JP2012033907A - 蓄電デバイスの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 正極又は負極の一方の第1極と他方の第2極との間にセパレータ層が設けられてなる積層体と電解質と積層体と電解質を収納したパッケージを有してなる蓄電デバイスの製造方法において、それぞれ第1極活物質層を備えた複数の第1極集電体電極がセパレータ層で一体化されてなる第1極複合シートを作製する第1極複合シート作製工程を含む。
【選択図】図1
Description
この蓄電デバイスは、例えば、特許文献1に開示されているように、例えば、アルミニウム箔からなる集電体電極の上に分極性電極層を形成して圧延したのちに電気化学素子の大きさに裁断することにより個片化した後、セパレータを介して積層することにより製造されている。
また、集電体電極を薄くして小型化を図ろうとした場合、集電体電極の取り扱いが困難になるという問題があった。
したがって、従来の蓄電デバイスは、小型化及び製造コストの低減が困難であった。
それぞれ第1極活物質層を備えた複数の第1極集電体電極がセパレータ層で一体化されてなる第1極複合シートを作製する第1極複合シート作製工程を含むことを特徴とする。
以上のように構成された本発明に係る蓄電デバイスの製造方法は、それぞれ第1極活物質層を備えた複数の第1極集電体電極がセパレータ層に一体化されてなる第1極複合シートを作製する第1極複合シート作製工程を含むので、第1極を個別に1つずつ作製し、積層するよりも高い生産性がえられる。
また、それぞれ第1極活物質層を備えた複数の第1極集電体電極がセパレータ層で一体化されているので、第1極集電体電極が薄層化されたような場合でも、第1極集電体電極を破壊することなく、正規の配列・所定の位置を保持したままハンドリングすることが可能であり、デバイスの小型化が容易である。
また、第1極複合シートが基材に保持されているため、ハンドリングがさらに容易となり、デバイスの更なる小型低背化が可能となる。
前記第1極複合シートのセパレータ層と前記第2極複合シートのセパレータ層とを、前記第1極活物質層と前記第2極活物質層とがそれぞれ対向するように接合して両極一体化シートを作製する両極一体化シート作製工程と、
前記両極一体化シートを、それぞれ対向する第1極活物質層と第2極活物質層とを含むように裁断して電気化学素子用積層ブロックを作製する電気化学素子用積層ブロック作製工程と、を含むようにしてもよい。
このように、両極一体化シートを作製して裁断して電気化学素子用積層ブロックを作製すると、電気化学素子用積層ブロックを生産性良く製造できる。
前記電気化学素子用積層ブロック作製工程の前に、
第1極集電体電極間、または第2極集電体電極間を対向させて前記両極一体化シートを積層する積層工程をさらに含んでいてもよい。
前記両極一体化シートを、それぞれ対向する第1極活物質層と第2極活物質層とを含むように裁断して電気化学素子用積層ブロックを作製する電気化学素子用積層ブロック作製工程と、
を含むことができる。
前記第2極活物質層を形成した後、前記第2極集電体電極を形成する前に、第2極活物質層間に位置する埋込層を形成して表面を平坦化する平坦化工程を含むことが好ましく、これにより、精度良く前記複数の第2極集電体電極を形成することができる。
前記電気化学素子用積層ブロック作製工程の前に、
第1極集電体電極間、または第2極集電体電極間を対向させて前記両極一体化シートを積層する積層工程をさらに含んでいてもよい。
基材上に、前記複数の第1極集電体電極を形成する第1極集電体電極形成工程と、
前記第1極集電体電極上にそれぞれ前記第1極活物質層を形成する第1極活物質層形成工程と、
それぞれ前記第1極活物質層が形成された前記複数の第1極集電体電極の少なくとも一部を覆う前記セパレータ層を形成するセパレータ層形成工程とを含んで、前記第1極複合シートを前記基材上に形成し、
前記第1極・第1極一体化シート作製工程において、前記セパレータ層に転写フィルムを接合して、前記基材を剥離する転写工程と、
前記基材を剥離した面に、第1極複合シートの第1極活物質層にそれぞれ対向して第2第1極活物質層を形成する第2第1極活物質層形成工程と、
前記セパレータ層と対向して第2セパレータ層を形成する第2セパレータ層形成工程とを含み、
対向する前記セパレータ層と前記第2セパレータ層とによって前記第1極集電体電極と前記第1極活物質層と前記第2第1極活物質層が挟設・一体化されてなる第1極・第1極一体化シートを作製するようにしてもよい。
前記転写工程と前記第2第1極活物質層形成工程の間に、
前記基材を剥離した面に、それぞれ前記第1極集電体電極に対向して複数の第2第1極集電体電極を形成する第2第1極集電体電極形成工程を含むようにしてもよい。
それぞれ第2極活物質層を備えた複数の第2極集電体電極がセパレータ層で一体化されてなる第2極複合シートを作製する第2極複合シート作製工程と、
前記第2極複合シートと、前記第2極集電体電極を間に挟んで前記第2極活物質層にそれぞれ対向するように設けられた複数の第2第2極活物質層と、前記セパレータ層と対向して設けられた第2セパレータ層とを含んでなり、対向する前記セパレータ層と第2セパレータ層とによって前記第2極集電体電極と前記第2極活物質層と前記第2第2極活物質層が挟設されて一体化されてなる第2極・第2極一体化シートを作製する第2極・第2極一体化シート作製工程と、
前記第1極・第1極一体化シートと、前記第2極・第2極一体化シートとを、前記第1極活物質層と前記2極活物質層がそれぞれ重なるように接合して電気化学素子用積層シートを作製する積層工程と、
前記電気化学素子用積層シートを裁断して、それぞれ重なった前記第1極活物質層、前記第2極活物質層をそれぞれ備えた電気化学素子用積層ブロックを作製する電気化学素子用積層ブロック作製工程と、
を含むようにしてもよい。
基材上に、前記複数の第2極集電体電極を形成する第2極集電体電極形成工程と、
前記第2極集電体電極上にそれぞれ前記第2極活物質層を形成する第2極活物質層形成工程と、
それぞれ前記第2極活物質層が形成された前記複数の第2極集電体電極の少なくとも一部を覆う前記セパレータ層を形成するセパレータ層形成工程とを含んで、前記第2極複合シートを前記基材上に形成し、
前記第2極・第2極一体化シート作製工程において、
前記セパレータ層に転写フィルムを接合して、前記基材を剥離する転写工程と、
前記基材を剥離した面に、第2極複合シートの第2極活物質層にそれぞれ対向して第2第2極活物質層を形成する第2第2極活物質層形成工程と、
前記セパレータ層と対向して第2セパレータ層を形成する第2セパレータ層形成工程とを含み、
対向する前記セパレータ層と前記第2セパレータ層とによって前記第2極集電体電極と前記第2極活物質層と前記第2第2極活物質層が挟設・一体化されてなる第2極・第2極一体化シートを作製するようにしてもよい。
前記転写工程と前記第2第2極活物質層形成工程の間に、
前記基材を剥離した面に、それぞれ前記第2極集電体電極に対向して複数の第2第2極集電体電極を形成する第2第2極集電体電極形成工程を含むようにしてもよい。
なお、本発明において、電解質としては、特に限定されるものではないが、例えば、支持塩を含む電解液やイオン液体、ゲル電解質、高分子固体電解質を用いることができる。
したがって、本発明によれば、小型で安価な蓄電デバイスの製造方法を提供することができる。
実施形態1.
