JP2012034715A - 使い捨ておむつ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の使い捨ておむつ1は、吸収体4が、吸水性ポリマーを含む縦長の吸収性コア40及びその上下面を被覆するコアラップシート45を有する。吸収性コア40は、おむつ1の股下部Cに、長手方向に延びる中央吸収部41及びその両側のサイド吸収部42,42を有し、中央吸収部41の幅方向中央部に、少なくとも上面側の一部が欠落した中央非積繊部43が形成され、中央吸収部41とサイド吸収部42との間に側部非積繊部44が形成されている。側部非積繊部44では、吸収性コア40の上下のコアラップシート45a,45bどうしが接合され、中央非積繊部43では、吸収性コア40の上側のコアラップシート45aが、その直下に位置する部材45bに接合されていない。
【選択図】図3
Description
また、吸収体を変形性を高めてフィット性や漏れ防止性を高めるために、吸収性コアにスリットや部分的にコアの形成材料が存在しない部分を設ける技術も種々提案されている。
例えば、特許文献1には、前胴周り域及び後胴周り域を有するシャーシと、前胴周り域から後胴周り域にわたって配される吸収体とを備え、前記吸収体を構成する吸収性コアに、中央低剛性部及び一対の側方低剛性部を設けた吸収性物品が記載されている。
また、特許文献2,3にも、使い捨ておむつの吸収性コアに、吸収性コアの形成材料が存在しない部分や細長形状の孔部を3本並列に形成することが開示されている。
特許文献2においては、吸収性コアが存在しない3本の帯状部分の何れにおいても、表面シートが帯状部分内に押し込まれて裏面シート等と接合されている。そのため、吸収性コアとして吸水性ポリマーを含むものを用いると、吸収性コアに密着したシートによって、吸水性ポリマーの膨潤が阻害され、期待される吸収容量が得られない。
本発明の一実施形態である使い捨ておむつ1(以下、おむつ1ともいう)1は、いわゆるパンツ型のおむつであり、図1〜図3に示すように、液透過性の表面シート2、液不透過性又は撥水性の裏面シート3、及びこれら両シート2,3間に配された縦長の吸収体4を具備する吸収性本体5と、該吸収性本体5の非肌当接面側に位置して該吸収性本体5を固定している外包材10とを備えている。
使い捨ておむつ及びその吸収性コアにおいて、肌当接面側及び上側は、使い捨ておむつの着用時に着用者の肌側に向けられる面側であり、非肌当接面側及び下側は、該使い捨ておむつの着用時に着用者の肌側とは反対側に向けられる面側である。
おむつ1は、図1及び図2に示すように、着用時に着用者の腹側に配される腹側部A、股間部に配される股下部C及び背側に配される背側部Bを有している。外包材10は、腹側部Aの両側縁部と背側部Bの両側縁部とが接合されており、それによって、おむつ1に、一対のサイドシール部S,S、ウエスト開口部7及び一対のレッグ開口部8,8が形成されている。
サイド吸収部42,42は、図3に示すように、下部吸収層412に貫通孔を設けて形成した側部非積繊部44,44のそれぞれより幅方向(Y方向)の外方に位置する部分であり、中央吸収部41は、側部非積繊部44,44間に位置する部分である。
なお、上部吸収層411は、おむつ1の股下部Cから腹側部Aに亘って配されており、下部吸収層412は、股下部Cを縦断して腹側部A及び背側部Bに亘っている。
他方、中央非積繊部43は、中央吸収部41における吸収性コア40の少なくとも上面側の一部が欠落した部分である。中央非積繊部43は、上部吸収層の厚み以上の深さがあることが好ましく、また、図3に示すように中央非積撰部43に隣接する部位における中央吸収部41の厚みtとほぼ同程度の深さを有することがより好ましい。
前記の工夫としては、後述する好ましい製造方法において説明するように、側部非積繊部44における上下のコアラップシート45a,45bどうしを接合させる際に、側部非積繊部44に対応する部分に押し込み部を有し中央非積繊部43に対応する部分に押し込み部を有しない加圧ロール141を用いることにより、側部非積繊部44,44間のコアラップシート45aに張力を加えること等が挙げられる。但し、コアラップシート45aの中央非積繊部43に対応する部分や、中央非積繊部43が貫通孔である場合に、コアラップシート45bの中央非積繊部43に対応する部分に接着剤を粘着剤等の接着剤を配する場合、中央非積繊部43の幅W4は20mm以下、特に12mm以下とすることが、該接着剤を介した接合を防止する観点から好ましい。
