JP2012039827A - 電力変換器の共振抑制制御装置 - Google Patents

電力変換器の共振抑制制御装置 Download PDF

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フィ チャン
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Abstract

【課題】電力変換器の出力側にLCフィルタを接続し、PWMなどを用いてパルス電圧を発生させるとき、スイッチング周波数がLCフィルタの共振周波数に近い場合には共振抑制制御が困難となる。
【解決手段】電力変換器の制御部に、設定された電圧指令値と前記LCフィルタのコンデンサ電圧Vcとの偏差信号をKp1・C倍する第1の比例要素と、この比例要素の出力とコンデンサ電流Icとの偏差信号をKp2・L倍する第2の比例要素、及びLCフィルタの伝達関数を打ち消すための擬似微分要素を有する帯域通過フィルタを設ける。この帯域通過フィルタから得られる制御量と電圧指令値V*を加算して電圧指令値V2*を生成し、この生成された電圧指令値V2*をLCフィルタ部に印加するよう構成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、直流交流電力変換器または交流直流電力変換器である電力変換器の共振抑制制御装置に係り、特に電力変換器の出力電圧平滑化のために設けられるLCフィルタによる共振を抑制する共振抑制制御装置に関するものである。
電力変換器としての、例えば直流交流電力変換器(以下インバータという)は、モータドライブ、瞬時電圧低下補償装置、無停電電源装置、電力系統連系装置等のように、様々なパワーエレクトロニクス製品に用いられている。
インバータは直流電圧をスイッチングして交流電圧を発生させるが、その際のインバータ出力電圧はパルス電圧であることから、電圧平滑化のためにLCフィルタを設置することが多い。
図10はインバータ1と負荷3との間に、リアクトルLとコンデンサCにより構成されたLCフィルタ2を接続した場合の使用形態を示したものである。
図10において、インバータ1に与える電圧指令値をV*、インバータ1が出力するパルス電圧をVINV、リアクトルLに流れるインバータ電流をIINV、コンデンサCに流れるコンデンサ電流をIC、コンデンサ電圧をVC、出力電流をIOUTとする。
また、図11はインバータ1と電力系統4との間にLCLフィルタ2aを接続した場合の使用形態を示したもので、出力リアクトルLOUTに流れる出力電流をIOUT、出力電圧をVOUTとしてそれぞれ電流、電圧を定義する。
図12(a)で示すLCフィルタを使用した場合に用いられる制御ブロック図は(b)図となる。つまり、電圧指令値V*と検出したコンデンサ電圧VCの偏差信号を1/sLで表現した伝達関数に入力してインバータ電流IINVを算出する。算出されたインバータ電流IINVと、検出された出力電流IOUTとの偏差信号をコンデンサ電流ICとして1/sCで表現した伝達関数に入力してコンデンサ電圧VCを求め、このコンデンサ電圧VCとなるよう共振抑制制御が実行される。
図13(a)で示したLCLフィルタを使用した場合に用いられる制御ブロック図は(b)となる。図13において、図12と同様に伝達関数1/sCで求められたコンデンサ電圧VCは、さらに出力電圧VOUTとの偏差信号が求められて1/LOUTと表現された伝達関数を経て出力電流IOUTが算出される。図12及び図13では、電圧指令値V*を印加したときのコンデンサ電圧VCと電圧指令値V*の伝達関数は(1)式であり、LCフィルタの共振周波数は(2)式で算出できる。ただし、sは演算子である。
Figure 2012039827
Figure 2012039827
インバータを用いて交流電圧を発生させる場合、一般に、電圧指令値と三角波キャリアを比較するPWMなどを用いてパルス電圧を発生させるが、そのとき、インバータのスイッチング周波数が、LCフィルタの共振周波数よりも十分に高い場合にはコンデンサ電圧の制御は容易である。しかし、スイッチング周波数が低く、LCフィルタの共振周波数に近い場合にはLCフィルタの共振を抑制することが困難となっている。なお、インバータの出力側に、LCフィルタ又はLCLフィルタを接続した装置の共振を抑制するものとしては、特許文献1によって公知となっている。
