JP2012026461A - 噛合クラッチ - Google Patents

噛合クラッチ Download PDF

Info

Publication number
JP2012026461A
JP2012026461A JP2010162605A JP2010162605A JP2012026461A JP 2012026461 A JP2012026461 A JP 2012026461A JP 2010162605 A JP2010162605 A JP 2010162605A JP 2010162605 A JP2010162605 A JP 2010162605A JP 2012026461 A JP2012026461 A JP 2012026461A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pushing
meshing
teeth
space
moving body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2010162605A
Other languages
English (en)
Inventor
Tadayuki Hirao
督之 平尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
BANNO SEIKI CO Ltd
Original Assignee
BANNO SEIKI CO Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by BANNO SEIKI CO Ltd filed Critical BANNO SEIKI CO Ltd
Priority to JP2010162605A priority Critical patent/JP2012026461A/ja
Publication of JP2012026461A publication Critical patent/JP2012026461A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Mechanical Operated Clutches (AREA)

Abstract

【課題】十分な耐久性を得つつ噛合歯の噛み合いが外れるのを阻止することができ、しかも、簡単な操作によって接続状態と切離状態とを切り換えることができる噛合クラッチの提供。
【解決手段】中心軸方向に移動可能な移動体7と空転可能な空転体8とを設ける。移動体7及び空転体8に三角歯9、10を形成する。移動体7とこれに隣接するインナースリーブ11との間に底狭の押込み空間12を構成する。押込み空間12に押し込む押込み体13を設ける。押込み空間12の外周側に移動して押込み体13を押し込むアウタースリーブ14を設ける。アウタースリーブ14が押込み空間12を外周側から覆って押込み体13の押込み状態を維持する。押込み体13が底狭の押込み空間12を押し広げて移動体7を空転体8に向けて移動させ、三角歯9、10を噛み合わせる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、噛合歯の噛合せ及びその解除によって回転に対する接続状態と切離状態とを切り換える噛合クラッチに関するものである。
一般に、一般産業機械においては、駆動力伝達のオンオフを行うための手段として、回転中にスリップさせることなく確実に作動させることができ、かつ、摩耗や損傷を生じにくく保守の負担を低減することができる噛合クラッチを採用することが多い(例えば、特許文献1参照)。
図12に特許文献1の噛合クラッチを示す。この噛合クラッチは、軸方向に移動可能な移動体101を固定体102に噛み合わせることによってトルク伝達を行うものであり、移動体101及び固定体102の端面に噛合歯103が形成されている。移動体101は、手動操作などによってハブ104上を軸方向に摺動可能とされ、固定体102に噛み合ったり離れたりして、トルクの伝達のオンオフを切り換えるようになっている。
噛合歯には、三角歯、矩形歯、梯形歯(台形歯)、リード歯、セミリード歯、ノコ歯等が採用される。特に、三角歯は、噛み合う際に周方向に多少のずれを生じたとしても、互いの歯面に沿って滑りながら確実に噛み合うことができ、しかも、トルクの作用した状態のまま切り離すことができると共に、一般に小形で歯数が多い分、噛み合うチャンスが多いという点で優れている。
