JP2012028684A - コモンモードフィルタ - Google Patents

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Abstract

【課題】一対のワイヤ間の間隔のずれによる特性インピーダンスのばらつきを抑えることが可能なコモンモードフィルタを提供する。
【解決手段】コモンモードフィルタは、ドラムコア10と、ドラムコアの巻芯部11にバイファイラ巻きされた一対のワイヤ14,15と、ドラムコアの鍔部12,13の底面に設けられた端子電極16A,16Bと、各鍔部12,13に設けられ、端子電極16A,16Bとワイヤ14,15とをそれぞれ接続する接続電極18A,18Bとを備えている。鍔部12,13の底面の幅方向中央部には凹部21が設けられており、接続電極18A,18Bは凹部21に設けられている。一対のワイヤ14,15は、同一ターンどうしが互いに密着し且つ隣接ターンどうしが互いに離間するように巻回されており、接続電極18A,18Bにそれぞれ継線されたワイヤ14、15の端末部間の距離は、端子電極16A,16B間の距離よりも短い。
【選択図】図1

Description

本発明は、コモンモードフィルタに関し、特に、ドラム型コアを用いたコモンモードフィルタの構造に関する。
高速差動信号インターフェースの一つとしてHDMI(High-Definition Multimedia Interface)が知られている。HDMIの特性インピーダンスは100Ωであるため、HDMI用のケーブルやコネクタは100Ωに整合がとれていることが必要であり、HDMI用コモンモードフィルタも例外ではない。従来のコモンモードフィルタでは、2本のワイヤをバイファイラ巻きすると共に、同一ターンか隣接ターンかによらず全てのターンのワイヤを互いに離間させて線間容量を小さくし、これにより特性インピーダンスを100Ωに調整する方法が好ましく採用されている。
また、コモンモードフィルタの特性インピーダンスのばらつきを抑えるため、コアの巻芯部に等間隔の溝を設け、ワイヤを溝内に嵌合させる方法が知られている(特許文献1参照)。この方法によれば、ワイヤの位置ずれを防止し、各ワイヤの線間距離を一定に維持することができる。
また、コアの巻芯部に巻回されたワイヤの一部に高分子材料からなる静電容量調整用の樹脂部を設けたコモンモードフィルタも知られている(特許文献2参照)。この構成によれば、コモンモードフィルタの巻芯部に巻回されたペア線材に接着剤が付着し、特性インピーダンスが変動したとしても、樹脂部の付着量を調整することでワイヤ間の分布容量を調整することができ、これにより特性インピーダンスを調整することが可能である。
特開2004−311560号公報 特開2006−147728号公報
上述したように、従来のコモンモードフィルタにおいて、各ワイヤ間の距離を離して巻回した場合には、同一ターン間、或いは隣接ターン間でのワイヤの間隔のずれが発生してしまい、特性インピーダンスがばらつくという問題がある。また特許文献1に記載のように、コアの巻芯部に等間隔の溝を設け、ワイヤを溝内に嵌合させた場合には、ワイヤの位置ずれを防止することができるが、ワイヤの間隔が溝の間隔に限定されてしまい、コアの汎用性が著しく低下するだけでなく、溝の加工精度も要求され、製造コストが大幅に増加するという問題がある。また、特許文献2によれば、特性インピーダンスを事後的に調整することは可能であるが、最初からインピーダンス整合が取れていることが望まれている。