JP2009184323A - オフセット輪転印刷機及び印刷方法 - Google Patents

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Fumito Kajitani
史人 梶谷
Shigeo Makino
重雄 牧野
Yukikazu Shoji
幸和 小路
Yoshiaki Kanda
義昭 神田
Takuji Tsugawa
拓司 津川
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Abstract

【課題】オフセット輪転印刷機及び印刷方法において、装置の小型化を可能とすると共に印刷品質の向上を可能とする。
【解決手段】所定粘性の水性インキを貯留するインキつぼ31と、水性インキを供給するインキ元ローラ32と、水性インキを受け渡す受渡しローラ33と、水性インキを供給するインキ着ローラ36と、水性インキが画線部に受け渡される版胴37と、水性インキをウェブWに転写するブランケット胴38とを直列に対接して回転自在に支持し、受渡しローラ33の周速をその他のローラ32,36及び胴37,38の周速と異ならせると共に、インキ元ローラ32からウェブWまでのインキ供給経路上の水性インキに対して水分を供給する水噴射スプレー71,72,73,74を設けている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、水性インキまたは水溶性インキを用いて印刷を行うオフセット輪転印刷機及び印刷方法に関するものである。
一般に、オフセット輪転印刷機は、給紙装置とインフィード装置と印刷装置と乾燥装置と冷却装置とウェブパス装置と折り装置と排紙装置とから構成されている。給紙装置は、2つの巻取体(ウェブロール)が装着されるリールスタンドを有しており、一方の巻取体から引き出されて走行しているウェブを、他方の巻取体のウェブに接続することで、連続的にウェブを供給可能な印刷機を有している。インフィード装置は、給紙装置の巻取体から引き出されたウェブを所定の速度で印刷装置に供給するものである。印刷装置は、一般的にブラック、シアン、マゼンダ、イエローの4色それぞれに対応した4組の印刷ユニットがウェブ走行方向に沿って並設されている。乾燥装置は、印刷装置により印刷が施されたウェブ上のインキを乾燥させるためのものであり、冷却装置は、乾燥装置での乾燥後の過剰な熱を蓄えるウェブを適当な温度まで冷却するものである。ウェブパス装置は、乾燥されて冷却されたウェブを搬送するものであり、折り装置は、ウェブを縦折りされた後に裁断し、所定の大きさに折り畳んで折帳を形成するものであり、排紙装置は、折り畳まれた折帳を機外へ搬出するものである。
従って、給紙装置により巻取体からロール状のウェブが引き出され、このウェブがインフィード装置により所定の速度で印刷装置に供給され、この印刷装置における各印刷ユニットにより多色印刷が施され、印刷されたウェブは、乾燥装置でインキが乾燥され、冷却装置で冷却され、ウェブパス装置を経て搬送された折り装置により折帳が作成され、排紙装置により搬出される。
このようなオフセット輪転印刷機のおける印刷装置の各印刷ユニットは、両面印刷機の場合、水平に搬送されるウェブの上下に、インキ供給装置と、インキ着ローラと、版胴と、ブランケット胴がそれぞれ対称に配置されている。インキ供給装置は、インキつぼ装置を有し、インキつぼのインキをインキ元ローラやインキ受渡ローラなどを介してインキローラ群に受け渡し、その後、インキ着ローラに供給するものである。そして、インキ着ローラと版胴とブランケット胴は順に対接しており、版胴には表面に版が装着されており、ブランケット胴は、版胴に供給されたインキを絵柄としてウェブに転写することができる。
従って、インキ供給装置の各ローラを回転すると、インキ元ローラにより供給量が調整されたインキが、インキつぼから呼び出しローラに供給され、インキローラ群で適度に練られ、薄膜を形成した後にインキ着ローラから版胴の版面に供給され、版面に付着したインキがブランケット胴に転写され、対向するブランケット胴との間でウェブが挟持されることで、このウェブに所定の印圧が掛けられてブランケット胴のインキを絵柄として転写される。
上述した印刷装置の印刷ユニットでは、油性インキが用いられて印刷が行われる。この油性インキは、一般に、その粘性が高いことから、インキ供給装置として多数の煉りローラを設け、且つ、複数のインキ着ローラを設けている。そのため、構造が大型化してしまう。また、油性インキは、顔料、インキ用樹脂、石油系溶剤などを主成分として形成されており、石油系溶剤として、VOC(揮発性有機溶剤)が用いられており、地球環境保全や労働環境保全の面で好ましくない。そのため、油性インキに代えてVOCを含まない水性インキを用いて印刷を行うことが提案されている。
水性インキを用いた印刷機としては、例えば、下記特許文献1に記載されたものがある。この特許文献1に記載された印刷ユニットでは、インキづけ機構と版胴とブランケット胴を印刷ユニットの側壁内に取り付け、ハウジングにより印刷ユニットにおける少なくとも半分を閉鎖された領域内の周囲の雰囲気を保持するため、インキづけ機構とこれらの胴を少なくとも部分的に囲み、インキから成分が蒸発する比率を少なくするため、半閉鎖領域内の雰囲気へ化学薬品を選択的に加えるようにしている。
特表2001−502253号公報
ところが、上述した水性インキを用いた印刷ユニットであっても、多数のローラを配設すると共に、インクの早期乾燥や凝固を防止するため、この多数のローラを囲むハウジングが必要となり、装置が大型化してしまうという問題がある。
本発明は上述した課題を解決するものであり、装置の小型化を可能とすると共に印刷品質の向上を可能とするオフセット輪転印刷機及び印刷方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための請求項1の発明のオフセット輪転印刷機は、予め設定された所定粘性の水性インキまたは水溶性インキを貯留するインキ貯留部と、該インキ貯留部のインキを供給するインキ元ローラと、該インキ元ローラのインキを受け渡す受渡しローラと、該受渡しローラから受け渡されたインキを供給するインキ着ローラと、該インキ着ローラのインキが画線部に受け渡される版胴と、該版胴に受け渡されたインキをウェブに転写するブランケット胴と、が直列に対接して回転自在に支持され、前記受渡しローラの周速をその他の前記ローラ及び前記胴の周速と異ならせる周速変更手段が設けられると共に、前記インキ元ローラから前記ウェブまでのインキ供給経路上のインキに対して水分を供給する水分供給手段が設けられることを特徴とするものである。
請求項2の発明のオフセット輪転印刷機では、前記受渡しローラと前記インキ着ローラとの間に、前記受渡しローラから受け渡されたインキを練る練ローラと、該練ローラにより練られたインキを幅方向に広げる往復ローラとが直列に対接して回転自在に設けられることを特徴としている。
請求項3の発明のオフセット輪転印刷機では、少なくとも前記インキ着ローラと前記版胴と前記ブランケット胴が同径に設定されることを特徴としている。
請求項4の発明のオフセット輪転印刷機では、前記インキ元ローラから前記版胴までのインキ供給経路上のインキに対して水分を供給する第1水分供給手段が設けられることを特徴としている。
請求項5の発明のオフセット輪転印刷機では、前記版胴から前記ウェブまでのインキ供給経路上のインキに対して水分を供給する第2水分供給手段が設けられることを特徴としている。
