JP2012030365A - 印刷機 - Google Patents

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Ryusuke Kimoto
隆介 木本
Shigeo Makino
重雄 牧野
Fumito Kajitani
史人 梶谷
Yukikazu Shoji
幸和 小路
Yoshiaki Kanda
義昭 神田
Yasunori Tanabe
康紀 田邊
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Abstract

【課題】印刷機において、印刷ユニットにおける各ローラでのインキの水分量を調整することで良好なインキの転写性及び画像形成性を確保して印刷品質の向上を図ると共に作業コストの抑制を可能とする。
【解決手段】インキつぼ35、インキ元ローラ36、受渡しローラ37、練ローラ38、往復ローラ39、インキ着ローラ40、版胴32、ブランケット胴31を直列に対接して構成し、調湿空気供給手段として、練ローラ38と往復ローラ39との対接部にその回転方向の下流側から加湿空気を供給する第1噴射ノズル51と、往復ローラ39とインキ着ローラ40との対接部にその回転方向の下流側から加湿空気を供給する第2噴射ノズル52とを設け、調湿空気回収手段として、第1噴射ノズル51から噴射された加湿空気を回収する第1吸引ノズル71a,71bと、第2噴射ノズル52から噴射された加湿空気を回収する第2吸引ノズル72a,72bとを設ける。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば、オフセット枚葉印刷機やオフセット輪転印刷機などの印刷ユニットにて、水性インキの水分率(水分量)を調整可能な印刷機に関するものである。
一般に、オフセット輪転印刷機は、給紙装置とインフィード装置と印刷装置と乾燥装置と冷却装置とウェブパス装置と折り装置と排紙装置とから構成されている。給紙装置は、2つの巻取体(ウェブロール)が装着されるリールスタンドを有しており、一方の巻取体から引き出されて走行しているウェブを、他方の巻取体のウェブに接続することで、連続的にウェブを供給可能な印刷機を有している。インフィード装置は、給紙装置の巻取体から引き出されたウェブを所定の速度で印刷装置に供給するものである。印刷装置は、一般的にブラック、シアン、マゼンタ、イエローの4色それぞれに対応した4組の印刷ユニットがウェブ走行方向に沿って並設されている。乾燥装置は、印刷装置により印刷が施されたウェブ上のインキを乾燥させるためのものであり、冷却装置は、乾燥装置での乾燥後の過剰な熱を蓄えるウェブを適当な温度まで冷却するものである。ウェブパス装置は、乾燥されて冷却されたウェブを搬送するものであり、折り装置は、ウェブを縦折りされた後に裁断し、所定の大きさに折り畳んで折帳を形成するものであり、排紙装置は、折り畳まれた折帳を機外へ搬出するものである。
従って、給紙装置により巻取体からロール状のウェブが引き出され、このウェブがインフィード装置により所定の速度で印刷装置に供給され、この印刷装置における各印刷ユニットにより多色印刷が施され、印刷されたウェブは、乾燥装置でインキが乾燥され、冷却装置で冷却され、ウェブパス装置を経て搬送された折り装置により折帳が作成され、排紙装置により搬出される。
このようなオフセット輪転印刷機における印刷装置の各印刷ユニットは、両面印刷機の場合、水平に搬送されるウェブの上下に、インキ供給装置と、インキ着ローラと、版胴と、ブランケット胴がそれぞれ対称に配置されている。インキ供給装置は、インキつぼ装置を有し、インキつぼのインキをインキ元ローラやインキ受渡しローラなどを介してインキローラ群に受け渡し、その後、インキ着ローラに供給するものである。そして、インキ着ローラと版胴とブランケット胴は順に対接しており、版胴には表面に版が装着されており、ブランケット胴は、版胴に供給されたインキを絵柄としてウェブに転写することができる。
従って、インキ供給装置の各ローラを回転すると、インキ元ローラにより供給量が調整されたインキが、インキつぼから呼び出しローラに供給され、インキローラ群で適度に練られ、薄膜を形成した後にインキ着ローラから版胴の版面に供給され、版面に付着したインキがブランケット胴に転写され、対向するブランケット胴との間でウェブが挟持されることで、このウェブに所定の印圧が掛けられてブランケット胴のインキを絵柄として転写される。
上述した印刷装置の印刷ユニットでは、油性インキが用いられて印刷が行われる。この油性インキは、一般に、その粘性が高いことから、インキ供給装置として多数の練ローラを設け、且つ、複数のインキ着ローラを設けている。そのため、構造が大型化してしまう。また、油性インキは、顔料、インキ用樹脂、石油系溶剤などを主成分として形成されており、石油系溶剤として、VOC(揮発性有機溶剤)が用いられており、地球環境保全や労働環境保全の面で好ましくない。そのため、油性インキに代えてVOCを含まない水性インキを用いて印刷を行うことが提案されている。
水性インキを用いた印刷機としては、例えば、下記特許文献1に記載されたものがある。この特許文献1に記載された印刷ユニットでは、インキユニットと、水性インキを収容するのに適した版板を支持する版胴と、印刷ブランケットを支持するブランケット胴を設けると共に、版板、印刷ブランケット、インキユニットのうちの1つまたは2つ以上のインキ保持面を、水性インキを用いた印刷に適した所定の温度に維持するための冷却ユニットを設けている。
また、特許文献2では、インキ着ローラ上の水性インキの水分量を低下させるインキ水分量低下手段として、インキ着ローラにおける水性インキの転写部分を覆うカバーと、このカバーに覆われた空間部を除湿する除湿装置を設けている。
特表2000−506091号公報 特開2008−207485号公報
上述したように、水性インキを用いた印刷機では、この水性インキがインキの転写性や画像形成性などに対して良好となるように水分率を調整する必要がある。しかし、インキが各ローラや版胴、ブランケット胴を通して転写していく間に、乾燥などによりその水分率が変化し、インキの転写性や画像形成性が低下し、ウェブでの印刷品質が低下してしまうおそれがある。
