JP2012025825A - 固体燃料の改質方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】灰中融液割合を低減させることで、ボイラに灰が付着するのを抑制することができるようにする。
【解決手段】原料炭と原料油とを混合部11に供給して混合するとともに、マグネシウム系化合物またはアルミニウム系化合物を含有する添加物を混合部11に供給して、混合部11内の混合物に添加することで、原料スラリーを形成する。その後、原料スラリーを加熱部12に供給して加熱する。そして、加熱後の原料スラリーを固液分離部13に供給して、固液分離する。液体分から分離された固体分を成形部14に送って乾燥させ、製品炭として取り出す。
【選択図】図2

Description

本発明は、ボイラの燃料である固体燃料の改質方法に関する。
固体燃料を燃料とするボイラでは、粉砕機で粉砕された固体燃料が、搬送用空気とともに供給される。ボイラは、供給された燃料をバーナなどで燃焼させて熱を発生させる火炉と、火炉の上方から下流にわたって配置され、内部に燃焼ガスを流動させて熱交換を行う伝熱管群とを備えている。
このようなボイラの燃料として、水分を多く含む褐炭などの劣質な低品位炭を利用することは、特に海外炭の利用率が高い日本では限定的である。その理由は、水分除去に大きな熱損失を要する低品位炭をわざわざ高いコストをかけて輸送してくるメリットが少ないためである。
そこで、特許文献1には、重質油分と溶媒油分とを含む混合油を多孔質炭と混合してスラリー状態とし、これを例えば100〜250℃に加熱して、細孔内水分を混合油に入れ替えることで、自然発火性を失わせるとともに、多孔質炭全体をカロリーアップした多孔質炭を原料とする固形燃料及びその製造方法が開示されている。このような固形燃料であれば、ボイラの燃料として利用しても、熱損失を低減させることができる。
しかしながら、水分を除去したとしても、低品位炭をボイラに利用するには、ボイラへの灰付着量を抑制する必要がある。石炭化度の低い低品位炭は、高品位な瀝青炭と比較して灰分含有率が低いが、低品位炭には灰の融点が低いものが多い。これらの低品位炭をボイラに利用すると、灰が火炉の壁面や伝熱管群に付着して堆積するスラッギングやファウリングが生じて、ボイラの収熱が悪くなったり、堆積した灰がボイラの炉底部を閉塞したりするトラブルが発生する可能性がある。
そこで、低品位炭をボイラに利用するには、複数種類の高品位な瀝青炭と混合することで、ボイラへの灰付着量を抑制する必要がある。本発明者らは、ボイラへの灰付着量を抑制することが可能な低品位炭と高品位炭との混合比率の決定方法を見出し、すでに特許出願している。その方法とは、ボイラ内で燃焼により溶融し、ボイラ内の燃焼空気の気流に乗って浮遊し、炉壁や伝熱管群に付着する成分であるスラグに着目し、各固体燃料について算出したスラグ割合(灰中融液割合)と灰成分の組成に基づいて、ボイラにおける灰中融液割合が基準値以下になるように、複数種類の固体燃料の混合比率を決定するものである。そして、灰中融液割合が50〜60重量%となる範囲を基準値とするのが望ましい。
特許第2776278号明細書
ところで、低品位炭と高品位炭とを混合させてボイラに利用する際に、灰中融液割合(スラグ割合)が基準値以下になるように、混合比率を決定するのであるから、基準値に対して灰中融液割合が十分に低くなることが好ましい。さらには、低品位炭の灰中融液割合が十分に低くなれば、低品位炭を高品位炭と混合させることなく単独でボイラに利用することができるようになる可能性が高まる。
本発明の目的は、灰中融液割合を低減させることで、ボイラに灰が付着するのを抑制することが可能な固体燃料の改質方法を提供することである。
本発明の固体燃料の改質方法は、原料炭と原料油とを混合するとともに、マグネシウム系化合物またはアルミニウム系化合物を含有する添加物を添加して原料スラリーを形成するステップと、前記原料スラリーを加熱するステップと、加熱後の前記原料スラリーを固液分離するステップと、固液分離した前記原料スラリーのうち、固体分を乾燥して製品炭とするステップと、を有することを特徴とする。
上記の構成によれば、灰の収縮率が高いほど灰は固体から融液(溶融スラグ)になるのであるが、原料炭と原料油との混合物にマグネシウム系化合物またはアルミニウム系化合物を添加すると、灰の収縮率が低下して灰が融液になりにくくなり、製品炭における灰中融液割合(スラグ割合)が低下する。