請求項6の発明のオフセット輪転印刷機では、前記水分供給手段は、前記インキつぼから前記ウェブまでのインキ供給経路上のインキの水分量に基づいて水分の供給量が調整されることを特徴としている。
請求項7の発明のオフセット輪転印刷機では、前記水分供給手段は、インキ供給経路上のインキに対して水分を噴射する水噴射スプレーであることを特徴としている。
請求項8の発明のオフセット輪転印刷機では、前記水噴射スプレーは、前記ローラ及び前記胴における回転方向下流側から上流側に向けて水を噴射することを特徴としている。
請求項9の発明のオフセット輪転印刷機では、前記水分供給手段は、インキ供給経路上のインキに対して水分を噴射する水供給ロールであることを特徴としている。
また、請求項10の発明の印刷方法は、インキ貯留部に貯留される予め設定された所定粘性の水性インキまたは水溶性インキを、インキ元ローラ、受渡しローラ、インキ着ローラ、版胴を介してブランケット胴に供給し、該ブランケット胴に供給されたインキをウェブに転写する印刷方法において、前記受渡しローラの周速がその他の前記ローラ及び前記胴の周速と異ならせると共に、前記インキ元ローラから前記ウェブまでのインキ供給経路上のインキに対して水分を供給することを特徴とするものである。
請求項1の発明のオフセット輪転印刷機によれば、水性インキまたは水溶性インキを貯留するインキ貯留部を設けると共に、インキ元ローラと受渡しローラとインキ着ローラと版胴とブランケット胴を直列に対接して回転自在に支持し、受渡しローラの周速をその他のローラ及び胴の周速と異ならせる周速変更手段を設けると共に、インキ元ローラからウェブまでのインキ供給経路上のインキに対して水分を供給する水分供給手段を設けている。従って、ローラ及び胴の個数を少なくすることで装置の小型化を可能とすることができると共に、周速の異なる受渡しローラによりその前後のローラとの間でインキに対してせん断力が作用し、インキ中の水分量を調整することができ、また、インキ供給経路上のインキに対して水分を供給してインキの乾燥を抑制することができ、その結果、水性インキに含まれる水分が適正に調整され、印刷品質の向上を可能とすることができる。
請求項2の発明のオフセット輪転印刷機によれば、受渡しローラとインキ着ローラとの間に、受渡しローラから受け渡されたインキを練る練ローラと、練ローラにより練られたインキを幅方向に広げる往復ローラとを直列に対接して回転自在に設けるので、インキを十分に練ることができると共に、インキをローラの幅方向に広げることができ、印刷品質の向上に寄与することができる。
請求項3の発明のオフセット輪転印刷機によれば、少なくともインキ着ローラと版胴とブランケット胴を同径に設定するので、インキ及び画像をずれなく高精度に転写することができる。
請求項4の発明のオフセット輪転印刷機によれば、インキ元ローラから版胴までのインキ供給経路上のインキに対して水分を供給する第1水分供給手段を設けるので、第1水分供給手段によりインキ元ローラから版胴までのインキに水分を供給することで、この間におけるインキの乾燥を抑制し、版胴に対して適正な粘性のインキを供給して高精度な画像を形成することができると共に、インキの残留を抑制することができる。
請求項5の発明のオフセット輪転印刷機によれば、版胴からウェブまでのインキ供給経路上のインキに対して水分を供給する第2水分供給手段を設けるので、第2水分供給手段により版胴からウェブまでのインキに水分を供給することで、この間におけるインキの乾燥を抑制し、版胴からブランケット胴を介してウェブに転写される高精度な画像を維持することができる。
請求項6の発明のオフセット輪転印刷機によれば、水分供給手段は、インキつぼからウェブまでのインキ供給経路上のインキの水分量に基づいて水分の供給量を調整するので、周囲環境に応じて変動するインキ中の水分量に応じて、水分の供給量を調整することで、インキ中の水分量の供給度合をオンラインで変更することが可能となる。
請求項7の発明のオフセット輪転印刷機によれば、水分供給手段として、インキ供給経路上のインキに対して水分を噴射する水噴射スプレーを設けるので、簡単な構成で、インキに対応する広範囲にわたって噴霧状の水分を供給することができる。
請求項8の発明のオフセット輪転印刷機によれば、水噴射スプレーは、ローラ及び胴における回転方向下流側から上流側に向けて水を噴射するので、水噴霧がローラ及び胴の回転力に応じた周囲の空気に流れに誘導され、水分をローラ及び胴のインキに対して均一に供給することができる。
請求項9の発明のオフセット輪転印刷機によれば、水分供給手段として、インキ供給経路上のインキに対して水分を噴射する水供給ロールを設けるので、水供給ロールによりインキに対して均一に水分を供給することができる。
また、請求項10の発明の印刷方法によれば、インキ貯留部に貯留される予め設定された所定粘性の水性インキまたは水溶性インキを、インキ元ローラ、受渡しローラ、インキ着ローラ、版胴を介してブランケット胴に供給し、ブランケット胴に供給されたインキをウェブに転写するとき、受渡しローラの周速をその他のローラ及び胴の周速と異ならせると共に、インキ元ローラからウェブまでのインキ供給経路上のインキに対して水分を供給するようにしている。従って、ローラ及び胴の個数を少なくすることで装置の小型化を可能とすることができると共に、周速の異なる受渡しローラによりその前後のローラとの間でインキに対してせん断力が作用し、インキ中の水分量を調整することができ、また、インキ供給経路上のインキに対して水分を供給してインキの乾燥を抑制することができ、その結果、水性インキに含まれる水分が適正に調整され、印刷品質の向上を可能とすることができる。
以下に添付図面を参照して、本発明に係るオフセット輪転印刷機及び印刷方法の好適な実施例を詳細に説明する。なお、この実施例により本発明が限定されるものではない。
図1は、本発明の実施例1に係るオフセット輪転印刷機における印刷ユニットを表す概略構成図、図2は、実施例1のオフセット輪転印刷機を表す概略構成図、図3は、インキ供給経路におけるインキの水分量を表すグラフである。
実施例1のオフセット輪転印刷機は、水性インキ(または、水溶性インキ)を用いたオフセット輪転印刷機であって、図2に示すように、給紙装置11と、インフィード装置12と、印刷装置13と、乾燥装置14と、冷却装置15と、ウェブパス装置16と、折り装置17と、排紙装置18とから構成されている。
給紙装置11は、2つの巻取体(ウェブロール)が装着されるリールスタンドを有しており、一方の巻取体から引き出されて走行しているウェブ(印刷用紙)Wを、他方の巻取体のウェブに接続することで、連続的にウェブを供給可能な紙継装置を有している。インフィード装置12は、給紙装置11のウェブを印刷装置13側に供給するものである。印刷装置13は、4つの水性インキ色である墨(Black)、藍(Cyan)、紅(Magenta)、黄(Yellow)ごとの4個の印刷ユニット21,22,23,24がウェブ走行方向に沿って並設されて構成されている。乾燥装置14は、印刷装置13により印刷が施されたウェブ上の水性インキを乾燥させるためのものであり、冷却装置15は、乾燥装置14での乾燥後の過剰な熱を蓄えるウェブを適当な温度まで冷却するものである。ウェブパス装置16は、乾燥されて冷却されたウェブを搬送するものであり、折り装置17は、ウェブを縦折りされた後に裁断し、所定の大きさに折り畳んで折帳を形成するものであり、排紙装置18は、折り畳まれた折帳を機外へ搬出するものである。
従って、給紙装置11により巻取体からロール状のウェブWが引き出され、インフィード装置12により印刷装置13に供給され、この印刷装置13にて、各印刷ユニット21,22,23,24により多色印刷が施され、印刷されたウェブWは、乾燥装置14で水性インキが乾燥され、冷却装置15で冷却され、ウェブパス装置16を経て搬送された折り装置17により折帳が作成され、排紙装置18により搬出される。
