JP2012026943A - 遠赤外撮像装置およびそれを用いた撮像方法 - Google Patents

遠赤外撮像装置およびそれを用いた撮像方法 Download PDF

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Abstract

【課題】遠赤外光を試料へ照射し、試料の像を検出する遠赤外光撮像装置であって、高出力の光源を用いずに、撮像対象物である試料に損傷あるいは非線形現象を起こさせず、高速に試料を撮像できる装置および方法を得る。
【解決手段】遠赤外光を試料上で横長形状あるいは複数の点が横長に並んだ形状にして試料を照明し、遠赤外光の横長方向に直角な方向に試料を移動させながら像を検出することを特徴とする。さらに、遠赤外光発光素子へフェムト秒パルス光源からのパルス状のポンプ光をあてることにより、前記遠赤外光が放射されることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、試料中の化学物質成分分布の分析や異種成分あるいは異物の検査等の検査工程において、遠赤外領域の光を用いて試料の画像を撮影する遠赤外撮像装置およびそれを用いた撮像方法に関する。
波長25μmから4mm程度にわたる遠赤外領域の電磁波は、テラヘルツ波とも呼ばれ、電波の透過性と光の直進性を兼ね備え、かつこの領域の吸収スペクトルが多くの物質に固有のピークを持つことから、物質の同定に有効であると期待されている。しかし、従来はこの領域で発光する小型で使いやすい光源がなく、検出器も液体ヘリウム等で冷却するものが必要で扱いにくかったため、限られた研究用途にしか用いられていなかった。
1990年代になり、小型で冷却を必要としないフェムト秒レーザを用いた光源および検出器が実用化されたことによって、実用化に向けた研究開発が盛んになった。現在では、時間領域分光法に基づく汎用の分光測定装置が市販されており、セキュリティ,バイオセンシング,医療,製薬,工業,農業などの様々な分野の用途への適用研究開発が進められている(例えば、非特許文献1参照)。
産業応用に当たって、多くの分野で試料の画像を取得することが求められている。これを実現する手段として、従来は試料をxyステージに搭載し、点検出の分光分析装置を用いて試料を動かしながら測定を繰り返し、画像を取得する方法が知られている(例えば、非特許文献1参照)。また、2次元アレイの遠赤外光検出器を用いる方法(例えば、特許文献1参照)や、電気光学結晶と可視光用の2次元アレイのCCDカメラを用いて画像を取得する方法(例えば、特許文献2参照)が提案されている。さらに、1次元アレイの遠赤外光検出器を用いる方法が提案されている(例えば、非特許文献2参照)。
産業応用分野では、画像取得のスピードが要求される。ところが、従来の点測定を基本とし、試料をxy方向に動かして画像にする方法では、1枚の画像取得に数時間かかることもあり、実用化を妨げる要因となっている。高速化のためには、高出力の光源を用い、測定点により大きな光エネルギーを照射して1点あたりの測定時間を短縮し、xy方向への走査も高速化することが必要である。ところが、点測定で高出力の光を測定点にあてると、光エネルギーの吸収により生じる熱で試料が損傷したり、光の電場の強さのため非線形効果が生じてしまい、測定結果が変わってしまう可能性がある。一方、2次元アレイの検出器を用いる方法は、試料のxy方向の走査を不要とするので、高速化に適している。しかし、照明光の照度を保ったまま大面積を照明することが必要となり、さらに高出力の光源を必要とするという課題がある。また、光源の出力が足りない場合には、1箇所の画像を取得するために必要な露光時間が長くなり、十分な高速化の効果が得られないという課題がある。
特開2003−075251号公報 特表2000−514549号公報
テラヘルツテクノロジーフォーラム編、テラヘルツ技術総覧、p.426−456,発行所(有)エヌジーティー、2007年11月29日発行 Michael Herrmann et. al.,"Multi-channel Signal Recording with Photoconductive Antennas for THz Imaging",Proc. of 10th IEEE International Conference on THz Electronics (THz2002), p.28-31 (2002)
本発明の目的は、検査工程において、遠赤外領域の光を用いて試料の画像を撮影する遠赤外撮像装置およびそれを用いた撮像方法において、高出力の光源を用いず、撮像対象物である試料に損傷あるいは非線形現象を起こさせずに、高速に試料を撮像できる装置および方法を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の実施態様は、遠赤外光を試料上で横長形状あるいは複数の点が横長につながった形状にして試料を照明し、遠赤外光の横長方向に直角な方向に試料を移動させながら像を検出することを特徴とする。
本発明によれば、高出力の光源を用いず、撮像対象物である試料に損傷あるいは非線形現象を起こさせずに、高速に撮像することが可能な装置および方法を提供することができる。
遠赤外撮像装置の概略構成を示す構成図である。 遠赤外光発生素子の概略構成を示す構成図である。 遠赤外光検出素子の概略構成を示す構成図である。 試料表面上の遠赤外光の軌跡を示す平面図である。 遠赤外撮像装置の概略構成を示す構成図である。 遠赤外撮像装置の概略構成を示す構成図である。 試料表面上の遠赤外光の軌跡を示す平面図である。 遠赤外撮像装置の概略構成を示す構成図である。 遠赤外撮像装置の概略構成を示す構成図である。 点光源の一次元アレイの概略構成を示す構成図である。 点光源の一次元アレイの概略構成を示す構成図である。 遠赤外撮像装置の概略構成を示す構成図である。 遠赤外撮像装置の概略構成を示す構成図である。
以下、本発明の実施例について、図面を参照して説明する。
図1は、遠赤外撮像装置の概略構成を示す構成図である。図1(a)に示す遠赤外撮像装置は、フェムト秒パルス光源100,撮像部200,光学遅延部300,信号処理部400,制御部500で構成される。フェムト秒パルス光源100としては、中心波長が780nmから800nm、パルス幅が10フェムト秒から150フェムト秒程度、繰り返し周波数が50メガヘルツから100メガヘルツ程度のフェムト秒チタンサファイヤレーザや、ファイバレーザなどが用いられる。あるいは1.5マイクロメートル帯のファイバレーザを用いても良い。フェムト秒パルス光源100から放射されたフェムト秒パルス光は、ビームスプリッタと光学遅延部300とによって、遠赤外光の発生に用いるポンプ光110と、遠赤外光の検出に用いるプローブ光120とに分けられ、それぞれ撮像部200の照射光学素子210を経て、遠赤外光発生素子220および遠赤外光検出素子250に照射される。バイアス電源215から遠赤外光発生素子220の電極間にバイアス電圧をかけ、電極のギャップの部分にポンプ光110のパルスをあてることによって、ギャップの部分に電流が流れ、遠赤外パルス光が放射される。遠赤外光発生素子220は図2で、遠赤外光検出素子250は図3で説明する。