ここで、三角歯とは、完全な三角形状をなす噛合歯だけでなく、丸みを帯びた略三角形状の噛合歯をも含む概念である。また、リード歯とは、回転を伝える歯面が回転方向と直角をなし、背面が周方向のずれに対して互いに滑らせて噛み合うよう導く斜面(リード面)とされた噛合歯をいう。また、セミリード歯とは、リード歯のリード面の一部に矩形部を形成した噛合歯をいう。以下、これらの用語は、本明細書及び特許請求の範囲において同じ意味で用いる。
特開2000−249162号公報(段落番号0004、0005、0012、図1)
ところが、噛合クラッチにトルクが作用することにより、そのトルクに起因する軸方向力が移動体に対して噛合歯の噛み合いを外す方向に作用することがあり、特に、三角歯を採用した場合には、その噛み合いが外れやすい。
これに対して、電磁クラッチやエアクラッチなどでは、移動体を移動させるための電磁力や空気圧力をそのまま利用して、噛み合いが外れないよう押えることもできるが、手動式クラッチでは、別途設けた固定ピンなどを用いて、移動体を移動操作するハンドルを固定する必要がある。しかも、固定ピンなどでハンドルを強制的に固定した場合、移動体を回転させながら、その移動体に作用する軸方向力をハンドルが受けることにより、移動体とハンドルとのスライド部分が早期に摩耗するおそれがある。
本発明は、十分な耐久性を得つつ噛合歯の噛み合いが外れるのを阻止することができ、しかも、簡単な操作によって接続状態と切離状態とを切り換えることができる噛合クラッチの提供を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る噛合クラッチは、中心軸方向に移動可能な移動体と、この移動体に対して相対的に空転可能な空転体と、移動体及び空転体の互いに対向する部位に夫々形成された噛合歯とを備えたものであり、移動体の移動による噛合歯の噛合せ及びその解除によって移動体及び空転体の回転に対する接続状態と切離状態とを切り換えるものである。さらに、空転体とは反対側で移動体に隣接するインナースリーブと、このインナースリーブと移動体との間の押込み空間に押し込まれて移動体を空転体に向けて移動させる押込み体と、押込み空間を外周側から覆う位置に移動して押込み体の押込み状態を維持するアウタースリーブと、を設け、その押込み体をアウタースリーブの移動によって押込み空間に押し込むようにする。
上記構成によれば、インナースリーブと移動体との間の押込み空間に押込み体を押し込んで移動体を移動させるので、移動体を直接操作することなく移動させて、噛合クラッチの接続状態と切離状態とを切り換えることができる。
しかも、噛合クラッチの接続状態では、押込み空間をアウタースリーブで覆って押込み体の押込み状態を維持するので、トルクに起因して移動体に作用する軸方向力を押込み体を介してインナースリーブで受けることができる。その際、押込み体が軸方向力を受けてインナースリーブに当接することにより、その軸方向力が径方向外向きの力に変換されてアウタースリーブに作用するが、直接操作されるアウタースリーブには、この径方向外向きの力が作用するのみであり、軸方向力がそのままアウタースリーブに作用することはない。
これにより、移動体を直接外部から押えることなく、噛合歯の噛合せが外れるのを阻止することができるので、例えば、噛合クラッチの接続状態と切離状態とを切り換えるための操作用部材などで、トルクに起因する軸方向力を受ける必要がなく、噛合クラッチとその操作用部材とのスライド部分の摩耗を防止して十分な耐久性を得ることができる。しかも、押込み体を介して移動体を押えているので、トルクに起因する軸方向力を作用させたまま噛合クラッチの接続を解除したとしても、その際の反動を軽減することができる。
さらに、押込み体をアウタースリーブの移動によって押込み空間に押し込むので、押込み体を押し込むための操作と押込み空間を覆うための操作とを兼用することができ、アウタースリーブを移動させるだけの簡単な操作によって、噛合クラッチの接続状態と切離状態とを切り換えることができる。
また、押込み空間に押込み体を押し込んで移動体を移動させるには、押込み空間を中心軸と平行な断面において底狭に形成した構成を採用することができる。この構成によれば、押込み空間を底狭に形成するので、押込み体を押し込むほど押込み空間を中心軸方向に押し広げて、移動体を移動させることができる。ここで、底狭の押込み空間に押し込まれた押込み体は、移動体に軸方向力が作用することによって、押込み空間から押し出されようとするが、押込み空間をアウタースリーブが覆うので、押込み体の押込み状態を維持することができる。