実施例1のオフセット輪転印刷機にて、各印刷ユニット21,22,23,24は、ウェブWの表面及び裏面に同時に印刷する両面印刷機であって、使用する水性インキの色(墨、藍、紅、黄)が相違するだけで、その構成はほぼ同様のものとなっている。そのため、以下の説明では、一つの印刷ユニット21において、ウェブWの表面に印刷を施す構成についてのみ説明する。
本実施例の印刷ユニット21は、図1に示すように、インキつぼ(インキ貯留部)31と、インキ元ローラ32と、受渡しローラ33と、練ローラ34と、往復ローラ35と、インキ着ローラ36と、版胴37と、ブランケット胴38とが直列に対接して回転自在に支持されて構成されており、受渡しローラ33の周速がその他の各ローラ32,34,35,36及び各胴37,38の周速と異なる(周速変更手段)ように設定されると共に、インキ元ローラ32からウェブWまでのインキ供給経路上の水性インキに対して水分を供給可能(水分供給手段)となっている。
即ち、インキつぼ31は、予め設定された所定粘性の水性インキを貯留するものであって、インキ元ローラ32が隣接して設けられている。このインキ元ローラ32は、インキつぼ31の図示しないインキキーにより調量された水性インキを練り出すものであって、表面が金属により形成され、図示しないフレームに回転自在に支持されている。そして、このインキ元ローラ32は、駆動装置41により矢印方向に駆動回転可能となっている。
受渡しローラ33は、インキ元ローラ32のインキを受け渡すものであって、表面がポリアミド系繊維により形成され、インキ元ローラ32に対接するようにフレームに回転自在に支持されている。練ローラ34は、受渡しローラ33から受け渡されたインキを練るものであって、表面がゴムにより形成され、受渡しローラ33に対接するようにフレームに回転自在に支持されている。往復ローラ35は、練ローラ34により練られたインキを幅方向に広げるものであって、表面が金属により形成され、練ローラ34に対接するようにフレームに回転自在に支持されると共に、軸方向に往復移動可能となっている。インキ着ローラ36は、往復ローラ35により広げられたインキを受け取って供給するものであって、表面がゴムにより形成され、往復ローラ35に対接するようにフレームに回転自在に支持されている。そして、受渡しローラ33と練ローラ34と往復ローラ35とインキ着ローラ36は、図示しないギアにより同期駆動するように連結され、駆動装置42により矢印方向に駆動回転可能となっている。
版胴37は、表面に図示しない刷版が巻き付けられる金属ローラであり、インキ着ローラ36のインキが刷版の画線部に受け渡されるものであって、インキ着ローラ36に対接するようにフレームに回転自在に支持されている。ブランケット胴38は、表面に図示しないブランケット(ゴム)が巻き付けられるゴムローラであり、版胴37に受け渡されたインキをウェブWに転写するものであって、版胴37に対接するようにフレームに回転自在に支持されている。そして、版胴37とブランケット胴38は、図示しないギアにより同期駆動するように連結され、駆動装置43により矢印方向に駆動回転可能となっている。
なお、39は、裏面印刷を行うブランケット胴であって、ウェブWを挟んでブランケット胴38の下方に対向して駆動回転可能に支持されている。
また、本実施例では、上述したように、受渡しローラ33の周速がその他の各ローラ32,34,35,36及び各胴37,38の周速と異なるように設定されている。即ち、インキ元ローラ32が駆動装置41により駆動回転可能であり、受渡しローラ33と練ローラ34と往復ローラ35とインキ着ローラ36がギア連結され、駆動装置42により駆動回転可能であり、版胴37とブランケット胴38がギア連結され、駆動装置43により駆動回転可能である。この場合、インキ元ローラ32は、駆動装置41により低速回転に制御される。一方、練ローラ34と往復ローラ35とインキ着ローラ36と版胴37とブランケット胴38は、駆動装置42,43により高速回転に制御され、周速が同一となっている。
また、受渡しローラ33は、練ローラ34とギア連結されているものの、その周速が練ローラ34の周速より遅く、または、速くなるようにそのギア比(減速比または増速比)が設定されている。この場合、受渡しローラ33の周速は、インキつぼ31に貯留されるインキの水分量(水分率)に基づいて設定される。但し、この受渡しローラ33の周速は、インキ元ローラ32の周速より高速で、且つ、練ローラ34と往復ローラ35とインキ着ローラ36と版胴37とブランケット胴38の周速より低速に設定されることが望ましい。
なお、往復ローラ35とインキ着ローラ36と版胴37とブランケット胴38は、その外径が同径に設定されており、練ローラ34と往復ローラ35とインキ着ローラ36と版胴37とブランケット胴38の周速は、同一周速となっており、8m/s以上に設定されている。
更に、本実施例では、上述したように、インキ元ローラ32からウェブWまでのインキ供給経路上の水性インキに対して水分を供給可能となっている。即ち、インキ元ローラ32から版胴37までのインキ供給経路上にて、第1水分供給手段として、往復ローラ35とインキ着ローラ36との間に水分を供給する第1水噴射スプレー71が設けられると共に、インキ着ローラ36と版胴37との間に水分を供給する第2水噴射スプレー72が設けられている。
この第1水噴射スプレー71は、往復ローラ35とインキ着ローラ36における回転方向下流側に位置し、その上流側に向けて、つまり、往復ローラ35とインキ着ローラ36との対接位置に向けて水を噴射することができる。また、第2水噴射スプレー72は、インキ着ローラ36と版胴37における回転方向下流側に位置し、その上流側に向けて、つまり、インキ着ローラ36と版胴37との対接位置に向けて水を噴射することができる。
また、版胴37からウェブWまでのインキ供給経路上にて、第2水分供給手段として、版胴37とブランケット胴38との間に水分を供給する第3水噴射スプレー73が設けられると共に、ブランケット胴38とウェブWとの間に水分を供給する第4水噴射スプレー74が設けられている。
この第3水噴射スプレー73は、版胴37とブランケット胴38における回転方向下流側に位置し、その上流側に向けて、つまり、版胴37とブランケット胴38との対接位置に向けて水を噴射することができる。また、第4水噴射スプレー74は、ブランケット胴38とウェブWにおける回転及び搬送方向上流側に位置し、その下流側に向けて、つまり、ブランケット胴38とウェブWとの対接位置に向けて水を噴射することができる。
この場合、第1、第2、第3水噴射スプレー71,72,73は、往復ローラ35とインキ着ローラ36、インキ着ローラ36と版胴37、版胴37とブランケット胴38における回転方向下流側に位置から上流側に向けて水を噴射する。例えば、往復ローラ35とインキ着ローラ36が対接して互いに回転するとき、その上流側(図1にて左側)では、この回転する往復ローラ35とインキ着ローラ36により周囲の空気が回転方向に流動し、対接部での圧力が高くなることから、第1水噴射スプレー71よりその上流側から水を噴射すると、往復ローラ35やインキ着ローラ36の表面に水が付着せずに飛散してしまう。一方、往復ローラ35とインキ着ローラ36が対接して互いに回転するその下流側(図1にて右側)では、この回転する往復ローラ35とインキ着ローラ36により周囲の空気が回転方向に流動し、対接部での圧力が低くなることから、下流側から水を噴射すると、この水噴霧が空気の流れに乗って往復ローラ35やインキ着ローラ36の表面に案内され、水が適正に付着する。なお、第2、第3水噴射スプレー72,73についても同様である。