図1は、本発明に係る実施形態1の蓄電デバイスの製造方法の工程フロー図である。以下、図1の工程フローにしたがって各工程を説明する。
尚、本明細書において、蓄電デバイスとは、後述の実施例に示す電気二重層コンデンサの他、リチウムイオン二次電池やリチウムイオンキャパシタ等が含まれる。
<ステップPS1>
まず、図2(1)に示すように、例えば、表面にシリコーン系の離型層101が形成されたポリエチレンテレフタレートからなる基材フィルム100を準備する。
基材フィルムそのものが離型性を有するものは離型性付与処理をすることなく用いることができる。
基材フィルムが離型性を有しないもの、又はより離型性を高めるために、離型層101を形成する等、離型性付与処理をして使用することが好ましい。
基材フィルム100としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエチレン、フッ素樹脂、セルロースアセテートなどのプラスチツクフイルムをはじめ、セロハン、紙なども用いることができる。
離型性付与処理法としては、たとえばシリコーン樹脂、ワツクス、界面活性剤、金属酸化物、フッ素樹脂などを基材フィルム上にコーティングする方法が挙げられる。
離型層101としては、その他にたとえばニトロセルロース、硬質ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリエステル、アクリル樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂などの樹脂の1種または2種以上を主体とするものが適宜用いられ、それらの離型性付与処理法としては、基材フィルム上にたとえばグラビア方式によりコーティングして形成することが挙げられる。
また、前記離型層中にシリカなどの無機酸化物フィラーが含まれていると、離型性がより向上するため、好ましい。
次に、図2(2)に示すように、基材フィルム100上に、正極集電体膜102を例えば蒸着により形成する。
このように、表面が平滑な基材フィルム100上に正極集電体膜102を形成することで、高い連続性を有し、薄膜でありながら低抵抗の正極集電体膜102を得ることが容易となり、その結果、蓄電デバイスの小型低背化を効果的に進めることができる。
また、正極集電体膜102の形成方法としては蒸着の他、スパッタリングや塗布など公知の技術を用いることができる。蒸着やスパッタリングは、膜の連続性が良いため低抵抗で、膜厚が薄い集電体膜の形成が容易であり、蓄電デバイスの小型低背化が容易となる。
図2(3)に示すように、正極集電体膜102上に、複数のレジストパターンR102を所定の間隔で印刷して、乾燥させる。このレジストパターンR102は、例えば、マトリクス状に配置され、それぞれ正極集電体電極21aと同様の矩形形状に形成される。
次に、図2(4)に示すように、レジストパターンR102をエッチングマスクとして、正極集電体膜102をエッチングして、図2(5)に示すように、レジストパターンR102を剥離する。以上のようにして、矩形形状の正極集電体電極21aを形成する。
マスキング方法としてはスクリーン印刷によりレジストを印刷する方法の他、グラビア印刷によるレジストの印刷、塗布型レジストを用いたフォトリソ、ドライフィルムレジストを用いたフォトリソなどを用いてもよい。コストが安いことを重視するのであれば、スクリーン印刷、グラビア印刷が好ましく、精度を重視するのであれば、フォトリソが好ましい。
また、集電体電極を形成する方法として、集電体膜をエッチングする方法の他に、離型層が形成された基材フィルム上にメタルマスクを用いて直接集電体膜を蒸着する方法やオイルマスクを用いて直接集電体膜を蒸着してプラズマアッシング処理を行う方法などを用いてもよい。
図2(6a)(6b)に示すように、正極集電体電極21a上の2箇所に、正極活物質層21bを形成する。
正極活物質層21bは、正極集電体電極21a上に、例えば、活物質スラリーをスクリーン印刷することにより形成することができ、例えば、正極集電体電極21aの長手方向に直交する中心線L1に対して対称に、中心線L1から所定の間隔を開けて形成される。正極活物質層21bにおいて、中心線L1を挟んで対向する内側側面を除く側面はそれぞれ、正極集電体電極21aの外周に一致するように形成することが好ましい。
次に、図3(7)に示すように、正極集電体電極21a及び正極活物質層21bを形成したことにより形成された段差を埋めて表面を平坦化する埋込層41を正極活物質層21bが形成されていない部分に形成する。
この埋込層41は、後の工程で形成されるセパレータ層と同様の成分を含んでいることが好ましい。
そして、図3(8)に示すように、平坦化された埋込層41及び正極活物質層21bの表面にセパレータ層11を形成する。
このように、セパレータ層11が形成される表面が埋込層41によって平坦化されているため、表面が平坦で穴などの欠陥のないセパレータ層を精度よく容易に形成することが可能となる。
以上のステップPS1〜ステップPS6の工程を経て、正極セパレータ/電極複合シート20Aが作製される。
ステップPS7では、ステップPS1〜ステップPS6を繰り返して、必要な枚数の正極セパレータ/電極複合シート20Aを作製する。
図1に示すように、正極セパレータ/電極複合シート20Aを製造する際のステップPS1〜ステップPS7と同様のステップNS1〜ステップNS7にしたがって、負極セパレータ/電極複合シート30Aを作製する。
なお、正極集電体電極21aと負極集電体電極31aの形状及び面積は同一であってもよいし、異なっていても良い。また、正極活物質層21bと負極活物質層31bの形状及び面積は同一であってもよいし、異なっていてもよい。正極21や負極31の位置ずれを考慮して、正極21又は負極31の一方の面積を大きくして、正極21や負極31が位置ずれしたような場合でも正極21と負極31の対向面積が変化しないようにでき、電気二重層キャパシタの抵抗や容量の変化を抑制することができる。
尚、本明細書において、簡略化するときは、正極セパレータ/電極複合シート20Aは、正極複合シート20Aといい、負極セパレータ/電極複合シート30Aは、負極複合シート30Aという。
また、本明細書において、正極と負極に共通する事項を、特に両者を区別することなく説明するときには、正極複合シート20A及び負極複合シート30Aは複合シートといい、正極集電体電極21a及び負極集電体電極31aは単に集電体電極といい、正極活物質層21b及び負極活物質層31bは単に活物質層という。
以上のように、本実施形態1では、集電体電極を形成した後、活物質層を塗工する例を説明したが、本発明では、複合シートは、基材フィルム100上にまずセパレータ層11を形成し、その上に活物質層を形成した後、集電体電極を形成するようにしてもよい。
しかしながら、本実施形態1で示したように、集電体上に活物質層を塗工するようにした場合には、活物質層中のバインダが活物質層/集電体電極の界面付近に堆積するため、活物質層/集電体電極間の結着力を高くできる。
また、本実施形態1で示したように、高い連続性を有し、薄膜化された集電体電極上に活物質層を塗工するようにすると、より一層の小型低背化が可能になる。
また、活物質層上に集電体電極を形成するようにすると、集電体電極のエッチングや集電体電極の酸化膜の除去が困難となるが、本実施形態1では、集電体電極上に活物質層を形成するようにしているので、集電体電極のエッチングや集電体電極の酸化膜の除去後に活物質層を形成することが可能となり、エッチングや酸化膜の除去が容易となる。
<ステップMS1>
まず、図4(11)に示すように、正極複合シート20Aと負極複合シート30Aをセパレータ層11が形成されている面が対向するように配置して、正極複合シート20Aと負極複合シート30Aの両側から、例えば、図示しない加圧板により均等に加圧して加熱することにより、図4(12)に示すように、セパレータ層11間を接合する。以上のようにして、正極・負極一体化シート50Aが作製される。
このとき、例えば、加圧板の温度は150℃とし、加圧の圧力は0.05MPa、加圧時間は1分に設定する。
このようにセパレータ層11間を接合することにより作製された正極・負極一体化シート50Aは、その貼り合わせ面の両側の正極複合シート20Aと負極複合シート30Aとがほぼ同等の熱に対する伸縮特性を有しているので、接合後の反りが抑えられ、以下の製造工程における取り扱いが容易になる。
また、セパレータ層11が二重構造となるので、一方のセパレータ層11に仮に欠陥があった場合でも、他方のセパレータ層11で正極負極間の絶縁性は確保される。また、両方のセパレータ層11に欠陥があった場合でも、両方の欠陥部位が同じ位置で重なることはほとんど生じないことから、正極負極間のショートを防止することができる。
また、正極複合シート20Aと負極複合シート30Aが接合され正極・負極一体化シート50Aとされているため、正極複合シート20Aと負極複合シート30Aが薄層化されたような場合でも、正極複合シート20Aと負極複合シート30Aを破壊することなく、正規の配列・所定の位置を保持したままハンドリングすることが更に容易となり、デバイスの更なる小型低背化が可能となる。
例えば、正極側の基材フィルム100を剥離するときには、図4(13)に示すように、図示しない吸引盤に、正極・負極一体化シート50Aの負極側を接触させて吸引して、正極・負極一体化シート50Aを持ち上げて、正極側の基材フィルム100を剥離する。
正極側の基材フィルム100を剥離しようとする場合、基材フィルム100と正極複合シート20A間の接合力よりも強い接合力を正極複合シート20Aと負極複合シート30A間で確保する必要があるが、両者の接合力の差は、基材フィルム100と正極複合シート20Aの間に離型層がある場合は、比較的容易に実現できる。
一方、基材フィルム100と正極複合シート20Aの間に離型層がない場合は、上記接合力の差は、例えば、高温・高圧で正極複合シート20Aと負極複合シート30Aを接合することにより実現できる。しかしながら、高温・高圧下での接合では、活物質層やセパレータ層の空隙が潰れてしまうことがないように、また、正極複合シート20Aや負極複合シート30Aの形状が変形してしまうことがないように留意する必要がある。
また、集電体電極を基材フィルム上に蒸着により形成した場合などは、基材フィルムへの熱ダメージおよび蒸着粒子の運動エネルギーによるめり込みのため、基材フィルムとの密着力がより強くなり、離型層がないと剥離が困難となることがある。したがって、本発明では、基材フィルムへのダメージを防止できる厚みの離型層を形成しておくことが好ましい。
