよい。ボール100は、約45.4 gの合計重量を有してもよい。ボール100は、約2.65 mmの合計圧縮変形を有してもよい。

別の例示実施態様では、第1層204は、約24.40 mmから約24.60 mmの、第1厚又は直径を有してもよく、ある実施態様では、約24.55 mmの厚みを有してもよい。第1層204は、約8.15 gから約8.45 gの第1重量を有してもよく、ある実施態様では、約8.30 gの第1重量を有してもよい。第1層は、約49ショアＤから約53ショアＤの第1硬度を有してもよく、ある実施態様では、約51ショアＤの第1硬度を有する。ある実施態様では、第1層204は、一つ以上の高度に中和される酸性コポリマーを含む、材料の混合物から製造されてもよい。第2層206は、約6.85 mmから約7.15 mmの第2厚みを有してもよく、ある実施態様では、約7.00 mmの第2厚みを有してもよい。第2層206は、約24.25 gから25.15 gの第2重量を有してもよく、ある実施態様では、約24.7 gの第2重量を有してもよい。第2層206は、約60ショアDから64ショアDの第2硬度を有してもよく、ある実施態様では、約62ショアDの硬度を有してもよい。ある実施態様では、第2層206は、ブタジエンゴムを含む合成物から製造されてもよい。ある実施態様では、コア212は、約3.60 mmから約4.10 mmのコア圧縮変形を有してもよく、ある実施態様では、約3.85 mmの圧縮変形を有してもよい。ある実施態様では、中間層が、第1層204及び第2層206の間に挿入されてもよい。ある実施態様では、中間層は、少なくとも部分的にエチレン酢酸ビニールによって製造されるフィルムによって作製されてもよい。中間層は、約0.01 mmから約0.05 mmの中間層厚を有してもよく、ある実施態様では、約0.03 mmの中間層厚を有する。中間層は、約0.1 gの中間層重量を有してもよい。第3層208は、約0.80 mmから約1.1 mmの第3厚みを有してもよく、ある実施態様では、約0.95 mmの第3厚を有してもよい。第3層208は、約5.0 gから約6.2 gの第3重量を有してもよく、ある実施態様では、約5.6 gの第3重量を有してもよい。第3層208は、約65ショアＤから約69ショアDの第3硬度を有してもよい。第3層208は、部分的に、又は完全にポリウレタン樹脂から製造されてもよい。第4層210は、約1.00 mmから約1.20 mmの第4厚みを有してもよく、ある実施態様では、約1.10 mmの厚みを有してもよい。第4層210は、約6.0 gから約7.4 gの第4重量を有してもよく、ある実施態様では、約6.7 gの厚みを有してもよい。第4層210は、約53ショアＤから約57ショアDの第4硬度を有してもよく、ある実施態様では、約55ショアDの第4硬度を有してもよい。第4層210は、部分的に、又は完全にポリウレタン樹脂から製造されてもよい。これらの層によって作製されるボール100は、約42.67 mmから約42.90 mmのボール直径を有してもよい。ボール100は、約45.0 gから約45.8 gのボール重量を有してもよく、ある実施態様では、約45.4 gのボール重量を有してもよい。ボール100は、約2.25 mmから約2.75 mmのボール圧縮変形を有してもよく、ある実施態様では、約2.50 mmのボール圧縮変形を有してもよい。ボール100は、約0.778から約0.788のボールCORを有してもよく、ある実施態様では、約0.783のCORを有してもよい。

前述の硬度、曲げ弾性率、COR、及び圧縮特徴を有する各種層を持つ、前述の実施態様にしたがって製造されるゴルフボールは、その感触及びプレイ特徴が改善されると考えられる。ドライバーによって打たれると、コアのCORは、性能をコントロールする傾向を示し、ゴルファーは、長く、正確なドライブを経験する可能性がある。ショートアイアン又はウェッジによって打たれると、カバーの硬度は、感触及び性能をコントロールする傾向を示し、ゴルファーは、外方カバーが比較的軟らかく、内方カバーが比較的硬いために、感触の改善、スピン性の向上を経験する可能性がある。

さらに、これらの利点を強調するために、この層状物品については別様構築も可能と考えられる。例えば、ゴルフボールは、本開示と、米国特許第＿＿＿＿号、最近では、本発明と同日出願の、名称「高い初速を有するゴルフボール("Golf Ball Having High Initial Velocity")」なる、米国特許出願第＿＿＿＿号（代理人整理番号72-1196）に記載される論文の両方の教示にしたがって製造することが可能である。なお、この開示を引用によりその全体を本明細書に含める。

これまで本発明の各種実施態様が説明されてきたわけであるが、この説明は、限定的であるよりはむしろ例示的であることを意図するものであり、本開示の範囲内において、さらに多くの実施態様及び実行例が可能であることは当業者には明白であろう。したがって、本発明は、添付の特許請求項及びその等価物に徴することを除き、限定されてはならない。さらに、種々の改変及び変更が、添付の特許請求項の範囲内において実行することが可能である。

