JP2012028487A - 樹脂封止基板装置と、それらの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は容易に外部回路と接続できる樹脂封止基板装置を提供することを目的とするものである。
【解決手段】本発明は、この課題を解決するために基板2の両面に実装された電子部品3a、3bを覆う樹脂部5と、樹脂部5の下面に設けられた補助板6と、樹脂部5内に埋設され、補助板6と基板2との間を固定するスペーサ7とを設け、スペーサ7の高さは電子部品3bの高さより高くし、基板2の下面には装着端子102が形成されるとともに、スペーサ7には、前記外部接続用端子を外部から露出状態とすべく設けられた空隙を形成し、スペーサ7は装着端子102に対応する位置に装着されたものである。これにより、装着端子102を外部へ露出できる。
【選択図】図20
【解決手段】本発明は、この課題を解決するために基板2の両面に実装された電子部品3a、3bを覆う樹脂部5と、樹脂部5の下面に設けられた補助板6と、樹脂部5内に埋設され、補助板6と基板2との間を固定するスペーサ7とを設け、スペーサ7の高さは電子部品3bの高さより高くし、基板2の下面には装着端子102が形成されるとともに、スペーサ7には、前記外部接続用端子を外部から露出状態とすべく設けられた空隙を形成し、スペーサ7は装着端子102に対応する位置に装着されたものである。これにより、装着端子102を外部へ露出できる。
【選択図】図20
Description
本発明は、基板の両面に電子部品が実装され、これらの電子部品が樹脂によって封止された基板装置に関するものである。
以下、従来の樹脂封止基板装置について説明する。従来の樹脂封止基板装置は、基板の両面に複数の電子部品が実装され、これら電子部品が樹脂によって封止されたものである。
そしてこの樹脂封止基板装置の製造方法は、基板の両面に電子部品を実装し、その後でトランスファ成形や射出成形などによって基板全体を封止する。
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
しかしながら従来の樹脂封止基板装置では、基板の両面が樹脂によって覆われてしまうので、基板上に形成された回路と外部回路との間の接続のためには、金属製の端子などを基板へ装着し、成形金型で挟み込むことで封止された樹脂5から端子を導出させていた。したがって、汎用のコネクタなどで外部回路と接続しにくいという課題を有していた。
そこで本発明は、この問題を解決したもので、容易に外部回路と接続できる樹脂封止基板装置を提供することを目的としたものである。
この目的を達成するために基板と、少なくともこの基板の下面に実装された電子部品と、この電子部品を覆うとともに、前記基板の両面側に設けられた樹脂部とを備え、前記樹脂部の下面に設けられた補助板と、一方がこの補助板へ固定されるとともに、他方が前記基板へ固定され、前記樹脂部内に埋設されたスペーサとを設け、前記スペーサの高さは前記基板の下面に装着された電子部品の高さより高くするとともに、基板の下面には、前記基板上に形成される回路と外部回路とを接続する外部接続用端子が形成されるとともに、前記スペーサには、前記外部接続用端子を外部から露出状態とすべく設けられた空隙が形成され、前記スペーサがこの外部接続端子に対応する位置に装着されたものである。これにより所期の目的を達成することができる。
以上のように本発明によれば、基板と、少なくともこの基板の下面に実装された電子部品と、この電子部品を覆うとともに、前記基板の両面に設けられた樹脂部とを備え、前記樹脂部の下面に設けられた補助板と、一方がこの補助板へ固定されるとともに、他方が前記基板へ固定され、前記樹脂部内に埋設されたスペーサとを設け、前記スペーサの高さは前記基板の下面に装着された電子部品の高さより高くした樹脂封止基板装置において、基板の下面には、前記基板上に形成される回路と外部回路とを接続する外部接続用端子が形成されるとともに、前記スペーサには、前記外部接続用端子を外部から露出状態とすべく設けられた空隙が形成され、前記スペーサがこの外部接続端子に対応する位置に装着されたものであり、これにより空隙によって外部接続端子が外部より露出された状態とできるので、容易に外部回路と接続することができる樹脂封止基板装置を実現できる。
以下本実施の形態における樹脂封止基板装置とこれを用いたモジュールと、それらの製造方法について説明する。
(実施の形態1)
以下本実施の形態における樹脂封止基板装置(以降は、基板装置1という)について図面を用いて説明する。図1は、本実施の形態における基板装置1の断面図である。図1において、基板2の両面には、導体パターン(導体層の一例として用いた。図示せず)が配線されており、この基板2の上面には電子部品3aが実装され、下面には電子部品3bが実装されている。なお、本実施の形態では、基板2は厚みが1.2mmの4層基板であり、電子部品3aや電子部品3bは半導体素子やチップ部品が含まれている。なお、半導体はフェイスダウンにて基板2へフリップチップ実装されている。
以下本実施の形態における樹脂封止基板装置(以降は、基板装置1という)について図面を用いて説明する。図1は、本実施の形態における基板装置1の断面図である。図1において、基板2の両面には、導体パターン(導体層の一例として用いた。図示せず)が配線されており、この基板2の上面には電子部品3aが実装され、下面には電子部品3bが実装されている。なお、本実施の形態では、基板2は厚みが1.2mmの4層基板であり、電子部品3aや電子部品3bは半導体素子やチップ部品が含まれている。なお、半導体はフェイスダウンにて基板2へフリップチップ実装されている。
樹脂部5は、基板2の両面を覆い、この樹脂部5内には電子部品3や基板2が埋設されている。本実施の形態において、樹脂部5には、熱硬化性樹脂のエポキシ基材が用いられている。樹脂部5の下面には補助板6が設けられ、補助板6と基板2とが対向するように配置されている。なお、本実施の形態において、補助板6には、厚みが0.1mmの熱硬化性樹脂製の板が用いられている。したがって、価格が安価であるので、低価格な基板装置1を実現できる。ここで本実施の形態において、補助板6は樹脂部5(または基板2)より大きく、樹脂部5から張り出している(フランジ部6aを有している)。なお、このフランジ部6aは樹脂部5の4方向へ張り出している。
スペーサ7は樹脂製であり、一方の端部が補助板6へ固定されるとともに、他方端が基板2へ固定されている。なお、このスペーサ7も、電子部品3と同様に樹脂部5内に埋設されている。ここで、スペーサ7の高さは基板2の下面に装着された電子部品3bの高さより高くしておく。つまり、電子部品3bと補助板6との間にも樹脂部5が介在している。