図14は、特許文献1における制御装置の制御ブロック図を示したものであり、この制御ブロック図を図12(b),図13(b)と同様な制御ブロック図に表現すると、図15で示す制御部10とLCフィルタ部20から構成された制御ブロック図となる。また、図16は図15で示す特許文献1の比例制御をsL,sCに置き換えた制御ブロック図である。
特開2006−136169
特許文献1のものは、図14〜16で明らかなように、コンデンサ電圧VC、伝達関数sL、コンデンサ電流IC、伝達関数sC、及びコンデンサ電圧VCを順番に打ち消してLCフィルタ部20の出力であるコンデンサ電圧VCを電圧指令値V*に一致させる制御となっているが、図15,16の制御部10は、積分要素を含まない比例制御や微分制御となっているため、定常偏差が残る問題を有している。
上記問題を解決する方法として、図17で示すように、図16の伝達関数sC,sLの代わりにPID1,PID2の比例積分微分制御器を用いた制御部10aとすることが考えられる。その場合、制御部10aのPID制御器が直列の二段接続となることからPID1,PID2の各演算に干渉が発生し、電圧指令値V*に対する応答と、共振抑制制御の応答を個別に設計することが困難となる。
さらに、図18で示すように、制御指令として電流指令値I*を用いて検出したインバータ電流IINVとの偏差信号を求め、その偏差信号をPI制御器に入力して電圧指令値V*を生成する方法も存在する。この方法では、PI,PID1,PID2の3個の制御器が直列に接続された構成となることから、この場合も電流指令値の応答と、共振抑制制御の応答を個別に設計することが困難となっている。
そこで、本発明が目的とするとこは、電力変換器のLCフィルタ共振抑制制御の補償周波数帯域を、この電力変換器の制御部と分離し、電力変換器の電圧指令値、又は電流指令値における基本周波数のステップ応答と共振抑制の応答を個別に設計が可能となる電力変換器の共振抑制制御装置を提供することにある。
本発明の第1は、リアクトルとコンデンサよりなるLCフィルタを出力側に接続した電力変換器の電圧指令を制御するための制御部、及び前記LCフィルタの出力電圧を制御するためのLCフィルタ部を備え、前記LCフィルタのコンデンサ電圧、コンデンサ電流、出力電流及び電力変換器の出力電流の何れかを検出して制御部へフィードバックし、設定された電力変換器の電圧指令値、若しくは電流指令値と検出値が指令値と一致するよう制御する共振抑制制御装置において、前記制御部に、前記設定された電圧指令値V*と前記LCフィルタのコンデンサ電圧Vcとの偏差信号をKp1・C倍する第1の比例要素と、
前記第1の比例要素より出力された電流指令値と前記LCフィルタのコンデンサ電流Icとの偏差信号をKp2・L倍する第2の比例要素と、第2の比例要素からの出力を入力し、前記LCフィルタの伝達関数を打ち消すための擬似微分要素を有する帯域通過フィルタを設け、
前記第2の比例要素からの出力が、前記帯域通過フィルタを通過することで得られる制御量と前記設定された電圧指令値V*を加算して電圧指令値V2*を生成し、この生成された電圧指令値V2*を前記LCフィルタ部に印加するよう構成したことを特徴としたものである。
ただし、CはLCフィルタのキャパシタンス、LはLCフィルタのリアクタンス。
本発明の第2は、前記LCフィルタの出力電流を入力してLCフィルタのインダクタンス値を乗じる微分要素を設け、算出された微分量と前記第2の比例要素の出力とを加算して前記帯域通過フィルタに入力するよう構成したことを特徴としたものである。
本発明の第3は、前記制御部へのLCフィルタからのフィードバック信号は、前記コンデンサ電圧Vcのみとしてコンデンサ電圧Vcのフィードバックルートに(sC/Kp1・C)+1となる伝達関数の要素を設け、この要素の出力と前記設定された電圧指令値V*の偏差信号を前記第1の比例要素に入力して電流指令値を算出し、この電流指令値を前記第2の比例要素に入力するよう構成したことを特徴としたものである。
本発明の第4は、前記帯域通過フィルタを通した制御量と前記設定された電圧指令値V*との加算に基づき生成された電圧指令値V2*を、伝達関数D(s)の変調部を介して前記LCフィルタ部へ出力するよう構成したことを特徴としたものである。
