JP2012034154A - ミキシング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ミキシング装置において、機能の設定ミスを防止し即座に最適な設定を行うことができると共に、装置のコストを低減でき、また、設定パネル上面が煩雑化してしまうことを防止することができるミキシング装置を提供する。
【解決手段】 第1及び第2のオーディオ信号を入力する入力部と、スライドするノブを備え当該ノブの位置を位置情報として出力するクロスフェーダ部と、回転するつまみを備え当該つまみの回転角度を角度情報として出力するフェーダコントロールつまみ部と、クロスフェーダ部からの位置情報及びフェーダコントロールつまみ部からの角度情報に基づいて入力部に入力された第1及び第2のオーディオ信号のミックスバランスを変更して出力するよう制御するミックスバランス制御部とを備え、ミックスバランス制御部は、フェーダコントロールつまみ部のつまみの角度に応じてミックスバランスに関する複数の設定機能の変更を行うよう制御する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、入力された複数のオーディオ信号をミキシングして出力するミキシング装置に関する。
従来、ミキシング装置とアナログレコードプレーヤやCD(Compact Disk)プレーヤを用いて様々な効果音を生成するディスクジョッキー(Disc Jockey(以下、DJという。))が用いるDJ用のミキシング装置が知られている。これら従来のミキシング装置は、オーディオ信号を入力する複数の入力端子を備えている。また、従来のミキシング装置は、複数の入力端子に入力される複数のオーディオ信号のうち2つのオーディオ信号の合成(ミックス)の比率(ミックスバランス)を調節するクロスフェーダを備えている(例えば、特許文献1参照)。
このような従来のDJ用のミキシング装置には、DJがミキシングする曲の曲調に合わせて様々な技法を行うことができるように、クロスフェーダの操作に応じた様々な設定を行うことができる設定機能を備えるものがある。
例えば、DJが用いる技法の中で、ある曲のオーディオ信号を再生しているときから、徐々に次の曲のオーディオ信号をフェードインしてミックスさせると共に当該ある曲を徐々にフェードアウトさせる技法(以下、「フェードイン/フェードアウト技法」という。)があり、この技法を行う場合、ミキシング装置に備えるボリュウムを回転させることによって、クロスフェーダのノブの位置によって変化するそれぞれのオーディオ信号の出力レベルの度合いの特性であるミキシングカーブ特性を変化させることができる設定機能(以下、「ミキシングカーブ特性設定機能」という。)を備えるものがある。
このミキシングカーブ特性設定機能により、例えば、2つの曲のオーディオ信号のフェードイン/フェードアウトのタイミングを遅くしたい場合は、ミキシングカーブ特性が緩やかな特性となるように設定し、この設定状態で、クロスフェーダのノブをスライドすることにより、DJは、2つの曲のオーディオ信号を遅いタイミングでフェードイン/フェードアウトさせることができる。また、このような2つの曲のオーディオ信号のフェードイン/フェードアウトのタイミングを早くしたい場合は、ミキシングカーブ特性が急となる特性となるように設定し、この設定状態で、クロスフェーダのノブをスライドすることにより、2つの曲のオーディオ信号を早いタイミングでフェードイン/フェードアウトさせることができる。
また、DJが用いる技法の中で、ある曲のオーディオ信号を出力しているときから、次の曲のオーディオ信号を高い音量レベルでカットインさせてミックスしたり、また、2つの曲のオーディオ信号をミックスさせている状態から、ある曲のオーディオ信号のみをカットアウトさせる技法(以下、「カットイン/カットアウト技法」という。)があり、この技法を行う場合、スイッチによってカットイン/カットアウト技法のオン/オフが行えるようにする設定機能(以下、「カットイン/カットアウト設定機能」という。)を備えるものがある。このカットイン/カットアウト設定機能により、カットイン/カットアウト技法を行う場合、当該スイッチをオンにした状態で、クロスフェーダのノブをスライドすることにより、DJは、カットイン/カットアウト技法を行うことができる。
また、前述したフェードイン/フェードアウト技法やカットイン/カットアウト技法をDJが行う場合において、例えば、クロスフェーダのノブが一方の端の位置から他方の端の位置までスライド可能な場合、ノブをそれぞれの端の位置から中央方向にスライドさせる過程において2つの曲のオーディオ信号のミックスが開始され始めるクロスフェーダのノブの位置を変化させることができる設定機能(以下、「ミキシング開始位置設定機能」という。)を備えるものがある。このミキシング開始位置設定機能により、2つの曲のオーディオ信号のフェードイン/フェードアウトが開始され始めるクロスフェーダのノブの位置を変化させたり、また、カットイン/カットアウトが行われるクロスフェーダのノブの位置を変化させることができるので、DJは、予めミキシング開始位置設定機能によりミキシング開始位置を設定しておくことによって、所望する好みのクロスフェーダのノブの位置でオーディオ信号をフェードイン/フェードアウトさせたり、また、カットイン/カットアウトさせることができる。
