JP2012034871A - 弾球遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】釣糸等の糸状体を付けた遊技球を不正に操作して遊技球の入賞を検出させる不正入賞行為を効果的に抑止することが可能な弾球遊技機を提供する。
【解決手段】遊技球が転動落下可能な遊技領域が形成された遊技盤と、遊技球を貯留する上球皿と、遊技球を遊技領域に打球発射する遊技球発射装置と、上球皿の遊技球を遊技球発射装置に供給する球供給通路6dと、遊技領域内に設けられて遊技球が入球可能な入賞口を有する入賞装置とを備えたパチンコ機であって、球供給通路内6dに軸部75を中心として回転自在に配設され、遊技球を受容可能な球受容部71aが形成された球送り回転体70と、球送り回転体70を回転駆動させる回転駆動機構80とを有する球送り装置60を備え、回転駆動機構80により球送り回転体70を一方向に回転駆動させることにより、球受容部71aに受容させた遊技球を上球皿側から遊技球発射装置側へと送る。
【選択図】図15

Description

本発明は、パチンコ機等の弾球遊技機に関し、更に詳細には、入賞口に入球した遊技球を不正に操作して連続的に遊技球の入賞を検出させる不正行為を防止するように構成した弾球遊技機に関する。
弾球遊技機の代表例であるパチンコ機には、前面に遊技領域を形成する遊技盤を立設姿勢で収容保持した前枠に対して、前面および背面に遊技球の処理経路を一体に設けるとともに、背面に各種制御基板が取り付けられる裏セット盤を取り付けて構成される。そして、上球皿に貯留された遊技球を球送り装置を用いて1球ずつ発射装置に送り、この発射装置により遊技領域上部に導いた遊技球を落下させる過程で遊技領域内に設けた各種の入賞装置に入賞させる遊技を行うように構成されている。上記球送り装置としては、遊技球を受容可能な凹溝が形成された回転体を備え、この回転体を上下に揺動させることで遊技球を送る構成のものが従来知られている(例えば、特許文献1を参照)。
このようなパチンコ機では、遊技球が一般入賞装置に入球した場合にはそれに対応した個数の賞球が払い出され、始動入賞装置に入球した場合にはこれに基づいて当り外れや演出パターンの抽選が行われるとともに所定個数の賞球が払い出されるようになっている。この抽選に当選して大当たりが発生したときには、遊技者に有利な特別遊技状態に移行して、一般にアタッカーと称される大入賞装置の入賞口が複数回連続的に開放し、入球個数に対応した相当数の賞球が払い出されることとなる。
特許第3996108号公報
パチンコ機には、各種入賞装置に対応して通過型センサ等からなる入賞球検出器が設けられており、この入賞装置に入球する遊技球が入賞球検出器を通過することによって該入賞装置での遊技球の入賞が検出され、入球個数に応じた賞球の払い出しや当り外れの抽選等が適時実行されるようになっている。ここで、正常な遊技では原則として遊技球1球につき1回のみ入賞球検出器への通過が検出されるものであるが、近年においては、所定長さの釣糸等の糸状体を固着させた遊技球を入賞装置に入球させて、該糸状体を手前に引っ張ったり奥側へ送り込んだりする不正な操作をすることで、この遊技球を入賞球検出器に何度も繰り返し通過させて(遊技球の連続入賞を検出させて)、多数の賞球を払い出させる不正入賞行為(ゴト行為)が頻発しており、その被害が大きな問題になってきている。そのため、遊技機メーカ各社においても、このような不正入賞行為を効果的に抑止する策を講じることが課題となっている。例えば特許文献1に開示された構成では、遊技球に固着された糸状体が何ら規制されることなく球送り装置を通過可能となっており、不正入賞行為を防止することが難しい。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、釣糸等の糸状体を付けた遊技球を不正に操作して遊技球の入賞を検出させる不正入賞行為を効果的に抑止することが可能な弾球遊技機を提供することを目的とする。
このような目的達成のために、本発明に係る弾球遊技機は、遊技球が転動落下可能な遊技領域が形成された遊技盤と、遊技球を貯留する球皿(例えば、実施形態における上球皿6)と、遊技球を前記遊技領域に打球発射する発射装置(例えば、実施形態における遊技球発射装置30)と、前記球皿の遊技球を前記発射装置に供給する球供給通路(例えば、実施形態における球供給通路6d)と、前記遊技領域内に設けられて遊技球が入球可能な入賞口を有する入賞装置(例えば、実施形態における一般入賞装置23、始動入賞装置24、大入賞装置25)とを備えた弾球遊技機であって、前記球供給通路内に回転軸部(例えば、実施形態における軸部75)を中心として回転自在に配設され、遊技球を受容可能な受容部(例えば、実施形態における球受容部71a)が形成された球送り回転体と、前記球送り回転体を回転駆動させる回転駆動手段(例えば、実施形態における回転駆動機構80)とを有する球送り装置(例えば、実施形態における球送り装置60)を備え、前記発射装置は、前記球送り回転体の回転に連動して1球ずつ遊技球を発射するように構成されており、前記回転駆動手段により前記球送り回転体を一方向に回転駆動させることにより、前記受容部に受容させた遊技球を前記球皿側から前記発射装置側へと送るように構成される。
なお、前記球送り回転体の前記受容部は、前記回転軸部が延びる軸方向に遊技球が通過可能に貫通形成されており、前記球送り回転体は、前記球皿側において前記球送り回転体の前記軸方向一方側から前記受容部に受容させた遊技球を、前記発射装置側において前記球送り回転体の前記軸方向他方側から前記受容部の外部に排出させることで、前記球皿側から前記発射装置側へと遊技球を送ることが好ましい。
また、前記球送り回転体は、前記軸方向一方側部分に前記軸方向に突出する爪部(例えば、実施形態における引掛け爪部278)を備えることが好ましい。
上述の弾球遊技機において、前記球皿の下方に、遊技球を貯留可能な第2の球皿(例えば、実施形態における下球皿7)が備えられており、前記球皿と前記発射装置とが、前記球供給通路によって繋がれ、前記球送り装置と前記第2の球皿とが、前記球送り装置から排出された遊技球を前記第2の球皿に導く球排出通路によって繋がれ、前記受容部に受容された遊技球を前記受容部内に位置させて支持する保持位置と、前記受容部に受容された遊技球を前記球排出通路に排出させる開放位置とに変位可能な支持底部(例えば、実施形態における揺動開閉部材63)を備えることが好ましい。
本発明に係る弾球遊技機は、回転駆動手段を用いて球送り回転体を一方向に回転駆動させることにより、受容部に受容させた遊技球を球皿側から発射装置側へと送るように構成されている。そのため、糸状体が固着された遊技球が球皿側から発射装置側へと送られる際には、糸状体を球送り回転体の回転軸部に巻き付けて絡ませることができるので、この遊技球が発射装置によって遊技領域に発射されることを防止できる。よって、糸状体を付けた遊技球を不正に操作して遊技球の入賞を検出させる不正入賞行為を効果的に抑止することが可能となる。
