JP2012036377A - 硬化性組成物並びにこれを用いたコーティング用組成物、及びこれらの硬化物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 下記一般式(1)で表されるオキセタン構造を有する化合物と、硬化剤とを含有する硬化性組成物とする。
(式中、R1は炭素数1〜4のアルキル基を示し、2つのR1は、互いに同一であっても異なっていてもよい。R2は、直鎖状又は分岐鎖状の炭素原子数2〜15のアルキレン基を示し、当該アルキレン基は、不飽和炭化水素基、芳香族炭化水素基、脂環式炭化水素基又はヘテロ原子を有していても良い。nは、ポリカ-ボネート基の平均繰り返し単位数であり、1〜30の実数を示す。なお、nが1を超える場合、それぞれのR2は、互いに同一でも異なっていてもよい。)
【選択図】 なし
Description
この光硬化性組成物は、例えば、紫外線等の光を照射することによって、光カチオン重合開始剤から発生したカチオンが、オキセタンやグリシジル基等を活性化することにより重合が起こり硬化性樹脂を与えるという組成物である。
[1] 下記一般式(1)で表されるオキセタン構造を有する化合物と、硬化剤とを含有する硬化性組成物である。
[2] 硬化剤が、エポキシ化合物、オキセタン化合物、フェノール化合物、カルボン酸無水物、ベンゾオキサジン化合物からなる群より選ばれる1種以上の硬化剤である前記[1]に記載の硬化性組成物である。
[3] 重合開始剤を含有する前記[1]又は[2]に記載の硬化性組成物である。
[4] 重合開始剤が、熱カチオン重合開始剤である前記[2]〜[4]のいずれか一つに記載の硬化性組成物である。
[5] 重合開始剤が、光カチオン重合開始剤である前記[2]〜[4]のいずれか一つに記載の硬化性組成物である。
[6] 一般式(1)中の2つのR1がメチル基又はエチル基である前記[1]〜[5]のいずれか一つに記載の硬化性組成物である。
[7] 前記[1]〜[6]のいずれか一つに記載の硬化性組成物を硬化させた硬化物である。
[8] 前記[1]〜[6]のいずれか一つに記載の硬化性組成物と有機溶媒を含有するコーティング用組成物である。
[9] 前記[8]のコーティング用組成物を硬化させた硬化物である。
本発明の硬化性組成物は、少なくとも、下記一般式(1)で表されるオキセタン構造を有する化合物と硬化剤とを含有する組成物を示す。
本発明の硬化性組成物に含有されるオキセタン構造を有する化合物は、前記一般式(1)で表される化合物である。なお、本発明では、一般式(1)で表されるオキセタン構造を有する化合物を単独で使用しても、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の分子一般式(1)で表されるオキセタン構造を有する化合物の製造方法は、特に制限されないが、例えば、一般式(2)で示されるポリカーボネートと一般式(3)で示される(3−アルキルオキセタン−3−イル)メタノールのエステル交換反応させる方法が挙げられる。
本発明で使用される硬化剤としては、オキセタンと重合可能な硬化剤であれば、特に制限されないが、例えば、オキセタン硬化剤、エポキシ硬化剤、フェノール硬化剤、カルボン酸無水物、ベンゾオキサジン硬化剤、シアネートエステル化合物、ビニルエーテル化合物等が挙げられる。なお、本発明では、これらの硬化剤を単独で使用しても、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
前記オキセタン硬化剤としては、例えば、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、4,4’−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ビフェニル、3−(メタ)アリルオキシメチル−3−エチルオキセタン、(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチルベンゼン、(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ベンゼン、4−フルオロ−[1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、4−メトキシ−[1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、[1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)エチル]フェニルエーテル、イソブトキシメチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、イソボルニルオキシエチル−(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、イソボルニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−エチルヘキシル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、エチルジエチレングリコール(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンタジエン−(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルオキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラヒドロフルフリル−(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−テトラブロモフェノキシエチル−(