更に、ミキシング装置の設定機能として、例えば、スイッチをオンすることによって、クロスフェーダのノブの位置に拘わらず、2つの入力端子から入力されたそれぞれのオーディオ信号がそれぞれの音量レベルのままスルーしてミックス出力されるようにする設定機能(以下、「スルー出力設定機能」という。)を備えるものがある。このスルー出力設定機能により、例えば、クロスフェーダの操作によって2つの入力端子から入力されたオーディオ信号のミックスバランスを変化させている途中に、スルー出力設定機能のスイッチをオンすることにより、クロスフェーダの位置の影響を受けずに2つの入力端子から入力されたオーディオ信号をそれぞれ入力された音量レベルのまま出力することができる。
特開平9−28483号公報
前述したような、「ミキシングカーブ特性設定機能」、「カットイン/カットアウト設定機能」、「ミキシング開始位置設定機能」及び「スルー出力設定機能」を備えたミキシング装置は、DJの行う技法を一層多様化させることができるが、DJは、それぞれの機能を個別に設定する必要があるため、例えば、パフォーマンス中にこれらの機能の設定を即座に行う必要性がある場合、これらの個別の機能設定を短時間で行うことが煩わしい場合がある。また、DJがミキシング装置の操作によってパフォーマンスを行っている最中に、個別の設定機能のうち1つでも設定間違いをしてしまうと、曲が途切れてしまったり、また、曲のテンポがズレてしまうといったパフォーマンスの失敗が生じてしまう虞がある。
また、前述したような複数の設定機能をミキシング装置に備えようとする場合、それぞれ個別の設定用の操作つまみ、ノブ、スイッチ等のコストが掛かり、ミキシング装置のコストが上昇してしまう。また、これら多くの個別の設定用の操作つまみ、ノブ、スイッチ等を設定パネル上面に備えようとすると、設定パネル上面が煩雑化してしまう。
本発明は、ミキシング装置において、DJのパフォーマンス性を高める多くの機能を備えながら、機能の設定ミスを防止し即座に最適な設定を行うことができると共に、装置のコストを低減でき、また、設定パネル上面が煩雑化してしまうことを防止することができるミキシング装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本願の請求項1記載の発明は、ミキシング装置において第1のオーディオ信号及び第2のオーディオ信号を入力する入力部と、スライドするノブを備え当該ノブの位置を位置情報として出力するクロスフェーダ部と、回転するつまみを備え当該つまみの回転角度を角度情報として出力するフェーダコントロールつまみ部と、前記クロスフェーダ部からの位置情報及び前記フェーダコントロールつまみ部からの角度情報に基づいて前記入力部に入力された前記第1のオーディオ信号及び前記第2のオーディオ信号のミックスバランスを変更して出力するよう制御するミックスバランス制御部とを備え、前記ミックスバランス制御部は、前記フェーダコントロールつまみ部の前記つまみの角度に応じて前記ミックスバランスに関する複数の設定機能の変更を行うよう制御することを特徴とする。
本願の請求項2記載の発明は、請求項1記載のミキシング装置において、前記ミックスバランス制御部は、前記フェーダコントロールつまみ部の前記つまみが予め定めた第1の角度の範囲内である場合、前記複数の設定機能の内の第1の設定機能の変更を行い、前記フェーダコントロールつまみ部の前記つまみが前記第1の角度の範囲から時計回り方向の予め定めた第2の範囲内である場合、前記複数の設定機能の内の第2の設定機能の変更を行い、前記フェーダコントロールつまみ部の前記つまみが前記第2の範囲から時計回り方向の予め定めた第3の範囲内である場合、前記複数の設定機能の内の第3の設定機能の変更を行うことを特徴とする。
本願の請求項3記載の発明は、請求項2記載のミキシング装置において、前記第1の設定機能は、前記第1のオーディオ信号及び前記第2のオーディオ信号のミキシングカーブの特性の設定を変更する機能であり、前記第2の設定機能は、前記第1のオーディオ信号及び前記第2のオーディオ信号をカットイン/カットアウトすると共にミキシング開始位置の設定を変更する機能であり、前記第3の設定機能は、前記第1のオーディオ信号及び前記第2のオーディオ信号をスルー出力するよう設定する機能であることを特徴とする。