照明光学系としては、例えば、軸はずし放物面鏡230と円筒凹面鏡270が用いられる。円筒凹面鏡270は、図1(a)の紙面に対して垂直な方向に曲率をもったものを用いる。図1(b)は、図1(a)の破線で示す光学系部分280を、紙面の左方向から見た側面図で、照明光は試料240上で図1(a)の紙面に垂直な方向に絞られ、横長の幅広の線の形状、あるいは楕円形状になって照射される。
試料240は、試料をxyzの3軸方向に移動させることが可能なステージに搭載される。なお、このステージは、必要に応じて試料240のあおり調整を可能とするとよい。あおり調整を事前に行うことによって、xy方向の走査の際のz方向の位置変動を、照明光の焦点深度内に抑えれば、安定した高速撮像が可能となる。試料240を透過した光は、結像光学系を経て遠赤外光検出素子250に導かれ、試料240の像が遠赤外光検出素子250の受光面に形成される。
結像光学系としては、例えば、軸はずし放物面鏡272,274を組み合わせたものを用いる。数テラヘルツにわたる幅広い周波数帯域の光を結像させるため、この様に反射型光学系を用いると良い。原理的に色収差が生じないため、広い周波数帯域にわたって均一で高分解能な結像特性を得ることができる。さらに、軸はずし凹面鏡や凸面鏡を複数枚組み合わせると、幅広い視野を得ることも可能である。一方、波長帯域を限定することが可能な用途では、シリコン製やプラスティック製の透過型の光学素子を用いた光学系や、反射型光学素子と透過型光学素子を組み合わせた光学系を用いてもよい。この様に目的に応じて用いる光学系を選択することで設計自由度が増し、光学系の小型化と低コスト化が可能になる。また、テラヘルツ光は近赤外や中赤外の光と比較して波長が長いため、これらの波長帯と比較して分解能を確保することが難しい。この課題に対応するためには、結像光学系の投影倍率を1より大きくし、拡大投影系とすると良い。結像光学系のコストをあまり上げずに試料240側の開口数(NA)を大きくすることが可能となり、高分解能の撮像を低コストの光学系で実現することが可能となる。
遠赤外光検出素子250としては、リニアセンサとよばれる一次元の検出器アレイを用いる。具体的には、光伝導スイッチの一次元アレイ、または、マイクロボロメータの一次元アレイなどを用いる。図1に示す遠赤外光検出素子250は、光伝導スイッチの一次元アレイを用いる例である。遠赤外光検出に際しては、光伝導スイッチに、検出する遠赤外光に合わせてプローブ光120を照射し、光伝導スイッチで検出される電流を電流検出器255で検出する。増幅器を含む信号処理部400で処理して検出信号を得る。プローブ光120は、光学遅延部300と照射光学素子210を経て、遠赤外光検出素子250に照射される。検出領域に合わせて、照明光学系でビームを整形するとよい。本実施例では、試料240上の線状領域を照明し、それを遠赤外光検出素子250の受光面に結像させているので、遠赤外光検出素子250の受光面では、信号検出すべき領域も線状となる。そこで、照明光学系としては、回転対称のビームエクスパンダ278とシリンドリカルレンズ276とを用いて、遠赤外光検出素子250の受光面の線状の領域を照明すればよい。また、単にシリンドリカルレンズを用いるビームエクスパンダのような、図1中のx方向とy方向とでビーム拡大倍率の異なるビームエクスパンダを用いてもよい。
信号処理部400では、各測定点毎に、光学遅延部300によって遅延量を変えて取得された複数の検出信号をフーリエ変換処理し、スペクトルデータを算出する。信号処理部400に設けられた記憶域に蓄積された試料の無いときのスペクトルデータを参照データとして比較処理することで、吸収スペクトルを算出し、吸収スペクトルの2次元分布や吸収スペクトル画像を得たり、複素屈折率の波長依存性の2次元分布を算出したりすることができる。なお、一定の遅延量の測定データの取得に当たっては、自然に存在する背景光の影響を低減し、検出のSN比を増すために、ポンプ光110に1キロヘルツ程度の周波数で強度変調をかけ、遠赤外検出素子250からの信号をロックイン検出するとよい。強度変調には、ポンプ光110の光路に図示していないチョッパを設けてもよいし、遠赤外光発生素子220に印加しているバイアス電圧を変調してもよい。さらに、光学遅延部300の遅延量を一定値に固定して取得したデータを画像とし利用してもよい。
信号処理部400で処理された信号およびデータは、制御部500に送られる。制御部500は、装置全体を制御するとともに、ユーザインターフェースとして機能する。制御部500は、フェムト秒パルス光源100,撮像部200、およびその構成要素である遠赤外光発生素子220,試料240を載置するステージ、遠赤外光検出素子250,光学遅延部300,信号処理部400を制御するとともに、信号処理部400で処理された信号およびデータをディスプレイへ表示する。
図2は、遠赤外光発生素子の概略構成を示す構成図である。遠赤外光発生素子220の一例として、光伝導スイッチ224をシリコン製の半球状あるいは超半球状のレンズ222に取り付けた素子が用いられる。光伝導スイッチ224は、例えば低温成長させたガリウム砒素基板に電極226を形成したものである。バイアス電源215を用いて電極226にバイアス電圧をかけ、電極226のギャップ228の部分にポンプ光110のパルスを当てることによって、ギャップ228の部分に電流が流れ、遠赤外パルス光が放射される。ここで放射される遠赤外パルス光は、周波数成分として0.1テラヘルツから100テラヘルツ程度の範囲、あるいはその一部を含むことが望ましい。遠赤外光発生素子220としては、電気光学結晶やDAST(4−dimethylamino-N-methyl-4-stilbazolium tosylate)などの非線形光学結晶,半導体材料などを用いても良い。遠赤外光発生素子220から放射された遠赤外光は、照明光学系を経て試料240上の線状の領域に照射される。
図1(a)で説明した広い幅をもった線状の照射光で、試料240上の線状の領域を効率よく照明するために、光伝導スイッチ224の電極226のギャップ228に流れる電流の方向、あるいは、ギャップ228の方向を、試料240上の線状照明領域の長手方向に対応する方向にあわせるとよい。ギャップ228の部分で電流が図2に示したx方向に流れると、ここから放射される遠赤外パルス光の電場は、図2(a)の電場分布229で示すように、y方向の広がりがx方向の広がりよりも広い強度分布を持つ。そこで、照明光学系の軸はずし放物面鏡230と円筒凹面鏡270とによって、試料240上に照射される際に、y方向の集光の実効的な開口率(NA)が大きくなり、試料240上でy方向の幅がより細い線状領域照明を実現することが可能となる。