そのため、吸水性ポリマーの吸収性能が充分に発現される。そのため、例えば、吸水性ポリマーの配合により使い捨ておむつの性能を効果的に向上させることができる。
その一方、側部非積繊部44において、吸収性コアの上下に配されたコアラップシート45a,45bどうしが接合されていることによって、吸収性コア40の保形性にも優れている。即ち、おむつの着用中などに、中央吸収部41やサイド吸収部42,42の形が崩れたり、それらの相互間の配置に乱れが生じたりすることが防止される。
また、本実施形態における側部非積繊部44は、吸収性コア40の長手方向への液の拡散性を高めたり、吸収性コア40の幅方向の屈曲性を高める機能を有する
そして、股下部Cにおける吸収性コア40が並列領域R1を有することにより、図4(a)に示すように、おむつ着用時に、並列領域R1における吸収性コア40が、中央非積繊部43が山部、側部非積繊部44,44が谷部となるように、W字状に屈曲する。
股下部Cにおいて吸収性コア40がW字状に屈曲することにより、吸収性コア40が、着用者の脚Eより加えられる圧力に対して柔軟に変形し、脚に加わる圧力やそれによる抵抗感や違和感等が軽減される。また、吸収性コア40の幅方向における側部非積繊部44より外方の側部部分46が起立してその端部が着用者の肌、好ましくは鼠蹊部に沿って位置することにより、良好な横漏れ防止性も得られる。
また、サイド吸収部42の幅W1(図3参照)は、吸収性コア40の幅W2(図3参照)の5〜30%であることが好ましく、より好ましくは10〜25%である。また、中央吸収部41の幅W3(図3参照)は、吸収性コア40の幅W2の20〜70%であることが好ましく、より好ましくは25〜50%である。また、中央非積繊部43の幅W4は、1〜25mmであることが好ましく、より好ましくは2〜15mmである。また、中央吸収部41の幅W3との関係では、中央非積繊部43の幅W4は、中央吸収部41の幅W3の3〜30%であることが好ましく、より好ましくは5〜25%である。また、側部非積繊部44の幅W5は、1〜35mmであることが好ましく、より好ましくは5〜25mmである。また、吸収性コア40の幅W2との関係では、側部非積繊部44の幅W5は、吸収性コア40の幅W2の1〜30%であることが好ましく、より好ましくは5〜20%である。
また、吸収性本体5の両側には、防漏カフ6,6が形成されている。防漏カフ6は、吸収性本体5に接合された防漏カフ形成用シート60、防漏カフ形成用シート60の自由端近傍に伸長状態で固定された防漏カフ形成用の弾性部材61、及び防漏カフ6の固定端と自由端との間に伸長状態で固定された防漏カフ中間弾性部材62を備えている。
図3に示す例では、防漏カフ形成用シート60として、所定幅の帯状の撥水性シートの1枚を、その長手方向に沿って二つ折りして、相対向する層間をホットメルト型接着剤又は部分的な熱シール若しくは超音波シール等で接合した2層構造のシートを用いており、前述した弾性部材61,62は、この2層構造シートの層間に伸長状態で固定されている。
外包材形成用シート11,12は、何れも不織布から構成されている。これら2枚のシートのうちの一方又は双方は、ウエスト開口部7の周縁部において折り返され、その折り返された部分が、吸収性本体5の前後端における該吸収性本体5の肌当接面側に固定されている。
但し、吸収性コア40の長手方向に沿う弾性部材がなくても、おむつを装着する際におむつの腹側部Aの幅方向中央部を掴んで引き上げる力や、着用時に股下部Cの両側に加わる、着用者の大腿からの力により、吸収性コア40は、図4(a)や図4(b)に示すような形態に変形し得る。
おむつ1の各部の形成材料としては、従来の使い捨ておむつの当該部分に用いられる各種のものを特に制限なく用いることができる。例えば、表面シート2としては、親水性且つ液透過性の不織布、樹脂フィルムに開孔を形成したもの等を用いることができ、裏面シート3としては、透湿性又は非透湿性の樹脂フィルムや該樹脂フィルムと不織布の積層体等を用いることができる。
吸収性コア40を構成する繊維集合体を構成する繊維としては、例えば、パルプ繊維、レーヨン繊維、コットン繊維、酢酸セルロース等の親水性繊維、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系繊維、ポリエステル、ポリアミド等の縮合系繊維等を用いることできる。繊維集合体は、空気流に載せて供給した繊維材料を、所定形状の凹部内に吸引して堆積させる積繊工程を経て得られるものが好ましい。繊維材料とともに機能性材料を混合積繊したものであっても良い。機能性材料の保持形態は、2枚の繊維集合体間に挟んで保持する形態や、混合積繊して繊維間に保持させた状態等が挙げられる。繊維及び吸水性ポリマー等の機能性材料は、それぞれ、一種又は二種以上を組み合わせて用いることができる。吸水性ポリマーとしては、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、(アクリル酸−ビニルアルコール)共重合体、ポリアクリル酸ナトリウム架橋体、(でんぷん−アクリル酸)グラフト共重合体、(イソブチレン−無水マレイン酸)共重合体及びそのケン化物、ポリアスパラギン酸等からなる粒子等が挙げられる。