ここで使用する水性インキ(または、水溶性インキ)は、顔料、水溶性樹脂、水溶性用材、調整剤、水溶性溶媒を配合したものであって、VOC(揮発性有機溶媒)は、ほとんど含まれていない。この場合、水溶性溶媒としては、水またはグリセリン(例えば、エチレングリコール)が用いられ、インキ中の水溶性溶媒の含有率は、10〜25wt%となっている。また、水性インキ(または、水溶性インキ)は、粘度が15〜50Pa・sであり、水分率は、10〜25%となっている。なお、上述した水噴射スプレー71,72,73,74は、水性インキ(または、水溶性インキ)に含まれる水溶性溶媒としての水分を噴射している。
また、版胴37の外周面に装着される刷版は、水なし平版印刷用刷版を用いている。即ち、シリコンゴムやフッ素樹脂をインキ反発層として使用し、湿し水を用いずに印刷を行うものである。このような水なし印刷とは、画線部と非画線部とをほぼ同一平面に存在させ、画線部をインキ受容層、非画線部をインキ反発層としてインキ付着性の差異を利用し、画線部のみにインキを着肉させた後、ウェブWにインキを転写して印刷を行うものであって、湿し水を用いることなく印刷を行うことができる。例えば、シリコンゴムをインキ反発層として使用し、活性光線照射部を非画線部とする刷版として、板状にラジカル重合性感光層とシリコンゴム層とを積層した水なし刷版がある。
ここで、上述した実施例1のオフセット輪転印刷機における印刷ユニット21の作動について説明する。
駆動装置41,42,43により、インキ元ローラ32、受渡しローラ33、練ローラ34、往復ローラ35、インキ着ローラ36、版胴37、ブランケット胴38,39が回転すると、インキ元ローラ32により調量された水性インキが、インキつぼ31からインキ元ローラ32を通して受渡しローラ33に供給される。この受渡しローラ33に供給されたインキは、練ローラ34を通して往復ローラ35に受け渡され、この往復ローラ35が軸方向に往復移動することで、幅方向に広げられる。
このとき、受渡しローラ33の周速は、インキ元ローラ32の周速より速く、練ローラ34の周速より遅いことから、インキ元ローラ32と受渡しローラ33との対接部と、受渡しローラ33と練ローラ34との対接部でスリップが発生する。すると、水性インキは、インキ元ローラ32と受渡しローラ33との対接部、受渡しローラ33と練ローラ34との対接部で、それぞれせん断力を受けることとなり、水性インキに含まれる水溶性溶媒(水)の蒸発が促進される。
そして、往復ローラ35により幅方向に広げられたインキは、インキ着ローラ36に供給される。この水性インキの供給に際し、水性インキは、良好な転写性(インキの流動性)が確保できる水分率(水分量)に設定されており、適正にインキ着ローラ36に供給される。すると、インキ着ローラ36が回転することで、このインキ着ローラ36上の水性インキは、版胴37の版面に受け渡され、このとき、インキ着ローラ36上の水性インキは、版胴37に装着された刷版の画線部のみに転写される。
版胴37が回転することで、インキ着ローラ36から転写された水性インキは、ブランケット胴38に受け渡される。そして、ブランケット胴38,39が回転し、ブランケット胴38に転写された水性インキの絵柄がウェブWに至ると、ウェブWに対して、このブランケット胴38と、裏面印刷を行うブランケット胴39とに挟持されることで、ウェブWに所定の印圧が掛けられ、ブランケット胴38の水性インキの絵柄がウェブWの表面に転写される。
このような印刷作業時に、各水噴射スプレー71,72,73,74から水が噴射される。即ち、水性インキが往復ローラ35からインキ着ローラ36に受け渡されるとき、第1水噴射スプレー71は、この往復ローラ35とインキ着ローラ36における回転方向下流側からその上流側に向けて両者の対接位置に向けて水を噴射する。すると、水噴霧は、回転する往復ローラ35とインキ着ローラ36により流動する周囲の空気に乗り、この往復ローラ35やインキ着ローラ36の表面に案内され、インキの表面を覆うように水が付着する。そのため、ここで、水性インキの乾燥が抑制される。
また、インキ着ローラ36の水性インキが版胴37に受け渡されるとき、第2水噴射スプレー72は、このインキ着ローラ36と版胴37における回転方向下流側からその上流側に向けて両者の対接位置に向けて水を噴射する。すると、水噴霧は、回転するインキ着ローラ36と版胴37により流動する周囲の空気に乗り、このインキ着ローラ36や版胴37の表面に案内され、インキの表面を覆うように水が付着する。そのため、ここで、水性インキの乾燥が抑制される。
従って、水性インキが往復ローラ35からインキ着ローラ36を介して版胴37に転写されるとき、インキ着ローラ36や版胴37に転写された水性インキの表面が噴射された水分により被覆されることで、水性インキの乾燥が抑制され、版胴37に対して適正な粘性の水性インキを供給し、高精度な画像が形成される。また、水性インキを転写した往復ローラ35やインキ着ローラ36の表面が噴射された水分により被覆されることで、水性インキの残留による地汚れが抑制される。
更に、版胴37の水性インキがブランケット胴38に受け渡されるとき、第3水噴射スプレー73は、この版胴37とブランケット胴38における回転方向下流側からその上流側に向けて両者の対接位置に向けて水を噴射する。すると、水噴霧は、回転する版胴37とブランケット胴38により流動する周囲の空気に乗り、この版胴37やブランケット胴38の表面に案内され、インキの表面を覆うように水が付着する。そのため、ここで、水性インキの乾燥が抑制される。
そして、ブランケット胴38の水性インキがウェブWの表面に転写されるとき、第4水噴射スプレー74は、このブランケット胴38とウェブWにおける回転及び搬送方向上流側からその下流側に向けて両者の対接位置に向けて水を噴射する。すると、水噴霧は、回転するブランケット胴38や搬送されるウェブWの表面に案内され、インキの表面を覆うように水が付着する。そのため、ここでも、水性インキの乾燥が抑制される。
従って、水性インキが版胴37からブランケット胴38を介してウェブWに転写されるとき、版胴37やブランケット胴38に転写された水性インキの表面が噴射された水分により被覆されることで、水性インキの乾燥が抑制され、高精度な画像が維持される。
上述したように、水性インキが供給される過程で、受渡しローラ33の周速が、インキ元ローラ32の周速より遅く、練ローラ34の周速より速いことから、その対接部で、水性インキに対してせん断力が付与されることとなり、水性インキに含まれる水溶性溶媒(水)の蒸発が促進される。一方で、水噴射スプレー71,72,73,74により転写される水性インキに対して水分が供給されることから、水性インキに含まれる水溶性溶媒(水)の蒸発が抑制される。
即ち、図3に示すように、インキつぼ31からインキ元ローラ32により供給される水性インキの水分率が10〜25%であったのに対して、受渡しローラ33によりせん断力を受けることで、水性インキに含まれる水溶性溶媒(水)の蒸発が促進される。また、水噴射スプレー71,72,73,74により水分が供給されることで、水性インキに含まれる水溶性溶媒(水)の蒸発が抑制される。すると、水性インキの水分率は、ウェブWに至る間に、適正水分変化に沿って調整され、最適な約6%まで低下する。そのため、ウェブWに転写された水性インキは、適正に乾燥されて凝固し、精度の高い絵柄を形成することができる。