負極側の基材フィルム100を剥離するときには、正極・負極一体化シート50Aの正極側を接触させて吸引して、正極・負極一体化シート50Aを持ち上げて、負極側の基材フィルム100を剥離する。
<ステップMS2>
このとき、例えば、加圧板の温度は150℃とし、加圧の圧力は0.05MPa、加圧時間は1分に設定する。
尚、図8に示すような上下最外層にセパレータ層が配置された電気化学素子用積層ブロック1を作製する場合には、基材フィルム上に例えば、所定の厚み(例えば、6μm)のセパレータ層のみが形成されたセパレータ用シートを用い、最初の積層は、そのセパレータ用シートのセパレータ層の上に正極・負極一体化シート50Aを積層するようにする。
そして、その負極側の基材フィルム100が剥離された正極・負極一体化シート50Aの上に、図6(17)に示すように、負極側の基材フィルム100が剥離された別の正極・負極一体化シート50Aを、負極側が対向するように配置して、図6(18)に示すように、負極側同士を接合する。
尚、図8に示すような最外層にセパレータ層が配置された電気化学素子用積層ブロック1を作製する場合には、最初の積層に用いたものと同じ、セパレータ層のみが形成されたセパレータ用シートを用い、積層の最後にそのセパレータ用シートのセパレータ層を対向させて接合する。
また、以上工程により作製される電気化学素子用積層ブロック1では、図7に示すように、最外層の正極集電体電極21a及び負極集電体電極31aは1層であり、正極集電体電極21a又は負極集電体電極31aが2層重ねられてなる内側の集電体電極より薄くなるが、図8では、作図上の制約により、全ての正極集電体電極及び負極集電体電極を同じ厚さに描いている。
しかしながら、本発明では、例えば、集電体電極や活物質層の厚さを形成場所によらず同一にしてもよいし、形成場所や製造方法に応じて適宜変更することも可能である。
次に、電気化学素子用積層シートLB1の上下最外層に配置されている基材フィルム100を剥がした後、電気化学素子用積層シートLB1を裁断線D1に沿って裁断して、電気化学素子用積層ブロック1を作製する。
尚、このステップでは、電気化学素子用積層シートLB1を裁断した後、基材フィルム100を剥離するようにしてもよい。
そして、図8に示すように、裁断された電気化学素子用積層ブロック1の裁断面のうち、正極集電体電極21aが露出された側面に正極端子電極21tを形成し、負極集電体電極31aが露出された側面に負極端子電極31tを形成する。
ここで、正極端子電極21t及び負極端子電極31tは、電気化学素子用積層ブロック1の側面に、例えば、スパッタリングによりAlを付着させることにより形成することができる。
正極端子電極21t及び負極端子電極31tは、スパッタリングの他、蒸着、イオンプレーティング、溶射、コールドスプレー、めっきなどにより電気化学素子用積層ブロック1の側面に直接導電皮膜を形成することで作製してもよい。
また、正極端子電極21t及び負極端子電極31tは、電気化学素子用積層ブロック1の側面に直接導電性接着剤をディッピングにより塗布するようにして形成してもよい。
パッケージ内に電気化学素子用積層ブロック1を収納する際、例えば、正極端子電極21t及び負極端子電極31t上に、導電性粒子として金を含有する導電性接着剤をディッピングにより塗布して、その導電性接着剤が、それぞれ正極パッケージ電極及び負極パッケージ電極に接続されるように、電気化学素子用積層ブロック1を配置する。
そして、電気化学素子用積層ブロック1が配置されたパッケージを例えば、170℃で10分加熱して、導電性接着剤を硬化させて、電気化学素子用積層ブロック1をパッケージ電極に固定するとともに、正極端子電極21t及び負極端子電極31tをそれぞれ正極パッケージ電極及び負極パッケージ電極に電気的に接続する。
導電性粒子としては、金の他にカーボン、銀、銅、アルミニウムなどが用途によって用いられる。
これにより、連続した1つのセパレータ層11に複数のパターニングされた複数の正極集電体電極21aと、正極活物質層21bとを一体化して作製することが可能になる。
同様に、連続した1つのセパレータ層11に複数のパターニングされた複数の負極集電体電極31aと負極活物質層31bとを一体化して作製することが可能になる。
したがって、実施形態1の製造方法では、多数の電気化学素子用積層ブロック1を一括して作製することができ、電気化学素子用積層ブロック1を個別に1つずつハンドリングする従来の方法に比較して生産性を向上させることができる。
したがって、例えば、正極集電体電極21a又は負極集電体電極31aを薄くしてもそれらの電極の取り扱いが容易である。したがって、より小型の電気化学素子用積層ブロック1を作製することができる。
これにより、製造過程におけるシートの取り扱い及び多層化が容易となり、製品化後における容量変化等の特性変化を抑えることができる。
また、以上の実施形態1の製造方法では、一方の表面に活物質層が形成された集電体の他方の表面同士を向かい合わせて配置しているので、集電体の両面に活物質層が形成された状態を容易に実現でき、体積容量比率の高い電気化学素子用積層ブロックを作製することが可能になる。
すなわち、従来の製造方法では、集電体箔の両面に活物質層を形成することは、ハンドリング上容易ではなく、困難である。
例えば、基材フィルム100が剥離された2つの正極複合シート20Aの基材フィルムが剥離された面間を正極集電体電極21a同士を対向させて接合して、正極・正極一体化シートを作製する。同様に、基材フィルム100が剥離された2つの負極複合シート30Aの基材フィルムが剥離された面間を負極集電体電極31a同士を対向させて接合して、負極・負極一体化シートを作製する。これら正極・正極一体化シートと負極・負極一体化シートとをそれぞれのセパレータ層11同士を対向させて接合することで積層シートを作製する。この積層シートの正極・正極一体化シート側に、別の負極・負極一体化シートをセパレータ層11同士を対向させて接合する。この積層工程を必要回数繰り返して、電気化学素子用積層シートを作製する。
実施形態2では、実施形態1で作製した正極複合シート20A及び負極複合シート30Aを用いて、実施形態1とは異なる方法で電気化学素子用積層ブロックを作製する。
まず、図9に示すように、実施形態1のステップPS1〜PS6と同様のステップで、基材フィルム100上に正極複合シート20Aを作製する。
次に、図10(1)に示すように、正極複合シート20Aのセパレータ層11上に、負極活物質層32bを形成する。
負極活物質層32bは、セパレータ層11を介して正極活物質層21bにそれぞれ対向するように形成する。
また、負極活物質層32bは、例えば、スクリーン印刷により、負極活物質パターンを印刷した後、例えば、乾燥して形成する。
次に、図10(2)に示すように、負極活物質層32bが形成されておらず、セパレータ層11が表面に露出している部分に、負極活物質層32bを形成したことによりできた段差を埋めるように埋込層42を形成して、平坦化する。
そして、平坦化された表面に負極集電体電極32aを形成する。
負極集電体電極32aは、図10(3)に示すように、正極複合シート20Aにおける隣接する正極集電体電極21aの上方に形成された負極活物質層32bに跨って形成される。
このように、負極集電体電極32aが形成される表面が埋込層42によって平坦化されているため、表面が平坦で穴などの欠陥のない集電体電極を精度よく容易に形成することが可能となる。
以上のステップPS1〜2NS9により、正極・負極一体化シート50ABが作製される。
以下、ステップPS1〜2NS9を繰り返して必要枚数分の正極・負極一体化シート50ABを作製する。
上下の最外層にセパレータ層が配置された電気化学素子用積層ブロックを作製する場合には、基材フィルム上に例えば、所定の厚み(例えば、6μm)のセパレータ層のみが形成されたセパレータ用シートを用い、正極・負極一体化シート50ABの上下にセパレータ用シートのセパレータ層を対向させて接合すればよい。
基材フィルムを剥離した正極・負極一体化シート50ABを裁断線D2に沿って裁断し、電気化学素子用積層ブロック2を作製する。
尚、このステップでは、正極・負極一体化シート50ABを裁断した後、基材フィルムを剥離するようにしてもよい。
そして、裁断された電気化学素子用積層ブロック2の裁断面のうち、正極集電体電極21aが露出された側面に正極端子電極21tを形成し、負極集電体電極32aが露出された側面に負極端子電極31tを形成する。
その後、実施形態1と同様にして、蓄電デバイスが作製される。
これにより、連続した1つのセパレータ層11にパターニングされた複数の正極集電体電極21a、正極活物質層21b及び負極集電体電極32a、負極活物質層32bを一体化して作製することが可能になり、多数の電気化学素子用積層ブロック2を一括して作製することができる。
したがって、実施形態2の製造方法によれば、電気化学素子用積層ブロック2を個別に1つずつ作製、ハンドリングする従来の方法に比較して生産性を向上させることができる。
図11に示すステップ2PS7〜2PS9において、図9のステップ2NS7〜2NS9における負極活物質層32b、負極集電体電極32aに代えてそれぞれ正極活物質層22b、正極集電体電極22aを形成する他は、正極・負極一体化シート50ABと同様にして、図10(5)に示す、正極・負極一体化シート50BAを作製する。
尚、上下最外層にセパレータ層が配置されるようにするには、基材フィルム上に所定の厚みのセパレータ層のみが形成されたセパレータ用シートを用い、最初の積層は、そのセパレータ用シートのセパレータ層の上に正極・負極一体化シート50ABを積層するようにし、積層の最後にセパレータ用シートのセパレータ層を対向させて接合するようにすればよい。
実施形態3では、実施形態1で作製した正極複合シート20A及び負極複合シート30Aを用いて、実施形態1とは異なる方法で電気化学素子用積層ブロックを作製する。
図12は、本発明に係る実施形態3の製造工程を示す工程フロー図である。以下、図12の工程フロー図にしたがって各工程を説明する。
実施形態1のステップPS1〜PS6と同様のステップで、基材フィルム100上に正極複合シート20Aを作製した後、以下のステップ3PS7〜3PS13を行う。