上述した各特許文献では、水性インキを用いた印刷に適した所定の温度に維持するための冷却ユニットを設けたり、インキ着ローラにおける水性インキの転写部分を覆うカバー及びカバーに覆われた空間部を除湿する除湿装置を設けている。これにより良好なインキの転写性や画像形成性が確保されるものの、更なるインキの転写性や画像形成性の向上が望まれている。また、印刷機の運転中に、常時、冷却ユニットや除湿装置を作動するには、作業コストが増大してしまうとの問題もある。
本発明は上述した課題を解決するものであり、印刷ユニットにおける各ローラでのインキの水分量を調整することで良好なインキの転写性及び画像形成性を確保して印刷品質の向上を図ると共に作業コストの抑制を可能とする印刷機を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための請求項1の発明の印刷機は、水性インキまたは水溶性インキを供給するインキ供給手段と、該インキ供給手段からインキが受け渡されるインキローラ群と、該インキローラ群からインキが受け渡される版胴と、該版胴に対接して該版胴に供給されたインキを絵柄として印刷用紙に転写するブランケット胴と、前記インキローラ群における少なくとも一組のローラの対接部にその回転方向の下流側から調湿空気を供給する調湿空気供給手段と、該調湿空気供給手段により前記ローラの対接部に供給された調湿空気を回収して前記調湿空気供給手段に戻す調湿空気回収手段と、を備えることを特徴とするものである。
請求項2の発明の印刷機では、前記インキ供給手段は、予め設定された所定粘性の水性インキまたは水溶性インキを貯留するインキ貯留部と、該インキ貯留部のインキを供給するインキ元ローラとを有し、前記インキローラ群は、前記インキ元ローラのインキを受け渡す受渡しローラと、該受渡しローラから受け渡されたインキを練る練ローラと、該練ローラにより練られたインキを幅方向に広げる往復ローラと、該往復ローラから受け渡されたインキを版胴に供給するインキ着ローラとを有し、前記調湿空気供給手段は、前記練ローラと前記往復ローラとの対接部または前記往復ローラと前記インキ着ローラとの対接部にその回転方向の下流側から加湿空気を供給することを特徴としている。
請求項3の発明の印刷機では、前記調湿空気供給手段は、前記インキ元ローラと前記受渡しローラとの対接部にその回転方向の下流側から加湿空気を供給することを特徴としている。
請求項4の発明の印刷機では、前記調湿空気供給手段は、前記版胴と前記ブランケット胴との対接部にその回転方向の下流側から除湿空気を供給することを特徴としている。
請求項5の発明の印刷機では、雰囲気湿度を検出する雰囲気湿度検出器と、前記雰囲気湿度検出器が検出した雰囲気湿度に基づいて前記調湿空気供給手段が供給する調湿空気の湿度を設定する制御手段とを設けることを特徴としている。
請求項6の発明の印刷機では、前記調湿空気供給手段が前記ローラの対接部に供給する調湿空気の湿度を検出する供給湿度検出器と、前記調湿空気回収手段により回収された調湿空気の湿度を検出する回収湿度検出器とを設け、前記制御手段は、前記雰囲気湿度検出器と前記供給湿度検出器と前記回収湿度検出器の検出結果に基づいて前記調湿空気供給手段を制御することを特徴としている。
請求項7の発明の印刷機では、前記調湿空気回収手段により回収された加湿空気を前記調湿空気供給手段に戻す回収経路と、前記調湿空気回収手段により回収された加湿空気を前記調湿空気供給手段に戻さずに前記ローラの対接部に供給する迂回経路と、前記回収経路と前記迂回経路を切換える切換手段とを設け、前記制御手段は、前記雰囲気湿度検出器と前記回収湿度検出器の検出結果に基づいて前記切換手段を制御することを特徴としている。
請求項8の発明の印刷機では、前記調湿空気供給手段による加湿空気の供給経路に外気を取り入れる外気取入経路を設け、前記制御手段は、前記雰囲気湿度検出器と前記回収湿度検出器の検出結果に基づいて前記外気取入経路からの外気取入量を制御することを特徴としている。
請求項1の発明の印刷機によれば、水性インキまたは水溶性インキを供給するインキ供給手段と、インキ供給手段からインキが受け渡されるインキローラ群と、インキローラ群からインキが受け渡される版胴と、版胴に対接して版胴に供給されたインキを絵柄として印刷用紙に転写するブランケット胴と、インキローラ群における少なくとも一組のローラの対接部にその回転方向の下流側から調湿空気を供給する調湿空気供給手段と、調湿空気供給手段によりローラの対接部に供給された調湿空気を回収して調湿空気供給手段に戻す調湿空気回収手段とを設けている。従って、インキ供給手段からインキがインキローラ群を介して版胴に受け渡され、この版胴からブランケット胴に受け渡され、このインキを絵柄として印刷用紙に転写するとき、調湿空気供給手段は、インキローラ群における少なくとも一組のローラの対接部にその回転方向の下流側から調湿空気を供給している。そのため、ローラの対接部に供給された調湿空気は、ローラの回転により発生する周面の流れに同伴し、一組のローラの周面に沿って流れることで、ローラの表面に付着したインキにおける水分量が調節されることとなり、インキの良好な転写性を確保することができると共に、良好な画像形成性を確保することができ、その結果、印刷品質を向上することができる。また、調湿空気供給手段によりローラの対接部に供給された調湿空気は、調湿空気回収手段により回収されて調湿空気供給手段に戻されることとなり、生成した調湿空気の再利用を可能として作業コストを抑制することができる。
請求項2の発明の印刷機によれば、インキ供給手段としてインキ貯留部とインキ元ローラとを設け、インキローラ群として受渡しローラと練ローラと往復ローラとインキ着ローラを設け、調湿空気供給手段は、練ローラと往復ローラとの対接部または往復ローラとインキ着ローラとの対接部にその回転方向の下流側から加湿空気を供給するので、インキ中の水分が比較的蒸発しやすい往復ローラに対して加湿空気を供給することで、インキにおける水分量が上昇するように調節されることとなり、インキの良好な転写性を確保することができる。