図3は、遠赤外光検出素子の概略構成を示す構成図である。遠赤外光検出素子250は、光伝導スイッチの一次元アレイを受光面254に配置したものを、シリコン製の半球状あるいは超半球状のレンズ252に取り付けた構成である。個々の光伝導スイッチは、遠赤外光発生素子220の例に示したものと同様であり、例えば低温成長させたガリウム砒素基板に電極を形成したものである。遠赤外光とプローブ光120が入射した際に生じる電流を、電流検出器255を用いて検出する。この例では一つのレンズ252に光伝導スイッチの一次元アレイを組み合わせる例を示したが、こうすることによって、個々の光伝導スイッチ間の間隔を1ミリメートル以下にすることができ、試料240の面の狭ピッチでの空間サンプリングが可能となる。一方、空間サンプリングのピッチをそれほど狭くする必要がない場合には、レンズ252として、例えば直径1ミリメートル程度の小さなレンズを採用し、1つのレンズに1つの光伝導スイッチを作ったものを並べて一次元アレイ検出器を構成してもよい。この場合は、レンズ252の光軸上に正確に光伝導スイッチを配置できるので、レンズ252に要求される軸外収差の仕様を緩和することが可能となり、レンズ252の設計,製作が容易となるとともに、一次元アレイの中心付近の光伝導スイッチと端点に近い位置の光伝導スイッチとの検出器としての検出特性の差をほとんどなくすことが可能になる。
図4は、試料表面上の遠赤外光の軌跡を示す平面図である。試料240の画像を取得する際、試料240の面上では、y方向に幅広くx方向に細長い線状の照明領域242で照明され、1回の測定で照明領域242内の検出領域に対応する一次元アレイ検出器のデータが取得される。試料240をx方向に直角なy方向に移動させ、照明領域242を試料上で矢印244で示す走査方向に移動させながら、一次元アレイ検出器のデータを逐次あるいは連続して取得することで、一次元アレイ検出器の幅に相当する領域のデータを取得することができる。試料240上の撮像したい領域の幅がこれを超える場合には、続いて試料240をx方向に移動させ、先に走査した領域に隣接する領域を再びy方向に走査する。これを繰り返すことによって、広い面積の撮像が可能となる。
図5は、遠赤外撮像装置の概略構成を示す構成図であり、図1に示したものに対して撮像部200のみが異なるので、撮像部200のみを記載している。遠赤外光発生素子220から試料240までの光学系は、図1に示したものと同じである。試料240を透過した光の像を遠赤外光検出素子250に結像させる結像光学系として、例えば米国特許5,291,339号公報に記載されたようなシュバルツシルト光学系素子292のような、光軸に対し回転対称な反射結像光学系素子を用いる。図1に示した軸はずし放物面鏡272,274を用いる方式は、簡便で幅の広い視野を確保しやすい反面、開口率(NA)を大きくすることが難しく、高分解能の撮像が難しいという課題がある。これに対し、光軸に対し回転対称な反射結像光学系素子では、中心が遮蔽されるが、開口率NA=0.6あるいはそれ以上を確保することが可能となる。遠赤外光検出素子250は、図3に示したような光伝導スイッチの一次元アレイをシリコン製の半球レンズあるいは超半球レンズに取り付けたものを用いると良い。
なお、本実施例の様に、開口率(NA)の高い光学系素子で幅広い視野を確保しようとする場合には、遠赤外光検出素子250の受光面254を球面あるいは円筒面のような曲面にするとよい。シュバルツシルト光学系素子の様な開口率(NA)の高い光学系素子で幅広い視野を撮影しようとする場合には、視野を制限する要因として像面湾曲が支配的になることが多い。そこで、像面の湾曲に合わせて検出面を湾曲させることで、像面湾曲を補正し、より広い視野を確保することが可能となる。
図6は、遠赤外撮像装置の概略構成を示す構成図であり、図1に示したものに対して撮像部200のみが異なるので、撮像部200のみを記載している。遠赤外光発生素子220から試料240までの光学系は、図1と同じである。試料240を透過した光の像を、遠赤外光検出素子250に結像させる結像光学系として、結像光学系の一次元アレイ294を用いる。図5に示したような光軸に対し回転対称な反射結像光学系素子を用いる場合は、高分解能化に適しているが視野246が狭くなることが多い。狭い視野で広い面積の撮像を行うためには、図4に示したような照明光の走査を行うことになるが、走査のライン数が多くなればそれだけ撮像時間が伸びてしまう。そこで、本実施例では、結像光学系を小型化し、並列に並べて一次元アレイを構成する。個々の結像光学系は、図5に示した光軸に対し回転対称な反射結像光学系でも良いし、シリコン等の材料を用いた屈折型の光学素子を複数組み合わせたものでもよい。広帯域の分光画像を撮像する場合には、色収差低減のために反射光学系を用いることが適している。一方、多少の色収差が許容できる場合、あるいは、光軸付近の遮蔽による結像特性の変化が無視できない場合には、シリコン等の材料による屈折型光学素子の組み合わせを用いると良い。遠赤外光検出素子250は、図3に示した光伝導スイッチの一次元アレイをシリコン製の半球レンズあるいは超半球レンズに取り付けたものを用いると良い。
図7は、試料表面上の遠赤外光の軌跡を示す平面図である。図6に示した結像光学系の一次元アレイを用いる際の、試料240の面上の走査の方法を示している。結像光学系を並べた場合、個々の光学系の視野246が光学系の幅を超えていれば、隣接する光学系間に撮像できない領域が生じることなく問題はない。しかし、高分解能化を目指し光学系の開口率(NA)を大きくする場合には、困難である場合が多い。図7(a)に示すように、個々の光学系の配置の間隔をpとしたとき、試料240の面上の線状の照明領域242に対して、個々の結像光学系の視野246a,246b,246cは間隔pで並び、それぞれの間に撮像できない領域が生じる。そこで、矢印244aで示される1回目のy方向の走査で撮像できなかった領域を、矢印244bで示される折り返したあとの2回目の走査で撮像する。このときのx方向の送り幅は、p/2とし、2回目のy方向走査を行う。あるいは、光学系をy方向にずらした位置にも並べ、視野が図7(b)に示すように配置されたものを用い、1列目の結像光学系の視野246a,246b,246cの間を2列目の結像光学系の視野246d,246eが撮像できるようにすることによって、1回のy方向走査で線状の照明領域242の全体の撮像が可能となり、y方向走査の回数を減らすことが可能となる。
図8は、遠赤外撮像装置の概略構成を示す構成図であり、図8(a)は、図1に示したものに対して撮像部200のみが異なるので、撮像部200のみを記載している。本実施例では、遠赤外光発生素子220として、図8(b)に示すような点光源の一次元アレイ610を用いる。遠赤外光発生素子220からの遠赤外光を試料240に導く照明光学系は、遠赤外光発生素子220面を試料240に結像させる結像光学系を用いる。例えば、軸はずし放物面鏡230a,230bを組み合わせたものでよい。その結果、試料240面上の照明領域は、図8(c)に示す様な点状の列の照明領域242となる。これも広い意味では線状照明と類似した照明である。試料240を透過した光は、結像光学系によって遠赤外光検出素子250a上に結像される。照明光のあたっている領域のみを検出できれば良いので、結像光学系として、図6に示した結像光学系の一次元アレイを用いることができる。個々の結像光学系の間の撮像できない領域を気にすることなく、高分解能の結像光学系を用いることができる。また、遠赤外光検出素子250aとして、小径のシリコンレンズに1つの光伝導スイッチを取り付けた光伝導スイッチを並べて一次元アレイ検出器を構成する例を示している。個々の結像光学系毎に検出する専用検出器を用いることで、どの検出器も検出器に取り付けたレンズ(例えば、図3に示すシリコンのレンズ252)の軸外集光特性の影響を受けずに信号を検出することが可能となる。図1の場合と同様、プローブ光120を線状に絞ってあてることで、電流検出器255aで検出信号を得ることができる。なお、遠赤外光検出素子250aとしては、図1および図3に示したように、一つのレンズ252に光伝導スイッチの一次元アレイを組み合わせたものを用いても良い。