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−トリブロモフェノキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−ヒドロキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−ヒドロキシプロピル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ブトキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタクロロフェニル−(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ボルニル−(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、3,7−ビス(3−オキセタニル)−5−オキサノナン、3,3’−(1,3−(2−メチレニル)−プロパンジイルビス(オキシメチレン))−ビス(3−エチルオキセタン)、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、1,2−ビス[3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エタン、1,3−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]プロパン、エチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリシクロデカンジイルジメチレン−(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリメチルロールプロパントリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、1,4−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ブタン、1,6−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ヘキサン、ペンタエリスリトールトリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ポリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールヘキサキス−(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールペンタキス−(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジトリメチルロールプロパンテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、エチレンオキシド変性ビスフェノール−A−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、プロピレンオキシド変性ビスフェノール−A−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、エチレンオキシド変性水素化ビスフェノール−A−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、プロピレンオキシド変性水素化ビスフェノール−A−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、および/またはエチレンオキシド変性ビスフェノール−F−(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル等が挙げられる。なお、これらのオキセタン硬化剤の中には、市場でも入手することが可能なものがあり、その一例としては、宇部興産社製「ETERNACOLL(登録商標) EHO、OXBP、OXTP、OXMA」、東亞合成社製「OXT−101、121、211、221、212、610」等が挙げられる。なお、本発明では、これらのオキセタン硬化剤を単独で使用しても、又は2種以上を組み合わせても、更には本発明に記載の他の硬化剤と組み合わせて使用してもよい。
前記エポキシ硬化剤としては、例えば、2,2−ビス(4−グリシジルオキシフェニル)プロパン、グリシジルフェニルエーテル、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)ヘキサンジオエート、ジ(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)ヘキサンジオエート、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレートおよびエチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、ノボラック型エポキシ樹脂(例えば、フェノール、クレゾール、ハロゲン化フェノールおよびアルキルフェノールなどのフェノール類とホルムアルデヒドとを酸性触媒下で反応して得られるノボラック類とエピクロルヒドリン及び/又はメチルエピクロルヒドリンとを反応させて得られる樹脂)等が挙げられる。
前記ベンゾオキサジン硬化剤としては、例えば、下記構造式(A)で表される化合物、下記構造式(B)で表される化合物、3,4−ジヒドロ−3−メチル−2H−1,3−ベンゾオキサジン、3,4−ジヒドロ−3−フェニル−2H−1,3−ベンゾオキサジン、6,6’−(1−メチルエチリデン)ビス(3,4−ジヒドロ−3−フェニル−2H−1,3−ベンゾオキサジン)等が挙げられる。また、これらのベンゾオキサジン硬化剤としては、市販の四国化成工業社製ベンゾオキサジン、小西化学社製「BXZ−1(BS−BXZ9)、BXZ−2(BF−BXZ)、BXZ−3(BA−BXZ)」等が挙げられる。なお、本発明では、前記ベンゾオキサジン硬化剤を単独で使用しても、又は2種以上を組み合わせても、更には本発明に記載の他の硬化剤と組み合わせて使用してもよい。