次に本実施の形態における基板装置1の製造方法について、図面を用いて説明する。図2は本実施の形態における基板装置の製造フローチャートであり、図3は、同、組み立て工程における基板装置の側面図である。図2、図3において、図1と同じものには同じ符号を用いている。
図2、図3において、組み立て工程11には、実装工程11aと、貼り付け工程11bとを含んでいる。実装工程11aでは、基板2の両面にクリーム状のはんだを塗布し、部品装着機などにより電子部品3aや電子部品3bを実装する。そしてリフロー加熱を行うことにより、基板2の両面に電子部品3a、電子部品3bが実装される。なお、この実装工程11aでは、スペーサ7も同時に装着される。なお、本実施の形態において、スペーサ7の上面(スペーサ7の基板側端面)には接続端子(図示せず)が形成されており、一方、基板2にはスペーサ7を実装(はんだつけ)する位置に接続端子(図示せず)が設けられている。そしてスペーサ7と基板2の接続端子同士がはんだによって接続される。
貼り付け工程11bは実装工程11aの後で、補助板6上と基板2とを接続する工程であり、補助板6上にスペーサ7を固定する。これにより組み立て済み基板15が完成する。なお本実施の形態における組み立て工程11では、実装工程11aでスペーサ7を基板2へ実装したが、これはあらかじめ補助板6の所定の位置へスペーサ7を固定し、スペーサ7が固定された補助板6を基板2へ固定してもよい。
本実施の形態では、補助板6が絶縁性樹脂であるので、補助板6とスペーサ7との間の接続は熱硬化性の接着剤によって行っている。なお、本実施の形態では接着剤で固定したが、補助板6に銅張り基板を用い、スペーサ7の下面にも接続端子を設ければ、スペーサ7と補助板6の銅箔とをはんだなどによって固定してもよい。
樹脂部形成工程12において、基板2の上面および、基板2と補助板6との間とに樹脂部5を形成して、基板装置1を完成する。このとき、基板2の側面にも樹脂部5が形成される。ここで、補助板6は樹脂部5の側面から張り出している(フランジ部が形成される)。なお、本実施の形態における樹脂部5には、熱硬化性の樹脂5aが用いられる。この樹脂部形成工程12については、この後で詳しく説明する。
次に樹脂部形成工程12について、図面を用いて説明する。最初に樹脂部形成工程12において、基板2上に樹脂部5を形成するための樹脂部形成装置21について説明する。図4は、本実施の形態における樹脂部形成装置の概略断面図である。図4において、搭載部22は、基板2が搭載されるものであり、本実施の形態では基板2の上面に実装された電子部品3aが下方を向く方向で、基板2が装着される。ここで、搭載部22には吸着する構成(図示せず)が設けられており、この搭載部22には補助板6が吸着されて保持されることとなる。
この搭載部22の下方には、樹脂5aが投入される空間を有した樹脂槽23が設けられている。ここで、樹脂槽23は上下方向へと可動する。また、樹脂槽23の底部23aは、樹脂槽23全体の動きとは独立して、単独に垂直(図4において上下の)方向へ可動できる構造となっている。そしてこれら搭載部22や樹脂槽23には加熱手段(図示せず)が設けられており、これらによって基板2や樹脂5aを加熱する。また、樹脂部形成装置21にはコンプレッサ(図示せず)などが設けられ、樹脂槽23内や樹脂槽23と搭載部22との間の空気を吸引することで、樹脂部5の形成をほぼ真空状態下で行うことができるようになっている。これにより樹脂部5中のボイドを防止できる。
図5は本実施の形態における樹脂部形成工程の製造フローチャートであり、図6は軟化工程における樹脂部形成装置の断面図である。なお、これらの図5、図6において、図1から図4と同じものには同じ符号を用い、その説明は簡略化している。このような樹脂部形成装置21を用いた場合の樹脂部形成工程12について、図5の工程の順序に従って、詳細に説明する。
図5、図6において、軟化工程31は組み立て工程11の後で、補助板6が固定された基板2(組み立て済み基板15)を搭載部22へ搭載するとともに、樹脂槽23内へ非流動状態(未溶融の固体またはゲル状)の樹脂5aを投入し、加熱して樹脂5aを流動可能な状態となるまで軟化させる。そしてこの処理に並行して、樹脂5aと搭載部22(補助板6)との間の空間24の空気が吸引される。この吸引は空間24がほぼ真空状態となるまで行われ、樹脂5aが完全に溶融を完了した後に止められる。ここで、補助板6が搭載部22へ搭載され、組み立て済み基板15は電子部品3a搭載面側が下方を向くように搭載部22へ搭載される。なお本実施の形態における樹脂槽23や搭載部22は予め樹脂5aが溶融する温度にまで加熱しているので、短時間に樹脂5aを軟化させることができる。
また本実施の形態において、樹脂槽23へ投入前の樹脂5aは粒状であり、計量容器などによって計量された所定量の樹脂5aが樹脂槽23へと投入される。ここで樹脂5aは、第1の温度範囲内では流動性を有せず、この第1の温度より高い第2の温度範囲内では流動性を生じ、この第2の温度より高い温度で硬化する熱硬化性樹脂を用いる。このように樹脂5aを樹脂槽23へ投入する段階で、樹脂5aは粒状であるので、精度良く計量することができる。また、計量や投入の自動化も容易である。
発明者らは樹脂部形成装置21を用いて、以下のような手順で軟化工程31を行った。予め加熱手段によって搭載部22と樹脂槽23との温度を樹脂5aが溶融する(流動性を生じる)温度以上であり、樹脂5aが硬化する温度範囲(第3の温度範囲)未満の温度(第2の温度範囲)となるように加熱しておく。本実施の形態における樹脂5aは、約140℃未満の温度では流動性が小さく、約140℃から約175℃において最も軟化して流動性を生じ、それを超える温度で硬化するエポキシ系の熱硬化性樹脂を用いている。したがって本実施の形態では、搭載部22と樹脂槽23との温度を第2の温度範囲上限の175℃に設定している。
ここで、搭載部22は図6における水平方向へとスライドできる構造を有しており、この搭載部22がスライドすることによって、樹脂槽23の上方が開放状態となる。そこで、規定量の樹脂5aが樹脂槽23の上方から投入される。これにより即時、樹脂5aへの加熱が開始されることとなる。一方搭載部22はスライドすることによって、下方が開放状態となるので、搭載部22の下面に組み立て済み基板15が吸着される。このとき、電子部品3aが下方となる向きで搭載され、補助板6が搭載部22へ吸着される。そして、再度搭載部22がスライドして、樹脂槽23の上方の位置で停止する。このようにして、樹脂5aの投入と組み立て済み基板15の搭載が完了すると、空間24の空気の吸引を開始する。そして樹脂5aが完全に流動可能な状態にまで溶融した後に、吸引を停止し、その真空状態を維持する。