なお、球送り回転体は、軸方向一方側から受容部に受容させた遊技球を、軸方向他方側から受容部の外部に排出させることで、球皿側から発射装置側へと送るようになっていることが好ましい。この構成の場合、糸状体が固着された遊技球が球皿側から発射装置側へと送られる際、糸状体が受容部を貫通した状態で球送り回転体が回転駆動されるので、糸状体を球送り回転体の回転軸部に確実に巻き付けることが可能となる。
また、球送り回転体が、軸方向一方側部分に軸方向に突出する爪部を備えた構成が好ましい。このように構成すると、糸状体が固着された遊技球が球皿側から発射装置側へと送られる際、糸状体を爪部にも絡ませることが可能となり、この遊技球が発射装置によって遊技領域に発射されることを確実に防止できる。
上述の弾球遊技機において、受容部に受容された遊技球を受容部内に位置させて支持する保持位置と、受容部に受容された遊技球を球排出通路に排出させる開放位置とに変位可能な支持底部を備えたことが好ましい。この構成の場合には、支持底部を変位させるという簡易な構成でありながら、上球皿と遊技球発射装置との間に位置する待機遊技球を確実に下球皿に排出可能となり、遊技を終了させたい遊技者が球抜き操作により待機遊技球を確実に取り出すことが可能となる。
本発明に係るパチンコ機の正面図である。 上記パチンコ機の背面図である。 上記パチンコ機の平面図である。 上記パチンコ機の正面図であって、上球皿を開いた状態を示す。 上記パチンコ機における上球皿の正面図である。 上記パチンコ機における上球皿の背面図である。 上記パチンコ機における主制御装置および球払出制御装置の制御形態を主として示すブロック図である。 上記パチンコ機の回路構成を示すブロック図である。 遊技球発射装置および球送り装置の駆動に関するタイミングチャートである。 主制御装置における入賞処理の過程を示すフローチャートである。 主制御装置における払出コマンド受信処理の過程を示すフローチャートである。 球払出制御装置における概要処理の過程を示すフローチャートである。 主制御装置における払出処理の過程を示すフローチャートである。 本発明に係る球送り装置の平面図(一部省略)である。 図14中のXIV−XIV部分の断面図である。 (a)は回転駆動機構の平面図を、(b)は位置決め機構の平面図を、(c)は逆転防止機構の平面図をそれぞれ示す。 (a)〜(d)は回転駆動機構の駆動変移図を示す。 開閉部材の開閉状態を示す平面図であって、(a)は閉じた状態を、(b)は開いた状態をそれぞれ示す。 球送り回転体を示す図であって、(a)は平面図を、(b)は糸状体が巻き付いていない状態の断面図を、(c)は糸状体が巻き付いた状態の断面図をそれぞれ示す。 球排出通路の断面図であって、(a)は揺動開閉扉が閉じた状態を、(b)はXX(b)−XX(b)部分の断面図を、(c)は揺動開閉扉が開いた状態を、(d)は揺動開閉扉に糸状体が引掛かった状態をそれぞれ示す。 変形例としての球送り回転体を示す図であって、(a)は平面図を、(b)は断面図をそれぞれ示す。 変形例としての球送り回転体(糸状体が引掛かった状態)を示す図であって、(a)は平面図を、(b)は断面図をそれぞれ示す。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。以下においては、本発明に係る弾球遊技機の代表例としてのパチンコ機に適用した例について説明する。まず、図1〜図7を参照しながら、本発明に係るパチンコ機(パチンコ機PM)の全体構成について概要説明する。
パチンコ機PMは、図1に示すように、外郭方形枠サイズに構成されて縦向きの固定保持枠をなす外枠1の開口前面に、これに合わせた方形枠サイズに構成された開閉搭載用の前枠2が互いの正面左側上下に配設されたヒンジ機構3により前方に横開き開閉および着脱が可能に取り付けられ、正面右側に設けられた施錠装置4を利用して常には外枠1と係合連結された閉止状態に保持される。
前枠2の前面側上部には、ガラス扉5が前方に横開き開閉および着脱可能に取り付けられ、正面右側に設けられた施錠装置4を利用して常には前枠2の前面を覆う閉止状態に保持される。ガラス扉5の背後に位置する前枠上部には、遊技盤20を着脱可能に収容する収容枠が設けられており、この収容枠に立設姿勢で係止保持された遊技盤20がガラス扉5を通して視認されるようになっている。
遊技盤20は、所定板厚の積層合板の表面にセルを貼り付けてルータ加工した化粧板21を基板とし、この化粧板21の前面に外レール22aと内レール22bと囲まれて遊技球が転動可能な円弧状の遊技領域PAが区画形成される。遊技領域PAには、多数本の遊技釘とともに風車や各種の入賞装置23,24,25、遊技の展開状況に応じた図柄を表示させる図柄表示装置27、左右のサイドランプなどの遊技構成部品が取り付けられ、遊技領域PAの下端部にアウト口28が形成されている。
図2に示すように、化粧板21の裏面側には中央部に図柄表示装置27の作動を制御する図柄表示制御装置56が取り付けられ、その周囲には各入賞具に落入して化粧板21の裏面側に導かれたセーフ球、およびアウト口28を通って化粧板21の裏面側に導かれたアウト球(これらをまとめて「遊技済み球」と称する)を、化粧板21の背面に沿って裏セット盤40の遊技済み球排出通路に導く球寄せカバー29が取り付けられている。
図4に示すように、前枠2の表側中間部には、遊技補助盤9と称される補助機構部が設けられるとともに、この遊技補助盤9の前方に上球皿6が前方に横開き開閉および着脱可能に取り付けられ、正面右側に設けられた球皿施錠装置を利用して常には遊技補助盤9の前面を覆う閉止状態に保持される。上球皿6の下側には、下球皿7が前方に突出して取り付けられ、その右側に遊技球の発射操作を行う発射ハンドル8が取り付けられている。
上球皿6は、図3および図5に示すように、正面視略矩形に形成された外装体6aと、この外装体6aに取り付けられた皿体6bとを主体に構成される。皿体6bの正面左上方部には遊技球Bを貯留する球貯留部6cが設けられるとともに、この球貯留部6cから遊技球発射装置30に近接された球送り装置60へと全体として斜めに(パチンコ機PMの正面から見て左上から右下方向に)延びるように球供給通路6dが形成されている。また、上球皿6の後面側中央下部には、後方に向けて開口された球抜き穴6uが形成されるとともに、球送り装置60から球抜き穴6uへと全体として斜めに(パチンコ機PMの正面から見て右上から左下方向に)延びるように球排出通路6eが形成されている。さらに、図5および図6に示すように、上球皿6には、上球皿6を閉止状態にしたときに後述する遊技球発射装置30の近傍に位置するように本発明に係る球送り装置60が取り付けられている。なお、球送り装置60の構成については後述する。
