JP2012027288A - 近赤外反射フィルム及びそれを設けた近赤外反射体 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造コストが安く、大面積化が可能であり、耐久性にすぐれた近赤外反射フィルムを提供すること。
【解決手段】高屈折率層と低屈折率層が交互に積層された複数の層を有する近赤外反射フィルムにおいて、隣接する前記高屈折率層と前記低屈折率層の少なくとも一対の屈折率差が0.3以上であり、少なくとも1層が金属酸化物および下記一般式(1)で表わされる無機ポリマーを含むことを特徴とする近赤外反射フィルム。
(M(O)(OR(OR(X)(Y) ・・・一般式(1)
ただし、MはAl、Zr、Hfのいずれかの元素であり、Oは酸素原子であり、RおよびRはアルキル基、アシル基またはHであって、XおよびYはOH、ハロゲン原子、NO、SO、CO、RCOO(ただしRはアルキル基または水素原子)またはHOである。
【選択図】なし

Description

本発明は低コストで大面積化が可能で、耐久性に優れた近赤外反射フィルム及びそれを設けた近赤外反射体に関する。
近年、省エネへの関心の高まりから、冷房設備にかかる負荷を減らすために、建物や車両の窓ガラスから太陽光の熱線の透過を遮断する近赤外反射フィルムの要望が高まってきている。
従来、近赤外反射フィルムとして、高屈折率層と低屈折率層とを交互に積層させた積層膜を蒸着法、スパッタ法、などのドライ製膜法で作成する方法の提案がされている。しかし、ドライ製膜法は大型の真空装置を必要とする点から製造コスト高く、大面積化が困難であり、また高温で処理する場合が多く、支持体として耐熱性素材に限定される等の課題がある。
上記課題に対し、湿式塗布法を用いて作製する方法として、金属酸化物粒子を紫外線硬化樹脂からなるバインダーに分散させたものを用いて交互積層する方法が開示されている(特許文献1)。しかし特許文献1のように紫外線硬化樹脂を用いる場合には光があたった状態での光学特性の劣化が大きく、窓ガラスに用いるには耐久性に課題があることが分かった。
特開2004−122364号公報
高屈折率層の金属酸化物として好ましく用いられる酸化チタンは光に暴露されると活性になり周辺の有機物を分解する性質を有する。そのため高屈折粒子として酸化チタンを用いる場合、バインダーとして有機化合物を用いると光の暴露により酸化チタンによって分解して変色したりヘイズが増加したりして耐久性に課題があった。本発明は、上記問題、状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、製造コストが安く、大面積化が可能であり、耐久性にすぐれた近赤外反射フィルム及びそれを設けた近赤外反射体を提供することにある。
本発明の目的は、以下の手段により達成された。
1.高屈折率層と低屈折率層が交互に積層された複数の層を有する近赤外反射フィルムにおいて、前記複数の層の中で隣接する高屈折率層と低屈折率層の少なくとも一対の屈折率差が0.3以上であり、少なくとも1層が金属酸化物および下記一般式(1)で表わされる無機ポリマーを含むことを特徴とする近赤外反射フィルム。
(M(O)(OR(OR(X)(Y) ・・・一般式(1)
ただし、iおよびjは0または1、kは2以上の整数であり、l、m、nは0〜2の整数であり、l+m+n=2であり、MはAl、Zr、Hfのいずれかの元素であり、Oは酸素原子であり、RおよびRはアルキル基、アシル基またはH(水素原子)であって、同一でも異なってもよく、XおよびYはOH、ハロゲン原子、NO、SO、CO、RCOO(ただしRはアルキル基または水素原子)またはHOである。
一般式(1)の無機ポリマーは主鎖がM−Oの結合の繰り返しでできており、光の暴露によって分解されにくいため、耐久性が向上したと推定される。
2.前記無機ポリマーが下記一般式(2)または(3)で表わされる繰り返し単位を有することを特徴とする前記1に記載の近赤外反射フィルム。
Figure 2012027288
ただし、bおよびcは0または1であり、MはAl、Zr、Hfのいずれかの元素であり、Oは酸素原子であり、RおよびRはアルキル基、アシル基またはH(水素原子)であって同一でも異なってもよく、XおよびYはOH、ハロゲン原子、NO、SO、CO、RCOO(ただしRはアルキル基または水素原子)またはHOであり、実線は共有結合を表わし、破線は配位結合、イオン結合または共有結合を表わす。
一般式(2)で表わされる無機バインダーは主鎖が複数の結合により形成されており、この結合が強固なために、さらに耐久性が向上したと考えられる。