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、一対のワイヤ間の間隔のずれによる特性インピーダンスのばらつきを抑えることが可能なコモンモードフィルタを提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明によるコモンモードフィルタは、巻芯部及び前記巻芯部の両端にそれぞれ設けられた2つの鍔部を有するドラムコアと、前記巻芯部にバイファイラ巻きされた第1及び第2のワイヤと、各鍔部の底面に設けられた第1及び第2の端子電極と、各鍔部に設けられ、前記第1及び第2の端子電極と前記第1及び第2のワイヤとをそれぞれ接続する第1及び第2の接続電極とを備え、各鍔部の底面の幅方向中央部には凹部が設けられており、前記第1及び第2の接続電極は前記凹部に設けられており、前記第1及び第2のワイヤは、同一ターンどうしが互いに密着し且つ隣接ターンどうしが互いに離間するように巻回されており、前記第1の接続電極に継線された前記第1のワイヤの端末部と前記第2の接続電極に継線された前記第2のワイヤの端末部との間の距離は、前記第1及び第2の端子電極間の距離よりも短いことを特徴としている。
本発明によれば、一対のワイヤの同一ターンどうしが互いに密着した状態でバイファイラ巻きされているので、特性インピーダンスのばらつきを抑えることができる。また、一対のワイヤの隣接ターンどうしが互いに離間されているので、線間容量を低減することができ、特性インピーダンスを100Ωに調整することが可能となる。また、一対のワイヤの端末部どうしを近づけて継線しているので、ワイヤ間隔をワイヤ全長に亘ってできるだけ近づけて配置することができ、特性インピーダンスのばらつきをさらに抑えることができるだけでなく、ディファレンシャルインピーダンスの増加を抑えることができ、また、ワイヤの全長を短くすることができる。
特性インピーダンスZiは、ディファレンシャルインピーダンスZdと、線間容量Cbとの間にZi=√(Zd/Cb)の関係を有する。特性インピーダンスのばらつきを抑えるためには、各パラメータ(Zd及びCb)のばらつきを抑えることが望ましい。本発明によれば、一対のワイヤがほぼ密着状態でバイファイラ巻きされているので、Zdに影響する一対のワイヤの同一ターンどうしの距離が最も安定した状態となる。さらに一対のワイヤの線間距離がほぼ一定であるため、線間容量Cbも安定する。このように、各要素Zd,Cbが安定しているので、特性インピーダンスZiのばらつきを最も抑えることができる。ただし、一対のワイヤの同一ターンどうしがほぼ密着巻きであると、Zdが最小レベルとなり、逆に線間容量Cbは最大レベルとなるため、特性インピーダンスZiが小さくなる傾向にある。そこで本発明では、一対のワイヤの隣接ターンどうしを離間させ且つ全体の線路長を短くして線間容量Cbを小さくし、これにより特性インピーダンスZinを大きくし、回路が必要とする所定の特性インピーダンスとの整合を図っている。
さらに、本発明によれば、鍔部の底面に設けた凹部内にワイヤの端末部を配置しているので、一対のワイヤの端末部が底面から突出して実装面と干渉し、不安定な実装状態となることを防止することができ、確実なはんだ付けを実現することができる。また、鍔部の平坦な底面にそのまま継線する場合よりも、プリント基板上のパターンに制約されずに継線を互いに近づけて配置することができる。さらに、熱圧着による継線時に端子電極が劣化してはんだ濡れ性が低下することがないので、コプラナリティの悪化を防止することができ、良好な実装状態を確保することができる。
本発明によるコモンモードフィルタは、各鍔部の側面に設けられた第1及び第2の側面電極をさらに備え、前記第1及び第2の端子電極の幅は、前記第1及び第2の側面電極の幅と等しいことが好ましい。この構成によれば、鍔部の側面にはんだフィレットを形成することができる。また、端子電極と接続電極との境界を明確にすることができ、接続電極内においてワイヤを継線すべき位置を確実に特定することができる。
本発明において、前記凹部は、前記鍔部の外側側面から内側側面まで貫通する溝であることが好ましい。この構成によれば、鍔部の底面に形成された凹部内の端子電極にワイヤの端末部を容易且つ確実に接続することができる。
本発明によるコモンモードフィルタは、前記凹部内において前記第1のワイヤの端末部と前記第2のワイヤの端末部との間に設けられた凸部をさらに備えることが好ましい。この構成によれば、第1及び第2の側面電極の下端部付近の距離が近づき過ぎることを防止することができ、はんだブリッジによるショートを防止することができる。