前枠2の裏面下部の遊技補助盤9には、発射ハンドル8の操作量(回動操作量)に応じた打ち出し強度で遊技球を遊技領域PAへ打ち出し可能に構成された遊技球発射装置30が取り付けられている。この遊技球発射装置30の近傍に位置して、板状のレールベース38と、このレールベース38に保持されて斜めに延び、遊技発射装置30のハンマー31に叩打された遊技球をガイドして外レール22aに向けて発射させる発射レール39とが設けられている。発射レール39は、前枠2の下部スペース(遊技補助盤9)にパチンコ機PMの正面から見て右下方から左上方に向かって延びるように設けられており、その延長線上には外レール22aが配置されている。また、遊技補助盤9の中央下部には、下球皿7に形成された球貯留部(図示せず)に繋がる球排出口36が前方に向けて開口形成されている。上球皿6の球抜き穴6uは、上球皿6を閉止状態にしたときに球排出口36と前後に近接対向する位置に形成されている。
一方、前枠2の後面側には、図2に示すように、裏セット盤40が前枠2の後方に横開き開閉および着脱可能に取り付けられ、常には遊技盤20の裏面を覆う閉止状態に保持されている。裏セット盤40は、中央部に遊技盤20の図柄表示制御装置56を受容する窓口41aを有して外枠1の内寸サイズよりも幾分小さめの方形枠状に形成された基枠体41をベースとして構成される。裏セット盤40の裏面側には、基枠体41の左上部に取り付けられ遊技球を貯留する球貯留タンク42、球貯留タンク42の下方に位置して設けられ遊技球の払い出しを行う球払出装置44、球貯留タンク42と球払出装置44との間を結んで設けられ球貯留タンク42に貯留された遊技球を整列させて球払出装置44へ導く案内通路43、球払出装置44の下方に設けられて球払出装置44から払い出された遊技球を上下の球皿6,7へ導く球払出通路45等が設けられている。
また、裏セット盤40の裏面各部には、パチンコ機PMの作動を統括的に制御する主制御装置51や、遊技球の払い出し作動を制御する球払出制御装置52、効果照明や効果音の作動制御を行うランプ・音声制御装置53、各制御装置や電子部品に電力を供給する電源ユニット54、遊技施設側と信号や電力の入出力を行うターミナル基板55、図柄表示装置27の作動を制御する図柄表示制御装置56、遊技球発射装置30の作動を制御する発射装置制御基板57等の各種制御装置や制御基板、電子部品などが取り付けられ、これらが図示しないコネクタケーブルで接続されてパチンコ機PMが作動可能に構成される(図2および図3参照)。
さて、このように概要構成されるパチンコ機PMにあって、遊技領域PAに発射された遊技球が各入賞装置に落入したときの遊技球の払い出し処理について、関連する各部の構成をもう少し詳しく説明する。遊技盤20に設けられる入賞装置には、その外観意匠や入賞時の動作を含めて種々の形態のものがあり、ゲージ設定に応じてどのような形態の入賞装置を用いるものであってもよいが、本実施形態では一般入賞装置23、始動入賞装置24、大入賞装置25の3種類の入賞装置を設けた例を示している(図1参照)。
一般入賞装置23は、遊技球が落入可能な入賞口23aを有する固定入賞具であり、この一般入賞装置23の後部には入賞口23aに落入したセーフ球を化粧板21の裏面側へ導くセーフ球通路が設けられている。入賞口23aに落入したセーフ球はセーフ球通路を通って化粧板21の裏面側に排出され、該裏面側に設けられた入賞球検出器23sを通過することによって入賞が検出されるようになっている。入賞球検出器23sは、遊技球の通過を検出可能な通過型センサである限り特に限定されず、例えば、磁気センサや光センサ、近接スイッチ等の非接触動作型でも、マイクロスイッチのような接触動作型でもよい(以下に示す入賞球検出器24s,25s,25tにおいても同様とする)。
始動入賞装置24は、いわゆる電動チューリップ型の可動入賞具であり、左右のチューリップ羽根を開閉させて入賞口24aを拡大・縮小変化させることができる。始動入賞装置24の後部には入賞口24aに落入したセーフ球を化粧板21の裏面側へ導くセーフ球通路が設けられている。入賞口24aに落入したセーフ球はセーフ球通路を通って化粧板21の裏面側に排出され、該裏面側に設けられた入賞球検出器24sを通過することによって入賞が検出されるようになっている。
大入賞装置25は、いわゆるアタッカー型の可動入賞装置であり、横長方形状の大入賞口25aを覆う開閉扉が開閉可能に取り付けられている。開閉扉は通常閉止されており、遊技中における所定の入賞条件の下で特別遊技状態が成立したときに、開閉扉の上部が前方に倒されて大入賞口25aが開放される。大入賞口25aの内部には左右2つの領域開口が設けられており、大入賞装置25の後部には上記二つの領域開口に繋がって化粧板21を貫通する二つのセーフ球通路が設けられている。大入賞口25aに落入したセーフ球はいずれかの領域開口からセーフ球通路を通って化粧板21の裏面側に排出され、該裏面側に領域開口に対応して設けられた入賞球検出器25s,25tを通過することによって入賞が検出されるようになっている。なお、入賞球検出器23s,24s,25s,25tにより検出された遊技球は、球寄せカバー29、遊技済み球排出通路を流下して遊技島の回収装置に排出される。
以上のように構成されるパチンコ機PMは、ガラス扉5および上球皿6がともに閉止施錠された状態で遊技に供され、上球皿6に遊技球を貯留させて操作ハンドル8を回動操作することにより遊技が開始される。操作ハンドル8が回動操作されると、上球皿6に貯留された遊技球がこの上球皿6に装着された球送り装置60によって1球ずつ発射レール39の下端部に送り出され、遊技球発射装置30のハンマー31によって1球ずつ遊技盤20の遊技領域PAに打ち出され、遊技球が遊技領域PAを転がり落ちることにより、以降パチンコゲームが展開される。
さて、ここで、遊技球発射装置30および球送り装置60の制御について、図8および図9を参照して説明する。
遊技球発射装置30は、遊技球の発射球数を適正な個数として1分間に100発程度を発射する機能に設定され、モータの1回転、或いはソレノイドの1往復により1球の発射がなされるようになっており、モータの基準位置、或いはソレノイドの非通電位置が発射待機時の駆動装置の位置に設定される。一方、球送り装置60は、打球の発射終了後、次の遊技球発射装置30の発射動作の開始(モータの回転開始、或いはソレノイドの駆動開始)と同時、或いはこれに先立って次発の遊技球を発射待機位置に送り出すようになっている。ここで、遊技球発射装置30の打球能力を均一化するために、遊技球発射装置30には打球直前までに適正位置に停止した状態で遊技球を供給することが望ましい。したがって、遊技球発射装置30に遊技球を供給する球送り装置60には、打球終了後、なるべく早く、しかも一定のタイミングで適正位置(発射待機位置)に遊技球を供給する構成が求められている。
そこで、本実施形態のパチンコ機PMは、上記目的を達成するために、図8に示すように、基準クロック(T1)発生回路32、基準クロック分周回路33a、発射許可判定回路33b、球送ソレノイド駆動トリガ発生回路34a、発射モータ駆動トリガ発生回路34b、発射強度判定回路34c、球送ソレノイド電源供給回路35aおよび発射モータ電源供給回路35bを備える。