請求項3の発明の印刷機によれば、調湿空気供給手段は、インキ元ローラと受渡しローラとの対接部にその回転方向の下流側から加湿空気を供給するので、インキ元ローラと受渡しローラとの対接部では、スリップによりインキ中の水分が比較的蒸発しやすいため、ここに加湿空気を供給することで、インキにおける水分量が上昇するように調節されることとなり、インキの良好な転写性を確保することができる。
請求項4の発明の印刷機によれば、調湿空気供給手段は、版胴とブランケット胴との対接部にその回転方向の下流側から除湿空気を供給するので、インキ中の水分が過剰となりやすい版胴やブランケット胴に対して除湿空気を供給することで、インキにおける水分量が低下するように調節されることとなり、良好な画像形成性を確保することができる。
請求項5の発明の印刷機によれば、雰囲気湿度を検出する雰囲気湿度検出器と、雰囲気湿度検出器が検出した雰囲気湿度に基づいて調湿空気供給手段が供給する調湿空気の湿度を設定する制御手段とを設けるので、調湿空気供給手段は雰囲気湿度に応じた適正湿度の調湿空気を供給することができ、ローラの表面に付着したインキにおける水分量を適正に調節することができる。
請求項6の発明の印刷機によれば、調湿空気供給手段がローラの対接部に供給する調湿空気の湿度を検出する供給湿度検出器と、調湿空気回収手段により回収された調湿空気の湿度を検出する回収湿度検出器とを設け、制御手段は、雰囲気湿度と供給湿度と回収湿度に基づいて調湿空気供給手段を制御するので、調湿空気供給手段は、雰囲気湿度と回収された調湿空気の湿度とに基づいて適正な湿度の調湿空気を供給することとなり、調湿空気供給手段の能力を適正に制御することで、駆動コストを低減することができる。
請求項7の発明の印刷機によれば、調湿空気回収手段により回収された加湿空気を調湿空気供給手段に戻す回収経路と、調湿空気回収手段により回収された加湿空気を調湿空気供給手段に戻さずにローラの対接部に供給する迂回経路と、回収経路と迂回経路を切換える切換手段とを設け、制御手段は、雰囲気湿度と回収湿度に基づいて切換手段を制御するので、回収された加湿空気の湿度が適正な湿度範囲にあれば、調湿空気供給手段に戻さずに迂回経路を通してローラの対接部に供給することとなり、調湿空気供給手段を一時停止することで、駆動コストを低減することができる。
請求項8の発明の印刷機によれば、加湿空気の供給経路に外気を取り入れる外気取入経路を設け、制御手段は、雰囲気湿度と回収湿度に基づいて外気取入経路からの外気取入量を制御するので、雰囲気湿度が変動したときには、外気取入経路から外気を取り入れることで、調湿空気供給手段の能力を適正に制御することで、駆動コストを低減することができる。
以下に添付図面を参照して、本発明に係る印刷機の好適な実施例を詳細に説明する。なお、この実施例により本発明が限定されるものではない。
図1は、本発明の実施例1に係る印刷機における印刷ユニットを表す概略構成図、図2は、加湿空気の流れを説明するための概略図、図3は、実施例1の印刷機を表す概略構成図である。
実施例1の印刷機は、水性インキを用いたオフセット輪転印刷機であって、図3に示すように、給紙装置11と、インフィード装置12と、印刷装置13と、乾燥装置14と、冷却装置15と、ウェブパス装置16と、折り装置17と、排紙装置18とから構成されている。
給紙装置11は、2つの巻取体(ウェブロール)が装着されるリールスタンドを有しており、一方の巻取体から引き出されて走行しているウェブ(印刷用紙)を、他方の巻取体のウェブに接続することで、連続的にウェブを供給可能な紙継装置を有している。インフィード装置12は、給紙装置11のウェブを印刷装置13側に供給するものである。印刷装置13は、4つの水性インキ色である墨(Black)、藍(Cyan)、紅(Magenta)、黄(Yellow)ごとの4個の印刷ユニット21,22,23,24がウェブ走行方向に沿って並設されて構成されている。乾燥装置14は、印刷装置13により印刷が施されたウェブ上の水性インキを乾燥させるためのものであり、冷却装置15は、乾燥装置14での乾燥後の過剰な熱を蓄えるウェブを適当な温度まで冷却するものである。ウェブパス装置16は、乾燥されて冷却されたウェブを搬送するものであり、折り装置17は、ウェブを縦折りされた後に裁断し、所定の大きさに折り畳んで折帳を形成するものであり、排紙装置18は、折り畳まれた折帳を機外へ搬出するものである。
従って、給紙装置11により巻取体からロール状のウェブWが引き出され、インフィード装置12により印刷装置13に供給され、この印刷装置13にて、各印刷ユニット21,22,23,24により多色印刷が施され、印刷されたウェブWは、乾燥装置14で水性インキが乾燥され、冷却装置15で冷却され、ウェブパス装置16を経て搬送されて折り装置17により折帳が作成され、排紙装置18により搬出される。
ここで、本実施例のオフセット輪転印刷機にて、各印刷ユニット21,22,23,24は、ウェブWの表面及び裏面に同時に印刷する両面印刷機であって、使用する水性インキの色(墨、藍、紅、黄)が相違するだけで、その構成はほぼ同様のものとなっている。そのため、以下の説明では、一つの印刷ユニット21において、ウェブWの表面に印刷を施す構成についてのみ説明する。
印刷ユニット21において、図1に示すように、ウェブWの搬送経路における上方には、ブランケット胴31が配置されると共に、このブランケット胴31に対接して版胴32が配置されている。そして、版胴32の上方に、インキローラ群33とインキ供給装置34が配置されている。
このインキ供給装置45は、予め設定された所定粘性、つまり、所定水分率の水性インキまたは水溶性インキを貯留するインキ貯留部としてのインキつぼ35と、このインキつぼ35から図示しないインキキーにより調量されたインキを供給するインキ元ローラ36とを有している。また、インキローラ群33は、インキ元ローラ36のインキを受け渡す受渡しローラ37と、受渡しローラ37から受け渡されたインキを練る練ローラ38と、練ローラ38により練られたインキを幅方向に広げる往復ローラ39と、往復ローラ39から受け渡されたインキを版胴32に供給するインキ着ローラ40とを有している。
