JP2012025856A - 自動車シート部材および該シート部材製造用樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】白化現象の発生が目立ちにくい自動車シート部材(特に自動車内装シート部材)および該シート部材製造に適した樹脂組成物を提供する。
【解決手段】ポリオレフィン樹脂100質量部に対して0.3〜5質量部の二酸化チタン及び0.03〜2質量部の黒色顔料を含んでなり、曲げ弾性率が900MPa以上である、ポリオレフィン樹脂組成物を用いて自動車シート部材を製造する。
【選択図】なし

Description

本発明は、自動車シート部材および該シート部材製造用樹脂組成物に関する。本発明は特に、白化現象の発生が目立ちにくい自動車シート部材(特に自動車内装シート部材)および該シート部材製造用の樹脂組成物に関する。
従来から、自動車シート部材(特に自動車内装シート部材)の形成材料として、軽量で、かつ成形が容易なポリオレフィン樹脂が一般的に用いられている。このポリオレフィン樹脂は、着色剤を添加して、あるいは添加することなく成形加工されて、有彩色、白色、あるいは灰色などのシート部材として製品化されている。このようなシート部材は、その自動車内部への組み付け位置に応じて、シート厚が全シート平面について均一なシート、肉厚部と肉薄部とが組み合わされてなるシート、折曲げ部を有するシート、そしてシートの片面あるいは両面に突出部を有するシートなどのように多様な形状にて製造されるのが一般的である。
自動車シート部材は、平面状シートから、ロールを用いての成形、あるいは金型を用いての成形などの成形方法によって製造されるが、その成形時にシートに剪断力などの応力が局部的に付与された場合に、「白化」と呼ばれる現象(成形物の表面に白い筋状の変色領域が現われる現象)が発生することがある。この「白化」は通常、シートに局部的な応力が付与された際に、そのシートから成形される成形体の内部に部分的に発生する軽度なひび割れ現象であると考えられており、その局部的な応力の付与の終了の後も、白化はそのまま残ることがある。このような白化が発生した成形体は通常、その強度などの物理的特性については特に問題とはならないが、外観において欠陥部と見られることもあり、少なくとも違和感があるため、不良品とされることが多い。また、自動車シート部材は、シートから成形されたのち、自動車内部もしくは外部の支持部材に組み付けられるが、その組み付け時にも同様に、剪断力などの応力がシート部材に局部的に付与されることがあり、この場合にも同様な理由により、「白化」現象が発生することがある。
自動車部材の成形時の白化現象は、シート部材に限られるものではないが、シート部材は、その自動車内部もしくは外部の支持部材への組み付け時に付与される応力を薄いシート厚にて受け止めるため、白化の発生が起こりやすく、特に近年要求が強い自動車部品の軽量化を考慮して薄肉化されつつある自動車内装シート部材については、その自動車内部の支持部材への組み付け時での白化が発生しやすくなっており、その対策が望まれる。
特許文献1には、特定の化学組成と物性とを持つプロピレン系共重合体と少量の高級脂肪酸アミドとからなる難白化性の自動車内装部品用プロピレン重合体組成物が開示されている。このプロピレン重合体組成物は、射出成形時に金型に取り付けられた突き出しピンによる成形体の白化が生じ難い、難白化性の自動車内装部品用プロピレン重合体組成物であると記載されている。従って、この発明は、自動車内装部品の成形による製造に際して、成形材料として、特定の化学組成と物性とを持つプロピレン系共重合体に、恐らくは滑剤として機能すると推定される少量の高級脂肪酸アミドを配合したプロピレン重合体組成物を用いることにより、成形体の製造時における自動車内装部品での白化の発生の抑制が可能となるとの知見に基づく発明であると理解される。
特開平8−302149号公報
特許文献1に記載の難白化性の自動車内装部品用プロピレン重合体組成物は、成形時における成形体の白化の発生を、特定の化学組成と物性とを持つプロピレン系共重合体と少量の高級脂肪酸アミドを配合したプロピレン重合体組成物を用いることにより抑制する点に特徴を持つが、用いるプロピレン重合体が、特定の化学組成と物性とを持つ非汎用性のプロピレン重合体に限定される点において、実用上の有用性が限られると云う問題がある。