まず、図13(1)に示すように、正極複合シート20Aのセパレータ層11に対向するように、表面に離型層(図示せず)が形成されたポリエチレンテレフタレートからなる転写フィルム300を配置して加圧し、図13(2)に示すように、正極複合シート20Aに転写フィルム300を接合する。
転写フィルム300としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエチレン、フッ素樹脂、セルロースアセテートなどのプラスチツクフイルムをはじめ、セロハン、紙なども用いることができる。
次に、図13(3)に示すように、正極複合シート20Aの基材フィルム100を剥離する。
そして、図13(4)に示すように、正極複合シート20Aの基材フィルム100が接合されていた面に、正極集電体電極23aを正極集電体電極21aに対向するように形成する。
尚、ステップ3PS8において、正極複合シート20Aの基材フィルム100を剥離する際、離型層101が正極複合シート20A側に残らないように基材フィルム100を剥離して、ステップ3PS9における正極集電体電極23aの形成を省略して、工程数を減らすこともできる。
次に、図13(5)に示すように、正極集電体電極23a上に、正極活物質層21bと同じ大きさの正極活物質層23bをそれぞれ正極活物質層21bに対向するように形成する。
このように、正極集電体電極23aが形成されることによって、正極集電体電極21aの基材フィルム100が接合されていた面に、離型層101が残っていたり、集電体の酸化膜が形成されているような場合であっても、正極活物質層23bと正極集電体電極との電気的接続が確保され、蓄電デバイスの抵抗を下げることができる。
次に、図13(6)に示すように、正極活物質層23bが形成されていない部分に、埋込層43を形成して、正極活物質層23bを形成された表面を平滑にする。
次に、図14(7)に示すように、平滑にした表面にセパレータ層13を形成する。
以上のステップ3PS7〜3PS12により、正極複合シート20Aと正極複合シート20Aの上に形成された正極複合シート20Cとによって構成された正極・正極一体化シート20Dが作製される。
尚、正極複合シート20Aと正極複合シート20Cとは、正極集電体電極21aと正極集電体電極23aとが対向するように接合される。
以上のステップPS1〜3PS12を繰り返すことにより、必要な枚数の正極・正極一体化シート20Dを作製する。
図12のステップNS1〜3NS13にしたがって負極・負極一体化シート30Dを作成する。
正極集電体電極23a及び正極活物質層23bに代えてそれぞれ負極集電体電極33a、負極活物質層33bを形成する他は、正極・正極一体化シート20Dと同様にして、図14(8)に示す、負極・負極一体化シート30Dを必要な枚数作製する。
ここで、負極集電体電極33aは、図14(9)に示すように、正極・正極一体化シート20Dにおける隣接する正極集電体電極23aの上方に形成された正極活物質層23bに跨って形成される。
<ステップ3MS1>
次に、図14(9)に示すように、正極・正極一体化シート20Dと負極・負極一体化シート30Dとをセパレータ層13とセパレータ層14を貼り合わせることにより接合して、接合した正極・正極一体化シート20Dの転写フィルム300を剥離する。
転写フィルム300を剥離した正極・正極一体化シート20D側に負極・負極一体化シート30Dのセパレータ層14側を接合して転写フィルム300を剥離する。
転写フィルム300を剥離した負極・負極一体化シート30D側に正極・正極一体化シート20Dのセパレータ層13側を接合して転写フィルム300を剥離する。
ステップ3MS1を必要回数繰り返して、電気化学素子用積層シートLB3を作製する。
電気化学素子用積層シートLB3の最下層に配置されている基材フィルムを剥がした後、図15に示す裁断線D3で、電気化学素子用積層シートLB3を裁断して、電気化学素子用積層ブロック3を作製する。
尚、このステップでは、電気化学素子用積層シートLB3を裁断した後、基材フィルムを剥離するようにしてもよい。
そして、実施形態1と同様に正極端子電極と負極端子電極を形成する。
その後、実施形態1と同様にして、蓄電デバイスが作製される。
最初の積層として、セパレータ用シートのセパレータ層上に、図13(3)に示す基材フィルム100が剥離された正極複合シート20Aを、正極集電体電極21aがセパレータ用シートのセパレータ層に接合するように積層し、転写フィルム300を剥がして、その上に負極・負極一体化シート30Dや正極・正極一体化シート20Dを積層していく。
そして、最後の積層は、図13(1)に示すような正極複合シート20Aまたは負極複合シート30Aを積層した後、その基材フィルム100を剥離し、その剥離した面にセパレータ用シートのセパレータ層が対向するように接合して、セパレータ用シートの基材フィルムを剥離する。
このようにすると、電気化学素子用積層ブロック3の上下の最外層に、容量にあまり寄与しない活物質層が形成されることがないので好ましい。
すなわち、以上の実施形態3の製造方法では、複数のパターニングされた正極集電体電極21a又は負極集電体電極31aが連続したセパレータ層11で一体化され、複数のパターニングされた正極集電体電極23aがセパレータ層13で一体化され、複数のパターニングされた負極集電体電極33aがセパレータ層14で一体化されているため、電極の取り扱いが容易となり、基材フィルム100を剥離した後であっても、転写フィルム300が接合されていることで電極の取り扱いが更に容易となる。
また、以上の実施形態3の製造方法では、一方の面に活物質層が形成された集電体電極がセパレータ層で一体化されてなる複合シートの前記集電体電極の他方の面に、前記活物質層にそれぞれ対向して活物質層を形成するので、集電体電極の両面に活物質層が形成された状態を容易に実現でき、体積容量比率の高い電気化学素子用積層ブロックを作製することが可能になる。
これに対して、従来の製造方法では、集電体箔の両面に活物質層を形成することは、ハンドリング上容易ではなく、困難である。
まず、本実施形態4の蓄電デバイスの製造方法では、実施形態1のステップPS1〜ステップPS7と同様にして、図16(1)に示す正極複合シート20Aを必要枚数作製する。尚、図面上右側の一方の端部側に位置する正極集電体電極21a1は、その上に1箇所のみ正極活物質層21bが形成されている点で、2箇所に正極活物質層21bが形成されている他の正極集電体電極21aとは異なっている。
以上説明した実施形態4の蓄電デバイスの製造方法では、図16(4)及び(5)を参照しながら説明したように、正極複合シート20Aの基材フィルム100を剥離して、その基材フィルム100を剥離した面をセパレータ用シート60のセパレータ層10に対向させて接合するようにしたが、本発明では、以下のようにしてもよい。
このように転写フィルムを用いることで、正極複合シートや負極複合シートに吸引盤等が直接接することがなくなり、電気化学素子への異物の混入を防止できる。
また、この転写フィルムを用いる方法は、実施形態4において、図16(4)に示すように、正極複合シート20Aのセパレータ層11側の面を吸着して持ち上げて、正極複合シート20Aの基材フィルム100を剥離して、図16(5)に示すように、基材フィルム100を剥離した面がセパレータ用シート60のセパレータ層10に対向するように、吸着した正極複合シート20Aを配置して、セパレータ用シート60上に正極複合シート20Aを接合する際にも、適用することもできる。
さらに、図17(8)に示すように、負極複合シート30Aのセパレータ層11側の面を吸着して持ち上げて、負極複合シート30Aの基材フィルム100を剥離して、図17(9)に示すように、その基材フィルム100を剥離した負極複合シート30Aの剥離した面を、負極複合シート30Aの基材フィルム100を剥離した面に接合する際にも、適用することができる。
また、明細書に添付した他の図面についても、大きさ又は位置関係を作図上の制約又は理解し易いように適宜変形又は誇張して示している。
図27は、実施形態5に係る蓄電デバイスに用いる電気化学素子用積層ブロック1を示す斜視図である。
図28は、電気化学素子用積層ブロック1を含む蓄電デバイスの例として示す、電気二重層キャパシタ80Aの断面図である。
なお、図27では、電気化学素子用積層ブロック1の前面(ハッチングにより示した面)は、正極21(正極集電体電極21aと正極活物質層21b)と負極31(負極集電体電極31aと負極活物質層31b)の配置の概略を理解できるように断面を示しているが、実際は、後述する製造方法において詳細を示すように、接着性を有するセパレータ層42により覆われており、このセパレータ層42に設けられた切れ込み25(図22(7b)参照)を介して、電解液が電気化学素子用積層ブロック1内の蓄電ユニットに供給される。すなわち、切れ込み25は、電解液を電気化学素子用積層ブロック1内に導入することができる電解液誘導路として機能する。
また、電気化学素子用積層ブロック1の後面(前面に平行な面)も同様に、図示しないセパレータ層42により覆われており、この後面を覆うセパレータ層42にも切れ込み25を設けてよい。
後述するように電気化学素子用積層ブロック1を正極パッケージ電極及び負極パッケージ電極を備えたパッケージ内に電解液とともに収納することで例えば電気二重層キャパシタ、リチウムイオン二次電池またはリチウムイオンキャパシタのような蓄電デバイスを形成することができる。
従って、パッケージ内に電気化学素子用積層ブロック1を配置し、電解液をパッケージ内に供給することで、容易に電解液を蓄電ユニット内に供給(注液)することができる。
この結果、蓄電ユニットの積層時の熱等の影響による電解液の変質、揮発等の問題を防止することができる。
さらに、電解液がより短い時間で蓄電ユニット内に到達するため、電解液の注液が容易であるという利点を有する。
これらの中で、熱可塑性樹脂はガラス転移温度または融点まで加熱することによって軟らかくなるため、加熱又は加熱しながら圧着することで被接着物である正極活物質層21b、負極活物質層31b、正極集電体電極21aもしくは負極集電体電極31aまたはセパレータ層との接触面積が大きくなり、強い接着強度(接合強度)が得られるため好ましい。
一方、熱硬化性樹脂は耐熱性が高く、結着力が強く、化学的安定性に優れ、熱可塑性樹脂と比較して高強度であるため、積層体の強度が向上する。