１００ボール
１０２外表面
２０４第1層（内方コア層）
２０６第2層（外方コア層）
２０８第3層（内方カバー層）
２１０第4層（外方カバー層）
２１２コア
２１４カバー

Claims

第1曲げ弾性率を有する第1層；
放射方向に第1層の外方に配される第2層；
放射方向に第2層の外方に配され、且つ、第2曲げ弾性率を有する第3層；
放射方向に第3層の外方に配され、且つ、第3曲げ弾性率を有する第4層、
を含むボールにおいて、
第2曲げ弾性率が、第1曲げ弾性率よりも大きく、第1曲げ弾性率が、第3曲げ弾性率よりも大きいことを特徴とする、ボール。
前記第1層が第1熱可塑性材料を含み、前記第3層が第2熱可塑性材料を含み、且つ、前記第4層が第3熱可塑性材料を含むことを特徴とする、請求項1に記載のボール。
前記第1熱可塑性材料が、アイオノマー樹脂、高度に中和される酸性ポリマー組成物、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、及びそれらの組み合わせの内の少なくとも一つを含み；
前記第2熱可塑性材料が、アイオノマー樹脂、高度に中和される酸性ポリマー組成物、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、及びそれらの組み合わせの内の少なくとも一つを含み；且つ、
前記第3熱可塑性材料が、アイオノマー樹脂、高度に中和される酸性ポリマー組成物、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、及びそれらの組み合わせの内の少なくとも一つを含む、
ことを特徴とする、請求項2に記載のボール。
前記第2熱可塑性材料が、前記第3熱可塑性材料と同じタイプの材料であることを特徴とする、請求項3に記載のボール。
前記第2層が、熱硬化材料を含むことを特徴とする、請求項1に記載のボール。
前記第1曲げ弾性率が、約5000 PSIと約40000 PSIの間にあり、前記第2曲げ弾性率が、約20000 PSIと約100000
PSIの間にあり、前記第3曲げ弾性率が、約1000 PSIと約10000 PSIの間にあることを特徴とする、請求項1に記載のボール。
前記第2曲げ弾性率が、前記第1曲げ弾性率の少なくとも3倍であることを特徴とする、請求項6に記載のボール。
前記第2曲げ弾性率が、前記第1曲げ弾性率の少なくとも3倍であることを特徴とする、請求項1に記載のボール。
前記第1層が第1反撥係数を有し、前記ボールが第2反撥係数を有し、且つ、第1反撥係数が第2反撥係数より大きいことを特徴とする、請求項1に記載のボール。
前記ボールが、約80 g/cm²と約90 g/cm²の間の慣性モーメントを有することを特徴とする、請求項1に記載のボール。
前記第1層と前記第4層の間にマントル層をさらに含む、請求項1に記載のボール。
第1硬度を有する内方コア層；
放射方向に該内方コア層の外方に配され、第2硬度を有する外方コア層；
放射方向に該外方コア層の外方に配され、第3硬度を有する内方カバー層；
放射方向に該内方カバー層の外方に配され、第4硬度を有する外方カバー層、
を含むゴルフボールにおいて、
第3硬度は、第1硬度より大きく、第3硬度は、第2硬度より大きく、且つ、第3硬度は、第4硬度よりも少なくとも10ショアＤ単位だけ大きい、
ことを特徴とするゴルフボール。
前記内方コア層は第1反撥係数を有し、前記ゴルフボールは第2反撥係数を有し、該第1反撥係数が、該第2反撥係数よりも大きいことを特徴とする、請求項12に記載のゴルフボール。
前記ゴルフボールが、約80 g/cm²と約90 g/cm²の間の慣性モーメントを有することを特徴とする、請求項12に記載のゴルフボール。
前記内方コア層と前記外方カバー層の間に配置されるマントル層をさらに含む、請求項12に記載のゴルフボール。
前記内方カバー層が、前記外方カバー層と同じタイプの材料を含むことを特徴とする、請求項12に記載のゴルフボール。
第1曲げ弾性率及び第1硬度を有する第1層；
放射方向に第1層の外方に配置され、第2硬度を有する第2層；
放射方向に第2層の外方に配置され、第2曲げ弾性率及び第3硬度を有する第3層；
放射方向に第3層の外方に配置され、第3曲げ弾性率及び第4硬度を有する第4層、
を含む層状物品において、
第2曲げ弾性率が第1曲げ弾性率よりも大きく、第1曲げ弾性率が第3曲げ弾性率よりも大きく；且つ、
第3硬度が第1硬度より大きく、第3硬度が第2硬度より大きく、且つ、第3硬度が第4硬度よりも少なくとも10ショアＤ単位だけ大きい、
ことを特徴とする層状物品。
前記第1層が第1反撥係数を有し、前記層状物品が第2反撥係数を有し、且つ、該第1反撥係数が該第2反撥係数よりも大きいことを特徴とする、請求項17に記載の層状物品。
前記第1層と前記第4層の間に配される第5層をさらに含む、請求項17に記載の層状物品。
前記第2曲げ弾性率が、前記第1曲げ弾性率の少なくとも3倍であることを特徴とする、請求項17に記載の層状物品。