図9は、遠赤外撮像装置の概略構成を示す構成図であり、図9(a)は、図1に示したものに対して撮像部200のみが異なるので、撮像部200のみを記載している。本実施例は、図8(a)に示した構成の変形例であり、試料240の面の照明光分布を、図9(c)に示すようにひとつひとつがx方向に広がった点がつながった集まり、あるいは、x方向につながった点の集まりにするものである。そのために、遠赤外光発生素子220からの遠赤外光を試料240に導く照明光学系として、y方向の断面内で結像するが、x方向の断面内では結像しない、あるいは、x方向の断面の結像倍率より大きな倍率で結像する光学系を用いる。試料240を透過した光は、結像光学系によって遠赤外光検出素子250上に結像される。遠赤外光検出素子250は、照明があたった領域全体にわたって信号検出ができるように、一次元アレイの検出器を用いる。x方向の照明領域の幅を広げることで、照明領域の間の非照明領域を減らし、1回のy方向走査でより多くのデータを取得することができるようになる。結果としてy方向走査の回数を減らすことができ、撮像時間の短縮が可能となる。
図10は、図8または図9に示した実施例で用いられる点光源の一次元アレイの概略構成を示す構成図である。図2に示した光伝導スイッチの電極を1列に並べて、シリコン製の半球状あるいは超半球状のレンズ222に取り付けた構成である。バイアス電源215を用いて、複数の光伝導スイッチに同じバイアス電圧をかけることによって、フェムト秒レーザのポンプ光110のパルスが当たった際に、同時に同じ強度の遠赤外光を発生させることができる。個々の光伝導スイッチに、フェムト秒レーザのポンプ光110パルスを効率よくあてるために、照射光学素子としては、レンズの一次元アレイを用いると良い。なお、本実施例では、光伝導スイッチのアレイに同じバイアス電圧をかける構成としたが、個別に異なる電圧をかけても良い。例えば、光伝導スイッチ間に性能ばらつきがある場合には、個別に異なる電圧をかけることによって、光伝導スイッチ間の性能差を補正し、一様な強度の出力を得ることが可能となる。
図11は、図8または図9に示した実施例で用いられる点光源の一次元アレイの概略構成を示す構成図であり、図10に示した例に対する変形例を示す。本実施例では、隣接する光伝導スイッチ同士に逆バイアスがかかるようにしている。こうすることで、試料240の面上で密に並んだ点照明領域の列を形成することが可能となり、離散的な点の測定が求められる場合に効率よく照明することが可能となる。なお、ここでは試料240の面上の照明領域として、図8(c)に示した様な照明領域242の列を作るために、光源として点光源の一次元アレイ610を用いる例を示したが、光源として1個の点光源を用い、照明光学系に回折型の光学素子を用いて、回折によって試料240の面上に点の照明領域242の列を作ってもよい。
図12は、遠赤外撮像装置の概略構成を示す構成図である。本実施例は、遠赤外光の発生および検出に、図1に示したフェムト秒パルス光源100を用いない例である。例えば、遠赤外光発生素子220として、量子カスケードレーザや、ショットキーバリアダイオードを用いることで、この様な構成が可能となる。遠赤外光検出素子250としては、マイクロボロメータアレイや、ショットキーバリアダイオードアレイ,シリコンやゲルマニウム結晶にアルミニウム,ガリウム,インジウムなどの3属元素や、リン,砒素,アンチモンなどの5属元素を加えた不純物半導体光伝導検出器などを用いることができる。フェムト秒パルス光源100を必要としないため、光学系の構成が簡素化できるとともに、装置コストの低減が可能となる。
図13は、遠赤外撮像装置の概略構成を示す構成図であり、特徴は、試料240の透過光を検出するのではなく、試料240で反射された光を検出する点である。図13(b)は、図13(a)に破線で示す光学系部分280をx方向から見た側面図である。また、照明光学系と結像光学系が同一部分で重なっているので、説明のために照明光学系を図13(a)に、結像光学系を図13(c)に分けて表している。
試料240からの反射光を検出するために、試料240の面の法線(z軸に平行な方向)に対して、照明光学系の円筒凹面鏡270と結像光学系の軸はずし放物面鏡272が、yz軸面内で逆方向に傾斜する配置としている。遠赤外光発生素子220から放射された遠赤外光は、照明光学系を経て試料240上の線状領域に照射される。図1の実施例と異なる点は、図13(b)に示すように、試料240の面の法線に対して照明する光学系の光軸が、yz軸面内でθiの傾きだけ傾斜している点である。試料240の面で反射された光は、結像光学系の軸はずし放物面鏡272を経て遠赤外光検出素子250に導かれ、試料240面の像が遠赤外光検出素子250面に形成される。結像光学系の軸はずし放物面鏡272は、試料240の面に対して、光軸がyz軸面内で、θdの傾きだけ傾斜している。吸収スペクトルを元にした画像を撮像したい場合には、正反射光を検出することが望ましいので、θi=θdとするとよい。一方、正反射光をさけ、散乱光を検出したい用途の場合には、θi>θd、あるいはθi<θdとするとよい。この様に、反射光を検出する構成とすることによって、透過率の低い物体の撮像や内部に層構造をもった物体の層構造の情報を含んだ撮像が可能となる。
以上述べたように、本発明の実施例によれば、検査工程において、遠赤外領域の光を用いて試料の画像を撮影する遠赤外撮像装置およびそれを用いた撮像方法において、高出力の光源を用いずに、撮像対象物である試料に損傷あるいは非線形現象を起こさせず、高速に試料を撮像できる装置および方法を得ることができる。
100 フェムト秒パルス光源
110 ポンプ光
120 プローブ光
200 撮像部
210 照射光学素子
220 遠赤外光発生素子
222,252 レンズ
230,272,274 軸はずし放物面鏡
240 試料
250 遠赤外光検出素子
254 受光面
270 円筒凹面鏡
292 シュバルツシルト光学系素子
294,610 一次元アレイ
300 光学遅延部
400 信号処理部
500 制御部
本発明は、試料中の化学物質成分分布の分析や異種成分あるいは異物の検査等の検査工程において、遠赤外領域の光を用いて試料の画像を撮影する遠赤外撮像装置およびそれを用いた撮像方法に関する。
波長25μmから4mm程度にわたる遠赤外領域の電磁波は、テラヘルツ波とも呼ばれ、電波の透過性と光の直進性を兼ね備え、かつこの領域の吸収スペクトルが多くの物質に固有のピークを持つことから、物質の同定に有効であると期待されている。しかし、従来はこの領域で発光する小型で使いやすい光源がなく、検出器も液体ヘリウム等で冷却するものが必要で扱いにくかったため、限られた研究用途にしか用いられていなかった。