おむつ1の好ましい製造方法は、中央非積繊部43を有する中央吸収部41と、該中央吸収部41との間に側部非積繊部44を有する一対のサイド吸収部42,42を有する吸収性コア40を製造する工程(図示せず)、コアラップシート45における側部非積繊部44に対応する部分に接着剤47を配する工程、及び上下面にコアラップシート45を配された状態の吸収性コア40を、側部非積繊部44に対応する部分それぞれに押し込み部141aを有し中央非積繊部43に対応する部分に押し込み部を有しない加圧ロール141で加圧し、上下のコアラップシート45の一方又は双方を側部非積繊部44に押し込んで、上下のコアラップシート45a,45bどうしを接合させる工程を具備する吸収体4の製造工程を具備する。
また、使い捨ておむつ1において、接着剤48及び/又は接着剤49による接合部は設けないこともできる。
また、図2に示した使い捨ておむつ1においては、吸収性コアの長手方向における背側部B側において、側部非積繊部44が、中央非積繊部43の端部43bの位置より背側部B側に延出しているが、これに代えて、3本の非積繊部の背側部B側の端部43b,44bが横一列に並んでいても良いし、中央非積繊部43が、側部非積繊部44の背側部B側の端部44bの位置より背側部B側に延出していても良い。
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
40 吸収性コア
41 中央吸収部
42 サイド吸収部
43 中央非積繊部
44 側部非積繊部
411 上部吸収層
412 下部吸収層
45 コアラップシート
45a 吸収性コアの上側に配されたコアラップシート
45b 吸収性コアの上側に配されたコアラップシート
5 吸収性本体
6 防漏カフ
7 ウエスト開口部
8 レッグ開口部
10 外包材
A 腹側部
B 背側部
C 股下部
S サイドシール部
Claims (4)
- 吸収体を具備し、着用者の腹側に配される腹側部、股間部に配される股下部及び背側に配される背側部を有する使い捨ておむつであって、
前記吸収体は、吸水性ポリマーを含む縦長の吸収性コア及び該吸収性コアの上下面を被覆するコアラップシートを有しており、
前記吸収性コアは、股下部に、該吸収性コアの長手方向に延びる中央吸収部及び該中央吸収部の長手方向の両側に位置する一対のサイド吸収部を有し、該中央吸収部の幅方向中央部に、少なくとも上面側の一部が欠落した中央非積繊部が形成され、該中央吸収部と前記サイド吸収部との間に側部非積繊部が形成されており、
前記側部非積繊部において、前記吸収性コアの上下に配されたコアラップシートどうしが接合されており、前記中央非積繊部においては、前記吸収性コアの上側に配されたコアラップシートが、その直下に位置する部材に接合されていない、使い捨ておむつ。 - 前記吸水性ポリマーは、前記中央吸収部に、前記サイド吸収部よりも高坪量に配されている請求項1記載の使い捨ておむつ。
- 前記中央吸収部が、上部吸収層と下部吸収層とを有する多層構造を有し、前記吸水性ポリマーが、上部吸収層に、下部吸収層より高坪量に含まれている請求項1又は2記載の使い捨ておむつ。
- 請求項1記載の使い捨ておむつの製造方法であって、
中央非積繊部を有する中央吸収部と、該中央吸収部の長手方向の両側に一対のサイド吸収部と、該中央吸収部と該サイド吸収部との間に側部非積繊部を有する吸収性コアを製造する工程、コアラップシートにおける前記側部非積繊部に対応する部分に接着剤を配する工程、及び上下面にコアラップシートを配された状態の吸収性コアを、前記側部非積繊部に対応する部分それぞれに押し込み部を有し前記中央非積繊部に対応する部分に押し込み部を有しない加圧ロールで加圧し、上下のコアラップシートの一方又は双方を側部非積繊部に押し込んで、上下のコアラップシートどうしを接合させる工程を具備する吸収体の製造工程を具備する使い捨ておむつの製造方法。
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