本発明の硬化性組成物の硬化反応には、重合開始剤を必ずしも必要としないが、光カチオン重合開始剤や熱カチオン重合開始剤等の重合開始剤を添加することもできる。なお、本発明では、カチオン重合開始剤や熱カチオン重合開始剤をそれぞれ単独で使用しても、又は組み合わせ使用してもよい。
前記光カチオン重合開始剤としては、紫外線や可視光線等により、プロトン等のカチオンを発生させるものであれば特に制限されず、例えば、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩等が挙げられる。
なお、本発明では、光カチオン重合開始剤を単独で使用しても、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明で使用される熱カチオン重合開始剤としては、熱(加熱)によりオキセタンの開環及びカチオン重合を開始させることができる化合物から選ばれる少なくとも一種の化合物が挙げられる。
前記第四級アンモニウム塩としては、例えば、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラブチルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート、テトラブチルアンモニウムハイドロジェンサルフェート、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラエチルアンモニウム−p−トルエンスルホネート、N,N−ジメチル−N−ベンジルアニリニウムヘキサフルオロアンチモネート、N,N−ジメチル−N−ベンジルアニリニウムテトラフルオロボレート、N,N−ジメチル−N−ベンジルピリジニウムヘキサフルオロアンチモネート、N,N−ジエチル−N−ベンジルトリフルオロメタンスルホネート、N,N−ジメチル−N−(4−メトキシベンジル)ピリジニウムヘキサフルオロアンチモネート、N,N−ジエチル−N−(4−メトキシベンジル)トルイジニウムヘキサフルオロアンチモネート等が具体的に使用することが可能である。なお、本発明では、これらの第四級アンモニウム塩を単独で使用しても、又は2種以上を組み合わせても、更には他の重合開始剤と組み合わせて使用してもよい。
また、前記ホスホニウム塩としては、例えば、エチルトリフェニルホスホニウムヘキサフルオロアンチモネート、テトラブチルホスホニウムヘキサフルオロアンチモネート等が具体的に使用することが可能である。なお、本発明では、これらのホスホニウム塩を単独で使用しても、又は2種以上を組み合わせても、更には他の重合開始剤と組み合わせて使用してもよい。
そして、前記スルホニウム塩としては、例えば、トリフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルシネート、トリス(4−メトキシフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアルシネート、ジフェニル(4−フェニルチオフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアルシネートや、アデカオプトンSP−150(以下、旭電化社製)、アデカオプトンSP−170、アデカオプトンCP−66、アデカオプトンCP−77や、サンエイドSI−60L(以下、三新化学社製)、サンエイドSI−80L、サンエイドSI−100L、サンエイドSI−150Lや、CYRACURE UVI−6974(以下、ユニオン・カーバイド社製)、CYRACURE UVI−6990や、UVI−508(以下、ゼネラル・エレクトリック社製)、UVI−509や、FC−508(以下、ミネソタ・マイニング・アンド・マニュファクチュアリング社製)、FC−509や、CD−1010(以下、サーストマー社製)、CD−1011や、CIシリーズ(CI−2639等)の製品(日本曹達社製)等が具体的に使用することが可能である。なお、本発明では、これらのスルホニウム塩を単独で使用しても、又は2種以上を組み合わせても、更には他の重合開始剤と組み合わせて使用してもよい。
更に、本発明では、例えば、式(10)で示されるジアゾニウム塩(式中、Ar、Xはそれぞれ前記と同様である。)や、式(11)で示されるヨードニウム塩(式中、R6及びR7、Xはそれぞれ前記と同様である。)も熱カチオン重合開始剤として使用することが可能である。
本発明の硬化性組成物には、必要に応じて、例えば、他の樹脂や消泡剤、酸拡散制御剤、反応性希釈剤、光増感剤、脱水剤、界面活性剤、帯電防止剤、レベリング剤、シランカップリング剤、濡れ改良剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、無機微粒子、有機微粒子等の添加剤を添加することもできる。なお、本発明では、これらの添加剤を単独で使用しても、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の硬化性組成物及び後述のコーティング用組成物には、必要に応じて、有機溶媒を添加することもできる。
本発明の硬化性組成物は、前記の有機溶媒と混合する方法により、コーティング用組成物を製造することができる。