本発明によれば、特性インピーダンスのばらつきが小さくフィルタ特性の良好なコモンモードフィルタを提供することができる。また、本発明によれば、ドラムコアの底面側にワイヤを継線するタイプのコモンモードフィルタにおいて、熱圧着時の端子電極の劣化を防止することができ、はんだ濡れ性の低下及びコプラナリティの悪化を防止することができる。
本発明の第1の実施形態によるコモンモードフィルタの構成を示す略斜視図である。 第1の実施形態によるコモンモードフィルタの構成を示す底面図である。 第1の実施形態によるコモンモードフィルタの構成を示す側面図である。 本発明の第2の実施形態によるコモンモードフィルタの構成を示す底面図である。 第2の実施形態によるコモンモードフィルタの構成を示す側面図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態によるコモンモードフィルタの構成を示す略斜視図である。また、図2は、このコモンモードフィルタの構成を示す底面図であり、図3は、このコモンモードフィルタの構成を示す側面図である。
図1乃至図3に示すように、本実施形態によるコモンモードフィルタ1は、巻芯部11及び一対の鍔部12,13を有するドラムコア10と、ドラムコア10の上部に取り付けられた板状コア20と、ドラムコア10の巻芯部11に巻回された一対のワイヤ14,15で構成されている。
ドラムコア10は、巻芯部11とその両端部にそれぞれ設けられた鍔部12,13とが一体化された構造を有している。巻芯部11の表面は平坦面であり、ワイヤの巻回位置を規定するための溝や突起は設けられていない。各鍔部12,13の底面には2つの端子電極(底面電極)16A,16B及び2つの接続電極18A,18Bが設けられており、外側の側面には2つの側面電極17A,17Bが設けられている。なお、鍔部12,13の上下方向は図示のZ軸方向であり、ドラムコア10のプリント基板への実装状態に基づいて定義される。また、鍔部12,13の外側の側面とは、巻芯部11が結合された面とは反対側の面である。
板状コア20はドラムコア10と別体であり、鍔部12,13の上面に接着固定されている。これにより、ドラムコア10及び板状コア20は一つの閉磁路を構成している。特に限定されるものではないが、ドラムコア10及び板状コア20の材料としてはNi−Zn系フェライトを用いることができる。また、ドラムコア10及び板状コア20の透磁率μは330〜630[H/m]であることが好ましい。
一対のワイヤ14,15は、ドラムコア10の巻芯部11にバイファイラ巻きされている。「バイファイラ巻き」とは一対のワイヤを一緒に巻くことによってワイヤ間の磁気結合を向上させる巻回方式のことをいう。特に限定されるものではないが、ワイヤ14,15のターン数は共に3〜4ターンであることが好ましい。また、一対のワイヤ14,15は、同一ターンどうしが互いに密着し且つ隣接ターンどうしが互いに離間するように巻回されている。一対のワイヤ14,15の同一ターンどうしが密着している場合には、ワイヤの位置ずれによる特性インピーダンスのばらつきを抑えることができる。また、隣接ターン間に一定幅の隙間dを設けることにより、隣接ターン間における線間容量を低減することができ、これにより特性インピーダンスを例えば100Ωにすることが可能となる。
一対のワイヤ14,15の同一ターンは全長に亘って完全に密着していることが理想的であるが、ワイヤの巻き回わしの難しさから、実際には完全な密着状態は維持されず、部分的に隙間が空いた状態となる。そのため、本明細書において「一対のワイヤどうしが密着している」とは、意図しない非密着状態が部分的に存在することを許容する趣旨である。
差動伝送用のコモンモードフィルタには、伝送ライン上のコモンモードノイズを除去すると共に、信号波形を劣化させずに通過させる機能が求められており、信号波形の劣化は伝送速度が高速になるほど大きい。コモンモードフィルタを通過する信号波形の劣化を防止するためには特性インピーダンスが非常に重要であり、コモンモードフィルタの特性インピーダンスが差動伝送ラインの特性インピーダンスと正確に整合していることが必要となる。