ここで、灰中融液割合とは、一定量の固体状の灰のうち、ある温度、雰囲気条件において、融液(溶融スラグ)になった割合を意味し、スラグとは、燃焼により溶融し、ボイラ内の燃焼気流に乗って浮遊し、炉壁や伝熱管群に付着する成分を意味する。
また、製品炭における無機化合物の添加割合が増えるほど、製品炭中に含まれる無機物質が増加するため、スラグ増加率も高くなるのであるが、マグネシウム系化合物やアルミニウム系化合物においては、添加割合が増加するほど、製品炭における灰中融液割合が低下して、スラグ増加率が低下する。
ここで、スラグ増加率とは、無機化合物の添加前後のスラグ生成量の比であり、スラグ生成量は、灰中融液割合に、供給する石炭中の灰重量や添加する無機化合物の重量を掛けたものである。
灰中融液割合が低下すると、製品炭の灰付着率が低下するので、このような製品炭をボイラに利用することで、ボイラへの灰付着量が抑制される。
さらには、低融点灰を含有する低品位炭を原料炭としてマグネシウム系化合物またはアルミニウム系化合物を添加して、灰中融液割合を低減させ、灰付着率を低減させた製品炭とすることで、低品位炭を瀝青炭などの高品位炭と混合させることなく単独でボイラに利用することができるようになる可能性が高くなる。
このように、原料炭と原料油との混合物にマグネシウム系化合物またはアルミニウム系化合物を添加することで、製品炭における灰中融液割合を低減させることができて、製品炭の灰付着率が低減するから、このような製品炭をボイラに利用することで、ボイラに灰が付着するのを抑制することができる。
また、本発明の固体燃料の改質方法においては、前記製品炭における灰中融液割合が60重量%以下になるように、前記マグネシウム系化合物または前記アルミニウム系化合物の添加割合を決定してよい。上記の構成によれば、特にボイラ内で灰付着が起こりやすい温度である1573K近傍において、製品炭における灰中融液割合が60重量%以下になるように、マグネシウム系化合物またはアルミニウム系化合物を添加することで、製品炭における灰中融液割合は、複数種類の固体燃料の混合比率を決定する際の基準値以下になり、灰付着率が低下する。よって、このような製品炭をボイラに利用することで、ボイラへの灰付着量を抑制することができる。
また、本発明の固体燃料の改質方法において、前記マグネシウム系化合物または前記アルミニウム系化合物の添加割合が25重量%以上50重量%以下であってよい。上記の構成によれば、マグネシウム系化合物またはアルミニウム系化合物を、25重量%以上50重量%以下の添加割合で、原料炭と原料油との混合物に添加することで、製品炭における灰中融液割合を好適に低減させることができる。
また、本発明の固体燃料の改質方法において、前記マグネシウム系化合物または前記アルミニウム系化合物の平均粒径が5ミクロン以下であってよい。上記の構成によれば、マグネシウム系化合物またはアルミニウム系化合物の平均粒径が灰よりも小さく、細かくなるほど、灰付着抑制効果が大きくなる。灰の平均粒径は6.8ミクロン程度であるので、マグネシウム系化合物またはアルミニウム系化合物の平均粒径を5ミクロン以下とすることによって、ボイラへの灰付着を好適に抑制することができる。
また、本発明の固体燃料の改質方法において、前記添加物が前記マグネシウム系化合物を70重量%以上含有していてよい。上記の構成によれば、マグネシウム系化合物を70重量%以上含有する添加物を、原料炭と原料油との混合物に添加することで、製品炭における灰中融液割合を好適に低減させることができる。
本発明の固体燃料の改質方法によると、原料炭と原料油との混合物にマグネシウム系化合物またはアルミニウム系化合物を添加すると、灰の収縮率が低下して灰が融液になりにくくなり、製品炭における灰中融液割合(スラグ割合)が低下する。また、マグネシウム系化合物やアルミニウム系化合物においては、添加割合が増加するほど、製品炭における灰中融液割合が低下して、スラグ増加率が低下する。灰中融液割合が低下すると、製品炭の灰付着率が低下するので、このような製品炭をボイラに利用することで、ボイラへの灰付着量が抑制される。
さらには、低融点灰を含有する低品位炭を原料炭としてマグネシウム系化合物またはアルミニウム系化合物を添加して、灰中融液割合を低減させ、灰付着率を低減させた製品炭とすることで、低品位炭を瀝青炭などの高品位炭と混合させることなく単独でボイラに利用することができるようになる可能性が高くなる。