なお、本実施例のオフセット輪転印刷機における印刷ユニット21は、ウェブWの表面及び裏面を同時に印刷する両面印刷機であることから、ウェブWの下方にも、図示しないインキつぼ、インキ元ローラ、受渡しローラ、練ローラ、往復ローラ、インキ着ローラ、版胴、上述したブランケット胴39などが配置されており、水性インキを用いてウェブWの裏面に印刷を行っている。また、本実施例のオフセット輪転印刷機は、4つの印刷ユニット21,22,23,24を有しており、その他の印刷ユニット22,23,24でも同様の印刷作業を行っている。
このように実施例1のオフセット輪転印刷機及び印刷方法にあっては、予め設定された所定粘性の水性インキを貯留するインキつぼ31と、水性インキを供給するインキ元ローラ32と、水性インキを受け渡す受渡しローラ33と、水性インキを供給するインキ着ローラ36と、水性インキが画線部に受け渡される版胴37と、水性インキをウェブWに転写するブランケット胴38とを直列に対接して回転自在に支持し、受渡しローラ33の周速をその他のローラ32,36及び胴37,38の周速と異ならせると共に、インキ元ローラ32からウェブWまでのインキ供給経路上の水性インキに対して水分を供給する水噴射スプレー71,72,73,74を設けている。
従って、ローラ及び胴の個数を少なくすることで印刷ユニット21,22,23,24の小型化を可能とすることができると共に、周速の異なる受渡しローラ33によりその前後のローラとの間で水性インキに対してせん断力を作用させ、水性インキ中の水分量を調整することができ、また、インキ供給経路上の水性インキに対して水分を供給して水性インキの乾燥を抑制することができ、その結果、水性インキに含まれる水分が適正に調整され、印刷品質の向上を可能とすることができる。
また、実施例1のオフセット輪転印刷機では、受渡しローラ33とインキ着ローラ36との間に、受渡しローラ33から受け渡されたインキを練る練ローラ34と、練ローラ34により練られた水性インキを幅方向に広げる往復ローラ35とを直列に対接して回転自在に設けており、水性インキを十分に練ることができると共に、水性インキをローラの幅方向に広げることができ、印刷品質の向上に寄与することができる。
また、実施例1のオフセット輪転印刷機では、少なくともインキ着ローラ36と版胴37とブランケット胴38を同径に設定しており、水性インキ及び画像を転写するとき、水性インキ及び画像がずれることなく、高精度に転写することができる。
また、実施例1のオフセット輪転印刷機では、受渡しローラ33の表面をポリアミド系繊維により形成しており、前後のローラとの摺接による摩耗を抑制することができ、耐久性を向上することができる。
また、実施例1のオフセット輪転印刷機では、受渡しローラ33の周速を、インキ元ローラ32の周速より高速で、且つ、練ローラ34と往復ローラ35とインキ着ローラ36と版胴37とブランケット胴38の周速より低速に設定しており、受渡しローラ33と練ローラ34と往復ローラ35とインキ着ローラ36と版胴37とブランケット胴38などがギア連結されている場合、受渡しローラ33の周速をこれらより低速にすることで、バックラッシの影響を排除し、ローラ及び胴の高精度な回転を確保することができる。
また、実施例1のオフセット輪転印刷機では、往復ローラ35から版胴37までのインキ供給経路上の水性インキに対して水分を供給する第1水分供給手段としての水噴射スプレー71,72を設けており、往復ローラ35から版胴37まで転写される水性インキに対して水分を供給することで、この間における水性インキの乾燥を抑制し、版胴37に対して適正な粘性のインキを供給し、高精度な画像を形成することができると共に、往復ローラ35やインキ着ローラ36におけるインキの残留を抑制することができる。
また、実施例1のオフセット輪転印刷機では、版胴37からウェブWまでのインキ供給経路上の水性インキに対して水分を供給する第2水分供給手段としての水噴射スプレー73,74を設けており、版胴37からウェブWまで転写される水性インキに対して水分を供給することで、この間における水性インキの乾燥を抑制し、版胴37からブランケット胴38を介してウェブWに転写される高精度な画像を維持することができる。
また、実施例1のオフセット輪転印刷機では、水分供給手段として、水性インキに対して水分を噴射する水噴射スプレー71,72,73,74を設けており、簡単な構成で、水性インキに対応する広範囲にわたって噴霧状の水分を供給することができる。この場合、第1、第2、第3水噴射スプレー71,72,73は、各ローラ35,36及び胴37,38における回転方向下流側から上流側に向けて水を噴射しており、水噴霧がローラ35,36及び胴37,38の回転力に応じた周囲の空気に流れに誘導され、水分をローラ35,36及び胴37,38の水性インキに対して均一に供給することができる。
なお、この実施例1では、第1水分供給手段として、往復ローラ35から版胴37までのインキ供給経路上の水性インキに対して水分を供給する水噴射スプレー71,72を設けたが、その位置はこの2箇所に限らず、インキ元ローラ32から往復ローラ35までの間に設けてもよく、その数も限定されるものではない。
図4は、本発明の実施例2に係るオフセット輪転印刷機における印刷ユニットを表す概略構成図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例2のオフセット輪転印刷機にて、図4に示すように、印刷ユニット21は、インキつぼ31と、インキ元ローラ32と、受渡しローラ33と、練ローラ34と、往復ローラ35と、インキ着ローラ36と、版胴37と、ブランケット胴38とが直列に対接して回転自在に支持されて構成されている。そして、受渡しローラ33の周速がその他の各ローラ32,34,35,36及び各胴37,38の周速と異なるように設定されると共に、インキ元ローラ32からウェブWまでのインキ供給経路上の水性インキに対して水分を供給可能となっている。
即ち、インキ元ローラ32は、駆動装置41により矢印方向に駆動回転可能であり、受渡しローラ33と練ローラ34と往復ローラ35とインキ着ローラ36は、ギア連結され、駆動装置42により矢印方向に駆動回転可能であり、版胴37とブランケット胴38は、ギア連結され、駆動装置43により矢印方向に駆動回転可能となっている。そして、受渡しローラ33は、練ローラ34とギア連結されているものの、その周速が練ローラ34の周速より遅く、または、速くなるようにそのギア比(減速比または増速比)が設定されている。
更に、本実施例では、上述したように、インキ元ローラ32からウェブWまでのインキ供給経路上の水性インキに対して水分を供給可能となっている。即ち、インキ元ローラ32から版胴37までのインキ供給経路上にて、第1水分供給手段として、往復ローラ35に対して水分を供給する第1水供給ロール75が回転自在に設けられると共に、この第1水供給ロール75に隣接して水舟76に浸漬した水元ロール77が設けられており、第1水供給ロール75は、往復ローラ35と水元ロール77との間で揺動可能となっている。また、インキ着ローラ36に対して水分を供給する第2水供給ロール78が回転自在に設けられると共に、この第2水供給ロール78に隣接して水舟79に浸漬した水元ロール80が設けられており、第2水供給ロール78は、インキ着ローラ36と水元ロール80との間で揺動可能となっている。
従って、第1水供給ロール75は、往復ローラ35に対接することで、水舟76から水元ロール77が取り出した水分をこの往復ローラ35上の水性インキに対して供給することができる。また、第2水供給ロール78は、インキ着ローラ36に対接することで、水舟79から水元ロール80が取り出した水分をこのインキ着ローラ36上の水性インキに対して供給することができる。