3.前記隣接する高屈折率層と低屈折率層のいずれにも前記一般式(1)で表わされる無機ポリマー、前記一般式(2)の繰り返し単位を有する無機ポリマー、および一般式(3)の繰り返し単位を有する無機ポリマーから選ばれる少なくとも1つが含まれることを特徴とする前記1または2に記載の近赤外反射フィルム。
4.前記一般式(1)〜(3)のXまたはYがHOであることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の近赤外反射フィルム。
5.前記1〜4のいずれか1項に記載の近赤外反射フィルムが基体の少なくとも一方の面に設けられたことを特徴とする近赤外反射体。
長期間光に暴露されても変色せず、ヘイズも増加しない耐久性に優れた近赤外反射フィルムを提供することができた。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
〔近赤外反射フィルム〕
本発明の近赤外反射フィルムは、高分子フィルム上に互いに屈折率が異なる膜(高屈折率層と低屈折率層)を積層させた多層膜を有し、JIS R3106−1998で示される可視光領域の透過率が50%以上で、かつ、波長900nm〜1400nmの領域に反射率50%を超える領域を有することが好ましい。
この領域の赤外線が室内に入射することにより、室内温度が上昇するため、これを遮蔽することで室内温度の上昇を抑えることが出来る。例えば、本発明の近赤外線反射フィルムを窓ガラスに貼ることにより室内に入射する赤外線を低減し温度上昇を抑えることが出来る。
高屈折率層と低屈折率層の屈折率の差は大きいほど、赤外反射率が高くなり好ましいが、本発明では、隣接する該高屈折率層と低屈折率層との屈折率差が0.3以上であることを特徴とし、好ましくは0.4以上であり、更に好ましくは0.45以上である。
特定波長領域の反射率は、隣接する2層の屈折率差と積層数で決まり、屈折率の差が大きいほど、少ない層数で同じ反射率を得られる。この屈折率差と必要な層数については、市販の光学設計ソフトを用いて計算することができる。例えば、赤外反射率90%以上を得るためには、屈折率差が0.3より小さいと、20層以上の積層が必要になり、生産性が低下するだけでなく、積層界面での散乱が大きくなり、透明性が低下し、また故障なく製造することも非常に困難になる。反射率の向上と層数を少なくする観点からは、屈折率差に上限はないが、実質的には1.40程度が限界である。
また、本発明の近赤外反射フィルムにおいては、隣接する該高屈折率層と低屈折率層との屈折率差が0.3以上であることを特徴するが、高屈折率層と低屈折率層を上記のようにそれぞれ複数層有する場合には、全ての屈折率層が本発明で規定する要件を満たすことが好ましい。ただし、最表層に関しては、本発明で規定する要件外の構成であっても良い。
また、本発明の近赤外反射フィルムにおいては、高屈折率層の好ましい屈折率としては1.80〜2.50であり、より好ましくは1.90〜2.20である。また、低屈折率層の好ましい屈折率としては1.10〜1.60であり、より好ましくは1.30〜1.50である。
また、本発明の近赤外反射フィルムにおいては、金属酸化物は少なくとも高屈折率層に添加することが好ましく、より好ましくは高屈折率層と低屈折率層の両層に添加することである。
屈折率層の屈折率の大きさは、例えば、金属酸化物の種類を適宜採用することによって調整がかのうである。高屈折率層には高屈折率の金属酸化物粒子(例えば酸化チタン、酸化ジルコニウムなど)を、低屈折率層には低屈折率の金属酸化物粒子(例えば酸化ケイ素など)を選択することで屈折率差を出すことが可能である。
〔金属酸化物〕
本発明の近赤外反射フィルムにおいては、高屈折率層及び低屈折率層の少なくとも1層が、金属酸化物を含有することを特徴の1つとする。
本発明に係る金属酸化物としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、ハイドロタルサイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、二酸化ケイ素(例えば、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ等)、アルミナ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料等を挙げることができるが、その中でも、二酸化チタンまたは二酸化ケイ素が好ましく、高屈折率層は二酸化チタンを含有し、低屈折率層は二酸化ケイ素を含有することが好ましい。
本発明に係る金属酸化物は、1次粒子の数平均粒径が1〜100nmの微粒子であることが、可視光の透過性の点と製造が可能であることから好ましく、4〜20nmであることが更に好ましく、4〜10nmであることが最も好ましい。また二次粒子の平均粒径としては、30nm以下であることが、ヘイズが少なく可視光透過性に優れる観点で好ましい。