押込み空間を底狭に形成するには、インナースリーブの端部にテーパーを形成した構造や、移動体の端部にテーパーを形成した構造、移動体及びインナースリーブの両者にテーパーを形成した構造などを採用することができる。
このうち、インナースリーブの端部にテーパーを形成した構造を採用し、アウタースリーブを移動体側に移動させて押込み体を押し込もうとすると、押込み体がインナースリーブのテーパーに沿って移動体側に移動する。この押込み体の移動により、押込み空間に押し込まれる押込み体がアウタースリーブから逃げることになって、押込み体を押し込むのに要するアウタースリーブの移動量が大きくなるので、その分、小さな力でアウタースリーブを移動させて、押込み体を押し込むことができる。
なお、押込み空間を底狭に形成する代わりに、あるいは押込み空間を底狭に形成すると共に、押込み体を先細に形成することにより、押込み体を押し込むほど押込み空間を中心軸方向に押し広げて移動体を移動させるようにすることもできる。
また、押し込み体の形状は、円柱状、先細の断面三角形や断面台形、球状など、どのようなものであってもよいが、押し込み体として、円柱状のローラを採用するのが好適である。円柱状のローラは、移動体、インナースリーブ及びアウタースリーブと線接触に近い状態で接触して転がるので、面接触して摺動する断面三角形や断面台形の押し込み体よりも摩擦抵抗を小さくすることができ、点接触する球状の押し込み体よりも耐久性を高めることができる。
また、噛合歯としては、三角歯、矩形歯、梯形歯(台形歯)、リード歯、セミリード歯、ノコ歯などどのようなものであってもよいが、噛合歯として三角歯を採用した噛合クラッチは、トルクに起因する軸方向力が作用しやすいという点で、本発明の構成を採用するのが特に好適である。ここで、三角歯は、噛合歯を突き合わせた時点で噛合せに多少のずれを生じたとしても、歯の傾斜面に沿って互いに滑りながら確実に噛み合うことができると共に、トルクが作用した状態のまま切り離すことができ、さらに、一般に小形で歯数が多い分、噛み合うチャンスが多いという点で、他の形式の噛合歯よりも優れる。
また、移動体を空転体から離間させる向きに付勢する切離用ばねを設けた構成も採用可能である。この構成によれば、切離用ばねが移動体を付勢するので、アウタースリーブを移動させて、押込み空間への押込み体の押し込みを解除することにより、押込み空間から押込み体を押し出しながら移動体を移動させて噛合クラッチを切り離すことができる。なお、切離用ばねの付勢力に代えて、トルクに起因する軸方向力を利用したり、移動体を手動操作などによって移動させたりすることもできる。
以上の説明から明らかな通り、本発明によると、インナースリーブと移動体との間に押込み体を押し込むことにより、移動体を移動させて空転体と噛み合わせ、さらに、押込み空間をアウタースリーブで覆って噛合クラッチの接続状態を維持するようにしている。これにより、噛合クラッチの外部に移動体の移動を規制するための部材を設けることなく、噛合歯の噛合せが外れるのを阻止することができ、噛合クラッチの回転に伴う噛合クラッチと外部部材とのスライドによる摩耗を防止して、十分な耐久性を得ることができる。
また、押込み体をアウタースリーブの移動によって押込み空間に押し込むので、アウタースリーブを移動させるだけで、押込み体を押し込むと共に、押込み空間を覆うことができ、簡単な操作によって、噛合クラッチの接続状態と切離状態とを切り換えることができる。
本発明に係る噛合クラッチを備えた動力伝達機構の模式図 噛合クラッチの切離状態を示す図で、上半分は断面図、下半分は側面図 噛合クラッチの接続状態を示す図で、上半分は断面図、下半分は側面図 噛合クラッチの正面図 噛合クラッチの背面図 図2のA−A断面図 図2のB−B断面図 図3のC−C断面図 図3のD−D断面図 切離状態の噛合クラッチが接続される様子を示す図 接続状態の噛合クラッチが切り離される様子を示す図 従来の噛合クラッチの断面図
以下、本発明に係る噛合クラッチを実施するための形態について、図面を用いて説明する。
