JP4226544B2 - パチンコ機 - Google Patents
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Description
そして、遊技球を右打ちし、遊技球が回転入賞装置600に設けられた遊技球待機部604(図15)に停留すると、その遊技球は、常時回転している回転体601の周面に形成された凹部603に受入れられる。続いて、その遊技球は回転体601によって運ばれ、回転体601の裏面側に設けられた第3種始動口602から流出すると、所定の検出スイッチにより検出され、可動翼片605,605が開放動作し、大入賞口606,606が開口する。大入賞口の開口から所定時間経過することの条件、大入賞口へ所定個数入賞することの条件のどちらかが満足されると可動翼片605,605が閉成動作し、大入賞口606,606が閉口する。大入賞口の開口から閉口までを1ラウンドとして所定数のラウンドを実行可能であり、所定数のラウンドが実行されると大当り遊技が終了する。また、大当り遊技中に図柄が特定の態様に揃い、V入賞口504に入賞した場合も大当り遊技が終了となる。
そこで、本願発明者は、縦断面形状が楕円の回転体を考えた。図16はその回転体の正面説明図である。図16(A)は回転体が縦長の姿勢に変化した状態を示し、図16(B)は回転体が横長の姿勢に変化した状態を示す。しかし、図16(A)に示すように、回転体700が縦長の姿勢になったときに遊技釘702に支えないようにする必要があるため、回転体の姿勢が縦長になったときに合わせて遊技釘702を設けると、図16(B)に示すように、回転体700の姿勢が横長になったときに、回転体700の周面にて停留していた遊技球Pが、遊技釘702と回転体700との間に形成された隙間から流出してしまうことが分かった。
なお、上記の括弧内の符号は、後述する実施形態において使用する符号と対応するものである。
遊技球が通過可能な空間を有する部材は、その空間から下方に一部を露出させた遊技球が空間から離脱しないように停留部材の周面によって支持された状態を維持しながら、停留部材の形態の変化に伴って上下に移動することができる。
従って、停留部材の周面上に停留している遊技球が停留位置から流出しないようにすることができる。
つまり、停留部材が回転しているという実感を出すことができるので、演出効果を高めることができる。
停留部材の周面に、空間から離脱した遊技球を受入れて保持する保持部が形成されている場合でも、停留部材が、その周面により支持されている遊技球を保持部に受入れ可能な姿勢に変化するまで遊技球が停留位置から流出しないようにすることができる。
停留部材の周面上に停留している遊技球が停留位置から流出しないようにして確実に保持部に受入れられるようにすることができるため、その保持部に保持されている遊技球を流出口から確実に流出させることができる。
停留部材の周面上に停留している遊技球を確実に流出口から流出させることができるため、入賞口を確実に開閉させることができるので、入賞口の開閉が不確実なことによる遊技者の不利益というものが発生するおそれがない。
この発明の第1実施形態について説明する。
[全体の主要構成]
まず、この実施形態のパチンコ機の主要構成について図1および図2を参照して説明する。図1は、そのパチンコ機の外観を正面から見た説明図である。図2は図1に示すパチンコ機に備えられた遊技盤を正面から見た概略説明図である。
図1に示すように、パチンコ機1には、外殻を構成する前枠2が設けられており、その前枠2にはガラス枠3が開閉可能に取付けられている。ガラス枠3の内側には遊技盤5が設けられており、前枠2の前面右下方には、遊技盤5へ遊技球を発射する発射装置を操作する発射レバー80が回動可能に取付けられている。遊技盤5の下方には、払出された賞球や貸球を収容する上受け皿6が設けられており、上受け皿6の下方には、上受け皿6の収容可能数を超えて流下した賞球を収容する下受け皿7が設けられている。
次に、遊技盤5の主要構成について図2を参照して説明する。図2は遊技盤5の主要構成を示す正面図である。