本発明に係る金属酸化物の平均粒径は、粒子そのものあるいは屈折率層の断面や表面に現れた粒子を電子顕微鏡で観察し、1,000個の任意の粒子の粒径を測定し、その単純平均値(個数平均)として求められる。ここで個々の粒子の粒径は、その投影面積に等しい円を仮定したときの直径で表したものである。
本発明の高屈折率層で用いる金属酸化物としては、TiO、ZnO、ZrOが好ましく、高屈折率層を形成するための後述の金属酸化物粒子含有組成物の安定性の観点ではTiO(二酸化チタンゾル)がより好ましい。また、TiOの中でもルチル型が、触媒活性が低いために高屈折率層や隣接した層の耐候性が高くなり、さらに屈折率が高いことから好ましい。
本発明で用いることのできる二酸化チタンゾルの調製方法としては、例えば、国際特許WO2007/039953の段落番号〔0011〕〜〔0024〕のルチル型微粒子酸化チタンの調製方法や、「酸化チタン−物性と応用技術」清野学(2000年)技報堂出版株式会社の255頁から258頁に記載されている方法を参考に調製することができる。
また、その他の二酸化チタンゾルの調製方法としては、例えば、特開昭63−17221号公報、特開平7−819号公報、特開平9−165218号公報、特開平11−43327号公報等参照にすることができる。
二酸化チタン微粒子の好ましい一次粒子径は、5nm〜15nmであり、より好ましくは6nm〜10nmである。
本発明に係る低屈折率層においては、金属酸化物として二酸化ケイ素を用いることが好ましく、酸性のコロイダルシリカゾルを用いることが特に好ましい。
本発明で用いることのできる二酸化ケイ素(以降、シリカと称す)としては、その平均粒径が100nm以下であることが好ましい。一次粒子の状態で分散された二酸化ケイ素の一次粒子の平均粒径(塗設前の分散液状態での粒径)は、20nm以下のものが好ましく、より好ましくは10nm以下である。また二次粒子の平均粒径としては、30nm以下であることが、ヘイズが少なく可視光透過性に優れる観点で好ましい。
通常の湿式法で合成されたシリカ、コロイダルシリカ或いは気相法で合成されたシリカ等が好ましく用いられるが、本発明において特に好ましく用いられる微粒子シリカとしては、コロイダルシリカまたは気相法で合成された微粒子シリカが好ましい。
好ましく用いられる、一次粒子の平均粒径が4〜20nmである気相法により合成されたシリカゾルとしては、例えば、日本アエロジル社製のアエロジルが市販されている。二酸化ケイ素ゾルである気相法微粒子シリカは、水中に、例えば、三田村理研工業株式会社製のジェットストリームインダクターミキサーなどにより、容易に吸引分散することで、比較的容易に一次粒子まで分散することができる。
また、アルミナまたはアルミナ水和物は、結晶性であっても非晶質であってもよく、また不定形粒子、球状粒子、針状粒子など任意の形状のものを使用することができる。
前記金属酸化物の含有量は、各含有層毎に50質量%以上、95質量%以下が好ましく、60質量%以上90質量%以下がより好ましい。金属酸化物の含有量を50質量%以上とすることにより、高屈折率層と低屈折率層の屈折率差を大きくすることが容易であり、金属酸化物の含有量を95質量%以下とすることにより、膜がもろくなることがなく、近赤外反射フィルムを形成することも容易となる。
〔無機ポリマー〕
本発明では金属酸化物のバインダーとして少なくとも一般式(1)で表わされる無機ポリマーを用いる。本発明でバインダーとして一般式(1)で表わされる無機ポリマーを用いることにより、耐久性が向上することがわかった。
(M(O)(OR(OR(X)(Y) ・・・一般式(1)
ただし、iおよびjは0または1、kは2以上の整数であり、l、m、nは0〜2の整数であり、l+m+n=2であり、MはAl、Zr、Hfのいずれかの元素であり、Oは酸素原子であり、RおよびRはアルキル基、アシル基またはHであって、同一でも異なってもよく、XおよびYはOH、ハロゲン原子、NO、SO、CO、RCOO(ただしRはアルキル基または水素原子)またはHOである。
前記一般式(1)で表わされる無機ポリマーは、耐久性の点から、下記一般式(2)または(3)で表わされる繰り返し単位を有する化合物であることが好ましい。
Figure 2012027288
ただし、bおよびcは0または1であり、MはAl、Zr、Hfのいずれかの元素であり、Oは酸素原子であり、RおよびRはアルキル基、アシル基またはHであって同一でも異なってもよく、XおよびYはOH、ハロゲン原子、NO、SO、CO、RCOO(ただしRはアルキル基または水素原子)またはHOであり、実線は共有結合を表わし、破線は配位結合、イオン結合または共有結合を表わす。
前記無機ポリマーは、一般式(2)、(3)において、X、Y、bおよびcが異なった複数種の繰り返し単位を有していてもよい。