基準クロック発生回路32は、遊技球発射装置30の駆動タイミングを決定する基準となるクロック発生回路であり、水晶発振器等により構成される。基準クロック分周回路33aは、基準クロック発生回路により発生した基準クロックを分周する。そして、第一の出力パルスとして、666ms周期毎に発射モータを駆動開始できるような発射基準信号を発生するとともに、この発射基準信号から所定時間遅延した(本実施例では丁度反転した)タイミングで第2の出力パルスとして、同じく666ms周期毎に球送りソレノイドを駆動開始できるような球送り基準信号を発生させる回路である。具体的には、カウンタICとフリップフロップ回路ICとから構成される。
発射許可判定回路33bは、球払出制御装置52を介して入力される発射許可信号や発射ハンドル8の操作状態(発射ハンドル8を把持しているか等)に基づいて発射許可を行うか否かを判定する回路である。具体的には、各種入力信号を論理系のIC(OR回路やXOR回路、NAND回路等)により演算して発射許可信号が出力されるように構成される。発射モータ駆動トリガ発生回路34bは、発射許可信号が発射許可を示すものであることを条件に、前述した球送り基準信号を発射モータ電源供給回路35bに出力するものである。より具体的には、定期的に入力される発射基準信号の出力タイミングで、発射許可がなされていた場合に発射モータ駆動トリガ発生回路34bは、発射モータの駆動基準信号を発射モータ電源供給回路35bに出力する。換言すると、発射許可判定回路33bの判定状況は発射基準信号のタイミング毎にしか反映されない構成になっており、許可信号が外部ノイズにより変化した場合でも、基準信号と同期しない限り問題にならないという副次的効果が得られるようになっている。
発射強度判定回路34cは、発射ハンドル8の操作量に基づいて発射強度を判定するものである。具体的には、発射ハンドル8内に設けられた可変抵抗器により可変する電流値と基準電流値との相関関係に基づいて発射モータ(ソレノイド)の通電量を決定する。球送ソレノイド電源供給回路35aは、球送ソレノイド駆動トリガ発生回路34aからの信号に基づいて球送ソレノイドに所定時間電源を供給する。発射モータ電源供給回路35bは、発射モータ駆動トリガ発生回路34b、発射強度判定回路34cからの信号に基づいて発射モータに所定時間電源を供給する。球送ソレノイド駆動トリガ発生回路34aは、球送基準信号に基づいて球送ソレノイドの駆動トリガを発生させる。なお、分周回路から出力される球送基準信号をそのまま利用することも可能である。
具体的には、パチンコ機PMにおいては、図9に示すように、基準クロック発生回路32により発生したクロックのn分周した分周信号の立ち上がりを発射許可発生回路33aに供給することで、発射モータ(発射ソレノイド)の駆動開始トリガとし、発射ハンドル88の操作に応じて発射強度判定回路34cに適宜タイミング分遅延した第二のクロックを生成し、基準クロックの立ち上がりに同期して遊技球発射装置30を駆動させるとともに、第二のクロックの立ち下がりに同期して球送り装置60を駆動させている。これにより、発射終了後、定期的に球送り装置60を駆動することができ、安定的な発射タイミングを生成することができる。なお、1分間に100発程度を発射する機能に設定している理由としては、設定値が大きいと遊技盤上の球数が多くなり遊技盤の途中で球づまりが発生する(いわゆるブドウ状態)可能性が高くなり、反対に設定値を小さくすると遊技機の売り上げが減少することが挙げられる。
図7には、主制御装置51および球払出制御装置52の制御形態を主として示すブロック図を示しており、この図7を参照しながらパチンコ機PMの制御構成について説明する。
この図7に示すように、入賞球検出器23s,24s,25s,25tの検出信号は主制御装置51に出力されており、主制御装置51は入力された検出信号に基づいてパチンコ機PMの作動を統括的に制御する。例えば、遊技領域PAを転がり落ちる遊技球が一般入賞装置23に落入すると、入球した遊技球が入賞球検出器23sを通過する際に入賞が検出され、その検出信号が主制御装置51に入力される。主制御装置51は、この検出信号から、遊技球が入賞装置に落入したこと、および入賞した入賞装置が一般入賞装置23であることを検知し、球払出制御装置52に対して入賞条件に応じた球払出指令コマンドを出力して球払出装置44を作動させ、一般入賞装置23に入賞した場合の賞球として予め設定された所定個数の遊技球を上球皿6に払い出させる。
また、始動入賞装置24に遊技球が落入して入賞球検出器24sから検出信号が出力されると、主制御装置51はこの検出信号から、遊技球が落入したこと、および入賞した入賞装置が始動入賞装置24であることを検知し、この入賞条件に応じた遊技プログラムを呼び出して実行する。具体的には、主制御装置51内で図柄の組み合わせ抽選を行うとともに、図柄表示制御装置56に抽選結果を出力して図柄表示装置27に表示させる図柄を変動および停止制御させ、停止図柄の組み合わせに応じた作動、例えばランプ・音声制御装置53を介してサイドランプの点滅表示やスピーカによる効果音の発生等を行わせる。また、主制御装置51は、球払出制御装置52に対して入賞条件に応じた球払出指令コマンドを出力して球払出装置44を作動させ、始動入賞装置24に入賞した場合の賞球として予め設定された所定個数の遊技球を上球皿6に払い出させる。
主制御装置51による抽選結果が大当たりである場合(変動停止時の図柄が大当たりの図柄で停止する場合)、図柄表示装置27には、例えば、スロットマシンの図柄表示を模した装飾図柄を一致させるような表示態様を有して表示され、特別遊技が実行される。特別遊技においては、大入賞装置25の作動により大入賞口25aが開放される。そして、例えば、大入賞口25aが約30秒間開放された後、または9球以上の遊技球が大入賞装置25に入賞した後、大入賞口25aが一旦閉鎖され、このような開閉動作が所定回数(例えば15回)継続して繰り返される。大入賞装置25に遊技球が落入する度に、予め設定された所定個数の遊技球が賞球として球払出装置44より払い出される。なお、入賞に応じて払出される賞球数は、始動入賞装置24よりも一般入賞装置23の方が多く、さらに一般入賞装置23よりも大入賞装置25の方が多く設定されている。
ここで、賞球払い出し動作について、図10〜図13を参照しながらより具体的に説明する。図10には、主制御装置51における入賞処理400のフローチャートを、図11には、主制御装置51における払出コマンド受信処理500のフローチャートを、図12には、球払出制御装置52における概要処理600のフローチャートを、図13には、主制御装置51における払出処理700のフローチャートをそれぞれ示す。
主制御装置51は、図10に示すように、ステップS410で入賞の有無を判定するとともに、ステップS420およびステップS430で判定された入賞口に応じて、入賞個数毎に設けられた入賞個数バッファに記憶されている入賞個数データに1加算する(ステップS421、ステップS431およびステップS432)。