噛合クラッチ1は、コンベア、ウィンチ、昇降機、特殊車両、船舶の補機、小形船の主機、圧延機、伸線機、プレス機、ロール成型機、木材加工機、繊維機械、食品加工機、食品包装機、混合機、撹拌機、送風機、水門、各種自動機、試験器、安全装置などの一般産業機械において、駆動力伝達のオンオフを行うためのものであり、例えば、図1に示すように、原動機2から減速機3を介して入力される駆動力を被動機4に伝達するための動力伝達機構5に装備される。
図2〜図9に示すように、噛合クラッチ1は、クラッチハブ6と、クラッチハブ6に対して回転不能かつ中心軸方向に移動可能に設けられた移動体7と、クラッチハブ6に対して中心軸方向に移動不能かつクラッチハブ6及び移動体7に対して空転可能に設けられた空転体8と、移動体7及び空転体8を噛み合わせるための三角歯9、10と、空転体8とは反対側で移動体7に隣接するインナースリーブ11と、インナースリーブ11と移動体7との間の押込み空間12に押し込まれて移動体7を空転体8に向けて移動させる押込み体13と、押込み空間12を外周側から覆う位置に移動して押込み体13を押込み空間12に押し込むと共に押込み体13の押込み状態を維持するアウタースリーブ14と、移動体7を空転体8から離間させる向きに付勢する切離用ばね15と、を備え、移動体7の移動による三角歯9、10の噛合せ及びその解除によって移動体7及び空転体8の回転に対する接続状態と切離状態とを切り換えるようになっている。
図1に示すように、動力伝達機構5は、噛合クラッチ1をいわゆる通し軸方式で装備したものであり、噛合クラッチ1と、被動機4に接続された回転軸16と、チェーン17及びスプロケット18、19とからなり、噛合クラッチ1のクラッチハブ6が回転軸16に装着され、噛合クラッチ1の空転体8がチェーン17、スプロケット18、19及び減速機3を介して原動機2に接続されている。なお、チェーン17及びスプロケット18、19に代えて、プーリ、ベルト、ギヤなども採用可能である。
この動力伝達機構5は、移動体7と空転体8とを噛み合わせて噛合クラッチ1を接続することにより、原動機2から空転体8に伝えられた駆動力を移動体7及びクラッチハブ6と一体に回転する回転軸16に伝えて、原動機2の駆動力を被動機4に伝達する。一方、噛合クラッチ1を切り離すことにより、原動機2の駆動力は、被動機4に伝達されることなく切断される。
図1において、20は回転軸16を支持するための軸受け、21はクラッチハブ6を回転軸16と一体に回転させるためのキー、22は噛合クラッチ1をオンオフ操作するためのハンドル、23は空転体8にスプロケット18を取り付けるための取付リング、24は取付リング23を回転軸16で空転自在に支持するためのボールベアリング、25、26は噛合クラッチ1の中心軸方向の移動を規制して回転軸16に固定するための固定リングである。
図2〜図9に示すように、クラッチハブ6は、回転軸16に外嵌可能な大きさの内径に設定された例えば鋼製の筒状とされ、その外周側に、空転体8、移動体7及びインナースリーブ11が中心軸方向に沿ってこの順に配置される。
クラッチハブ6の中央付近には、その全周に渡って、移動体7を回転不能かつ中心軸方向に移動可能に案内するためのスプライン歯27が形成されている。また、クラッチハブ6の内周面には、キー21を係合させてクラッチハブ6を回転軸16と一体に回転させるためのキー溝28が形成されている。
移動体7は、例えば鋼製で筒部とフランジ部とからなる断面略L字形のリング状とされ、その筒部の内周側にクラッチハブ6のスプライン歯27に係合するスプライン歯29が形成されている。移動体7の筒部には、空転体8と対向する側の端面で開口する複数のばね収容部30が形成され、この複数のばね収容部30の夫々に切離用ばね15を収容するようになっている。移動体7のフランジ部は、筒部のうちの空転体8と対向する側の端部から径方向で外向きに突出して形成され、このフランジ部のうちの空転体8と対向する面に、噛合歯としての例えば小形の三角歯9が形成されている。
空転体8は、例えば鋼製のリング状とされ、ボールベアリング31を介してクラッチハブ6に支持されて、クラッチハブ6に対して空転(回転)可能とされると共に、止め輪32、33によってクラッチハブ6からの抜け出しが阻止される。空転体8のうち、移動体7と対向する面に三角歯10が形成され、移動体7及び空転体8の互いに対向する部位に夫々形成された三角歯9、10が噛み合うようになっている。
インナースリーブ11は、例えば鋼製の筒状とされ、一体に回転するよう固定用キー34を介してクラッチハブ6と係合され、カラー35及び止め輪36によってクラッチハブ6からの抜け出しが阻止される。
