JP2012038791A - 抵抗器 - Google Patents

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秀典 植松
Seiji Seitoku
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Abstract

【課題】本発明は、抵抗値の修正を適切に行ないつつ、大電力にも対応する抵抗器を提供することを目的とするものである。
【解決手段】本発明の抵抗器8は、基板1と、前記基板1の上面に形成された少なくとも一対の第1の上面電極5、第2の上面電極6と、前記一対の第1の上面電極5、第2の上面電極6の間に形成されかつ電気的に接続している抵抗体2とを備え、前記抵抗体2には、同一直線上に形成された3個以上の溝3a〜3eからなる第1の抵抗値修正用トリミング溝群3が形成されているものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、各種電子回路や電子機器に用いられる抵抗器、その中でも特に発熱量が大きい抵抗器に関する。
抵抗器の抵抗値を修正する方法として、抵抗体に溝をつけて電流経路の幅を狭めることで抵抗値を修正するトリミングは知られている(特許文献1参照。)。
電流が流れる幅を狭くすると電流集中が生じ、その部分で発熱も集中して過熱することにより、その電流集中部が断線することも知られており、その性質を利用したヒューズも知られている(特許文献2参照。)。
特開昭56−148804号公報 特開平2−43701号公報
抵抗器において、抵抗値の精度は重要である。所定の比抵抗の物質を所定の幅と長さに形成すれば所望の抵抗値の抵抗器が得られる筈であるが、実際にはバラツキが大きい。
そこで、特許文献1のように抵抗体のトリミングを行なうことで、所望の抵抗値に修正する方法が知られている。しかし、抵抗体に対しトリミングを行なうと電流集中が生じる。抵抗器が比較的小電力用途であれば電流集中による発熱も少ないが、大電力用途の場合には、電流集中による発熱が大きくなり、抵抗器の破損、例えば抵抗体が焼けてヒューズのごとく断線してしまうとか、抵抗体が形成されている基板が割れるなどの現象を招くおそれがある。
本発明は、上記従来技術の課題に鑑み、抵抗値の修正を適切に行ないつつ、大電力にも対応する抵抗器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための、本発明は以下の手段を有している。
請求項1に記載の発明は、基板と、前記基板の上面に形成された少なくとも一対の上面電極と、前記一対の上面電極の間に形成されかつ電気的に接続している抵抗体とを備え、前記抵抗体には、同一直線上に形成された3個以上の溝からなる第1の抵抗値修正用トリミング溝群が形成されているものである。
請求項1に記載の発明は、上記構成により、抵抗値修正を行なうことによる抵抗値の精度向上を可能にしつつ、電流集中を分散させることで発熱も分散させて大電力用途への使用を可能にすることができるという作用効果を有する。
請求項2に記載の発明は、前記抵抗体には、前記第1の抵抗値修正用トリミング群の近傍に、前記第1の抵抗値修正用トリミング溝群が形成されている直線に平行な同一直線上に形成された3個以上の溝からなる第2の抵抗値修正用トリミング溝群が形成され、前記第1の抵抗値修正溝群の溝と溝の間における前記直線と直角な方向には前記第2の抵抗値修正溝群の溝が位置し、前記第2の抵抗値修正溝群の溝と溝の間における前記直線と直角な方向には前記第1の抵抗値修正溝群の溝が位置するものである。
請求項2に記載の発明は、上記構成により、電流の流れる経路が長くなるので、より抵抗値の修正幅を大きくすることができ、さらにより電流集中を分散させるので、より発熱を分散させることができ、より大電力の用途に使用可能となる作用効果を有する。
以上のように本発明の抵抗器は、抵抗値の精度の向上を可能としつつ、大電力への用途を可能とする効果を有するものである。
本発明の実施の形態1における抵抗器の斜視図 同抵抗器の平面図 同抵抗器をプリント基板に実装した際の正面断面図 本発明の実施の形態2における抵抗器の斜視図
(実施の形態1)
以下、実施の形態1を用いて、特に、請求項1に記載の発明について説明する。
図1は本発明の実施の形態1における抵抗器の斜視図、図2は同抵抗器の平面図、図3は同抵抗器をプリント基板に実装した際の正面断面図である。
基板1は電気的に絶縁体であるが、熱伝導性が良好で、機械的強度や耐熱性に優れることが求められ、そのような点から、アルミナが用いられる。