また、主制御装置51は、図11に示すように、ステップS510で、いずれかの入賞個数バッファに入賞記憶が存在した場合(入賞個数データが1以上の入賞個数バッファが存在していた場合)に受信される払出コマンドの有無を判定する。続いて、ステップS520で、球払出制御装置52からの払出関連の異常の有無を示す通信がある(エラーコマンドを受信している)場合には、ステップS521において球払出制御装置異常設定がなされる。また、ステップS530で、払出関連のエラー復帰コマンドを受信している場合には、ステップS531において、球払出制御装置正常設定がなされる。続いて、ステップS540で、払出要求コマンドを正常に受信していると判定された場合には、ステップS541において、対応する賞球バッファを1減算する処理が行われる。次に、ステップS550で、払出完了コマンドを受信していると判定された場合には、ステップS551において賞球払出中フラグがオフとされ、払出完了コマンドを受信していないと判定された場合には、ステップS552においてその他のコマンドに応じた処理が行われる。
球払出制御装置52は、図12に示すように、ステップS610でコマンド受信の有無を判定し、ステップS620で受信したコマンドが正常でないと判定すると、ステップS621でコマンド異常情報を主制御装置51に送信する。続いて、ステップS630で、正常なコマンドが賞球コマンドであると判定されると、ステップS631で正常受信コマンドを主制御装置51に送信し、賞球コマンド以外であると判定されると、ステップS632においてコマンドに応じた処理が行われ、正常受信コマンドを主制御装置51に送信する。そして、ステップS640で賞球コマンドに応じた賞球の払出動作を実行する。球払出制御装置52を正常に駆動させて払出処理が行われ、ステップS650で適切な賞球払出処理が終了したと判定されると、ステップS660で払出完了コマンドを主制御装置51に送信する。
主制御装置51は、図13に示すように、ステップ710で賞球払出し中フラグがオンでないと判定され、ステップS720で球払出制御装置52が正常と判定され、ステップS730で10個賞球バッファがあると判定されると、ステップS731で10個賞球コマンドを送信するとともに10個賞球バッファを減算する。また、ステップS740で15個賞球バッファがあると判定されると、ステップS741で15個賞球コマンドを送信するとともに15個賞球バッファを減算する。さらに、ステップS750で3個賞球バッファがあると判定されると、ステップS751で3個賞球コマンドを送信するとともに3個賞球バッファを減算する。そして、ステップS760で、賞球払出し中フラグがオンとされる。
なお、複数の入賞個数バッファに入賞記憶が存在した場合には、最も賞球の少ない入賞個数バッファの払出処理を優先することが望ましい。これは、球皿に残存する遊技球が少ないときに、多くの個数を払い出したほうが、遊技が停滞しにくいためである。 また、入賞個数データの減算タイミングを払出終了コマンドの受信のタイミングで行っているが、これは、球払出制御装置52にバックアップ電源を接続していない前提で、不慮の電断が生じ払出途中で払出処理が中断した場合でも、遊技者に不利益を与えないための処理である。従って、球払出制御装置52側にバックアップ機能を有している場合等や、レアケースとして処理する場合(遊技者の不利益を考慮しない、換言すればホール側の不利益を防止することを優先する場合)には、図13の破線に示すように賞球コマンドの送信タイミング或いは、正常受信コマンドの受信タイミングで減算処理しても良い。
以上ここまで、パチンコ機PMの全体構成および制御構成について概要説明した。このように概要構成されるパチンコ機PMにおいて、正常な遊技では原則として遊技球1球につき1回のみ入賞球検出器への通過が検出されるものであるが、近年においては、入賞装置に落入した1個の遊技球を不正な操作によって入賞球検出器に連続して検出させて、多数の賞球を払い出させる不正入賞行為(ゴト行為)が発生している。
この不正入賞行為の代表的な手口を概要説明すると、まず、所定長さを有する釣糸等の糸状体の一端側を接着剤等を用いて遊技球に固着させ、この糸状体の他端側を不正行為者自身が掌で掴み、このような細工を施した遊技球(以下において「糸付球」と称する)を上球皿6に貯留された他の遊技球の間に忍ばせて、他の遊技球とともに上球皿6から1球ずつ順番に遊技球発射装置30へ供給させて遊技球発射装置30により発射レール39から外・内レール22を通して遊技領域PA内へ送り込む。糸付球が遊技領域PAまで達すると、ガラス扉5の外側から強力な磁石を用いてこの遊技球を入賞装置(1回の賞球数が最も多い一般入賞装置23が狙われ易い傾向にある)まで誘導して当該入賞装置の入賞口へ落入させる。遊技球が入賞口からセーフ球通路に導かれて入賞球検出器を通過すると、主制御装置51により遊技球の入賞が検出されて球払出装置44により入賞条件に応じた個数の賞球が上球皿6へ払い出されることになる。不正行為者は、このように賞球が払い出されたことをもって、糸付球がターゲットである入賞球検出器へ到達したことを認識し、自身の掌に掴んでいる糸状体の他端側を手前に引っ張ったり奥側へ送り込んだりする操作をして、糸付球を入賞球検出器に何度も繰り返し通過させることで、遊技球の連続入賞を不正に検出させて多数の賞球を獲得している。これが、最近になって発生している糸付球を用いた不正入賞行為の全貌である。
そこで、パチンコ機PMは、このような不正入賞行為を効果的に防止できる球送り装置60を搭載することで、不正入賞行為を遂行できないように構成されている。それでは、球送り装置60の構成について、図14〜図18を参照しながら以下に説明する。
球送り装置60は、図14および図15に示すように、内部に中空部61aが形成された収容筐体61、この収容筐体61内に回転自在に支持された球送り回転体70、この球送り回転体70の上部に設けられた回転駆動機構80、位置決め機構85および逆転防止機構90から構成される。なお、図14には、回転駆動機構80、位置決め機構85および逆転防止機構90を省略した球送り装置60の平面図を示している。
球送り回転体70は、上下に貫通形成された4つの球受容部71aを有する円盤状の回転送り部71と、この回転送り部71の中心部に上下に延びて形成された軸部75とから構成される。なお、本実施形態では、0度、90度、180度および270度の各角度位置に球受容部71aが形成された球送り回転体70を例示している。
収容筐体61は、略円筒状に形成されており、前側上部に遊技球が流入可能な流入開口(図示せず)が形成されており、この流入開口に球供給通路6dの端部が接続されている。この収容筐体61の中空部61aには、上記流入開口を囲むように案内壁62が下方に向けて立設されており、球供給通路6dからの遊技球が確実に球受容部71aに受容されるようになっている。また、収容筐体61の中空部61aに、軸部75を回転中心として球送り回転体70が回転自在に支持されている。なお、軸部75の上部は収容筐体61から上方に突出しており、この突出した部分に回転駆動機構80、位置決め機構85および逆転防止機構90が設けられている。