前記一般式(1)〜(3)において、Mはジルコニウム原子あるいはアルミニウム原子であることが好ましい。
前記一般式(2)において、MはZrであることが好ましく、RはHであることが好ましく、XはOHであることが好ましい。
前記一般式(3)において、MはAlであることが好ましく、RおよびRはHであることが好ましく、XはHOであることが好ましい。
前記一般式(1)〜(3)のジルコニウム原子を含む無機ポリマーの具体例としては、塩化ジルコニル、硫酸ジルコニル、硫酸ジルコニルナトリウム、酸性硫酸ジルコニル三水和物、硝酸ジルコニル、炭酸ジルコニル、炭酸ジルコニルアンモニウム、酢酸ジルコニル、酢酸ジルコニルアンモニウム、ステアリン酸ジルコニル、等が挙げられる。
これらの化合物の中でも、炭酸ジルコニル、炭酸ジルコニルアンモニウム、酢酸ジルコニル、硝酸ジルコニル、塩化ジルコニル、が好ましく、特に、炭酸ジルコニルアンモニウム、塩化ジルコニル、酢酸ジルコニルが好ましい。上記化合物の具体的商品名としては、第一稀元素化学工業製のジルコゾールZA−20(酢酸ジルコニル)、第一稀元素化学工業製のジルコゾールZC−2(塩化ジルコニル)、第一稀元素化学工業製のジルコゾールZN(硝酸ジルコニル)等が挙げられる。
上記ジルコニウム原子を含む無機ポリマーの内の代表的な化合物の構造式を下記に示す。
Figure 2012027288
ただし、s、tは1以上の整数を表わす。
ジルコニウム原子を含む無機ポリマーは、単独で用いても良いし、異なる2種類以上の化合物を併用してもよい。
また、前記一般式(1)〜(3)のアルミニウム原子を含む無機ポリマーの具体例としては、塩基性塩化アルミニウム、塩基性硫酸アルミニウム、塩基性硫酸珪酸アルミニウム等が挙げられる。これらの中でも、塩基性塩化アルミニウム、塩基性硫酸アルミニウムが好ましい。上記化合物の具体的商品名としては、多木化学製のタキバイン#1500等が挙げられる。
前記タキバイン#1500の構造式を下記に示す。
Figure 2012027288
ただし、s、t、uは1以上の整数を表わす。
前記無機ポリマーの添加量は、金属酸化物100質量部に対して1〜100質量部が好ましく、2〜50質量部が更に好ましい。
無機ポリマーは、金属酸化物のバインダーとして、屈折率層の全層に含有されていることが望ましい。
〔ポリビニルアルコール〕
バインダーとして、無機ポリマーの他に、耐久性を劣化させない範囲で水溶性有機バインダーを用いてもよい。該水溶性有機バインダーとしては、ポリビニルアルコールが好ましく用いられる。
前記ポリビニルアルコールには、ポリ酢酸ビニルを加水分解して得られる通常のポリビニルアルコールの他に、末端をカチオン変性したポリビニルアルコールやアニオン性基を有するアニオン変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコールも含まれる。
酢酸ビニルを加水分解して得られるポリビニルアルコールは、平均重合度が1,000以上のものが好ましく用いられ、特に平均重合度が1,500〜5,000のものが好ましく用いられる。また、ケン化度は、70〜100%のものが好ましく、80〜99.5%のものが特に好ましい。
カチオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、特開昭61−10483号に記載されているような、第一〜三級アミノ基や第四級アンモニウム基を上記ポリビニルアルコールの主鎖または側鎖中に有するポリビニルアルコールであり、カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体と酢酸ビニルとの共重合体をケン化することにより得られる。
カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば、トリメチル−(2−アクリルアミド−2,2−ジメチルエチル)アンモニウムクロライド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3,3−ジメチルプロピル)アンモニウムクロライド、N−ビニルイミダゾール、N−ビニル−2−メチルイミダゾール、N−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、ヒドロキシルエチルトリメチルアンモニウムクロライド、トリメチル−(2−メタクリルアミドプロピル)アンモニウムクロライド、N−(1,1−ジメチル−3−ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド等が挙げられる。カチオン変性ポリビニルアルコールのカチオン変性基含有単量体の比率は、酢酸ビニルに対して0.1〜10モル%、好ましくは0.2〜5モル%である。