本発明は、基材となるポリオレフィン樹脂として、化学組成や物性などについて特定の要求を必要としない汎用性のプロピレン重合体を用いて、自動車シート部材(特に内装シート部材)の成形操作あるいは自動車内部の支持部材への組み立て時における白化の問題を解決することのできるポリオレフィン樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明の発明者は、自動車シート部材(特に内装シート部材)の成形操作あるいは自動車の支持部材への組み立て時における白化の問題を解決する方法として、特許文献1に記載の発明が提案した「特定の樹脂と滑剤との併用による白化の発生の抑制」の代りに、成形操作あるいは自動車の支持部材への組み立て時に発生した白化現象を顕在化させない方法によっても、白化の発生に起因する問題の解決が可能であるとの想定のもとに研究を行なった。この想定は、前記の様に、ポリオレフィン樹脂組成物の成形体に発生する白化は、通常現われるレベルである限り、成形体の実用物性には影響がないとの経験的に確認されている事実を考慮した想定である。
上記の研究の結果、本発明者は、ポリオレフィン樹脂材料として、従来より自動車シートの製造用として一般的に用いられてきたポリオレフィン樹脂を用い、これに少量の特定の光遮蔽性顔料を含有させたポリオレフィン樹脂組成物を用いることにより、シート状成形体の成形時あるいは自動車の支持部材への組み付け時に局部的な応力が付与された場合でも、外観的に白化の発生が観察されることのないシート部材が得られることを見出し、本発明に到達した。
従って、本発明は、ポリオレフィン樹脂100質量部に対して0.3〜5質量部の二酸化チタン及び0.03〜2質量部の黒色顔料を含んでなり、曲げ弾性率が900MPa以上である、自動車シート部材(特に自動車内装シート部材)製造用のポリオレフィン樹脂組成物にある。
本発明はまた、上記の本発明のポリオレフィン樹脂組成物を用いて製造した自動車シート部材(特に自動車内装シート部材)にもある。
本発明の自動車シート部材製造用のポリオレフィン樹脂組成物では、ポリオレフィン樹脂基材として、従来より自動車シート部材の製造に利用されてきた汎用性の高いポリオレフィン樹脂を用いることができる上に、本発明のポリオレフィン樹脂組成物を用いて製造した自動車シート部材(特に自動車内装シート部材)は、その内部に白化現象が発生した場合であっても、そのシート部材表面における白化現象の発生が顕在化することがない。従って、汎用性の高いポリオレフィン樹脂を用いた場合でも、シート成形体の成形時あるいは自動車内部あるいは外部での支持部材への組み付け時などにおける不良品の発生の効果的な抑制が可能となる。
本発明の自動車シート部材製造用のポリオレフィン樹脂組成物の好ましい態様は次の通りである。
(1)二酸化チタン1質量部に対する黒色顔料の含有量が0.05〜0.5質量部の範囲にある。
(2)ポリオレフィン樹脂100質量部に対して合計量として0.05〜5質量部の有彩色顔料をさらに含む。
(3)ポリオレフィン樹脂がプロピレン−エチレンブロック共重合体である。
(4)曲げ弾性率が900〜1500MPaの範囲にある。
(5)ポリオレフィン樹脂組成物から作成した試験シート片(80mm×40mm×2.0mm)に110Nの荷重をかけた際に発生する白化領域と試験シート片の非白化領域との色差(ΔL)が10.0以内である。
本発明の自動車シート部材の好ましい態様は次の通りである。
(1)最も薄い部分の厚みが1.0〜2.4mmの範囲にある。
(2)最も薄い部分の厚みが1.2〜1.8mmの範囲にある。
(3)シート部材が少なくとも80mm以上の間隔を以て配置された支持部材に接している。
次に、本発明の自動車シート部材製造用のポリオレフィン樹脂組成物に含まれる各種成分についての詳しい説明を述べる。
[ポリオレフィン樹脂]
本発明で用いられるポリオレフィンの例としては、ポリプロピレンおよびポリエチレンを挙げることができるが、ポリプロピレンであることが好ましい。なお、市場において一般的に流通していて、自動車シート部材(特に自動車内装シート部材)の製造原料として用いられるポリプロピレンは、主要量のプロピレンと相対的に少量のエチレンとのブロック共重合体(プロピレン−エチレンブロック共重合体)であることが多い。従って、本発明で用いるポリプロピレンとしては、そのようなプロピレン−エチレンブロック共重合体が好ましい。
また、用いるポリオレフィンは成形体とした時に、曲げ弾性率が900MPa以上を示す必要があり、この為に、自動車シート部材(特に自動車内装シート部材)の製造に一般的に用いられるポリオレフィンが用いられる。ただし、このような曲げ弾性率を示すポリオレフィンであれば、必ずしも一般的なポリオレフィンである必要はない。
また、ポリオレフィンとしては、未使用のポリオレフィン(バージンポリオレフィン)を用いることができるが、不合格品として製品とされなかったポリオレフィン成形体の粉砕物、一旦製品として使用され、その後に廃棄されたポリオレフィン成形体の粉砕物を用いることもできる。