1990年代になり、小型で冷却を必要としないフェムト秒レーザを用いた光源および検出器が実用化されたことによって、実用化に向けた研究開発が盛んになった。現在では、時間領域分光法に基づく汎用の分光測定装置が市販されており、セキュリティ,バイオセンシング,医療,製薬,工業,農業などの様々な分野の用途への適用研究開発が進められている(例えば、非特許文献1参照)。
産業応用に当たって、多くの分野で試料の画像を取得することが求められている。これを実現する手段として、従来は試料をxyステージに搭載し、点検出の分光分析装置を用いて試料を動かしながら測定を繰り返し、画像を取得する方法が知られている(例えば、非特許文献1参照)。また、2次元アレイの遠赤外光検出器を用いる方法(例えば、特許文献1参照)や、電気光学結晶と可視光用の2次元アレイのCCDカメラを用いて画像を取得する方法(例えば、特許文献2参照)が提案されている。さらに、1次元アレイの遠赤外光検出器を用いる方法が提案されている(例えば、非特許文献2参照)。
産業応用分野では、画像取得のスピードが要求される。ところが、従来の点測定を基本とし、試料をxy方向に動かして画像にする方法では、1枚の画像取得に数時間かかることもあり、実用化を妨げる要因となっている。高速化のためには、高出力の光源を用い、測定点により大きな光エネルギーを照射して1点あたりの測定時間を短縮し、xy方向への走査も高速化することが必要である。ところが、点測定で高出力の光を測定点にあてると、光エネルギーの吸収により生じる熱で試料が損傷したり、光の電場の強さのため非線形効果が生じてしまい、測定結果が変わってしまう可能性がある。一方、2次元アレイの検出器を用いる方法は、試料のxy方向の走査を不要とするので、高速化に適している。しかし、照明光の照度を保ったまま大面積を照明することが必要となり、さらに高出力の光源を必要とするという課題がある。また、光源の出力が足りない場合には、1箇所の画像を取得するために必要な露光時間が長くなり、十分な高速化の効果が得られないという課題がある。
特開2003−075251号公報 特表2000−514549号公報
テラヘルツテクノロジーフォーラム編、テラヘルツ技術総覧、p.426−456,発行所(有)エヌジーティー、2007年11月29日発行 Michael Herrmann et. al.,"Multi-channel Signal Recording with Photoconductive Antennas for THz Imaging",Proc. of 10th IEEE International Conference on THz Electronics (THz2002), p.28-31 (2002)
本発明の目的は、検査工程において、遠赤外領域の光を用いて試料の画像を撮影する遠赤外撮像装置およびそれを用いた撮像方法において、高出力の光源を用いず、撮像対象物である試料に損傷あるいは非線形現象を起こさせずに、高速に試料を撮像できる装置および方法を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の実施態様は、遠赤外光を試料上で横長形状あるいは複数の点が横長に並んだ形状にして試料を照明し、遠赤外光の横長方向に直角な方向に試料を移動させながら像を検出することを特徴とする。
本発明によれば、高出力の光源を用いず、撮像対象物である試料に損傷あるいは非線形現象を起こさせずに、高速に撮像することが可能な装置および方法を提供することができる。
遠赤外撮像装置の概略構成を示す構成図である。 遠赤外光発生素子の概略構成を示す構成図である。 遠赤外光検出素子の概略構成を示す構成図である。 試料表面上の遠赤外光の軌跡を示す平面図である。 遠赤外撮像装置の概略構成を示す構成図である。 遠赤外撮像装置の概略構成を示す構成図である。 試料表面上の遠赤外光の軌跡を示す平面図である。 遠赤外撮像装置の概略構成を示す構成図である。 遠赤外撮像装置の概略構成を示す構成図である。 点光源の一次元アレイの概略構成を示す構成図である。 点光源の一次元アレイの概略構成を示す構成図である。 遠赤外撮像装置の概略構成を示す構成図である。 遠赤外撮像装置の概略構成を示す構成図である。
以下、本発明の実施例について、図面を参照して説明する。
図1は、遠赤外撮像装置の概略構成を示す構成図である。図1(a)に示す遠赤外撮像装置は、フェムト秒パルス光源100,撮像部200,光学遅延部300,信号処理部400,制御部500で構成される。フェムト秒パルス光源100としては、中心波長が780nmから800nm、パルス幅が10フェムト秒から150フェムト秒程度、繰り返し周波数が50メガヘルツから100メガヘルツ程度のフェムト秒チタンサファイヤレーザや、ファイバレーザなどが用いられる。あるいは1.5マイクロメートル帯のファイバレーザを用いても良い。フェムト秒パルス光源100から放射されたフェムト秒パルス光は、ビームスプリッタによって、遠赤外光の発生に用いるポンプ光110と、遠赤外光の検出に用いるプローブ光120とに分けられ、それぞれ撮像部200の照射光学素子210およびシリンドリカルレンズ276を経て、遠赤外光発生素子220および遠赤外光検出素子250に照射される。バイアス電源215から遠赤外光発生素子220の電極間にバイアス電圧をかけ、電極のギャップの部分にポンプ光110のパルスをあてることによって、ギャップの部分に電流が流れ、遠赤外パルス光が放射される。遠赤外光発生素子220は図2で、遠赤外光検出素子250は図3で説明する。
照明光学系としては、例えば、軸はずし放物面鏡230と円筒凹面鏡270が用いられる。円筒凹面鏡270は、図1(a)の紙面に対して垂直な方向に曲率をもったものを用いる。図1(b)は、図1(a)の破線で示す光学系部分280を、紙面の左方向から見た側面図で、照明光は試料240上で図1(a)の紙面に垂直な方向に絞られ、横長の幅広の線の形状、あるいは楕円形状になって照射される。
試料240は、試料をxyzの3軸方向に移動させることが可能なステージに搭載される。なお、このステージは、必要に応じて試料240のあおり調整を可能とするとよい。あおり調整を事前に行うことによって、xy方向の走査の際のz方向の位置変動を、照明光の焦点深度内に抑えれば、安定した高速撮像が可能となる。試料240を透過した光は、結像光学系を経て遠赤外光検出素子250に導かれ、試料240の像が遠赤外光検出素子250の受光面に形成される。
結像光学系としては、例えば、軸はずし放物面鏡272,274を組み合わせたものを用いる。数テラヘルツにわたる幅広い周波数帯域の光を結像させるため、この様に反射型光学系を用いると良い。原理的に色収差が生じないため、広い周波数帯域にわたって均一で高分解能な結像特性を得ることができる。さらに、軸はずし凹面鏡や凸面鏡を複数枚組み合わせると、幅広い視野を得ることも可能である。一方、波長帯域を限定することが可能な用途では、シリコン製やプラスティック製の透過型の光学素子を用いた光学系や、反射型光学素子と透過型光学素子を組み合わせた光学系を用いてもよい。この様に目的に応じて用いる光学系を選択することで設計自由度が増し、光学系の小型化と低コスト化が可能になる。また、テラヘルツ光は近赤外や中赤外の光と比較して波長が長いため、これらの波長帯と比較して分解能を確保することが難しい。この課題に対応するためには、結像光学系の投影倍率を1より大きくし、拡大投影系とすると良い。結像光学系のコストをあまり上げずに試料240側の開口数(NA)を大きくすることが可能となり、高分解能の撮像を低コストの光学系で実現することが可能となる。