本発明の硬化性組成物と有機溶媒を含有するコーティング用組成物において、一般式(1)で表されるオキセタン構造を有する化合物の含有量は、使用環境及び/又は使用条件によっても異なるため特に限定されないが、前記有機溶媒1gに対して、好ましくは0.01〜100g、より好ましくは0.1〜50g、更に好ましくは0.1〜10g、特に好ましくは0.1〜5g使用される。
前記コーティング用組成物が使用される基材(被コーティング材)としては、特に限定されないが、例えば、自動車用部材等の金属製品、フィルムや成型品等のプラスチック製品、光学材料等のガラス製品、家具、ドア等の木材製品、壁紙等の紙などに好適に使用することができる。なお、これらの被コーティング材の形状は特に限定されず、どのような複雑な形状でもあってもよい。
本発明のコーティング用組成物の塗布方法としては、コーティングされた基材の使用環境によっても異なるため特に限定されないが、例えば、スピンコート法、はけ塗り、スプレー法(吹き付け)、ディップコート法、ブレードコート法、ロールコート法、インクジェット印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷、バーコート法、ダイコート法等の公知の方法で行うことができる。例えば、本発明のコーティング用組成物を自動車用部材へ使用する場合には、エアスプレー、エアレススプレー等のスプレー法、回転霧化塗装機又は静電塗装機等を用いた塗布方法が使用でき、また、例えば、プラスチックフィルムに塗布する場合には、グラビア印刷、フレキソ印刷などの印刷、ディップコート法、ブレードコート法、ロールコート法、バーコート法などの塗布方法が使用できる。なお、これらのコーティング用組成物の塗布の際には、例えば、基盤や下地への密着性等の観点から、被コート物に下塗り層を設けてもよい。また、本発明のコーティング用組成物に前記有機溶媒を含む場合には、例えば、前記塗布後に乾燥等により使用した有機溶媒の除去等の操作を行うことが好ましい。
本発明の硬化物は、前記一般式(1)で表されるオキセタン構造を有する化合物と硬化剤とを含有する硬化性組成物、又は本発明の硬化性組成物を含有するコーティング用組成物を、例えば、下記<硬化物の製造方法>に記載の方法によって硬化させた、硬化物、硬化皮膜等を示す。
本発明の硬化性組成物又はコーティング用組成物の製造方法、即ち、硬化方法としては、特に制限されず、紫外線等の光を照射する硬化方法やオーブン等により熱を加える硬化方法が挙げられる。なお、本発明では、前記光を照射する硬化方法或いは熱を加える硬化方法をそれぞれ単独で使用しても、又はこれらを組み合わせて使用して本発明の硬化物を製造してもよい。
本発明の硬化性組成物又はコーティング用組成物の光を照射する硬化方法において、照射する光は、可視光、赤外線、紫外線、X線、α線、β線、γ線、電子線などを用いることができる。中でも、安全性、反応効率などの工業性の観点などから紫外線が最も好ましく用いられる。用いられる紫外線の波長は200〜400nmが好ましく、好ましい照射条件としては、例えば、照度1〜1000mW/cm2、照射量0.1〜10000mJ/cm2である。活性エネルギー線の照射装置としては、例えば、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、エキシマランプなどのランプ光源、アルゴンイオンレーザーやヘリウムネオンレーザーなどのパルス、連続のレーザー光源等を用いることが可能である。
本発明の硬化性組成物又はコーティング用組成物の熱を加える硬化方法において、加熱温度及び加熱時間としては、基材の種類や硬化性組成物の量、要求される硬度等によって、それぞれ異なるが、例えば、室温(25℃)〜300℃の温度下で、1分〜1週間の時間をかけて行われる。
(1H−NMRの測定)
本発明の参考例で製造される一般式(1)で表されるオキセタン構造を有する化合物の1H−NMRスペクトル測定は、重クロロホルムに溶解してNMR測定用サンプルを調整し、ブルカー・バイオスピン社製「AVANCE500型」を使用して、ノンデカップリングで行った。
上記で得られた1H−NMRスペクトルデータより、分子末端のオキセタンに隣接するメチレン部位の水素原子(1H−NMRでの化学シフトの値;δ(ppm):4.20〜4.40)の積分値を1とした場合における、ポリカーボネート主鎖中のカーボネート基に隣接するメチレン部位の水素原子(1H−NMRでの化学シフトの値;δ(ppm):4.00〜4.20)の積分値との比を、前記一般式(1)中に示される繰り返し単位の分子構造の平均数(以降、平均繰り返し単位数と称することがある。)nとして示した。
本発明で得られた一般式(1)で表されるオキセタン構造を有する化合物の数平均分子量は、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC:ポリスチレン換算)から得られる数平均分子量であっても、又は1H−NMRスペクトルデータから得られる数平均分子量であってもよい。例えば、本発明の参考例、実施例では、前記で示された1H−NMRスペクトルデータより算出された平均繰り返し単位数nと繰り返し単位の構造の分子量の積に、更に分子末端部分の分子量を加味して算出した。
得られたスペクトルデータより、分子末端のオキセタンに隣接するメチレン部位の水素原子(1H−NMRでの化学シフトの値;δ(ppm):4.20〜4.40)の積分値をX、分子末端の水酸基に隣接するメチレン部位の水素原子(1H−NMRでの化学シフトの値;δ(ppm):3.50〜3.70)の積分値をY、分子末端のメチルカーボネート基のメチル基部位の水素原子(1H−NMRでの化学シフトの値:3.65〜3.85ppm)の積分値をZとし、オキセタン導入率(%)を[(X/2)/{(X/2)+(Y/2)+(Z/3)}]*100(%)として算出した。
本発明で得られる一般式(1)で表されるオキセタン構造を有する化合物、硬化物等の熱物性の測定は、DSC220C型(セイコー電子工業社製)を用いて、測定温度範囲を-100〜100℃として測定を行った。