本願の請求項4記載の発明は、請求項1乃至3記載のミキシング装置において、前記フェーダコントロールつまみ部は、前記つまみが所定の角度となったときにクリック感を生じる機構を備えることを特徴とする。
本願の請求項5記載の発明は、請求項1乃至3記載のミキシング装置において、
前記フェーダコントロールつまみ部は、前記つまみが所定の角度となったときに回転をロックさせるロック機構を備えることを特徴とする。
本発明によれば、ミキシング装置において、DJのパフォーマンス性を高める多くの機能を備えながら、機能の設定ミスを防止し即座に最適な設定を行うことができると共に、装置のコストを低減でき、また、設定パネル上面が煩雑化してしまうことを防止することができるミキシング装置を提供することができる。
本発明の一実施例であるミキシング装置の構成を示す斜視図。 本実施例のミキシング装置1を示すブロック図。 本実施例のミキシング装置1のクロスフェーダ部2を示す上面図。 本実施例のミキシング装置1のフェーダコントロールつまみ部3を示す上面図。 本実施例のミキシング装置1において、クロスフェーダ部2のノブ201の位置に応じたミックスバランス制御部4によるミキシングカーブ特性を示す図で、図5(a)はフェーダコントロールつまみ部3の目印302が位置aでの状態を示す図、図5(b)は図5(a)の状態からフェーダコントロールつまみ部3の目印302が位置bとなるまでつまみ301を回転させた状態を示す図。 本実施例のミキシング装置1において、クロスフェーダ部2のノブ201の位置に応じたミックスバランス制御部4によるミキシングカーブ特性を示す図で、図6(a)は図5(b)の状態からフェーダコントロールつまみ部3の目印302が位置cとなるまでつまみ301を回転させた状態を示す図、図6(b)は図6(a)の状態からフェーダコントロールつまみ部3の目印302が位置dとなるまでつまみ301を回転させた状態を示す図。 本実施例のミキシング装置1において、クロスフェーダ部2のノブ201の位置に応じたミックスバランス制御部4によるミキシングカーブ特性を示す図で、図6(b)の状態からフェーダコントロールつまみ部3の目印302が位置eとなるまでつまみ301を回転させた状態を示す図。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施例であるミキシング装置の構成を示す斜視図である。
ミキシング装置1は、クロスフェーダ部2、フェーダコントロールつまみ部3、第1の入力部11、第2の入力部12、マスター出力部13、筐体101及びパネル102を備える。
パネル102は、細長い角孔である孔103を備え、この孔103から左右方向にスライド可能に成されたクロスフェーダ部2のノブ201が突出している。フェーダコントロールつまみ部3は、パネル102に備える図示しない孔から回転可能に成されたつまみ301が突出している。
図2は、本実施例のミキシング装置1を示すブロック図である。
ミキシング装置1は、筐体101の内部に前述した第1の入力部11、第2の入力部12、マスター出力部13、クロスフェーダ部2及びフェーダコントロールつまみ部3の他にミックスバランス制御部4を備える。
第1の入力部11及び第2の入力部12は、それぞれアナログレコードプレーヤやCDプレーヤ等の他の装置から出力されたオーディオ信号を入力し、ミックスバランス制御部4に出力する。クロスフェーダ部2は、スライド可能に成されたノブ201の位置を検出し、検出したノブ201の位置を位置情報としてミックスバランス制御部4に出力する。
フェーダコントロールつまみ部3は、回転可能に成されたつまみ301の角度を検出し、検出したつまみ301の角度を角度情報としてミックスバランス制御部4に出力する。
ミックスバランス制御部4は、クロスフェーダ部2から出力されたノブ201の位置情報とフェーダコントロールつまみ部3から出力されたつまみ301の角度情報に基づいて、第1の入力部11及び第2の入力部12から出力されたオーディオ信号のミックスバランスを変更してマスター出力部13に出力する。
図3は、本実施例のミキシング装置1のクロスフェーダ部2を示す上面図である。
図3に示すように、クロスフェーダ部2のノブ201は、孔103に沿って左右に自在にスライドする。本実施例においては、図3に示すように、ノブ201がスライド可能な左端の位置及び右端の位置をぞれぞれ位置C及び位置Bとし、位置Cと位置Bの中間の位置を位置Aとする。
図4は、本実施例のミキシング装置1のフェーダコントロールつまみ部3を示す上面図である。
図4に示すように、フェーダコントロールつまみ部3のつまみ301は、目印302を備える。つまみ301は、目印302が、角度aの位置から角度fの位置までの回転範囲において、時計回り及び反時計回りに自在に回転可能に成される。パネル102上面のつまみ301の周囲の部分には、図4に示すような色々な印刷部303が施されている。