収容筐体61の底部には、支点63aを中心として水平面内で回転可能に開閉部材63が取り付けられている。この開閉部材63の上面には、上方に向けてピン部63bが立設されている。また、収容筐体61の底部には、ピン部63bと係合可能なスライド長穴64bが形成され、左右に(矢印64aの方向に)スライド移動自在なストッパー板64が開閉部材63の近傍に位置して設けられており、このストッパー板64が開閉部材63の下側に位置している。この開閉部材63の下方には、球排出通路6eが形成されている。
収容筐体61の底部のうちで発射レール39に隣接する部分には、下方に向けて開口するとともに遊技球を発射レール39に導くように滑らかに傾斜した排出案内通路65が形成されている。なお、図14に示すように、4つの球受容部71aのうちのいずれかが排出案内通路65上に位置する球送り回転体70の回転位置を、以降の説明では基準回転位置と称する。
回転駆動機構80は、図16(a)に示すように、電磁駆動されるソレノイド81と、このソレノイド81と接続された平歯車である第1ギヤ82と、この第1ギヤ82と噛合されるとともに軸部75に取り付けられた平歯車である第2ギヤ83とから構成される。ソレノイド81は、ガイドケース81a内に挿入されたソレノイド本体81bと連結駆動部81dとがプランジャー81cにより連結され、連結駆動部81dと第1ギヤ82とがリンク部材81fにより接続されている。リンク部材81fは、枢結部81eで連結駆動部81dと回転自在に接続され、枢結部82aで第1ギヤ82と回転自在に接続されている。
そのため、図17(a)の状態において、連結駆動部81dを第1ギヤ82側にスライド移動させることにより、第1ギヤ82を時計回りに回転駆動させて、この第1ギヤ82と噛合する第2ギヤ83(球送り回転体70)を反時計回りに回転駆動させることができる(図17(b)参照)。この図17(b)の状態で、連結駆動部81dを第1ギヤ82から離れる方向にスライド移動させることにより、第1ギヤ82を時計回りに回転駆動させて、球送り回転体70を反時計回りに回転駆動させることができる(図17(c)参照)。図17(c)の状態において、さらに連結駆動部81dを第1ギヤ82から離れる方向にさらにスライド移動させることにより、第1ギヤ82を時計回りに回転駆動させて、球送り回転体70を反時計回りに回転駆動させることができる(図17(d)参照)。ここで、第2ギヤ83には第1ギヤ82の4倍の歯が形成されており、そのため連結駆動部81dを前後に1往復させて第1ギヤ82を1回転させることで、第2ギヤ83を90度だけ反時計回りに回転駆動させることができる。
上述した図17(a)〜(d)に示す作動は、ソレノイド81の1回の駆動(オン・オフの切り換え)により行われるようになっている。すなわち、図17(a)に示すオフ(非通電)状態においてソレノイド81がオン(通電)されることにより、図17(a)に示す状態から図17(b)に示す状態へと変移する。図17(b)に示す状態においては、図示しない戻しバネの付勢力により連結駆動部81dがソレノイド本体81b側に戻されて図17(c)に示す状態に変移し、さらに、図17(d)から図17(a)示す状態に変移する。そして、図17(a)示す状態で再びソレノイド81がオン(通電)されることで、連結駆動部81dを第1ギヤ82側にスライド移動させて、第2ギヤ83を反時計回りに回転駆動させるようになっている。
上述したように、球送り装置60には、遊技球発射装置30における打球終了後、なるべく早く、しかも一定のタイミングで適正位置(発射待機位置)に遊技球を供給することが要求されるが、回転駆動機構80として駆動応答性の高いソレノイド81を用いることにより、高速での球送りにも対応可能な構成となっており、上記要求を満足させることができる。
位置決め機構85は、図16(b)に示すように、4つの位置決め凹部86aが形成されて軸部75に取り付けられた平板状の位置出し基部86と、位置決め凹部86aに当接される揺動片87と、この揺動片87を固定保持する揺動片保持部88とから構成される。揺動片87は、例えば弾性変形可能な金属板を用いて形成されており、位置決め凹部86aの曲面形状に合わせて形成されて位置決め凹部86aに密着して当接する当接部87aと、この当接部87aから前方に延びる第1揺動部87bと、この第1揺動部87bに対して折曲して前方に延びる第2揺動部87cと、第2揺動部87cから前方に延びて揺動片保持部88に固定された基端部87dとから構成される。
図16(b)に示すように、位置決め凹部86aに当接部87aが当接されることで、球送り回転体70が基準回転位置に正確に位置するとともに、この基準回転位置に保持されるようになっている。この状態で、回転駆動機構80により球送り回転体70が回転駆動されると、位置出し基部86aが揺動片87を押圧して、揺動片保持部88に対して当接部87a、第1揺動部87b、第2揺動部87cが揺動することで、隣合う位置決め凹部86aと当接部87aとが当接して、球送り回転体70は90度回転した基準回転位置に正確に保持される。このように、位置決め機構85を設けることで、球送り回転体70を基準回転位置に確実に送って位置決めができるとともに、この基準回転位置から回転して位置がずれないように保持することができる。
逆転防止機構90は、図16(c)に示すように、4つの係止切り欠き92aが形成されて軸部75に取り付けられた平板状のラッチ本体部92と、この係止切り欠き92aと係合可能な係止爪部91aが形成された係止部材91とから構成される。係止切り欠き92aは、ラッチ本体部92の0度、90度、180度および270度の各角度位置に形成されている。係止部材91は、ラッチ本体部92の回転平面内において揺動可能に配設されおり、図示しない付勢部材により係止爪部91aをラッチ本体部92に当接させる方向に常時付勢されている。また、球送り回転体70が基準回転位置に位置する毎に係止切り欠き92aと係止爪部91aとが係合するように設定されているため、球送り回転体70の逆回転(時計回りへの回転)が確実に規制される。
図18(a)に示すように、ストッパー板64が球供給通路6d側にスライド移動した状態では、球供給通路6dの近傍に位置する球受容部71aに受容された遊技球Bが、開閉部材63によって支持されて球受容部71a内に保持される。一方、図18(b)に示すように、ストッパー板64が球供給通路6dから離れる方向にスライド移動されると、スライド長穴64b内をピン部63bがスライド移動しながら、開閉部材63が支点63aを中心に反時計回りに回転される。そうすることで、球供給通路6dの近傍に位置する球受容部71aに受容された遊技球B、球供給通路6d内の遊技球および皿体6b内の遊技球が、球受容部71aから球排出通路6eへと落下して排出されるようになっている。なお、このストッパー板64をスライド移動させるための球排出ボタン(図示せず)が上球皿6に設けられている。
以上ここまでは、球送り装置60の構成について説明した。このように構成される球送り装置60の作用について、図19を参照しながら説明する。なお、図19には、球送り装置60のうちで球送り回転体70を抜き出して模式的に示している。