本発明の第5は、前記設定された電圧指令値V*を逆伝達関数E(s)のフィードフォワード補償部に入力して電圧指令値V1*を生成し、この電圧指令値V1*と前記コンデンサ電圧Vcのフィードバック信号との偏差信号を求め、この偏差信号を前記第1の比例要素に入力し、前記帯域通過フィルタを通過することで得られる制御量と前記電圧指令値V1*を加算して電圧指令値V2*を生成するよう構成したことを特徴としたものである。
本発明の第6は、前記設定された電圧指令値V*と前記コンデンサ電圧Vcの偏差信号を入力して比例積分演算を実行するPI制御器を設け、このPI制御器から出力される比例積分信号と前記設定された電圧指令値V*を加算して電圧指令値V1*を生成し、この電圧指令値V1*と前記コンデンサ電圧Vcの偏差信号を前記第1の比例要素に入力するよう構成したことを特徴としたものである。
本発明の第7は、前記制御部へのLCフィルタからのフィードバック信号は前記コンデンサ電流Icのみとし、コンデンサ電流Icのフィードバックルートに((1/sC)+(1/Kp1・C))となる伝達関数の要素を設け、この要素の出力と前記設定された電圧指令値V*の偏差信号を前記第1の比例要素に入力して電流指令値を算出し、この電流指令値を前記第2の比例要素に入力するよう構成したことを特徴としたものである。
本発明の第8は、前記フィードバック信号は、前記コンデンサ電流Icに変えて前記電力変換器の出力電流Iinvとし、この出力電流を前記((1/sC)+(1/Kp1・C))となる伝達関数の要素に入力してコンデンサ電流Icの推定値とするよう構成したことを特徴としたものである。
本発明の第9は、前記設定された電流指令値I*と前記電力変換器の出力電流Iinvの偏差信号を入力して電圧指令値V*を生成するPI制御器を設け、生成された電圧指令値V*と前記コンデンサ電圧Vcの偏差信号を前記第1の比例要素に入力するよう構成したことを特徴としたものである。
本発明の第10は、前記設定された電流指令値I*と前記出力電流Ioutの偏差信号を入力して比例積分演算を実行する第1のPI制御器と、この第1のPI制御器の出力信号と前記設定された電流指令値I*とを加算し、この加算信号と前記電力変換器の出力電流Iinvの偏差信号を入力して電圧指令値V*を生成する第2のPI制御器を設け、この電圧指令値V*と前記コンデンサ電圧Vcの偏差信号を前記第1の比例要素に入力するよう構成したことを特徴としたものである。
以上のとおり、本発明によれば、電圧指令値V*のフィードフォワード項と並列に、LCフィルタの共振周波数付近の電流や電圧の振動を抑制する制御量に帯域通過フィルタを施して補償周波数帯域を分離したことにより、LCフィルタの共振抑制ができると共に、電圧指令値のステップ応答と共振抑制制御応答が容易に、且つそれぞれが個別設計できるものである。
本発明の実施形態を示す共振抑制制御装置の制御ブロック図 本発明の他の実施形態を示す共振抑制制御装置の制御ブロック図 本発明によるボード線図 本発明の他の実施形態を示す共振抑制制御装置の制御ブロック図 本発明の他の実施形態を示す共振抑制制御装置の制御ブロック図 本発明の他の実施形態を示す共振抑制制御装置の制御ブロック図 本発明の他の実施形態を示す共振抑制制御装置の制御ブロック図 本発明の他の実施形態を示す共振抑制制御装置の制御ブロック図 本発明の他の実施形態を示す共振抑制制御装置の制御ブロック図 インバータの出力にLCフィルタを設置した構成図 インバータの出力にLCLフィルタを設置した構成図 LCフィルタとブロック図で、(a)はLCフィルタ、(b)はLCフィルタ対応の制御ブロック図 LCLフィルタとブロック図で、(a)はLCLフィルタ、(b)はLCLフィルタ対応の制御ブロック図 従来の共振抑制制御装置の制御ブロック図 従来の共振抑制制御装置の構成図 従来の共振抑制制御装置の原理図 PID制御時の従来の制御ブロック図 電流制御時の従来の制御ブロック図