この場合、版胴32は、表面に図示しない版が装着された金属ローラであり、ブランケット胴31は、表面に弾力部としてのブランケットが装着されたゴムローラである。そして、インキ元ローラ36、受渡しローラ37、練ローラ38、往復ローラ39、インキ着ローラ40、版胴32、ブランケット胴31が直列をなして対接している。
従って、インキ元ローラ36により供給量が調整された水性インキが、インキつぼ35から受渡しローラ37に供給され、練ローラ38及び往復ローラ39を通ることで適度に練られ、薄膜を形成した後にインキ着ローラ40に供給され、このインキ着ローラ40から版胴32の版面に供給され、版面に付着したインキがブランケット胴31に転写され、裏面印刷を行うブランケット胴41との間でウェブWに所定の印圧が掛けられることで、ブランケット胴31のインキを絵柄としてウェブWの表面に転写することができる。
なお、往復ローラ39に対して、通水を行う図示しない通水機構が設けられており、この通水機構によって往復ローラ39の表面の温度制御を行うことで、インキの水分蒸発をコントロールする。
このように構成された本実施例のオフセット輪転印刷機における印刷ユニット21には、インキローラ群33における少なくとも一組のローラの対接部にその回転方向の下流側から調湿空気を供給する調湿空気供給手段が設けられている。
即ち、練ローラ38と往復ローラ39との対接部には、その回転方向の下流側に位置して第1噴射ノズル51が設けられると共に、往復ローラ39とインキ着ローラ40との対接部には、その回転方向の下流側に位置して第2噴射ノズル52が設けられている。また、インキ元ローラ36と受渡しローラ37との対接部には、その回転方向の下流側に位置して第3噴射ノズル53が設けられている。更に、版胴32とブランケット胴31との対接部には、その回転方向の下流側に位置して第4噴射ノズル54が設けられている。
各噴射ノズル51〜54には、ファン55〜58が連結され、各ファン55〜57は、加湿空気供給ライン59〜61により加湿空気供給源62が連結され、ファン58は、除湿空気供給ライン63により除湿空気供給源64が連結されている。そして、各ライン59〜61,63には、流量調整弁65〜68が装着されている。
第1噴射ノズル51は、練ローラ38と往復ローラ39との対接部にその回転方向の下流側から加湿空気を供給することで、練ローラ38や往復ローラ39上のインキの水分量を増加させるものである。第2噴射ノズル52は、往復ローラ39とインキ着ローラ40との対接部にその回転方向の下流側から加湿空気を供給することで、往復ローラ39とインキ着ローラ40上のインキの水分量を増加させるものである。第3噴射ノズル53は、インキ元ローラ36と受渡しローラ37との対接部にその回転方向の下流側から加湿空気を供給することで、インキ元ローラ36と受渡しローラ37上のインキの水分量を増加させるものである。第4噴射ノズル54は、版胴32とブランケット胴31との対接部にその回転方向の下流側から除湿空気を供給することで、版胴32とブランケット胴31上のインキの水分量を低下させるものである。具体的には、加湿空気とは、ナノミストまたはミスト等であり、除湿空気とは、ドライ空気である。
そして、各ファン55〜58、流量調整弁65〜68、加湿空気供給源62、除湿空気供給源64は、制御装置69により制御可能となっている。この場合、印刷ユニット21における雰囲気湿度を検出する雰囲気湿度検出器70を設け、制御装置69は、この雰囲気湿度検出器70が検出した雰囲気湿度に基づいて各噴射ノズル51〜54が供給する調湿空気の湿度が最適となるように制御している。
即ち、制御装置69は、印刷ユニット21の雰囲気湿度に応じて、ファン55〜58、流量調整弁65〜68、加湿空気供給源62、除湿空気供給源64を制御する。例えば、印刷ユニット21の雰囲気湿度が適正湿度(例えば、60%)となるように加湿空気供給源62を駆動制御し、各噴射ノズル51〜53により噴射される加湿空気の湿度が調節される。なお、制御装置69は、使用されるインキの成分(水分率など)に応じて、ファン55〜58、流量調整弁65〜68、加湿空気供給源62、除湿空気供給源64を制御してもよい。
また、本実施例のオフセット輪転印刷機における印刷ユニット21には、調湿空気供給手段により一組のローラの対接部に供給された調湿空気を回収して調湿空気供給手段に戻す調湿空気回収手段が設けられている。
即ち、第1噴射ノズル51から加湿空気が供給される練ローラ38と往復ローラ39との対接部に対して、各ローラ38,39の周面に沿った回転方向の下流側の近傍に位置してそれぞれ第1吸引ノズル71a,71bが設けられている。往復ローラ39とインキ着ローラ40との対接部に対して、各ローラ39,40の周面に沿った回転方向の下流側の近傍に位置してそれぞれ第2吸引ノズル72a,72bが設けられている。インキ元ローラ36と受渡しローラ37との対接部に対して、各ローラ36,37の周面に沿った回転方向の下流側の近傍に位置してそれぞれ第3吸引ノズル73a,73bが設けられている。また、版胴32とブランケット胴31との対接部に対して、各ローラ32,31の周面に沿った回転方向の下流側の近傍に位置してそれぞれ第4吸引ノズル74a,74bが設けられている。
各吸引ノズル71a〜74bには、ファン75〜78が連結され、各ファン75〜77は、加湿空気回収ライン79〜81により加湿空気供給源62に連結され、ファン78は、除湿空気回収ライン82により除湿空気供給源64に連結されている。
第1吸引ノズル71a,71bは、練ローラ38と往復ローラ39との対接部に供給された加湿空気を吸引して回収する。第2吸引ノズル72a,72bは、往復ローラ39とインキ着ローラ40との対接部に供給された加湿空気を吸引して回収する。第3吸引ノズル73a,73bは、インキ元ローラ36と受渡しローラ37との対接部に供給された加湿空気を吸引して回収する。第4吸引ノズル74a,74bは、版胴32とブランケット胴31との対接部に供給された除湿空気を吸引して回収する。