インナースリーブ11の中心軸方向端部には、移動体7との間に押込み空間12を構成する複数の切欠が例えば周方向に等間隔に形成され、この複数の切欠の夫々に押込み体13が配置される。押込み体13は、インナースリーブ11の肉厚と同程度の直径に設定された円柱状のローラとされ、押込み空間12に押し込まれた状態で、押込み体13のほぼ全体がインナースリーブ11の外周面よりも内側に収まるようになっている。
インナースリーブ11の切欠は、この切欠部分におけるインナースリーブ11の端面にテーパー11aが形成され、押込み空間12を中心軸と平行な断面において底狭に構成する。また、押込み空間12に押し込まれた押込み体13がインナースリーブ11の切欠部分を除く部位における端面よりも中心軸方向で空転体8の側に突出して、移動体7を空転体8に向けて移動させるよう、中心軸方向における切欠の長さが設定される。
押込み空間12のテーパー11aの中心軸に対する傾斜角度は、例えば20°〜70°の範囲に設定される。傾斜角度を20°未満に設定すると、押込み空間12に押し込まれる押込み体13がテーパー11aに沿って噛合クラッチ1の中心軸方向に大きく移動するので、その分、噛合クラッチ1の全長が長くなる。一方、傾斜角度が70°を超過すると、押込み空間12から押込み体13を押し出しにくくなり、噛合クラッチ1を切り離しにくくなる。
アウタースリーブ14は、例えば鋼製の筒状とされ、押込み空間12に押込み体13を押し込むと共にその押込み状態を維持するためのスリーブ本体37と、押込み空間12から押し出された押込み体13を覆うためのカバー部38とからなる。
スリーブ本体37は、インナースリーブ11の外径と同程度の内径に設定され、アウタースリーブ14がインナースリーブ11と一体に回転すると共に空転体8に向かって移動可能なよう、滑りキー39を介してインナースリーブ11と係合される。
カバー部38は、例えばスリーブ本体37よりも薄肉で、スリーブ本体37よりも内径を大きく設定され、スリーブ本体37から空転体8に向かって突出して、押込み体13を押込み空間12に押し込むことなく覆うようになっている。
スリーブ本体37とカバー部38との境界部分には、テーパー40が形成され、アウタースリーブ14が空転体8に向かって移動してスリーブ本体37が押込み空間12を覆う際に、テーパー40が押込み体13を押圧して、押込み空間12に押込み体13を徐々に押し込むようになっている。なお、テーパー40に代えて段差を設け、この段差の突出する角部分を押込み体13に当接させて押込み空間12に押し込むこともできる。
アウタースリーブ14の外周側には、ハンドル22に設けられた滑り子(図示せず)を挿入するための周溝41が形成されている。周溝41に挿入された滑り子は、アウタースリーブ14に対して周方向にスライド自在かつ中心軸方向に係止され、噛合クラッチ1の回転を阻害することなく、ハンドル22によってアウタースリーブ14を中心軸方向に移動操作して噛合クラッチ1の接続状態と切離し状態とを切り換えることができるようになっている。
切離用ばね15は、移動体7のばね収容部30に収容されると共に、ばね収容部30の開口から突出する長さに設定された例えばコイルばねとされ、その先端が、三角歯9、10よりも径方向内側で移動体7と空転体8との間に介装されたリング状のばね受け42に当接される。この切離用ばね15は、アウタースリーブ14を空転体8から遠ざける方向に移動させてスリーブ本体37による押込み体13の押込み状態を解除した際、押込み空間12から押込み体13を押し出しながら移動体7を押し返して、三角歯9、10の噛み合いを解除する。
次に、図10を用いて、切離状態の噛合クラッチ1を接続状態に切り換える様子を説明する。
まず、噛合クラッチ1が切離状態にあるとき、切離用ばね15の付勢力によって移動体7が空転体8から離間し、移動体7とインナースリーブ11との間の押込み空間12が狭められて、底狭の押込み空間12から押込み体13の一部が押し出されている。また、アウタースリーブ14は、空転体8から離れた側に位置し、スリーブ本体37よりも内径の大きいカバー部38が、押込み空間12から押し出された押込み体13を覆っている(図10(a)参照)。
ハンドル22を操作して、アウタースリーブ14を空転体8に近づく方向に移動させると、アウタースリーブ14のテーパー40が押込み体13に接触する(図10(b)参照)。