ここで、上述した実施例2のオフセット輪転印刷機における印刷ユニット21の作動について説明する。
駆動装置41,42,43により、インキ元ローラ32、受渡しローラ33、練ローラ34、往復ローラ35、インキ着ローラ36、版胴37、ブランケット胴38,39が回転すると、インキ元ローラ32により調量された水性インキが、インキつぼ31からインキ元ローラ32を通して受渡しローラ33に供給される。この受渡しローラ33に供給されたインキは、練ローラ34を通して往復ローラ35に受け渡され、この往復ローラ35が軸方向に往復移動することで、幅方向に広げられる。
このとき、受渡しローラ33の周速は、インキ元ローラ32の周速より速く、練ローラ34の周速より遅いことから、インキ元ローラ32と受渡しローラ33との対接部と、受渡しローラ33と練ローラ34との対接部でスリップが発生する。すると、水性インキは、インキ元ローラ32と受渡しローラ33との対接部、受渡しローラ33と練ローラ34との対接部で、それぞれせん断力を受けることとなり、水性インキに含まれる水溶性溶媒(水)の蒸発が促進される。
そして、往復ローラ35により幅方向に広げられたインキは、インキ着ローラ36に供給される。この水性インキの供給に際し、水性インキは、良好な転写性(インキの流動性)が確保できる水分率(水分量)に設定されており、適正にインキ着ローラ36に供給される。すると、インキ着ローラ36が回転することで、このインキ着ローラ36上の水性インキは、版胴37の版面に受け渡され、このとき、インキ着ローラ36上の水性インキは、版胴37に装着された刷版の画線部のみに転写される。
版胴37が回転することで、インキ着ローラ36から転写された水性インキは、ブランケット胴38に受け渡される。そして、ブランケット胴38,39が回転し、ブランケット胴38に転写された水性インキの絵柄がウェブWに至ると、ウェブWに対して、このブランケット胴38と、裏面印刷を行うブランケット胴39とに挟持されることで、ウェブWに所定の印圧が掛けられ、ブランケット胴38の水性インキの絵柄がウェブWの表面に転写される。
このような印刷作業時に、各水供給ロール75,78から水が供給される。即ち、水性インキが往復ローラ35からインキ着ローラ36に受け渡されるとき、第1水供給ロール75は、往復ローラ35に対接することで、この往復ローラ35に転写された水性インキの表面に水を供給する。すると、往復ローラ35の水性インキは、その表面が水分に被覆されることとなり、この水性インキの乾燥が抑制される。
また、インキ着ローラ36の水性インキが版胴37に受け渡されるとき、第2水供給ロール78は、インキ着ローラ36に対接することで、このインキ着ローラ36に転写された水性インキの表面に水を供給する。すると、インキ着ローラ36の水性インキは、その表面が水分に被覆されることとなり、この水性インキの乾燥が抑制される。
従って、水性インキが往復ローラ35からインキ着ローラ36を介して版胴37に転写されるとき、インキ着ローラ36や版胴37に転写された水性インキの表面が供給された水分により被覆されることで、水性インキの乾燥が抑制され、版胴37に対して適正な粘性の水性インキを供給し、高精度な画像が形成される。
このように実施例2のオフセット輪転印刷機及び印刷方法にあっては、予め設定された所定粘性の水性インキを貯留するインキつぼ31と、水性インキを供給するインキ元ローラ32と、水性インキを受け渡す受渡しローラ33と、水性インキを供給するインキ着ローラ36と、水性インキが画線部に受け渡される版胴37と、水性インキをウェブWに転写するブランケット胴38とを直列に対接して回転自在に支持し、受渡しローラ33の周速をその他のローラ32,36及び胴37,38の周速と異ならせると共に、インキ元ローラ32からウェブWまでのインキ供給経路上の水性インキに対して水分を供給する水供給ロール75,78を設けている。
従って、ローラ及び胴の個数を少なくすることで印刷ユニット21,22,23,24の小型化を可能とすることができると共に、周速の異なる受渡しローラ33によりその前後のローラとの間で水性インキに対してせん断力を作用させ、水性インキ中の水分量を調整することができ、また、インキ供給経路上の水性インキに対して水分を供給して水性インキの乾燥を抑制することができ、その結果、水性インキに含まれる水分が適正に調整され、印刷品質の向上を可能とすることができる。
また、実施例2のオフセット輪転印刷機では、水分供給手段として、水性インキに対して水分を噴射する水供給ロール75,78を設けており、水供給ロール75,78により水性インキの表面に対して均一に水分を供給することができる。
なお、この実施例2では、水分供給手段として、往復ローラ35とインキ着ローラ36の水性インキに対して水分を供給する水供給ロール75,78を設けたが、その位置はこの2箇所に限らず、インキ元ローラ32から版胴38までの間であればどこに設けてもよく、その数も限定されるものではない。
図5は、本発明の実施例3に係るオフセット輪転印刷機における印刷ユニットを表す概略構成図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例3のオフセット輪転印刷機にて、図5に示すように、印刷ユニット21は、インキつぼ31と、インキ元ローラ32と、受渡しローラ33と、練ローラ34と、往復ローラ35と、インキ着ローラ36と、版胴37と、ブランケット胴38とが直列に対接して回転自在に支持されて構成されている。そして、受渡しローラ33の周速がその他の各ローラ32,34,35,36及び各胴37,38の周速と異なるように設定されると共に、インキ元ローラ32からウェブWまでのインキ供給経路上の水性インキに対して水分を供給可能となっている。
即ち、インキ元ローラ32は、駆動装置41により矢印方向に駆動回転可能であり、練ローラ34と往復ローラ35とインキ着ローラ36は、ギア連結され、駆動装置42により矢印方向に駆動回転可能であり、版胴37とブランケット胴38は、ギア連結され、駆動装置43により矢印方向に駆動回転可能であり、受渡しローラ33は、駆動装置44により矢印方向に駆動回転可能となっている。そして、インキつぼ31から供給されてウェブWに転写されるインキ供給経路におけるインキの水分量を計測する水分計が設けられ、制御装置(周速変更手段)は、この水分計の計測結果に基づいて各駆動装置41,42,43,44を駆動制御することで、受渡しローラ33の周速をその他の各ローラ32,34,35,36及び各胴37,38の周速と異なるように制御している。また、制御装置は、この水分計の計測結果に基づいて水分の供給量を調整している。
具体的に、受渡しローラ33の周速は、インキつぼ31に貯留される水性インキの水分量に基づいて設定される。また、受渡しローラ33の周速は、インキ元ローラ32からブランケット胴38に供給される水性インキの水分量に基づいて設定される。更に、受渡しローラ33の周速は、ウェブWに転写される絵柄情報に基づいて設定される。
即ち、インキ元ローラ32、受渡しローラ33、練ローラ34、往復ローラ35、インキ着ローラ36、版胴37、ブランケット胴38は、各駆動装置41,42、43,44により矢印方向に駆動回転可能となっており、各駆動装置41,42,43,44は、制御装置61により駆動制御可能となっている。