このように、原料炭と原料油との混合物にマグネシウム系化合物またはアルミニウム系化合物を添加することで、製品炭における灰中融液割合を低減させることができて、製品炭の灰付着率が低減するから、このような製品炭をボイラに利用することで、ボイラに灰が付着するのを抑制することができる。
ボイラを示す概略図である。 原料炭の改質方法の説明図である。 1573Kにおける灰中融液割合と灰付着率との関係を示す図である。 温度と灰中融液割合との関係を示す図である。 温度と灰の収縮率との関係を示す図である。 無機化合物の添加割合とスラグ増加率との関係を示す図である。 石炭灰に対するマグネシウム系化合物およびアルミニウム系化合物の添加割合と灰中融液割合との関係を示す図である。 添加物中のMgO含有率と灰中融液割合との関係を示す図である。 添加物中のMgO含有率と灰中融液割合および灰付着量との関係を示す図である。 石炭灰の粒子径分布を示す図である。 石炭灰に対するMgO試料の添加割合と灰付着量との関係を示す図である。 温度と灰中融液割合との関係を示す図である。 温度と灰の収縮率との関係を示す図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
[第1実施形態]
(ボイラの構成)
本実施形態による改質方法で形成された製品炭は、固体燃料としてボイラに利用される。図1に示すように、ボイラ7は、固体燃料を保持するホッパ1,2と、ホッパ1,2から供給される固体燃料の供給量を調整する供給量調整装置3a,3bと、ホッパ1,2から供給された固体燃料を混合する混合機4と、混合機4で混合された固体燃料を粉砕して微粉炭にする粉砕機5と、粉砕機5から搬送用空気と共に供給された微粉炭を燃料として燃焼させるバーナ6と、供給量調整装置3a,3bを制御する演算器9と、を有している。ボイラ7は、微粉炭を燃焼させて熱を回収するものである。
ホッパ1とホッパ2とは、互いに灰の性状が異なる固体燃料をそれぞれ保持している。ここで、固体燃料とは、石炭、汚泥炭化物、バイオマス燃料等を含むものである。なお、ホッパの数は2つに限定されず、1つであっても2つ以上であってもよい。ホッパ1から混合機4に供給される固体燃料の供給量は、供給量調整装置3aにより調整され、ホッパ2から混合機4に供給される固体燃料の供給量は、供給量調整装置3bにより調整される。
なお、図示していないが、ボイラ7は、粉砕機5から供給された微粉炭を、バーナ6等で燃焼させて熱を発生させる火炉と、火炉の上方から下流にわたって配置され、内部に燃焼ガスを流動させて熱交換を行う伝熱管群と、を備えており、ボイラ7で発生した燃焼ガスは煙突から排出されるようになっている。また、伝熱管群は、火炉の上方に所定の間隔で並列配置された二次加熱器、三次加熱器、最終加熱器、二次再熱器を備える上部伝熱部と、火炉の後部に配置された一次加熱器、一次再熱器、節炭器を備える後部伝熱部と、を有している。
演算器9は、予め固体燃料の水分含有率、発熱量、灰分含有率、灰成分の組成等の性状をデータとして集積し、固体燃料の混合比率をパラメータとして用い、混合した燃料の灰成分の組成を、予め測定された各固体燃料の灰成分の組成から算出し、予め測定した灰中融液割合(スラグ割合)と灰付着率との関係から灰付着率が低くなる(灰付着率が5〜7%程度)灰中融液割合の値(基準値)を決定し、灰中融液割合が決定された基準値以下となる灰組成になるように、熱力学平衡計算により、各固体燃料の混合比率を決定する。ここで、燃料となる固体燃料は、ボイラに投入される熱量が一定になるように供給量が決定されている。
そして、演算器9は、決定した各固体燃料の混合比率に基づいて、供給量調整装置3a,3bをそれぞれ制御することにより、ホッパ1,2からボイラ7への固体燃料の供給量を調整する。
ここで、灰中融液割合とは、本実施形態で用いる灰付着特性の評価指標であり、一定量の固体状の灰のうち、ある温度、雰囲気条件において、融液(溶融スラグ)になった割合を意味する。また、スラグとは、燃焼により溶融し、ボイラ内の燃焼気流に乗って浮遊し、炉壁や伝熱管群に付着する成分を意味する。灰中融液割合は、各固体燃料及び各固体燃料の混合条件に応じて算出する。ここで、灰中融液割合は、予め測定した各固体燃料の灰が、ある条件(温度、雰囲気ガス組成)において、熱力学的に最も安定する、つまり、ギブスの自由エネルギー(△G)がゼロに近くなる状態の組成や相(気相、固相、液相)を熱力学平衡計算により算出することで求められる。このときの灰組成は、数種類の石炭をある割合で混合させた後の灰組成である。