遊技盤5には、センターケース30が備えられている。センターケース30には、複数の普通図柄を変動表示する普通図柄表示装置31が備えられている。普通図柄表示装置31は、横方向に3つの表示領域を有し、各表示領域において複数の普通図柄(例えば0〜6の7種類の普通図柄)からなる図柄列をそれぞれ変動表示(スクロール表示ともいう)する。センターケース30の下方には普通図柄始動口32が、左方には普通図柄始動口38がそれぞれ設けられている。遊技盤5に発射された遊技球が普通図柄始動口32または普通図柄始動口38に入賞すると普通図柄表示装置31が普通図柄の変動表示を開始する。遊技球が普通図柄始動口32または普通図柄始動口38に入賞したときに、当りかハズレかの判定(以下、当り判定という)が行われる。普通図柄表示装置31は、普通図柄の変動を開始してから所定時間経過後に変動を停止し、当り判定の結果が当りであった場合は各表示領域に停止図柄として当り普通図柄を表示し、ハズレであった場合はハズレ普通図柄を表示する。
普通図柄の変動中に遊技球が普通図柄始動口32または普通図柄始動口38に入賞したときは、普通図柄の変動開始が保留され、その保留数は、普通図柄表示装置31の上方に設けられた保留数表示装置36によって表示される。この実施形態では、保留数表示装置36は、4個のLEDを備えており、その点灯数により保留数を表示する。つまり、保留数表示装置36は、最大4個の保留数を表示する。普通図柄表示装置31は、普通図柄の変動開始から変動終了までを1回の変動表示とした場合に、保留数と同じ回数の変動表示を行う。
センターケース30の右方には、回転入賞装置10が設けられており、その下方には、第3種特別電動役物(以下、特別電動役物という)70が設けられている。特別電動役物70は大入賞口72を開閉する開閉部材71を備えており、この実施形態では、開閉部材71は、閉成時に正面から見ると横長の板状に形成されている。遊技球が普通電動役物40の特別領域に入賞すると、大当りを発生させる権利が発生し、遊技球が回転入賞装置10に受入れられ、回転入賞装置10の裏面側に設けられた第3種始動口(図3において符号13cで示す)に入賞すると大当りが発生し、開閉部材71が開放され、大入賞口72が開口する。
また、遊技盤5には、左入賞口33、右下入賞口34、左下入賞口35、風車4、アウト口8などが設けられている。さらに、遊技盤5には、遊技球の流下経路を変化させるための多くの遊技釘5aが打ち込まれている(図2では遊技釘5aの一部のみを示す)。
次に、回転入賞装置10の構造について図3ないし図6を参照して説明する。図3は、回転入賞装置10の分解斜視図である。図4は、回転体の姿勢の一例を示す斜視図である。図4(A)は回転体が横長の姿勢に変化した状態を示し、図4(B)は回転体が縦長に変化した状態を示す。図5は、回転体の姿勢の一例を示す正面説明図および縦断面図である。図5(A)は図4(A)の正面説明図であり、図5(B)は図5(A)のA−A線矢視縦断面説明図である。図5(C)は図4(B)の正面説明図であり、図5(D)は図5(C)のB−B線矢視断面説明図である。図6は、回転体と特別電動役物70との位置関係を示す正面説明図である。図6(A)は回転体が横長の姿勢に変化した状態を示し、図6(B)は回転体が縦長の姿勢に変化した状態を示し、図6(C)は回転体の保持部と第3種始動口とが重なった状態を示す。なお、以下の説明では、パチンコ機1にて遊技を行う遊技者に向く方向を前方、遊技者に向く面を前面とし、その逆を後方、後面とする。
回転体11の周面の長軸方向の両端部、開口部11aと反対側の端部、および開口部11aの両端部には、開口部11eがそれぞれ形成されており、各開口部11eには、ローラ部材11hがそれぞれ回転自在に軸支されている。各ローラ部材11hは、その回転軸を回転体11の前面11bおよび後面11dにそれぞれ挿通しており、各ローラ部材11hの周面は僅かに回転体11の周面11cからそれぞれ露出している。