アウタースリーブ14をさらに移動させることにより、テーパー40に接触した押込み体13が底狭の押込み空間12を押し広げながら、押込み空間12のテーパー11aに沿って徐々に押し込まれる。このとき、押込み空間12の一面を構成する移動体7が切離用ばね15の付勢力に抗して空転体8に向かって移動し、移動体7の三角歯9と空転体8の三角歯10とが噛み合う(図10(c)、(d)参照)。
アウタースリーブ14を所定位置まで移動させることにより、押込み空間12を外周側から覆うスリーブ本体37が押込み体13を押えて押込み状態を維持し、噛合クラッチ1を接続状態とする。したがって、ハンドル22を操作して強制的にアウタースリーブ14を移動させない限り、移動体7の三角歯9と空転体8の三角歯10とを噛み合わせは保持される(図10(e)参照)。
次に、図11を用いて、接続状態の噛合クラッチ1を切離状態に切り換える様子を説明する。
まず、噛合クラッチ1が接続状態にあるとき、アウタースリーブ14が空転体8に近づいた側に位置し、そのスリーブ本体37が押込み空間12に押し込まれた押込み体13を外周側から覆って押え、押込み体13の押込み状態を維持している。このとき、押込み空間12に押し込まれた押込み体13は、移動体7とインナースリーブ11との間の底狭の押込み空間12を押し広げ、切離用ばね15の付勢力に抗して移動体7を空転体8に近接させて、移動体7の三角歯9と空転体8の三角歯10とを噛み合わせている(図11(a)参照)。
ハンドル22を操作して、アウタースリーブ14を空転体8から離れる方向に移動させると、スリーブ本体37による押込み体13の押えが解除されていく。そうすると、底狭の押込み空間12を狭めて押込み体13を押し出しながら、切離用ばね15の付勢力によって移動体7が空転体8から離間する方向に移動し、移動体7の三角歯9と空転体8の三角歯10との噛合せを解除して、噛合クラッチ1を切離状態とする(図11(b)〜(e)参照)。
上記構成によれば、押込み空間12を外周側から覆うスリーブ本体37が押込み体13を押えて押込み状態を維持するので、ハンドル22に強い力を作用させることなく、噛合クラッチ1の接続状態を維持することができる。これにより、アウタースリーブ14の周溝41や、この周溝41に挿入したハンドル22の滑り子の摩耗を防止して、噛合クラッチ1の耐久性を高めることができる。
また、押込み体13を介して移動体7を移動させて噛合クラッチ1の接続状態と切離状態とを切り換えるので、移動体7を直接に移動操作する構造の噛合クラッチにおいて、噛合クラッチを切り離す瞬間に操作用ハンドルが受けるおそれがあるような反動を抑えることができる。
また、押込み空間12を外周側から覆うスリーブ本体37が押込み体13を押えて押込み状態を維持するので、噛合歯の噛合せが外れるのを確実に防止することができ、その噛合歯として、トルクに起因して噛み合いを外そうとする軸方向力が作用しやすい三角歯9、10を採用することができる。三角歯9、10は、多少のずれを生じても噛み合わせることができ、トルクが作用する状態でも容易に切り離すことができ、歯数が多く噛み合うチャンスが多い、という点で優れる。
なお、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内において、適宜変更を加えることができる。例えば、噛合歯としては、三角歯9、10だけでなく、矩形歯、梯形歯(台形歯)、リード歯、セミリード歯、ノコ歯など他の歯形を採用することもできる。また、空転体8から移動体7に駆動力を伝達する代わりに、移動体7から空転体8に駆動力を伝達することもできる。
また、上記の実施形態では、噛合クラッチ1を動力伝達機構5に通し軸方式で装備した例を示したが、通し軸方式に代えて、突き合わせ軸方式で噛合クラッチ1を装備することもできる。この突き合わせ軸方式は、空転体8にボス付きのフランジを取り付けて、これを原動機2の軸に取り付けると共に、被動機4の軸にクラッチハブ6を取り付けることにより、原動機2と被動機4の両軸を突き合わせて噛合クラッチ1を装備する方式である。この場合、噛合クラッチ1の接続により、原動機2から空転体8に伝えられた駆動力が、移動体7及びクラッチハブ6と一体に回転する被動機4の軸に伝達される。
1 噛合クラッチ
6 クラッチハブ
7 移動体
8 空転体
9、10 三角歯
11 インナースリーブ
12 押込み空間
13 押込み体
14 アウタースリーブ
15 切離用ばね