なお、熱力学平衡計算においては、ボイラ壁への灰付着が顕著に発生するバーナ近傍の雰囲気温度と雰囲気ガス組成とを用いる。また、雰囲気温度及び雰囲気ガス組成は、バーナ近傍に限らず、灰の付着が生じやすい伝熱管群などの所望の部分の雰囲気温度及び雰囲気ガス組成に基づいて熱力学平衡計算を行ってよい。これにより、ボイラ内部の各部分における灰中の灰中融液割合を適正に求めることができ、複数種類の固体燃料の適切な混合比率を計算することができる。なお、熱力学平衡計算は、上述の形態に限らず、ボイラ設計上の最高雰囲気ガス温度及びその部位の雰囲気ガス組成を用いてもよい。また、ボイラ設計上の還元度が最も高い(COやHなどの還元性ガスの濃度が最も高い)雰囲気ガス組成とその部位の温度を用いてもよい。そうすると、ボイラの炉内の燃焼温度に依存せず、混合比率を決定することができる。
なお、灰中融液割合の算出は、上述の形態に限らず、予め各固体燃料の灰を加熱し、各温度及び雰囲気ガス組成における灰中融液割合を測定しておいてもよい。これにより、実際のボイラの状況に合わせた灰中融液割合を求めることができる。また、灰中融液割合は、熱機械分析装置(TMA(Thermo Mechanical Analysis)装置)を用いて、実際の石炭灰の収縮率から算出してもよい。
また、灰付着率とは、ボイラの炉内に挿入した灰付着プローブへの衝突灰量に対する灰付着プローブへの付着灰量の比であり、灰の付着しやすさを意味し、次式で表される。なお、灰付着プローブへの衝突灰量とは、灰付着プローブの投影面積に衝突する灰の総量であり、固体燃料の供給量、灰分含有率及びボイラの炉形状によって求められる。
なお、灰付着率の算出は、ボイラ7ではなく、燃焼試験炉や実缶ボイラを用いて行ってもよい。
(原料炭の改質方法)
次に、上記の構成のボイラに利用される固体燃料としての原料炭の改質方法について説明する。
図2に示すように、まず、低品位炭などの原料炭と原料油とを混合部11に供給して混合するとともに、マグネシウム系化合物(無機化合物)であるMgOを含有する添加物を混合部11に供給して、混合部11内の混合物に添加することで、原料スラリーを形成する。
添加物は、MgOを70重量%以上、好ましくは90重量%以上含有している。MgOの平均粒径は5ミクロン以下、好ましくは0.2ミクロン程度であり、固体燃料の無機成分に対するMgOの添加割合は、25重量%以上50重量%以下である。なお、マグネシウム系化合物は、酸化物であるMgOに限定されず、MgCOやMg(OH)であってもよい。
次に、原料スラリーを加熱部12に供給して、操作圧での水の沸点近傍まで予熱した後、例えば140℃、4気圧の条件で油中脱水を行うことで、水分を除去する。
続いて、加熱後の原料スラリーを固液分離部13に供給して、沈降、遠心分離、濾過、圧搾等任意の手段によって固液分離する。固体分から分離された液体分のうち、水分は排水し、油分は原料油として混合部11でリサイクルする。一方、液体分から分離された固体分は、成形部14に送られて乾燥され、製品炭として取り出される。取り出された製品炭は、固体燃料としてボイラ7(図1参照)に使用される。
(灰中融液割合と灰付着率との関係)
次に、灰中融液割合と灰付着率との関係について説明する。図3は、特にボイラ内で灰付着が起こりやすい温度である1573Kにおける様々な混合炭における灰中融液割合と灰付着率との関係を示している。火炉内の雰囲気温度及び雰囲気ガス組成において、灰中融液割合が60重量%を越えると、灰付着率が急激に増大することがわかる。言い換えれば、灰中融液割合を60重量%以下にすることで、灰付着率を下げることができる。本実施形態において、灰付着率が低くなる灰中融液割合の値である基準値は、50〜60重量%である。図1において、演算器9は、灰中融液割合が決定された基準値以下となる灰組成になるように、熱力学平衡計算により、各固体燃料の混合比率を決定している。
(温度と灰中融液割合および灰の収縮率との関係)
次に、温度と灰中融液割合との関係、および、温度と灰の収縮率との関係について説明する。図4は、上記の方法で灰中融液割合を算出した計算結果である。図5は、灰サンプルの温度を変化させながら、荷重を加えてその物質の変形を測定する熱機械分析(TMA,Thermo Mechanical Analysis)により、灰の収縮率を求めた結果である。灰サンプルとして、低品位炭、ここでは改質褐炭の灰にMgOを添加していないもの(添加なし)と、改質褐炭の灰にMgOを25重量%添加したもの(添加あり)とを用いた。ここで、灰の収縮率が高いほど灰サンプルは固体から融液(溶融スラグ)になることを意味しており、温度が高くなるほど灰中融液割合および灰の収縮率は高くなる。