回転体カバー12は、合成樹脂製フィルムや布などの可撓性材料により帯状に形成されており、回転体11の周面の略全周を包み込む長さを有する。回転体カバー12の両端には、後述するカバー取付軸14a,14bを挿通するための筒状の取付部12a,12bを備える。取付部12a,12bは、回転体カバー12の材料そのものを筒状にして形成しても良いし、合成樹脂や金属製材料により別部材として形成しても良い。
基板13は、正面から見て縦長の長円形状に形成されており、回転体軸孔13dの左斜め上方には、第3種始動口13cが形成されている。第3種始動口13cは、回転体11の保持部11mの軌道上に形成されており、回転体11が1回転する間に第3種始動口13cと保持部11mとが1回重なるようになっている。つまり、回転体11が1回転する間に保持部11mに保持されている遊技球が第3種始動口13cから流出可能になっている。第3種始動口13cから流出した遊技球の流下経路には、その遊技球を検出する第3種始動口スイッチ(図7において符号13hで示す)が設けられている。回転体軸孔13dの上方には、縦長の長孔に形成されたカバー取付軸昇降用長孔(以下、長孔という)13a,13bが、前後方向に貫通形成されている。長孔13a,13bは、カバー取付軸14a,14b間に形成される空間S1と同じ間隔を置いて相対向して形成されている。基板13の四隅には、基板13を遊技盤5の盤面に取付けるためのネジを挿通する取付孔13eがそれぞれ前後方向に貫通形成されている。また、基板13の後面上部から後方へ棒状のバネ取付軸13fが突出形成されている。
バネ15の上部係止部15aは、基板13のバネ取付軸13fに係止され、下部係止部15bは、昇降装置14のバネ取付軸14cに係止される。バネ15は、昇降装置14を常に上方へ付勢しており、図4に示すように、回転体11がどの姿勢に変化したときでも回転体カバー12が緩むことなく、回転体11の周面に倣って変形するようになっている。
モータ16は遊技盤5の裏面側に取付けられており、モータ軸16aが遊技盤5の裏面から表面に挿通され、それに回転体11が固定されている。
次に、回転入賞装置10の動作を説明する。回転体11は、モータ16の駆動により常時一定速度で右回転(図4において矢印F1で示す方向へ回転)している。今、図4(A),図5(A)に示すように、回転体11が真横の姿勢になり、その開口部11aと、下降したカバー取付軸14a,14b間の空間S1(図3参照)と回転体11の開口部11aとの位置関係が上下に対応した状態になると、カバー取付軸14a,14b間の空間S1を通過した遊技球を開口部11aから保持部11mに受入れ可能になる。この状態では、図5(B)に示すように、昇降装置14はバネ15の引張力によって上方に付勢されているため、昇降装置14のカバー取付軸14a,14bに取付けられた回転体カバー12の両端は上方に付勢されるので、回転体カバー12が弛むことなく、回転体11の周面11cに密着して巻き付けられた状態が維持される。また、回転体11の開口部11a近傍の周面11cと、回転体カバー12との間には僅かに隙間が形成されるが、遊技球が入り込むことができない程度であるため、遊技球が回転体11の周面11cと回転体カバー12との間に挟み込まれるおそれはない。
従って、回転体11が回転し、回転中心11gからカバー取付軸14a,14bの下方に位置する周面11cまでの距離が変化すると、それに追従するようにカバー取付軸14a,14bが昇降する(図6)。このとき、カバー取付軸14a,14bは、バネ15によって上方に付勢されているため、回転体カバー12が弛むことがない。