[二酸化チタン]
本発明で用いられる二酸化チタンには特別の限定はないが、各種の用途にて一般的に用いられるルチル型二酸化チタン、あるいはアナターゼ型二酸化チタンであることが好ましい。二酸化チタンは、前述のように、ポリオレフィン樹脂100質量部に対して0.3〜5質量部の範囲の量にて用いられる。
[黒色顔料]
本発明で用いられる黒色顔料の例としては、カーボンブラック及び鉄黒を挙げることができる。黒色顔料は、前述のように、ポリオレフィン樹脂100質量部に対して0.03〜2質量部の範囲の量にて用いられる。また、黒色顔料の使用量は二酸化チタンの使用量に対して相対的に少量用いることが好ましく、例えば、二酸化チタン1質量部に対する黒色顔料の含有量が0.05〜0.5質量部の範囲の量とすることが特に好ましい。
自動車シート部材(特に自動車内装シート部材)として着色シート部材を製造する場合には、上記の二酸化チタンと黒色顔料に加えて有彩色顔料を組合わせる。有彩色顔料としては、弁柄、群青、コバルトブルー、チタンイエロー、コバルト黄、コバルト青、コバルト緑などの無機有彩色顔料、そしてキナクリドンレッド、ポリアゾイエロー、アンスラキノンレッド、アンスラキノンイエロー、ポリアゾレッド、アゾレーキイエロー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、イソインドリノンイエロー、キナクリドンレッド、パーマネントレッド、パラレッド、トルイジンマルーン、ベンチジンイエロー、ファーストスカイブルー、ブリリアントカーミン6Bなどの有機有彩色顔料が目的に応じて、単独あるいは組合わせて用いられる。
本発明の自動車シート部材製造用樹脂組成物では、二酸化チタンと黒色顔料とは共に高い分散状態で分散されていることが好ましい。このため、公知の分散剤、たとえば、高級脂肪酸、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸金属塩(金属石鹸)、グリセリンエステル、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどを選択して添加することが好ましい。特に好ましい分散剤は、ステアリン酸マグネシウムである。
本発明の自動車シート部材製造用樹脂組成物には更に必要に応じて、各種エラストマーや公知の添加剤を含有することができる。そのような公知の添加剤の例としては、フィラー(例、タルク)、滑剤、帯電防止剤、界面活性剤、増核剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、そして難燃剤を挙げることができる。
本発明の樹脂組成物を用いて製造する自動車シート部材の例としては、シート厚が全シート平面について均一なシート、肉厚部と肉薄部とが組み合わされてなるシート、折曲げ部を有するシート、そしてシートの片面あるいは両面に突出部を有するシートなどのように多様な形状のシート部材を挙げることができる。
本発明の樹脂組成物は、特に、最も厚みが小さい肉薄部の厚みが、1.0〜2.4mmの範囲(特には、1.2〜1.8mm)にある自動車シート(特に自動車内装シート)の製造に有利に用いられる。そして、特に自動車シートが、シート全面にわたって硬質基材によって支持(裏打ち)されない状態で自動車内部に組付けられる内装シートである場合に特に有利に用いられる。すなわち、自動車内装シートがその周縁部のみで支持される場合や、部分的に接触する硬質材料からなる支持材料により支持される場合において、組み付け作業時の白化が発生しやすいため、本発明の樹脂組成物はそのような内装シートである場合に有利に使用することができる。
本発明の樹脂組成物を用いて製造する自動車シート部材の例としては、内装部品については、インパネ、ドアトリム、ピラーバーニッシュ等、そして外装部品については、バンパ、サイドストーンガード等を挙げることができる。
[実施例1](ベージュに着色された内装シート)
ポリプロピレン樹脂基材(プロピレン−エチレンブロック共重合体の射出成形品の粉砕物)100質量部に、二酸化チタン(0.970質量部)、弁柄(0.080質量部)、チタンイエロー(0.670質量部)、鉄黒(0.060質量部)、そしてステアリン酸マグネシウム(0.10質量部)を混合した後、加熱溶融し、これを射出成形して、顔料含有樹脂組成物の試験シート片(80mm×40mm×2.0mm)を作成した。
この顔料含有樹脂組成物の曲げ弾性率(JIS 7171に記載の方法に従って測定、以下同じ)は、1304MPaであった。
[実施例2](ベージュに着色された内装シート)