このようにすると、積層時に、正極と負極間の位置を精度よく逐次積層することが可能になる。
透気度の値が大きいと気体を通し難く、これは同時に電解液のような液体も通し難いことを示している。
電気化学素子用積層ブロック1は、パッケージベース部11bとパッケージ蓋部11aからなるパッケージ内に配置されている。パッケージベース部11bとパッケージ蓋部11aは例えば液晶ポリマーのような耐熱樹脂により形成され得る。
複数の正極集電体電極21aと電気的に接続している電気化学素子用積層ブロック1の正極端子電極21tと、正極パッケージ電極122bとが、導電性接着剤122aにより電気的に接続されている。同様に、複数の負極集電体電極31aと電気的に接続している電気化学素子用積層ブロック1の負極端子電極31tと、負極パッケージ電極132bとが、導電性接着剤132aにより電気的に接続されている。
この電解液をパッケージ内に電気化学素子用積層ブロック1を配置した後に供給した場合、上述のように、切れ込み25を介して電解液が蓄電ユニット内に到達する。
次に、実施形態5に係る蓄電デバイス(電気化学素子用積層ブロック1)の製造方法を説明する。
図20は、本発明に係る実施形態5の蓄電デバイス(電気化学素子用積層ブロック1)の製造方法の工程フロー図である。以下、図20の工程フローにしたがって各工程を説明する。
<ステップPS1>
まず、図21(1)に示すように、例えば、表面にシリコーン系の離型層101が形成されたポリエチレンテレフタレートからなる基材フィルム100を準備する。
基材フィルムそのものが離型性を有するものは離型性付与処理をすることなく用いることができる。
基材フィルムが離型性を有しないもの、又はより離型性を高めるために、離型層101を形成する等、離型性付与処理をして使用することが好ましい。
基材フィルム100としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエチレン、フッ素樹脂、セルロースアセテートなどのプラスチックフィルムをはじめ、セロハン、紙なども用いることができる。
離型性付与処理法としては、たとえばシリコーン樹脂、ワックス、界面活性剤、金属酸化物、フッ素樹脂などを基材フィルム上にコーティングする方法が挙げられる。
離型層101としては、その他にたとえばニトロセルロース、硬質ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリエステル、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂などの樹脂の1種または2種以上を主体とするものが適宜用いられ、それらの離型性付与処理法としては、基材フィルム上にたとえばグラビア方式によりコーティングして形成することが挙げられる。
さらに、基材フィルム100(または離型層101)の上に接着層121を形成する。
接着層121として、ウレタン樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂(PVDF)、ポリアミドイミド樹脂(PAI)、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂またはシリコーン等を使用することができる。
次に、図21(2)に示すように、接着層121上に、正極集電体膜102を例えば蒸着により形成する。
このように、表面が平滑な接着層121上に正極集電体膜102を形成することで、高い連続性を有し、薄膜でありながら低抵抗の正極集電体膜102を得ることが容易となり、その結果、蓄電デバイスの小型低背化を効果的に進めることができる。
また、正極集電体膜102の形成方法としては蒸着の他、スパッタリングや塗布など公知の技術を用いることができる。蒸着やスパッタリングは、膜の連続性が良いため低抵抗で、膜厚が薄い集電体膜の形成が容易であり、蓄電デバイスの小型低背化が容易となる。
図21(3)に示すように正極集電体膜102上に、複数のレジストパターンR102を所定の間隔で印刷して、乾燥させる。このレジストパターンR102は、例えば、マトリクス状に配置され、それぞれ正極集電体電極21aと同様の矩形形状に形成される。
次に、図21(4)に示すように、レジストパターンR102をエッチングマスクとして、正極集電体膜102をエッチングした後、図21(5)に示すように、レジストパターンR102を剥離する。以上のようにして、矩形形状の正極集電体電極21aを形成する。
マスキング方法としてはスクリーン印刷によりレジストを印刷する方法の他、グラビア印刷によるレジストの印刷、塗布型レジストを用いたフォトリソ、ドライフィルムレジストを用いたフォトリソなどを用いてもよい。コストが安いことを重視するのであれば、スクリーン印刷、グラビア印刷が好ましく、精度を重視するのであれば、フォトリソが好ましい。
また、集電体電極を形成する方法として、集電体膜をエッチングする方法の他に、離型層が形成された基材フィルム上にメタルマスクを用いて直接集電体膜を蒸着する方法やオイルマスクを用いて直接集電体膜を蒸着してプラズマアッシング処理を行う方法などを用いてもよい。
図21(6a)(6b)に示すように、正極集電体電極21a上の2箇所に、正極活物質層21bを形成する。
正極活物質層21bは、正極集電体電極21a上に、例えば、活物質スラリーをスクリーン印刷することにより形成することができ、例えば、正極集電体電極21aの長手方向に直交する中心線L1に対して対称に、中心線L1から所定の間隔を開けて形成される。正極活物質層21bにおいて、中心線L1を挟んで対向する内側側面を除く側面はそれぞれ、正極集電体電極21aの外周に一致するように形成することが好ましい。
次に、図22の(7a)(7b)に示すように、正極活物質層21bを取り囲むように接着層121および正極集電体電極21a上にセパレータ層42を形成する。この際、(7b)に示すように、正極活物質層21bに接するように切れ込み25をセパレータ層42に設ける。切れ込み25は、(7b)においてセパレータ層42を貫通している。
後述するステップMS3までに、図22の7(b)において縦方向に複数ならぶ蓄電ユニット(正極活物質層21bと負極活物質層31bとが対向している1組の正極(正極集電体電極21aと正極活物質層21b)と負極(負極集電体電極31aと負極活物質層31b)および当該正極と当該負極の間に配置され、当該正極の一部および当該負極の一部と接着しているセパレータ層42とを合わせて「蓄電ユニット」と呼ぶ場合がある。)または蓄電ユニットを得るための中間品を縦方向に1つずつ切り離す際に、例えば、図22(7b)のC1、C2線およびC3線に相当する部位で切り離すことにより、電気化学素子用積層ブロック1の前面および後面をそれぞれセパレータ層42により覆うことができる。
また、電気化学素子用積層ブロック1のそれぞれの蓄電ユニットで発生したガスを、それぞれの蓄電ユニットの電解液誘導路を通過させることにより、蓄電ユニットの外部(電気化学素子用積層ブロック1の外部)に排出できる。
ステップPS6では、ステップPS1〜ステップPS5を繰り返して、必要な枚数の正極複合シート20Aを作製する。
なお、正極集電体電極21aと負極集電体電極31aの形状及び面積は同一であってもよいし、異なっていてもよい。また、正極活物質層21bと負極活物質層31bの形状及び面積は同一であってもよいし、異なっていてもよい。正極21や負極31の位置ずれを考慮して、正極21又は負極31の一方の面積を大きくして、正極21や負極31が位置ずれしたような場合でも正極21と負極31の対向面積が変化しないようにでき、電気二重層キャパシタの抵抗や容量の変化を抑制することができる。
また、本実施形態において、正極と負極に共通する事項を、特に両者を区別することなく説明するときには、正極複合シート20A及び負極複合シート30Aは複合シートといい、正極集電体電極21a及び負極集電体電極31aは単に集電体電極といい、正極活物質層21b及び負極活物質層31bは単に活物質層という場合がある。
本実施形態5で示したように、集電体電極上に活物質層を塗工するようにした場合には、活物質層中のバインダが活物質層/集電体電極の界面付近に堆積するため、活物質層/集電体電極間の結着力を高くできる。
また、活物質層上に集電体電極を形成するようにすると、集電体電極のエッチングや集電体電極の酸化膜の除去が困難となるが、本実施形態5では、集電体電極上に活物質層を形成するようにしているので、集電体電極のエッチングや集電体電極の酸化膜の除去後に活物質層を形成することが可能となり、エッチングや酸化膜の除去が容易となる。
<ステップMS1>
まず、図23(10)に示すように、正極複合シート20Aと負極複合シート30Aをセパレータ層42が形成されている面が対向するように配置して、正極複合シート20Aと負極複合シート30Aの両側から、例えば、図示しない加圧板により均等に加圧して加熱することにより、図23(11)に示すように、セパレータ層42間を接合する。以上のようにして、正極・負極一体化シート50Aが作製される。
このとき、例えば、加圧板の温度は150℃とし、加圧の圧力は20MPa、加圧時間は30秒に設定する。
このようにセパレータ層42間を接合することにより作製された正極・負極一体化シート50Aは、その貼り合わせ面の両側の正極複合シート20Aと負極複合シート30Aとがほぼ同等の熱に対する伸縮特性を有しているので、接合後の反りが抑えられ、以下の製造工程における取り扱いが容易になる。
また、正極複合シート20Aと負極複合シート30Aが接合され正極・負極一体化シート50Aとされているため、正極複合シート20Aと負極複合シート30Aが薄層化されたような場合でも、正極複合シート20Aと負極複合シート30Aを破壊することなく、正規の配列・所定の位置を保持したままハンドリングすることが更に容易となり、デバイスの更なる小型低背化が可能となる。
そして、正極・負極一体化シート50A内には、横方向に複数の蓄電ユニットが整列して形成されている。
なお、本実施形態5で示すように、正極・負極一体化シート50Aにおいて、正極活物質層21bと負極活物質層31bとの間に形成される空隙は、切れ込み25を通じて正極・負極一体化シート50Aの外部と連通していることが好ましい。これにより、正極複合シート20Aと負極複合シート30Aを接合して正極・負極一体化シート50Aを作製する際に、気体(空気など)が余分に正極複合シート20Aと負極複合シート30Aとの間に封止され、正極・負極一体化シート50Aが膨れて形状が変形するのを防止することができる。