そして、各噴射ノズル51〜53がローラの対接部に供給する加湿空気の湿度を検出する供給湿度検出器91と、各吸引ノズル71a〜73bにより回収された加湿空気の湿度を検出する回収湿度検出器92とを設け、制御装置69は、雰囲気湿度検出器70が検出した雰囲気湿度と、供給湿度検出器91が検出した供給加湿空気湿度と、回収湿度検出器92が回収した回収加湿空気湿度に基づいて各噴射ノズル51〜53が供給する加湿空気の湿度が最適となるように制御している。
即ち、印刷ユニット21の雰囲気湿度が適正湿度(例えば、60%)となるように加湿空気供給源62を駆動制御するが、この場合、回収した加湿空気の湿度が適正湿度となるように加湿空気供給源62を駆動制御する。つまり、適正湿度が60%であるとき、雰囲気湿度が40%であれば、加湿空気供給源62は、+20%の水分を増加させる必要がある。しかし、回収加湿空気湿度が50%であれば、加湿空気供給源62は、+10%の水分を増加させるだけでよい。
ここで、上述した本実施例のオフセット輪転印刷機における印刷ユニット21の作動について説明する。
インキつぼ35に貯留されるインキは、水分、顔料、樹脂などから構成され、ロール間における良好な転写性が確保できるようにその水分率(水分量)が設定されている。各ローラが回転すると、インキ元ローラ36により調量された水性インキが、インキつぼ35から受渡しローラ37、練ローラ38、往復ローラ39を介してインキ着ローラ40に供給される。このインキの供給に際し、インキは、良好な転写性(インキの流動性)が確保できる水分率(水分量)に設定されており、適正にインキ着ローラ40に供給される。
このとき、第3噴射ノズル53は、インキ元ローラ36と受渡しローラ37との対接部にその回転方向の下流側から加湿空気を供給する。インキ元ローラ36と受渡しローラ37とは、その回転数が相違することからスリップが発生し、インキから水分が蒸発しやすい。そのため、インキ元ローラ36と受渡しローラ37上のインキに対して水分量を増加させる。一方、第3吸引ノズル73a,73bは、第3噴射ノズル53がインキ元ローラ36と受渡しローラ37との対接部に供給して各ローラ36,37に帯同した加湿空気を吸引し、加湿空気供給源62に戻す。
また、第1噴射ノズル51は、練ローラ38と往復ローラ39との対接部にその回転方向の下流側から加湿空気を供給する。第2噴射ノズル52は、往復ローラ39とインキ着ローラ40との対接部にその回転方向の下流側から加湿空気を供給する。往復ローラ39は、通水を行うことでインキから水分が蒸発しやすい。そのため、練ローラ38と往復ローラ39とインキ着ローラ40上のインキの水分量を増加させる。一方、第1吸引ノズル71a,71bは、第1噴射ノズル51が練ローラ38と往復ローラ39との対接部に供給して各ローラ38,39に帯同した加湿空気を吸引し、加湿空気供給源62に戻す。また、第2吸引ノズル72a,72bは、第2噴射ノズル52が往復ローラ39とインキ着ローラ40との対接部に供給して各ローラ39,40に帯同した加湿空気を吸引し、加湿空気供給源62に戻す。
ここで、各噴射ノズル51〜53から噴射された加湿空気の流れについて説明する。例えば、図2に示すように、第2噴射ノズル52から往復ローラ39とインキ着ローラ40との対接部にその回転方向の下流側から供給された加湿空気は、各ローラ39,40の回転により発生する周面の流れに同伴し、各ローラ39,40の周面に沿って流れる。即ち、加湿空気は、往復ローラ39とインキ着ローラ40の周面に回転方向に沿って帯同することとなり、各ローラ39,40の表面に付着したインキに対して水分量が増加されることとなり、インキの良好な転写性が確保される。この場合、往復ローラ39とインキ着ローラ40との対接部における回転方向の下流側には、負圧領域が発生することから、まず、加湿空気が一時的に吸引され、続いて、各ローラ39,40の回転により発生する流れにより各ローラ39,40の周面に沿って流れる。
また、第2噴射ノズル52から噴射されて往復ローラ39とインキ着ローラ40との対接部にその回転方向の下流側から供給された加湿空気は、各ローラ39,40の周面に沿って流れる間に、含有する水分がインキに取られて若干の湿度が低下する。第2吸引ノズル72aは、往復ローラ39の周面に回転方向に沿って帯同する加湿空気の一部を吸引して加湿空気供給源62に戻すことで、加湿空気の再利用が可能となる。
この場合、第1噴射ノズル51、第2噴射ノズル52、第3噴射ノズル53によりインキローラ群33を転写されるインキの水分量が適正に調節されることから、版胴32上の水性インキは水分量が上昇した状態にあり、流動性が向上して転写性が優れたものとなり、ブランケット胴31の表面に適正なインキの絵柄を転写することができる。
続いて、インキ着ローラ40に供給されたインキは、対接する版胴32に転写され、版胴32が回転することで、この版胴32に転写されたインキがブランケット胴31に受け渡される。このとき、第4噴射ノズル54は、版胴32とブランケット胴31との対接部にその回転方向の下流側から除湿空気を供給する。版胴32からブランケット胴31へ画線部のインキが転写されるとき、版胴32とブランケット胴31上のインキの水分量を低下させることで、その転写性が向上する。一方、第4吸引ノズル74a,74bは、第4噴射ノズル54が版胴32とブランケット胴31との対接部に供給して各胴32,31に帯同した除湿空気を吸引し、除湿空気供給源64に戻すことで、除湿空気の再利用が可能となる。
その後、ブランケット胴31が回転することで、このブランケット胴31に転写されたインキの絵柄がウェブWに至ると、裏面印刷を行うブランケット胴41との間でウェブWに所定の印圧が掛けられ、ブランケット胴31のインキの絵柄がウェブWの表面に転写される。