球送り回転体70は、回転駆動機構80により90度ずつ回転駆動される毎に、基準回転位置において球供給通路6dに隣接する球受容部71aに遊技球が1球受容されるとともに、排出案内通路65上に位置する球受容部71aに保持された遊技球が排出案内通路65に落下して発射レール39に送られる。すなわち、図19(a)に示すように、4つの球受容部71aのうち3つの球受容部71aに遊技球を保持させながら、球供給通路6d内の遊技球が1球ずつ発射レール39に送られるようになっている。
この球送りについて、図19(b)を参照しながらもう少し詳しく説明すると、球供給通路6dから供給された遊技球は、球受容部71aに対して上方から受容されるとともに、球受容部71aの下方へ排出されて発射レール39に送られる。本発明に係る球送り装置60は、このようにして遊技球を送る構成となっているため、球供給通路6d内に混在された糸付球BIは、糸状体Iが固着されていない遊技球と同様に球受容部71aに対して上方から受容されて球受容部71aの下方へ排出されるが、その後図19(c)に示すように、球受容部71a内を上下に糸状体Iが貫通した状態のままで球送り回転体70が回転駆動されることとなる。このために、糸付球BIの糸状体Iが軸部75に巻き付くので、糸付球BIが遊技領域PAに発射されることがなく不正入賞行為を効果的に防止可能である。
また、球送り装置60は、糸付球BIの糸状体Iを軸部75に巻き付けて不正入賞行為を防止するようになっているので、例えば不正入賞行為を行っている遊技者が証拠隠滅を図って糸状体Iの他端側を離して糸状体Iをパチンコ機PM内部に送り込んだとしても、不正入賞行為の証拠としての糸状体Iが軸部75に巻き付いたまま残っているので、不正入賞行為を効果的に摘発できる。さらに、軸部75に巻き付いた糸状体Iの他端側を無理やり引くことで、糸付球BIを引き出して証拠隠滅を図ることもあり得るが、球送り装置60は逆転防止機構90を備えることで球送り回転体70が逆回転しないようになっているために、このような証拠隠滅を確実に防止できる。
以上、球送り装置60の作用について説明した。ところで、糸付球BIを皿体6b内に忍ばせて不正入賞行為を実行しようとしている遊技者が、証拠隠滅を図って球排出ボタンを操作することで、糸付球BIを含む上球皿6内の遊技球を球排出通路6eに排出させることがあり得る。このような場合であっても、糸付球BI(糸状体I)を球排出通路6e内に証拠として残すことで不正入賞行為を効果的に摘発できるように、パチンコ機PMの球排出通路6eは構成されている。それでは、以下において、パチンコ機PMの球排出通路6eについて図20を参照しながら説明する。
図20(a)に示すように、球排出通路6eの途中には、球排出通路6eの上壁に対し、捩りバネ95aを介して揺動自在に揺動開閉扉95が取り付けられている。また、球排出通路6eの下壁には、揺動開閉扉95の取付位置に対応するとともに、遊技球の転動の障害とならない程度に突出する係止突起96が形成されている。この揺動開閉扉95は、捩りバネ95aによって係止突起96に当接される方向に付勢されており、常には係止突起96に当接して球排出通路6eを塞ぐ閉鎖位置に位置している(図20(a)および(b)参照)。この状態において、球排出ボタンが操作されて球排出通路6e内を遊技球が転動すると、転動する遊技球の球圧によって揺動開閉扉95が揺動されて開放位置に位置し(図20(c)参照)、球送り装置60側から下球皿7側への遊技球の転動が許容される。
ここで、糸付球BIが球排出通路6e内を転動する場合には、揺動開閉扉95によって糸付球BIの転動は許容されるものの、糸付球BIが通過した直後に揺動開閉扉95が閉鎖位置に揺動されることで、図20(d)に示すように、揺動開閉扉95と係止突起96とによって糸状体Iを挟んで引掛かけることができる。このようにして、不正入賞行為の証拠としての糸付球BIを球排出通路6e内に留めておくことができるので、不正入賞行為を効果的に摘発可能である。また、図20(d)の閉鎖位置において、糸状体Iの他端側を引いたとしても、下球皿7側から球送り装置60側への糸付球BIの移動が揺動開閉扉95によって規制されるので、糸状体Iの他端側を引くことによる証拠隠滅を防止できる。
本発明に係るパチンコ機PMの特徴構成およびその効果についてまとめると、以下のようになる。第1に、位置決め機構85を備えて構成されるために、球送り回転体70が基準回転位置からずれて位置することで、球受容部71aへの遊技球の受容および球受容部71aからの遊技球の排出タイミングがずれたりすることがなく、確実に基準回転位置に位置決めすることができるとともに、この基準回転位置から回転して位置がずれないように保持することができる。第2に、逆転防止機構90を備えて構成されるため、軸部75に巻き付いた糸状体Iを引っ張って糸付球BIをパチンコ機PMから取り出すことが防止されるので、糸付球BIを使用した不正行為を見逃すことなく確実に摘発可能となる。第3に、揺動開閉扉95を備えた構成となっているため、球排出通路6eに糸付球BIを排出させることによって糸付球BIを使用した不正行為の証拠隠滅を図ったとしても、揺動開閉扉95によって糸状体を挟んで証拠として残すことができ、不正行為を確実に摘発可能となる。
上述の実施形態において、4つの球受容部71aを有する球送り回転体70を例示して説明したが、本発明はこの構成に限定されるものではない。球送り回転体70に代えて、例えば図21(a)および(b)に示すような0度および180度の位置に2つの球受容部171aを有する球送り回転体170を用いて、本発明に係る球送り装置を構成することも可能である。この球送り回転体170を用いた構成の場合にも、糸付球BIに固着された糸状体Iを軸部175に巻き付けることで、不正入賞行為を効果的に防止できる。
本実施形態では、球送り回転体70の回転方向を遊技球の流下方向に逆らわないように(球送り回転体70を円滑に回転させるように)平面視左から右方向(反時計回り)に回転させる例を示したが、糸付球BIの案内をし難くするために、球送り回転体70の回転方向を遊技球の流下方向に逆らうように平面視右方向から左方向(時計回り)に回転させても良い。また、上述の実施形態では、球送り回転体70を水平に配置した構成を例示したが、この構成に限らず、例えば球送り回転体70を垂直に配置して球送り回転体70の球受け部を傾斜状に形成することにより、遊技球が球送り回転体70を貫通通過するようにした構成でも良い。この構成においても、上述の実施形態と同様に、糸状体が回転軸に巻き付けられる効果を発揮できる。
また、上述の実施形態において、糸状体Iを軸部75に巻き付けることが可能な球送り回転体70について説明したが、本発明はこの構成に限定されない。例えば図22(a)および(b)に示す球送り回転体270ように、上面周縁部に上方に向けて突出する複数の引掛け爪部278が形成された構成でも良い。この構成の場合、球受容部271aに糸付球BIが受容された状態で軸部275を中心に回転させると、糸付球BIに固着された糸状体Iが軸部275に引掛る前に引掛け爪部278に引掛ることができ、糸状体Iを球送り回転体270に確実に巻き付けることができる。