ポリプロピレン樹脂基材(実施例1で使用したものと同一のもの)100質量部に、二酸化チタン(2.000質量部)、弁柄(0.135質量部)、チタンイエロー(1.070質量部)、鉄黒(0.35質量部)、そしてステアリン酸マグネシウム(0.10質量部)を混合した後、加熱溶融し、これを射出成形して、顔料含有樹脂組成物の試験シート片(80mm×40mm×2.0mm)を作成した。
この顔料含有樹脂組成物の曲げ弾性率は、1324MPaであった。
[実施例3](ベージュに着色された内装シート)
ポリプロピレン樹脂基材(実施例1で使用したものと同一のもの)100質量部に、二酸化チタン(3.200質量部)、弁柄(0.190質量部)、チタンイエロー(1.530質量部)、鉄黒(0.63質量部)、そしてステアリン酸マグネシウム(0.10質量部)を混合した後、加熱溶融し、これを射出成形して、顔料含有樹脂組成物の試験シート片(80mm×40mm×2.0mm)を作成した。
この顔料含有樹脂組成物の曲げ弾性率は、1355MPaであった。
[実施例4](ベージュに着色された内装シート)
ポリプロピレン樹脂基材(実施例1で使用したものと同一のもの)100質量部に、二酸化チタン(3.890質量部)、弁柄(0.265質量部)、チタンイエロー(1.970質量部)、鉄黒(0.850質量部)、そしてステアリン酸マグネシウム(0.10質量部)を混合した後、加熱溶融し、これを射出成形して、顔料含有樹脂組成物の試験シート片(80mm×40mm×2.0mm)を作成した。
この顔料含有樹脂組成物の曲げ弾性率は、1377MPaであった。
[実施例5](ベージュに着色された内装シート)
ポリプロピレン樹脂基材(実施例1で使用したものと同一のもの)100質量部に、二酸化チタン(5.000質量部)、弁柄(0.325質量部)、チタンイエロー(2.550質量部)、鉄黒(1.125質量部)、そしてステアリン酸マグネシウム(0.10質量部)を混合した後、加熱溶融し、これを射出成形して、顔料含有樹脂組成物の試験シート片(80mm×40mm×2.0mm)を作成した。
この顔料含有樹脂組成物の曲げ弾性率は、1377MPaであった。
[実施例6](ライトグレーに着色された内装シート)
ポリプロピレン樹脂基材(実施例1で使用したものと同一のもの)100質量部に、二酸化チタン(1.000質量部)、弁柄(0.050質量部)、チタンイエロー(0.030質量部)、カーボンブラック(0.200質量部)、群青(0.030質量部)そしてステアリン酸マグネシウム(0.10質量部)を混合した後、加熱溶融し、これを射出成形して、顔料含有樹脂組成物の試験シート片(80mm×40mm×2.0mm)を作成した。
この顔料含有樹脂組成物の曲げ弾性率は、1314MPaであった。
[実施例7](ライトグレーに着色された内装シート)
ポリプロピレン樹脂基材(実施例1で使用したものと同一のもの)100質量部に、二酸化チタン(2.750質量部)、弁柄(0.130質量部)、チタンイエロー(0.090質量部)、カーボンブラック(0.485質量部)、群青(0.090質量部)そしてステアリン酸マグネシウム(0.10質量部)を混合した後、加熱溶融し、これを射出成形して、顔料含有樹脂組成物の試験シート片(80mm×40mm×2.0mm)を作成した。
この顔料含有樹脂組成物の曲げ弾性率は、1348MPaであった。
[実施例8](ライトグレーに着色された内装シート)
ポリプロピレン樹脂基材(実施例1で使用したものと同一のもの)100質量部に、二酸化チタン(4.100質量部)、弁柄(0.165質量部)、チタンイエロー(0.130質量部)、カーボンブラック(0.675質量部)、群青(0.13質量部)そしてステアリン酸マグネシウム(0.10質量部)を混合した後、加熱溶融し、これを射出成形して、顔料含有樹脂組成物の試験シート片(80mm×40mm×2.0mm)を作成した。
この顔料含有樹脂組成物の曲げ弾性率は、1338MPaであった。
[実施例9](ベージュに着色された内装シート)
ポリプロピレン樹脂基材(プロピレン−エチレンブロック共重合体のバージン材)100質量部に、二酸化チタン(3.200質量部)、弁柄(0.125質量部)、チタンイエロー(0.130質量部)、鉄黒(0.56質量部)そしてステアリン酸マグネシウム(0.10質量部)を混合した後、加熱溶融し、これを射出成形して、顔料含有樹脂組成物の試験シート片(80mm×40mm×2.0mm)を作成した。
この顔料含有樹脂組成物の曲げ弾性率は、978MPaであった。
[実施例10](ベージュに着色された内装シート)