なお、水性インキの転写性及び画像形成性は、印刷品質に直結するものであり、オペレータは、印刷ユニット21の雰囲気状態に応じて加湿空気供給源62及び除湿空気供給源64の駆動制御(ON/OFF制御または能力制御)を行う必要がある。また、上述したように、本実施例のオフセット輪転印刷機における印刷ユニット21は、ウェブWの表面及び裏面を同時に印刷する両面印刷機であることから、ウェブWの下方にも、上述した構成のブランケット胴41、版胴、インキローラ群、インキ供給装置、噴射ノズルなどが配置されており、インキの水分量を調整しながら印刷を行っている。また、本実施例のオフセット輪転印刷機は、4つの印刷ユニット21,22,23,24を有しており、その他の印刷ユニット22,23,24でも同様の作業を行っている。
このように実施例1の印刷機にあっては、インキつぼ35、インキ元ローラ36、受渡しローラ37、練ローラ38、往復ローラ39、インキ着ローラ40、版胴32、ブランケット胴31を直列に対接して構成し、調湿空気供給手段として、練ローラ38と往復ローラ39の対接部にその回転方向の下流側から加湿空気を供給する第1噴射ノズル51と、往復ローラ39とインキ着ローラ40との対接部にその回転方向の下流側から加湿空気を供給する第2噴射ノズル52とを設け、調湿空気回収手段として、第1噴射ノズル51から噴射された加湿空気を回収する第1吸引ノズル71a,71bと、第2噴射ノズル52から噴射された加湿空気を回収する第2吸引ノズル72a,72bとを設けている。
従って、インキつぼ35のインキがインキ元ローラ36、受渡しローラ37、練ローラ38、往復ローラ39、インキ着ローラ40、版胴32、ブランケット胴31から印刷用紙に転写されるとき、第1噴射ノズル51は、練ローラ38と往復ローラ39との対接部にその回転方向の下流側から加湿空気を供給し、第2噴射ノズル52は、往復ローラ39とインキ着ローラ40との対接部にその回転方向の下流側から加湿空気を供給する。そのため、ローラの対接部に供給された調湿空気は、ローラの回転により発生する周面の流れに同伴し、一組のローラの周面に沿って流れることで、ローラの表面に付着したインキにおける水分量が調節されることとなり、インキの良好な転写性を確保することができると共に、良好な画像形成性を確保することができ、その結果、印刷品質を向上することができる。
この場合、往復ローラ39では、インキ中の水分が比較的蒸発しやすいため、練ローラ38と往復ローラ39との対接部にその回転方向の下流側から加湿空気を供給する第1噴射ノズル51と、往復ローラ39とインキ着ローラ40との対接部にその回転方向の下流側から加湿空気を供給する第2噴射ノズル52との少なくともいずれか一方を設ければよく、これにより、インキにおける水分量が上昇するように調節されることとなり、インキの良好な転写性を確保することができる。また、第1噴射ノズル51と第2噴射ノズル52の両方を設けることで、往復ローラ39の全周にわたって加湿空気を供給することができ、更なる良好な転写性を確保することができる。
また、本実施例の印刷機では、インキ元ローラ36と受渡しローラ37との対接部にその回転方向の下流側から加湿空気を供給する第3噴射ノズル53を設けている。インキ元ローラ36と受渡しローラ37との対接部では、スリップによりインキ中の水分が比較的蒸発しやすいため、ここに加湿空気を供給することで、インキにおける水分量が上昇するように調節されることとなり、インキの良好な転写性を確保することができる。
そして、本実施例の印刷機では、第1吸引ノズル71a,71bは、第1噴射ノズル51が練ローラ38と往復ローラ39との対接部に供給して各ローラ38,39に帯同した加湿空気を吸引し、第2吸引ノズル72a,72bは、第2噴射ノズル52が往復ローラ39とインキ着ローラ40との対接部に供給して各ローラ39,40に帯同した加湿空気を吸引し、第3吸引ノズル73a,73bは、第3噴射ノズル53がインキ元ローラ36と受渡しローラ37との対接部に供給して各ローラ36,37に帯同した加湿空気を吸引し、それぞれ加湿空気供給源62に戻している。そのため、加湿空気を回収して循環させることで、加湿空気供給源62では、回収した加湿空気により新たな加湿空気を生成することが可能となり、生成した加湿空気の再利用を可能として効率的に加湿空気を生成して作業コストを抑制することができる。
また、本実施例の印刷機では、版胴32とブランケット胴31との対接部にその回転方向の下流側から除湿空気を供給する第4噴射ノズル54を設けている。また、第4噴射ノズル54から噴射された除湿空気を回収する第4吸引ノズル74a,74bを設けている。インキ中の水分が過剰となりやすい版胴32やブランケット胴31に対して除湿空気を供給することで、インキにおける水分量が低下するように調節されることとなり、良好な画像形成性を確保することができる。また、第4吸引ノズル74a,74bは、第4噴射ノズル54が版胴32とブランケット胴31との対接部に供給して各胴32,31に帯同した除湿空気を吸引し、それぞれ除湿空気供給源64に戻している。そのため、除湿空気供給源64では、回収した除湿空気により新たな除湿空気を生成することとなり、生成した除湿空気の再利用を可能として作業コストを抑制することができる。
また、本実施例の印刷機では、雰囲気湿度を検出する雰囲気湿度検出器70と、この雰囲気湿度検出器70が検出した雰囲気湿度に基づいて各噴射ノズル51〜54が供給する調湿空気の湿度を設定する制御装置69とを設けている。従って、各噴射ノズル51〜54は雰囲気湿度に応じた適正湿度の調湿空気を供給することができ、ローラの表面に付着したインキにおける水分量を適正に調節することができる。
また、本実施例の印刷機では、各噴射ノズル51〜53がローラ対接部に供給する加湿空気の湿度を検出する供給湿度検出器91と、各吸引ノズル71a〜73bにより回収された加湿空気の湿度を検出する回収湿度検出器92とを設け、制御装置69は、雰囲気湿度と供給湿度と回収湿度に基づいて各噴射ノズル51〜53が噴射する加湿空気の湿度を設定している。従って、雰囲気湿度と回収された調湿空気の湿度とに基づいて適正な湿度の調湿空気を供給することとなり、加湿空気供給源62の能力を適正に制御することで、駆動コストを低減することができる。