図1は、本発明の第1の実施例を示す電力変換器の制御装置の概略図で、電力変換器としてインバータに適用した場合の例である。図1において、30は電圧指令値V2*を演算する制御部、40は図12(b)に相当するLCフィルタ部の制御ブロックである。制御部30には設定された電圧指令値V*が入力され、図10、又は図11で示すコンデンサ電圧VCの検出値と比較されてその偏差信号は第1の比例要素31に入力される。比例要素31は、Kp1・Cの比例ゲインを有し、入力された偏差信号は比例要素31においてでKp1・C倍されて電流指令値となる。この電流指令値は、減算部において検出されたコンデンサ電流ICが減算され、その偏差信号はKp2・Lの比例ゲインを有する第2の比例要素32に入力されてKp2・L倍され、さらに微分要素34の出力と加算される。
微分要素34は必須の要素ではないが、図12で示すLCフィルタ2(又は図13のLCLフィルタ2a)の出力電流IOUTの外乱成分を抑制するために設けたもので、出力電流にインダクタンスLを乗じた微分量を出力して比例要素32の出力と加算される。加算された制御量は、33で帯域通過フィルタ(HPF)が施され、その制御量に設定された電圧指令値V*を加算して電圧指令値V2*を生成する。電圧指令値V2*はLCフィルタ部40に出力されてコンデンサ電圧VCが電圧指令値V*と一致するよう制御される。
帯域通過フィルタ33は、LCフィルタの伝達関数を打ち消すために必要なs2LCを近似するための擬似微分の要素を持つ。そのために、第1、及び第2比例要素の比例ゲインをKp1.CとKp2.Lとすることで任意の共振抑制の応答にゲイン設計を可能とし、LCフィルタ部40の要素41,42の1/sL,1/sCを打ち消すために必要なsLとsCを近似した制御量が生成できる。また、この帯域通過フィルタ33により、共振抑制制御の応答を決める補償周波数帯域を分離する効果も得られる。
したがって、この実施例によれば、電圧指令値V*のフィードフォワード項と並列して、LCフィルタの共振周波数付近の電流や電圧の振動を抑制する制御量に帯域通過フィルタを施して補償周波数帯域を分離するよう構成したことにより、LCフィルタの共振抑制ができると共に、電圧指令値のステップ応答と共振抑制制御応答が容易に個別設計できるものである。
図2は、図1を変形した伝達関数算出のための制御ブロック図である。図2では、制御の簡単化のために帯域通過フィルタを一次のフィルタ33aとし、且つコンデンサ電圧VCと電圧指令値V*との比、VC/V*の伝達関数を算出する際にIOUT=0として計算する。また、図1では、コンデンサ電圧VCとコンデンサ電流ICの両方をフィードバックしているが、コンデンサ電流は、IC=sC・VCのようにコンデンサ電圧の微分量にキャパシタンスCを乗算した値と等しいので、図2では要素35を介してコンデンサ電圧VCのみをフィードバックしている。
図2において、LCフィルタ部40の伝達関数をA(s),制御部30の伝達関数をそれぞれB(s),C(s)とする。ここで、伝達関数B(s)は、図1における比例ゲインKp1.C,Kp2.Lとフィルタ33aを示している。伝達関数C(s)はコンデンサ電圧のみのフィードバックであることから、コンデンサ電流ICの項にはKp1.Cが不要となり、伝達関数C(s)のsCの項はKp1.Cで除算することで図1と等価になる。したがって、各伝達関数は(3)式となる。
Figure 2012039827
図2で示すブロック図からVC/V*の伝達関数を算出すると(4)式となる。(4)式は伝達関数をA(s)とそれを打ち消すための項との乗算となる。
Figure 2012039827
ここで、(4)式の1+s2LCを消去すると(5)式となり、帯域通過フィルタの時定数T、比例ゲインKp1,Kp2により分母の3次遅れが調整できることがわかる。
Figure 2012039827
図3は、(4)式の各項および(5)式のボード線図を示したものである。このボード線図は次のような条件で得られたものである。
基底周波数を60Hzとし、L=0.06(p.u),C=0.135(p.u)としてLCフィルタのインダクタンスとキャパシタンスを算出すると、共振周波数は667Hzとなる。この共振周波数から帯域通過フィルタの時定数TをT=1/(2π・667)=239μsecとする。また、制御部30の伝達関数B(s),C(s)のゲインは基底周波数の10倍の応答に設計すると、Kp1=Kp2=2π*60*10となる。この条件で(4)式と(5)式の伝達関数を求めたものである。