図4および図5から、灰サンプルにMgOを添加することで、灰中融液割合を算出した熱力学平衡計算においても、灰の収縮率の測定においても、劇的な低下が認められる。つまり、灰サンプルにMgOを添加すると、灰の収縮率が低下して灰が融液になりにくくなり、灰中融液割合が低下する。特にボイラ内の灰付着が起こりやすい1573K近傍における灰中融液割合は40%程度まで低下し、図3に示した閾値(60重量%)を下回る。これにより、図3に示すように、灰付着率が低下するので、低融点灰を持つ低品位炭を高品位な瀝青炭との混炭ではなく、単独でボイラに利用することができる可能性が高い。
(無機化合物の添加割合とスラグ増加率との関係)
図6は、様々な無機化合物を石炭灰に添加したときの無機化合物の添加割合とスラグ増加率との関係を示す計算結果であり、特にボイラ内で灰付着が起こりやすい温度である1573Kにおけるスラグ増加率を示している。ここで、スラグ増加率とは、無機化合物添加前後のスラグ生成量の比であり、次式で表わされる。
なお、スラグ生成量は、供給する石炭中の灰重量や添加する無機化合物の重量を灰中融液割合に掛けたものである。具体的には、無機化合物添加前のスラグ生成量([kg/hr])は、(灰中融液割合[wt%]×石炭供給量[kg−無水/hr]×灰分含有率[%])で表わされ、無機化合物添加後のスラグ生成量([kg/hr])は、(灰中融液割合[wt%]×(石炭供給量[kg−無水/hr]×灰分含有率[%]+無機化合物添加量[kg/hr]))で表わされる。
図6が示すスラグ増加率100%は、無機化合物を添加しない条件における低融点灰のスラグ生成量(計算値)であり、100%を下回るとスラグ生成が抑制されていることを意味する。一般に、石炭灰における無機化合物の添加割合が増えるほど、石炭中に含まれる無機物質が増加するため、スラグ増加率も高くなる。しかし、図6に示すように、MgOおよびAlにおいては、添加割合が増加するほど、灰中融液割合が低下して、スラグ増加率が低下しており、これら無機化合物は、添加割合が増加するほど灰付着抑制効果があると言える。
(石炭灰に対するマグネシウム系化合物およびアルミニウム系化合物の添加割合と灰中融液割合との関係)
図7は、石炭灰に対するマグネシウム系化合物およびアルミニウム系化合物の添加割合と灰中融液割合との関係を示しており、特にボイラ内で灰付着が起こりやすい温度である1573Kにおいて、MgOおよびAlの添加割合をそれぞれ変化させたときの灰中融液割合(計算値)を示している。図3に示したように、灰中融液割合が60重量%以上になると、灰付着率が劇的に増大する。図7に示すように、灰中融液割合が60重量%以下になるMgOの添加割合は、15重量%以上である。本実施形態において、図2に示す混合部11内の混合物に添加するMgOの添加割合は、固体燃料の無機成分に対して、25重量%以上50重量%以下である。
(添加物中のMgO含有率と灰中融液割合との関係)
図8は、添加物中のMgO含有率と灰中融液割合との関係を示している。灰中融液割合が60重量%以下になるMgO含有率は70重量%以上である。よって、添加物がMgOを70重量%以上、好ましくは90重量%以上含有していれば、灰中融液割合が60重量%以下になり、灰付着率を下げることができる。本実施形態においては、MgOを70重量%以上、好ましくは90重量%以上含有する添加物を、図2に示す混合部11内の混合物に添加して、原料スラリーを形成している。
(添加物中のMgO含有率と灰中融液割合および灰付着量との関係)
図9は、添加物中のMgO含有率と灰中融液割合および灰付着量との関係を示している。ここで、添加条件として、添加物を石炭灰に対して25重量%の割合で添加した。添加物中のMgO含有率が70重量%以上であれば、特にボイラ内で灰付着が起こりやすい温度である1573Kにおいて、灰中融液割合が60重量%以下になる。また、図9から、添加物中のMgO含有率が高くなるほど、灰付着量が低減することがわかる。よって、添加物中のMgO含有率を70重量%以上、好ましくは90重量%以上にすることで、ボイラへの灰付着を抑制することができる。本実施形態においては、MgOを70重量%以上、好ましくは90重量%以上含有する添加物を、図2に示す混合部11内の混合物に添加して、原料スラリーを形成している。
(石炭灰の粒子径分布)