なお、本実施の形態における樹脂部形成装置21では、搭載部22が水平にスライドしたが、これは樹脂槽23がスライドしても構わない。また、搭載部22と樹脂槽23の少なくともいずれか一方を、上下方向へと移動させるだけでも良い。ただしこの場合、樹脂槽23と搭載部22との間の距離が、樹脂5aの投入や基板2の搭載作業が可能な程度まで開くようにしておく。
図7は、浸漬工程における樹脂部形成装置の断面図である。図7において、浸漬工程32は軟化工程31の後で、流動可能な状態に溶融した樹脂5aの中に、電子部品3aや電子部品3bを浸漬し、補助板6の下面を溶融した樹脂5aの液面へと接触させる工程である。
例えばこの工程は、以下のようにして行われる。樹脂槽23と底部23aとをほぼ同じ速度で上方(図6矢印方向)へ移動させて、補助板6が樹脂槽23と搭載部22との間に挟まれるようにする。このとき、樹脂槽23と補助板6の下面との間に隙間が生じないようにすることが必要であり、そのために樹脂槽23において、補助板6の下面と当接する箇所にはゴムパッキン(図示せず)などが設けられる。そして、樹脂槽23は規定の位置(樹脂槽23が補助板6と当接する位置)まで上昇した後に停止する。この状態では、樹脂5aの液面は、補助板6の下面とはまだ接触しないようにしてある。これにより、樹脂5aが樹脂槽23から溢れ出すことを少なくできる。そしてこの浸漬工程32において、樹脂槽23と搭載部22とで挟まれた箇所が、フランジ部6aを形成することとなる。
ただしこのとき、電子部品3bと基板2との間の隙間が樹脂5aの液面より下となる(電子部品3bと基板2との間の隙間が樹脂5a内に浸漬される)ようにすることが望ましい。これは、少なくとも電子部品3bと基板2との間の隙間が樹脂5a内に浸漬されるようにすることで、樹脂5aが電子部品3aと基板2との間や、電子部品3bと基板2との間の狭い隙間へ入り込む。これは、後述する圧縮流入工程33において、樹脂5aを電子部品3a(あるいは電子部品3b)と基板2との間の非常に狭い隙間へ確実に充填されるようにするためである。なお、本実施の形態における浸漬工程32では、電子部品3bの上面が樹脂5aで覆われる程度まで浸漬している。
ここで底部23aは樹脂槽23の移動が停止した後も上方へと移動を続ける。これによって、樹脂5aの液面と補助板6の下面とが接触することとなる。なお、この浸漬工程32において、樹脂5aを基板2と補助板6との間の隙間へ充填することが必要である。そこで、本実施の形態では、基板2の幅や長さを樹脂槽23の幅や長さより小さくしておく。これにより、基板2の側面と樹脂槽23の内面との間に隙間が生じ、この隙間から樹脂5aが基板2と補助板6との間に流れ込むこととなる。さらに、スペーサ7を離散的配置することにより、樹脂はスペーサ7の間を通り、基板2と補助板6との間に樹脂5aがスムーズに充填される。したがって、この浸漬工程32においては、基板2はスペーサ7によって補助板6へ固定された状態であり、かつ補助板6が搭載部22へ吸着された状態で行われるので、基板2の傾きを生じにくくできる。そしてこのとき、浸漬するだけであるので、樹脂5aの流れが小さく、樹脂5aによる基板2へのストレスも小さくできる。したがって、さらに基板2の傾きを生じにくくできる。
図8は、圧縮流入工程33における樹脂部形成装置21の断面図である。図8に示すように、浸漬工程32が完了すれば、一見電子部品3aと基板2の間や電子部品3bと基板2の間の隙間には樹脂5aが充填されているよう見える。ところが、電子部品3aと基板2との間や電子部品3bと基板2との間の隙間は非常に狭いため、中には樹脂5aが充填されていない箇所も存在している。
そこで、浸漬工程32の後で圧縮流入工程33を行なう。この圧縮流入工程33では樹脂5aを(図8矢印方向へ)圧縮し、この圧力によって未充填の隙間へ樹脂5aを強制的に流入させる。このとき、樹脂槽23と補助板6とで囲まれた空間は、電子部品3a(あるいは電子部品3b)と基板2との間の隙間の未充填の箇所を除き、樹脂5aによって埋まっている。従って、樹脂5aを圧縮しても底部23aはほとんど上昇することはなく、樹脂5aの圧力のみが上昇することとなる。そして、この圧力が規定値となるまで加圧を続け、その圧力を維持する。なお、この圧縮流入工程33において樹脂5aの温度は、第2の温度範囲内とすることが重要である。これにより、電子部品3aや電子部品3bと基板2との間の隙間へ確実に樹脂5aを充填させることができる。
ここで、本実施の形態における基板装置1には、補助板6と基板2との間の隙間へ樹脂5aを充填させるため、基板2には適宜上下面を貫通する孔(図示せず)を設けておく。これにより、圧縮流入工程33において樹脂5aが基板2と補助板6との間へ流れ込みやすくなり、この間の隙間を確実に樹脂5aで充填できる。
なお、本実施の形態において電子部品3a(あるいは電子部品3b)と基板2との接続ははんだであり、錫、銀系の鉛フリーはんだを用いている。本実施の形態におけるはんだの融点は約200℃である。このようにはんだの融点が第2の温度範囲より高いはんだを用いている。したがって、圧縮流入工程33においてはんだが溶融することもないので、電子部品3a(あるいは電子部品3b)と基板2間の電気的接続が外れたりしにくくできる。
硬化工程34は、圧縮流入工程33の後で、樹脂5aの温度が第2の温度範囲を超える温度(第3の温度範囲)となるまでさらに加熱することによって、樹脂5aを硬化する。これによって、基板2上に樹脂部5が形成されることとなる。なお、少なくとも樹脂5aの流動性がなくなるまでの間は、この硬化工程34においても圧縮流入工程33で加えられた圧力を維持する。これにより、確実に電子部品3a(あるいは電子部品3b)と基板2との間の隙間に、ボイドなどが残りにくくできる。
以上のような製造方法により、浸漬工程32において、溶融した樹脂5aが入った樹脂槽23の中に組み立て済み基板15を浸漬するだけで、基板2と補助板6との間に樹脂部5を形成できる。従って、トランスファ成形のように、狭い空隙へ溶けた樹脂5aを流し込む必要がない。これにより、基板2と補助板6との間の樹脂部5を形成するために、基板2(組み立て済み基板15)に対して加わるストレスを小さくできる。したがって、基板2の傾きや変形などを小さくできる。
また圧縮流入工程33においては、電子部品3aの下側や、電子部品3bと補助板6との間にはすでに樹脂5aが存在している。またそして、その樹脂5aを圧縮することで、電子部品3aの上の樹脂部5を形成するものである。従って、トランスファ成形のように、狭い空隙へ溶けた樹脂5aを流し込む必要がない。つまり、たとえ電子部品3a上部や、電子部品3bと補助板6との間における樹脂部5の厚みが薄くても、確実に樹脂部5を形成できることとなる。