遠赤外光検出素子250としては、リニアセンサとよばれる一次元の検出器アレイを用いる。具体的には、光伝導スイッチの一次元アレイ、または、マイクロボロメータの一次元アレイなどを用いる。図1に示す遠赤外光検出素子250は、光伝導スイッチの一次元アレイを用いる例である。遠赤外光検出に際しては、光伝導スイッチに、検出する遠赤外光に合わせてプローブ光120を照射し、光伝導スイッチで検出される電流を電流検出器255で検出する。増幅器を含む信号処理部400で処理して検出信号を得る。プローブ光120は、光学遅延部300とシリンドリカルレンズ276を経て、遠赤外光検出素子250に照射される。検出領域に合わせて、シリンドリカルレンズ276や、後述の図13に示す光学系部分280でビームを整形するとよい。本実施例では、試料240上の線状領域を照明し、それを遠赤外光検出素子250の受光面に結像させているので、遠赤外光検出素子250の受光面では、信号検出すべき領域も線状となる。そこで、照明光学系としては、回転対称のビームエクスパンダ278とシリンドリカルレンズ276とを用いて、遠赤外光検出素子250の受光面の線状の領域を照明すればよい。また、単にシリンドリカルレンズを用いるビームエクスパンダのような、図1中のx方向とy方向とでビーム拡大倍率の異なるビームエクスパンダを用いてもよい。
信号処理部400では、各測定点毎に、光学遅延部300によって遅延量を変えて取得された複数の検出信号をフーリエ変換処理し、スペクトルデータを算出する。信号処理部400に設けられた記憶域に蓄積された試料の無いときのスペクトルデータを参照データとして比較処理することで、吸収スペクトルを算出し、吸収スペクトルの2次元分布や吸収スペクトル画像を得たり、複素屈折率の波長依存性の2次元分布を算出したりすることができる。なお、一定の遅延量の測定データの取得に当たっては、自然に存在する背景光の影響を低減し、検出のSN比を増すために、ポンプ光110に1キロヘルツ程度の周波数で強度変調をかけ、遠赤外検出素子250からの信号をロックイン検出するとよい。強度変調には、ポンプ光110の光路に図示していないチョッパを設けてもよいし、遠赤外光発生素子220に印加しているバイアス電圧を変調してもよい。さらに、光学遅延部300の遅延量を一定値に固定して取得したデータを画像とし利用してもよい。
信号処理部400で処理された信号およびデータは、制御部500に送られる。制御部500は、装置全体を制御するとともに、ユーザインターフェースとして機能する。制御部500は、フェムト秒パルス光源100,撮像部200、およびその構成要素である遠赤外光発生素子220,試料240を載置するステージ、遠赤外光検出素子250,光学遅延部300,信号処理部400を制御するとともに、信号処理部400で処理された信号およびデータをディスプレイへ表示する。
図2は、遠赤外光発生素子の概略構成を示す構成図である。遠赤外光発生素子220の一例として、光伝導スイッチ224をシリコン製の半球状あるいは超半球状のレンズ222に取り付けた素子が用いられる。光伝導スイッチ224は、例えば低温成長させたガリウム砒素基板に電極226を形成したものである。バイアス電源215を用いて電極226にバイアス電圧をかけ、電極226のギャップ228の部分にポンプ光110のパルスを当てることによって、ギャップ228の部分に電流が流れ、遠赤外パルス光が放射される。ここで放射される遠赤外パルス光は、周波数成分として0.1テラヘルツから100テラヘルツ程度の範囲、あるいはその一部を含むことが望ましい。遠赤外光発生素子220としては、電気光学結晶やDAST(4−dimethylamino-N-methyl-4-stilbazolium tosylate)などの非線形光学結晶,半導体材料などを用いても良い。遠赤外光発生素子220から放射された遠赤外光は、照明光学系を経て試料240上の線状の領域に照射される。
図1(a)で説明した広い幅をもった線状の照射光で、試料240上の線状の領域を効率よく照明するために、光伝導スイッチ224の電極226のギャップ228に流れる電流の方向、あるいは、ギャップ228の方向を、試料240上の線状照明領域の長手方向に対応する方向にあわせるとよい。ギャップ228の部分で電流が図2に示したx方向に流れると、ここから放射される遠赤外パルス光の電場は、図2(a)の電場分布229で示すように、y方向の広がりがx方向の広がりよりも広い強度分布を持つ。そこで、照明光学系の軸はずし放物面鏡230と円筒凹面鏡270とによって、試料240上に照射される際に、y方向の集光の実効的な開口率(NA)が大きくなり、試料240上でy方向の幅がより細い線状領域照明を実現することが可能となる。
図3は、遠赤外光検出素子の概略構成を示す構成図である。遠赤外光検出素子250は、光伝導スイッチの一次元アレイを受光面254に配置したものを、シリコン製の半球状あるいは超半球状のレンズ252に取り付けた構成である。個々の光伝導スイッチは、遠赤外光発生素子220の例に示したものと同様であり、例えば低温成長させたガリウム砒素基板に電極を形成したものである。遠赤外光とプローブ光120が入射した際に生じる電流を、電流検出器255を用いて検出する。この例では一つのレンズ252に光伝導スイッチの一次元アレイを組み合わせる例を示したが、こうすることによって、個々の光伝導スイッチ間の間隔を1ミリメートル以下にすることができ、試料240の面の狭ピッチでの空間サンプリングが可能となる。一方、空間サンプリングのピッチをそれほど狭くする必要がない場合には、レンズ252として、例えば直径1ミリメートル程度の小さなレンズを採用し、1つのレンズに1つの光伝導スイッチを作ったものを並べて一次元アレイ検出器を構成してもよい。この場合は、レンズ252の光軸上に正確に光伝導スイッチを配置できるので、レンズ252に要求される軸外収差の仕様を緩和することが可能となり、レンズ252の設計,製作が容易となるとともに、一次元アレイの中心付近の光伝導スイッチと端点に近い位置の光伝導スイッチとの検出器としての検出特性の差をほとんどなくすことが可能になる。
図4は、試料表面上の遠赤外光の軌跡を示す平面図である。試料240の画像を取得する際、試料240の面上では、y方向の幅がせまくx方向に長い線状の照明領域242で照明され、1回の測定で照明領域242内の検出領域に対応する一次元アレイ検出器のデータが取得される。試料240をx方向に直角なy方向に移動させ、照明領域242を試料上で矢印244で示す走査方向に移動させながら、一次元アレイ検出器のデータを逐次あるいは連続して取得することで、一次元アレイ検出器の幅に相当する領域のデータを取得することができる。試料240上の撮像したい領域の幅がこれを超える場合には、続いて試料240をx方向に移動させ、先に走査した領域に隣接する領域を再びy方向に走査する。これを繰り返すことによって、広い面積の撮像が可能となる。