図6(C)に示すように、回転体11が斜めの姿勢に変化したときに、カバー取付軸14a,14bの一方と回転体11の周面11cとの距離が僅かに拡大するが、カバー取付軸14a,14b間に停留している遊技球が離脱する程度には拡大しない。また、この間も、カバー取付軸14a,14bはバネ15によって上方に付勢されているため、回転体カバー12が弛むことなく、回転体11の周面11cに密着して巻き付けられた状態が維持される。また、開口部11aは回転体カバー12によって塞がれるため、保持部11mに保持されている遊技球が開口部11aから外部へ流出するおそれがない。そして、回転体11は、真横の姿勢から90度右回転すると、図4(B),図5(C)に示すように、縦長の姿勢に変化し、カバー取付軸14a,14bは最上部まで上昇した状態になる。このときも、カバー取付軸14a,14b間の空間S1と回転体11の周面11cとの位置関係は殆ど変化しないので、空間S1に停留している遊技球が空間S1から離脱することがない。この間も、カバー取付軸14a,14bはバネ15によって上方に付勢されているため、回転体カバー12が弛むことなく、回転体11の周面11cに密着して巻き付けられた状態が維持される。
以上のように、回転体11は、その姿勢を、横長、斜め、縦長など刻々と姿勢を変化させながら回転し、回転体カバー12は、回転体11の周面に倣うようにして形態を変化させ、回転体11の周面と常時一体化しているため、遊技者から見ると、回転体カバー12が存在せず、回転体11のみが回転しているように見える。
次に、パチンコ機1の主な電気的構成についてそれをブロックで示す図7を参照して説明する。
パチンコ機1には、主制御基板100が設けられており、その主制御基板100には、マイクロプロセッサ110が搭載されている。マイクロプロセッサ110は、メインCPU112と、ROM114と、RAM116とを備える。メインCPU112は、特別領域スイッチ(SW)42または第3種始動口スイッチ(SW)13hがオンしたか否かの判定、普通図柄の当りかハズレかの判定、普通電動役物ソレノイド(SL)43の制御、大入賞口ソレノイド(SL)74の制御、モータ16の制御、入賞の検出、入賞数の計数などを実行する。
ROM114には、メインCPU112が各種制御、判定および検出などを実行するための各種制御プログラム、制御プログラム実行時に参照する各種テーブルなどが記録されている。RAM116は、保留数や入賞数などを記憶する記憶領域と、メインCPU112の処理結果などの遊技中に発生する各種データおよびROM114から読出された制御プログラムなどを一時的に格納する記憶領域と、電源遮断時に停電直前の遊技状態を示すデータなどをバックアップして記憶するバックアップ領域とを備える。
主制御基板100には、次に記載するものが電気的に接続されている。特別領域スイッチ(SW)42、第3種始動口スイッチ(SW)13h、普通図柄表示装置31を制御する図柄制御基板39、遊技中にスピーカ(図示せず)から出力される効果音などを制御する音声制御基板67、保留数表示装置36や装飾用LEDやランプ類などの点灯・点滅を制御するランプ制御基板300、電源基板64、賞球および貸球の払出しなどを制御する払出制御基板200、当りの発生や賞球払出数などに関する遊技盤情報をパチンコホールの管理室などに設けられたホールコンピュータへ送信するための遊技枠情報端子基板52、盤面中継基板51、遊技枠中継基板53である。
また、払出制御基板200には、電源基板64、発射モータ83を駆動するための発射モータ駆動基板81、遊技枠情報端子基板52および払出中継基板55が電気的に接続されている。発射モータ駆動基板81には、発射モータ83、発射モータ駆動基板81から発射モータ83へ駆動信号を出力させるための発射スイッチ(SW)82が電気的に接続されている。
盤面中継基板51には、普通電動役物ソレノイド(SL)43、普通図柄始動口32を通過した遊技球を検出する普通図柄始動口スイッチ(SW)32a、普通図柄始動口38を通過した遊技球を検出する普通図柄始動口スイッチ(SW)38a、カウントスイッチ(SW)44、大入賞口72に入賞した遊技球を検出する大入賞口スイッチ(SW)73、左入賞口33に入賞した遊技球を検出する左入賞口スイッチ(SW)33a、右下入賞口34に入賞した遊技球を検出する右下入賞口スイッチ(SW)34a、左下入賞口35に入賞した遊技球を検出する左下入賞口スイッチ(SW)35aおよび大入賞口中継基板50が電気的に接続されている。