抵抗体2は基板1上に形成されている。抵抗体の材質は、抵抗器の目的によっても異なる。AgPbを用いる抵抗体は一般的であるが、非常に低い抵抗値の抵抗体の場合には、CuNiなどを用いた抵抗体が使用される。
第1の抵抗値修正用トリミング溝群3は、抵抗体2に形成された溝3a〜3eの5つの溝の集合体である。この溝3a〜3eは、抵抗値を修正するために形成されたもので、具体的にはレーザーが照射されることによって形成される。また、溝3a〜3eは、直線上に並んで形成されている。
第1の抵抗値修正用トリミング溝群4も第1の抵抗値修正用トリミング溝群3と同様に抵抗体2に形成された溝4a〜4eの5つの溝の集合体である。溝4a〜4eを形成する目的や具体的な形成方法は溝3a〜3eと同様であり、また、直線上に並んで形成されている点も同様である。
第1の上面電極5は抵抗体2と電気的に接続し、基板1の端面と接し、さらに基板1の裏面の端部にまで形成されている。第1の上面電極5は図3に示すように略コ字状である。
第2の上面電極6も第1の上面電極5と同様であり、基板1の第1の上面電極5が形成された端面と相対向する端面を含んで略コ字状に形成されている。
放熱板7は基板1の裏面に形成されており、基板1の熱を放熱させる役割の一部を担っている。
以上より抵抗器8は構成されている。この抵抗器8の製造方法は、抵抗値のトリミング、即ち、第1の抵抗値修正用トリミング溝群3と第1の抵抗値修正用トリミング溝群4を形成すること以外はよく知られた技術なので、その説明は省略する。
第1の抵抗値修正用トリミング溝群3および第1の抵抗値修正用トリミング溝群4は抵抗体2の抵抗値をモニタしながらレーザーを抵抗体2に照射して形成される。このとき、レーザーを連続的に照射するのではなく、レーザーの光軸は連続的に移動させながら、レーザーの照射を不連続的に行なうことで可能となる。
このように、抵抗値修正によるトリミングの溝3a〜3e、溝4a〜4eをそれぞれ一直線上で5個にしているので、電流の経路が第1の抵抗値修正用トリミング溝群3で4個、第1の抵抗値修正用トリミング溝群4で4個となるので、電流が分散され電流集中を分散させることができ、電流集中による抵抗器8の過熱を防止することができる。
従って、大電流あるいは大電力の電流経路に本発明の抵抗器8を配置させることができる。
次に、本実施の形態の抵抗器8の実装状態の一例について説明する。
図3において、プリント基板9は一般的なガラスとエポキシからなるものを用いている。プリント基板9上には導体10aと導体10bとが形成されており、導体10aは第1の上面電極5と導体10bは第2の上面電極6とそれぞれ電気的に接続している。これらの電気的接続は半田14a、14bを用いて行なわれている。
プリント基板9には、抵抗器8より一回り小さな開口部が形成されており、この開口部に放熱ブロック12が入り込んでいる。放熱ブロック12は熱伝導性に優れた物質がよく、その点ではAlなどは好適である。この放熱ブロック12の上面には放熱用導体11が形成されており、放熱用導体11は放熱板7と良熱伝導接着剤15により接着されている。
放熱板13はプリント基板9の裏面に形成された熱伝導性に優れた物質からなるものである。
以上のような構成にすることで、抵抗体2で発生した熱が基板1を通り、放熱ブロック12を介して放熱板13へ流れるので、効率良く放熱を行なうことが出来るので、より大電流や大電力の用途にも抵抗器8を使用することが可能となる。
(実施の形態2)
以下、本発明の実施の形態2を用いて、特に、請求項2に記載の発明について説明をする。
図4は本発明の実施の形態2における抵抗器の斜視図である。実施の形態1との違いは、第1の抵抗値修正用トリミング溝群3の近傍に一直線上に形成された溝20a〜20dの4個の溝の集合体である第2の抵抗値修正用トリミング溝群20を形成し、第1の抵抗値修正用トリミング溝群4の近傍に溝21a〜21dの4個の溝の集合体である第2の抵抗値修正用トリミング溝群21を形成したことである。
溝3a〜3eと溝20a〜20dとはそれぞれが形成された直線に対して互いに平行であり、溝4a〜4eと溝21a〜21dともそれぞれが形成された直線に対して互いに平行である。
また、溝3a〜3eと溝20a〜20dとは千鳥状の配置となるように形成されており、第1の抵抗値修正用トリミング溝群3において溝3a〜3eが形成されていない部分、即ち電流が流れる部分の第1の抵抗値修正用トリミング溝群3に対する直角方向には溝20a〜20dの何れかが位置するようになっており、さらに第2の抵抗値修正用トリミング溝群20において溝20a〜20dが形成されていない部分、即ち電流が流れる部分の第2の抵抗値修正用トリミング溝群20に対する直角方向には溝3a〜3e何れかが位置するようになっている。