図5は、遠赤外撮像装置の概略構成を示す構成図であり、図1に示したものに対して撮像部200のみが異なるので、撮像部200のみを記載している。遠赤外光発生素子220から試料240までの光学系は、図1に示したものと同じである。試料240を透過した光の像を遠赤外光検出素子250に結像させる結像光学系として、例えば米国特許5,291,339号公報に記載されたようなシュバルツシルト光学系素子292のような、光軸に対し回転対称な反射結像光学系素子を用いる。図1に示した軸はずし放物面鏡272,274を用いる方式は、簡便で幅の広い視野を確保しやすい反面、開口率(NA)を大きくすることが難しく、高分解能の撮像が難しいという課題がある。これに対し、光軸に対し回転対称な反射結像光学系素子では、中心が遮蔽されるが、開口率NA=0.6あるいはそれ以上を確保することが可能となる。遠赤外光検出素子250は、図3に示したような光伝導スイッチの一次元アレイをシリコン製の半球レンズあるいは超半球レンズに取り付けたものを用いると良い。
なお、本実施例の様に、開口率(NA)の高い光学系素子で幅広い視野を確保しようとする場合には、遠赤外光検出素子250の受光面254を球面あるいは円筒面のような曲面にするとよい。シュバルツシルト光学系素子の様な開口率(NA)の高い光学系素子で幅広い視野を撮影しようとする場合には、視野を制限する要因として像面湾曲が支配的になることが多い。そこで、像面の湾曲に合わせて検出面を湾曲させることで、像面湾曲を補正し、より広い視野を確保することが可能となる。
図6は、遠赤外撮像装置の概略構成を示す構成図であり、図1に示したものに対して撮像部200のみが異なるので、撮像部200のみを記載している。遠赤外光発生素子220から試料240までの光学系は、図1と同じである。試料240を透過した光の像を、遠赤外光検出素子250に結像させる結像光学系として、結像光学系の一次元アレイ294を用いる。図5に示したような光軸に対し回転対称な反射結像光学系素子を用いる場合は、高分解能化に適しているが視野246が狭くなることが多い。狭い視野で広い面積の撮像を行うためには、図4に示したような照明光の走査を行うことになるが、走査のライン数が多くなればそれだけ撮像時間が伸びてしまう。そこで、本実施例では、結像光学系を小型化し、並列に並べて一次元アレイを構成する。個々の結像光学系は、図5に示した光軸に対し回転対称な反射結像光学系でも良いし、シリコン等の材料を用いた屈折型の光学素子を複数組み合わせたものでもよい。広帯域の分光画像を撮像する場合には、色収差低減のために反射光学系を用いることが適している。一方、多少の色収差が許容できる場合、あるいは、光軸付近の遮蔽による結像特性の変化が無視できない場合には、シリコン等の材料による屈折型光学素子の組み合わせを用いると良い。遠赤外光検出素子250は、図3に示した光伝導スイッチの一次元アレイをシリコン製の半球レンズあるいは超半球レンズに取り付けたものを用いると良い。
図7は、試料表面上の遠赤外光の軌跡を示す平面図である。図6に示した結像光学系の一次元アレイを用いる際の、試料240の面上の走査の方法を示している。結像光学系を並べた場合、個々の光学系の視野246が光学系の幅を超えていれば、隣接する光学系間に撮像できない領域が生じることなく問題はない。しかし、高分解能化を目指し光学系の開口率(NA)を大きくする場合には、困難である場合が多い。図7(a)に示すように、個々の光学系の配置の間隔をpとしたとき、試料240の面上の線状の照明領域242に対して、個々の結像光学系の視野246a,246b,246cは間隔pで並び、それぞれの間に撮像できない領域が生じる。そこで、矢印244aで示される1回目のy方向の走査で撮像できなかった領域を、矢印244bで示される折り返したあとの2回目の走査で撮像する。このときのx方向の送り幅は、p/2とし、2回目のy方向走査を行う。あるいは、光学系をy方向にずらした位置にも並べ、視野が図7(b)に示すように配置されたものを用い、1列目の結像光学系の視野246a,246b,246cの間を2列目の結像光学系の視野246d,246eが撮像できるようにすることによって、1回のy方向走査で線状の照明領域242の全体の撮像が可能となり、y方向走査の回数を減らすことが可能となる。
図8は、遠赤外撮像装置の概略構成を示す構成図であり、図8(a)は、図1に示したものに対して撮像部200のみが異なるので、撮像部200のみを記載している。本実施例では、遠赤外光発生素子220として、図8(b)に示すような点光源の一次元アレイ610を用いる。遠赤外光発生素子220からの遠赤外光を試料240に導く照明光学系は、遠赤外光発生素子220面を試料240に結像させる結像光学系を用いる。例えば、軸はずし放物面鏡230a,230bを組み合わせたものでよい。その結果、試料240面上の照明領域は、図8(c)に示す様な点状の列の照明領域242となる。これも広い意味では線状照明と類似した照明である。試料240を透過した光は、結像光学系によって遠赤外光検出素子250a上に結像される。照明光のあたっている領域のみを検出できれば良いので、結像光学系として、図6に示した結像光学系の一次元アレイを用いることができる。個々の結像光学系の間の撮像できない領域を気にすることなく、高分解能の結像光学系を用いることができる。また、遠赤外光検出素子250aとして、小径のシリコンレンズに1つの光伝導スイッチを取り付けた光伝導スイッチを並べて一次元アレイ検出器を構成する例を示している。個々の結像光学系毎に検出する専用検出器を用いることで、どの検出器も検出器に取り付けたレンズ(例えば、図3に示すシリコンのレンズ252)の軸外集光特性の影響を受けずに信号を検出することが可能となる。図1の場合と同様、プローブ光120を線状に絞ってあてることで、電流検出器255aで検出信号を得ることができる。なお、遠赤外光検出素子250aとしては、図1および図3に示したように、一つのレンズ252に光伝導スイッチの一次元アレイを組み合わせたものを用いても良い。
図9は、遠赤外撮像装置の概略構成を示す構成図であり、図9(a)は、図1に示したものに対して撮像部200のみが異なるので、撮像部200のみを記載している。本実施例は、図8(a)に示した構成の変形例であり、試料240の面の照明光分布を、図9(c)に示すようにひとつひとつがx方向に広がった点がつながった集まり、あるいは、x方向につながった点の集まりにするものである。そのために、遠赤外光発生素子220からの遠赤外光を試料240に導く照明光学系として、y方向の断面内で結像するが、x方向の断面内では結像しない、あるいは、x方向の断面の結像倍率より大きな倍率で結像する光学系を用いる。試料240を透過した光は、結像光学系によって遠赤外光検出素子250上に結像される。遠赤外光検出素子250は、照明があたった領域全体にわたって信号検出ができるように、一次元アレイの検出器を用いる。x方向の照明領域の幅を広げることで、照明領域の間の非照明領域を減らし、1回のy方向走査でより多くのデータを取得することができるようになる。結果としてy方向走査の回数を減らすことができ、撮像時間の短縮が可能となる。