コモンモードフィルタの特性インピーダンスZiは、ディファレンシャルインピーダンスZdと線間容量CbからZi=√(Zd/Cb)で表される。このことは、2つのパラメータZdとCbとによって特性インピーダンスZiを制御することができることを意味している。
コモンモードフィルタ1は、所定のコモンモードインピーダンスが得られるように設計されており、一対のワイヤ14,15の長さの多少の変化によらず概ね一定のコモンモードインピーダンスが確保されている。特に限定されるものではないが、本実施形態によるコモンモードフィルタのターン数は3〜4ターンに設定され、このときのコモンモードインピーダンスは例えば90±10Ωに設定される。これにより、コモンモードノイズを除去することができる。
本実施形態によるドラムコア10のサイズ(長さ×幅×高さ)は例えば2.0×1.2×0.8mmである。ここでドラムコアの長さとは、ドラムコア10の巻芯部11の軸方向(図1のY方向)のサイズであり、ドラムコア10の幅とは、Y方向と直交し且つ実装面と平行な方向(図1のX方向)のサイズであり、ドラムコア10の高さとは、X方向及びY方向と直交する方向(図1のZ方向)のサイズである。また、板状コア20のサイズ(長さ×幅×高さ)は例えば2.0×1.2×0.4mmである。一方、ワイヤ14,15の長さは8〜12mm、芯線の直径は0.03〜0.05mm、皮膜の厚みは0.003〜0.026mmであることが好ましい。この構成によれば、特性インピーダンスが100±10Ωであるコモンモードフィルタを確実に実現することができる。
端子電極16A,16Bは共に矩形パターンであり、鍔部12,13の底面の幅方向の外側寄りに設けられている。接続電極18A,18Bも共に矩形パターンであり、鍔部12,13の底面であって、端子電極16A,16Bよりも幅方向の内側に設けられている。鍔部12,13の底面の幅方向の中央部には、凹部21がそれぞれ形成されており、端子電極16A,16Bはこの凹部21の左右の外側にそれぞれ設けられ、接続電極18A,18Bは凹部21内にそれぞれ設けられている。よって、一対のワイヤ14,15の端末部は鍔部12,13の底面の凹部21内に配置されている。凹部21は、鍔部の外側側面から内側側面まで貫通する溝であることが好ましく、深さが幅よりも小さい浅溝であることがより好ましい。鍔部12,13の底面からワイヤ14,15が突出することがないよう、凹部21の深さは、熱圧着によって押しつぶされたワイヤの線径よりも少し大きい程度又はそれ以上であることが好ましい。凹部21がこのような形状であれば、凹部21内の端子電極16A,16Bにワイヤの端末部を容易且つ確実に接続することができる。
側面電極17A,17Bは鍔部の下端側に形成され、その形状は単純な矩形パターンである。側面電極17A,17Bは、端子電極16A,16Bをはんだ接続する際のフィレットを形成するために設けられている。
端子電極16A,16B及び接続電極18A,18Bは、鍔部の幅方向に対して連続的に形成されているので、端子電極16A及び接続電極18Aは一体化された矩形状の電極パターンであり、端子電極16B及び接続電極18Bもまた一体化された矩形状の電極パターンである。よって、両者の境界は外観上明確ではないが、本実施形態においては、側面電極17A,17Bと同一幅の領域を端子電極16A,16Bとして定義することができる。
ワイヤ14の一端は、一方の鍔部12の接続電極18Aに接続され、ワイヤ14の他端は、他方の鍔部13の接続電極18Bに接続されている。また、ワイヤ15の一端は、一方の鍔部12の接続電極18Bに接続され、ワイヤ15の他端は、他方の鍔部13の接続電極18Aに接続されている。各ワイヤ14,15の端末部は熱圧着等によって継線処理されて、対応する接続電極18A,18Bに電気的且つ機械的に接続される。確実な接続のため、各ワイヤ14,15の端末部は、対応する接続電極の中央部に固定される。ワイヤの先端の向きは巻芯部11の軸方向と平行である。