上述の実施形態においては、開閉部材63とストッパー板64とにより、4つの球受容部71aのうち、球供給通路6dの近傍に位置する球受容部71aに受容された遊技球Bを球排出通路6eへと落下させて排出させる構成を例示して説明したが、球抜きの構成はこれに限定されない。例えば、開閉部材63の回転角度を大きく設定することにより、球供給通路6dの近傍に位置する球受容部71aに受容された遊技球、およびこの球受容部71aに対して反時計回りに90度回転した位置の球受容部71aに受容された遊技球を排出させる構成でも良い。さらに、開閉部材を一端を中心として揺動可能に収容筐体61に取り付けるとともに、捩りバネを用いて常時下方に付勢しておく。この開閉部材の下面側に、スライド移動可能にストッパー板を設けておき、球排出ボタンの操作に応じてストッパー板をスライド移動させて開閉部材の下面から抜くことで開閉部材を下方に揺動させて、1つまたは2つの球受容部71aに受容された遊技球を排出させる構成でも良い。
上述の実施形態においては、ソレノイド81を電磁駆動させることで球送り回転体70を回転駆動させる構成を例示して説明したが、本発明はこの構成に限定して解釈されるものではない。ソレノイド81に代えて、例えば球送り回転体70を回転駆動させるモータと、球送り回転体70の回転位置を検出するフォトセンサとを用いた構成でも良い。
上述の実施形態では、軸部75に糸状体Iを巻き付けることで不正入賞行為を防止する構成について説明したが、例えば軸部75の表面に尖鋭な切り刃を設けた構成でも良い。この構成によれば、軸部75に糸状体Iを巻き付けることで糸状体Iを切断することができるので、不正入賞行為を効果的に防止できる。また、図22(a)に示す球送り回転体270の引掛け爪部278に切り刃を設けた構成でも、同様の効果が達成される。
なお、以上説明した実施形態では、本発明の適用対象となる弾球遊技機の一例としてパチンコ機を例示して説明したが、これに限定されるものではない。例えばアレンジボール、雀球遊技機等についても同様に適用可能であり、同様の効果を得ることができるものである。
PM パチンコ機(弾球遊技機)
PA 遊技領域
B,B 遊技球
I 糸付球(遊技球)
1 外枠
2 前枠
3 ヒンジ機構
4 施錠装置
5 ガラス扉
6 上球皿(球皿)
6a 外装体
6b 皿体
6c 球貯留部
6d 球供給通路
6e 球排出通路
6u 球抜き穴
7 下球皿(第2の球皿)
8 発射ハンドル
9 遊技補助盤
20 遊技盤
21 化粧板
22a 外レール
22b 内レール
23 一般入賞装置(入賞装置)
23a 入賞口
23s 入賞検出器
24 始動入賞装置(入賞装置)
24a 入賞口
24s入賞検出器
25 大入賞装置(入賞装置)
25a 大入賞口
25s,25t 入賞検出器
27 図柄表示装置
28 アウト口
29 球寄せカバー
30 遊技球発射装置(発射装置)
31 ハンマー
32 基準クロック発生回路
33a 基準クロック分周回路
33b 発射許可判定回路
34a 球送ソレノイド駆動トリガ発生回路
34b 発射モータ駆動トリガ発生回路
34c 発射強度判定回路
35 発射モータ電源供給回路
36 球排出口
38 レールベース
39 発射レール
40 裏セット盤
41 基枠体
41a 窓口
42 球貯留タンク
43 案内通路
44 球払出装置
45 球払出通路
51 主制御装置
52 球払出制御装置
53 ランプ・音声制御装置
54 電源ユニット
55 ターミナル基板
56 図柄表示制御装置
57 発射装置制御基板
60 球送り装置
61 収容筐体
61a 中空部
62 案内壁
63 揺動開閉部材(支持底部)
63a 支点
63b ピン部
64 ストッパー板
64bスライド長穴
65 排出案内通路
70 球送り回転体
71 回転送り部
71a 球受容部(受容部)
75 軸部(回転軸部)
80 回転駆動機構(回転駆動手段)
81 ソレノイド
81a ガイドケース
81b ソレノイド本体
81c プランジャー
81d 連結駆動部
81e 枢結部
81f リンク部材
82 1ギヤ
82a 枢結部
83 第2ギヤ
85 位置決め機構
86 位置出し基部
86a 位置決め凹部
87 揺動片
87a 当接部
87b 第1揺動部
87c 第2揺動部
87d 基端部
88 揺動片保持部
90 逆転防止機構
91 係止部材
91a 係止爪部
92 ラッチ本体部
92a 係止切り欠き
95 揺動開閉扉
95a 捩りバネ
96 係止突起
170 球送り回転体
171a 球受容部
175 軸部
270 球送り回転体
271a 球受容部
275 軸部
278 引掛け爪部(爪部)

Claims (4)

  1. 遊技球が転動落下可能な遊技領域が形成された遊技盤と、遊技球を貯留する球皿と、遊技球を前記遊技領域に打球発射する発射装置と、前記球皿の遊技球を前記発射装置に供給する球供給通路と、前記遊技領域内に設けられて遊技球が入球可能な入賞口を有する入賞装置とを備えた弾球遊技機であって、
    前記球供給通路内に回転軸部を中心として回転自在に配設され、遊技球を受容可能な受容部が形成された球送り回転体と、
    前記球送り回転体を回転駆動させる回転駆動手段とを有する球送り装置を備え、
    前記発射装置は、前記球送り回転体の回転に連動して1球ずつ遊技球を発射するように構成されており、
    前記回転駆動手段により前記球送り回転体を一方向に回転駆動させることにより、前記受容部に受容させた遊技球を前記球皿側から前記発射装置側へと送ることを特徴とする弾球遊技機。
  2. 前記球送り回転体の前記受容部は、前記回転軸部が延びる軸方向に遊技球が通過可能に貫通形成されており、
    前記球送り回転体は、前記球皿側において前記球送り回転体の前記軸方向一方側から前記受容部に受容させた遊技球を、前記発射装置側において前記球送り回転体の前記軸方向他方側から前記受容部の外部に排出させることで、前記球皿側から前記発射装置側へと遊技球を送ることを特徴とする請求項1に記載の弾球遊技機。
  3. 前記球送り回転体は、前記軸方向一方側部分に前記軸方向に突出する爪部を備えたことを特徴とする請求項2に記載の弾球遊技機。
  4. 前記球皿の下方に、遊技球を貯留可能な第2の球皿が備えられており、
    前記球皿と前記発射装置とが、前記球供給通路によって繋がれ、
    前記球送り装置と前記第2の球皿とが、前記球送り装置から排出された遊技球を前記第2の球皿に導く球排出通路によって繋がれ、
    前記受容部に受容された遊技球を前記受容部内に位置させて支持する保持位置と、前記受容部に受容された遊技球を前記球排出通路に排出させる開放位置とに変位可能な支持底部を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の弾球遊技機。
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