図4に示すように、本実施例においては、つまみ301を中心として、12時間時計の7時を示す角度を角度aとし、また、12時間時計の9時を示す角度を角度bとし、また、12時間時計の12時を示す角度を角度cとし、また、12時間時計の2時を示す角度を角度dとし、また、12時間時計の3時を示す角度を角度eとし、また、12時間時計の5時を示す角度を角度fとする。
ミックスバランス制御部4は、クロスフェーダ部2から出力されたノブ201の位置情報に基づいて、第1の設定機能である「ミキシングカーブ特性設定機能」、第2の設定機能である「カットイン/カットアウト及びミキシング開始位置設定機能」及び第3の設定機能である「スルー出力設定機能」の3つの設定機能の変更を行う。
先ず、第1の設定機能である「ミキシングカーブ特性設定機能」について説明する。
図5は、本実施例のミキシング装置1において、クロスフェーダ部2のノブ201の位置に応じたミックスバランス制御部4によるミキシングカーブ特性を示す図で、図5(a)はフェーダコントロールつまみ部3の目印302が位置aでの状態を示す図、図5(b)は図5(a)の状態からフェーダコントロールつまみ部3の目印302が位置bとなるまでつまみ301を回転させた状態を示す図である。
図5(a)に示すように、つまみ301の目印302が図4に示す角度aのとき、クロスフェーダ部2のノブ201が図3に示す位置Cにある場合、ミックスバランス制御部4は、第1のオーディオ信号のみが最大の音量レベルでマスター出力部13から出力されるよう制御する。この状態から、ノブ201を中央方向にスライドさせると、ノブ201が位置Cから位置C’の間は、第1のオーディオ信号のみが最大の音量レベルでマスター出力部13から出力されたままとなるが、ノブ201が位置C’を越えて中央方向にスライドされるのに伴って、ミックスバランス制御部4は、第2のオーディオ信号の音量レベルを徐々に増大させるよう第2のオーディオ信号をミックスさせると共に、第1のオーディオ信号の音量レベルを徐々に減少させてマスター出力部13から出力されるよう制御する。
また、つまみ301の目印302が図4に示す角度aのとき、クロスフェーダ部2のノブ201が図3に示す位置Bにある場合、ミックスバランス制御部4は、第2のオーディオ信号のみが最大の音量レベルでマスター出力部13から出力されるよう制御する。この状態から、ノブ201を中央方向にスライドさせると、ノブ201が位置Bから位置B’の間は、第2のオーディオ信号のみが最大の音量レベルでマスター出力部13から出力されたままとなるが、ノブ201が位置B’を越えて中央方向にスライドされるのに伴って、ミックスバランス制御部4は、第1のオーディオ信号の音量レベルを徐々に増大させるよう第1のオーディオ信号をミックスさせると共に、第2のオーディオ信号を徐々に減少させてマスター出力部13から出力されるよう制御する。
そして、ノブ201が中央の位置である位置Aのとき、ミックスバランス制御部4は、第1のオーディオ信号と第2のオーディオ信号がそれぞれ略同一の比率でミックスされてマスター出力部13から出力されるよう制御する。
このように、つまみ301の目印302が図4に示す角度aのとき、ミックスバランス制御部4は、ノブ201の位置が位置C’から右方向にスライドするのに伴って角度θ1のミキシングカーブ特性で第2のオーディオ信号をフェードインさせながらミックスさせると共に第1のオーディオ信号をフェードアウトし、また、ノブ201の位置が位置B’から左方向にスライドするのに伴って角度θ2のミキシングカーブ特性で第1のオーディオ信号をフェードインさせながらミックスさせると共に第2のオーディオ信号をフェードアウトするよう制御する。
目印302が角度aにある状態からつまみ301を時計回り方向に回転させるのに伴い、ミックスバランス制御部4は、ノブ201の位置が位置C’から右方向にスライドするのに伴ってミックスする第2のオーディオ信号の増大率、及びノブ201の位置が位置B’から左方向にスライドするのに伴ってミックスする第1のオーディオ信号の増大率をそれぞれ大きくするよう制御する。このため、図5(b)に示すように、つまみ301の目印302が図4に示す角度bのときは、目印302が角度aのときと比較して、ノブ201の位置が位置C’から右方向にスライドするのに伴ってミックスされる第2のオーディオ信号の音量レベルのミキシングカーブ特性の角度θ1、及びノブ201の位置が位置B’から左方向にスライドするのに伴ってミックスされる第1のオーディオ信号の音量レベルのミキシングカーブ特性の角度θ2がそれぞれ大きくなる。
このように、つまみ301の目印302を図4に示す角度aから角度bとなるように、つまみ301を時計回り方向に回転することにより、クロスフェーダ部2のノブ201の位置によって変化するそれぞれのオーディオ信号の出力レベルの度合いの特性であるミキシングカーブ特性を緩やかな特性から急な特性に変化する。