Claims (5)

  1. 中心軸方向に移動可能な移動体と、該移動体に対して相対的に空転可能な空転体と、前記移動体及び空転体の互いに対向する部位に夫々形成された噛合歯とを備え、前記移動体の移動による噛合歯の噛合せ及びその解除によって移動体及び空転体の回転に対する接続状態と切離状態とを切り換える噛合クラッチであって、
    前記空転体とは反対側で前記移動体に隣接するインナースリーブと、該インナースリーブと前記移動体との間の押込み空間に押し込まれて前記移動体を空転体に向けて移動させる押込み体と、前記押込み空間を外周側から覆う位置に移動して押込み体の押込み状態を維持するアウタースリーブと、が設けられ、
    前記押込み体は、アウタースリーブの移動によって前記押込み空間に押し込まれることを特徴とする噛合クラッチ。
  2. 前記押込み空間は、中心軸と平行な断面において底狭に形成されたことを特徴とする請求項1に記載の噛合クラッチ。
  3. 前記押し込み体は、円柱状のローラとされたことを特徴とする請求項1又は2に記載の噛合クラッチ。
  4. 前記噛合歯は、三角歯とされたことを特徴とする請求項1、2又は3に記載の噛合クラッチ。
  5. 前記移動体を空転体から離間させる向きに付勢する切離用ばねが設けられたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の噛合クラッチ。
JP2010162605A 2010-07-20 2010-07-20 噛合クラッチ Pending JP2012026461A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010162605A JP2012026461A (ja) 2010-07-20 2010-07-20 噛合クラッチ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010162605A JP2012026461A (ja) 2010-07-20 2010-07-20 噛合クラッチ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2012026461A true JP2012026461A (ja) 2012-02-09