電源基板64は、AC24V(50Hz/60Hz)の主電源63から電源の供給を受け、各基板および装置へ動作電源を供給する。図示しないが、電源基板64には、パチンコ機1の電源のON・OFFを行う電源スイッチ(SW)と、RAM116,216のバックアップ領域に記憶されているデータをクリアするためのRAMクリアスイッチとが設けられている。
次に、主な遊技の流れを説明する。遊技盤5へ発射された遊技球が普通図柄始動口32または普通図柄始動口38に入賞し、普通図柄始動口スイッチ32aまたは普通図柄始動口スイッチ38aにより検出されると、普通図柄表示装置31が横方向に配列された3つの表示領域にて複数の普通図柄をそれぞれ変動表示する。また、メインCPU112は、遊技球が普通図柄始動口スイッチ32aまたは普通図柄始動口スイッチ38aにより検出されたときに当りかハズレかを判定する。そして、普通図柄表示装置31は、普通図柄の変動開始から所定時間経過すると、メインCPU112の判定結果に対応する普通図柄を停止図柄として各表示領域に表示する。ここで、当り普通図柄が表示されると、普通電動役物ソレノイド43が駆動され、開閉部材41,41が開放される。そして、遊技球が特別領域に入賞し、特別領域スイッチ42により検出されると、大当りが発生する権利が発生する。そして、遊技者は、遊技球を遊技盤5の右側へ発射する、いわゆる右打ちを行う。このとき、遊技球がカバー取付軸14a,14b間の空間S1に流入し、遊技球の下部がカバー取付軸14a,14b間の空間S1から下方に露出し、回転体11の開口部11aが形成されていない周面11c上に支持され、カバー取付軸14a,14b間の空間S1で停留した状態になったとする。
そして、回転体11がさらに右回転し、保持部11mが第3種始動口13cと前後方向において重なり連通すると、保持部11mに保持されている遊技球が第3種始動口13cへ流出し、第3種始動口スイッチ13hにより検出されると大当りが発生し、大入賞口72が開口する。ここで、図6(A)に示すように、大入賞口72が開口しているときに回転体11が真横に変化すると、回転体11の横幅が大入賞口72の開口幅より長く、大入賞口72の上方を塞ぐ状態になるため、回転入賞装置10の上方から流下してくる遊技球Pが、大入賞口72へ入賞する流下経路が最大に制限されるので、大入賞口72へ入賞し難くなる。そして、図6(B)に示すように、回転体11が縦長の姿勢に変化すると、回転体11の横幅が大入賞口72の開口幅より短くなるため、回転入賞装置10の上方から流下してくる遊技球Pが、大入賞口72へ入賞する流下経路の制限される範囲が最小になるので、大入賞口72へ入賞し易くなる。つまり、回転体11の回転に伴い、回転体11によって大入賞口72の入賞経路を制限する範囲が変化するため、非常に変化に富んだ遊技を楽しむことができる。
(1)以上のように、上述の第1実施形態のパチンコ機1を使用すれば、遊技球Pが通過可能な空間S1を有するカバー取付軸14a,14bは、その空間S1から下方に一部を露出させた遊技球Pが空間S1から離脱しないように回転体11の周面によって支持された状態を維持しながら、回転体11の姿勢の変化に伴って上下に移動することができる。
従って、縦断面が楕円の回転体11の周面上に停留している遊技球Pが停留位置から流出しないようにすることができる。
つまり、縦断面形状が楕円の回転体11を使用することができるため、回転体が回転しているという実感を出すことができるので、演出効果を高めることができる。
(2)また、回転体11が、その周面により支持されている遊技球Pを保持部11mに受入れ可能な姿勢に変化するまで遊技球Pが停留位置から流出しないようにすることができる。
(3)さらに、回転体11の周面上に停留している遊技球Pを確実に保持部11mに受入れることができるため、その保持部に保持されている遊技球を第3種始動口13cへ確実に流入させることができる。
(5)大当りを発生させる権利が発生している場合は、回転体11の周面上に停留している遊技球Pを確実に第3種始動口13cへ流入させることができるため、大当りの発生が不確実なことによる遊技者の不利益が発生するおそれがない。
(6)従来のように、回転体の前面を覆うカバーが不要になる。