アニオン変性ポリビニルアルコールは、例えば、特開平1−206088号に記載されているようなアニオン性基を有するポリビニルアルコール、特開昭61−237681号および同63−307979号に記載されているような、ビニルアルコールと水溶性基を有するビニル化合物との共重合体及び特開平7−285265号に記載されているような水溶性基を有する変性ポリビニルアルコールが挙げられる。
また、ノニオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、特開平7−9758号に記載されているようなポリアルキレンオキサイド基をビニルアルコールの一部に付加したポリビニルアルコール誘導体、特開平8−25795号に記載されている疎水性基を有するビニル化合物とビニルアルコールとのブロック共重合体等が挙げられる。ポリビニルアルコールは、重合度や変性の種類違いなど二種類以上を併用することもできる。
本発明においては、ポリビニルアルコールを使用する場合には、硬化剤を使用してもよい。
〔硬化剤〕
前記水溶性有機バインダーを使用する場合は、該水溶性有機バインダーを硬化させるため、硬化剤を使用することが好ましい。
本発明に適用可能なる硬化剤としては、水溶性有機バインダーと硬化反応を起こすものであれば特に制限はないが、ホウ酸及びその塩が好ましいが、その他にも公知のものが使用でき、一般的には水溶性有機バインダーと反応し得る基を有する化合物あるいは水溶性高分子が有する異なる基同士の反応を促進するような化合物であり、水溶性有機バインダーの種類に応じて適宜選択して用いられる。硬化剤の具体例としては、例えば、エポキシ系硬化剤(ジグリシジルエチルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ジグリシジルシクロヘキサン、N,N−ジグリシジル−4−グリシジルオキシアニリン、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル等)、アルデヒド系硬化剤(ホルムアルデヒド、グリオキザール等)、活性ハロゲン系硬化剤(2,4−ジクロロ−4−ヒドロキシ−1,3,5,−s−トリアジン等)、活性ビニル系化合物(1,3,5−トリスアクリロイル−ヘキサヒドロ−s−トリアジン、ビスビニルスルホニルメチルエーテル等)、アルミニウム明礬等が挙げられる。
ホウ酸またはその塩とは、硼素原子を中心原子とする酸素酸およびその塩のことをいい、具体的には、オルトホウ酸、二ホウ酸、メタホウ酸、四ホウ酸、五ホウ酸および八ホウ酸およびそれらの塩が挙げられる。
硬化剤としてのホウ素原子を有するホウ酸およびその塩は、単独の水溶液でも、また、2種以上を混合して使用しても良い。特に好ましいのはホウ酸とホウ砂の混合水溶液である。
ホウ酸とホウ砂の水溶液は、それぞれ比較的希薄水溶液でしか添加することが出来ないが両者を混合することで濃厚な水溶液にすることが出来、塗布液を濃縮化する事が出来る。また、添加する水溶液のpHを比較的自由にコントロールすることが出来る利点がある。
上記硬化剤の総使用量は、上記水溶性有機バインダー1g当たり1〜600mgが好ましい。また、上記水溶性有機バインダー1g当たり100〜600mgが好ましい。
(アミノ酸の添加)
本発明においては、更に、金属酸化物の分散性を向上させる目的で、アミノ酸を添加することが好ましい。
本発明でいうアミノ酸とは、同一分子内にアミノ基とカルボキシル基を有する化合物であり、α−、β−、γ−などいずれのタイプのアミノ酸でもよいが、等電点が6.5以下のアミノ酸であることが好ましい。アミノ酸には光学異性体が存在するものもあるが、本発明においては光学異性体による効果の差はなく、いずれの異性体も単独であるいはラセミ体で使用することができる。
本発明に適用可能なアミノ酸に関する詳しい解説は、化学大辞典1 縮刷版(共立出版;昭和35年発行)268頁〜270頁の記載を参照することができる。
本発明において、好ましいアミノ酸として、グリシン、アラニン、バリン、α−アミノ酪酸、γ−アミノ酪酸、β−アラニン、タウリン、セリン、ε−アミノ−n−カプロン酸、ロイシン、ノルロイシン、フェニルアラニン、トレオニン、アスパラギン、アスパラギン酸、ヒスチジン、リジン、グルタミン、システイン、メチオニン、プロリン、ヒドロキシプロリン等を挙げることができ、水溶液として使用するためには、等電点における溶解度が、水100に対し、3g以上が好ましく、たとえば、グリシン、アラニン、セリン、ヒスチジン、リジン、グルタミン、システイン、メチオニン、プロリン、ヒドロキシプロリンなどが好ましく用いられ、金属酸化物粒子が、バインダーと緩やかな水素結合を有する観点から、水酸基を有する、セリン、ヒドロキシプロリンを用いることがさらに好ましい。