図10は、本実施形態で用いた石炭灰の粒子径分布を示している。本実施形態で用いた石炭灰の平均粒子径(積算重量が50重量%時の粒子径)は、6.8ミクロンである。これに対して、本実施形態において、図2に示す混合部11内の混合物に添加されるMgOの平均粒径は5ミクロン以下、好ましくは0.2ミクロン程度である。
(灰付着特性試験)
次に、MgOの灰付着抑制効果を実証するために、石炭燃焼炉(炉内径400mm、炉内有効高さ3650mm)を用いて、石炭および加熱用都市ガスの投入熱量が149kWで一定である条件下で、石炭にMgO試料を、石炭灰に対してそれぞれ25重量%、50重量%添加した条件で、灰付着特性試験を行なった。ここで、石炭に添加するMgO試料として、平均粒径が10ミクロン、5ミクロン、0.2ミクロンの3種類の試料を用いた。石炭は微粉炭として、燃焼空気とともに炉頂に設けたバーナで燃焼させるとともに、バーナの下方においてガス雰囲気温度が1573Kになる炉内に灰付着プローブを挿入して、100分間保持し、灰付着プローブの表面に付着する灰の付着量(重量)を測定した。その結果を図11に示す。
図11は、石炭灰に対するMgO試料の添加割合と灰付着量との関係を示しており、石炭にMgO試料を添加しない条件における灰付着量は4.4g−ash/100minであり、それ以下の重量になると灰付着抑制効果があることを意味する。図11から、平均粒径が5ミクロン以下のMgO試料を添加することで灰付着抑制効果が認められる。つまり、灰よりも小さな平均粒径のMgO試料を添加すると、灰付着抑制効果があることがわかる。また、平均粒径が5ミクロンのMgO試料よりも、平均粒径が0.2ミクロンのMgO試料の方が灰付着量が低いことから、添加するMgO試料の平均粒径が細かいほど、灰付着抑制効果が大きいことがわかる。本実施形態において、図2に示す混合部11内の混合物に添加するMgOの平均粒径は、石炭灰の平均粒子径である6.8ミクロンよりも小さい5ミクロン以下、好ましくは0.2ミクロン程度である。
さらに、石炭灰に対してMgO試料を25重量%添加した条件と50重量%添加した条件とを比較すると、灰付着抑制効果はほぼ同程度であることがわかった。そして、添加割合が25重量%以上で灰付着量がほぼ収束する傾向にあるので、MgO試料を25重量%以上添加すれば、灰付着抑制効果を得ることができる。ただし、MgO試料の添加割合が大きくなりすぎるとスラグ増加率も高くなるので、MgO試料の添加割合は50重量%以下であることが望ましい。本実施形態において、図2に示す混合部11内の混合物に添加されるMgOの添加割合は、固体燃料の無機成分に対して、25重量%以上50重量%以下である。
(効果)
以上のように、灰の収縮率が高いほど灰は固体から融液になるのであるが、原料炭と原料油との混合物にマグネシウム系化合物を添加すると、灰の収縮率が低下して灰が融液になりにくくなり、製品炭における灰中融液割合が低下する。
また、製品炭における無機化合物の添加割合が増えるほど、製品炭中に含まれる無機物質が増加するため、スラグ増加率も高くなるのであるが、マグネシウム系化合物においては、添加割合が増加するほど、製品炭における灰中融液割合が低下して、スラグ増加率が低下する。
灰中融液割合が低下すると、製品炭の灰付着率が低下するので、このような製品炭をボイラに利用することで、ボイラへの灰付着量が抑制される。
さらには、低融点灰を含有する低品位炭を原料炭としてマグネシウム系化合物を添加して、灰中融液割合を低減させ、灰付着率を低減させた製品炭とすることで、低品位炭を瀝青炭などの高品位炭と混合させることなく単独でボイラに利用することができるようになる可能性が高くなる。
このように、原料炭と原料油との混合物にマグネシウム系化合物を添加することで、製品炭における灰中融液割合を低減させることができて、製品炭の灰付着率が低減するから、このような製品炭をボイラに利用することで、ボイラに灰が付着するのを抑制することができる。
また、特にボイラ内で灰付着が起こりやすい温度である1573K近傍において、製品炭における灰中融液割合が60重量%以下になるように、マグネシウム系化合物を添加することで、製品炭における灰中融液割合は、複数種類の固体燃料の混合比率を決定する際の基準値以下になり、灰付着率が低下する。よって、このような製品炭をボイラに利用することで、ボイラへの灰付着量を抑制することができる。
また、マグネシウム系化合物を、25重量%以上50重量%以下の添加割合で、原料炭と原料油との混合物に添加することで、製品炭における灰中融液割合を好適に低減させることができる。