各鍔部12,13の電極パターンの形状は同一であり、各鍔部12,13に形成された一対の端子電極18A,18B、一対の側面電極17A,17B、及び一対の端子電極16A,16Bの形状はいずれも左右対称な関係を有している。このような電極パターンの対称性により、鍔部12,13の形状は同一となり、ドラムコア10の全体形状も対称性を持つことになる。
上記のように、一対の端子電極16A,16Bは各鍔部12,13の幅方向の外側寄りにそれぞれ設けられており、一対の接続電極18A,18Bは端子電極16A,16Bよりも鍔部の幅方向の中央部寄りに設けられている。そのため、図3に示すように、接続電極18A,18Bにそれぞれ継線された一対のワイヤ14,15の端末部間の距離Wは、ワイヤ14,15に対応して各鍔部に設けられた端子電極16A,16B間の距離Wよりも短い。ここで、端子電極16A,16B間の距離Wとは、端子電極16A,16B間を分離する絶縁スペースの幅ではなく、端子電極16Aの幅方向中央から端子電極16Bの幅方向中央までの距離として定義される。なお、端子電極16A,16Bと接続電極18A,18Bとを別々に捉えた場合に限らず、端子電極16A,16Bと接続電極18A,18Bとを一体として捉えた場合でも、ワイヤ14,15の端末部間の距離Wが端子電極間の距離Wよりも短いことに変わりはない。
以上説明したように、本実施形態においては、一対のワイヤ14,15の同一ターンどうしが密着した状態でバイファイラ巻きされているので、間隔のずれが生じて特性インピーダンスがばらつくことを抑制できる。また、一対のワイヤ14,15の同一ターン間は互いに密着しているが、隣接ターン間には一定幅の隙間dが設けられているので、隣接ターン間における線間容量を低減することができ、これにより特性インピーダンスを100Ωにすることが可能となる。
一対のワイヤ14,15の隣接ターン間に隙間dが設けられている場合、ワイヤ14,15の巻回時又は巻回後に隙間dの幅がずれることが考えられる。しかし、同一ターン間の隙間と異なり、特性インピーダンスが大きく変動することはない。同一ターン間に隙間を設けた場合には、隙間の幅のわずかな変動によって特性インピーダンスが大きく変動するが、隣接ターン間ではこのような問題が少ないので、線間容量の変動を抑制して安定した特性インピーダンスを得ることができる。
上記のように、特性インピーダンスは、Zi=√(Zd/Cb)であらわされる。一対のワイヤ14,15の同一ターンどうしを互いに密着させてバイファイラ巻きした場合には、それらを離間して巻回した場合よりもディファレンシャルインピーダンスZdが低下するため、特性インピーダンスが低下する。低下した特性インピーダンスを高くするために、隣接ターン間における線間容量Cbを低減することに加え、ワイヤ14,15の全長を短くすることで線間容量Cbを減らして調整することができる。ワイヤ14,15の全長はばらつき要因とはなり難いため、ワイヤ14,15の全長によって特性インピーダンスZiを調整することで、特性インピーダンスのばらつきの少ないコモンモードフィルタを得ることができる。特に、本実施形態においては、接続電極18A,18Bを鍔部12,13の幅方向の中央部寄りに設け、一対のワイヤ14,15間の継線位置を近づけているので、鍔部12,13の幅方向の外側寄りに継線した場合に比べて、ワイヤ14,15の全長を短くすることができる。したがって、特性インピーダンスの低下を補完することができ、100Ωの特性インピーダンスを確保することができる。
ワイヤ14,15の端末部を鍔部12,13の幅方向の外側寄りに継線する場合、2本のワイヤの端末部が互いに遠ざかる方向に分離して進行するので、線間容量が不安定となり、特性インピーダンスが大きくばらつく要因となる。しかし、本実施形態においては、接続電極18A,18Bは鍔部12,13の幅方向の中央部寄りに設けられており、一対のワイヤ14,15間の継線位置が近いので、特性インピーダンスのばらつきをさらに抑えることができると共にディファレンシャルインピーダンスの増加を抑えることができる。