本実施の形態において、電子部品3a上の樹脂部5の厚みや、電子部品3bと補助板6との間の樹脂部5の厚みは0.08mmであるが、確実に樹脂5aを充填できている。したがって、従来のトランスファ成形に比べて、電子部品3a上部における樹脂部5の厚みを薄くでき、厚みの薄い基板装置1を実現できる。また、電子部品3bと補助板6との間は0.08mmであるが、確実に樹脂5aを充填できている。そして補助板6の厚みは、0.1mmであるので、従来のトランスファ成形に比べても、基板2の下側の厚みは大差なく、厚みの薄い基板装置1を実現できる。そして本実施の形態では、厚みが0.8mmの基板装置1を実現している。
また、圧縮流入工程33で圧力を加えるので、樹脂5aは電子部品3a(あるいは電子部品3b)と基板2との間の非常に狭い隙間にも確実に樹脂5aを充填できる。さらにまた、電子部品3aや電子部品3bには、圧縮流入工程33においてのみ圧力が加わるので、電子部品3a、電子部品3bへかかる応力を小さくできる。したがって、電子部品3a(あるいは電子部品3b)や基板2の変形が小さくなる。
また、浸漬工程32では電子部品3a(あるいは電子部品3b)が浸漬されるのみであり、圧縮流入工程33で樹脂5aに流れが発生するので、樹脂5aの流れる距離は、トランスファ成形に比べて非常に短い。したがって、硬化後において樹脂5aの流れの不均一さなどによる内部応力も小さくできる。これによって、さらに電子部品3a(あるいは電子部品3b)、基板2や樹脂部5自身の歪(変形)などを小さくできる。
特に本実施の形態では電子部品3a(あるいは電子部品3b)には集積回路を含み、これらは基板2へフェイスダウンにてフリップチップ実装しているので、電子部品3a(あるいは電子部品3b)と基板2との間が非常に近くなる。したがって、電子部品3a(あるいは電子部品3b)に形成された回路と基板2との間には大きな浮遊容量を持つこととなり、特にこの浮遊容量のばらつきは、集積回路に構成された回路の特性に大きな影響を与えることがある。特に、基板装置1が高周波装置であり、基板2上や電子部品3a(もしくは電子部品3b)上に高周波回路が形成される場合には、特にこの浮遊容量による影響が重要となる。また、本実施の形態における集積回路は、はんだバンプにより基板2へ接続されているが、圧接により基板2と接続されているような場合においては、集積回路の歪を小さくできるので、圧接力が小さくなりにくくできる。したがって、集積回路と基板2との間の接続信頼性の高い基板装置1を実現できる。
そしてこのような基板装置1上に高周波回路を形成するような場合、集積回路の歪を小さくすることは、非常に重要である。これは、実装工程11aにおける高周波特性の検査において、合格範囲と判断したものにおいても、集積回路や基板2や樹脂部5自身の歪が大きいと、上記理由などによって、樹脂部5を形成した後に不合格となる恐れがあるためである。そして、樹脂部5が形成された後においては、修理することが非常に困難であるので、廃棄する以外に方策はなく、歩留まりが非常に悪化することとなる。そこで、以上のような製造方法を用い、樹脂5aの流れる距離を小さくすることで、樹脂5a内部に残る残留応力を小さくし、集積回路、基板2や樹脂部5自身などにかかる応力を小さくする。これにより、樹脂部5形成後での高周波特性のばらつきを小さくでき、歩留まりの良好な基板装置1を実現できる。
さらに加えて、この残留応力を小さくすることは、基板装置1の特性の長期信頼性にも大きな影響を及ぼす。つまり、温度変化などによって、樹脂部5や基板2に伸縮が生じ、樹脂部5内の内部応力の分布が変化すると考えられる。これにより、集積回路や基板2や樹脂部5などの歪量が変化し、その結果集積回路と基板2との間の浮遊容量の値が製造段階の値より変化することが考えられる。また、集積回路が圧接により基板2へ接続されている場合には、温度変化により圧接力が変化することも考えられる。そこで、上記製造方法により、内部応力を小さくできるので、温度変化などに対しても長期にわたり安定した特性を維持できる基板装置1を実現できる。
そしてもちろん、圧縮流入工程33で樹脂5aを強制的に隙間へ充填するので、印刷法やポッティングなどによる方法に比べ、電子部品3a(あるいは電子部品3b)と基板2との間にも確実に樹脂5aを充填できることは言うまでもない。したがって、非常に信頼性も良好な基板装置1を実現できる。
そして以上のように、圧縮圧力で電子部品3a(あるいは電子部品3b)が破壊することを少なくでき、また電子部品3a(あるいは電子部品3b)の変形も小さくできるので、電子部品3a(あるいは電子部品3b)の厚みも薄くすることができる。したがって、従来のトランスファ成形に比べて薄型の基板装置1を実現できる。
発明者らは上記製造方法を用い、約0.8mmの厚みで電子部品が両面に実装された基板装置1の実現に成功している。この場合、基板2の厚みが0.1mm、電子部品3a、電子部品3bの厚みが0.25mmと非常に薄いが、変形も小さく、特性ばらつきの小さな基板装置1を実現できている。そして、電子部品3aの上部の樹脂部5の厚みや、電子部品3bと補助板6との間が0.07mmと非常に薄いが、厚みの安定した樹脂部5を形成できている。
また、フランジ部6aが不要である場合には、適宜フランジ部6aを切除すればよい。このときフランジ部6aのみを切除しても良いが、樹脂部5の側面と切除部との間に若干の段差が形成されてしまう。そこで樹脂部5、さらには基板2も含めて切除してもかまわない。このようにすれば、基板装置1の側面では、樹脂部5(あるいは基板2)の側面と補助板6の側面(切断面)とが連続した同一平面上に形成された形となる。
なお、本実施の形態における基板装置1では、補助板6として樹脂板を用いたが、補助板6としてプリント基板を用いても良い。この場合、スペーサ7の上下面が電気的に接続されるような構成とし、このスペーサ7によって基板2と補助板6との間を電気的に接続すると良い。もちろん、スルーホールなどによって基板2と補助板6とを接続してもかまわない。そしてこのような場合、補助板6の下面やフランジ部6aの上面などに、外部回路と接続される接続端子を設けることもできる。さらに、その接続端子にコネクタなどを装着することもできることとなる。
また、樹脂部5や補助板6の表面にめっきやスパッタなどにより、金属膜を形成すれば、基板装置1上に形成された回路をシールドすることができる。これにより、基板装置1で生じる高周波ノイズや、高周波信号が外部へ放射されにくくできる。また逆に、外部の回路から高周波信号やノイズなどが基板装置1の回路へ妨害を与えにくくできる。これは、同じ筐体の中に種々の回路が搭載されるような機器(たとえばテレビ、パソコン、携帯電話)などに用いると特に有用である。これにより回路で生じるノイズ信号などによる妨害(回路の誤動作など)を少なくできる。そしてこの場合に、基板2と金属膜とを接続することにより、さらにしっかりとシールドすることができる。なおこのとき、補助板6にプリント基板を用いれば、金属膜は樹脂部5の周囲のみに形成すれば良いので、安価な基板装置1を実現できる。