図3において、点線で示す線A(s)は本発明を用いない場合のLCフィルタの伝達関数である。本発明での伝達関数B(s)は、LCフィルタ部40の伝達関数A(s)を打ち消すために必要なs2LCに近似させた擬似微分要素を持つため、制御部30の伝達関数(B(s),C(s))のフィードバックがVC/V*の共振周波数付近で図3の一点鎖線のピークを減衰させるノッチフィルタとして機能する。そのため実線で示すVC/V*は、共振周波数667Hz付近ではピーク値と位相が急激に緩和される。
また、(5)式での分母の3次遅れを利用して、(6)式のように振動係数を1とした3次遅れの一般式の係数と、(5)式の分母の係数を比較することでゲイン設計ができる。これにより、任意の応答速度ωnによって比例ゲインKp1,Kp2、及び時定数Tの決定が可能となる。
Figure 2012039827
以上のように、本発明による制御部30の伝達関数(B(s),C(s))のフィードバックは、共振周波数付近でのピークを減衰させるノッチフィルタとして機能するため、このフィードバックが電圧指令値V*に含まれる基本周波数成分に与える影響は小さくなる。そのため、特許文献1と比較して共振抑制が基本周波数成分に与える影響が少なくなり、電圧指令値V*の応答と共振抑制の応答の個別設計が可能となる。
図4は電圧指令値を変調するための変調部を有する場合の実施例である。
一般に、インバータからパルス電圧を発生させる手段としてPWMなどの変調方法が採られる。36がそのための変調部で、算出された電圧指令値V2*を入力して変調D(s)を乗じた電圧がLCフィルタ部40に入力される。他は図2と同様である。変調部36を含めたVC/V*の伝達関数を算出すると(7)式となる。
Figure 2012039827
(7)式において、A(s),D(s)を消去すると(7)式の3次項に1/D(s)のみとなり、図2と同様の効果が得られると共に、変調部36の伝達関数D(s)の影響を少なくすことが可能となってPWMの非線形要素の影響も軽減できる効果が得られる。
図5は、制御部30へのフィードバックを図2におけるコンデンサ電圧VCに代えてコンデンサ電流ICとした場合の実施例である。(8)式から、コンデンサ電流ICを検出してコンデンサ電圧VCを推定することが可能である。この実施例では、検出したコンデンサ電流ICを伝達関数C´(s)を有する要素35aを介してフィードバックしたもので、この場合の伝達関数C´(s)の算出は(9)式となる。
Figure 2012039827
Figure 2012039827
図6は入力側にフィードフォワード補償部37を追加した場合の実施例で、他は図2と同様である。
電圧指令値V*とコンデンサ電圧VCには誤差が生じる。この実施例はVC/V*の伝達関数を1にするため、(5)式の逆伝達関数E(s)を予めフィードフォワード補償部37として追加したものである。電圧指令値V*はフィードフォワード補償部37においてE(s)を乗算して電圧指令値V1*を生成する。E(s)は(10)式によって求められ、また、図6におけるVC/V*の伝達関数は(11)式となってVC/V*を1にすることができる。
Figure 2012039827
Figure 2012039827
したがって、この実施例によれば、図1,2に示す実施例と同様な効果を奏すると共に、コンデンサ電圧VCを電圧指令値V*に忠実に追従させることが可能となる。
図1,図2や図4〜6ではLCフィルタからコンデンサ電圧VCやコンデンサ電流ICを検出して制御部30へフィードバックしている。フィードバック制御を行うためには、電圧,電流を検出するための検出器が必要になるが、インバータの制御には、図18で示すようにインバータ電流IINVをフィードバックする電流制御方法がある。本発明では、図18で示すように電流を制御するためにインバータ電流を検出する使用形態で、コンデンサ電圧VC,コンデンサ電流ICを検出することなくLCフィルタの共振抑制制御を可能とすることができる。
すなわち、インバータ電流IINVの高周波成分をLCフィルタにおけるコンデンサ電流の簡易的な推定値とし、この推定値電流I^Cを図5の要素35aにフィードバックする。この場合の推定電流I^Cは(12)式となる。
Figure 2012039827
したがって、この実施例によれば、インバータの電流制御を行う制御方法において、コンデンサ電圧VC,コンデンサ電流ICを検出することなくインバータ電流の検出のみでLCフィルタの共振抑制制御が可能となるものである。