次に、第2の設定機能である「カットイン/カットアウト及びミキシング開始位置設定機能」について説明する。
図6は、本実施例のミキシング装置1において、クロスフェーダ部2のノブ201の位置に応じたミックスバランス制御部4によるミキシングカーブ特性を示す図で、図6(a)は図5(b)の状態からフェーダコントロールつまみ部3の目印302が位置cとなるまでつまみ301を回転させた状態を示す図、図6(b)は図6(a)の状態からフェーダコントロールつまみ部3の目印302が位置dとなるまでつまみ301を回転させた状態を示す図である。
目印302が角度bにある状態からつまみ301を時計回り方向に回転させるのに伴い、ミックスバランス制御部4は、ノブ201の位置が位置C´から右方向にスライドするのに伴ってミックスする第2のオーディオ信号の増大率、及びノブ201の位置が位置B’から左方向にスライドするのに伴ってミックスする第1のオーディオ信号の増大率をそれぞれ更に大きくするよう制御する。
そして、図6(a)に示すように、つまみ301の目印302が図4に示す角度cのときは、ノブ201の位置が位置C’から右方向にスライドするのに伴ってミックスされる第2のオーディオ信号の音量レベルのミキシングカーブ特性の角度θ1、及びノブ201の位置が位置B’から左方向にスライドするのに伴ってミックスされる第1のオーディオ信号の音量レベルのミキシングカーブ特性の角度θ2がそれぞれ略90度となる。このため、つまみ301の目印302が図4に示す角度cのときは、ミックスバランス制御部4は、ノブ201が位置Cから位置C’の間にスライドしているとき、第1のオーディオ信号のみがマスター出力部13から出力され、また、ノブ201が位置Bから位置B’の間にスライドしているとき、第2のオーディオ信号のみがマスター出力部13から出力されるよう制御するが、ノブ201が位置C’から位置B’の間にスライドすると、ミックスバランス制御部4は、第1のオーディオ信号と第2のオーディオ信号がそれぞれ最大の音量レベルでミックスされてマスター出力部13から出力されるよう制御する。
このように、つまみ301の目印302が図4に示す角度cのときは、ノブ201を位置Cから中央方向にスライドさせた場合、ノブ201が位置C’のときに第2のオーディオ信号をカットインし、また、ノブ201を位置Bから中央方向にスライドさせた場合、ノブ201が位置B’のときに第1のオーディオ信号をカットインする。また、つまみ301の目印302が図4に示す角度cのときは、ノブ201を位置Aから外側方向にスライドさせた場合、ノブ201が位置C’のときに第2のオーディオ信号をカットアウトし、また、ノブ201が位置B’のときに第1のオーディオ信号をカットアウトする。
目印302が角度cにある状態からつまみ301を時計回り方向に回転させるのに伴い、ミックスバランス制御部4は、前述した第2のオーディオ信号のカットイン/カットアウト位置となる位置C、及び第1のオーディオ信号のカットイン/カットアウト位置となる位置Bがそれぞれ外側に移動したミキシングカーブ特性となるよう制御する。
このように、図6(b)に示すように、つまみ301の目印302が図4に示す角度dのときは、目印302が角度cのときと比較して、第2のオーディオ信号をカットイン/カットアウトする位置が位置C’から位置C’’へと外側に移動し、また、第1のオーディオ信号をカットイン/カットアウトする位置が位置B’から位置B’’へと外側に移動したミキシングカーブ特性となる。
次に、第3の設定機能である「スルー出力設定機能」について説明する。
図7は、本実施例のミキシング装置1において、クロスフェーダ部2のノブ201の位置に応じたミックスバランス制御部4によるミキシングカーブ特性を示す図で、図6(b)の状態からフェーダコントロールつまみ部3の目印302が位置eとなるまでつまみ301を回転させた状態を示す図である。
目印302が角度dにある状態からつまみ301を時計回り方向に回転させるのに伴い、ミックスバランス制御部4は、前述した第2のオーディオ信号のカットイン/カットアウト位置となる位置C’’、及び第1のオーディオ信号のカットイン/カットアウト位置となる位置B’’がそれぞれ更に外側に移動したミキシングカーブ特性となるよう制御する。
このため、図7に示すように、つまみ301の目印302が図4に示す角度eのときは、第2のオーディオ信号のカットイン/カットアウト位置が位置Cとなり、また、第1のオーディオ信号のカットイン/カットアウト位置が位置Bとなるミキシングカーブ特性となる。このとき、ミックスバランス制御部4は、ノブ201がスライド可能範囲となる位置Cから位置Bの間のどの位置であっても、第1のオーディオ信号と第2のオーディオ信号がそれぞれ最大の音量レベルでミックスして出力するよう制御する。このため、つまみ301の目印302が図4に示す角度eのときは、いわゆる第1のオーディオ信号と第2のオーディオ信号がスルー出力される。