さらに、補助板6に可撓性基材を用い、組み立て工程11において補助板6を粘着剤によりスペーサ7へ接続し、補助板6をスペーサ7や樹脂部5から剥離可能としておくと良い。このようにすれば、樹脂部形成工程12の後で、補助板6を剥がせば、厚みの薄い基板装置1を実現することができる。なお、樹脂部形成工程12では、フランジ部6aが形成されるので、このフランジ部6aを摘んで補助板6を剥がせば容易に補助板6を剥がすことができる。
図9は、本実施の形態における第2の例の基板装置の断面図であり、図10は、同基板装置の連結部における断面図である。なお、これら図9、図10において、図1から図8と同じものには同じ符号を用いており、その説明は簡略化している。では、これらの図面を用いて、本実施の形態における第2の例の基板装置1について説明する。
図9において、第2の例における基板装置1は、第1の例の基板装置1に対し、樹脂部5と補助板6の側面とが連続した同一平面上に形成されている。また、それらの樹脂部5と補助板6の側面には、金属膜51が形成されている。さらに、補助板6にはプリント基板が用いられ、その一方の面にはグランドパターン52bが形成されている。加えて、子基板2aは多層基板であり、内層にグランドパターン52aが形成されている。そして子基板2aには、子基板2aの外周より突出した連結部2bが離散的に形成されており、この連結部2bの側面にはグランドパターン52aの露出部が形成され、この露出部においてグランドパターン52aと金属膜51とが接続されている。なお連結部2b同士の間では、子基板2aの側面は樹脂部5から露出せず、樹脂5aによって覆われている。
これにより、子基板2aの上面に形成された回路は、金属膜51とグランドパターン52aとによって囲まれることとなる。したがって、子基板2aの上面に形成された回路をしっかりとシールドすることができる。また、グランドパターン52aによって子基板2aの上面に形成された回路と、下面に形成された回路とを電気的に分離・シールドすることができる。したがって、子基板2aの上下に形成された回路間の干渉を少なくできる。また、補助板6にもグランドパターン52bが形成されているので、子基板2aの下面に形成された回路もしっかりとシールドできる。
ここでこのグランドパターン52bは補助板6の全面に設けておき、補助板6の周縁部においてグランドパターン52bと金属膜51とが接続されている。これにより、子基板2aの下面に形成された回路は、グランドパターン52aとグランドパターン52bと金属膜51とによって囲まれるので、子基板2aの下面に形成された回路をしっかりとシールドできる。
以上の構成により子基板2a上に形成された回路は樹脂部5の表面に設けられた金属膜51と、補助板6のグランドパターン52bとによって囲まれることとなる。したがって、子基板2a上の回路をしっかりとシールドできる。そしてこのように完全にシールドを施した基板装置1を例えば携帯電話などのような電子機器へ用いれば、回路の生じるノイズなどを基板装置1内で閉じ込めることができるので、電子機器の樹脂筐体の内部へシールド金属膜などを形成する必要がなくなる。
ここで本実施の形態における補助板6では、補助板6の上面にグランドパターン52bを設けている。これによりたとえば基板装置1の取り扱い時に落下させ、補助板6の下端部が欠けたとしても、グランドパターン52bと金属膜51との間の接続が外れたりしにくくなる。また、後述する分割工程61においてグランドパターン52bのバリが生じにくくできる。ただしこの場合、銅箔の上面を覆うようにレジスト膜(樹脂膜、図示せず)を設けておくと良い。このようにすれば、銅箔と樹脂5aとが直接に接着されず、レジスト膜を介して接着される。したがって、樹脂5aは樹脂製のレジスト膜と接着されることとなるので、しっかりと接着する。
なお、補助板6に片面銅張り基板を用い、グランドパターン52bを補助板6の下面側に形成しても良い。そしてこの場合には、補助板6の樹脂基材上に直接に樹脂部5が形成されることとなる。つまり、樹脂同士が接着されるので、接着力は大きくできる。
次に第2の例における基板装置1の製造方法について説明する。図11は、本実施の形態の第2の例における基板装置の製造フローチャートであり、図12は同、実装工程11aにおける基板の上面図であり、図13は貼り付け工程での基板装置の断面図である。図11から図13において、図1から図10と同じものには同じ符号を用い、その説明は簡略化している。
図11から図13において、基板2は、複数の子基板2aが複数の連結部2bによって連結されて構成されている。なお、連結部2bは離散的に設けられ、これら連結部2b同士の間には、基板2を貫通する孔2cが形成されている。そして実装工程11aでは、このような基板2に対し、電子部品3aや電子部品3b、さらにスペーサ7が実装される。本実施の形態において、スペーサ7は連結部2b上に装着される。したがって、子基板2a内にスペーサ7が配置されないので、子基板2aのスペースを有効に利用することができる。したがって、小型の基板装置1を実現できる。
図14は、本実施の形態の樹脂部形成工程における第2の例の基板装置の断面図である。図12に示したように、連結部2bの間には孔2cが形成され、この孔2cの上下方向は開放された状態となるので、浸漬工程32では、樹脂5aがこの孔2cを通って基板2(子基板2a)と補助板6との間に流れ込むことができる。これにより図14に示すように、樹脂部形成工程12において、確実に樹脂5aを基板2と補助板6との間に充填できることとなる。なお、本例では孔2cを設けたが、基板2と樹脂槽23内面との間に十分な距離をとることができる場合には、樹脂5aは基板2の側面側から基板2と補助板6との間に流れ込むことができるので、孔2cを設けなくても良い。このようにすれば、子基板2a同士の距離を近くできるので、基板2を小さくできる。あるいは、基板2内にさらに多くの子基板2aを配置することができ、安価な基板装置1を得ることができる。
図15は本実施の形態の分割工程における第2の例の基板装置の断面図である。図15において図1から図14と同じものには同じ符号を用い、その説明は簡略化している。図12に示したように、本例における基板装置1では、複数個の子基板2aが連結されている。そこで、樹脂部形成工程12の後には、分割工程61が設けられる。この分割工程61では、ダイシング歯などによって基板2を切断し、子基板2aへ分割するものである。