(7)回転体カバー12は、回転体11が回転するときに回転体11の周面に倣って変形するため、回転体11および回転体カバー12は、常時、一体化された形態を維持するので、遊技者から見ると、回転体カバー12が存在せず、回転体11のみが回転しているように見える。
(8)回転体11の回転角度によって、大入賞口72の入賞経路を制限する範囲が広狭に変化するため、変化に富んだ遊技を楽しむことができる。
回転体の形状は、縦断面の形状が楕円以外でも良く、例えば縦断面が円形であり、回転中心が偏心したものでも良い。図8は、その回転体と特別電動役物70との位置関係を示す正面説明図である。図8(A)は回転体の保持部が真上を向いた状態を示し、図8(B)は回転体の保持部が右側を向いた状態を示し、図8(C)は回転体の保持部と第3種始動口とが重なった状態を示す。
回転入賞装置10aに備えられた回転体17の回転中心から周面までの距離が最大となる周面に開口部17aが形成されており、その開口部17aの下部に縦断面がU字形状の保持部17mが形成されている。また、回転体17の回転中心が偏心しているため、図示するように、回転体17の回転角度によって大入賞口72の入賞経路を制限する範囲が左右方向に変化する。図8(A)に示すように、開口部17aが真上に位置する場合および真下に位置する場合(図示せず)は、大入賞口72の中央の上方付近が制限され、図8(B)に示すように、開口部17aが右側を向いている場合は、大入賞口72の右寄りの上方付近が制限され、開口部17aが左側を向いている場合(図示せず)は、大入賞口72の左寄りの上方付近が制限される。
このように、回転中心が偏心した縦断面円形の回転体17を使用すれば、回転体17の回転角度によって大入賞口72の入賞経路を制限する範囲が左右方向に変化するため、変化に富んだ遊技を楽しむことができる。なお、この変更例のパチンコ機は、回転体17の構造以外は、第1実施形態と同じ構造および機能であるため、第1実施形態の効果(1)〜(7)と同じ効果を奏することができる。
次に、この発明の参考例2について図9ないし図12を参照して説明する。図9は、この参考例2のパチンコ機に備えられた回転入賞装置の分解斜視図である。図10は、図9に示す回転入賞装置の完成斜視図である。図11は、回転体の姿勢の一例を示す正面説明図および縦断面図である。図11(A)は図10の正面説明図であり、図11(B)は図11(A)のA−A線矢視縦断面説明図である。図11(C)は回転体の開口部が真下を向いた状態の正面説明図であり、図11(D)は図11(C)のB−B線矢視断面説明図である。図12は、回転体の姿勢の変化を示す説明図である。図12(A)は回転体の開口部が真上を向いた状態を示し、図12(B)は回転体の開口部が右側を向いた状態を示し、図12(C)は回転体の開口部が真下を向いた状態を示し、図12(D)は回転体の保持部が第3種始動口と重なった状態を示す。この参考例2のパチンコ機は、回転入賞装置の構造および機能以外は、第1実施形態のパチンコ機1と同じ構成および機能であるため、同じ部分の説明を簡略化または省略し、同じ構成については同じ符号を用いる。
上方開口部19aの下部の空間には、球受凹部材収容室19eが形成されており、そこに球受凹部材20が収容されている。球受凹部材20は、一方の端面が開口された円筒形状の部材を中心軸に沿って切断した形状に形成されており、開口された端部が後方になり、周面20bが下向きになるように配置されている。球受凹部材20の内面には、遊技球の外面に対応した形状の保持部20dが形成されている。球受凹部材20の前壁部20aの上端中央には、支軸20cが前方へ突出して設けられている。回転体19の前面19cの上端近傍には、支軸20cを挿入するための支軸孔19hが前後方向に貫通形成されている。球受凹部材20は、球受凹部材収容室19eの内部において支軸20cを支軸孔19hへ挿入することにより、支軸孔19hを中心にして揺動自在に取付けられている。また、支軸20cは、保持部20dに保持された遊技球の重心の方が低くなる位置に設けられており、保持部20dに保持された遊技球の自重によって球受凹部材20が回動し、遊技球が保持部20dから落下しないように工夫されている。