図4は、本発明の実施例2に係る印刷機における印刷ユニットの要部を表す概略構成図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例2の印刷機における印刷ユニットにおいて、図4に示すように、第2噴射ノズル52に対して、加湿空気供給源62から加湿空気供給ライン(供給経路)60が連結される一方、第2吸引ノズル72aから加湿空気供給源62まで加湿空気回収ライン(回収経路)80が連結されている。そして、本実施例では、第2吸引ノズル72aにより吸引して回収された加湿空気を加湿空気供給源62に戻さずに第2噴射ノズル52に供給するための迂回経路として、加湿空気回収ライン80から加湿空気供給源62を迂回して加湿空気供給ライン60に連結される迂回ライン101が設けられている。また、加湿空気回収ライン80と迂回ライン101との連結部には、第2吸引ノズル72aにより回収した加湿空気を加湿空気回収ライン80から加湿空気供給源62に戻すか、迂回ライン101を介して第2噴射ノズル52に供給するかを切換える切換弁(切換手段)102が設けられている。
また、本実施例では、加湿空気供給ライン60に外気(周辺雰囲気)を取り入れる外気取入ライン(外気取入経路)103を設け、加湿空気供給ライン60と外気取入ライン103との連結部には、外気取入ライン103からの外気の取入量を調整する流量調整弁104が設けられている。
そして、制御装置69は、雰囲気湿度検出器70と回収湿度検出器92の検出結果に基づいて切換弁102を開閉切換制御している。また、制御装置69は、雰囲気湿度検出器70と回収湿度検出器92の検出結果に基づいて流量調整弁104を制御し、外気取入ライン103からの外気取入量を調整している。
具体的に説明すると、印刷機の始動時、制御装置69は、切換弁102により加湿空気回収ライン80を開放して迂回ライン101とを閉止する。また、制御装置69は、流量調整弁104を閉止して外気取入ライン103からの外気取入量を0%としている。すると、第2吸引ノズル72aは、ローラ38,39の周辺の空気を吸引し、この空気を加湿空気回収ライン80を通して加湿空気供給源62に供給し、この加湿空気供給源62は、雰囲気湿度に応じた加湿空気を生成し、第2噴射ノズル52は、往復ローラ39とインキ着ローラ40との対接部にその回転方向の下流側から加湿空気を供給する。
そして、第2噴射ノズル52が往復ローラ39とインキ着ローラ40との対接部に加湿空気を供給し始めると、第2吸引ノズル72aは、ローラ38,39の周辺に流れる第2噴射ノズル52からの加湿空気を吸引し、この加湿空気を加湿空気回収ライン80を通して加湿空気供給源62に戻し、この加湿空気供給源62は、回収した加湿空気を再利用して雰囲気湿度に応じた加湿空気を生成する。
次に、雰囲気湿度に応じた第2噴射ノズル52による加湿空気の供給が安定すると、制御装置69は、切換弁102により加湿空気回収ライン80を閉止して迂回ライン101とを連通する。すると、第2吸引ノズル72aは、ローラ38,39の周辺に流れる加湿空気を吸引し、この加湿空気を迂回ライン101を通して加湿空気供給ライン60に迂回し、第2噴射ノズル52は、この加湿空気を往復ローラ39とインキ着ローラ40との対接部にその回転方向の下流側から加湿空気を供給する。この場合、回収湿度検出器92は加湿空気供給ライン60の加湿空気の湿度を常時検出して制御装置69に出力しており、制御装置69は、回収した加湿空気の湿度が適正湿度を含む所定の適正領域にあるとき、迂回ライン101により加湿空気供給源62を迂回させている。
また、雰囲気湿度が低下すると、制御装置69は、切換弁102により加湿空気回収ライン80を閉止して迂回ライン101とを連通すると共に、流量調整弁104の開度を調整して外気取入ライン103からの外気取入量を調整する。即ち、第2吸引ノズル72aは、ローラ38,39の周辺に流れる加湿空気を吸引し、この加湿空気を迂回ライン101を通して加湿空気供給ライン60に供給される。一方、外気取入ライン103の外気が流量調整弁104を通して加湿空気供給ライン60に供給される。ここで、回収した加湿空気の湿度が外気の湿度より高いため、加湿空気に外気が混合されることで、湿度が低下することとなり、第2噴射ノズル52は、回収した加湿空気より低湿度の加湿空気を往復ローラ39とインキ着ローラ40との対接部にその回転方向の下流側から加湿空気を供給する。
なお、第2噴射ノズル52により往復ローラ39とインキ着ローラ40との対接部に供給する加湿空気の湿度が低下しすぎたら、制御装置69は、切換弁102により加湿空気回収ライン80を開放して迂回ライン101とを閉止する。すると、第2吸引ノズル72aが回収した加湿空気を加湿空気供給源62を通して加湿空気供給ライン60に供給する。一方、外気取入ライン103の外気が流量調整弁104を通して加湿空気供給ライン60に供給する。そのため、加湿空気供給源62の加湿空気に外気が混合されることで、湿度を適正に調整し、第2噴射ノズル52が往復ローラ39とインキ着ローラ40との対接部にその回転方向の下流側から加湿空気を供給する。
このように実施例2の印刷機にあっては、加湿空気供給源62からの加湿空気を第2噴射ノズル52に供給する加湿空気供給ライン60と、第2吸引ノズル72aで吸引した加湿空気を加湿空気供給源62に戻す加湿空気回収ライン80とを設けると共に、加湿空気回収ライン80から加湿空気供給源62に戻さずに迂回させる迂回ライン101を設け、加湿空気回収ライン80と迂回ライン101との連結部に切換弁102を設けている。
従って、第2吸引ノズル72aで回収された加湿空気の湿度が適正な湿度範囲にあれば、加湿空気供給源62に戻さずに迂回ライン101を通して第2噴射ノズル52に供給することとなり、この間、加湿空気供給源62を一時停止することで、駆動コストを低減することができる。