なお本実施の形態における分割工程61では、連結部2bの位置において基板2を切断する。これはダイシング歯でグランドパターン52aを切断するのを、連結部2bのみとするためである。これにより分割時にダイシング歯の磨耗がしにくくなる。そしてこの分割工程61では、連結部2bの切断と同時に樹脂部5や補助板6も切断されるので、樹脂部5と子基板2a(連結部2b)や補助板6の側面には切断面が形成される。そしてこれらの切断面は連続した同一平面上に形成されることとなる。
そしてこの分割工程61によって、子基板2a(連結部2b)の側面には、グランドパターン52aが露出するとともに、補助板6の側面にはグランドパターン52bが露出する。つまり樹脂部5の側面にグランドパターン52aやグランドパターン52bの端部が露出することとなる。
金属膜形成工程62は、分割工程61の後で樹脂部5表面や子基板2a(連結部2b)と補助板6の側面(切断面)に金属膜51を形成する工程である。本実施の形態における金属膜形成工程62は、スパッタによって金属膜51を形成している。そしてこの金属膜形成工程62によって、樹脂部5の側面から露出したグランドパターン52aやグランドパターン52bと金属膜51とが接続される。
なお、基板2上にはアンテナ(図示せず)なども搭載されている。そこで、アンテナが装着された位置に対応する箇所には、金属膜51の不形成部を設けておく。これにより基板2上にアンテナなどを搭載することができる。そしてこの金属膜51の不形成部は、金属膜形成工程62(スパッタ)において、金属膜51の不形成部とすべき箇所にマスキングすることで容易に形成できる。
図16は、本実施の形態における第3の例の基板装置の断面図であり、図17は、同、基板装置の製造フローチャートである。なお、図16、図17において、図9から図11と同じものは同じ符号を用いており、その説明は簡略化している。図16、図17において、第3の例の基板装置1は、第2の例の基板装置1に対し、補助板6に段差部55が形成され、補助板6においてこの段差部55の下側には金属膜51の不形成部が形成されている点が異なる。
そしてこの第3の例の基板装置1の製造方法は、樹脂部形成工程12までの工程は、第2の例の基板装置1と同じである。本例では、樹脂部形成工程12の後で、連結部2bに対応する位置において、樹脂部5に溝を形成する溝形成工程63を有している。この溝形成工程63では、樹脂部5のみでなく、補助板6の一部まで達する深さの溝が形成される。つまりこの状態では、連結部2bは切断され子基板2a同士は分離するが、補助板6によって連結された状態のままとなる。ここで、溝はグランドパターン52bが樹脂部5(補助板6)側面から露出される深さとする。そのために、この例の場合、グランドパターン52bは補助板6の上面(もしくは内層)に形成される。そしてこの場合、樹脂部5や連結部2bの側面(切断面)と補助板6の側面上部(切断面)とが、連続した同一平面上に形成されることとなる。
第3の例の基板装置1の製造方法では、溝形成工程63の後で、金属膜形成工程62が先に行われる。これにより樹脂部5の表面と補助板6における溝の内周面(樹脂部5上面と溝の内周面)に金属膜51が形成される。これにより、樹脂部5(補助板6)側面から露出したグランドパターン52bと金属膜51とが接続されることとなる。この例における基板装置1では、金属膜形成工程62が、補助板6で連結された状態で行うことができるので、非常に生産性が良好である。
最後に金属膜形成工程62の後で、分割工程61が行われ、連結部2bにおいて子基板2a同士が切断されて分離される。これにより段差部55の下側に、金属膜51の不形成部が形成されることとなる。そしてこのとき、本例では溝の幅よりも細い幅のダイシング歯を使って分割している。これにより補助板6には樹脂部5よりも突出した段差部55が形成されることとなる。これにより、たとえスパッタのような薄い金属膜51であっても、金属膜51へ傷などをつけなくできる。本例では、段差部55は突出した形状としたが、これは凹んだ形状としてもよい。この場合、分割工程61において溝の幅よりも太い幅のダイシング歯によって加工する。ただし、補助板6の下面側から加工することにより、金属膜51へ傷などをつけないようにできる。そしてこのように段差部55を凹んで形成すれば、突出する箇所がなく、小さな基板装置1を実現できる。
(実施の形態2)
以下、実施の形態2におけるモジュール101(基板装置の一例として用いた)について図面を用いて説明する。図18は、本実施の形態におけるモジュールの断面図である。なお、図18において、図1から図17と同じものには同じ符号を用いており、その説明は簡略化している。図18において、本実施の形態におけるモジュール101は、実施の形態1における第2または第3の例の基板装置1と同じ製造方法で製造される。ただし本実施の形態のモジュール101は、第2あるいは第3の例の基板装置1に対し、補助板6の下面に装着端子102(外部接続用端子の一例として用いた)が形成されている点が異なる。この装着端子102は、基板2に形成された回路を外部の回路へと接続するための入出力端子であり、そのために、装着端子102と基板2との間はスペーサ7を介して接続される。つまりこの例においてのスペーサ7は、基板2と補助板6との間の機械的な固定(接続)に加えて、電気的な接続も行うものである。そしてこの装着端子102によって、直接モジュール101を親基板へ装着することもできる。したがって、容易に外部回路との接続用の端子を形成できる。
以下、実施の形態2におけるモジュール101(基板装置の一例として用いた)について図面を用いて説明する。図18は、本実施の形態におけるモジュールの断面図である。なお、図18において、図1から図17と同じものには同じ符号を用いており、その説明は簡略化している。図18において、本実施の形態におけるモジュール101は、実施の形態1における第2または第3の例の基板装置1と同じ製造方法で製造される。ただし本実施の形態のモジュール101は、第2あるいは第3の例の基板装置1に対し、補助板6の下面に装着端子102(外部接続用端子の一例として用いた)が形成されている点が異なる。この装着端子102は、基板2に形成された回路を外部の回路へと接続するための入出力端子であり、そのために、装着端子102と基板2との間はスペーサ7を介して接続される。つまりこの例においてのスペーサ7は、基板2と補助板6との間の機械的な固定(接続)に加えて、電気的な接続も行うものである。そしてこの装着端子102によって、直接モジュール101を親基板へ装着することもできる。したがって、容易に外部回路との接続用の端子を形成できる。
本実施の形態では、装着端子102によって直接親基板へと接続するのではなく、装着端子102上にコネクタ103を装着し、このコネクタ103によって親基板と接続される。なおこのコネクタ103の装着は、少なくとも樹脂部形成工程12の後で行えばよい。例えば第2の例における基板装置の製造方法により製造する場合、金属膜形成工程62の後で補助板6の下面にコネクタ103を実装すると良い。一方、第3の例の基板装置の製造方法により製造する場合、金属膜形成工程62と分割工程61との間で、コネクタ103を装着すると良い。