そして、ミックスバランス制御部4は、つまみ301の目印302が図4に示す角度eからつまみ301を時計方向に回転させて角度fとなる位置までの範囲において、ノブ201がどの位置であっても第1のオーディオ信号と第2のオーディオ信号がスルー出力されるよう制御する。
なお、図5(a)から図7に示す図によって説明したように、本実施例のミキシング装置1は、つまみ301の目印302が図4に示す角度aから角度b〜eを介して角度fとなるまでつまみ301を時計回り方向に回転させた場合におけるノブ201の位置に応じたミックスバランス制御部4によるミキシングカーブ特性の変化について説明したが、つまみ301の目印302が図4に示す角度fの状態から角度aとなるまでつまみ301を反時計回り方向に回転させた場合においても、以上に説明したのと反対のミックスバランス制御部4によるミキシングカーブ特性の変化が生じるものとする。
以上のように、本実施例のミキシング装置1は、つまみ301の目印302が図4に示す角度aから角度cの略150度の範囲内においては、つまみ301を時計回り方向又は反時計回り方向に回転させることによって、クロスフェーダ部2のノブ201の位置によって変化する第1のオーディオ信号と第2のオーディオ信号のそれぞれのオーディオ信号の出力レベルの度合いの特性であるミキシングカーブ特性を変化させることができる。
また、本実施例のミキシング装置1は、つまみ301の目印302が図4に示す角度cから角度eの略90度の範囲内においては、クロスフェーダ部2のノブ201をスライドさせることによって、第1のオーディオ信号及び第2のオーディオ信号をカットイン/カットアウトさせ、且つ、つまみ301を時計回り方向又は反時計回り方向に回転させることによって、第1のオーディオ信号及び第2のオーディオ信号をカットイン/カットアウトさせる位置を変化させることができる。
また、本実施例のミキシング装置1は、つまみ301の目印302が図4に示す角度eから角度fの60度の範囲内においては、クロスフェーダ部2のノブ201の位置に拘わらず、第1のオーディオ信号と第2のオーディオ信号をそれぞれ最大の音量レベルでミックスさせてスルー出力させることができる。
このように、本実施例のミキシング装置1は、つまみ301の目印302が図4に示す角度aから角度cの範囲内で、つまみ301を時計回り方向又は反時計回り方向に回転させることによって、ミキシングカーブ特性を設定する「ミキシングカーブ特性設定機能」としての設定変更をすることができ、また、つまみ301の目印302が図4に示す角度cから角度eの範囲内で、つまみ301を時計回り方向又は反時計回り方向に回転させることによって、第1のオーディオ信号及び第2のオーディオ信号をカットイン/カットアウトすると共に、第1のオーディオ信号及び第2のオーディオ信号をカットイン/カットアウトさせる位置を設定する「カットイン/カットアウト及びミキシング開始位置設定機能」としての設定変更をすることができ、更に、つまみ301の目印302が図4に示す角度eから角度fの範囲内で、第1のオーディオ信号と第2のオーディオ信号をそれぞれ最大の音量レベルでミックスさせて出力させる「スルー出力設定機能」としての設定変更をすることができる。
DJがミキシング装置1によってディスコやダンスクラブでパフォーマンスを行う場合に用いる技法は、ミキシング装置によってミキシングして出力させるオーディオ信号の楽曲に応じて特定の技法のみを用いる場合が多い。このため、使用する設定機能も、出力させるオーディオ信号の楽曲に応じて使用する特定の技法に必要な設定機能のみとなる。例えば、ミキシング装置でミキシングして出力させる楽曲がいわゆるユーロビート系やハウスミュージック系と言われる楽曲においては、背景技術で説明した「フェードイン/フェードアウト技法」を多様に用いることから、この技法に伴って使用する設定機能は「ミキシングカーブ特性設定機能」となる。一方、ミキシング装置でミキシングして出力させる楽曲がいわゆるヒップホップ系と言われる楽曲や、スクラッチ音を多様にカットイン/カットアウトする楽曲においては、背景技術で説明した「カットイン/カットアウト技法」を多様に用いることから、この技法に伴って使用する設定機能は、背景技術で説明した「カットイン/カットアウト設定機能」、「ミキシング開始位置設定機能」及び「スルー出力設定機能」となる。