また、マグネシウム系化合物の平均粒径が灰よりも小さく、細かくなるほど、灰付着抑制効果が大きくなる。灰の平均粒径は6.8ミクロン程度であるので、マグネシウム系化合物の平均粒径を5ミクロン以下とすることによって、ボイラへの灰付着を好適に抑制することができる。
また、マグネシウム系化合物を70重量%以上含有する添加物を、原料炭と原料油との混合物に添加することで、製品炭における灰中融液割合を好適に低減させることができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態が第1実施形態と異なる点は、原料炭を改質して製品炭とする際に、原料炭と原料油との混合物に、アルミニウム系化合物(無機化合物)であるAlを含有する添加物を添加する点である。Alの平均粒径は5ミクロン以下、好ましくは0.2ミクロン程度であり、固体燃料の無機成分に対するAlの添加割合は、25重量%以上50重量%以下である。なお、アルミニウム系化合物は、Alのような酸化物に限定されず、炭酸化物や水酸化物であってもよい。
(温度と灰中融液割合および灰の収縮率との関係)
図12は、Alを用いて、上記の方法で灰中融液割合を算出した計算結果である。図13は、灰サンプルの温度を変化させながら、荷重を加えてその物質の変形を測定する熱機械分析(TMA)により、灰の収縮率を求めた結果である。灰サンプルとして、低品位炭、ここでは改質褐炭の灰にAlを添加していないもの(添加なし)と、改質褐炭の灰にAlを25重量%添加したもの(添加あり)と、改質褐炭の灰にAlを50重量%添加したもの(添加あり)とを用いた。ここで、灰の収縮率が高いほど灰サンプルは固体から融液になることを意味しており、温度が高くなるほど灰中融液割合および灰の収縮率は高くなる。
図12および図13から、灰サンプルにAlを添加することで、灰中融液割合を算出した熱力学平衡計算においても、灰の収縮率の測定においても、劇的な低下が認められる。つまり、灰サンプルにAlを添加すると、灰の収縮率が低下して灰が融液になりにくくなり、灰中融液割合が低下する。特にボイラ内の灰付着が起こりやすい1573K近傍における灰中融液割合は、改質褐炭の灰にAlを25重量%添加した場合には60%程度まで低下し、改質褐炭の灰にAlを50重量%添加した場合には30%程度まで低下し、図3に示した閾値(60重量%)を下回る。これにより、図3に示すように、灰付着率が低下するので、低融点灰を持つ低品位炭を高品位な瀝青炭との混炭ではなく、単独でボイラに利用することができる可能性が高い。
(無機化合物の添加割合とスラグ増加率との関係)
図6は、様々な無機化合物を石炭灰に添加したときの無機化合物の添加割合とスラグ増加率との関係を示す計算結果であり、特にボイラ内で灰付着が起こりやすい温度である1573Kにおけるスラグ増加率を示している。一般に、石炭灰における無機化合物の添加割合が増えるほど、石炭中に含まれる無機物質が増加するため、スラグ増加率も高くなる。しかし、図6に示すように、MgOおよびAlにおいては、添加割合が増加するほど、灰中融液割合が低下して、スラグ増加率が低下しており、これら無機化合物は、添加割合が増加するほど灰付着抑制効果があると言える。
(石炭灰に対するマグネシウム系化合物およびアルミニウム系化合物の添加割合と灰中融液割合との関係)
図7は、石炭灰に対するマグネシウム系化合物およびアルミニウム系化合物の添加割合と灰中融液割合との関係を示しており、特にボイラ内で灰付着が起こりやすい温度である1573Kにおいて、MgOおよびAlの添加割合を変化させたときの灰中融液割合(計算値)を示している。図3に示したように、灰中融液割合が60重量%以上になると、灰付着率が劇的に増大する。図7に示すように、灰中融液割合が60重量%以下になるAlの添加割合は、25重量%以上である。本実施形態において、図2に示す混合部11内の混合物に添加するAlの添加割合は、固体燃料の無機成分に対して、25重量%以上50重量%以下である。
(灰付着特性試験)
また、灰付着特性試験の試験結果を示す図11から、灰よりも小さな平均粒径の無機化合物を添加すると、灰付着抑制効果があり、添加する無機化合物の平均粒径が細かいほど、灰付着抑制効果が大きいことがわかる。本実施形態において、図2に示す混合部11内の混合物に添加するAlの平均粒径は、石炭灰の平均粒子径である6.8ミクロンよりも小さい5ミクロン以下、好ましくは0.2ミクロン程度である。