例えば、正極側の基材フィルム100を剥離するときには、図23(12)に示すように、図示しない吸引盤に、正極・負極一体化シート50Aの負極側を接触させて吸引して、正極・負極一体化シート50Aを持ち上げて、正極側の基材フィルム100を剥離する。
正極側の基材フィルム100を剥離しようとする場合、基材フィルム100と正極複合シート20A間の接合力よりも強い接合力を正極複合シート20Aと負極複合シート30A間で確保する必要があるが、両者の接合力の差は、基材フィルム100と正極複合シート20Aの間に離型層がある場合は、比較的容易に実現できる。
一方、基材フィルム100と正極複合シート20Aの間(すなわち、基材フィルム100と接着層121との間)に離型層がない場合は、上記接合力の差は、例えば、高温・高圧で正極複合シート20Aと負極複合シート30Aを接合することにより実現できる。しかしながら、高温・高圧下での接合では、活物質層やセパレータ層の空隙が潰れてしまうことがないように、また、正極複合シート20Aや負極複合シート30Aの形状が変形してしまうことがないように留意する必要がある。
また、集電体電極を接着層121上に蒸着により形成した場合などは、基材フィルムへの熱ダメージおよび蒸着粒子の運動エネルギーによるめり込みのため、基材フィルムとの密着力がより強くなり、離型層がないと剥離が困難となることがある。したがって、本発明では、基材フィルムへのダメージを防止できる厚みの離型層を形成しておくことが好ましい。
負極側の基材フィルム100を剥離するときには、正極・負極一体化シート50Aの正極側を吸引盤に接触させて吸引して、正極・負極一体化シート50Aを持ち上げて、負極側の基材フィルム100を剥離する。
<ステップMS2>
このとき、例えば、加圧板の温度は150℃とし、加圧の圧力は20MPa、加圧時間は30秒に設定する。
尚、図27に示すような上下最外層にセパレータ層が配置された電気化学素子用積層ブロック1を作製する場合には、基材フィルム上に例えば、所定の厚み(例えば、6μm)のセパレータ層のみが形成されたセパレータ層用シートを用い、最初の積層は、そのセパレータ層用シートのセパレータ層の上に正極・負極一体化シート50Aを積層するようにする。
そして、その負極側の基材フィルム100が剥離された正極・負極一体化シート50Aの上に、図24(16)に示すように、負極側の基材フィルム100が剥離された別の正極・負極一体化シート50Aを、負極側が対向するように配置して、図25(17)に示すように、負極側同士を接合する。
尚、図27に示すような最外層にセパレータ層が配置された電気化学素子用積層ブロック1を作製する場合には、最初の積層に用いたものと同じ、セパレータ層のみが形成されたセパレータ層用シートを用い、積層の最後にそのセパレータ層用シートのセパレータ層を対向させて接合する。
また、以上の工程により作製される電気化学素子用積層ブロック1では、図26に示すように、最外層の正極集電体電極21a及び負極集電体電極31aは1層であり、正極集電体電極21a又は負極集電体電極31aが2層重ねられてなる内側の集電体電極より薄くなるが、図27では、作図上の制約により、全ての正極集電体電極及び負極集電体電極を同じ厚さに描いている。
しかしながら、本発明では、例えば、集電体電極や活物質層の厚さを形成場所によらず同一にしてもよいし、形成場所や製造方法に応じて適宜変更することも可能である。
なお、本実施形態5では、基材フィルム100の表面に形成された離型層101上に接着層121を形成し、この接着層121上に正極集電体電極21aおよび負極集電体電極31aを形成している。
これにより、接着層121を介して、正極集電体電極同士や負極集電体電極同士がより確実に接合されることになり、さらに信頼性の高い蓄電デバイスを作製することができる。
次に、電気化学素子用積層シートLB1の上下最外層に配置されている基材フィルム100を剥がした後、電気化学素子用積層シートLB1を裁断線D1に沿って裁断して、電気化学素子用積層ブロック1を作製する。
すなわち、縦方向に積層した蓄電ユニットが横方向に複数整列している状態から単一の積層した蓄電ユニットに裁断することにより電気化学素子用積層ブロック1を作製する。
尚、このステップでは、電気化学素子用積層シートLB1を裁断した後、基材フィルム100を剥離するようにしてもよい。
そして、図27に示すように、裁断された電気化学素子用積層ブロック1の裁断面のうち、正極集電体電極21aが露出された側面に正極端子電極21tを形成し、負極集電体電極31aが露出された側面に負極端子電極31tを形成する。
ここで、正極端子電極21t及び負極端子電極31tは、電気化学素子用積層ブロック1の側面に、例えば、スパッタリングによりアルミニウムを付着させることにより形成することができる。
正極端子電極21t及び負極端子電極31tは、スパッタリングの他、蒸着、イオンプレーティング、溶射、コールドスプレー、めっきなどにより電気化学素子用積層ブロック1の側面に直接導電皮膜を形成することで作製してもよい。
また、正極端子電極21t及び負極端子電極31tは、電気化学素子用積層ブロック1の側面に直接導電性接着剤をディッピングにより塗布するようにして形成してもよい。
正極端子電極21tまたは負極端子電極31tが形成される電気化学素子用積層ブロック1の側面には、電解液誘導路が露出していない方が好ましい。電解液誘導路が露出している場合、正極端子電極21tまたは負極端子電極31tが蓄電ユニット内部に入り込んで、正極または負極と短絡する場合があるからである。
パッケージ内に電気化学素子用積層ブロック1を収納する際、例えば、正極端子電極21t及び負極端子電極31t上に、導電性粒子として金を含有する導電性接着剤122a、132aをディッピングにより塗布し、導電性接着剤122a及び導電性接着剤132aが、それぞれ正極パッケージ電極122b及び負極パッケージ電極132bに接続されるように、電気化学素子用積層ブロック1を配置する。
そして、電気化学素子用積層ブロック1が配置されたパッケージを例えば、170℃で10分加熱して、導電性接着剤122a、132aを硬化させて、電気化学素子用積層ブロック1をパッケージ電極122b、132bに固定するとともに、正極端子電極21t及び負極端子電極31tをそれぞれ正極パッケージ電極122b及び負極パッケージ電極132bに電気的に接続する。
導電性粒子としては、金の他にカーボン、銀、銅、アルミニウムなどが用途によって用いられる。
これにより、連続した1つのセパレータ層にパターニングされた複数の正極集電体電極21aと、正極活物質層21bとを一体化して作製することが可能になる。
同様に、連続した1つのセパレータ層にパターニングされた複数の負極集電体電極31aと負極活物質層31bとを一体化して作製することが可能になる。
したがって、実施形態5の製造方法では、多数の電気化学素子用積層ブロック1を一括して作製することができ、電気二重層キャパシタを個別に1つずつハンドリングする従来の方法に比較して生産性を向上させることができる。
したがって、例えば、正極集電体電極21a又は負極集電体電極31aを薄くしてもそれらの電極の取り扱いが容易である。したがって、より小型の電気化学素子用積層ブロック1を作製することができる。
これにより、製造過程におけるシートの取り扱い及び多層化が容易となり、製品化後における容量変化等の特性変化を抑えることができる。
また、以上の実施形態5の製造方法では、一方の表面に活物質層が形成された集電体電極の他方の表面同士を向かい合わせて配置しているので、集電体電極の両面に活物質層が形成された状態を容易に実現でき、体積容量比率の高い電気化学素子用積層ブロック1を作製することが可能になる。
すなわち、従来の製造方法では、集電体箔の両面に活物質層を形成することは、ハンドリング上容易ではなく、困難である。
例えば、基材フィルム100が剥離された2つの正極複合シート20Aの基材フィルムが剥離された面間を正極集電体電極21a同士を対向させて接合して、正極・正極一体化シートを作製する。同様に、基材フィルム100が剥離された2つの負極複合シート30Aの基材フィルムが剥離された面間を負極集電体電極31a同士を対向させて接合して、負極・負極一体化シートを作製する。これら正極・正極一体化シートと負極・負極一体化シートとをそれぞれのセパレータ層42同士を対向させて接合することで積層シートを作製する。この積層シートの正極・正極一体化シート側に、別の負極・負極一体化シートをセパレータ層42同士を対向させて接合する。この積層工程を必要回数繰り返して、電気化学素子用積層シートを作製する。
このような電気化学素子用積層ブロック1および電気二重層キャパシタ80Aは、例えば、正極・負極一体化シート50Aを積層することなく、一枚だけで用いることにより得ることができる。
なお、本実施形態においては、正極活物質層21bおよび負極活物質層31b上にセパレータ層42よりも透気度の低い多孔性絶縁層を形成してもよく、この場合は漏れ電流をより確実に抑制できる。
実施例1では、実施形態1の製造方法にしたがって、電気二重層コンデンサブロックを作製した。
まず、基材フィルム100として、表面にシリコーン系の離型層101が形成された基材PETフィルムを準備した。
この成膜条件は、真空度3×10−4Pa、電流値800mA、成膜レート30Å/s、基材冷却温度−10℃とした。
このAl膜が形成された基材PETフィルムに、スクリーン印刷により、20mm×10mmの矩形パターンが隣接パターン間距離5mmで縦5列、横10列に配列したレジストパターンR102を印刷した後、100℃の熱風炉中で15分間乾燥させた。
尚、実施例1では、安価な塩化第二鉄を用いたが、その他、塩酸、硫酸、硝酸またはその混酸を用いることもできるし、フッ酸塩系中性水溶液を用いることもできる。
レジスト剥離には、酢酸ブチル以外に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、アミン系溶剤などの有機溶剤を用いることもできる。
レジストを剥離した後、正極集電体Al電極の表面処理として、フッ酸/硫酸の混酸による正極集電体Al電極表面の酸化膜の除去及び表面フッ化を行った。表面処理の方法としては、この他に、他の酸又はアルカリ処理による集電体表面の酸化膜の除去やフッ素系の液体やガス、プラズマによる表面フッ化、化学的または機械的な研磨による表面の粗面化、導電性塗料の塗布による表面コーティングなどを施してもよい。