このため、本実施例のミキシング装置1によれば、ミキシング装置1でミキシングして出力させる楽曲が、例えば、いわゆるユーロビート系やハウスミュージック系と言われる楽曲の場合には、つまみ301の目印302が図4に示す角度aから角度cの間となる範囲内でつまみ301を回転させることにより、「ミキシングカーブ特性設定機能」「カットイン/カットアウト及びミキシング開始位置設定機能」及び「スルー出力設定機能」の内、「ミキシングカーブ特性設定機能」のみが設定変更可能となるため、他の設定機能を間違えて設定してしまうことを防止することができる。また、本実施例のミキシング装置1によれば、ミキシング装置1でミキシングして出力させる楽曲が、例えば、いわゆるヒップホップ系と言われる楽曲の場合には、つまみ301の目印302が図4に示す角度cから角度fの間となる範囲内でつまみ301を回転させることにより、「ミキシングカーブ特性設定機能」「カットイン/カットアウト及びミキシング開始位置設定機能」及び「スルー出力設定機能」の内、「カットイン/カットアウト及びミキシング開始位置設定機能」及び「スルー出力設定機能」のみが設定変更可能となるため、「ミキシングカーブ特性設定機能」を間違えて設定してしまうことを防止することができる。
なお、本実施例においては、背景技術で説明した「カットイン/カットアウト設定機能」と「ミキシング開始位置設定機能」を「カットイン/カットアウト及びミキシング開始位置設定機能」の1つの設定機能として説明した。これは、前述した「フェードイン/フェードアウト技法」を用いる場合は、殆ど、「カットイン/カットアウト設定機能」及び「ミキシング開始位置設定機能」の2つの設定機能を使用せず、反対に、前述した「カットイン/カットアウト技法」を用いる場合は、殆ど、「カットイン/カットアウト設定機能」と「ミキシング開始位置設定機能」の2つの設定機能を併用するため、本実施例においては、カットイン/カットアウト設定機能」と「ミキシング開始位置設定機能」を「カットイン/カットアウト及びミキシング開始位置設定機能」の1つの設定機能とした。
このように、本実施例のミキシング装置1は、従来のミキシング装置のように、他の設定機能を間違えて設定及び設定変更していまい、ミキシングした曲が途切れてしまったり、また、ミキシングした曲のテンポがズレてしまうといったパフォーマンスの失敗が生じてしまうことを防止することができる。
また、本実施例のミキシング装置1によれば、「ミキシングカーブ特性設定機能」「カットイン/カットアウト及びミキシング開始位置設定機能」及び「スルー出力設定機能」の3つの設定を、フェーダコントロールつまみ部3のつまみ301の回転により行うことができるので、それぞれの個別の設定用の操作つまみ、ノブ、スイッチ等を備える必要がなく、また、これらの個別の設定用の操作つまみ、ノブ、スイッチ等をミキシング装置の設定パネル上に備える必要がない。このため、ミキシング装置のコストを低減することができ、また、設定パネルの操作部がそれぞれの個別設定用の操作つまみ、ノブ、スイッチ等によって煩雑化してしまうことを防止することができる。
本実施例のミキシング装置1は、図4に示すように、パネル102の上面のつまみ301の周囲部分となる位置に機能設定の内容を示す様々な印刷部303が施されていることにより、使用者は、つまみ301の目印302の位置を目視することで、現在の機能設定内容を容易に認識することができ、また、特定の機能設定を変更したい場合、つまみ301の目印302が所望する機能設定を示す印刷部303の位置となるようにつまみ301を回転させることにより、迅速に所望する機能設定を行うことができる。特に、角度aの位置にフェードイン/フェードアウトの機能設定を示す図を印刷部303によって施し、また、角度cの位置にカットイン/カットアウトの機能設定を示す図を印刷部303によって施し、更に、角度eから角度fの位置にスルー出力の機能設定を示す図を印刷部303によって施しているため、使用者は、目印302の位置と印刷部303を目視することにより容易に現在の機能設定内容を認識することができ、また、迅速に所望する機能設定を行うことができる。
本実施例のミキシング装置1は、つまみ301を中心として、12時間時計の7時を示す角度を角度aとし、また、12時間時計の12時を示す角度を角度cとし、また、12時間時計の3時を示す角度を角度eとし、また、12時間時計の5時を示す角度を角度fとしたが、これに限らず任意の角度において機能設定の内容を変更する構成としても良い。また、本実施例のミキシング装置1は、つまみ301が角度aから角度fの範囲内において自在に回転する構成としたが、これに限らず任意の範囲内において自在に回転する構成としても良いし、360度回転する構成としても良い。
本実施例のミキシング装置1は、例えば、つまみ301を回転させる過程において、目印302が角度cとなる角度や、目印302が角度eとなる角度でクリック感を有するクリック機構を備えても良い。これにより、使用者は、周囲が暗い環境においても、つまみ301を回転させていく過程において生じるクリック感によって、前述した3つの機能設定の内、どの設定機能の範囲内にあるかを容易に認識することができる。