図10は、図8または図9に示した実施例で用いられる点光源の一次元アレイの概略構成を示す構成図である。図2に示した光伝導スイッチの電極を1列に並べて、シリコン製の半球状あるいは超半球状のレンズ222に取り付けた構成である。バイアス電源215を用いて、複数の光伝導スイッチに同じバイアス電圧をかけることによって、フェムト秒レーザのポンプ光110のパルスが当たった際に、同時に同じ強度の遠赤外光を発生させることができる。個々の光伝導スイッチに、フェムト秒レーザのポンプ光110パルスを効率よくあてるために、照射光学素子210としては、レンズの一次元アレイを用いると良い。なお、本実施例では、光伝導スイッチのアレイに同じバイアス電圧をかける構成としたが、個別に異なる電圧をかけても良い。例えば、光伝導スイッチ間に性能ばらつきがある場合には、個別に異なる電圧をかけることによって、光伝導スイッチ間の性能差を補正し、一様な強度の出力を得ることが可能となる。
図11は、図8または図9に示した実施例で用いられる点光源の一次元アレイの概略構成を示す構成図であり、図10に示した例に対する変形例を示す。本実施例では、隣接する光伝導スイッチ同士に逆バイアスがかかるようにしている。こうすることで、試料240の面上で密に並んだ点照明領域の列を形成することが可能となり、離散的な点の測定が求められる場合に効率よく照明することが可能となる。なお、ここでは試料240の面上の照明領域として、図8(c)に示した様な照明領域242の列を作るために、光源として点光源の一次元アレイ610を用いる例を示したが、光源として1個の点光源を用い、照明光学系に回折型の光学素子を用いて、回折によって試料240の面上に点の照明領域242の列を作ってもよい。
図12は、遠赤外撮像装置の概略構成を示す構成図である。本実施例は、遠赤外光の発生および検出に、図1に示したフェムト秒パルス光源100を用いない例である。例えば、遠赤外光発生素子220として、量子カスケードレーザや、ショットキーバリアダイオードを用いることで、この様な構成が可能となる。遠赤外光検出素子250としては、マイクロボロメータアレイや、ショットキーバリアダイオードアレイ,シリコンやゲルマニウム結晶にアルミニウム,ガリウム,インジウムなどの3属元素や、リン,砒素,アンチモンなどの5属元素を加えた不純物半導体光伝導検出器などを用いることができる。フェムト秒パルス光源100を必要としないため、光学系の構成が簡素化できるとともに、装置コストの低減が可能となる。
図13は、遠赤外撮像装置の概略構成を示す構成図であり、特徴は、試料240の透過光を検出するのではなく、試料240で反射された光を検出する点である。図13(b)は、図13(a)に破線で示す光学系部分280をx方向から見た側面図である。また、照明光学系と結像光学系が同一部分で重なっているので、説明のために照明光学系を図13(a)に、結像光学系を図13(c)に分けて表している。
試料240からの反射光を検出するために、試料240の面の法線(z軸に平行な方向)に対して、照明光学系の円筒凹面鏡270と結像光学系の軸はずし放物面鏡272が、yz軸面内で逆方向に傾斜する配置としている。遠赤外光発生素子220から放射された遠赤外光は、照明光学系を経て試料240上の線状領域に照射される。図1の実施例と異なる点は、図13(b)に示すように、試料240の面の法線に対して照明する光学系の光軸が、yz軸面内でθiの傾きだけ傾斜している点である。試料240の面で反射された光は、結像光学系の軸はずし放物面鏡272を経て遠赤外光検出素子250に導かれ、試料240面の像が遠赤外光検出素子250面に形成される。結像光学系の軸はずし放物面鏡272は、試料240の面に対して、光軸がyz軸面内で、θdの傾きだけ傾斜している。吸収スペクトルを元にした画像を撮像したい場合には、正反射光を検出することが望ましいので、θi=θdとするとよい。一方、正反射光をさけ、散乱光を検出したい用途の場合には、θi>θd、あるいはθi<θdとするとよい。この様に、反射光を検出する構成とすることによって、透過率の低い物体の撮像や内部に層構造をもった物体の層構造の情報を含んだ撮像が可能となる。
以上述べたように、本発明の実施例によれば、検査工程において、遠赤外領域の光を用いて試料の画像を撮影する遠赤外撮像装置およびそれを用いた撮像方法において、高出力の光源を用いずに、撮像対象物である試料に損傷あるいは非線形現象を起こさせず、高速に試料を撮像できる装置および方法を得ることができる。
100 フェムト秒パルス光源
110 ポンプ光
120 プローブ光
200 撮像部
210 照射光学素子
220 遠赤外光発生素子
222,252 レンズ
230,272,274 軸はずし放物面鏡
240 試料
250 遠赤外光検出素子
254 受光面
270 円筒凹面鏡
292 シュバルツシルト光学系素子
294,610 一次元アレイ
300 光学遅延部
400 信号処理部
500 制御部

Claims (11)

  1. 遠赤外光を試料へ照射し、前記試料の像を検出する遠赤外光撮像装置において、
    前記遠赤外光を放射する遠赤外光発光素子と、
    前記遠赤外光を前記試料上で横長形状あるいは複数の点が横長につながった形状にする照明光学系と、
    前記遠赤外光の横長方向に直角な方向に前記試料を移動させながら前記像を検出する結像光学系とを備えたことを特徴とする遠赤外撮像装置。
  2. 請求項1の記載において、前記遠赤外光発光素子へフェムト秒パルス光源からのパルス状のポンプ光をあてることにより、前記遠赤外光が放射されることを特徴とする遠赤外撮像装置。
  3. 請求項2の記載において、前記遠赤外光発光素子は光伝導スイッチを含み、該光伝導スイッチの電流の流れる方向を、前記遠赤外光の長手方向に対応させることを特徴とする遠赤外撮像装置。
  4. 請求項1の記載において、前記遠赤外光発光素子は量子カスケードレーザであることを特徴とする遠赤外撮像装置。
  5. 請求項1の記載において、前記遠赤外光発光素子はショットキーバリアダイオードであることを特徴とする遠赤外撮像装置。
  6. 請求項1の記載において、前記結像光学系は、光伝導スイッチの一次元アレイを用いる遠赤外光検出素子を備えたことを特徴とする遠赤外撮像装置。
  7. 請求項1の記載において、前記結像光学系は、光伝導スイッチの一次元アレイを用いる遠赤外光検出素子を備えたことを特徴とする遠赤外撮像装置。
  8. 請求項1の記載において、前記結像光学系は、シュバルツシルト光学系素子を備えたことを特徴とする遠赤外撮像装置。
  9. 遠赤外光を試料へ照射し、前記試料の像を検出する遠赤外光撮像装置を用いた撮像方法において、
    前記遠赤外光を前記試料上で横長形状あるいは複数の点が横長につながった形状にして前記試料を照明し、
    前記遠赤外光の横長方向に直角な方向に前記試料を移動させながら前記像を検出することを特徴とする遠赤外撮像装置を用いた撮像方法。
  10. 請求項9の記載において、遠赤外光発光素子へフェムト秒パルス光源からのパルス状のポンプ光をあてることにより、前記遠赤外光が放射されることを特徴とする遠赤外撮像装置を用いた撮像方法。
  11. 請求項10の記載において、前記遠赤外光発光素子は光伝導スイッチを含み、該光伝導スイッチの電流の流れる方向を、前記遠赤外光の長手方向に対応させることを特徴とする遠赤外撮像装置を用いた撮像方法。
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