1つの大きさが20mm×10mmの矩形の正極集電体Al電極上にそれぞれスクリーン印刷により、厚み10μmの2個の6mm×10mm矩形形状の活物質層パターンを図2(6a)示す配置で印刷した後、80℃の熱風炉中で20分間乾燥させることで正極活物質層21bを形成した。
格子状シリカ層は、シート上で活物質層厚みの段差をレべリングする役割を担う。
以上のようにして作製された正極複合シート20Aを10枚準備した。
以上のようにして準備した正極・負極一体化シート50Aを、以下のように、適宜、基材PETフィルムを剥離しながら積層した。
その吸引盤に吸引して正極側の基材PETフィルムを剥離した正極・負極一体化シートの下に、基材PETフィルム上にセパレータ層のみを形成したシートを基材PETフィルム側が下になるように配置して接合した。
そして、吸引盤に吸引されていた正極・負極一体化シートの負極側の基材PETフィルムを剥離した。
次に、吸引盤に別の1枚の正極・負極一体化シートの正極側を接触させて吸引して、正極・負極一体化シートを持ち上げた後、負極側の基材PETフィルムを剥離した。
その負極側の基材PETフィルムを剥離した上記別の正極・負極一体化シートの下に、基材PETフィルム上にセパレータ層のみを形成したシートが接合された正極・負極一体化シートを配置して接合した。接合後、上記別の正極・負極一体化シートの正極側の基材PETフィルムを剥離した。
そして、その正極側の基材PETフィルムを剥離した別の正極・負極一体化シートの上に、吸引盤に負極側を吸引して正極側の基材PETフィルムを剥離したさらに別の1枚の正極・負極一体化シートを接合した。
以上工程を繰り返して、基材PETフィルム上にセパレータ層のみを形成したシートの上に、10枚の正極・負極一体化シートを積層して、その最上層の基材PETフィルムを剥離した。
最後に、別に準備した基材PETフィルム上にセパレータ層のみを形成したシートの基材PETフィルム側を吸引盤に接触させて吸引して、そのセパレータ層を上記最上層の基材PETフィルムを剥離した正極・負極一体化シートの上に接合することで電気化学素子用積層シートを作製した。
そして、塗布した導電性接着剤が、それぞれ正極パッケージ電極及び負極パッケージ電極に接続されるように、電気二重層コンデンサブロックを別途準備したパッケージ内に配置して、170℃で10分加熱した。
以上のようにして、パッケージ内への固定及び電気的接続が完了した後、電解液を注液して、パッケージを封止した。
以上のように作製した実施例1の電気二重層コンデンサの電気特性は、直流容量が112mFであった。
実施例2では、実施形態2の製造方法にしたがって、電気二重層コンデンサブロックを作製した。
実施例2では、実施例1と同様にして作製した正極複合シートを用いて、その正極複合シートのセパレータ層上に、スクリーン印刷により、負極活物質パターン群を印刷した後、80℃の熱風炉中で20分間乾燥させて、厚み10μmの負極活物質層を形成して、負極活物質層32bとした。
このようにして作製した正極・負極一体化シート50ABと正極・負極一体化シート50BAとを以下のように積層した。
次に、吸引盤に1枚の正極・負極一体化シート50ABの正極側を接触させて吸引して、正極・負極一体化シート50ABを持ち上げ、その下に、基材PETフィルム上にセパレータ層のみを形成したシートが接合された正極・負極一体化シート50BAを配置して接合した。接合後、上記正極・負極一体化シート50ABの正極側の基材PETフィルムを剥離した。
最後に、基材PETフィルム上にセパレータ層のみを形成したシートの基材PETフィルム側を吸引盤に接触させて吸引して、そのセパレータ層を上記最上層の基材PETフィルムを剥離した正極・負極一体化シート50ABの上に接合することで電気化学素子用積層シートを作製した。
以上のようにして作製した実施例2の電気二重層コンデンサの電気特性は、直流容量が123mFであった。
実施例3では、実施例1で作製した基材PETフィルム上に形成された正極複合シートのセパレータ層に転写フィルムを配置して加圧し、正極複合シートに転写フィルムを接合した。このとき、加圧板の温度は150℃、加圧の圧力は0.05MPa、加圧時間は1分であった。その後、正極複合シートの基材PETフィルムを剥離した。
この正極・正極一体化シートを更に3枚作製した。
さらに、基材PETフィルム上に例えば、厚み6μmのセパレータ層のみが形成されたセパレータ用シートを2枚準備し、さらに実施例1と同様にして正極複合シート20Aを2枚準備した。
以上ように準備した正極・正極一体化シート20D、負極・負極一体化シート30D、セパレータ用シート及び正極複合シート20Aを以下のように積層した。
まず、セパレータ用シートのセパレータ層上に、転写フィルムに接合して基材フィルム100を剥離した正極複合シート20Aを、正極集電体電極21aがセパレータ用シートのセパレータ層に接合するように積層し、転写フィルムを剥がした。
そして、最後に、正極複合シート20Aを積層した後、その基材フィルム100を剥離し、その剥離した面にセパレータ用シートのセパレータ層が対向するように接合して、セパレータ用シートの基材PETフィルムを剥離した。
以上のようにして、電気化学素子用積層シートLB3を作製し、電気化学素子用積層シートLB3を裁断することにより、電気二重層コンデンサブロックを作製した。
尚、裁断前に、電気化学素子用積層シートLB3の最下層に配置されている基材フィルムは剥離した。
以上のようにして作製した実施例3の電気二重層コンデンサの電気特性は、直流容量が108mFであった。
実施例4では、実施形態5の製造方法にしたがって、電気二重層コンデンサブロック(電気化学素子用積層ブロック1)を作製した。
まず、基材フィルム100として、表面にシリコーン系の離型層101が形成された基材PETフィルムの表面にウレタンを塗布し、膜厚1μmの接着層121を形成し、その後、正極集電体膜102として真空蒸着法により膜厚500nmのAl膜を形成した。
アルミニウム膜102が形成された基材PETフィルム100(接着層121を介して)に、スクリーン印刷により、20mm×10mmの矩形パターンを隣接パターン間距離8mmで縦5列、横10列に配列したレジストパターンR102を印刷した後、100℃の熱風炉中で15分間乾燥させた。
レジスト剥離には、酢酸ブチル以外に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、アミン系溶剤などの有機溶剤を用いることもできる。
(i)活性炭(BET比表面積1668m2/g、平均細孔直径1.83nm、平均粒径D50=1.26μm)29.0g、
(ii)カーボンブラック(東海カーボン株式会社製トーカブラック(登録商標)#3855、BET比表面積90m2/g)2.7g、
(iii)カルボキシメチルセルロース(ダイセル化学工業株式会社製CMC2260)3.0g、
(iv)38.8重量%のポリアクリレート樹脂水溶液2.0g、
(v)脱イオン水286g、
を秤量して、表1に示す条件で一次分散及び二次分散を行い混合して、活性炭ペーストを作製した。
i)バインダ溶液調整
容量1LのポットにPVDF−HFP(ポリフッ化ビニリデン-六フッ化プロピレン共重合体)を160g加え、さらにNMP(1−メチル−2−ピロリドン)溶媒を640g加えた後、ポットをポット架に入れて混合した。混合は、回転速度150rpmで24時間行い、これによりNMP中に20質量%PVDF−HFPが存在するバインダ溶液を得た。
・1次調合
次に容量500mLのポットに粉体状のアルミナ(D50=0.3μm)を25g加えた後、ポットに玉石(ジルコニアボール φ5mm)を175g加え、さらに溶媒としてNMPを25g加えた。そして、ポットをポット架に入れて解砕(回転速度150rpmで16時間)して一次調合を行った。
そして、さらにこれに上記のバインダ溶液を236g加え、ポット架で混合(回転速度150rpmで4時間)して約250mLのセパレータ層用スラリーを得た。
このセパレータ層用スラリーを用いて、図22の(7a)、(7b)に示す正極複合シート20Aを50枚作製した。形成したセパレータ層42の厚さ(接着層121の表面からセパレータ層42の表面までの距離)は15μmであった。
同様にして、負極複合シート30Aを50枚作製し、準備した。
正極・負極一体化シート50Aを、以下のように、適宜、基材PETフィルム100を剥離しながら積層した。
その吸引盤に吸引して正極側の基材PETフィルム100を剥離した正極・負極一体化シート50Aの下に、基材PETフィルム100上に8μm厚のセパレータ層42を形成したシートを基材PETフィルム100側が下になるように配置して接合した。
次に、吸引盤に別の1枚の正極・負極一体化シート50Aの正極側を接触させて吸引して、正極・負極一体化シートを持ち上げた後、負極側の基材PETフィルム100を剥離した。
最後に、別に準備した基材PETフィルム100上にセパレータ層42のみを形成したシートの基材PETフィルム100側を吸引盤に接触させて吸引して、そのセパレータ層42を上記最上層の基材PETフィルム100を剥離した正極・負極一体化シート50Aの上に接合することで電気化学素子用積層シートを作製した。
これにより実施例4の作電気二重層キャパシタを得た。
得られた、電気二重層キャパシタの容量(CAP)および電気抵抗(ESR)を測定した。
図29(a)は、容量(CAP)の測定方法を示す概略図であり、図29(b)は、電気抵抗(ESR)の測定方法を示す概略図である。
電気二重層キャパシタを充電電流3Aで2.75Vまで定電流充電した後、2.75Vで10秒保持した。その後、I=3Aで定電流放電を行った。この定電流放電時の電圧(V)と時間(t)の関係を測定し、放電開始後30ミリ秒〜60ミリ秒間の時間に対する電圧の関係を直線近似し、この近似直線の傾きΔV1/Δt(負の値となる)を求めた。そして、容量(CAP)は、以下の(1)式より算出した。
電気二重層キャパシタを充電電流3Aで2.75Vまで定電流充電した後、2.75Vで10秒保持した。その後、I=3Aで定電流放電を行った。図29(b)に示すように、放電開始直後、電気抵抗(ESR)の影響で電圧が2.75VよりΔV2だけ急激に低下する。