ポリプロピレン樹脂基材(実施例9で使用したものと同一のもの)100質量部に、二酸化チタン(2.100質量部)、弁柄(0.089質量部)、チタンイエロー(0.900質量部)、鉄黒(0.40質量部)そしてステアリン酸マグネシウム(0.10質量部)を混合した後、加熱溶融し、これを射出成形して、顔料含有樹脂組成物の試験シート片(80mm×40mm×2.0mm)を作成した。
この顔料含有樹脂組成物の曲げ弾性率は、1004MPaであった。
[実施例11](ライトグレーに着色された内装シート)
ポリプロピレン樹脂基材(実施例9で使用したものと同一のもの)100質量部に、二酸化チタン(2.500質量部)、弁柄(0.100質量部)、チタンイエロー(0.320質量部)、カーボンブラック(0.330質量部)そしてステアリン酸マグネシウム(0.10質量部)を混合した後、加熱溶融し、これを射出成形して、顔料含有樹脂組成物の試験シート片(80mm×40mm×2.0mm)を作成した。
この顔料含有樹脂組成物の曲げ弾性率は、962MPaであった。
[白化の評価]
(1)白化開始荷重の測定方法
実施例1〜8のそれぞれで作成された顔料含有樹脂組成物の試験シート片を用いて白化開始荷重を測定した。白化開始荷重は、4本の足で支持されたリング状枠体(内径:100mm)の開口部の上面に試験シート片を置き、その試験シート片を各隅部(4点)にて枠体に固定した状態で、試験シート片の開口部の上面に先端の径が3.3mmの円柱状荷重付与具を接触させ、次いでその荷重付与具に、荷重を徐々に増加させながら付与した(付与した荷重は、オートグラフにより記録)。同時に、試験シート片の下側より、試験シート片の下側表面を目視により観察し、白化の発生を確認し、白化の発生した時点での荷重を確認した。
なお、参照用の試験シート片として、実施例1でポリプロピレン樹脂基材として用いたプロピレン−エチレンブロック共重合体の射出成形品の粉砕物単独からも試験シート片を作成した。
(2)評価結果
上記(1)の方法で測定した白化の発生が観察された時点の荷重を表1に示す。
表1
────────────────────────────────────
試験シート片 白化発生荷重(単位:N)
────────────────────────────────────
対照試験シート片 111
────────────────────────────────────
実施例1 166
実施例2 168
実施例3 183
実施例4 201
実施例5 201
実施例6 183
実施例7 188
実施例8 200
────────────────────────────────────
(3)評価結果のまとめ
本発明に従う曲げ弾性率を示す顔料含有樹脂組成物から得られた試験シート片は、同じ樹脂基材を用い顔料を添加せずして得た試験シート片(対照試験シート片)に比べると、白化の発生が観察される荷重が顕著に大きいことから、白化の発生が抑制されているとの判断ができる。

Claims (11)

  1. ポリオレフィン樹脂100質量部に対して0.3〜5質量部の二酸化チタン及び0.03〜2質量部の黒色顔料を含んでなり、曲げ弾性率が900MPa以上である、自動車シート部材製造用のポリオレフィン樹脂組成物。
  2. 自動車内装シート部材製造用である請求項1に記載のポリオレフィン樹脂組成物。
  3. 二酸化チタン1質量部に対する黒色顔料の含有量が0.05〜0.5質量部の範囲にある請求項1もしくは2に記載のポリオレフィン樹脂組成物。
  4. ポリオレフィン樹脂100質量部に対して合計量として0.05〜5質量部の有彩色顔料をさらに含む請求項1乃至3の内のいずれかの項に記載のポリオレフィン樹脂組成物。
  5. ポリオレフィン樹脂がプロピレン−エチレンブロック共重合体である請求項1乃至4の内のいずれかの項に記載のポリオレフィン樹脂組成物。
  6. 曲げ弾性率が900〜1500MPaの範囲にある請求項1乃至5の内のいずれかの項に記載のポリオレフィン樹脂組成物。
  7. 請求項1乃至6の内のいずれかの項に記載のポリオレフィン樹脂組成物の成形物である自動車シート部材。
  8. 自動車内装シート部材である請求項7に記載の自動車シート部材。
  9. 最も薄い部分の厚みが1.0〜2.4mmの範囲にある請求項7もしくは8に記載の自動車シート部材。
  10. 最も薄い部分の厚みが1.2〜1.8mmの範囲にある請求項9に記載の自動車シート部材。
  11. シート部材が少なくとも80mm以上の間隔を以て配置された支持部材に接している請求項7乃至10の内のいずれかの項に記載の自動車シート部材。
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