また、インキつぼ31には、このインキつぼ31に貯留される水性インキの水分量(水分率)を計測する第1水分計51が設けられている。版胴37の外周辺には、この版胴37の刷版に転写される水性インキの水分量(水分率)を計測する第2水分計52が設けられている。ウェブWの表面近傍には、ブランケット胴38におけるウェブWの搬送方向上流側に位置して、ウェブWの水分量(水分率)を計測する第3水分計53が設けられている。また、ウェブWの表面近傍には、ブランケット胴38におけるウェブWの搬送方向下流側に位置して、ウェブWに転写された水性インキの水分量(水分率)を計測する第4水分計54が設けられている。そして、各水分計51,52,53,54の計測結果は、制御装置61に入力可能となっている。
そして、本実施例では、上述したように、受渡しローラ33の周速がその他の各ローラ32,34,35,36及び各胴37,38の周速と異なるように設定されている。即ち、インキ元ローラ32が駆動装置41により駆動回転可能であり、受渡しローラ33が駆動装置44により駆動回転可能であり、練ローラ34と往復ローラ35とインキ着ローラ36がギア連結され、駆動装置42により駆動回転可能であり、版胴37とブランケット胴38がギア連結され、駆動装置43により駆動回転可能である。
この場合、インキ元ローラ32は、制御装置61により駆動装置41を介して低速回転に制御される。一方、練ローラ34と往復ローラ35とインキ着ローラ36と版胴37とブランケット胴38は、制御装置61により駆動装置42,43を介して高速回転に制御され、周速が同一となる。そして、受渡しローラ33は、制御装置61により駆動装置44が制御され、その周速が練ローラ34の周速より遅く、または、速くなるように制御される。
具体的には、制御装置61は、各水分計51,52,53,54の計測結果に基づいて、駆動装置44を制御し、受渡しローラ33の回転速度を設定している。但し、この受渡しローラ33の周速は、インキ元ローラ32の周速より高速で、且つ、練ローラ34と往復ローラ35とインキ着ローラ36と版胴37とブランケット胴38の周速より低速に設定されることが望ましい。即ち、インキつぼ31からインキ元ローラ32により供給されてウェブWに転写されるインキ供給経路上での最適な水性インキの水分率が設定されており、各水分計51,52,53,54により計測された実際の水分率がこの最適な水分率からずれると、制御装置61は、駆動装置44により受渡しローラ33の回転速度を調整する。例えば、水性インキの水分量が最適値より少なくなった場合には、受渡しローラ33と練ローラ34との回転速度差を小さくするように、受渡しローラ33の回転速度を調整する。一方、水性インキの水分量が最適値より多くなった場合には、受渡しローラ33と練ローラ34との回転速度差を大きくするように、受渡しローラ33の回転速度を調整する。
更に、本実施例では、上述したように、インキ元ローラ32からウェブWまでのインキ供給経路上の水性インキに対して水分を供給可能となっている。即ち、インキ元ローラ32から版胴37までのインキ供給経路上にて、往復ローラ35とインキ着ローラ36との間に水分を供給する第1水噴射スプレー71が設けられると共に、インキ着ローラ36と版胴37との間に水分を供給する第2水噴射スプレー72が設けられている。また、版胴37からウェブWまでのインキ供給経路上にて、版胴37とブランケット胴38との間に水分を供給する第3水噴射スプレー73が設けられると共に、ブランケット胴38とウェブWとの間に水分を供給する第4水噴射スプレー74が設けられている。
そして、制御装置61は、各水分計51,52,53,54の計測結果に基づいて、各水噴射スプレー71,72,73,74を制御し、水噴射量を調整している。即ち、インキつぼ31からインキ元ローラ32により供給されてウェブWに転写されるインキ供給経路上での最適な水性インキの水分率が設定されている。制御装置61は、水分計51,52により計測された実際の水分率がこの最適な水分率からずれると、各水噴射スプレー71,72による往復ローラ35、インキ着ローラ36、版胴37への水噴射量を調整する。また、制御装置61は、水分計53,54により計測された実際の水分率が最適な水分率からずれると、各水噴射スプレー73,74による版胴37、ブランケット胴38、ウェブWへの水噴射量を調整する。
ここで、上述した実施例3のオフセット輪転印刷機における印刷ユニット21の作動について説明する。
駆動装置41,42,43,44により、インキ元ローラ32、受渡しローラ33、練ローラ34、往復ローラ35、インキ着ローラ36、版胴37、ブランケット胴38,39が回転すると、インキ元ローラ32により調量された水性インキが、インキつぼ31からインキ元ローラ32を通して受渡しローラ33に供給される。この受渡しローラ33に供給されたインキは、練ローラ34を通して往復ローラ35に受け渡され、この往復ローラ35が軸方向に往復移動することで、幅方向に広げられる。
このとき、受渡しローラ33の周速は、インキ元ローラ32の周速より速く、練ローラ34の周速より遅いことから、インキ元ローラ32と受渡しローラ33との対接部と、受渡しローラ33と練ローラ34との対接部でスリップが発生する。すると、水性インキは、インキ元ローラ32と受渡しローラ33との対接部、受渡しローラ33と練ローラ34との対接部で、それぞれせん断力を受けることとなり、水性インキに含まれる水溶性溶媒(水)の蒸発が促進される。
そして、往復ローラ35により幅方向に広げられたインキは、インキ着ローラ36に供給される。この水性インキの供給に際し、水性インキは、良好な転写性(インキの流動性)が確保できる水分率(水分量)に設定されており、適正にインキ着ローラ36に供給される。すると、インキ着ローラ36が回転することで、このインキ着ローラ36上の水性インキは、版胴37の版面に受け渡され、このとき、インキ着ローラ36上の水性インキは、版胴37に装着された刷版の画線部のみに転写される。
版胴37が回転することで、インキ着ローラ36から転写された水性インキは、ブランケット胴38に受け渡される。そして、ブランケット胴38,39が回転し、ブランケット胴38に転写された水性インキの絵柄がウェブWに至ると、ウェブWに対して、このブランケット胴38と、裏面印刷を行うブランケット胴39とに挟持されることで、ウェブWに所定の印圧が掛けられ、ブランケット胴38の水性インキの絵柄がウェブWの表面に転写される。
このとき、制御装置61には、各水分計51,52,53,54の計測結果が入力されており、制御装置61は、水分計51,52,53,54が計測した水性インキまたはウェブWの水分率に基づいて駆動装置44を駆動制御し、受渡しローラ33の周速を調整する。即ち、受渡しローラ33の周速が、練ローラ34の周速より遅く設定されているとき、水性インキの水分量が最適値より少なくなった場合、制御装置61は、受渡しローラ33の回転速度を上昇し、受渡しローラ33と練ローラ34との回転速度差を小さくすることで、水性インキに作用するせん断力を小さくして水分の蒸発を緩慢にする。一方、水性インキの水分量が最適値より多くなった場合、制御装置61は、受渡しローラ33の回転速度を低下し、受渡しローラ33と練ローラ34との回転速度差を大きくすることで、水性インキに作用するせん断力を大きくして水分の蒸発を促進する。
また、制御装置61は、水分計51,52,53,54が計測した水性インキまたはウェブWの水分率に基づいて各水噴射スプレー71,72,73,74を制御し、往復ローラ35、インキ着ローラ36、版胴37、ブランケット胴38、ウェブWへの水噴射量を調整する。この場合、制御装置61は、水分計51,52,53,54が計測した水性インキまたはウェブWの水分率に基づいて、駆動装置44により受渡しローラ33の周速を調整しているが、その調整範囲は十分でなく、水性インキやウェブWの水分率は、周囲環境に応じて変動することから、各水噴射スプレー71,72,73,74により水噴射量を調整することで、水性インキやウェブWの水分率を適正にする。