〔その他の添加剤〕
本発明に係る高屈折率層と低屈折率層には、必要に応じて各種の添加剤を含有させることが出来る。
例えば、特開昭57−74193号公報、同57−87988号公報及び同62−261476号公報に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号、同57−87989号公報、同60−72785号公報、同61−146591号公報、特開平1−95091号公報及び同3−13376号公報等に記載されている退色防止剤、アニオン、カチオンまたはノニオンの各種界面活性剤、特開昭59−42993号公報、同59−52689号公報、同62−280069号公報、同61−242871号公報および特開平4−219266号公報等に記載されている蛍光増白剤、硫酸、リン酸、酢酸、クエン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等のpH調整剤、消泡剤、ジエチレングリコール等の潤滑剤、防腐剤、帯電防止剤、マット剤等の公知の各種添加剤を含有させることもできる。
〔近赤外反射フィルムの製造方法〕
本発明の近赤外反射フィルムは、支持体上に高屈折率層と低屈折率層を交互に塗布、乾燥して積層体を形成する。
塗布方式としては、例えば、ロールコーティング法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコーティング法、スプレーコーティング法、カーテン塗布方法、あるいは米国特許第2,761,419号、同第2,761,791号公報に記載のホッパーを使用するスライドビード塗布方法、エクストルージョンコート法等が好ましく用いられる。
同時重層塗布を行う際の高屈折率層塗布液と低屈折率層塗布液の粘度としては、スライドビード塗布方式を用いる場合には、5〜100mPa・sの範囲が好ましく、さらに好ましくは10〜50mPa・sの範囲である。また、カーテン塗布方式を用いる場合には、5〜1200mPa・sの範囲が好ましく、さらに好ましくは25〜500mPa・sの範囲である。
また、塗布液の15℃における粘度としては、100mPa・s以上が好ましく、100〜30,000mPa・sがより好ましく、さらに好ましくは3,000〜30,000mPa・sであり、最も好ましいのは10,000〜30,000mPa・sである。
塗布および乾燥方法としては、高屈折率層塗布液と低屈折率層塗布液を30℃以上に加温して、塗布を行った後、形成した塗膜の温度を1〜15℃に一旦冷却し、10℃以上で乾燥することが好ましく、より好ましくは、乾燥条件として、湿球温度5〜50℃、膜面温度10〜50℃の範囲の条件で行うことである。また、塗布直後の冷却方式としては、形成された塗膜均一性の観点から、水平セット方式で行うことが好ましい。
〔近赤外反射フィルムの応用〕
本発明の近赤外反射フィルムは、幅広い分野に応用することができる。例えば、建物の屋外の窓や自動車窓等長期間太陽光に晒らされる設備に貼り合せ、熱線反射効果を付与する熱線反射フィルム等の窓貼用フィルム、農業用ビニールハウス用フィルム等として、主として耐候性を高める目的で用いられる。特に、本発明に係る近赤外反射フィルムが直接もしくは接着剤を介してガラスもしくはガラス代替樹脂基材に貼合されている部材には好適である。
接着剤は、窓ガラスなどに貼り合わせたとき、近赤外反射フィルムが日光(熱線)入射面側にあるように設置する。また近赤外反射フィルムを窓ガラスと基材との間に挟持すると、水分等周囲ガスから封止でき耐久性に好ましい。本発明の近赤外反射フィルムを屋外や車の外側(外貼り用)に設置しても環境耐久性があって好ましい。
本発明に適用可能な接着剤としては、光硬化性もしくは熱硬化性の樹脂を主成分とする接着剤を用いることができる。
接着剤は紫外線に対して耐久性を有するものが好ましく、アクリル系粘着剤またはシリコーン系粘着剤が好ましい。更に粘着特性やコストの観点から、アクリル系粘着剤が好ましい。特に剥離強さの制御が容易なことから、アクリル系粘着剤において、溶剤系及びエマルジョン系の中で溶剤系が好ましい。アクリル溶剤系粘着剤として溶液重合ポリマーを使用する場合、そのモノマーとしては公知のものを使用できる。
また、合わせガラスの中間層として用いられるポリビニルブチラール系樹脂、あるいはエチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂を用いてもよい。具体的には可塑性ポリビニルブチラール〔積水化学工業社製、三菱モンサント社製等〕、エチレン−酢酸ビニル共重合体〔デュポン社製、武田薬品工業社製、デュラミン〕、変性エチレン−酢酸ビニル共重合体〔東ソー社製、メルセンG〕等である。なお、接着層には紫外線吸収剤、抗酸化剤、帯電防止剤、熱安定剤、滑剤、充填剤、着色、接着調整剤等を適宜添加配合してもよい。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