撹拌装置・蒸留装置を備えた内容積300mlのガラス製フラスコにポリカーボネートジオール(1,6−ヘキサンジオールと炭酸ジメチルとを反応させて得られたポリカーボネートジオール;平均分子量2000;宇部興産製「ETERNACOLL(登録商標) UH−200」)96.99g(0.048mol)、ジメチルカーボネート26.21g(0.29mol)およびテトラブトキシチタン9.5mgを入れ、常圧下、アルゴンガス気流下、内温を徐々に昇温させながら、90℃〜180℃で5時間加熱撹拌した。この間、メタノールを含む液を蒸留で留去させた。その後、反応液に(3−エチルオキセタン−3−イル)メタノール22.53g(0.19mol)を加え、内温150℃で、反応容器内を徐々に減圧し、メタノールを留去させながら、36時間加熱撹拌した。反応終了後、得られた一般式(1)で表されるオキセタン構造を有する化合物(ヘキサメチレンポリカーボネートジオキセタン)は1H−NMR測定より、末端オキセタン導入率95.9%、数平均分子量1522、平均繰り返し単位数nは、8.77であった。また、DSC測定によるガラス転移点(Tg)は、−59.0℃であった。
撹拌装置・蒸留装置を備えた内容積500mlのガラス製フラスコに1,6−ヘキサンジオール95.51g(0.81mol)、ジメチルカーボネート291.23g(3.23mol)およびテトラブトキシチタン9.5mgを入れ、常圧下、アルゴンガス気流下、内温を徐々に昇温させながら、90℃〜150℃で17時間、引き続き内温150℃、10kPaで5時間加熱撹拌した。この間、メタノールを含む液を蒸留で留去させた。その後、更に、132℃、0.30kPaで蒸留し、数平均分子量236のポリカーボネート95.2gを得た。
撹拌装置・蒸留装置を備えた内容積200mlのガラス製フラスコに1,4−ブタンジオール50.0g(0.55mol)、ジメチルカーボネート99.96g(1.10mol)および酢酸亜鉛50mgを入れ、常圧下、アルゴンガス気流下、内温を徐々に昇温させながら、90℃〜150℃で15時間、引き続き内温150℃、5kPaで2時間加熱撹拌した。この間、メタノールを含む液を蒸留で留去させた。その後、更に、反応液に(3−エチルオキセタン−3−イル)メタノール23.31g(0.20mol)を加え、内温150℃で、反応容器内を徐々に減圧し、メタノールを留去させながら、100時間加熱撹拌した。反応終了後、得られた一般式(1)で表されるオキセタン構造を有する化合物は1H−NMRより、末端オキセタン導入率97.9%、数平均分子量1292、平均繰り返し単位数nは、8.94であった。また、DSC測定によるガラス転移点(Tg)は、−46.0℃であった。
撹拌装置・蒸留装置を備えた内容積200mlのガラス製フラスコに1,4−シクロヘキサンジメタノール55.6g(0.39mol)、ジメチルカーボネート138.95g(1.54mol)およびテトラブトキシチタン9.5mgを入れ、常圧下、アルゴンガス気流下、内温を徐々に昇温させながら、90℃〜150℃で9時間、引き続き内温180℃、10kPaで2時間加熱撹拌した。この間、メタノールを含む液を蒸留で留去させた。その後、更に、反応液に(3−エチルオキセタン−3−イル)メタノール51.39g(0.44mol)を加え、内温150℃で、反応容器内を徐々に減圧し、メタノールを留去させながら、100時間加熱撹拌した。反応終了後、得られた一般式(1)で表されるオキセタン構造を有する化合物は1H−NMRより、末端オキセタン導入率95.5%、数平均分子量636、平均繰り返し単位数nは、2.22であった。また、DSC測定によるガラス転移点(Tg)は、−28.5℃であった。
撹拌装置・蒸留装置を備えた内容積200mlのガラス製フラスコにポリカーボネートジオール(1,6−ヘキサンジオールと炭酸ジメチルとを反応させて得られたポリカーボネートジオール;平均分子量2000;宇部興産製「ETERNACOLL(登録商標) UH−200」)101.95g(0.051mol)、ジメチルカーボネート26.53g(0.29mol)およびテトラブトキシチタン9.5mgを入れ、常圧下、アルゴンガス気流下、内温を徐々に昇温させながら、90℃〜180℃で22時間加熱撹拌した。この間、メタノールを含む液を蒸留で留去させた。その後、反応液に(3−エチルオキセタン−3−イル)メタノール16.60g(0.14mol)を加え、内温150℃で、反応容器内を徐々に減圧し、メタノールを留去させながら、100時間加熱撹拌した。反応終了後、得られた一般式(1)で表されるオキセタン構造を有する化合物は1H−NMRより、末端オキセタン導入率98.9%、数平均分子量2015、平均繰り返し単位数nは、12.44であった。また、DSC測定によるガラス転移点(Tg)は、−56.3℃であった。
参考例1で得られたヘキサメチレンポリカーボネートジオキセタン(数平均分子量1522)2.0036gにテトラヒドロフラン1.02g添加し均一な溶液にした後、熱カチオン重合開始剤(三新化学工業社製「サンエイド SI−150L」)0.0389gを添加し、硬化性組成物を調製した。この硬化性組成物を直径4cmの円形の容器に充填し、オーブンで110〜130℃で6時間加熱することで、硬化物を得た。なお、得られた硬化物のDSC測定によるガラス転移点(Tg)は、−51.1℃であった。また、得られた硬化物については、赤外吸収スペクトル(Varian3100(VARIAN社製)の測定を行い、1741.7cm−1、1259.5cm−1(炭酸エステル部位に関する吸収)のピークを確認した。