本実施例のミキシング装置1は、例えば、つまみ301を回転させる過程において、目印302が角度eより時計回り方向に回転させた場合に、つまみ301の回転をロックさせることができるロック機構を備えても良い。これにより、使用者は、例えば、目印302が角度eより時計回り方向となるように回転させ、第1のオーディオ信号と第2のオーディオ信号をスルー出力させている状態において、不用意にノブ201が回転してしまい、他の設定内容となってしまうことを防止することができる。
本実施例のミキシング装置1は、フェーダコントロールつまみ部3のつまみ301を回転させることにより、設定機能の内容を変更する構成としたが、回転式のつまみ301の代わりにスライド式のノブを備え、このノブのスライド位置によって設定機能の内容を変更する構成としても良い。また、回転式のつまみ301の代わりに、並列した設定スイッチや円形に並んだスイッチを備え、このスイッチのオン/オフによって機能設定の内容を変更する構成としても良い。更に、回転式のつまみ301の代わりに、タッチ検出式の操作部を備え、この操作部をタッチすることによって機能設定の内容を変更する構成としても良い。
本実施例のミキシング装置は、フェーダコントロールつまみ部3のつまみ301に角度に応じて、「ミキシングカーブ特性設定機能」「カットイン/カットアウト及びミキシング開始位置設定機能」及び「スルー出力設定機能」の3つの設定機能の変更を行う構成としたが、これらの設定機能に限らず、他の設定の変更を行う構成としても良いし、また、3つの設定機能の内のいずれかのみの設定機能の変更を行う構成としても良い。
本実施例のミキシング装置1は、フェーダコントロールつまみ部3のつまみ301の回転によって、第1の入力部11に入力された第1のオーディオ信号と第2の入力部12に入力された第2のオーディオ信号のミキシング特性を設定する構成としたが、このつまみ301によって、ミキシング以外にも様々な機能設定の内容を変更することができる構成としても良い。
本発明は、入力された複数のオーディオ信号をミキシングして出力するミキシング装置に有用に用いることができる。
1 ミキシング装置、101 筐体、102 パネル、103 孔、
2 クロスフェーダ部、201 ノブ、
3 フェーダコントロールつまみ部、301 つまみ、302 目印、303 印刷部、
4 ミックスバランス制御部、
11 第1の入力部、12 第2の入力部、13 マスター出力部

Claims (5)

  1. 第1のオーディオ信号及び第2のオーディオ信号を入力する入力部と、
    スライドするノブを備え当該ノブの位置を位置情報として出力するクロスフェーダ部と、
    回転するつまみを備え当該つまみの回転角度を角度情報として出力するフェーダコントロールつまみ部と、
    前記クロスフェーダ部からの位置情報及び前記フェーダコントロールつまみ部からの角度情報に基づいて前記入力部に入力された前記第1のオーディオ信号及び前記第2のオーディオ信号のミックスバランスを変更して出力するよう制御するミックスバランス制御部とを備え、
    前記ミックスバランス制御部は、前記フェーダコントロールつまみ部の前記つまみの角度に応じて前記ミックスバランスに関する複数の設定機能の変更を行うよう制御することを特徴とするミキシング装置。
  2. 請求項1記載のミキシング装置において、
    前記ミックスバランス制御部は、前記フェーダコントロールつまみ部の前記つまみが予め定めた第1の角度の範囲内である場合、前記複数の設定機能の内の第1の設定機能の変更を行い、前記フェーダコントロールつまみ部の前記つまみが前記第1の角度の範囲から時計回り方向の予め定めた第2の範囲内である場合、前記複数の設定機能の内の第2の設定機能の変更を行い、前記フェーダコントロールつまみ部の前記つまみが前記第2の範囲から時計回り方向の予め定めた第3の範囲内である場合、前記複数の設定機能の内の第3の設定機能の変更を行うことを特徴とするミキシング装置。
  3. 請求項2記載のミキシング装置において、
    前記第1の設定機能は、前記第1のオーディオ信号及び前記第2のオーディオ信号のミキシングカーブの特性の設定を変更する機能であり、前記第2の設定機能は、前記第1のオーディオ信号及び前記第2のオーディオ信号をカットイン/カットアウトすると共にミキシング開始位置の設定を変更する機能であり、前記第3の設定機能は、前記第1のオーディオ信号及び前記第2のオーディオ信号をスルー出力するよう設定する機能であることを特徴とするミキシング装置。
  4. 請求項1乃至3記載のミキシング装置において、
    前記フェーダコントロールつまみ部は、前記つまみが所定の角度となったときにクリック感を生じる機構を備えることを特徴とするミキシング装置。
  5. 請求項1乃至3記載のミキシング装置において、
    前記フェーダコントロールつまみ部は、前記つまみが所定の角度となったときに回転をロックさせるロック機構を備えることを特徴とするミキシング装置。
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