実施例1
〔試料1の作製〕(比較例)
無機ポリマー(コルコート製 HAS−1:テトラエトキシシランの部分縮合物の部分加水分解物であり一般式(1)〜(3)に該当しない化合物)1部、ルチル型酸化チタン微粒子(石原産業製 TTO−51A 数平均粒径20nm)2部をイソプロパノール70部中に分散させて高屈折層塗布液1を作成した。次に、コロイダルシリカ(日産化学製 スノーテックスOS 数平均粒径10nm)100部とアクリルラテックス(東洋インキ製 TOCRYL X−4454)10部を混合・分散させて低屈折率層塗布液1を作成した。高屈折率層は乾燥膜厚135nm、低屈折率層は乾燥膜厚175nmになるように交互に各々6層(合計12層)を厚さ50μmのPET上にワイヤーバーで塗布、乾燥して試料1を作成した。
〔試料2の作製〕(比較例)
低屈折率層塗布液1の代わりに、コロイダルシリカ(日産化学製 IPA−ST)4部と無機ポリマー(コルコート製 HAS−1)1部、イソプロパノール20部を混合・分散させて作成した低屈折率層塗布液2を使用したほかは試料1と同様にして試料2を作製した。
〔試料3の作製〕(本発明)
高屈折率層塗布液1の代わりに、無機ポリマー(第一稀元素化学工業製、ジルコゾールZC−2:例示化合物−5)3部、ルチル型酸化チタン微粒子(石原産業製 TTO−51A)2部、蒸留水50部を混合・分散させて作成した高屈折率層塗布液2を使用したほかは試料2と同様にして試料3を作製した。
〔試料4の作製〕(本発明)
低屈折率層塗布液2の代わりに、無機ポリマー(第一稀元素化学工業製、ジルコゾールZC−2)3部、コロイダルシリカ(日産化学製 スノーテックスOS)20部、蒸留水100部を混合・分散させて作成した低屈折率層塗布液3を使用したほかは試料3と同様にして試料4を作製した。
〔試料5の作製〕(本発明)
高屈折率層塗布液2の代わりに、無機ポリマー(第一稀元素化学工業製、ジルコゾールZC−2)1部、ジルコニアゾル(日産化学製 ナノユースZR30−AL)4部、蒸留水25部を混合・分散させて作成した高屈折率層塗布液3を使用したほかは試料4と同様にして試料5を作製した。
〔試料6の作製〕(本発明)
低屈折率層塗布液3の代わりに、無機ポリマー(多木化学製、タキバイン#1500:例示化合物6)3部、コロイダルシリカ(日産化学製 スノーテックスOS)20部、蒸留水100部を混合・分散させて作成した低屈折率層塗布液4を使用したほかは試料4と同様にして試料6を作製した。
〔試料7の作製〕(本発明)
高屈折率層塗布液2の代わりに、無機ポリマー(多木化学製、タキバイン#1500)3部、ルチル型酸化チタン微粒子(石原産業製 TTO−51A)2部、蒸留水50部を混合・分散させて作成した高屈折率層塗布液4を使用したほかは試料6と同様にして試料7を作製した。
〔試料8の作製〕(本発明)
高屈折率層塗布液4の代わりに、無機ポリマー(多木化学製、タキバイン#1500)3部、ルチル型酸化チタン微粒子(石原産業製 TTO−51A)2部、ポリビニルアルコール(クラレ製 PVA203)の5%水溶液10部、蒸留水40部を混合・分散させて作成した高屈折率層塗布液5を使用し、低屈折率層塗布液4の代わりに、無機ポリマー(多木化学製、タキバイン#1500)3部、コロイダルシリカ(日産化学製 スノーテックスOS)20部、ポリビニルアルコール(クラレ製 PVA203)10部、蒸留水90部を混合・分散させて作成した低屈折率層塗布液5を使用したほかは試料7と同様にして試料8を作製した。
〔試料9の作製〕(本発明)
高屈折率層塗布液5の代わりに、無機ポリマー(多木化学製、タキバイン#1500)3部、ルチル型酸化チタン微粒子(石原産業製 TTO−51A)2部、ポリビニルアルコール(クラレ製 PVA203)の5%水溶液10部、4%ほう酸水溶液1部、蒸留水40部を混合・分散させて作成した高屈折率層塗布液6を使用し、低屈折率層塗布液5の代わりに、無機ポリマー(多木化学製、タキバイン#1500)3部、コロイダルシリカ(日産化学製 スノーテックスOS)20部、ポリビニルアルコール(クラレ製 PVA203)10部、4%ほう酸水溶液1部、蒸留水90部を混合・分散させて作成した低屈折率層塗布液6を使用したほかは試料8と同様にして試料9を作製した。
〔試料10の作製〕(比較例)
高屈折率層塗布液1の代わりに、アクリルラテックス(東洋インキ製 TOCRYL X−4454)5部、ルチル型酸化チタン微粒子(石原産業製 TTO−51A)10部、蒸留水200部を混合・分散させて作成した高屈折率層塗布液7を使用したほかは試料1と同様にして試料10を作製した。