図7は他の実施例を示す共振抑制制御のための構成図を示したものである。図7の構成で、図1の構成との相違は制御部30の入力側にPI制御器38を設けたことである。
この実施例では、コンデンサ電圧VCを電圧指令値V*に追従させるもので、そのために、PI制御器38は電圧指令値V*と検出されたコンデンサ電圧VCとの偏差信号を入力してPI演算を行い、そのPI演算値と電圧指令値V*との和を電圧指令値V1*としている。他は図1と同様である。
したがって、この実施例によれば、図1が有する効果の他に、コンデンサ電圧VCを電圧指令値V*に追従できるという効果を奏する。また、共振抑制制御の応答とは別に、PI制御器38のゲイン設計により電圧指令値の応答を決定することが可能となる。
図8は、共振抑制制御を実行しながらインバータ電流IINVを所望する電流波形に制御する場合の構成図である。
この実施例では、インバータ電流IINVを電流指令値I*に追従させるもので、そのために、PI演算器38aには電流指令値I*と検出されたインバータ電流IINVとの偏差信号を入力してPI演算を行って電圧指令値V*を算出する。他は図1と同様である。
したがって、この実施例によれば、図1が有する効果の他に、インバータ電流IINVを電流指令値I*に追従できるという効果を奏する。また、共振抑制制御の応答とは別に、PI制御器38のゲイン設計により電流指令値の応答を決定することが可能となる。
図9は他の実施例を示した共振抑制制御装置の構成図である。図8ではインバータ電流IINVを所望の電流波形に制御することは可能となるが、そのインバータ電流IINVがコンデンサに流れることで、LCフィルタの出力電流IOUTが所望する電流波形にはならない。この実施例はこの現象を解決したものである。そのために、LCフィルタは図13(a)で示すように出力リアクトルLOUTを備えたものが使用され、制御ブロックとしては同図(b)と表現されたものとなる。
図9において、第1のPI演算器38bには電流指令値I*と検出された出力電流IOUTとの偏差が入力されてPI演算が行われる。算出された信号は電流指令値I*と加算された後に、インバータ電流IINVを減算して電流指令値を生成する。生成された電流指令値は第2のPI演算器38cに入力されてPI演算が実行され、電圧指令値V*となる。電圧指令値V*はコンデンサ電圧Vcを減算し、その偏差を比例要素31でKp1・C倍して電流指令値を生成する。この電流指令値はコンデンサ電流ICとの差演算が実行された後に、比例要素32に入力されてKp2・L倍される。算出された制御量は、帯域通過フィルタ33を通過することで、LCフィルタ部40aの要素41,42及び43の1/sL,1/sC及び1/Loutを打ち消すために必要なsLとsCを近似した制御量が生成できる。
したがって、この実施例によれば、出力電流IOUTを電流指令値に追従することができる。他は図1と同様である。
なお、上記各実施例では、インバータを例に説明してきたが、交流直流電力変換器を含む他の電力変換器にも適用できることは勿論である。
1… インバータ
2(2a)… LCフィルタ
3… 負荷
4… 電力系統
30… 制御部
31… 第1の比例要素
32… 第2の比例要素
33(33a)… 帯域通過フィルタ
36… 変調部
37… フィードフォワード補償部
40… LCフィルタ部

Claims (10)

  1. リアクトルとコンデンサよりなるLCフィルタを出力側に接続した電力変換器の電圧指令を制御するための制御部、及び前記LCフィルタの出力電圧を制御するためのLCフィルタ部を備え、前記LCフィルタのコンデンサ電圧、コンデンサ電流、出力電流及び電力変換器の出力電流の何れかを検出して制御部へフィードバックし、設定された電力変換器の電圧指令値、若しくは電流指令値と検出値が指令値と一致するよう制御する共振抑制制御装置において、
    前記制御部に、前記設定された電圧指令値V*と前記LCフィルタのコンデンサ電圧Vcとの偏差信号をKp1・C倍する第1の比例要素と、
    前記第1の比例要素より出力された電流指令値と前記LCフィルタのコンデンサ電流Icとの偏差信号をKp2・L倍する第2の比例要素と、第2の比例要素からの出力を入力し、前記LCフィルタの伝達関数を打ち消すための擬似微分要素を有する帯域通過フィルタを設け、