参考例1で得られたヘキサメチレンポリカーボネートジオキセタン(数平均分子量1522)1.5220gにテトラヒドロフラン1.52g添加し均一な溶液にした後、2,2−ビス(4−グリシジルオキシフェニル)プロパン0.3801gと熱カチオン重合開始剤(三新化学工業社製「サンエイド SI−150L」)0.0210gを添加し、硬化性組成物を調製した。この硬化性組成物を直径4cmの円形の容器に充填し、オーブンで110〜130℃で8時間加熱することで、硬化物を得た。なお、得られた硬化物のDSC測定によるガラス転移点(Tg)は、−35.7℃であった。更に、得られた硬化物については、赤外吸収スペクトル(Varian3100(VARIAN社製)の測定を行い、1744.8cm−1、1255.9cm−1(炭酸エステル部位に関する吸収)のピークを確認した。
参考例1で得られたヘキサメチレンポリカーボネートジオキセタン(数平均分子量1522)1.5261gにテトラヒドロフラン1.01g添加し均一な溶液にした後、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート0.2592gと熱カチオン重合開始剤(三新化学工業社製「サンエイド SI−150L」)0.0463gを添加し、硬化性組成物を調製した。この硬化性組成物を直径4cmの円形の容器に充填し、オーブンで110〜130℃で6時間加熱することで、硬化物を得た。なお、得られた硬化物のDSC測定によるガラス転移点(Tg)は、−40.8℃であった。
参考例1で得られたヘキサメチレンポリカーボネートジオキセタン(数平均分子量1522)0.3052gにテトラヒドロフラン1.01g添加し均一な溶液にした後、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート2.7076gと熱カチオン重合開始剤(三新化学工業社製「サンエイド SI−150L」)0.0823gを添加し、硬化性組成物を調製した。この硬化性組成物を直径4cmの円形の容器に充填し、オーブンで110〜130℃で6時間加熱することで、硬化物を得た。なお、得られた硬化物のDSC測定によるガラス転移点(Tg)は、−38.1℃であった。
参考例1で得られたヘキサメチレンポリカーボネートジオキセタン(数平均分子量1522)2.5583gにテトラヒドロフラン1.01g添加し均一な溶液にした後、グリシジルフェニルエーテル0.5230gと熱カチオン重合開始剤(三新化学工業社製「サンエイド SI−150L」)0.0516gを添加し、硬化性組成物を調製した。この硬化性組成物を直径4cmの円形の容器に充填し、オーブンで110〜130℃で6時間加熱することで、硬化物を得た。なお、得られた硬化物のDSC測定によるガラス転移点(Tg)は、−35.7℃であった。また、得られた硬化物については、赤外吸収スペクトル(Varian3100(VARIAN社製)の測定を行い、1744.8cm−1、1258.0cm−1(炭酸エステル部位に関する吸収)のピークを確認した。
参考例1で得られたヘキサメチレンポリカーボネートジオキセタン(数平均分子量1522)2.5370gにテトラヒドロフラン1.01g添加し均一な溶液にした後、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン0.3904gと熱カチオン重合開始剤(三新化学工業社製「サンエイド SI−150L」)0.0543gを添加し、硬化性組成物を調製した。この硬化性組成物を直径4cmの円形の容器に充填し、オーブンで110〜130℃で6時間加熱することで、硬化物を得た。なお、得られた硬化物のDSC測定によるガラス転移点(Tg)は、−42.8℃であった。
参考例1で得られたヘキサメチレンポリカーボネートジオキセタン(数平均分子量1522)2.5319gにテトラヒドロフラン1.01g添加し均一な溶液にした後、4,4’−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ビフェニル0.6958gと熱カチオン重合開始剤(三新化学工業社製「サンエイド SI−150L」)0.0812gを添加し、硬化性組成物を調製した。この硬化性組成物を直径4cmの円形の容器に充填し、オーブンで110〜130℃で6時間加熱することで、硬化物を得た。なお、得られた硬化物のDSC測定によるガラス転移点(Tg)は、−38.1℃であった。また、得られた硬化物については、赤外吸収スペクトル(Varian3100(VARIAN社製)の測定を行い、1744.8cm−1、1256.5cm−1(炭酸エステル部位に関する吸収)のピークを確認した。
参考例2で得られたヘキサメチレンポリカーボネートジオキセタン(数平均分子量447)3.0127gにテトラヒドロフラン1.01g添加し均一な溶液にした後、熱カチオン重合開始剤(三新化学工業社製「サンエイド SI−150L」)0.1042gを添加し、硬化性組成物を調製した。この硬化性組成物を直径4cmの円形の容器に充填し、オーブンで110〜130℃で7時間加熱することで、硬化物を得た。なお、得られた硬化物のDSC測定によるガラス転移点(Tg)は、−7.7℃であった。また、得られた硬化物については、赤外吸収スペクトル(Varian3100(VARIAN社製)の測定を行い、1747.8cm−1、1259.1cm−1(炭酸エステル部位に関する吸収)のピークを確認した。
参考例2で得られたヘキサメチレンポリカーボネートジオキセタン(数平均分子量447)2.2515gにテトラヒドロフラン1.02g添加し均一な溶液にした後、2,2−ビス(4−グリシジルオキシフェニル)プロパン1.8908gと熱カチオン重合開始剤(三新化学工業社製「サンエイド SI−150L」)0.0945gを添加し、硬化性組成物を調製した。この硬化性組成物を直径4cmの円形の容器に充填し、オーブンで110〜130℃で6時間加熱することで、硬化物を得た。なお、得られた硬化物のDSC測定によるガラス転移点(Tg)は、−9.7℃であった。