基板13には、縦長の長孔13a,13bが平行に形成されており、その中間に長孔13iが平行に形成されている。基板13の後面には、昇降部材18が昇降自在に備えられており、昇降部材18は、縦断面が横長の長方形に形成された板状の軸取付部材18cと、その前面から前方へ突出形成された球停留部材18a,18bと、ローラ軸18eと(図11(B))、このローラ軸18eの先端に回転自在に取付けられた回転体位置検知ローラ(以下、検知ローラという)18dとを備える。球停留部材18a,18bは、それぞれ基板13の長孔13a,13bから前方へ昇降自在に突出しており、ローラ軸18eは長孔13iから前方へ昇降自在に突出している。検知ローラ18dは、長孔13iから突出したローラ軸18eに回転自在に取付けられている。球停留部材18a,18b間に形成された空間S1は、遊技球が通過可能に形成されている。検知ローラ18dは、図10に示すように、回転体19の上方開口部19aが真上を向いたときに、上方開口部19aの後方の上面19dと当接する位置に取付けられている。また、検知ローラ18dは、昇降部材18が後方へ抜けるのを阻止する役割もしている。
つまり、検知ローラ18dは、回転する回転体19の周面19bに倣って回転するとともに昇降するため、球停留部材18a,18bも回転体19の周面19bの変化に追従して昇降するので、回転体19がどのような姿勢に変化しても、球停留部材18a,18b間の空間S1に停留している遊技球Pが空間S1から離脱することがない。
そして、回転体19が回転し、その裏方開口部19iが第3種始動口13cと重なると、保持部20dに保持されていた遊技球Pが裏方開口部19iから第3種始動口13cへ流出し、このとき権利が発生している場合は、大当りが発生する。このとき、回転体19は偏心しているため、大入賞口72の入賞経路の制限される範囲は左右方向に変化するので、変化に富んだ遊技を楽しむことができる。
(1)以上のように、上述の参考例2のパチンコ機1を使用すれば、遊技球Pが通過可能な空間S1を有する球停留部材18a,18bは、その空間S1から下方に一部を露出させた遊技球Pが空間S1から離脱しないように回転体19の周面によって支持された状態を維持しながら、回転体19の姿勢の変化に伴って上下に移動することができる。
従って、縦断面が円形で回転中心が偏心した回転体19の周面上に停留している遊技球Pが停留位置から流出しないようにすることができる。
つまり、縦断面が円形で回転中心が偏心した回転体19を使用することができるため、回転体が回転しているという実感を出すことができるので、演出効果を高めることができる。
(2)また、第1実施形態のパチンコ機1の回転入賞装置10に備えられた回転体カバー12などのカバー類が一切不要であるため、回転体入賞装置10bの組立工程および製造コストを削減することができる。
(3)さらに、回転体19の回転に伴って大入賞口72の入賞経路の制限範囲が変化するため、変化に富んだ遊技を楽しむことができる。
(4)参考例2のパチンコ機は、回転体カバーを使用しないで回転体の回転と共に遊技球を運ぶ構造以外は、第1実施形態のパチンコ機と同じ構造および機能であるため、第1実施形態の効果(2),(3),(5)および(8)を奏することができる。
回転体の形状は、縦断面の形状が円形で回転中心が偏心したもの以外でも良く、例えば縦断面が複雑な形状であり、回転中心が偏心したものでも良い。図13は、その回転体を備えた回転入賞装置の正面説明図である。図13(A)は回転体の開口部が真上を向いた状態を示し、図13(B)は回転体の開口部が右側を向いた状態を示し、図13(C)は回転体の開口部が右斜め下を向いた状態を示し、図13(D)は回転体の球受凹部材と第3種始動口とが重なった状態を示し、図13(E)は回転体の開口部が左側を向いた状態を示し、図13(F)は回転体の開口部が左斜め上を向いた状態を示す。