そして、装着端子102と基板2との間を電気的に接続するために、スペーサ7の上面には上側接続端子(図示せず)を設け、下面には下側接続端子(図示せず)を設け、これら上側接続端子と下側接続端子とはスペーサ7を貫通して設けられた接続導体(図示なし)で接続されている。一方基板2の下面において、スペーサ7の上側接続端子に対応する位置には、接続端子が形成される。また、補助板6の上面において、下側接続端子に対応する位置にも、接続端子104が形成される。そして、この補助板6の接続端子104と装着端子102との間は、補助板6を貫通する接続導体105により接続されている。なお、基板2の接続端子とスペーサ7の上側接続端子との間や、スペーサ7の下側接続端子と接続端子104との間は、導電性の接続部剤106によって接続している。本実施の形態において、接続部剤としてはんだを用いている。
以上の構成により、入出力用の端子を有するモジュール101を容易に形成することができる。また、基板2と装着端子102との間の接続は、スペーサ7によって行われることとなる。したがって、別途スペーサ7を実装する必要がないので、安価なモジュール101を実現できる。
図19は、本実施の形態における第2の例のモジュールの断面図である。図19において、図1から図18と同じものには、同じ符号を用いており、その説明は簡略化している。モジュール101(基板装置の他の例として用いた)は、本実施の形態における第1の例では、補助板6の下面に形成された装着端子102を基板2に形成された回路の入出力端子として用いたが、本例ではスペーサ7の下側接続端子7aを回路の入出力端子として用いる。そのために、本例におけるモジュール101では、補助板6を除去し、樹脂部5の下面において接続端子104が露出するようにしたものである。
そして、本例におけるモジュール101は、実施の形態1における第2の例あるいは第3の例における基板装置1の製造方法によって製造される。このとき、補助板6は樹脂部5から剥離可能とするために、補助板6の上面に剥離可能な粘着剤が塗布されている。さらに、樹脂部5から剥離し易くするために、可撓性基材を用いているので、補助板6を樹脂部5から容易に剥離できる。
そして本例のモジュール101を、実施の形態1における第2の例の製造方法で製造する場合、組み立て工程11において、補助板6は、この粘着剤によってスペーサ7と固定されることとなる。そして、樹脂部形成工程12の後のいずれかの工程において補助板6と粘着剤とを樹脂部5から剥がせばよい。本例では、樹脂部形成工程12と分割工程61との間で、補助板6を剥がしている。これにより、一気に補助板6を剥がすことができる。
また実施の形態1における第3の例の製造方法によって製造する場合、分割工程61では、樹脂部5から補助板6を剥離することにより分離されることとなる。したがって、分割工程61では、ダイシング歯などによる加工は不要となる。なお、実施の形態1における第1の例のように、分割が不要である場合には、樹脂部形成工程12の後で補助板6を剥離すればよい。
図20は、本実施の形態における第3の例のモジュールの断面図である。本例におけるモジュール101(基板装置の他の例として用いた)は、実施の形態2における第1の例のモジュール101に対し、装着端子102が基板2の下面に形成されている点が異なる。そしてそのために、基板2の下面側において、装着端子102に対応する位置には空隙110が設けられ、補助板6において空隙110に対応した位置には孔111が設けられている。これにより、基板2へ装着された状態において、スペーサ7には下方(補助板6の側)に開口が形成される。なお本例では、基板2に形成された回路と外部の回路との間の接続は、装着端子102に装着されたコネクタ103(外部接続用端子の一例として用いた)によって行ったが、装着端子102(外部接続用端子の他の例として用いた)によって外部回路と接続しても良い。
ここで本例におけるスペーサ7の内部には空隙110が形成される。そして、スペーサ7の上下端が基板2や補助板6と固定されることにより、樹脂部5内に空隙110が形成されることとなる。本例においてコネクタ103は四角形であるので、空隙110は四角形(下方から見て)であり、スペーサ7の外形形状も四角形(四角柱)である。
本例のモジュール101は、実装工程11aにおいて孔の開いた(空隙110が形成された)筒状のスペーサ7が装着される。ここで、スペーサ7は装着端子102を囲むように(空隙110で装着端子102が露出するように)装着される。貼り付け工程11bにおいて、スペーサ7の下端を補助板6の上面へ固定する。このとき、補助板6の孔111が空隙110の位置に対応するようにする。そして軟化工程31では、補助板6が搭載部22へ搭載されるので、スペーサ7の開口は搭載部22によって塞がれることとなる。このようにすることにより、樹脂部形成工程12において樹脂5aが空隙110へ流れ込むことを防止できるので、孔111から装着端子102が外部に露出することとなる。したがって、外部回路との接続用の端子として、装着端子102を利用してもよい。あるいは、装着端子102へコネクタ103などを装着して用いることもできる。
なお、樹脂部形成工程12において、空隙110の樹脂5aが流れ込まないようにするため、スペーサ7と基板2との間や、スペーサ7と補助板6との間に隙間が生じないようにすることが重要である。そのために、本例ではスペーサ7と基板2や補助板6との間の隙間は、熱硬化性の樹脂(樹脂流入阻止する部材の一例として用いた)で封止している。これは実装工程11aや貼り付け工程11bにおいて、ペースト状の樹脂をスペーサ7の外周に添って全周に塗布し、加熱・硬化させることによって封止している。これにより樹脂部形成工程12において樹脂5aが空隙110へ流入することを防止できる。
なお、本例におけるコネクタ103の高さは、基板2の下面と補助板6の下面との間の距離より低い。したがって、樹脂部形成工程12において、コネクタ103が基板2に装着されていても邪魔にならない。そこで、このような場合には、コネクタ103は実装工程11aにおいて、電子部品3bと同時に実装することも可能であるので、非常に生産性が良好である。なお、コネクタ103の高さが、基板2の下面と補助板6の下面との間の距離より高い場合には、樹脂部形成工程12の後でコネクタ103を装着すればよい。
図21は、本実施の形態における第4の例のモジュールの断面図であり、図22は、同、組み立て工程における第4の例のモジュールの断面図であり、図23は、同、樹脂部形成工程における第4のモジュールの断面図であり、図24は、同、分割工程における第4のモジュールの断面図である。これら図21から図24において、図1から図20までと同じものには、同じ符号を用い、その説明は簡略化している。