参考例2で得られたヘキサメチレンポリカーボネートジオキセタン(数平均分子量447)2.2531gにテトラヒドロフラン1.01g添加し均一な溶液にした後、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート1.2747gと熱カチオン重合開始剤(三新化学工業社製「サンエイド SI−150L」)0.0797gを添加し、硬化性組成物を調製した。この硬化性組成物を直径4cmの円形の容器に充填し、オーブンで110〜130℃で6時間加熱することで、硬化物を得た。なお、得られた硬化物のDSC測定によるガラス転移点(Tg)は、−10.8℃であった。また、得られた硬化物については、赤外吸収スペクトル(Varian3100(VARIAN社製)の測定を行い、1745.6cm−1、1258.9cm−1(炭酸エステル部位に関する吸収)のピークを確認した。
参考例2で得られたヘキサメチレンポリカーボネートジオキセタン(数平均分子量447)2.2475gにテトラヒドロフラン1.01g添加し均一な溶液にした後、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン1.1704gと熱カチオン重合開始剤(三新化学工業社製「サンエイド SI−150L」)0.0898gを添加し、硬化性組成物を調製した。この硬化性組成物を直径4cmの円形の容器に充填し、オーブンで110〜130℃で7時間加熱することで、硬化物を得た。なお、得られた硬化物のDSC測定によるガラス転移点(Tg)は、−17.5℃であった。また、得られた硬化物については、赤外吸収スペクトル(Varian3100(VARIAN社製)の測定を行い、1745.6cm−1、1258.9cm−1(炭酸エステル部位に関する吸収)のピークを確認した。
参考例2で得られたヘキサメチレンポリカーボネートジオキセタン(数平均分子量447)2.2509gにテトラヒドロフラン1.01g添加し均一な溶液にした後、4,4’−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ビフェニル2.0729gと熱カチオン重合開始剤(三新化学工業社製「サンエイド SI−150L」)0.0995gを添加し、硬化性組成物を調製した。この硬化性組成物を直径4cmの円形の容器に充填し、オーブンで110〜130℃で6時間加熱することで、硬化物を得た。なお、得られた硬化物のDSC測定によるガラス転移点(Tg)は、−10.1℃であった。
参考例3で得られたテトラメチレンポリカーボネートジオキセタン(数平均分子量1292)3.0462gにテトラヒドロフラン1.00g添加し均一な溶液にした後、熱カチオン重合開始剤(三新化学工業社製「サンエイド SI−150L」)0.1231gを添加し、硬化性組成物を調製した。この硬化性組成物を直径4cmの円形の容器に充填し、オーブンで110〜130℃で7時間加熱することで、硬化物を得た。なお、得られた硬化物のDSC測定によるガラス転移点(Tg)は、−32.2℃であった。また、得られた硬化物については、赤外吸収スペクトル(Varian3100(VARIAN社製)の測定を行い、1739.7cm−1、1238.7cm−1(炭酸エステル部位に関する吸収)のピークを確認した。
参考例3で得られたテトラメチレンポリカーボネートジオキセタン(数平均分子量1292)2.2018gにテトラヒドロフラン1.00g添加し均一な溶液にした後、2,2−ビス(4−グリシジルオキシフェニル)プロパン0.6377gと熱カチオン重合開始剤(三新化学工業社製「サンエイド SI−150L」)0.1178gを添加し、硬化性組成物を調製した。この硬化性組成物を直径4cmの円形の容器に充填し、オーブンで110〜130℃で7時間加熱することで、硬化物を得た。なお、得られた硬化物のDSC測定によるガラス転移点(Tg)は、−20.9℃であった。また、得られた硬化物については、赤外吸収スペクトル(Varian3100(VARIAN社製)の測定を行い、1739.8cm−1、1240.6cm−1(炭酸エステル部位に関する吸収)のピークを確認した。
参考例3で得られたテトラメチレンポリカーボネートジオキセタン(数平均分子量1292)2.1708gにテトラヒドロフラン1.00g添加し均一な溶液にした後、4,4’−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ビフェニル0.6959gと熱カチオン重合開始剤(三新化学工業社製「サンエイド SI−150L」)0.0918gを添加し、硬化性組成物を調製した。この硬化性組成物を直径4cmの円形の容器に充填し、オーブンで110〜130℃で7時間加熱することで、硬化物を得た。なお、得られた硬化物のDSC測定によるガラス転移点(Tg)は、−28.6℃であった。また、得られた硬化物については、赤外吸収スペクトル(Varian3100(VARIAN社製)の測定を行い、1741.1cm−1、1240.5cm−1(炭酸エステル部位に関する吸収)のピークを確認した。
参考例4で得られた一般式(1)で表されるオキセタン構造を有する化合物(数平均分子量636)3.1562gにテトラヒドロフラン1.00g添加し均一な溶液にした後、熱カチオン重合開始剤(三新化学工業社製「サンエイド SI−150L」)0.1003gを添加し、硬化性組成物を調製した。この硬化性組成物を直径4cmの円形の容器に充填し、オーブンで110〜130℃で7時間加熱することで、硬化物を得た。なお、得られた硬化物のDSC測定によるガラス転移点(Tg)は、−28.6℃であった。また、得られた硬化物については、赤外吸収スペクトル(Varian3100(VARIAN社製)の測定を行い、1742.4cm−1、1242.8cm−1(炭酸エステル部位に関する吸収)のピークを確認した。