回転入賞措置10cに備えられた回転体21は、径方向へ突出した突出部を3つ備えており、その1つに開口部21aが形成されており、その開口部21aの下方の空間に球受凹部材20が揺動自在に収容されている。このように回転体21は、前述の回転体11,19と比べて複雑な形状であるが、検知ローラ18dは回転体21の周面を倣うように回転し、その検知ローラ18dの昇降に伴って球停留部材18a,18bも昇降する。従って、球停留部材18a,18b間に停留している遊技球は、停留状態が維持され、開口部21aが真上を向いたときに開口部21aに受入れられ、球受凹部材20により保持され、第3種始動口13cまで運ばれる。
このように、比較的複雑な形状の回転体21を使用した場合であっても、本願発明の目的を達成することができる。なお、この参考例3のパチンコ機は、回転体21の構造以外は、参考例2と同じ構造および機能であるため、参考例2の効果(1)〜(4)と同じ効果を奏することができる。
(1)回転体の形状は、第1実施形態および各参考例に記載の形状に限定されるものでなく、縦断面の形状が正方形、長方形、三角形などの多角形などでも良い。また、回転体の前面の形状は、平面形状でなくても良く、側面から見て凹凸形状などの立体形状でもよい。さらに、参考例2,3において、回転体の周面は滑らかな形状でなくても良く、保持軸間に停留している遊技球が離脱しない範囲で凹凸形状でも良い。
(2)第1実施形態の回転体カバー12は、保持されている遊技球が落下しない範囲で網目状でも良いし、複数本の索状体を平行にして組み合わせたものでも良い。また、回転体カバー12と回転体11の周面との摩擦が支障を来さないほど小さい場合は、ローラ部材11hを設けなくても良い。
(3)第1実施形態および各参考例において記載した部材および装置の形状、大きさおよび組合せは、本発明の技術的範囲を逸脱しない限り、変更できることは勿論である。
(4)第1実施形態および各参考例における回転入賞装置は、特別図柄を変動表示する特別図柄表示装置と、この特別図柄表示装置により大当り図柄が確定表示されたときに大入賞口を開口する変動入賞装置とを備え、大入賞口の開口から閉口までを1ラウンドとした場合に、所定数のラウンドを継続して行うことができるパチンコ機(いわゆる第1種パチンコ機)などにも使用することができ、適用機種は問わない。
カバー取付軸14a,14b、球停留部材18a,18bが請求項1の部材に対応し、回転体11,17,19,21が停留部材に対応する。第3種始動口13cが請求項3の流出口に対応する。大入賞口72が請求項4の入賞口に対応し、特別電動役物70が入賞装置に対応する。
10 回転入賞装置
11 回転体(停留部材)
11a 開口部
11c 周面
13c 第3種始動口(流出口)
14a,14b カバー取付軸(部材)
70 特別電動役物(入賞装置)
72 大入賞口(入賞口)
P 遊技球
S1 空間
Claims (4)
- 遊技球が通過可能な空間を有し、遊技盤の遊技領域に上下に移動可能に配置された部材と、
この部材の下方に設けられており、前記空間から下方に一部を露出させた遊技球を前記空間から離脱しないように支持する周面を有し、かつ、前記遊技盤に平行に切断した断面が略楕円に形成され、回転すると前面から見た形態が横長および縦長に変化する停留部材とを備えており、
前記部材は、前記遊技球が前記空間から離脱しないように前記周面によって支持された状態を維持しながら、前記停留部材の前記形態の変化に伴って上下に移動することを特徴とするパチンコ機。 - 前記停留部材の前記周面には、前記空間から離脱した遊技球を受入れて保持する保持部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のパチンコ機。
- 前記保持部の移動経路には、前記保持部に保持されている遊技球を流出させる流出口が設けられていることを特徴とする請求項2に記載のパチンコ機。
- 前記停留部材の下方には、前記保持部に保持されている遊技球が前記流出口から流出したことを条件として入賞口を開閉する入賞装置が備えられたことを特徴とする請求項3に記載のパチンコ機。
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