第1の抵抗値修正用トリミング溝群4と第2の抵抗値修正用トリミング溝群21との関係もこれと同様である。
このような構成にすることで、電流経路が長くなり、より抵抗値を上昇させることができ、トリミングによる抵抗値修正の幅を増やすことができる。
当然ながら、電流集中が生じる場所を分散させるので、抵抗器8における過熱を防止することができる。
以上、実施の形態1および2で説明したように、本発明の抵抗器は、抵抗値修正による熱集中を分散させることができるので、抵抗値の精度が高く、大電流あるいは大電力の用途に使用することができる。
なお、第1の抵抗値修正用トリミング溝群3と第1の抵抗値修正用トリミング溝群4
については、溝の個数をそれぞれ5個、第2の抵抗値修正用トリミング溝群20と第2の抵抗値修正用トリミング溝群21においては溝の個数をそれぞれ4個としたが、これより多くしてもよい。その場合には、より熱集中の分散をすることができ、この点からは好ましいものとなる。また、これより少なくすることもできるが、最小でも3個の溝を形成して電流の経路を複数形成することが重要である。
また、実施の形態1および2において、第1の抵抗値修正用トリミング溝群として、第1の抵抗値修正用トリミング溝群3と第1の抵抗値修正用トリミング溝群4の2個を形成したが、1個であってもよいし、3個以上であってもよい。これらの第1の抵抗値修正用トリミング溝群を多くすると、電流集中部を分散させることができ、より大電力用途に適することになる。同様に、第2の抵抗値修正用トリミング溝群として、第2の抵抗値修正用トリミング溝群20と第2の抵抗値修正用トリミング溝群21の2個を形成したが、1個であっても良いし、3個以上であってもよい。
なお、実施の形態1および実施の形態2において、第1の上面電極5や第2の上面電極6を上面電極と裏面電極と端面電極の機能を持つ一つの構成要素からなる物としたが、複数の構成要素によりこれらの電極を構成してもよい。例えば、基板1の上面に上面電極を設け、裏面にも電極を設け、これらを接続するように基板1の端面に端面電極を形成してもよい。
なお、実施の形態1および2において、抵抗器8のサイズとしては、縦18mm、横18mm、厚み1mmのものを用いたが、これに限定されるものではない。これよりも大きなサイズにすると、より電流集中を防ぐことができるという利点を有することができるので、この点においては好ましいものとなる。また、抵抗値は30mΩとした。また、定格電圧は、放熱条件の影響が大きく左右するため一概には言えないが、抵抗器8単体での特性の点からは、10W以上を可能とし、放熱の条件次第ではあるが図3のような構造を採用するなどの手段をとることで35W程度での使用も可能である。但し、抵抗器8単体での条件であり、実装状態においてはプリント基板9との間の熱応力や半田の強度等を考慮する必要がある点に注意しなければならない。
本発明にかかる抵抗器は、電子機器などに使用することができ、特に大電流が流れる抵抗器として有用である。
1 基板
2 抵抗体
3 第1の抵抗値修正用トリミング溝群
4 第1の抵抗値修正用トリミング溝群
5 第1の上面電極
6 第2の上面電極
7 放熱板
8 抵抗器
9 プリント基板
10a 導体
10b 導体
11 放熱用導体
12 放熱ブロック
13 放熱板
14a 半田
14b 半田
15 良熱伝導接着剤

Claims (2)

  1. 基板と、
    前記基板の上面に形成された少なくとも一対の上面電極と、
    前記一対の上面電極の間に形成されかつ電気的に接続している抵抗体とを備え、
    前記抵抗体には、同一直線上に形成された3個以上の溝からなる第1の抵抗値修正用トリミング溝群が形成されている抵抗器。
  2. 前記抵抗体には、前記第1の抵抗値修正用トリミング群の近傍に、前記第1の抵抗値修正用トリミング溝群が形成されている直線に平行な同一直線上に形成された3個以上の溝からなる第2の抵抗値修正用トリミング溝群が形成され、
    前記第1の抵抗値修正溝群の溝と溝の間における前記直線と直角な方向には前記第2の抵抗値修正溝群の溝が位置し、
    前記第2の抵抗値修正溝群の溝と溝の間における前記直線と直角な方向には前記第1の抵抗値修正溝群の溝が位置する抵抗器。
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