定電流放電時の電圧(V)と時間(t)の関係を測定し、放電開始後30ミリ秒〜60ミリ秒間の時間に対する電圧の関係を直線近似により求めた。この近似直線より放電開始直後すなわちt=0での電圧値Vtを求めた。
そして、以下の(2)式よりΔV2を算出した。
10,11,13,14,42 セパレータ層
20A 正極複合シート(正極セパレータ/電極複合シート)
20D 正極・正極一体化シート
21a,22a,23a 正極集電体電極
21b,22b,23b 正極活物質層
21t 正極端子電極
30A 負極複合シート(負極セパレータ/電極複合シート)
30D 負極・負極一体化シート
31a,32a,33a 負極集電体電極
31b,32b,33b 負極活物質層
31t 負極端子電極
41 埋込層
50A 正極・負極一体化シート
50AB,50BA 正極・負極一体化シート
100 基材フィルム
101 離型層
102 正極集電体膜
121 接着層
122a,132a 導電性接着剤
122b 正極パッケージ電極
132b 負極パッケージ電極
R102 レジストパターン
LB1,LB2,LB3 電気化学素子用積層シート
D1,D2,D3 裁断線
300 転写フィルム
Claims (20)
- 正極又は負極の一方の第1極と他方の第2極との間にセパレータ層が設けられてなる積層体と電解質と前記積層体と前記電解質を収納したパッケージを有してなる蓄電デバイスの製造方法において、
それぞれ第1極活物質層を備えた複数の第1極集電体電極がセパレータ層で一体化されてなる第1極複合シートを作製する第1極複合シート作製工程を含むことを特徴とする蓄電デバイスの製造方法。 - 前記第1極複合シート作製工程は、前記第1極複合シートを基材上に形成する第1極複合シート形成工程を含み、前記第1極複合シート作製工程の後に、前記第1極複合シートから前記基材を剥離する基材剥離工程を含む請求項1記載の蓄電デバイスの製造方法。
- 前記第1極複合シートと前記基材との間に離型層が形成された請求項2記載の蓄電デバイスの製造方法。
- 前記第1極複合シート形成工程は、前記基材上に、前記複数の第1極集電体電極を形成する第1極集電体電極形成工程と、前記第1極集電体電極上にそれぞれ前記第1極活物質層を形成する第1極活物質層形成工程と、それぞれ前記第1極活物質層が形成された前記複数の第1極集電体電極の少なくとも一部を覆う前記セパレータ層を形成するセパレータ層形成工程を含む請求項2又は3記載の蓄電デバイスの製造方法。
- 前記セパレータ層形成工程の前に、セパレータ層が形成される表面を平坦化する埋込層を形成する平坦化工程を含む請求項4記載の蓄電デバイスの製造方法。
- それぞれ第2極活物質層を備えた複数の第2極集電体電極がセパレータ層で一体化されてなる第2極複合シートを作製する第2極複合シート作製工程と、
前記第1極複合シートのセパレータ層と前記第2極複合シートのセパレータ層とを、前記第1極活物質層と前記第2極活物質層とがそれぞれ対向するように接合して両極一体化シートを作製する両極一体化シート作製工程と、
前記両極一体化シートを、それぞれ対向する第1極活物質層と第2極活物質層とを含むように裁断して電気化学素子用積層ブロックを作製する電気化学素子用積層ブロック作製工程と、
をさらに含む請求項1〜5のうちのいずれか1つに記載の蓄電デバイスの製造方法。 - 前記第2極複合シート作製工程は、前記第2極複合シートを基材上に形成する第2極複合シート形成工程を含み、前記第2極複合シート作製工程の後に、前記第2極複合シートから前記基材を剥離する基材剥離工程を含む請求項6記載の蓄電デバイスの製造方法。
- 前記第2極複合シートと前記基材との間に離型層が形成された請求項7記載の蓄電デバイスの製造方法。
- 前記第2極複合シート形成工程は、前記基材上に、前記複数の第2極集電体電極を形成する第2極集電体電極形成工程と、前記第2極集電体電極上にそれぞれ前記第2極活物質層を形成する第2極活物質層形成工程と、それぞれ前記第2極活物質層が形成された前記複数の第2極集電体電極の少なくとも一部を覆う前記セパレータ層を形成するセパレータ層形成工程を含む請求項7又は8記載の蓄電デバイスの製造方法。
- 前記第2極複合シート形成工程において、前記セパレータ層形成工程の前に、セパレータ層が形成される表面を平坦化する埋込層を形成する平坦化工程を含む請求項9記載の蓄電デバイスの製造方法。
- 前記両極一体化シート作製工程で前記両極一体化シートを複数作製して、
前記電気化学素子用積層ブロック作製工程の前に、
第1極集電体電極間、または第2極集電体電極間を対向させて前記両極一体化シートを積層する積層工程をさらに含む請求項6〜10のうちのいずれか1つに記載の蓄電デバイスの製造方法。 - 前記第1極複合シートの前記セパレータ層の表面において前記第1極集電体電極に対向する位置にそれぞれ第2極活物質層を介して第2極集電体電極を形成することにより両極一体化シートを作製する両極一体化シート作製工程と、
前記両極一体化シートを、それぞれ対向する第1極活物質層と第2極活物質層とを含むように裁断して電気化学素子用積層ブロックを作製する電気化学素子用積層ブロック作製工程と、
をさらに含む請求項1〜5のうちのいずれか1つに記載の蓄電デバイスの製造方法。 - 前記両極一体化シート作製工程において、
前記第2極活物質層を形成した後、前記第2極集電体電極を形成する前に、第2極活物質層間に位置する埋込層を形成して表面を平坦化する平坦化工程を含む請求項12記載の蓄電デバイスの製造方法。 - 前記両極一体化シート作製工程で前記両極一体化シートを複数作製して、
前記電気化学素子用積層ブロック作製工程の前に、
第1極集電体電極間、または第2極集電体電極間を対向させて前記両極一体化シートを積層する積層工程をさらに含む請求項12又は13記載の蓄電デバイスの製造方法。 - 前記第1極複合シートと、前記第1極集電体電極を間に挟んで前記第1極活物質層にそれぞれ対向するように設けられた複数の第2第1極活物質層と、前記セパレータ層に対向して設けられた第2セパレータ層とを含んでなり、対向する前記セパレータ層と前記第2セパレータ層とによって前記第1極集電体電極と前記第1極活物質層と前記第2第1極活物質層が挟設されて一体化されてなる第1極・第1極一体化シートを作製する第1極・第1極一体化シート作製工程を含む請求項1記載の蓄電デバイスの製造方法。
- 前記第1極複合シート作製工程において、
基材上に、前記複数の第1極集電体電極を形成する第1極集電体電極形成工程と、
前記第1極集電体電極上にそれぞれ前記第1極活物質層を形成する第1極活物質層形成工程と、
それぞれ前記第1極活物質層が形成された前記複数の第1極集電体電極の少なくとも一部を覆う前記セパレータ層を形成するセパレータ層形成工程とを含んで、前記第1極複合シートを前記基材上に形成し、
前記第1極・第1極一体化シート作製工程において、
前記セパレータ層に転写フィルムを接合して、前記基材を剥離する転写工程と、
前記基材を剥離した面に、第1極複合シートの第1極活物質層にそれぞれ対向して第2第1極活物質層を形成する第2第1極活物質層形成工程と、
前記セパレータ層と対向して第2セパレータ層を形成する第2セパレータ層形成工程とを含み、
対向する前記セパレータ層と前記第2セパレータ層とによって前記第1極集電体電極と前記第1極活物質層と前記第2第1極活物質層が挟設・一体化されてなる第1極・第1極一体化シートを作製する請求項15に記載の蓄電デバイスの製造方法。 - 前記第1極・第1極一体化シート作製工程において、
前記転写工程と前記第2第1極活物質層形成工程の間に、
前記基材を剥離した面に、それぞれ前記第1極集電体電極に対向して複数の第2第1極集電体電極を形成する第2第1極集電体電極形成工程を含む請求項16に記載の蓄電デバイスの製造方法。 - 前記蓄電デバイスの製造方法において、
それぞれ第2極活物質層を備えた複数の第2極集電体電極がセパレータ層で一体化されてなる第2極複合シートを作製する第2極複合シート作製工程と、
前記第2極複合シートと、前記第2極集電体電極を間に挟んで前記第2極活物質層にそれぞれ対向するように設けられた複数の第2第2極活物質層と、前記セパレータ層と対向して設けられた第2セパレータ層とを含んでなり、対向する前記セパレータ層と第2セパレータ層とによって前記第2極集電体電極と前記第2極活物質層と前記第2第2極活物質層が挟設されて一体化されてなる第2極・第2極一体化シートを作製する第2極・第2極一体化シート作製工程と、
前記第1極・第1極一体化シートと、前記第2極・第2極一体化シートとを、前記第1極活物質層と前記2極活物質層がそれぞれ重なるように接合して電気化学素子用積層シートを作製する積層工程と、
前記電気化学素子用積層シートを裁断して、それぞれ重なった前記第1極活物質層、前記第2極活物質層をそれぞれ備えた電気化学素子用積層ブロックを作製する電気化学素子用積層ブロック作製工程と、
を含む請求項15〜17のうちのいずれか1つに記載の蓄電デバイスの製造方法。 - 前記第2極複合シート作製工程において、
基材上に、前記複数の第2極集電体電極を形成する第2極集電体電極形成工程と、
前記第2極集電体電極上にそれぞれ前記第2極活物質層を形成する第2極活物質層形成工程と、
それぞれ前記第2極活物質層が形成された前記複数の第2極集電体電極の少なくとも一部を覆う前記セパレータ層を形成するセパレータ層形成工程とを含んで、前記第2極複合シートを前記基材上に形成し、
前記第2極・第2極一体化シート作製工程において、
前記セパレータ層に転写フィルムを接合して、前記基材を剥離する転写工程と、
前記基材を剥離した面に、第2極複合シートの第2極活物質層にそれぞれ対向して第2第2極活物質層を形成する第2第2極活物質層形成工程と、
前記セパレータ層と対向して第2セパレータ層を形成する第2セパレータ層形成工程とを含み、
対向する前記セパレータ層と前記第2セパレータ層とによって前記第2極集電体電極と前記第2極活物質層と前記第2第2極活物質層が挟設・一体化されてなる第2極・第2極一体化シートを作製する請求項18に記載の蓄電デバイスの製造方法。 - 前記第2極・第2極一体化シート作製工程において、
前記転写工程と前記第2第2極活物質層形成工程の間に、
前記基材を剥離した面に、それぞれ前記第2極集電体電極に対向して複数の第2第2極集電体電極を形成する第2第2極集電体電極形成工程を含む請求項19に記載の蓄電デバイスの製造方法。
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