Family

ID=45779643

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010162605A Pending JP2012026461A (ja) 2010-07-20 2010-07-20 噛合クラッチ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2012026461A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109505886A (zh) * 2019-01-16 2019-03-22 兰州天昊环保工程有限公司 一种用于大型回转设备盘车装置的离合器
WO2023074127A1 (ja) * 2021-10-26 2023-05-04 日立Astemo株式会社 電動ブレーキ装置及び駆動ユニット

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB455222A (en) * 1935-04-12 1936-10-12 Frank Croft Driving clutches
US2367390A (en) * 1942-09-02 1945-01-16 Dodge Mfg Corp Clutch
US2407060A (en) * 1943-07-14 1946-09-03 Croft Arthur Friction clutch
US2506713A (en) * 1945-11-09 1950-05-09 Dodge Mfg Corp Cam operated clutch
JPS4635686Y1 (ja) * 1967-02-27 1971-12-08
JPS60249730A (ja) * 1984-02-13 1985-12-10 ツア−ンラ−トフアブリク・アルトナ−エルベ・ハンス・マイア−・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニ−・コマンデイ−トゲゼルシヤフト かみ合いクラツチ
JP2003035323A (ja) * 2001-04-20 2003-02-07 Dana Corp 改良されたクラッチ・カラー

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB455222A (en) * 1935-04-12 1936-10-12 Frank Croft Driving clutches
US2367390A (en) * 1942-09-02 1945-01-16 Dodge Mfg Corp Clutch
US2407060A (en) * 1943-07-14 1946-09-03 Croft Arthur Friction clutch
US2506713A (en) * 1945-11-09 1950-05-09 Dodge Mfg Corp Cam operated clutch
JPS4635686Y1 (ja) * 1967-02-27 1971-12-08
JPS60249730A (ja) * 1984-02-13 1985-12-10 ツア−ンラ−トフアブリク・アルトナ−エルベ・ハンス・マイア−・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニ−・コマンデイ−トゲゼルシヤフト かみ合いクラツチ
JP2003035323A (ja) * 2001-04-20 2003-02-07 Dana Corp 改良されたクラッチ・カラー

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109505886A (zh) * 2019-01-16 2019-03-22 兰州天昊环保工程有限公司 一种用于大型回转设备盘车装置的离合器
WO2023074127A1 (ja) * 2021-10-26 2023-05-04 日立Astemo株式会社 電動ブレーキ装置及び駆動ユニット

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10883547B2 (en) Dog clutch and transmission
US9341240B2 (en) Shift device with synchronizer
JP4875302B2 (ja) ドグクラッチ
US7878316B2 (en) High torque one way clutch
EP1826431A3 (en) Shift device with synchronizer adapted for transmission
US10267368B2 (en) Spring pack assembly for a torque transmitting device
US20070289835A1 (en) Synchronizer mechanism for transmission
CN110945260A (zh) 离合器以及车辆的动力传递结构
EP2221495A1 (en) Improved torque overload clutch
JP2008111522A (ja) 同期装置
JP2009103248A (ja) 変速機
JP2012026461A (ja) 噛合クラッチ
JP5020903B2 (ja) 動力伝達装置
JP7141239B2 (ja) ワンウェイクラッチ
JP2014029167A (ja) 動力伝達装置
JP2009216223A (ja) 動力伝達機構
JP2017020633A (ja) 噛合クラッチ
KR101448396B1 (ko) 수동변속기의 싱크로나이저
JP4927022B2 (ja) シフトストッパー装置
US2140100A (en) Clutch
JP2017155857A (ja) 逆入力遮断装置
JP5709615B2 (ja) 変速装置
US7735616B2 (en) Dog clutch
EP2557328A2 (en) Clutch release bearing device
JP4833254B2 (ja) 動力伝達装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120216

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20120217

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20120402

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120410

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120531

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120807

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20121204