    前記第2の比例要素からの出力が、前記帯域通過フィルタを通過することで得られる制御量と前記設定された電圧指令値V*を加算して電圧指令値V2*を生成し、この生成された電圧指令値V2*を前記LCフィルタ部に印加するよう構成したことを特徴とした電力変換器の共振抑制制御装置。
    ただし、CはLCフィルタのキャパシタンス、LはLCフィルタのリアクタンス
  2. 前記LCフィルタの出力電流を入力してLCフィルタのインダクタンス値を乗じる微分要素を設け、算出された微分量と前記第2の比例要素の出力とを加算して前記帯域通過フィルタに入力するよう構成したことを特徴とした請求項1記載の電力変換器の共振抑制制御装置。
  3. 前記制御部へのLCフィルタからのフィードバック信号は、前記コンデンサ電圧Vcのみとしてコンデンサ電圧Vcのフィードバックルートに(sC/Kp1・C)+1となる伝達関数の要素を設け、この要素の出力と前記設定された電圧指令値V*の偏差信号を前記第1の比例要素に入力して電流指令値を算出し、この電流指令値を前記第2の比例要素に入力するよう構成したことを特徴とした請求項1記載の電力変換器の共振抑制制御装置。
  4. 前記帯域通過フィルタを通した制御量と前記設定された電圧指令値V*との加算に基づき生成された電圧指令値V2*を、伝達関数D(s)の変調部を介して前記LCフィルタ部へ出力するよう構成したことを特徴とした請求項1乃至3の何れかに記載の電力変換器の共振抑制制御装置。
  5. 前記設定された電圧指令値V*を逆伝達関数E(s)のフィードフォワード補償部に入力して電圧指令値V1*を生成し、この電圧指令値V1*と前記コンデンサ電圧Vcのフィードバック信号との偏差信号を求め、この偏差信号を前記第1の比例要素に入力し、前記帯域通過フィルタを通過することで得られる制御量と前記電圧指令値V1*を加算して電圧指令値V2*を生成するよう構成したことを特徴とした請求項1乃至4の何れかに記載の電力変換器の共振抑制制御装置。
  6. 前記設定された電圧指令値V*と前記コンデンサ電圧Vcの偏差信号を入力して比例積分演算を実行するPI制御器を設け、このPI制御器から出力される比例積分信号と前記設定された電圧指令値V*を加算して電圧指令値V1*を生成し、この電圧指令値V1*と前記コンデンサ電圧Vcの偏差信号を前記第1の比例要素に入力するよう構成したことを特徴とした請求項1又は2記載の電力変換器の共振抑制制御装置。
  7. 前記制御部へのLCフィルタからのフィードバック信号は前記コンデンサ電流Icのみとし、コンデンサ電流Icのフィードバックルートに((1/sC)+(1/Kp1・C))となる伝達関数の要素を設け、この要素の出力と前記設定された電圧指令値V*の偏差信号を前記第1の比例要素に入力して電流指令値を算出し、この電流指令値を前記第2の比例要素に入力するよう構成したことを特徴とした請求項1記載の電力変換器の共振抑制制御装置。
  8. 前記フィードバック信号は、前記コンデンサ電流Icに変えて前記電力変換器の出力電流Iinvとし、この出力電流Iinvを前記((1/sC)+(1/Kp1・C))となる伝達関数の要素に入力してコンデンサ電流Icの推定値とするよう構成したことを特徴とした請求項7記載の電力変換器の共振抑制制御装置。
  9. 前記設定された電流指令値I*と前記電力変換器の出力電流Iinvの偏差信号を入力して電圧指令値V*を生成するPI制御器を設け、生成された電圧指令値V*と前記コンデンサ電圧Vcの偏差信号を前記第1の比例要素に入力するよう構成したことを特徴とした請求項1又は2記載の電力変換器の共振抑制制御装置。
  10. 前記設定された電流指令値I*と前記出力電流Ioutの偏差信号を入力して比例積分演算を実行する第1のPI制御器と、この第1のPI制御器の出力信号と前記設定された電流指令値I*とを加算し、この加算信号と前記電力変換器の出力電流Iinvの偏差信号を入力して電圧指令値V*を生成する第2のPI制御器を設け、この電圧指令値V*と前記コンデンサ電圧Vcの偏差信号を前記第1の比例要素に入力するよう構成したことを特徴とした請求項1又は2記載の電力変換器の共振抑制制御装置。
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