ワイヤ14,15の端末部は、接続電極18A,18Bの表面に熱圧着されているため、接続電極18A,18Bの表面よりも下方に突出している。しかし図示のように、接続電極18A,18Bが各鍔部12,13の底面に形成された凹部21内に設けられ、ワイヤ14,15の端末部がこの接続電極18A,18Bにそれぞれ継線されている場合には、ワイヤ14,15の影響による実装面のがたつきを解消することができ、確実なはんだ付けが可能である。
図4は、本発明の第2の実施形態によるコモンモードフィルタの構成を示す底面図であり、図5はこのコモンモードフィルタの構成を示す側面図である。
図4及び図5に示すように、本実施形態によるコモンモードフィルタ2は、凹部21の幅方向中央部であって、ワイヤ14の継線部とワイヤ15の継線部との間に凸部22が設けられていることを特徴としている。凸部22はワイヤ14,15の端末部間を絶縁分離するために設けられている。そのため、この凸部の表面は絶縁領域であり、電極パターンは形成されていない。凸部の平面形状は特に限定されず、矩形状であってもよく、円形であってもよい。また、複数の凸部で構成されていてもよい。実装面に対する干渉を回避するため、凹部21内の底面から見た凸部22の高さは、端子電極16A,16Bの表面の高さと同一又はそれ以下であることが必要である。この構成によれば、上述した第1の実施形態と同様の効果が得られる他、ワイヤ14,15の位置決めが容易であるため、ワイヤ14,15を確実に継線することができる。
本発明は、以上の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能であり、それらも本発明に包含されるものであることは言うまでもない。
例えば、上記各実施形態によるコモンモードフィルタは、ドラムコア10と板状コア20とを組み合わせた構成であるが、板状コア20を省略し、ドラムコア10だけで構成してもよい。また鍔部12,13上の電極パターンの形状も特に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意の形状を採用することができる。
1,2 コモンモードフィルタ
10 ドラムコア
11 巻芯部
12,13 鍔部
14,15 ワイヤ
16A,16B 端子電極
17A,17B 側面電極
18A,18B 接続電極
20 板状コア
21 凹部
22 凸部
d 一対のワイヤの隣接ターン間の隙間
ワイヤの端末部間の距離
端子電極間の距離

Claims (4)

  1. 巻芯部及び前記巻芯部の両端にそれぞれ設けられた2つの鍔部を有するドラムコアと、
    前記巻芯部にバイファイラ巻きされた第1及び第2のワイヤと、
    各鍔部の底面に設けられた第1及び第2の端子電極と、
    各鍔部に設けられ、前記第1及び第2の端子電極と前記第1及び第2のワイヤとをそれぞれ接続する第1及び第2の接続電極とを備え、
    各鍔部の底面の幅方向中央部には凹部が設けられており、
    前記第1及び第2の接続電極は前記凹部に設けられており、
    前記第1及び第2のワイヤは、同一ターンどうしが互いに密着し且つ隣接ターンどうしが互いに離間するように巻回されており、
    前記第1の接続電極に継線された前記第1のワイヤの端末部と前記第2の接続電極に継線された前記第2のワイヤの端末部との間の距離は、前記第1及び第2の端子電極間の距離よりも短いことを特徴とするコモンモードフィルタ。
  2. 各鍔部の側面に設けられた第1及び第2の側面電極をさらに備え、
    前記第1及び第2の端子電極の幅は、前記第1及び第2の側面電極の幅と等しいことを特徴とする請求項1に記載のコモンモードフィルタ。
  3. 前記凹部は、前記鍔部の外側側面から内側側面まで貫通する溝であることを特徴とする請求項1又は2に記載のコモンモードフィルタ。
  4. 前記凹部内において前記第1のワイヤの端末部と前記第2のワイヤの端末部との間に設けられた凸部をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のコモンモードフィルタ。
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