また、実施例2の印刷機にあっては、加湿空気供給ライン60に外気を取り入れる外気取入ライン103を設けると共に、加湿空気供給ライン60と外気取入ライン103との連結部に外気取入ライン103からの外気の取入量を調整する流量調整弁104を設けている。従って、雰囲気湿度が低下したときには、外気取入ライン103から外気を取り入れることで、第2噴射ノズル52が噴射する加湿空気の湿度を低下させることができ、加湿空気供給源62の能力を適正に制御することで、駆動コストを低減することができる。
なお、本実施例では、第2噴射ノズル52及び第2吸引ノズル72aについて説明したが、上述した実施例1で説明した他の噴射ノズル及び吸引ノズルについても同様の構成となっている。
また、上述した各実施例では、印刷機を4つの印刷ユニットから構成したが、1つまたは2つまたは5つ以上に構成してもよい。また、印刷ユニットをインキ供給装置とインキローラ群と版胴とブランケット胴から構成したが、このローラ及び胴の構成並びにその数は実施例に限定されるものではなく、適宜最適なものに設定すればよい。更に、印刷機を両面印刷機としたが、片面印刷機でもよく、また、輪転印刷機に限らず、枚葉印刷機に適用することもできる。
本発明に係る印刷機は、印刷ユニットにおける各ローラでのインキの水分量を調整することで良好なインキの転写性及び画像形成性を確保して印刷品質の向上を図るものであり、いずれの印刷機にも適用することができる。
本発明の実施例1に係る印刷機における印刷ユニットを表す概略構成図である。 加湿空気の流れを説明するための概略図である。 実施例1の印刷機を表す概略構成図である。 本発明の実施例2に係る印刷機における印刷ユニットの要部を表す概略構成図である。
符号の説明
11 給紙装置
12 インフィード装置
13 印刷装置
14 乾燥装置
15 冷却装置
16 ウェブパス装置
17 折り装置
18 排紙装置
21,22,23,24 印刷ユニット
31,41 ブランケット胴
32 版胴
33 インキローラ群
34 インキ供給装置
35 インキつぼ
36 インキ元ローラ
37 受渡しローラ
38 練ローラ
39 往復ローラ
40 インキ着ローラ
51 第1噴射ノズル(調湿空気供給手段)
52 第2噴射ノズル(調湿空気供給手段)
53 第3噴射ノズル(調湿空気供給手段)
54 第4噴射ノズル(調湿空気供給手段)
69 制御装置
70 雰囲気湿度検出器
71a,71b 第1吸引ノズル(調湿空気回収手段)
72a,72b 第2吸引ノズル(調湿空気回収手段)
73a,73b 第3吸引ノズル(調湿空気回収手段)
74a,74b 第4吸引ノズル(調湿空気回収手段)
91 供給湿度検出器
92 回収湿度検出器

Claims (8)

  1. 水性インキまたは水溶性インキを供給するインキ供給手段と、
    該インキ供給手段からインキが受け渡されるインキローラ群と、
    該インキローラ群からインキが受け渡される版胴と、
    該版胴に対接して該版胴に供給されたインキを絵柄として印刷用紙に転写するブランケット胴と、
    前記インキローラ群における少なくとも一組のローラの対接部にその回転方向の下流側から調湿空気を供給する調湿空気供給手段と、
    該調湿空気供給手段により前記ローラの対接部に供給された調湿空気を回収して前記調湿空気供給手段に戻す調湿空気回収手段と、
    を備えることを特徴とする印刷機。
  2. 前記インキ供給手段は、予め設定された所定粘性の水性インキまたは水溶性インキを貯留するインキ貯留部と、該インキ貯留部のインキを供給するインキ元ローラとを有し、
    前記インキローラ群は、前記インキ元ローラのインキを受け渡す受渡しローラと、該受渡しローラから受け渡されたインキを練る練ローラと、該練ローラにより練られたインキを幅方向に広げる往復ローラと、該往復ローラから受け渡されたインキを版胴に供給するインキ着ローラとを有し、
    前記調湿空気供給手段は、前記練ローラと前記往復ローラとの対接部または前記往復ローラと前記インキ着ローラとの対接部にその回転方向の下流側から加湿空気を供給することを特徴とする請求項1に記載の印刷機。
  3. 前記調湿空気供給手段は、前記インキ元ローラと前記受渡しローラとの対接部にその回転方向の下流側から加湿空気を供給することを特徴とする請求項2に記載の印刷機。
  4. 前記調湿空気供給手段は、前記版胴と前記ブランケット胴との対接部にその回転方向の下流側から除湿空気を供給することを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の印刷機。
  5. 雰囲気湿度を検出する雰囲気湿度検出器と、前記雰囲気湿度検出器が検出した雰囲気湿度に基づいて前記調湿空気供給手段が供給する調湿空気の湿度を設定する制御手段とを設けることを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の印刷機。
  6. 前記調湿空気供給手段が前記ローラの対接部に供給する調湿空気の湿度を検出する供給湿度検出器と、前記調湿空気回収手段により回収された調湿空気の湿度を検出する回収湿度検出器とを設け、前記制御手段は、前記雰囲気湿度検出器と前記供給湿度検出器と前記回収湿度検出器の検出結果に基づいて前記調湿空気供給手段を制御することを特徴とする請求項5に記載の印刷機。
  7. 前記調湿空気回収手段により回収された加湿空気を前記調湿空気供給手段に戻す回収経路と、前記調湿空気回収手段により回収された加湿空気を前記調湿空気供給手段に戻さずに前記ローラの対接部に供給する迂回経路と、前記回収経路と前記迂回経路を切換える切換手段とを設け、前記制御手段は、前記雰囲気湿度検出器と前記回収湿度検出器の検出結果に基づいて前記切換手段を制御することを特徴とする請求項6に記載の印刷機。
  8. 前記調湿空気供給手段による加湿空気の供給経路に外気を取り入れる外気取入経路を設け、前記制御手段は、前記雰囲気湿度検出器と前記回収湿度検出器の検出結果に基づいて前記外気取入経路からの外気取入量を制御することを特徴とする請求項6または7に記載の印刷機。
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