(試料の評価)
〔耐久性評価〕
試料1〜10について、メタルハライドランプ式耐候性試験機(スガ試験機製 M6T)により放射照度1kW/mの光を100時間照射し、その前後において、ヘイズ値の変化量と、着色の有無を評価した。ヘイズ値は、ヘイズメーターにより測定した。着色は目視により判定した。
〔分光反射スペクトル測定〕
試料1〜10について、分光光度計(日立製U−4000)により300nm〜2000nmの領域の透過スペクトルと反射スペクトルを測定した。いずれの試料も可視光領域で透過率が50%以上であり、かつ波長900nm〜1400nmの近赤外光領域で反射率50%を超える反射ピークを有しており、近赤外反射フィルムが形成できていることが確認できた。
〔単層膜の屈折率測定〕
前記高屈折率層塗布液1〜7、前記低屈折率層塗布液1〜6を用いて、PET上に高屈折率層、低屈折率層の単層膜をそれぞれ形成し、分光エリプソメーター(例えば、JOVIN YVON)の光学薄膜の解析装置で、波長589nm(NaのD線)における屈折率を測定した。
Figure 2012027288
表1に単層試料の屈折率、および耐久性の試験結果を示す。表中の結果より明らかなように、本発明の試料は耐久性が向上していることがわかる。
実施例2
〔近赤外反射体1の作製〕
実施例1で作製した試料8の近赤外反射フィルムを用いて近赤外反射体1を作製した。厚さ5mm、20cm×20cmの透明アクリル樹脂板上に、試料8の近赤外反射フィルムをアクリル接着剤で接着して、近赤外反射体1を作製した。
〔近赤外反射体2の作製〕
実施例1に記載の試料8の近赤外反射フィルムを用いて近赤外反射体2を作製した。厚さ2mm、20cm×20cmの板ガラスを2枚用意し、試料8の近赤外反射フィルムの両側に、厚さ0.5mmのポリビニルブチラールを配置した積層体を2枚のガラスの間に挟んで加圧加熱処理を行うことで合わせガラスである近赤外反射体2を作製した。
〔評価〕
上記作製した近赤外反射体1、2共に、近赤外反射フィルムの適用を示したものであり、このようなものを製造する際にも、近赤外反射体の大きさにかかわらず、容易に利用可能であり、また、近赤外反射フィルムを利用したため、優れた近赤外反射性を確認することができた。

Claims (5)

  1. 高屈折率層と低屈折率層が交互に積層された複数の層を有する近赤外反射フィルムにおいて、前記複数の層の中で隣接する高屈折率層と低屈折率層の少なくとも一対の屈折率差が0.3以上であり、少なくとも1層が金属酸化物および下記一般式(1)で表わされる無機ポリマーを含むことを特徴とする近赤外反射フィルム。
    (M(O)(OR(OR(X)(Y) ・・・一般式(1)
    ただし、iおよびjは0または1、kは2以上の整数であり、l、m、nは0〜2の整数であり、l+m+n=2であり、MはAl、Zr、Hfのいずれかの元素であり、Oは酸素原子であり、RおよびRはアルキル基、アシル基またはH(水素原子)であって、同一でも異なってもよく、XおよびYはOH、ハロゲン原子、NO、SO、CO、RCOO(ただしRはアルキル基または水素原子)またはHOである。
  2. 前記無機ポリマーが下記一般式(2)または(3)で表わされる繰り返し単位を有することを特徴とする請求項1に記載の近赤外反射フィルム。
    Figure 2012027288
    ただし、bおよびcは0または1であり、MはAl、Zr、Hfのいずれかの元素であり、Oは酸素原子であり、RおよびRはアルキル基、アシル基またはH(水素原子)であって同一でも異なってもよく、XおよびYはOH、ハロゲン原子、NO、SO、CO、RCOO(ただしRはアルキル基または水素原子)またはHOであり、実線は共有結合を表わし、破線は配位結合、イオン結合または共有結合を表わす。
  3. 前記隣接する高屈折率層と低屈折率層のいずれにも前記一般式(1)で表わされる無機ポリマー、前記一般式(2)の繰り返し単位を有する無機ポリマー、および一般式(3)の繰り返し単位を有する無機ポリマーから選ばれる少なくとも1つが含まれることを特徴とする請求項1または2に記載の近赤外反射フィルム。
  4. 前記一般式(1)〜(3)のXまたはYがHOであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の近赤外反射フィルム。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の近赤外反射フィルムが基体の少なくとも一方の面に設けられたことを特徴とする近赤外反射体。
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