本例におけるモジュール101(基板装置の他の例として用いた)は、実施の形態2における第3の例のモジュール101に対し、コネクタ103の開口が樹脂部5側面に形成されている点が異なる。そのために、スペーサ7には空隙110が設けられ、このスペーサ7において樹脂部5の側面側に開口が形成されている。そして、金属膜51において空隙110に対応する位置には孔112が設けられて、外部から装着端子102が露出したかたちとなっている。したがって、容易に外部回路との接続用の端子を形成できる。本例においては、装着端子102へ装着したコネクタ103(外部接続用端子の一例として用いた)を外部との接続用端子として用いているが、装着端子102(外部接続用端子の他の例として用いた)を外部との接続用端子として用いても良い。
本例のモジュール101は、実装工程11aで装着端子102に対応する位置にスペーサ7を装着する。このスペーサ7の一方の面には、開口部を有し、スペーサ7は開口部が装着端子102(基板2下面)と対向する向きで、基板2へ装着される。これにより、装着端子102はスペーサ7で完全に覆われることとなる。なお本例においては、スペーサ7によってコネクタ103が覆われることとなる。貼り付け工程11bでは、スペーサ7の下面に補助板6を貼り付ける。樹脂部形成工程12では、基板2の上面と、基板2と補助板6との間に樹脂部5を形成する。ここで空隙110はスペーサ7と基板2とによって囲まれているので、空隙110内には樹脂5aが充填されない。そして分割工程61における樹脂部5の切除は、空隙110が分割される位置で行う。これにより、樹脂部5の側面に開口が形成されるようにする。
このようにすることにより、樹脂部形成工程12において樹脂5aが空隙110へ流れ込むことを防止できるので、孔112から装着端子102が外部に露出することとなる。したがって、容易に外部回路との接続用の端子を形成できる。本実施の形態では、装着端子102へ汎用のコネクタ103を装着して、外部との接続を行っているが、装着端子102へ導線などを接続するなどして、外部回路と接続してもよい。
なお、樹脂部形成工程12において、空隙110へ樹脂5aが流れ込まないようにするため、スペーサ7と基板2との間に隙間が生じないようにすることが重要である。そのために、本例ではスペーサ7と基板2との間は、熱硬化性の樹脂をスペーサ7の外周に添って全周に塗布し、実装工程11aや貼り付け工程11bで加熱することにより硬化させている。
なお、本例におけるコネクタ103は、樹脂部5の側面より突出しない。したがって、樹脂部形成工程12において、コネクタ103が基板2に装着されていても邪魔にならない。そこで、このような場合には、コネクタ103は実装工程11aにおいて、電子部品3bと同時に実装することも可能であるので、非常に生産性が良好である。ところが、コネクタ103が樹脂部5の側面より突出する場合、樹脂部形成工程12の後でコネクタ103を装着すればよい。このようにすれば、樹脂部5から突出する大きなコネクタ103も利用できる。
本発明にかかる樹脂封止基板装置は、樹脂封止の工程において基板の傾きが小さいという効果を有し、モジュール等に用いると有用である。
2 基板
3a 電子部品
3b 電子部品
5 樹脂部
6 補助板
7 スペーサ
102 装着端子
3a 電子部品
3b 電子部品
5 樹脂部
6 補助板
7 スペーサ
102 装着端子
Claims (8)
- 基板と、少なくともこの基板の下面に実装された電子部品と、この電子部品を覆うとともに、前記基板の両面に設けられた樹脂部とを備え、前記樹脂部の下面に設けられた補助板と、一方がこの補助板へ固定されるとともに、他方が前記基板へ固定され、前記樹脂部内に埋設されたスペーサとを設け、前記スペーサの高さは前記基板の下面に装着された電子部品の高さより高くした樹脂封止基板装置において、基板の下面には、前記基板上に形成される回路と外部回路とを接続する外部接続用端子が形成されるとともに、前記スペーサには、前記外部接続用端子を外部から露出状態とすべく設けられた空隙が形成され、前記スペーサがこの外部接続端子に対応する位置に装着された樹脂封止基板装置。
- スペーサには、樹脂部の側面方向に開口が形成された請求項1に記載の樹脂封止基板装置。
- スペーサと基板との間の隙間は樹脂流入阻止部材により封止された請求項2に記載の樹脂封止基板装置。
- スペーサは、内部に空隙を有した筒状とするとともに、補助板における前記空隙に対応する位置には、孔が形成された請求項1に記載の樹脂封止基板装置。
- スペーサと基板との間の隙間および、前記スペーサと補助板との間の隙間は、樹脂流入阻止部材により封止された請求項4に記載の樹脂封止基板装置。
- 接続端子にはコネクタが装着された請求項2または4に記載の樹脂封止基板装置。
- 補助板と少なくとも下方に電子部品が実装された基板との間を、内部に空隙を有した筒状のスペーサを介して接続固定し、その後で樹脂槽の上方に前記基板を載置し、前記樹脂槽へ投入された非流動状態の前記樹脂が流動可能となるまで軟化させ、その後で前記電子部品を前記軟化した樹脂へ浸漬するとともに、前記補助板の下面を前記樹脂の液面へ接触させ、その後で前記樹脂を圧縮するとともに加熱して前記樹脂を硬化させ、前記樹脂基板上に前記樹脂部を形成する樹脂封止基板装置の製造方法において、前記スペーサを固定する工程では前記スペーサと基板との間や、前記スペーサと補助板の間の隙間を樹脂流入阻止部材で封止するとともに、前記基板を搭載する工程では前記基板を搭載する搭載部によって前記空隙の開口部を塞ぐ樹脂封止基板装置の製造方法。
- 補助板と少なくとも下方に電子部品が実装された基板との間を、内部に空隙を有し、一方に開口を有するスペーサを介して接続固定し、その後で樹脂槽の上方に前記補助板が上方を向く方向で前記基板を載置し、前記樹脂槽へ投入された非流動状態の前記樹脂が流動可能となるまで軟化させ、その後で前記電子部品を前記軟化した樹脂へ浸漬するとともに、前記補助板の下面を前記樹脂の液面へ接触させ、その後で前記樹脂を圧縮するとともに加熱して前記樹脂を硬化させ、前記樹脂基板上に前記樹脂部を形成し、その後で前記樹脂部を切除する樹脂封止基板装置の製造方法において、前記スペーサを固定する工程では前記スペーサを前記開口が前記基板を向く方向で搭載するとともに、前記スペーサと基板との間の隙間を樹脂流入阻止部材で封止し、前記樹脂部を切除する工程における樹脂の切除は、前記空隙が分割される位置で切除する樹脂封止基板装置の製造方法。
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