その他の構成は、第1実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
(効果)
以上のように、灰の収縮率が高いほど灰は固体から融液(溶融スラグ)になるのであるが、原料炭と原料油との混合物にアルミニウム系化合物を添加すると、灰の収縮率が低下して灰が融液になりにくくなり、製品炭における灰中融液割合(スラグ割合)が低下する。
また、製品炭における無機化合物の添加割合が増えるほど、製品炭中に含まれる無機物質が増加するため、スラグ増加率も高くなるのであるが、アルミニウム系化合物においては、添加割合が増加するほど、製品炭における灰中融液割合が低下して、スラグ増加率が低下する。
灰中融液割合が低下すると、製品炭の灰付着率が低下するので、このような製品炭をボイラに利用することで、ボイラへの灰付着量が抑制される。
さらには、低融点灰を含有する低品位炭を原料炭としてアルミニウム系化合物を添加して、灰中融液割合を低減させ、灰付着率を低減させた製品炭とすることで、低品位炭を瀝青炭などの高品位炭と混合させることなく単独でボイラに利用することができるようになる可能性が高くなる。
このように、原料炭と原料油との混合物にアルミニウム系化合物を添加することで、製品炭における灰中融液割合を低減させることができて、製品炭の灰付着率が低減するから、このような製品炭をボイラに利用することで、ボイラに灰が付着するのを抑制することができる。
また、特にボイラ内で灰付着が起こりやすい温度である1573K近傍において、製品炭における灰中融液割合が60重量%以下になるように、アルミニウム系化合物を添加することで、製品炭における灰中融液割合は、複数種類の固体燃料の混合比率を決定する際の基準値以下になり、灰付着率が低下する。よって、このような製品炭をボイラに利用することで、ボイラへの灰付着量を抑制することができる。
また、アルミニウム系化合物を、25重量%以上50重量%以下の添加割合で、原料炭と原料油との混合物に添加することで、製品炭における灰中融液割合を好適に低減させることができる。
また、アルミニウム系化合物の平均粒径が灰よりも小さく、細かくなるほど、灰付着抑制効果が大きくなる。灰の平均粒径は6.8ミクロン程度であるので、アルミニウム系化合物の平均粒径を5ミクロン以下とすることによって、ボイラへの灰付着を好適に抑制することができる。
(本実施形態の変形例)
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、具体的構成などは、適宜設計変更可能である。また、発明の実施の形態に記載された、作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
1,2 ホッパ
3a,3b 供給量調整装置
4 混合機
5 粉砕機
6 バーナ
7 ボイラ
9 演算器
11 混合部
12 加熱部
13 固液分離部
14 成形部

Claims (5)

  1. 原料炭と原料油とを混合するとともに、マグネシウム系化合物またはアルミニウム系化合物を含有する添加物を添加して原料スラリーを形成するステップと、
    前記原料スラリーを加熱するステップと、
    加熱後の前記原料スラリーを固液分離するステップと、
    固液分離した前記原料スラリーのうち、固体分を乾燥して製品炭とするステップと、
    を有することを特徴とする固体燃料の改質方法。
  2. 前記製品炭における灰中融液割合が60重量%以下になるように、前記マグネシウム系化合物または前記アルミニウム系化合物の添加割合を決定することを特徴とする請求項1に記載の固体燃料の改質方法。
  3. 前記マグネシウム系化合物または前記アルミニウム系化合物の添加割合が25重量%以上50重量%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の固体燃料の改質方法。
  4. 前記マグネシウム系化合物または前記アルミニウム系化合物の平均粒径が5ミクロン以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の固体燃料の改質方法。
  5. 前記添加物が前記マグネシウム系化合物を70重量%以上含有していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の固体燃料の改質方法。

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