参考例4で得られた一般式(1)で表されるオキセタン構造を有する化合物(数平均分子量636)2.1284gにテトラヒドロフラン1.00g添加し均一な溶液にした後、2,2−ビス(4−グリシジルオキシフェニル)プロパン1.2381gと熱カチオン重合開始剤(三新化学工業社製「サンエイド SI−150L」)0.1084gを添加し、硬化性組成物を調製した。この硬化性組成物を直径4cmの円形の容器に充填し、オーブンで110〜130℃で7時間加熱することで、硬化物を得た。なお、得られた硬化物のDSC測定によるガラス転移点(Tg)は、18.5℃であった。また、得られた硬化物については、赤外吸収スペクトル(Varian3100(VARIAN社製)の測定を行い、1742.5cm−1、1245.1cm−1(炭酸エステル部位に関する吸収)のピークを確認した。
参考例4で得られた一般式(1)で表されるオキセタン構造を有する化合物(数平均分子量636)2.0809gにテトラヒドロフラン1.00g添加し均一な溶液にした後、4,4’−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ビフェニル1.3917gと熱カチオン重合開始剤(三新化学工業社製「サンエイド SI−150L」)0.1139gを添加し、硬化性組成物を調製した。この硬化性組成物を直径4cmの円形の容器に充填し、オーブンで110〜130℃で7時間加熱することで、硬化物を得た。なお、得られた硬化物のDSC測定によるガラス転移点(Tg)は、11.9℃であった。また、得られた硬化物については、赤外吸収スペクトル(Varian3100(VARIAN社製)の測定を行い、1743.5cm−1、1246.2cm−1(炭酸エステル部位に関する吸収)のピークを確認した。
参考例5で得られたヘキサメチレンポリカーボネートジオキセタン(数平均分子量2015)3.0900gにテトラヒドロフラン1.00g添加し均一な溶液にした後、熱カチオン重合開始剤(三新化学工業社製「サンエイド SI−150L」)0.1002gを添加し、硬化性組成物を調製した。この硬化性組成物を直径4cmの円形の容器に充填し、オーブンで110〜130℃で5時間加熱することで、硬化物を得た。なお、得られた硬化物のDSC測定によるガラス転移点(Tg)は、−47.7℃であった。また、得られた硬化物については、赤外吸収スペクトル(Varian3100(VARIAN社製)の測定を行い、1738.6cm−1、1247.0cm−1(炭酸エステル部位に関する吸収)のピークを確認した。
参考例5で得られたヘキサメチレンポリカーボネートジオキセタン(数平均分子量2015)3.0126gにテトラヒドロフラン1.01g添加し均一な溶液にした後、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート0.3770gと熱カチオン重合開始剤(三新化学工業社製「サンエイド SI−150L」)0.1012gを添加し、硬化性組成物を調製した。この硬化性組成物を直径4cmの円形の容器に充填し、オーブンで110〜130℃で7時間加熱することで、硬化物を得た。なお、得られた硬化物のDSC測定によるガラス転移点(Tg)は、−46.0℃であった。また、得られた硬化物については、赤外吸収スペクトル(Varian3100(VARIAN社製)の測定を行い、1739.6cm−1、1246.3cm−1(炭酸エステル部位に関する吸収)のピークを確認した。
参考例5で得られたヘキサメチレンポリカーボネートジオキセタン(数平均分子量2015)3.0167gにテトラヒドロフラン1.00g添加し均一な溶液にした後、4,4’-ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ビフェニル0.6328gと熱カチオン重合開始剤(三新化学工業社製「サンエイド SI−150L」)0.1191gを添加し、硬化性組成物を調製した。この硬化性組成物を直径4cmの円形の容器に充填し、オーブンで110〜130℃で7時間加熱することで、硬化物を得た。なお、得られた硬化物のDSC測定によるガラス転移点(Tg)は、−42.0℃であった。また、得られた硬化物については、赤外吸収スペクトル(Varian3100(VARIAN社製)の測定を行い、1741.5cm−1、1246.5cm−1(炭酸エステル部位に関する吸収)のピークを確認した。
次に、前記で得られた硬化物について評価を硬さと透明性の評価を行った。
中:適度な力を加えることで変形
硬:かなりの力を加えても変形せず
○:透明性が高い
△:白濁が見られる
×:透けて見えない
その結果を下記表1に示す。
Claims (9)
- 硬化剤が、エポキシ化合物、オキセタン化合物、フェノール化合物、カルボン酸無水物、ベンゾオキサジン化合物から選ばれる1種以上である請求項1記載の硬化性組成物。
- 重合開始剤を含有する請求項1又は2に記載の硬化性組成物。
- 重合開始剤が、熱カチオン重合開始剤である請求項3に記載の硬化性組成物。
- 重合開始剤が、光カチオン重合開始剤である請求項3に記載の硬化性組成物。
- 一般式(1)中の2つのR1がメチル基又はエチル基である請求項1〜5のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の硬化性組成物を硬化させた硬化物。
- 請求項1〜6のいずれか一つに記載の硬化性組成物を含有するコーティング用組成物。
- 請求項8に記載のコーティング用組成物を硬化させた硬化物。
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