このように実施例3のオフセット輪転印刷機にあっては、インキつぼ31から供給されてウェブWに転写されるインキ供給経路における水性インキの水分量を計測する水分計51,52,53,54を設け、制御装置61は、水分計51,52,53,54の計測結果に基づいて各水噴射スプレー71,72,73,74により水噴射量を調整している。
従って、周囲環境やインキ供給経路に応じて変動する水性インキ中の水分量に応じて、各水噴射スプレー71,72,73,74により水噴射量を調整することで、水性インキ中の水分量の変動に応じた調整をオンラインで行うことが可能となり、高い印刷品質を確保することができる。
また、実施例3のオフセット輪転印刷機では、インキ元ローラ32を回転駆動する駆動装置41と、練ローラ34と往復ローラ35とインキ着ローラ36を回転駆動する駆動装置42と、版胴37とブランケット胴38を回転駆動する駆動装置43と、受渡しローラ33を回転駆動する駆動装置44を設け、制御装置61は、水分計51,52,53,54の計測結果に基づいて駆動装置44を駆動制御している。
従って、周囲環境やインキ供給経路に応じて変動する水性インキ中の水分量に応じて、受渡しローラ33の周速を変更することで、水性インキ中の水分量の蒸発度合をオンラインで変更することが可能となり、高い印刷品質を確保することができる。
なお、上述した各実施例では、往復ローラ35とインキ着ローラ36と版胴37とブランケット胴38の外径を同径に設定したが、少なくともインキ着ローラ36と版胴37とブランケット胴38の外径が同径であればよい。この場合、往復ローラ35をインキ着ローラ36と版胴37とブランケット胴38より小径とし、外周部に対接するライダを設けることで、履歴(残留インキ)を消すようにすればよい。
また、上述した各実施例では、印刷ユニット21を、インキつぼ(インキ貯留部)31と、インキ元ローラ32と、受渡しローラ33と、練ローラ34と、往復ローラ35と、インキ着ローラ36と、版胴37と、ブランケット胴38とを直列に対接して回転自在に支持して構成したが、ローラ及び胴の本数は、7個に限らず、練ローラやインキ着ローラを増やすことで、10個程度としてもよい。
また、上述した各実施例では、印刷機を4つの印刷ユニットから構成したが、1つまたは2つまたは5つ以上に構成してもよい。また、オフセット輪転印刷機を両面印刷機としたが、片面印刷機でもよい。
本発明に係るオフセット輪転印刷機及び印刷方法は、ローラ及び胴の個数を減少して受渡しローラの周速をその前後のローラの周速と異ならせることで、水分量の調整を可能とし、装置の小型化を可能とすると共に印刷品質の向上を可能とするものであり、いずれの印刷機にも適用することができる。
本発明の実施例1に係るオフセット輪転印刷機における印刷ユニットを表す概略構成図である。 実施例1のオフセット輪転印刷機を表す概略構成図である。 インキ供給経路におけるインキの水分量を表すグラフである。 本発明の実施例2に係るオフセット輪転印刷機における印刷ユニットを表す概略構成図である。 本発明の実施例3に係るオフセット輪転印刷機における印刷ユニットを表す概略構成図である。
符号の説明
11 給紙装置
12 インフィード装置
13 印刷装置
14 乾燥装置
15 冷却装置
16 ウェブパス装置
17 折り装置
18 排紙装置
21,22,23,24 印刷ユニット
31 インキつぼ(インキ貯留部)
32 インキ元ローラ
33 受渡しローラ
34 練りローラ
35 往復ローラ
36 インキ着ローラ
37 版胴
38 ブランケット胴
41,42,43,44 駆動装置
51,52,53,54 水分計
61 制御装置(周速変更手段)
71 第1水噴射スプレー(水分供給手段、第1水分供給手段)
72 第2水噴射スプレー(水分供給手段、第1水分供給手段)
73 第3水噴射スプレー(水分供給手段、第2水分供給手段)
74 第4水噴射スプレー(水分供給手段、第2水分供給手段)
75,78 水供給ロール(水分供給手段)

Claims (10)

  1. 予め設定された所定粘性の水性インキまたは水溶性インキを貯留するインキ貯留部と、
    該インキ貯留部のインキを供給するインキ元ローラと、
    該インキ元ローラのインキを受け渡す受渡しローラと、
    該受渡しローラから受け渡されたインキを供給するインキ着ローラと、
    該インキ着ローラのインキが画線部に受け渡される版胴と、
    該版胴に受け渡されたインキをウェブに転写するブランケット胴と、
    が直列に対接して回転自在に支持され、
    前記受渡しローラの周速をその他の前記ローラ及び前記胴の周速と異ならせる周速変更手段が設けられると共に、
    前記インキ元ローラから前記ウェブまでのインキ供給経路上のインキに対して水分を供給する水分供給手段が設けられることを特徴とするオフセット輪転印刷機。
  2. 前記受渡しローラと前記インキ着ローラとの間に、前記受渡しローラから受け渡されたインキを練る練ローラと、該練ローラにより練られたインキを幅方向に広げる往復ローラとが直列に対接して回転自在に設けられることを特徴とする請求項1に記載のオフセット輪転印刷機。
  3. 少なくとも前記インキ着ローラと前記版胴と前記ブランケット胴が同径に設定されることを特徴とする請求項1または2に記載のオフセット輪転印刷機。
  4. 前記インキ元ローラから前記版胴までのインキ供給経路上のインキに対して水分を供給する第1水分供給手段が設けられることを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載のオフセット輪転印刷機。
  5. 前記版胴から前記ウェブまでのインキ供給経路上のインキに対して水分を供給する第2水分供給手段が設けられることを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載のオフセット輪転印刷機。
  6. 前記水分供給手段は、前記インキつぼから前記ウェブまでのインキ供給経路上のインキの水分量に基づいて水分の供給量が調整されることを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載のオフセット輪転印刷機。
  7. 前記水分供給手段は、インキ供給経路上のインキに対して水分を噴射する水噴射スプレーであることを特徴とする請求項1から6のいずれか一つに記載のオフセット輪転印刷機。
  8. 前記水噴射スプレーは、前記ローラ及び前記胴における回転方向下流側から上流側に向けて水を噴射することを特徴とする請求項7に記載のオフセット輪転印刷機。
  9. 前記水分供給手段は、インキ供給経路上のインキに対して水分を噴射する水供給ロールであることを特徴とする請求項1から6のいずれか一つに記載のオフセット輪転印刷機。
  10. インキ貯留部に貯留される予め設定された所定粘性の水性インキまたは水溶性インキを、インキ元ローラ、受渡しローラ、インキ着ローラ、版胴を介してブランケット胴に供給し、該ブランケット胴に供給されたインキをウェブに転写する印刷方法において、
    前記受渡しローラの周速がその他の前記ローラ及び前記胴の周速と異ならせると共に、
    前記インキ元ローラから前記ウェブまでのインキ供給経路上のインキに対して水分を供給することを特徴とする印刷方法。
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